第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、農業関連の総合企業として、また、グリーン事業のトータルプランナーとして農業及び園芸の発展に努めてまいりました。

 当社グループは次のものを「信条」に掲げ、社業を推進しております。

  「大同に生きる経営」

 1.社会に必要とされ、社会に貢献する価値ある会社に育てよう。

 2.働くものにとって、その人生を託するに値する生きがいのある職場をつくろう。

 3.われわれのあげた成果によって会社の存在意義と価値を高めよう。

  厚い蓄積によって安定した会社

  適正な配分によって信頼される会社

  合理的投資によって成長する会社

 その意義は、企業の社会的責任を全うし、社会に必要とされ、貢献できる会社のみが、安定した企業として成長できるという堅い信念を表わしています。

 これを実現するため、「ハイテクと国際化」を経営の基本方針として、新商品・新技術の研究開発と、種子の生産・販売両面での積極的な全国展開、海外展開に取り組んでおります。

 

(2) 経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社を取り巻く環境

当社は、農業分野を中心に、家庭園芸の分野などでも事業を展開しております。日本国内においては、出生率の低下や長寿社会の到来に人口減少が相俟って食料の消費量は減少傾向にあり、また、食料自給率は40%を割込む低水準で、食料供給を海外に依存する傾向に大きな改善はみられません。このような状況は、国内農業向けの展開を主力としている当社にとって、厳しい事業環境であると言えます。

一方海外に目を向けてみますと、発展途上国などの生活水準の向上により、高品質な食品に対する嗜好が高まったことや、人口の増加に伴い食料の絶対量の確保が必要になるとともに、穀物を直接食べることから、穀物を家畜に飼料として与えその家畜を食料とすることで、従前よりも多くの農作物を必要とする状況が、食料不足を助長する要因となっております。加えて、近年の天候不順や温暖化が農作物の作柄にマイナス影響を及ぼし、食料の安定供給や増産の重要性がますます高まる情勢であります。

また、生活に潤いを与える園芸の分野では、消費者のニーズの多様化や巣ごもり需要の一巡などの対応が難しい事態が発生し、SDGsにマッチした事業活動の重要性も高まっております。

当社は「ハイテクと国際化」「農業関連の総合企業」「グリーン事業のトータルプランナー」との経営基本方針を掲げ、これらの課題に対処してまいります。

国内農業への対応

人口減少や高齢化により食料需要は減少する傾向にありますが、食料安全保障の観点からも、国内での食料増産が望まれます。また、消費者の安全安心で美味しい食品へのニーズは高いものがあります。これらに対しハイテクの分野では、野菜種苗において、収量性や耐病虫性・良食味性を備えた品種を開発供給し、食料の安定生産や消費者のニーズに応えております。

また、多くを輸入に頼る飼料についても、良質な飼料作物種子を開発販売し、自給率向上に貢献してまいります。

国民全体の高齢化以上に農業従事者の高齢化問題は深刻で、作業負荷の軽減は重要課題となっています。これらを実現するAIや環境制御技術を活用した養液栽培プラントの開発に取組むとともに、高品質な農作物の生産に加え農作業の効率化・省力化に有効な農業資材や農薬、被覆肥料を、高いコスト競争力と「農業関連の総合企業」としての強みを生かして供給してまいります。

また、園芸の分野では、「グリーン事業のトータルプランナー」として、一般家庭向けにニーズをとらえた苗や園芸資材の供給、営利栽培農家向けでは、花の色や生産性等に優れた品種開発を目指しております。

海外農業への対応

世界的には人口増加による食料需要の増大に加え、温暖化などの気象変動による栽培環境の劣化が食料不足を助長する状況となっております。これらへの対応については、野菜種子関係で、収量性や耐病虫性を備えた品種を供給することで、栽培過程での病害や虫害による被害を軽減し、また、輸送性の高い品種を開発してロスを減少させることなどで生産量の増加を実現してまいります。品質の良い食品を求める傾向の高まりに対しても、良食味性を備えた種苗を開発することで対処いたします。

温暖化などの気象変動は、食料生産の面に加え種子生産の難易度を上昇させるなどのマイナス影響を及ぼしております。世界的な視野で種子の安定生産を目指していくことも当社にとって重要なテーマの一つとなっています。

また、飼料作物種子や花き種苗の分野でも、海外展開を拡充すべく品種開発・普及に努めております。

 

当社は持続可能な農業経営に貢献しており、事業活動の多くはSDGsにマッチしたものとなっています。また、野菜生産用の暖房に廃油を利用する設備を供給するなど、再生可能エネルギーの活用にも取り組んでおります。今後も持続可能な未来を築くための行動を深化させることを当社の課題としてまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 種子等の品質について

種子等の品質管理には万全を期しておりますが、種子等は本質的に生物であり、万全の注意を払って採種や管理を行ったとしても、天候その他予期せざる要因により品質劣化や病害発生のリスクがあります。採種技術の指導体制や種子検査体制の充実を図り、種子の品質確保や品質レベルが低いあるいは病害リスクのある種子の選別廃棄を随時行っております。それでも、ユーザーの求める純度・発芽率・健全性等の条件を満たす種子のみを供給できるものではなく、種子の十分な品質レベルが確保できないことにより販売に支障をきたすなどして、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(2) 種子の作柄について

当社グループは、野菜・牧草・花の種子等の販売を事業の主力として営んでおります。これらの生産の多くは、主に国内及び海外の業者に委託しておりますが、その生産の形態は、野外の農地に植えつけることにより採種する場合が大部分であります。こうした形態から、生産量や品質が天候等の自然条件に、おのずと大きく左右されることとなります。作柄が不良となることに備え、比較的長期間の販売に耐えうる在庫量を確保しておくことや、安定的な種子供給のため、地球上の異なる地域・気候を利用して採種することなどの対応を行っております。しかしながら、天候不順等による不作により、種子等が品不足となって販売に支障をきたし、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(3) 育種開発リスク

当社グループの種子等の開発期間は10年超を要すものもあり、その期間を大幅に短縮することは容易ではありません。また、長期間開発に努力しても、期待する成果が必ずしも得られるものではありません。より良い開発成果を得るためには、優秀な人材と有用な遺伝資源及び新技術に関する情報収集が重要であり、常にそれらに注意を払いリスク回避に努めております。それでも開発成果が得られず、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(4) 人材の確保・育成に関するリスク

当社グループは「ハイテクと国際化」を経営の基本とし、新商品・新技術の研究開発と種子の生産・販売両面でのグローバル展開を志向しております。これらを実現するためには、研究開発に高度な能力を発揮し、また、困難な環境や多様な文化のなかでも業務を遂行できる有用な人材が必要となり、そのような人材を確保するため、採用活動の充実や入社後の人材育成の強化を図っております。しかしながら、これらの適切な人材が十分に確保・育成ができない場合、長期的な視点から当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 国内農業に関する影響

日本国内の農業の状況は、人口減少と少子高齢化による食料消費の低迷や農業従事者の高齢化といった構造的問題が発生しており、非常に厳しい状況にあります。当社グループは、新商品・新技術の研究開発や、得意先のニーズを的確に捉えた営業活動に意を払うことで、業容拡大や業績向上に努めておりますが、当社グループの事業の多くが国内農業関連であることから、当該国内農業の状況に少なからず影響を受けております。

 

(6) 法的規制や制度改革等によるリスク

当社グループの事業は、種苗法・植物防疫法・農薬取締法・毒物及び劇物取締法・建設業法など、さまざまな法的規制を受けております。コンプライアンス強化に努めておりますが、法令等を遵守できなかった場合や法的規制の変更の場合等で、事業活動が制限されるなどにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外取引に関するリスク

各種種子等の生産は、その委託先に多くの海外業者が含まれております。また、販売についても野菜種子を中心に輸出を行っております。これら海外取引の一部には以下のようなリスクが内在しており、それらが顕在化した場合、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 ・ 円安に伴う仕入コストの上昇や、円高に伴う販売金額の目減り等の為替相場変動のマイナス影響

 ・ 政治・経済等の不安定

 ・ 紛争や政変・クーデター

 ・ 海運等の物流コストアップ

 ・ 法律や制度における想定外の制定や改廃

 

(8) 自然災害、事故、新型コロナウイルス感染症等によるリスク

大規模な自然災害や事故が発生し、その影響で広範囲にわたり農業生産が不能あるいは困難となった場合や一般家庭が甚大な被害を受けた場合、農業生産者向けの種苗・農薬・農業資材や一般家庭向けの園芸用品などの販売が減少するケースなどが考えられます。また、新型コロナウイルス感染症が、当社グループの従業員に蔓延するなどして、業務が大幅に停滞する事態に陥ることも考えられます。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 債権管理リスク

当社グループは、売掛金や受取手形などの債権を有しております。農業の業界では、農業生産者が農作物の出荷代金を受領後、農薬等を購入した代金を支払う盆暮勘定(8月と12月支払)の商習慣が一部に残っております。農業生産者から、前記のような形態で代金回収した小売店等が、比較的長いサイトでの支払いを当社に対しても行うことがあるため、債権金額が取引金額と比し多額となるケースも発生します。与信管理については、取引管理規程に従い取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、財政状態を随時把握するなど常に充分注意を払っておりますが、場合によっては回収リスクが顕在化する可能性があります。

 

(10) 保有資産の価額変動リスク

当社グループは、土地等の有形固定資産や有価証券などを有しております。これらの資産価格の下落により当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(11)業績の変動について

当社グループの業績は、第4四半期において、他の四半期と比較して売上高・利益ともに増加する傾向にあります。これは、春の種まきなどの時期に、それに使用する種苗・農薬・農業資材・家庭園芸用品の需要が増加することや、農薬においては、春に当該シーズンに使用する薬剤の多くを購入する商習慣があることなどによります。したがって、第3四半期までの業績は、年度予算に対する進捗率が低くなる状況にあります。

なお、2022年5月期における四半期毎の業績の概要は以下のとおりとなっております。

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

年度合計

売上高

(構成比 %)

14,439,974

11,465,708

11,478,210

23,307,873

60,691,766

(23.8)

(18.9)

(18.9)

(38.4)

(100.0)

売上総利益

(構成比 %)

2,259,420

1,841,982

1,867,880

3,518,632

9,487,916

(23.8)

(19.4)

(19.7)

(37.1)

(100.0)

営業利益又は

営業損失(△)

(構成比 %)

315,862

△53,934

111,137

1,462,559

1,835,625

(17.2)

(△2.9)

(6.0)

(79.7)

(100.0)

 

(12)直送取引に関するリスク

当社グループの売上高のうち、主に施設材事業・農材事業を中心として売上高全体の40%超が仕入先から得意先に商品が直送される取引形態をとっております。直送取引の場合、仕入先からの連絡(出荷情報)に基づき売上高を計上するため、商品の出荷日付を適時に把握できず売上高の計上が遅れる可能性があるなど、結果として売上高の期間帰属を誤るリスクがあります。

その対策といたしまして、当社グループでは仕入先に対し出荷納品に関する証憑を速やかに送付するように要請しているほか、期末日近くの取引に関しては、仕入先への出荷状況の問合せを行い、当該リスクの軽減に努めております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の状況)

 当連結会計年度(2021年6月1日~2022年5月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大により経済活動・個人消費ともに低迷、さらには、中国のゼロコロナ政策に伴う上海のロックダウンによるサプライチェーンの停滞が、企業活動にも大きなマイナスの影響をもたらしました。

 また、ロシアのウクライナ侵攻により、原油をはじめとする各種資源や穀物の価格高騰、流通の滞りが、物価の上昇や食料の供給不足へとつながり、日本を含む世界に暗い影を落としております。加えて、円安による海外からの調達価格の値上がりが、コストアップに拍車をかける大変厳しい状況となりました。

 国内農業の状況は、少子高齢化による食料消費の減少や農家の後継者不足等の従前からの課題に加え、コロナ禍により外食産業の農産物需要大幅減や、原料の多くを輸入に頼る飼料や肥料が、輸入物価高騰から大幅に価格が上昇するなど、農家経営に大きな影響を与える事象が多数みられる状況となりました。

 このような状況のなか当社グループの業績は、施設材事業の販売が低迷したことから、売上高606億91百万円で前年同期比87百万円(0.1%)の減収となりました。利益面では、種苗事業の業績が堅調に推移したことにより、営業利益18億35百万円で前年同期比1億74百万円(10.5%)増、経常利益19億9百万円で前年同期比1億43百万円(8.1%)増、親会社株主に帰属する当期純利益13億2百万円で前年同期比1億33百万円(9.3%)減となりました。なお、営業利益や経常利益が増益にもかかわらず、親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは、前期は区画整理事業に伴う移転補償金を特別利益に計上したことによるものであります。

 また、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用したことにより、売上高は1億15百万円増加、売上原価は86百万円増加し、営業利益・経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ28百万円増加しております。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

種苗事業

 種苗事業においては、野菜種子関係でエダマメの国内販売やカボチャの輸出が増加したものの、タマネギの輸出が減少したことから、野菜種子トータルでは売上高は横ばいとなりました。また、飼料作物種子の価格高騰に伴い販売額が増加したことや、ウイルスフリーサツマ苗の販売が好調に推移し、売上高84億98百万円で前年同期比2.0%の増収となりました。利益面でも、品質向上のため前期まで積極的に進めた種子の選抜廃棄が一巡したことや、自社品の増収に伴う採算性の向上、飼料作物種子の増収に伴う利益増などにより、セグメント利益12億81百万円で前年同期比45.5%増となりました。

 

花き事業

 花き事業においては、花苗の販売が大きく伸長したほか、園芸雑貨や肥料などが好調に推移したものの、夏場の長雨による散布機会の喪失や、大口得意先が一部商品の仕入先を他社に変更したことなどにより園芸農薬の販売が減少し、売上高93億29百万円で前年同期比1.5%減収となり、利益面でも、セグメント利益1億60百万円で前年同期比2.5%減となりました。

 

農材事業

 農材事業においては、流通在庫過多による水稲農薬の販売減があったものの、茎葉除草剤が省力化を求める農家及び一般家庭に普及拡大したことで堅調に推移いたしました。また、原料価格の高騰により大幅値上げとなった被覆肥料は、値上げ前の駆込み需要が発生したことから販売増となり、売上高282億98百万円で前年同期比1.2%の増収となりました。利益面では、需要が伸びないなか競争が激化したことから、セグメント利益9億51百万円で前年同期比7.2%減となりました。

 

施設材事業

 施設材事業においては、資源高による農業用フィルムや各種農業資材の値上げにより農家の設備投資や更新需要が減退いたしました。また、過年度に発生した大型台風襲来で被害を受けた農業用施設の復旧特需の反動から販売が低迷し、売上高145億64百万円で前年同期比3.0%減収となりました。利益面でも、セグメント利益4億21百万円で前年同期比1.1%減となりました。

 

(財政状態の状況)

当連結会計年度末における「資産の部」の残高は489億32百万円となり、前連結会計年度末と比較して14億80百万円増加いたしました。これは主に今期から適用された収益認識会計基準の影響から未収入金が増加したことや、種子の安定供給等を考慮して在庫を厚く保有し商品が増加したことによるものであります。

また、「負債の部」の残高は262億86百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億31百万円増加いたしました。これは主に収益認識会計基準の影響からその他流動負債に含まれる返金負債が増加したことによるものであります。

「純資産の部」の残高は、226億45百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億48百万円増加いたしました。これは主に利益計上に伴うものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して7億9百万円減少し、47億76百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、5億70百万円(前年同期比75.1%減)となりました。

これは主に、棚卸資産が9億85百万円増加したことや、法人税等を4億55百万円支払うなどで資金を使用したものの、税金等調整前当期純利益18億47百万円を計上したことなどにより資金を獲得したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、7億52百万円(前年同期比10.3%減)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得に4億16百万円、無形固定資産の取得に3億5百万円を支出したことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、5億31百万円(前年同期比38.1%増)となりました。

これは主に、配当金の支払や自己株式の取得によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  該当事項はありません。

b.受注実績

  該当事項はありません。

c.仕入実績

  当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

種苗事業

5,448,390

18.2

花き事業

8,009,605

△2.0

農材事業

25,667,760

2.8

施設材事業

13,067,785

△1.5

合計

52,193,540

2.3

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

d.販売実績

   当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

種苗事業

8,498,208

2.0

花き事業

9,329,594

△1.5

農材事業

28,298,993

1.2

施設材事業

14,564,970

△3.0

合計

60,691,766

△0.1

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績の分析

⒜ 売上高

売上高につきましては、花き事業と施設材事業の販売が低迷し、売上高606億91百万円で前年同期比87百万円(0.1%)の減収となりました。

減収の要因となった花き事業及び施設材事業の状況は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (経営成績の状況)」に記載のとおりであります。

 

⒝ 営業利益

売上総利益は94億87百万円で前年同期比61百万円(0.7%)増となりました。これは主に種苗事業で、品質向上のため前期まで積極的に進めた種子の選抜廃棄が一巡したことや、自社品の増収に伴う採算性の向上、飼料作物種子の増収に伴う利益増などによるものであります。

販売費及び一般管理費は76億52百万円で前年同期比1億12百万円(1.5%)減となりました。これは、物流費や各種諸経費を圧縮したことなどによるものであります。売上総利益から販売費及び一般管理費を差引いた営業利益は18億35百万円で前年同期比1億74百万円(10.5%)増となりました。

 

⒞ 経常利益

営業外収益は1億54百万円で前年同期比4百万円(3.0%)増となりました。前年同期から大きな変動はありません。

営業外費用は80百万円で前年同期比35百万円(77.4%)増となりました。これは主に円安の影響から為替差損が増加したことによるものであります。

この結果、経常利益は19億9百万円で前年同期比1億43百万円(8.1%)増となりました。

 

⒟ 親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、651千円で前年同期比2億5百万円(99.7%)減となりました。前期は区画整理事業に伴う移転補償金を計上いたしましたが、今期はそのようなスポット的な利益の発生はありませんでした。

特別損失は、61百万円で前年同期比36百万円(37.3%)減となりました。前期は前述の区画整理の対象となった土地が遊休化し減損損失を計上いたしましたが、今期は大きな減損損失の計上はなかったことによります。

この結果親会社株主に帰属する当期純利益は、13億2百万円で前年同期比1億33百万円(9.3%)減となりました。

 

ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ハ.財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (財政状態の状況)」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

2018年5月期

2019年5月期

2020年5月期

2021年5月期

2022年5月期

自己資本比率(%)

41.6

43.1

43.6

45.7

46.3

時価ベースの自己資本比率(%)

42.1

34.8

35.7

36.3

43.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.1

0.1

0.2

0.0

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

117.7

71.3

46.5

193.3

48.2

(注)1.各指標は、下記の基準で算出しております。

(1)自己資本比率=自己資本÷総資産

(2)時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産

(3)キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債÷キャッシュ・フロー

(4)インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー÷利払い

2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

6.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、営業債権及び在庫のための費用及び販売費及び一般管理費であります。

また、設備資金需要といたしましては、圃場の取得や本社及び支店の事務所及び倉庫の改修や建替え等があります。

これらの資金需要に対するための資金調達は、営業活動によるキャッシュ・フローによる資金獲得及び金融機関からの短期借入金によっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。また、この連結財務諸表における見積りにつきましては、経営者により一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して検証し必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。

なお、当社グループの会計上の重要な見積りに、今般の新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響は現時点では認識しておらず、その内容は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視点で取り組んでおります。

種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)などの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、持続可能な社会を支える農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、752,706千円となっております。

セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。

 

(1)種苗事業

くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当連結会計年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第72回と第73回全日本野菜品種審査会におきましてエダマメ、キャベツ、ブロッコリー、コマツナで8点が入賞いたしました。また第63回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはコカブ、コマツナで2点が入賞いたしました。特に第72回全日本野菜品種審査会のエダマメ審査におきましては、“陽恵”が1位となり農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。“陽恵”は産地においても高い評価を頂いており栽培が拡大しております。

当年度につきましては、野菜類9品種・飼料作物類5品種を新発売といたしました。形状が安定し肥大性に優れ、また収穫適期の短いレタスの中では収穫適期が長く生産者に好評な玉レタス“チアフル”、密植しても玉揃いが良く収穫作業が容易なキャベツ“優彩”、小型サイズで形状がユニークな尖り型キャベツ“ユニコーン”、好評いただいているミニトマト“イエローミミ”の食味の良さはそのままで耐病性を強化した“TYイエローミミ”等を発表いたしました。それぞれの特性を生かし順調に産地への普及が始まっております。飼料作物類では、多収で病気に強く北海道に向く飼料用トウモロコシ“KD082ゲルセミ”、硝酸態窒素の含有量が少ない早生F1イタリアンライグラス“ライジン®2”、病気に強い芝草“スラッガー3GL”、倒伏に強い超極早生えん麦“はやわざ”、ダイズシストセンチュウ密度を低減させる効果のあるクリムソンクローバー“シストル”を発表いたしました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。

波志江研究所ではバイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物の品種開発を行っております。当年度につきましては、カンショ(サツマイモ)におきまして“栗かぐや®”を新品種として発表いたしました。この品種は果肉が黄金色で甘く、ホクホク系の食感であるため惣菜などの加工品にも適する形質を持っています。現在産地展開を進めており、栽培面積が増加して消費者の評価が高いしっとり系の“シルクスイート®”とともに今後の展開が期待されます。今後は、耐病性、寒冷地適性、機能性などにも着目して積極的に品種開発を行ってまいります。

なお、当事業に係る研究開発費の金額は、584,353千円であります。

 

(2)花き事業

花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第67回と第68回全日本花卉品種審査会におきまして、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウで4点が入賞いたしました。また、新品種のコンテストであるジャパンフラワーセレクションに、カーネーション、デルフィニウム、オキシペタルムの出品を行い、カーネーション“アフォガード”とオキシペタルム“オルキブルー”が特別賞を受賞いたしました。

当年度につきましては、5品目で合計26品種を新発売といたしました。ユーストマでは4品種を新発売とし、その中で“エレスライトピンク”は中晩生の中大輪フリル咲き品種で、高温期を経過する秋出荷作型においてもボリュームがある切り花が収穫できるという優れた特性を有しており、非常に高い評価を得ております。今後はこの品種のシリーズ化を図ってまいります。また、フリンジ咲きの“エグゼ”シリーズに“エグゼグリーン”と“エグゼアンティークピンク”を追加いたしました。カーネーションのスプレー系では7品種を新発売といたしました。その中で大輪の“ラグジュアホットピンク”(チェリー色)と“ラグジュアチェリーアイ”(中心がチェリー色で縁が白色の複色)を既存の大輪品種である“ラグジュアライトピンク”と同じカテゴリーとしてシリーズ化を行いました。スターチス・シヌアータでは暖地向けとして3品種、高寒冷地向けとして1品種を新発売といたしました。暖地向けの“スピアラベンダー”は草丈が良く伸びる点が、また高寒冷地向けの“アティスラベンダー”は花色が美しい点が特に評価されております。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、花き類で6品目16品種、野菜類で3品目3品種を新発売とし、商品のより一層の充実を図りました。

なお、当事業に係る研究開発費の金額は、76,772千円であります。

 

(3)施設材事業

開発部では、種苗会社という長年の栽培技術を生かし、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、他社にはないシステムプラントの開発、提供を行っています。栽培する品目に適したシステムプラントを開発し、これまでも好評を得ております“マルチリーフ®レタス”や細ネギ(小ネギ)などの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”、トマトやキュウリなどの果菜類を栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”など、それぞれの品目について生産者のニーズに合った養液栽培プラントを提供しております。

当年度につきましては、省力化、環境にやさしい無培地での栽培が可能なキュウリの“スプレーポニック®”が着目され、各地に導入されました。群馬県をはじめとした公共の機関や民間の研究機関と共同研究や提携を拡大し、新しい品目の導入、栽培技術の改良を行い、SDGsや「みどりの食料システム戦略」が目指す持続可能な社会を支える農業を実現することができるシステムプラントの開発、提供に貢献してまいります。

なお、当事業に係る研究開発費の金額は、91,580千円であります。