第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、農業関連の総合企業として、また、グリーン事業のトータルプランナーとして農業及び園芸の発展に努めてまいりました。

 当社グループは次のものを「信条」に掲げ、社業を推進しております。

  「大同に生きる経営」

 1.社会に必要とされ、社会に貢献する価値ある会社に育てよう。

 2.働くものにとって、その人生を託するに値する生きがいのある職場をつくろう。

 3.われわれのあげた成果によって会社の存在意義と価値を高めよう。

  厚い蓄積によって安定した会社

  適正な配分によって信頼される会社

  合理的投資によって成長する会社

 その意義は、企業の社会的責任を全うし、社会に必要とされ、貢献できる会社のみが、安定した企業として成長できるという堅い信念を表わしています。

 これを実現するため、「ハイテクと国際化」を経営の基本方針として、新商品・新技術の研究開発と、種子の生産・販売両面での積極的な全国展開、海外展開に取り組んでおります。

 

(2) 経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループと関係の深い農業分野を取り巻く環境は厳しさを増しています。

国内的には、単身者の増加や少子化に伴い人口が減少に転じるなか、人生100年時代とも言われるように高齢者が増加しています。これは食料需要面で大きな減少要因となっています。

また、農業就業人口は、2010年には260万人だったものが、2019年には168万人と90万人以上減少するとともに、平均年齢67歳と高齢化が進行しており、気象条件の変化が農産物生産を不安定化するなど、食料の供給面からも懸念が強まる状況となっております。

消費者の視点からは、安全安心で高品質な食品を求めるニーズは、ますます強まることが予想されます。

世界的には、人口増加により食料需要が増大することから食料不足が懸念される一方、新興国が豊かになることで高品質な食品への欲求の高まりや食の多様化が進行するものと思われます。

このような国内外の情勢に対し、「ハイテクと国際化」の基本方針のもと、新商品・新技術の研究開発と種子の生産・販売両面での積極的な海外展開、また、「農業関連の総合企業」としてのこれまでの実績とノウハウを生かして対処してまいります。

国内の課題である農家の減少や高齢化、気象条件の変化、消費者の高品質食品へのニーズに対しては、高収量性・耐病虫性・良食味性を備えた種苗を開発・販売するとともに、省力化・効率化や厳しい気象条件の緩和、農作物の高品質化に有効な農業資材や農薬、被覆肥料を、高いコスト競争力と種苗会社という栽培ソフト面の強みや企画提案力を生かして供給し、当社グループの農業に貢献するという役割を果たしてまいります。

世界的な課題である食料増産や高品質な食品への欲求の高まりに対しても、国内同様、高収量性・耐病虫性・良食味性を備えた種苗を開発することで対処してまいります。

加えて、「グリーン事業のトータルプランナー」として、コロナ禍による外出自粛からニーズが盛り上がっている家庭菜園需要に的確に対応するとともに、営利栽培農家向けに花色や花型、草姿などが優れた花き品種を開発・販売することで、売上及び利益の確保に取り組んでまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、国内農家の作付減少や、世界的な外出自粛に伴い物流が滞るマイナス影響が、輸出を中心に懸念されるところではありますが、前述の家庭菜園需要の盛り上がりなどのプラス影響や、当社グループが携わるのは生活の根幹を支える食に関わる事業であり大幅な需要減退は想定されず、当社グループへの影響は多大なものとは見込んでおりません。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 種子等の品質について

種子等の品質管理には万全を期しておりますが、種子等は本質的に生物であり、万全の注意を払って採種や管理を行ったとしても、天候その他予期せざる要因により品質劣化や病害発生のリスクがあります。採種技術の指導体制や種子検査体制の充実を図り、種子の品質確保や品質レベルが低いあるいは病害リスクのある種子の選別廃棄を随時行っております。それでも、ユーザーの求める純度・発芽率・健全性等の条件を満たす種子のみを供給できるものではなく、種子の十分な品質レベルが確保できないことにより販売に支障をきたすなどして、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(2) 種子の作柄について

当社グループは、野菜・牧草・花の種子等の販売を事業の主力として営んでおります。これらの生産の多くは、主に国内及び海外の業者に委託しておりますが、その生産の形態は、野外の農地に植えつけることにより採種する場合が大部分であります。こうした形態から、生産量や品質が天候等の自然条件に、おのずと大きく左右されることとなります。作柄が不良となることに備え、比較的長期間の販売に耐えうる在庫量を確保しておくことや、安定的な種子供給のため、地球上の異なる地域・気候を利用して採種することなどの対応を行っております。しかしながら、天候不順等による不作により、種子等が品不足となって販売に支障をきたし、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(3) 育種開発リスク

当社グループの種子等の開発期間は10年超を要すものもあり、その期間を大幅に短縮することは容易ではありません。また、長期間開発に努力しても、期待する成果が必ずしも得られるものではありません。より良い開発成果を得るためには、優秀な人材と有用な遺伝資源及び新技術に関する情報収集が重要であり、常にそれらに意を払いリスク回避に努めております。それでも開発成果が得られず、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(4) 人材の確保・育成に関するリスク

当社グループは「ハイテクと国際化」を経営の基本とし、新商品・新技術の研究開発と種子の生産・販売両面でのグローバル展開を志向しております。これらを実現するためには、研究開発に高度な能力を発揮し、また、困難な環境や多様な文化のなかでも業務を遂行できる有用な人材が必要となり、そのような人材を確保するため、採用活動の充実や入社後の人材育成の強化を図っております。しかしながら、これらの適切な人材が十分に確保・育成ができない場合、長期的な視点から当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 国内農業に関する影響

日本国内の農業の状況は、人口減少と少子高齢化による食料消費の低迷や農業従事者の高齢化といった構造的問題が発生しており、非常に厳しい状況にあります。当社グループは、新商品・新技術の研究開発や、得意先のニーズを的確に捉えた営業活動に意を払うことで、業容拡大や業績向上に努めておりますが、当社グループの事業の多くが国内農業関連であることから、当該国内農業の状況に少なからず影響を受けております。

 

(6) 法的規制や制度改革等によるリスク

当社グループの事業は、種苗法・植物防疫法・農薬取締法・毒物及び劇物取締法・建設業法など、さまざまな法的規制を受けております。コンプライアンス強化に努めておりますが、法令等を遵守できなかった場合や法的規制の変更の場合等で、事業活動が制限されるなどにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外取引に関するリスク

各種種子等の生産は、その委託先に多くの海外業者が含まれております。また、販売についても野菜種子を中心に輸出を行っております。これら海外取引の一部には以下のようなリスクが内在しており、それらが顕在化した場合、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 ・ 円安に伴う仕入コストの上昇や、円高に伴う販売金額の目減り等の為替相場変動のマイナス影響

 ・ 政治・経済等の不安定

 ・ 政変やクーデター

 ・ 法律や制度における想定外の制定や改廃

 

(8) 自然災害、事故、新型コロナウイルス感染症等によるリスク

大規模な自然災害や事故が発生し、その影響で広範囲にわたり農業生産が不能あるいは困難となった場合や一般家庭が甚大な被害を受けた場合、農業生産者向けの種苗・農薬・農業資材や一般家庭向けの園芸用品などの販売が減少するケースなどが考えられます。また、新型コロナウイルス感染症が、当社グループの従業員に蔓延するなどして、業務が大幅に停滞する事態に陥ることも考えられます。このよう場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 債権管理リスク

当社グループは、売掛金や受取手形などの債権を有しております。農業の業界では、農業生産者が農作物の出荷代金を受領後、農薬等を購入した代金を支払う盆暮勘定(8月と12月支払)の商習慣が一部に残っております。農業生産者から、前記のような形態で代金回収した小売店等が、比較的長いサイトでの支払いを当社に対しても行うことがあるため、債権金額が取引金額と比し多額となるケースも発生します。与信管理については、取引管理規程に従い取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、財政状態を随時把握するなど常に充分注意を払っておりますが、場合によっては回収リスクが顕在化する可能性があります。

 

(10) 保有資産の価額変動リスク

当社グループは、土地等の有形固定資産や有価証券などを有しております。これらの資産価格の下落により当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(11)業績の変動について

当社グループの業績は、第4四半期において、他の四半期と比較して売上高・利益ともに増加する傾向にあります。これは、春の種まきなどの時期に、それに使用する種苗・農薬・農業資材・家庭園芸用品の需要が増加することや、農薬においては、春に当該シーズンに使用する薬剤の多くを購入する商習慣があることなどによります。したがって、第3四半期までの業績は、年度予算に対する進捗率が低くなる状況にあります。

なお、2020年5月期における四半期毎の業績の概要は以下のとおりとなっております。

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

年度合計

売上高

(構成比 %)

13,490,439

11,616,324

11,058,903

22,014,223

58,179,890

(23.2)

(20.0)

(19.0)

(37.8)

(100.0)

売上総利益

(構成比 %)

2,162,803

1,772,626

2,051,824

3,145,117

9,132,372

(23.7)

(19.4)

(22.5)

(34.4)

(100.0)

営業利益

(構成比 %)

275,635

△123,008

238,168

1,096,674

1,487,470

(18.5)

(△8.3)

(16.0)

(73.8)

(100.0)

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の状況)

 当連結会計年度(2019年6月1日~2020年5月31日)におけるわが国経済は、年度前半は、米中貿易摩擦や英国の合意なきEU離脱リスク、新興国経済の減速懸念などの不安要素があったものの、雇用・所得環境の改善や企業業績が好調に推移するなど緩やかな回復基調となりました。しかしながら、年度後半は、消費税率引上げ後の消費者マインドの冷え込みや、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が後退する極めて厳しい状況となりました。

 国内農業の状況は、少子高齢化による食料消費の減少や農家の後継者不足等の従前からの課題に加え、初夏の日照不足や大型台風の襲来による農作物への被害、また暖冬により青果物が供給増加となったものの、コロナ禍による訪日客や外食の減少により業務・加工用需要が減少するなど、供給・需要両面の影響で青果安となり、同じくコロナ禍の影響で外国人労働者の来日が困難となったことから大型農家を中心に労働力不足となるなど、農家経営を圧迫する状況となりました。

 このような状況のなか当社グループの業績は、種苗事業が低調に推移したことなどから、売上高581億79百万円で前年同期比4億12百万円0.7%)の減収となりました。利益面でも、営業利益14億87百万円で前年同期比2億98百万円16.7%経常利益16億13百万円で前年同期比2億85百万円15.0%親会社株主に帰属する当期純利益11億22百万円で前年同期比1億61百万円12.6%となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

種苗事業

 種苗事業においては、牧草関係で地道な普及活動による飼料用作物種子、ラグビーワールドカップの影響によるスポーツターフ用芝種子がそれぞれ販売増となり、野菜種子関係でカボチャ種子の輸出が伸長したものの、コロナ禍の影響で輸出先国の物流が滞ったことなどからキャベツ種子の輸出が停滞、ニンジン種子は輸出・国内販売ともに低迷し、売上高79億95百万円で前年同期比2.7%減収となりました。利益面でも、減収になったことに加え、種子生産委託先である新興国の人件費上昇にスライドして種子の生産コストが上昇したことや、需要者からの高品質種子志向に対応し種子の選抜廃棄を行ったことなどにより費用が増加し、セグメント利益8億63百万円で前年同期比23.0%減となりました。

 

花き事業

 花き事業においては、年度終了間際にはコロナ禍の外出自粛時でも自宅で楽しめる家庭菜園需要が伸長したものの、全般的には家庭園芸用品の需要低迷や主要販売先の売上不振も重なったことなどから、売上高84億55百万円で前年同期比2.1%減収となりました。利益面では、業務の効率化に努めたことなどから、セグメント利益59百万円で前年同期比351.8%増となりました。

 

農材事業

農材事業においては、青果安に伴い農家のコスト削減意識の高まりが農薬散布機会の減少につながり、土壌消毒剤の販売が減少したものの、除草作業の軽減に効果的な茎葉除草剤が、高齢化や省力化志向に伴い販売が増加、また、オリジナル被覆肥料の普及による販売増などにより、売上高270億72百万円で前年同期比微増収となり、利益面でも、セグメント利益9億11百万円で前年同期比0.7%増となりました。

 

施設材事業

施設材事業においては、農業用施設に対する台風復旧需要により関東地区で販売が増加したものの、前期東海地区で発生した台風復旧需要の反動減、また夏の天候不順による遮光・灌水資材、暖冬による保温資材がそれぞれ販売減となったことに加えて、青果安に伴う農家の設備投資意欲の減退から養液栽培プラント関係が受注減となりました。その結果、売上高146億56百万円で前年同期比0.1%減収となり、利益面でも、セグメント利益4億38百万円で前年同期比3.4%減となりました。

 

 

(財政状態の状況)

当連結会計年度末における「資産の部」の残高は467億92百万円となり、前連結会計年度末と比較して12億66百万円増加いたしました。これは主に決算期末日が金融機関の休日となったため、決算期末日満期手形の決済や売掛金の回収が次年度にずれ込んだことにより、受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。

また、「負債の部」の残高は263億91百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億83百万円増加いたしました。これは「資産の部」と同様、決算期末日が金融機関の休日となったため、決算期末日満期手形の決済が次年度にずれ込んだことにより、支払手形が増加したことによるものであります。

「純資産の部」の残高は204億1百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億82百万円増加いたしました。これは主に利益計上に伴うものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して1億62百万円減少し、44億11百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、5億89百万円(前年同期比33.9%減)となりました。

これは主に、売上債権が10億95百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益16億24百万円を計上したことなどにより資金を獲得したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2億64百万円(前年同期比69.5%減)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得に3億66百万円を支出したものの、有形固定資産の売却による収入で1億37百万円の資金を獲得したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、4億88百万円(前年同期比34.7%増)となりました。

これは主に、配当金の支払や自己株式の取得によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  該当事項はありません。

b.受注実績

  該当事項はありません。

c.仕入実績

  当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

種苗事業

4,638,336

△11.1

花き事業

7,148,540

△2.6

農材事業

24,534,299

△0.4

施設材事業

12,993,142

△0.4

合計

49,314,319

△1.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

   当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

種苗事業

7,995,016

△2.7

花き事業

8,455,386

△2.1

農材事業

27,072,650

0.0

施設材事業

14,656,836

△0.1

合計

58,179,890

△0.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績の分析

⒜ 売上高

売上高につきましては、種苗事業と花き事業が低迷し売上高581億79百万円で前年同期比4億12百万円0.7%)の減収なりました。

減収の主要因となった種苗事業及び花き事業の状況は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (経営成績の状況)」に記載のとおりであります。

 

⒝ 営業利益

売上総利益は91億32百万円で前年同期比2億44百万円2.6%となりました。これは主に種苗事業及び花き事業の販売低迷や、種苗事業で種子生産委託先である新興国の人件費上昇にスライドして種子生産コストが上昇したことや、需要者からの高品質種子志向に対応し種子の選抜廃棄を行ったことなどにより費用が増加したこと、また、施設材事業のうち養液栽培プラント関係が、青果安に伴う農家の設備投資意欲減退からの受注減などによるものであります。

販売費及び一般管理費は76億44百万円で前年同期比53百万円(0.7%)増加いたしました。これは主に人件費や物流費の増加によるものであります。

売上総利益から販売費及び一般管理費を差引いた営業利益は14億87百万円で前年同期比2億98百万円16.7%となりました。

 

⒞ 経常利益

営業外収益は、1億43百万円で前年同期比10百万円(7.6%)増加いたしました。これは主に受取保険金を計上したことによるものであります。

営業外費用は17百万円で前年同期比2百万円(11.9%)減少いたしました。これは主に為替差損の減少によるものであります。

この結果経常利益は16億13百万円で前年同期比2億85百万円15.0%)減となりました。

 

⒟ 親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、43百万円で前年同期比33百万円(339.7%)増加いたしました。これは主に前期に移転した支店の跡地を売却したことで固定資産売却益を計上したことによるものであります。

特別損失は、31百万円で前年同期比31百万円(49.7%)減少いたしました。これは主に事務所・倉庫の建替えに伴う解体費用等が減少したことによるものであります。

この結果親会社株主に帰属する当期純利益は、11億22百万円で前年同期比1億61百万円12.6%となりました。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、種苗事業において輸出先国の物流が滞ったことなどからキャベツ種子の輸出が停滞することによるマイナス影響、花き事業において、年度終了間際に外出自粛時でも自宅で楽しめる家庭菜園需要が伸長するプラス影響など、功罪それぞれの影響があったものの、当社の経営成績に大きなインパクトを与えるものではありませんでした。

 

 

ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ハ.財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (財政状態の状況)」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

2016年5月期

2017年5月期

2018年5月期

2019年5月期

2020年5月期

自己資本比率(%)

37.5

40.8

41.6

43.1

43.6

時価ベースの自己資本比率(%)

35.7

39.1

42.1

34.8

35.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.4

0.0

0.1

0.1

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

104.7

101.9

117.7

71.3

46.5

(注)1.各指標は、下記の基準で算出しております。

(1)自己資本比率=自己資本÷総資産

(2)時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産

(3)キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債÷キャッシュ・フロー

(4)インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー÷利払い

2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

6.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、営業債権及び在庫のための費用及び販売費及び一般管理費であります。

また、設備資金需要といたしましては、圃場の取得や本社及び支店の事務所及び倉庫の改修や建替え等があります。

これらの資金需要に対するための資金調達は、営業活動によるキャッシュ・フローによる資金獲得及び金融機関からの短期借入金によっております。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。また、この連結財務諸表における見積りにつきましては、経営者により一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して検証し必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。

なお、当社グループの会計上の重要な見積りに、今般の新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響は現時点では認識しておらず、その内容は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視野で取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモ・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。2019年11月15日には、養液栽培の各ステージにおける養液管理を容易にした「養液栽培装置及び養液栽培制御プログラム」で特許を取得いたしました(特許第6615929号)。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、698,351千円となっております。

セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。

 

(1)種苗事業

くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第70回と第71回全日本野菜品種審査会におきましてレタス,キャベツで5点が入賞いたしました。また第61回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはホウレンソウ1点が、第67回千葉県野菜品種審査会におきましてはレタス1点が入賞いたしました。入賞いたしましたレタス“チアフル”、キャベツ“優彩”は産地においても高い評価を頂いております。

当年度につきましては、野菜類5品種・飼料作物類13品種を新発売といたしました。野菜類では、食味で評価されている中玉トマト“レッドオーレ”に耐病性を付与した“TYレッドオーレ”、9月に旬を迎えるおいしいエダマメ“つきみ娘”、皮が薄くて甘いトウモロコシ“どきどきコーン”、食べておいしいハウス栽培向きキュウリ“ストライカー303”、病気に強いキャベツ“清月”を発表いたしました。飼料作物類では、倒伏と病気に強い北海道用トウモロコシ“KD090カリス”、耐雪性に優れるイタリアンライグラス“ゆきつよし”、環境にやさしいリビングマルチ品種“マルチムギワイド”、サツマイモネコブセンチュウ及びキタネグサレセンチュウ密度抑制効果を有するマリーゴールド“フィールドキーパー”を発表いたしました。“フィールドキーパー”につきましては、2種類のセンチュウの密度を抑制する効果が高くまた生育も良いため、特にダイコン生産者に対し効果的に利用できる品種です。また、競技場やゴルフ場・公園などの用途に向け、耐暑性と耐病性に優れた芝草“ファイヤーボール”“ナイトライフ”等をラインアップに加えました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。

波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物であるカンショ(サツマイモ)とヤマノイモの新品種開発及びウイルスフリー化を進めております。

カンショ(サツマイモ)では、オリジナル品種“シルクスイート®”の評価が年々高くなっており、更なる栽培面積の増加が期待されます。消費者においては甘さと舌触りの良さで、生産者においては良品率の高さで高い人気があります。現在、食感や食味で新規性のある新品種候補が幾つか育成されており、品種登録に向け試験栽培を行っております。

ヤマノイモでは、新品種の育成とオリジナル品種“ネバリスター”の改良を進めております。“ネバリスター”は食味が大変良く高い評価のため、改良点である収量性を向上させることにより更なる栽培面積の増加が期待されます。新品種育成では、短系で粘りが強く食味の良い系統の試験栽培を継続しており今後の展開が期待されます。

なお、当事業に係る研究開発費の金額は、536,209千円であります。

 

(2)花き事業

花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第65回と第66回全日本花卉品種審査会に、当年度はユーストマ,スターチス・シヌアータ,キンギョソウ,デルフィニウムの出品を行い、9点が入賞し、うちユーストマでは“K487”が1位(一等特別賞)を受賞いたしました。

当年度につきましては、5品目で合計23品種を新発売といたしました。ユーストマにつきましては6品種を新発売し、その中で“フィーノブルー”は中小輪のバラ咲き八重品種で、前年度の第64回全日本花卉品種審査会で1位(一等特別賞)を受賞した評価の高い品種です。既に販売中の品種である“フィーノピンク”の紫タイプとしてシリーズ化いたしました。カーネーションではスプレー系の自社開発品種を8品種、スタンダード系については海外提携メーカーからの独占導入品種を4品種新発売といたしました。スプレー系では大輪の極薄ライラック色品種である“16127-01”を“ラグジュアリラ”と命名し、当社独自の大輪スプレー系品種であります“ラグジュアライトピンク”のシリーズとして、来期より本格的に販売いたします。また、自社開発品種が海外で高く評価され、3品種の親株を初めて輸出いたしました。海外市場に向けた品種の開発にさらに力を入れてまいります。スターチス・シヌアータやデルフィニウム、カスミソウ、オキシペタルムにつきましても、新品種の試験販売を開始しました。本格販売に向け普及に努めてまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、商品のより一層の充実を図りました。

なお、当事業に係る研究開発費の金額は、68,119千円であります。

 

(3)施設材事業

農業者人口の減少やそれに伴う技術継承の断絶、また、天候不順による不安定な野菜生産を補完できる養液栽培のニーズは高まっています。開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培ソフトの蓄積を生かした、他社にはないプラント開発を行っております。2019年11月15日に「養液栽培装置及び養液栽培制御プログラム」が特許登録されました。これは、プログラム化された養液制御装置によって、各栽培ステージにおける養液管理を容易にした当社独自のノウハウです。

今までに、7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。“マルチリーフ®”レタス、細ねぎ(小ネギ)、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”やトマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地に導入されています。現在、品目毎の、植物の生育に最適なハウス内の環境制御を可能にする技術の構築とともに、環境に負荷がかからず、生産者のニーズにもマッチした養液栽培を可能にするプラントの開発を行っています。加えて、養液栽培向け品種の開発により一層の生産効率を上げてまいります。既存地域での実績を基盤として新しい地域の展開を進めてまいります。

なお、当事業に係る研究開発費の金額は、94,022千円であります。