文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、農業関連の総合企業として、また、グリーン事業のトータルプランナーとして農業及び園芸の発展に努めてまいりました。
当社グループは次のものを「信条」に掲げ、社業を推進しております。
「大同に生きる経営」
1.社会に必要とされ、社会に貢献する価値ある会社に育てよう。
2.働くものにとって、その人生を託するに値する生きがいのある職場をつくろう。
3.われわれのあげた成果によって会社の存在意義と価値を高めよう。
厚い蓄積によって安定した会社
適正な配分によって信頼される会社
合理的投資によって成長する会社
その意義は、企業の社会的責任を全うし、社会に必要とされ、貢献できる会社のみが、安定した企業として成長できるという堅い信念を表わしています。
これを実現するため、「ハイテクと国際化」を経営の基本方針として、新商品・新技術の研究開発と、種子の生産・販売両面での積極的な全国展開、海外展開に取り組んでおります。
(2) 経営環境、対処すべき課題及び経営戦略
当社グループと最も関係の深い農業分野などでは、日本国内と世界それぞれの情勢には大きな違いがあります。
国内では、2015年から人口が減少に転じ、高齢化率の上昇と相俟って、食料消費の減少が今後も継続し、家庭園芸の分野でも需要低迷の一因となっております。また、農作物の生産面においては、農業の担い手の高齢化や生産コスト低減など多くの課題を抱えております。
世界的には、急激な人口増加により食料需要が増大し、食料不足が懸念されるなか、これまで増産を支えてきた単位面積当たりの収穫量の増加も、伸びが鈍化しております。一方、新興国の経済発展により、高品質な野菜等への需要増もみられます。
このような国内外の情勢に対し、「ハイテクと国際化」の基本方針のもと、新商品・新技術の研究開発と種子の生産・販売両面での積極的な海外展開、また、「農業関連の総合企業」「グリーン事業のトータルプランナー」として、これまでの実績とノウハウを生かして対処してまいります。
ハイテクを駆使して、高い市場性・耐病虫性・高収量性・良食味性などの特性を備えた野菜・牧草種子の開発を進めております。加えて、本年4月に神奈川県横浜市所在の日東農産種苗株式会社より事業の一部を譲受け、野菜種子の品種権利や遺伝資源、花き種苗の遺伝資源などを引継ぐことで、商品ラインナップや開発力の強化を図っております。これらの活動により得られた品種を、好適な気象条件などを備えた採種地を世界的に求めることで、高品質・安定的かつ低コストでの種子生産を志向しております。
得られた競争力の高い種子を国内外で販売し、国内においては、安定・高収量でより付加価値の高い作物を求める生産者と、味の良さなどを求める消費者双方のニーズを満たすことでシェアアップを図り、海外においては、高い収穫量や高品質野菜へのニーズを満たすことにより、販売増加を図ってまいります。
また、「農業関連の総合企業」として、国内の人手不足や農業の担い手の高齢化などに対応することを念頭に、農作業の効率化・省力化に効果があり、かつ、安定的かつ高品質な野菜生産にも寄与する温室・養液栽培プラント、被覆肥料、農業資材、農薬を、高いコスト競争力と種苗会社という栽培ソフト面の強みや企画提案力を生かして供給してまいります。
加えて、「グリーン事業のトータルプランナー」として、花色や花型、草姿などが優れ、生産性の高い花き品種を開発して営利栽培農家向けに販売するとともに、家庭園芸愛好家向けに、生活に彩と潤いを添える花き商材や家庭菜園用野菜苗を企画提案することで、売上及び利益の確保に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 種子等の品質について
種子等の品質管理には万全を期しておりますが、種子等は本質的に生物であり、万全の注意を払って採種を行ったとしても、天候その他予期せざる要因により品質が劣化することがあります。したがって、純度・発芽率等が完全な種子のみを供給できるものではありません。種子の十分な品質レベルが確保できないことにより販売に支障をきたし、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(2) 種子の作柄について
当社グループは、野菜・牧草・花の種子等の販売を事業の主力として営んでおります。これらの生産については、主に国内及び海外の業者に委託しておりますが、その生産の形態は、野外の農地に植えつけることにより採種する場合が大部分であります。こうした形態から、生産量や品質が天候等の自然条件に、おのずと大きく左右されることとなります。作柄が不良となることに備え、比較的長期間の販売に耐えうる在庫量を確保しておくことや、安定的な種子供給のため、地球上の異なる地域・気候を利用して採種することなどの対応を行っております。しかしながら、天候不順等による不作により、種子等が品不足となって販売に支障をきたし、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(3) 開発期間の長期化
当社グループの種子等の開発期間は、比較的短いもので5年、長いもので10年程度を要し、その期間を大幅に短縮することは容易ではありません。また、長期間開発に努力しても、期待する成果が必ずしも得られるものではありません。そのような研究開発活動の停滞により、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(4) 海外取引に関するリスク
各種種子等の生産は、その委託先に多くの海外業者が含まれております。また、販売についても野菜種子を中心に輸出を行っております。これら海外取引の一部には以下のようなリスクが内在しており、それらが顕在化した場合、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
・ 円安に伴う仕入コストの上昇や、円高に伴う販売金額の目減り等の為替相場変動のマイナス影響
・ 政治・経済等の不安定
・ 政変やクーデター
・ 法律や制度における想定外の制定や改廃
(5) 国内農業に関する影響
日本国内の農業の状況は、人口減少と少子高齢化による食料消費の低迷や農業従事者の高齢化といった構造的問題が発生しており、非常に厳しい状況にあります。また、農協改革の影響など、その置かれた環境は不透明な状況であります。当社グループは、新商品・新技術の研究開発や、得意先のニーズを的確に捉えた営業活動に意を払うことで、業容拡大や業績向上に努めておりますが、当社グループの事業の多くが国内農業関連であることから、当該国内農業の状況に少なからず影響を受けております。
(6) 債権管理リスク
当社グループは、売掛金や受取手形などの債権を有しております。農業の業界では、農業生産者が農作物の出荷代金を受領後、農薬等を購入した代金を支払う盆暮勘定(8月と12月支払)の商習慣が一部に残っております。農業生産者から、前記のような形態で代金回収した小売店等が、比較的長いサイトでの支払いを当社に対しても行うことがあるため、債権金額が取引金額と比し多額となるケースも発生します。与信管理については常に充分注意しておりますが、場合によっては回収リスクが顕在化する可能性があります。
(7) 自然災害、事故等によるリスク
自然災害や予期せぬ事故等が発生することにより、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。大規模な自然災害が発生し、その影響で広範囲にわたり農業生産が不能あるいは困難となった場合や一般家庭が甚大な被害を受けた場合、農業生産者向けの種苗・農薬・農業資材や一般家庭向けの園芸用品などの販売が減少するケースなどが考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制や制度改革等によるリスク
当社グループの事業は、種苗法・植物防疫法・農薬取締法・毒物及び劇物取締法・建設業法など、さまざまな法的規制を受けております。コンプライアンス強化に努めておりますが、法令等を遵守できなかった場合や法的規制の変更の場合等で、事業活動が制限されるなどにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保・育成に関するリスク
当社グループは「ハイテクと国際化」を経営の基本とし、新商品・新技術の研究開発と種子の生産・販売両面でのグローバル展開を志向しております。これらを実現するためには、研究開発に高度な能力を発揮し、また、困難な環境や多様な文化のなかでも業務を遂行する有用な人材が必要となります。
これらの適切な人材が十分に確保・育成ができない場合、長期的な視点から当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)業績の変動について
当社グループの業績は、第4四半期において、他の四半期と比較して売上高・利益ともに増加する傾向にあります。これは、春の種まきなどの時期に、それに使用する種苗・農薬・農業資材・家庭園芸用品の需要が増加することや、農薬においては、春に当該シーズンに使用する薬剤の多くを購入する商習慣があることなどによります。したがって、第3四半期までの業績は、年度予算に対する進捗率が低くなる状況にあります。
なお、平成30年5月期における四半期毎の業績の概要は以下のとおりとなっております。
(単位:千円)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
年度合計 |
|
売上高 (構成比 %) |
13,794,905 (23.4) |
11,129,009 (18.8) |
10,932,250 (18.5) |
23,246,627 (39.3) |
59,102,794 (100.0) |
|
売上総利益 (構成比 %) |
2,186,451 (23.7) |
1,727,756 (18.7) |
1,988,724 (21.5) |
3,341,895 (36.1) |
9,244,828 (100.0) |
|
営業利益 (構成比 %) |
345,991 (19.8) |
△67,332 (△3.9) |
214,212 (12.3) |
1,254,434 (71.8) |
1,747,306 (100.0) |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や堅調な企業収益など、明るさは継続している一方、足元では歩み寄りの動きが見られるものの、依然予断を許さない北朝鮮情勢、鉄鋼製品に高い関税をかけるなどとした米国トランプ政権の措置から懸念される貿易摩擦問題など、海外情勢が国内経済に及ぼす影響は不透明な状況となっております。
国内農業の状況は、少子高齢化による食料消費の減少や農家の後継者不足等の従前からの課題に加え、冬場の低温による農作物の作柄不良、秋に中間選挙を控えたトランプ政権が強硬に農産物市場開放を迫ってくる懸念が大きいなどマイナス面が多々見られ、また、今年より廃止されるコメの減反についても影響が見通せない状況です。
このような状況のなか当社グループの業績は、施設材事業等での販売伸長により売上高は591億2百万円で前年同期比12億54百万円(2.2%)の増収となりました。利益面では、人件費の増加や物流費の高騰などにより販売費及び一般管理費が増加したことから、営業利益17億47百万円で前年同期比2億68百万円(13.3%)減、経常利益18億91百万円で前年同期比2億24百万円(10.6%)減となり、一支店において収益性の低下や市場価格の著しい下落により減損損失を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は9億78百万円で前年同期比5億10百万円(34.3%)減となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
種苗事業
種苗事業においては、野菜種子の国内販売は、昨年秋までの天候不順と年初の寒波などの影響で、ホウレンソウなどの葉菜類の販売は不振でしたが、ニンジンなどの根菜類は比較的順調でした。春作については、気温が高めに推移したこともあり、スイートコーン、カボチャ、また、イモ類でサツマイモ苗及びナガイモの種イモ等が伸長し、増収となりました。
野菜種子の輸出でも、東南アジア向けキャベツ、チンゲンサイの販売は減少いたしましたが、欧米向けカボチャ、東アジア・南米向けニンジンが好調で、売上高は増加いたしました。
牧草種苗関係は、飼料用トウモロコシの輸出、災害復旧用の芝種子、緑肥種子の販売は伸長いたしましたが、東北地方の芝苗需要が減少したことなどから減収となりました。
種苗事業全体として売上高78億55百万円で前年同期比0.3%増となり、利益面においても、海外向け野菜種子売上増による採算性向上などから、セグメント利益12億34百万円で前年同期比4.6%増となりました。
花き事業
花き事業においては、営利栽培農家向けの花種子及び家庭園芸用花苗・野菜苗の販売が増加したものの、球根・家庭園芸用資材の需要低迷に加え、販売先の園芸事業からの撤退、大手チェーン店の統合により既存商品の納入が他社へ移る等で、売上高91億69百万円で前年同期比5.4%減となり、セグメント利益も1億81百万円で前年同期比27.0%減となりました。
農材事業
農材事業においては、新規薬剤の普及拡販や茎葉除草剤の伸長に加え、関東地区においては、土壌消毒剤も順調に推移いたしました。また、オリジナル被覆肥料ベストマッチは米麦用の販売が増加し、売上高267億65百万円で前年同期比2.2%増となりました。利益面では、人員の増加に伴う人件費、物流経費の増加等に伴い、セグメント利益8億15百万円で前年同期比18.2%減となりました。
施設材事業
施設材事業においては、農業用フィルムの拡販と新規得意先開拓が功を奏したことや、小ロットや長尺な農業資材の配送にもタイムリーに対応できる当社配送体制の優位さが、運送物流事情悪化の影響でより鮮明となり、販売先の支持が得られたことなどから、売上高147億40百万円で前年同期比6.9%増となりました。利益面では、養液栽培プラントの受注減が利益率の低下につながるなどして、セグメント利益4億68百万円で前年同期比12.4%減となりました。
造園事業
造園事業においては、工事完工高伸長等に伴い売上高5億71百万円で前年同期比61.9%増となり、セグメント利益も13百万円(前年同期はセグメント損失1百万円)と改善いたしました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末における「資産の部」の残高は、449億95百万円で前年同期比16億26百万円(3.8%)増となりました。これは、利益計上に伴い現金及び預金が増加したことや、天候不順により野菜種子の作柄が安定しないことに備え在庫を積み増したこと、また、株式相場の上昇に伴い投資有価証券が増加したことなどによるものであります。
また、「負債の部」の残高は、262億72百万円で前年同期比5億89百万円(2.3%)増となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。
「純資産の部」の残高は、187億22百万円で前年同期比10億36百万円(5.9%)増となりました。これは利益計上などに伴うものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して5億42百万円増加し、49億11百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、15億16百万円(前年同期比11.1%減)となりました。
これは主に、売上債権が1億66百万円及びたな卸資産が3億88百万円増加したことや、法人税等を7億18百万円支払うなどで資金を使用したものの、税金等調整前当期純利益を15億67百万円計上及び仕入債務が7億15百万円増加したこと等により資金を獲得したことや、減損損失3億20百万円及び減価償却費を2億27百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6億58百万円(前年同期比2,287.7%増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得により6億16百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3億7百万円(前年同期比75.7%減)となりました。
これは主に、配当金の支払などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
種苗事業 |
4,324,451 |
8.9 |
|
花き事業 |
7,900,864 |
△3.6 |
|
農材事業 |
24,322,254 |
3.5 |
|
施設材事業 |
13,203,868 |
9.4 |
|
造園事業 |
498,546 |
43.6 |
|
合計 |
50,249,983 |
4.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
種苗事業 |
7,855,677 |
0.3 |
|
花き事業 |
9,169,911 |
△5.4 |
|
農材事業 |
26,765,185 |
2.2 |
|
施設材事業 |
14,740,876 |
6.9 |
|
造園事業 |
571,145 |
61.9 |
|
合計 |
59,102,794 |
2.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況」「1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
当連結会計年度の売上高は591億2百万円で前年同期比12億54百万円(2.2%)増、売上総利益は92億44百万円で前年同期比34百万円(0.4%)増となりました。販売費及び一般管理費74億97百万円を差引いた営業利益は、17億47百万円で前年同期比2億68百万円(13.3%)減となりました。
売上高につきましては、施設材事業や農材事業が順調に推移したことにより、前年同期比増収となりました。
施設材事業においては、農業用フィルムの拡販と新規得意先開拓が功を奏したことや、小ロットや長尺な農業資材の配送にもタイムリーに対応できる当社配送体制の優位さが、運送物流事情悪化の影響でより鮮明となり、販売先の支持が得られたことなどから増収となり、農材事業においては、新規薬剤の普及拡販や茎葉除草剤の伸長に加え、関東地区においては、土壌消毒剤も順調に推移いたしました。
売上総利益については、利益率の高い種苗事業は順調に利益増に貢献したものの、花き事業の販売低迷、施設材事業においては養液栽培プラントの受注減、施設材事業と農材事業に共通した状況として競争激化が、いずれも利益率の低下要因となり、売上総利益は微増に終わりました。
販売費及び一般管理費につきましては、前年同期比3億2百万円(4.2%)増となりました。人員増に伴う人件費の増加や物流費の高騰、種子病害に対応するための種子検査費用などにより販売費及び一般管理費が増加したことなどによるものであります。
営業外損益につきましては前年同期と比べ大きな変動はなく、営業外収益が営業外費用を上回り、経常利益18億91百万円で前年同期比2億24百万円(10.6%)減となりました。
特別損益につきましては、一支店において業績低迷及び不動産価格の下落により減損損失を計上したことから、利益減少要因となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、9億78百万円で前年同期比5億10百万円(34.3%)減となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、営業債権及び在庫のための費用及び販売費及び一般管理費であります。
また、設備資金需要といたしましては、本社及び支店の事務所及び倉庫の改修や建替え等があります。
財務政策
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金の活用及び金融機関からの短期借入金によっております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の状況
(種苗事業)
セグメント資産は、主に野菜種子の在庫積み増しに伴う商品の増加により、69億82百万円で前年同期比2億81百万円(4.2%)増となりました。
(花き事業)
セグメント資産は、主に売上高の減少に伴う売上債権の減少により、39億39百万円で前年同期比2億77百万円(6.6%)減となりました。
(農材事業)
セグメント資産は、主に売上高の増加に伴う売上債権の増加により、153億36百万円で前年同期比3億19百万円(2.1%)増となりました。
(施設材事業)
セグメント資産は、主に売上高の増加に伴う売上債権の増加により、59億74百万円で前年同期比3億80百万円(6.8%)増となりました。
(造園事業)
セグメント資産は、主に売上高の増加に伴う売上債権の増加により、1億56百万円で前年同期比24百万円(18.2%)増となりました。
(b)経営成績の状況
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要」「①財政状態及び経営成績の状況」「(経営成績の状況)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発に取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモ・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、635,721千円となっております。
セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。
(1)種苗事業
くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第68回全日本野菜品種審査会におきましてキャベツ・レタス・ネギ・ハクサイ・ホウレンソウ・ダイコンの部門で8点が入賞いたしました。また第59回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはホウレンソウ・ダイコンが、第65回千葉県野菜品種審査会におきましてはスイートコーンが入賞いたしました。
当年度につきましては、野菜類7品種・飼料作物類7品種を新発売といたしました。新しい作型に対応できる品種や特徴のある品種で、すでに産地での普及が始まっております。野菜類では、暑さや病気に強く加工用途や海外需要に向く大型のニンジン品種“紅大星(べにたいせい)”、形状が良く収穫しやすい夏まき早生キャベツ品種“福洸(ふっこう)”、球色に優れた2~3月収穫用キャベツ品種“冬そだち”、側枝の発生が多く長期にわたり収穫ができる早生ブロッコリー“スーパードーム”、ベと病の抵抗性を強化した冬どり用ホウレンソウ“シンバ”、病気に強く収穫に波の少ないキュウリ“ほっきこう121”、栽培が安定するキュウリ用台木品種“ネオバトラー”を発表いたしました。飼料作物類では、東南アジア用の耐病性トウモロコシ“509”、北海道に向く雌穂収量の高い多収性トウモロコシ“KD421”“KD460”、立生で収穫しやすく多収性の中晩生イタリアンライグラス“フウジン”を発表いたしました。また、暑さに強い芝草“バーセラティ”、省力管理が可能な芝草“美ら緑(ちゅらみどり)”、ウインターオーバーシード用芝草“ラバー”をラインアップに加えました。引き続き新規性のある品種の開発を、国内外に向け積極的に行ってまいります。
波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用してイモ類などの栄養繁殖性作物のウイルスフリー化と新品種開発を進めております。
サツマイモでは、オリジナル品種“シルクスイート®”に続く新品種の育成を重点にして産地試験を行っており、食感や食味の良い新品種候補が育成されてきております。また、“シルクスイート®”につきましては消費者の評価が高く、焼き芋やふかし芋の他、干し芋やお菓子の原料といった加工用としても利用範囲が広がってきており、更に栽培面積の増加が期待されます。既存品種の“ベニアズマ”“なると金時”は、産地の要望にあった新系統を育成し栽培試験を進めております。
ヤマノイモでは、新規性があり栽培しやすく製品率の高い新品種の開発を進めております。産地向けのオリジナル品種“ネバリスター”は、食味が大変良く評価が高いため栽培面積が更に増加しております。ヤマノイモは、家庭菜園用としても人気が高い作物であるため、短型で堀取り易く粘りが強い新品種の開発を進めております。新品種候補につきましては試験栽培を継続しており今後の展開が期待されます。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、484,579千円であります。
(2)花き事業
花き育種研究室では営利栽培農家向けとホームユース向けの花き類の品種開発を行っております。ユーストマでは8品種を新発売といたしました。その中で、“マカナピンク”と“マカナライトピンク”は暖地産地の1月~3月出荷に適した品種です。当社ではその作型に適した品種が少なかったのですが、このシリーズの新発売により当社の販売に広がりを持たせることができるようになりました。また、“レガロ”はフリンジの強い白色八重咲き品種で、需要の大きい白色の市場でのシェアの拡大が期待されます。カーネーションではスプレー系の自社開発品種を4品種、スタンダード系については海外提携メーカーからの独占導入品種を7品種新発売といたしました。その中にはオリジナリティーの高い大輪スプレー系品種も含まれており、カーネーションの新しい市場を開拓していきたいと考えております。また、コロンビアにおいて自社開発のスプレー系品種の試作を開始いたしました。その結果、高く評価される品種が多数あり、来年度から本格的な拡大試作を行う予定にしております。スターチスシヌアータやデルフィニウム、キンギョソウ、カスミソウなどでは前年度に販売を開始した新品種の普及に力を入れ、またスターチスシヌアータについては開発品種を海外に販売するために、海外種苗メーカーと提携いたしました。来年度からの販売に向けて親株の確保を行うとともに、海外向け品種の開発にも注力してまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を導入し、他社とは一味違った品種の選定に努め、品揃えのより一層の充実を図りました。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、64,065千円であります。
(3)施設材事業
開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培ソフトの蓄積を生かした他社にはないプラント開発を行っております。現在、7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。マルチリーフ®レタス、細ねぎ(小ネギ)、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”やトマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地で導入されています。今後は、大規模施設が多くなるのに伴い、植物生理に基づいた高度なハウス内環境制御技術とさらなる養液栽培技術開発とのマッチング及び養液栽培向け品種の開発により、一層の生産効率を上げてまいります。また既存販売地域での実績を基盤として新しい地域への展開を進めてまいります。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、87,077千円であります。