文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、農業関連の総合企業として、また、グリーン事業のトータルプランナーとして農業及び園芸の発展に努めてまいりました。
当社グループは次のものを「信条」に掲げ、社業を推進しております。
「大同に生きる経営」
1.社会に必要とされ、社会に貢献する価値ある会社に育てよう。
2.働くものにとって、その人生を託するに値する生きがいのある職場をつくろう。
3.われわれのあげた成果によって会社の存在意義と価値を高めよう。
厚い蓄積によって安定した会社
適正な配分によって信頼される会社
合理的投資によって成長する会社
その意義は、企業の社会的責任を全うし、社会に必要とされ、貢献できる会社のみが、安定した企業として成長できるという堅い信念を表わしています。
これを実現するため、「ハイテクと国際化」を経営の基本方針として、新商品・新技術の研究開発と、種子の生産・販売両面での積極的な全国展開、海外展開に取り組んでおります。
(2) 経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
日本国内の農業分野を取り巻く環境は、既に減少に転じている人口が、コロナ禍で経済情勢が悪化した影響を受け、さらに減少の速度が増すことが懸念される一方で、高齢者の増加傾向は継続しており、それらが相俟って食料需要の減少要因となっています。消費者の嗜好面では、安全安心で高品質な食品を求めるニーズは、ますます強まることが予想されます。
また、農業就業人口は減少を続けるとともに高齢化が進行し、担い手不足が危惧されるとともに、低迷する食料自給率等、食料の供給面からも不安定要素が多くみられる状況となっております。
世界的には、人口が80億人に迫り、今後も発展途上国での増加が予想されており、それにスライドして食料不足が懸念される一方、新興国が豊かになることで、需要の一部が穀物から肉や野菜等へシフトし、かつ、品質の良い食品を求める傾向もさらに強まるものと思われます。
また、当社グループとしては、販売が少ない地域への展開も課題となっております。
このような国内外の情勢に対し、「ハイテクと国際化」の基本方針のもと、地道な研究活動を通じて、日本国内や世界的に受け入れられる野菜や牧草、花の新品種や養液栽培プラントの開発に取り組んでまいります。また、種子の生産・販売両面での積極的な海外展開、加えて、「農業関連の総合企業」としての、これまでの実績とノウハウを生かして対処してまいります。
国内の課題である人口減少や高齢化による食料需要の減少や、消費者の高品質食品へのニーズに対しては、耐病虫性・良食味性を備えた品種により、競争力のある農作物生産を実現することで対応いたします。
また、食料の供給面からは、耐病虫性があり高収量で、農家の高齢化等に対応した作業性の高い品種を開発して提供することや、省力化、効率化、収量の増加、厳しい気象条件の緩和、農作物の高品質化に有効な農業資材や農薬、被覆肥料、養液栽培プラントを、高いコスト競争力と「農業関連の総合企業」としての強みを生かして供給し、農家の生産性向上に貢献してまいります。
世界的な課題である食料不足への対応については、耐病虫性品種を供給することで栽培過程での病害や虫害によるロスを減少させることや、高収量性品種を開発することで生産量の増加を実現してまいります。品質の良い食品を求める傾向の高まりに対しても、耐病虫性による品質の確保や、良食味性を備えた種苗を開発することで対処いたします。
また、当社グループの販売が少ないエリアへのアプローチを進め、海外展開の拡大を図ります。
加えて、「グリーン事業のトータルプランナー」として、コロナ禍による外出自粛からニーズが盛り上がった家庭園芸・菜園分野において、魅力ある商材の供給による需要の喚起に努めるとともに、営利栽培農家向けに花色や花型、草姿などが優れた花き品種を開発し、国内はもとより海外向けにも販売することで、売上及び利益の確保に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 種子等の品質について
種子等の品質管理には万全を期しておりますが、種子等は本質的に生物であり、万全の注意を払って採種や管理を行ったとしても、天候その他予期せざる要因により品質劣化や病害発生のリスクがあります。採種技術の指導体制や種子検査体制の充実を図り、種子の品質確保や品質レベルが低いあるいは病害リスクのある種子の選別廃棄を随時行っております。それでも、ユーザーの求める純度・発芽率・健全性等の条件を満たす種子のみを供給できるものではなく、種子の十分な品質レベルが確保できないことにより販売に支障をきたすなどして、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(2) 種子の作柄について
当社グループは、野菜・牧草・花の種子等の販売を事業の主力として営んでおります。これらの生産の多くは、主に国内及び海外の業者に委託しておりますが、その生産の形態は、野外の農地に植えつけることにより採種する場合が大部分であります。こうした形態から、生産量や品質が天候等の自然条件に、おのずと大きく左右されることとなります。作柄が不良となることに備え、比較的長期間の販売に耐えうる在庫量を確保しておくことや、安定的な種子供給のため、地球上の異なる地域・気候を利用して採種することなどの対応を行っております。しかしながら、天候不順等による不作により、種子等が品不足となって販売に支障をきたし、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(3) 育種開発リスク
当社グループの種子等の開発期間は10年超を要すものもあり、その期間を大幅に短縮することは容易ではありません。また、長期間開発に努力しても、期待する成果が必ずしも得られるものではありません。より良い開発成果を得るためには、優秀な人材と有用な遺伝資源及び新技術に関する情報収集が重要であり、常にそれらに注意を払いリスク回避に努めております。それでも開発成果が得られず、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(4) 人材の確保・育成に関するリスク
当社グループは「ハイテクと国際化」を経営の基本とし、新商品・新技術の研究開発と種子の生産・販売両面でのグローバル展開を志向しております。これらを実現するためには、研究開発に高度な能力を発揮し、また、困難な環境や多様な文化のなかでも業務を遂行できる有用な人材が必要となり、そのような人材を確保するため、採用活動の充実や入社後の人材育成の強化を図っております。しかしながら、これらの適切な人材が十分に確保・育成ができない場合、長期的な視点から当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 国内農業に関する影響
日本国内の農業の状況は、人口減少と少子高齢化による食料消費の低迷や農業従事者の高齢化といった構造的問題が発生しており、非常に厳しい状況にあります。当社グループは、新商品・新技術の研究開発や、得意先のニーズを的確に捉えた営業活動に意を払うことで、業容拡大や業績向上に努めておりますが、当社グループの事業の多くが国内農業関連であることから、当該国内農業の状況に少なからず影響を受けております。
(6) 法的規制や制度改革等によるリスク
当社グループの事業は、種苗法・植物防疫法・農薬取締法・毒物及び劇物取締法・建設業法など、さまざまな法的規制を受けております。コンプライアンス強化に努めておりますが、法令等を遵守できなかった場合や法的規制の変更の場合等で、事業活動が制限されるなどにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外取引に関するリスク
各種種子等の生産は、その委託先に多くの海外業者が含まれております。また、販売についても野菜種子を中心に輸出を行っております。これら海外取引の一部には以下のようなリスクが内在しており、それらが顕在化した場合、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
・ 円安に伴う仕入コストの上昇や、円高に伴う販売金額の目減り等の為替相場変動のマイナス影響
・ 政治・経済等の不安定
・ 政変やクーデター
・ 法律や制度における想定外の制定や改廃
(8) 自然災害、事故、新型コロナウイルス感染症等によるリスク
大規模な自然災害や事故が発生し、その影響で広範囲にわたり農業生産が不能あるいは困難となった場合や一般家庭が甚大な被害を受けた場合、農業生産者向けの種苗・農薬・農業資材や一般家庭向けの園芸用品などの販売が減少するケースなどが考えられます。また、新型コロナウイルス感染症が、当社グループの従業員に蔓延するなどして、業務が大幅に停滞する事態に陥ることも考えられます。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 債権管理リスク
当社グループは、売掛金や受取手形などの債権を有しております。農業の業界では、農業生産者が農作物の出荷代金を受領後、農薬等を購入した代金を支払う盆暮勘定(8月と12月支払)の商習慣が一部に残っております。農業生産者から、前記のような形態で代金回収した小売店等が、比較的長いサイトでの支払いを当社に対しても行うことがあるため、債権金額が取引金額と比し多額となるケースも発生します。与信管理については、取引管理規程に従い取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、財政状態を随時把握するなど常に充分注意を払っておりますが、場合によっては回収リスクが顕在化する可能性があります。
(10) 保有資産の価額変動リスク
当社グループは、土地等の有形固定資産や有価証券などを有しております。これらの資産価格の下落により当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(11)業績の変動について
当社グループの業績は、第4四半期において、他の四半期と比較して売上高・利益ともに増加する傾向にあります。これは、春の種まきなどの時期に、それに使用する種苗・農薬・農業資材・家庭園芸用品の需要が増加することや、農薬においては、春に当該シーズンに使用する薬剤の多くを購入する商習慣があることなどによります。したがって、第3四半期までの業績は、年度予算に対する進捗率が低くなる状況にあります。
なお、2021年5月期における四半期毎の業績の概要は以下のとおりとなっております。
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
年度合計 |
|
売上高 (構成比 %) |
14,639,230 |
11,542,436 |
11,487,357 |
23,110,067 |
60,779,093 |
|
(24.1) |
(19.0) |
(18.9) |
(38.0) |
(100.0) |
|
|
売上総利益 (構成比 %) |
2,262,703 |
1,796,133 |
2,015,033 |
3,352,586 |
9,426,457 |
|
(24.0) |
(19.0) |
(21.4) |
(35.6) |
(100.0) |
|
|
営業利益 (構成比 %) |
340,883 |
△94,180 |
233,162 |
1,181,533 |
1,661,398 |
|
(20.5) |
(△5.6) |
(14.0) |
(71.1) |
(100.0) |
(12)直送取引に関するリスク
当社グループの売上高のうち、主に施設材事業・農材事業を中心として売上高全体の40%超が仕入先から得意先に商品が直送される取引形態をとっております。直送取引の場合、仕入先からの連絡(出荷情報)に基づき売上高を計上するため、商品の出荷日付を適時に把握できず売上高の計上が遅れる可能性があるなど、結果として売上高の期間帰属を誤るリスクがあります。
その対策といたしまして、当社グループでは仕入先に対し出荷納品に関する証憑を速やかに送付するように要請しているほか、期末日近くの取引に関しては、仕入先への出荷状況の問合せを行い、当該リスクの軽減に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度(2020年6月1日~2021年5月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症終息の兆しが見えず、政府が緊急事態宣言を発出したことに伴って、外出自粛や催事開催制限が行われて個人消費が低迷するなど、国内景気は減速を余儀なくされる厳しい状況となりました。
国内農業の状況は、少子高齢化による食料消費の減少や農家の後継者不足等の従前からの課題に加え、コロナ禍により外食産業の農産物需要大幅減や、海外からの入国が困難となり外国人労働者に依存していた一部生産者が労働力不足となったこと、また、青果安や日本海側を中心に大雪による農業用施設の倒壊が多数発生するなど、農家経営に大きな影響を与える事象が多数みられる状況となりました。
このような状況のなか当社グループの業績は、主に農材事業や花き事業が業績伸長に貢献し、売上高607億79百万円で前年同期比25億99百万円(4.5%)の増収となりました。利益面でも、営業利益16億61百万円で前年同期比1億73百万円(11.7%)増、経常利益17億65百万円で前年同期比1億52百万円(9.4%)増、親会社株主に帰属する当期純利益14億36百万円で前年同期比3億13百万円(27.9%)増となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の増益額が、営業利益や経常利益の増益額より大きくなっているのは、当社所有の土地が区画整理事業の対象となったことで発生した移転補償金を、特別利益に計上したことなどによるものであります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
種苗事業
種苗事業においては、野菜種子の輸出関係で、キャベツがアフリカや南アジア向けに販売増となり、タマネギも韓国向けに伸長いたしました。また、海外子会社の野菜種子販売が全般的に堅調に推移したことなどから、売上高83億32百万円で前年同期比4.2%の増収となりました。利益面でも、研究開発体制の拡充を図ったことや種子病害検査関係のコスト増、ユーザーの高品質種子志向に対応し種子の選抜廃棄を前期に引続き行ったことによる費用の発生があったものの、これらを増収効果が上回り、セグメント利益8億81百万円で前年同期比2.0%増となりました。
花き事業
花き事業においては、コロナ禍での外出自粛による巣ごもり需要から家庭園芸・菜園分野の需要が拡大し、苗物関係では花苗を中心に販売が増加、園芸資材の販売も順調に推移いたしました。その結果、売上高94億71百万円で前年同期比12.0%の増収となり、利益面でも、セグメント利益1億64百万円で前年同期比176.0%増となりました。
農材事業
農材事業においては、青果安に伴う農家の防除意欲の減退により殺虫剤・殺菌剤の需要が低迷したものの、除草作業の軽減に有効な茎葉除草剤が、コロナ禍による巣ごもり需要も相俟って一般家庭へも普及したこと、また、東北及び九州地区において積極的に営業推進したことから販売が増加し、売上高279億65百万円で前年同期比3.3%の増収となりました。利益面でも、増収要因に加えコロナ禍で出張経費などが減少し、セグメント利益10億24百万円で前年同期比12.4%増となりました。
施設材事業
施設材事業においては、大型台風襲来により損壊した農業用施設の復旧需要が一巡したことによる販売低迷があったものの、農家の高齢化により潅水資材等の省力化商品の需要が増加したこと、また、コロナ禍による輸入商材減少の影響で、国内販売チャネルが変化したことに的確に対応できたことなどから、売上高150億9百万円で前年同期比2.4%の増収となりました。利益面では、コロナ禍により設備投資意欲が減退し、養液栽培プラントや温室部材の需要が低迷したことなどの影響で採算性が低下し、セグメント利益4億26百万円で前年同期比2.7%減となりました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末における「資産の部」の残高は474億52百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億59百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金や商品が減少した一方で、現金及び預金や基幹システム構築に伴い無形固定資産が増加したことによるものであります。
また、「負債の部」の残高は257億55百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億36百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が減少したことによるものであります。
「純資産の部」の残高は216億96百万円となり、前連結会計年度末と比較して12億95百万円増加いたしました。これは主に利益計上に伴うものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して10億74百万円増加し、54億86百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、22億94百万円(前年同期比289.3%増)となりました。
これは主に、売上債権が8億54百万円減少したことや、税金等調整前当期純利益18億72百万円を計上したことなどにより資金を獲得したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、8億38百万円(前年同期比216.7%増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得に4億1百万円、無形固定資産の取得に6億27百万円を支出したものの、有形固定資産の売却による収入で1億91百万円の資金を獲得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3億84百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
これは主に、配当金の支払によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
種苗事業 |
4,608,300 |
△0.6 |
|
花き事業 |
8,176,826 |
14.4 |
|
農材事業 |
24,972,180 |
1.8 |
|
施設材事業 |
13,267,643 |
2.1 |
|
合計 |
51,024,949 |
3.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
種苗事業 |
8,332,809 |
4.2 |
|
花き事業 |
9,471,179 |
12.0 |
|
農材事業 |
27,965,139 |
3.3 |
|
施設材事業 |
15,009,964 |
2.4 |
|
合計 |
60,779,093 |
4.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
⒜ 売上高
売上高につきましては、花き事業と農材事業の販売が増加し、売上高607億79百万円で前年同期比25億99百万円(4.5%)の増収なりました。
増収の主要因となった花き事業及び農材事業の状況は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (経営成績の状況)」に記載のとおりであります。
⒝ 営業利益
売上総利益は94億26百万円で前年同期比2億94百万円(3.2%)増となりました。これは主に花き事業・農材事業での販売増加や、種苗事業でキャベツ種子及びタマネギ種子の輸出増加及び海外子会社の野菜種子販売が全般的に堅調に推移したことなどに伴い、売上総利益も増加いたしました。
販売費及び一般管理費は77億65百万円で前年同期比1億20百万円(1.6%)増加いたしました。これは主にコロナ禍で出張経費の減少があったものの、新基幹システム構築費用や人件費・物流費の増加によるものであります。
売上総利益から販売費及び一般管理費を差引いた営業利益は16億61百万円で前年同期比1億73百万円(11.7%)増となりました。
⒞ 経常利益
営業外収益は1億49百万円で前年同期比6百万円(4.6%)増加いたしました。
営業外費用は45百万円で前年同期比28百万円(161.1%)増加いたしました。これは主に為替差損の増加によるものであります。
この結果経常利益は17億65百万円で前年同期比1億52百万円(9.4%)増となりました。
⒟ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、2億5百万円で前年同期比1億62百万円(376.4%)増加いたしました。これは主に当社所有の土地が区画整理事業の対象となったことで移転補償金が発生したことによるものであります。
特別損失は、98百万円で前年同期比66百万円(210.7%)増加いたしました。これは主に上記の区画整理の対象なった土地が遊休化したことに伴い減損損失を計上したことによるものであります。
この結果親会社株主に帰属する当期純利益は、14億36百万円で前年同期比3億13百万円(27.9%)増となりました。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (財政状態の状況)」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
|
|
2017年5月期 |
2018年5月期 |
2019年5月期 |
2020年5月期 |
2021年5月期 |
|
自己資本比率(%) |
40.8 |
41.6 |
43.1 |
43.6 |
45.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
39.1 |
42.1 |
34.8 |
35.7 |
36.3 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.0 |
0.1 |
0.1 |
0.2 |
0.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
101.9 |
117.7 |
71.3 |
46.5 |
193.3 |
(注)1.各指標は、下記の基準で算出しております。
(1)自己資本比率=自己資本÷総資産
(2)時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産
(3)キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債÷キャッシュ・フロー
(4)インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー÷利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、営業債権及び在庫のための費用及び販売費及び一般管理費であります。
また、設備資金需要といたしましては、圃場の取得や本社及び支店の事務所及び倉庫の改修や建替え等があります。
これらの資金需要に対するための資金調達は、営業活動によるキャッシュ・フローによる資金獲得及び金融機関からの短期借入金によっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。また、この連結財務諸表における見積りにつきましては、経営者により一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して検証し必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。
なお、当社グループの会計上の重要な見積りに、今般の新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響は現時点では認識しておらず、その内容は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視野で取り組んでおります。
種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、
セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。
(1)種苗事業
くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第71回と第72回全日本野菜品種審査会におきましてダイコン、エダマメ、ハクサイ、レタス、キャベツで5点が入賞いたしました。また第62回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはエダマメ、キャベツで3点が、第68回千葉県野菜品種審査会におきましてはスイートコーン1点が入賞いたしました。入賞した中には既に商品化されている品種があり、レタス“タフV ”、エダマメ“初だるま”“福だるま”“つきみ娘”、スイートコーン“わくわくコーンTM82”は産地においても高い評価を頂いております。
当年度につきましては、野菜類8品種・飼料作物類6品種を新発売といたしました。野菜類では、品質が良く収穫後の貯蔵性が高いカボチャ“ほろほろ”、早生で根色の良いニンジン“紅はやて”、品質の良い春まき用ニンジン“紅琳”、ぱりぱりした食感のキュウリ“PR四川”、うどんこ病に強く栽培が容易なキュウリ用台木カボチャ“ブレイブ”、晩抽性で業務加工用に向くロメインレタス“アルト”、株張り・在圃性に優れる春・秋まき用ホウレンソウ“シューター”、家庭菜園や直売所に向く食味の良い小型ダイコン“味短歌”を発表いたしました。飼料作物類では、多収で病気に強く北海道に向く飼料用トウモロコシ“KD078バステト”、長野県畜産試験場と共同で育成した高消化性ソルガム“東山交37号”、葉色が極濃緑など特徴がある芝草“バーバリアン”“コンパドレ”“ニュームーン”、倒伏に強く多収のライ小麦“ライダックスE”を発表いたしました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。
波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物であるカンショ(サツマイモ)とヤマノイモのウイルスフリー化と新品種開発を進めています。カンショ(サツマイモ)では、オリジナル品種“シルクスイート®”の、他にはない滑らかな舌触りと甘さが消費者に評価が高く、生産者においては良品率が高いため栽培面積が更に増加しております。また、現在しっとり系の“シルクスイート”と異なる食感を持った新品種の品種登録を出願しており、新たな展開が期待されます。年々人気が高くなっているカンショ(サツマイモ)の新品種開発を今後も積極的に行ってまいります。
ヤマノイモでは、オリジナル品種“ネバリスター”に続き短系で粘りが強く食味の良い新品種候補を育成し今後の展開が期待されます。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、
(2)花き事業
花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第66回と第67回全日本花卉品種審査会に、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウ、デルフィニウムの出品を行い、7点が入賞し、うちユーストマの“コスタホワイト”とデルフィニウムの“クレスライトブルー2”が1位一等特別賞を受賞いたしました。
当年度につきましては、6品目で合計23品種を新発売といたしました。ユーストマにつきましては3品種を新発売し、その中で上述の全日本花卉品種審査会で1位一等特別賞を受賞した“コスタホワイト”は純白の大輪フリル咲きの八重品種で、特に高寒冷地において普及が期待される品種です。カーネーションのスプレー系では7品種を新発売といたしました。大輪のピンク品種である“シャルル”は評価が特に高く、定番化しているピンク品種の“キュイン”とともに、ピンク系の分野における当社のシェアをさらに押し上げることが期待されます。スターチス・シヌアータでは高寒冷地向けに3品種を新発売し、特に“グラビアピンク”が花色や草丈の伸長性などで評価されております。また、デルフィニウムでは八重咲き品種である“セレーノライトブルー”が好評を得ており、さらに新品目としてヒマワリの八重咲き品種“ヘリオアーリーダブル”と“ヘリオダブル”を上市いたしました。“ヘリオ”シリーズはこれまでの八重咲き品種にはなかった早生性があり、今後の普及が期待されます。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、商品のより一層の充実を図りました。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、
(3)施設材事業
SDGsが目指す持続可能な社会を支える農業の実現、また農業者人口の減少やそれに伴う技術継承の断絶や天候不順による不安定な野菜生産を補完できる養液栽培技術のニーズは高まっています。開発部では、太陽光型養液栽培及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培技術の蓄積を生かした、他社にはないプラント開発を行っております。
今までに、7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。“マルチリーフ®”レタス、細ねぎ(小ネギ)、ミツバ などの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”、トマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地に導入されています。“スプレーポニック®”は、培地を使用せず環境にやさしいシステムプラントです。現在、電子機器などの専門技術を持つ企業と提携しながら、ハウス内の環境と作物の生育などのパラメーターのAIによる解析や新規機材の導入などにより、品目ごとに植物の生育に最適なハウス内の環境制御を可能にする技術の開発を目指しています。また、社内のその他の研究機関との連携による養液栽培向け品種の開発により、一層の生産効率を上げてまいります。既存地域での実績を基盤として新しい地域へ展開し、持続可能な社会へ貢献してまいります。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、