(1)業績
当連結会計年度(平成27年6月1日から平成28年5月31日まで)における世界経済は、米国では底堅い個人消費、住宅投資などを背景に、景気回復基調が持続しており、また欧州経済においても、個人消費などが堅調に推移するなど、緩やかな回復が見られます。新興国経済は、インドでは高い成長率が続いておりますが、中国経済の景気減速や資源価格の下落もあり、ブラジルにおいても深刻な景気後退が長期化しております。
わが国経済は、企業収益や雇用情勢は改善基調にあり、全体としては緩やかな回復を続けておりますが、個人消費にその効果を及ぼすまでには至っておりません。中国を始めとするアジア向け輸出が減少するなど、景気・経済の先行きは不透明な状況が続いております。
当種苗業界は、依然として国内需要は頭打ちの状況が続いておりますが、海外におきましては、新興国を中心に、野菜種子、花種子の需要は拡大を続けております。
このような状況のなか、当社グループにおいては、国内卸売事業は野菜種子、苗木が順調に推移したものの、資材が大きく落ち込んだことから前期比減収となりました。海外卸売事業につきましては、野菜種子、花種子の売上がともに好調で前期比大幅増収となりました。一方、小売事業は前期より不採算事業の見直しなどを行っていることもあり前期比減収となりました。
当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高は587億73百万円(前期比20億65百万円、3.6%増)となりました。営業利益は、野菜種子の売上増加による売上総利益の改善が貢献し、73億17百万円(前期比25億38百万円、53.1%増)となりました。また経常利益は、為替差損が2億50百万円(前期は為替差益が4億79百万円)発生したものの、営業利益の大幅な増加により、75億55百万円(前期比17億47百万円、30.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も、52億15百万円(前期比13億95百万円、36.5%増)と前期比増益となり、創業来最高益を更新することができました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
セグメント別の業績の概要は次のとおりです。
①国内卸売事業
国内卸売事業は、野菜種子、苗木が売上を伸ばしましたが、資材が減収となり、前期比減収となりました。野菜種子はブロッコリー、トウモロコシ、トマトを中心に売上を伸ばしました。花種子はトルコギキョウ、ヒマワリが伸びましたが、市況低迷から作付減が続くパンジーの不調により減収となりました。資材は前期の雪害による農業用ハウス復興需要の反動減と暖冬による保温、被覆資材等の不振も重なり、高機能液肥やオリジナル培養土が伸びたものの前期比減収となりました。苗木につきましては、トマトのセル苗、ポット苗が順調に推移し、前期比増収となりました。また、生産原価や仕入原価等が上昇した結果、売上原価が増加いたしました。
これらの結果、売上高は前期比25百万円(同0.2%)減の163億65百万円となり、本事業の営業利益は、前期比5億3百万円(同8.6%)減の53億27百万円になりました。
②海外卸売事業
それぞれの地域別の状況を見ますと、アジア向け輸出は、ニンジン、ブロッコリー、トルコギキョウ、ヒマワリなどが大きく伸びたことから前期比大幅な増収となりました。北米につきましては、ブロッコリー、カボチャなどの野菜種子が好調に推移したことから前期比増収となりました。欧州及び南米につきましても、ブロッコリー、トマトなどの野菜種子が好調に推移し、前期比増収となりました。
品目別では、野菜種子ではブロッコリー、トマト、ニンジン、カボチャなどが売上を大きく伸ばし、前期比増収となりました。花種子につきましては、トルコギキョウやヒマワリの売上が伸びたことなどから、前期比増収となりました。
これらの結果、売上高は、前期比22億61百万円(同7.6%)増の320億74百万円となり、本事業の営業利益は、前期比31億44百万円(同44.7%)増の101億74百万円になり、大幅な増収増益となりました。
③小売事業
ホームガーデン分野は、前期から引き続き、不採算商品の取引削減に取り組んだ結果、売上高は前期比減収となりました。一方、利益面では、業務コストなどの圧縮が功を奏し、前期から改善いたしました。
通信販売分野では、リニューアルしたサカタ友の会の新制度への会員切り替えは順調に推移しておりますが、過渡期にあたり会費収入などが伸び悩み、前期比減収となりました。
ガーデンセンターでは、秋の園芸シーズンが好天に恵まれたことなどから、店頭販売、インターネット販売ともに好調に推移し、前期比増収となりました。
これらの結果、売上高は、前期比3億46百万円(同3.6%)減の93億6百万円となりました。一方、本事業の営業損益は営業費用が減少したことにより、2億90百万円の損失(前期は3億51百万円の営業損失)となりました。
④その他事業
造園緑花分野は、大型工事が完工となり前期比増収となりました。
これらの結果、売上高は、前期比1億75百万円(同20.6%)増の10億26百万円となり、本事業の営業利益は、売上総利益の増加に加え営業費用が減少し、前期比79百万円増の9百万円(前期は69百万円の営業損失)になりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比8億58百万円増加し、114億97百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は43億84百万円(前期は得られた資金41億36百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益75億3百万円、減価償却費18億26百万円、為替差損2億1百万円、仕入債務の減少による資金の減少2億48百万円、売上債権の減少による資金の増加6億69百万円、たな卸資産の増加による資金の減少23億72百万円、法人税等の支払額22億50百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は34億30百万円(前期は支出した資金18億44百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出30億69百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は3億35百万円(前期は支出した資金9億45百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純増額9億73百万円、長期借入による収入5億37百万円、配当金の支払額10億35百万円などによるものです。
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年6月1日 至 平成28年5月31日) |
前年同期比(%) |
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国内卸売事業(百万円) |
7,962 |
△0.6 |
|
海外卸売事業(百万円) |
15,045 |
△1.6 |
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小売事業(百万円) |
6,237 |
△5.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
29,246 |
△2.2 |
|
その他事業(百万円) |
834 |
8.0 |
|
合計(百万円) |
30,080 |
△1.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年6月1日 至 平成28年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内卸売事業(百万円) |
16,365 |
△0.2 |
|
海外卸売事業(百万円) |
32,074 |
7.6 |
|
小売事業(百万円) |
9,306 |
△3.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
57,746 |
3.4 |
|
その他事業(百万円) |
1,026 |
20.6 |
|
合計(百万円) |
58,773 |
3.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
国内の農業分野は、農業人口の減少や高齢化に歯止めがかからず、また、作付け延べ面積が減少しているほか耕作放棄地の再生も思うように進んでおりません。そのような中、政府が掲げる成長戦略の一環として農産物の輸出増大、農家の所得倍増計画が注目されております。これらを実現するためには、付加価値の高い種苗の安定供給がますます重要となってまいります。
一方で海外におきましても、先進国で健康への関心が高まり、新興国でも食料消費が拡大しております。人々に心の安らぎをもたらす花、体に健康をもたらす野菜、これらのタネを提供する種苗会社の社会的な役割がグローバルに高まってきております。
当社グループではこうした状況の下、下記に掲げた課題に取り組みながら、持続的な研究開発活動とグローバルな営業展開をさらに推し進め、高い収益力と健全な財務体質を兼ね備えた種苗業界のリーディングカンパニーを目指してまいります。
①高収益ビジネスモデルの確立
当社は生産者が安心して栽培を行い、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制を構築いたします。
また新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、重点戦略品目への経営資源の集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を確立いたします。
②不採算事業の構造改革による早期黒字化の実現
アマチュア園芸家向け小売事業における収益・コスト構造改革をさらに進めます。また緑花事業の収益改善と市場におけるプレゼンスの確立を目指します。
③安定供給と効率化を実現するグローバルサプライチェーンの整備
種子の安定供給を実現する生産体制・技術を確立し、効率的なグローバルサプライチェーンマネジメント体制の実現に向けた仕組みづくりを行い、コストと在庫の削減を目指します。
④グローバルカンパニー実現に向けた人材育成、組織、マネジメント体制の構築
日本国籍のグローバルカンパニー実現に向けた人的資源の育成・管理体制の構築や、経営体制の整備とグループマネジメントの高度化を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、東日本大震災によって新たに認識されたリスクへの備えを徹底し、今後の対応などに活かしてまいります。
(1)天候リスク
当社グループの主要な事業である「野菜種子」「花種子」「球根」「苗木」の販売には、「世界各地の天候変化」が大きく影響を与えます。その結果、各地における天候不良は、これらの事業における売上の低迷をもたらし、業績に悪影響を与える可能性があります。
また、商品の生産については世界19ヵ国に生産を分散し、かつ同一地域でも複数以上のグループ外生産者にその生産を委託してリスク分散を図っております。しかしながら、播種期から採種期までの間に起こる局地的、突発的な天候変化によって十分な品質や生産量が確保できない場合、業績に悪影響を与える可能性があります。
(2)事業展開地域の地政学的、社会的な制度などの影響
当社グループは、生産・研究開発・販売拠点として、日本を含めて全世界で20ヵ国に事業展開を行っております。うち、農場及び研究施設として、国内5ヵ所、海外で8ヵ国10ヵ所に拠点を持っております。これらの事業展開地域の一部においては、次のようなリスクが内在しております。
a.予期しない法律または規制の制定または改廃
b.政治・経済の混乱
c.テロ・紛争の発生などによる社会的混乱
d.地震などの天変地異の発生
e.コンピューターウイルスや諸情報の漏洩など、情報化に伴う問題の発生
これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(3)育種開発リスク及びブリーダーの人的資源に関するリスク
育種開発リスクとしては、育種目標を設定してから10年以上を必要とする育種開発の性格上、投資コスト負担リスク、開発実現性リスク、商品ニーズが変化してしまうリスク、他社との開発競争リスクなどがあります。さらに、育種開発は遺伝資源の有無とともに、育種研究者であるブリーダー個々人の能力に大きく依存します。従ってブリーダーが育種途上で社外流出すると、担当する品種の育成に障害が出て良質な商品の完成が難しくなるリスクを有しており、業績に悪影響を与える可能性があります。
(4)安全性に関するリスク
当社グループでは、創業者坂田武雄の唱えた社是「品質・誠実・奉仕」に則り、品質と安全性に対する信頼を最重要課題のひとつと位置づけ、商品クレームへの適切な対応、事故の未然防止などにも積極的に取り組んでおります。しかしながら、「生き物」である商品の性質上、品質の水準や均一性などに不測の事態が生じるケースや、種子に由来しない環境や生産技術面からのリスクが発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。
(5)為替変動に関するリスク
当社グループは海外各地において商品を生産・販売しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、為替相場の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループが原材料及び商品の一部を調達あるいは輸出している海外との取引は、為替変動の影響を受ける可能性があります。こうした影響を最小限に止めるべく、当社グループでは、通貨別金額の変化に常時注意を払っております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(6)保有資産の価値変動リスク
当社グループは、様々な資産を保有しておりますが、土地や有価証券などの資産価値が下落した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(7)自然災害、事故などによるリスク
自然災害やその他の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの業績や事業活動に大きな影響を与えるおそれがあります。
該当事項はありません。
主力商品である野菜と花の品種開発は、研究本部が統括し、全世界の市場に向けた品種の育成を行っております。研究拠点として、日本国内では静岡県掛川市をはじめ5農場を、海外では北米、南米、欧州などに10農場を配しております。
研究開発者はグループ全体で約400人、当連結会計年度における研究開発費は49億89百万円であります。
当連結会計年度の主な研究内容及び成果は、次のとおりであります。
(1)国内卸売事業及び海外卸売事業
①野菜
当連結会計年度は、一般社団法人日本種苗協会主催の第66回全日本野菜品種審査会におきましてブロッコリー「K3-110」が1等特別賞を受賞いたしました。ブロッコリーに関しましては4年連続しての受賞となり、国内外における高いシェア獲得の原動力でもある研究開発力が評価されました。
新品種に関しましては、レタスでは「フリフリッカー」、「ツインセット」、「インターセプト」と耐病性に優れ作りやすい3品種を発表、積極的にマーケットシェア奪取に動いております。ブロッコリーでは厳寒期でも高品質な花蕾をつける「ウインタードーム」を、トマトでは受粉作業を大幅に低減できる冬春向け大玉品種「ハウスパルト」を、スイートコーンではさくっとした食感があり極めて味が良いホワイトカラーの「クリスピーホワイト」を発表するなど、オリジナル性を重視した品種の開発を継続しております。今後も生産者にも消費者にも喜ばれる品種開発に邁進いたします。
また海外市場におきましても、日本国内で開発された品種のみならず、海外の各農場で育成された品種が現地市場で御好評を頂き、販売増加に貢献しております。
②花
当連結会計年度は、一般社団法人日本種苗協会主催の第61回、第62回全日本花卉品種審査会におきまして、アスター「あずみブルー」とペチュニア「SK1-229」が1等特別賞を受賞いたしました。さらに、世界的に権威のあるフロロセレクト(欧州花き種苗審査会)では、当社海外育種農場Sakata Ornamentals Europeにて育成されました、ベゴニア センパフローレンス「セネタ iQ ローズバイカラー」がゴールドメダルを受賞する栄誉に浴しました。
新品種では、世界的に大きなマーケットシェアを持つトルコギキョウで、ユニークな花色と花形の「アンバーダブル(2型)ミント」や「ボヤージュ(1型)ローズピンク」を発表しました。また、好調のヒマワリ 「ビンセント」シリーズでも濃いオレンジ花弁の新品種『ビンセント(2型)ネーブル』の販売を開始し、今後の売り上げに大きく貢献できると期待しております。
さらに、インパチェンス属の種間交雑により開発された、生育旺盛で作りやすい人気商品「サンパチェンス」シリーズも販売10周年を迎えることができました。これも当社の新規性、差別性を追求した育種開発技術が一般消費者に広く認められた証と理解しております。
以上研究部門では、今後も世界に類を見ないサカタオリジナル商品の開発に精励し、全世界へ「心と体の栄養」をお届けできるように努めてまいります。
(2)小売事業
当事業に該当する研究開発は行っておりません。
(3)その他事業
当事業に該当する研究開発は行っておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積もりは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高および営業利益
売上高は、アジアや北米を中心に販売が大きく増加したこと等により、前連結会計年度比20億65百万円(前期比3.6%)増加し、587億73百万円となりました。
売上原価は、前連結会計年度比4億30百万円(同1.5%)減少し、275億39百万円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度比24億95百万円(同8.7%)増加し、312億34百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比42百万円(同0.2%)減少し、239億16百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度比25億38百万円(同53.1%)増加し、73億17百万円となりました。
②営業外損益および経常利益
為替差損を2億50百万円(前期は為替差益4億79百万円)を計上したことなどにより、営業外損益は前連結会計年度の10億29百万円の黒字(純額)から2億37百万円の黒字(純額)となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比17億47百万円(同30.1%)増の、75億55百万円となりました。
③特別損益および税金等調整前当期純利益
固定資産売却益が今期は発生しなかった(前期は3億16百万円)一方で、減損損失が前連結会計年度比6億27百万円(同90.6%)減少しました。その結果、特別損益は前連結会計年度の3億4百万円の赤字(純額)から、51百万円の赤字(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比19億99百万円(同36.3%)増の75億3百万円となりました。
④法人税等(法人税等調整額を含む。)
法人税等は、前連結会計年度の16億77百万円から、当連結会計年度は22億60百万円となりました。これは、主に法人税、住民税及び事業税が2億90百万円増加し、法人税等調整額が2億92百万円増加したことによるものです。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度13億95百万円(同36.5%)増の52億15百万円となりました。
なお、事業のセグメント別の売上高と営業利益の概況については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
①資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ35億46百万円増加し、1,088億59百万円となりました。これは主に現金預金が11億8百万円、たな卸資産が12億87百万円、有形固定資産が8億66百万円、長期繰延税金資産が4億97百万円増加し、受取手形及び売掛金が11億64百万円減少したことなどによるものです。
②負債の部
負債合計は、前連結会計年度末に比べ20億69百万円増加し、199億72百万円となりました。これは主に短期借入金が10億15百万円、退職給付に係る負債が7億37百万円、長期繰延税金負債が5億59百万円増加したことなどによるものです。
③純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億76百万円増加し、888億86百万円となりました。これは主に利益剰余金41億80百万円増加し、為替換算調整勘定が23億48百万円、退職給付に係る調整累計額が5億1百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の82.9%から81.5%となりました。
(4)経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状については、①高収益ビジネスモデルの確立、②不採算事業の構造改革による早期黒字化の実現、③安定供給と効率化を実現するグローバルサプライチェーンの整備、④グローバルカンパニー実現に向けた人材育成、組織、マネジメント体制の構築を重点経営課題に掲げ取り組んでまいりました。「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載したとおり、これらの取り組みは引き続き、今期も推し進めることにより、高い収益力と健全な財務体質を兼ね備えた種苗業界のリーディングカンパニーを目指してまいります。
①高収益ビジネスモデルの確立
当社は生産者が安心して栽培を行い、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制を構築いたします。
また新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、重点戦略品目への経営資源の集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を確立いたします。
②不採算事業の構造改革による早期黒字化の実現
アマチュア園芸家向け小売事業における収益・コスト構造改革をさらに進めます。また緑花事業の収益改善と市場におけるプレゼンスの確立を目指します。
③安定供給と効率化を実現するグローバルサプライチェーンの整備
種子の安定供給を実現する生産体制・技術を確立し、効率的なグローバルサプライチェーンマネジメント体制の実現に向けた仕組みづくりを行い、コストと在庫の削減を目指します。
④グローバルカンパニー実現に向けた人材育成、組織、マネジメント体制の構築
日本国籍のグローバルカンパニー実現に向けたグローバルな人的資源の管理体制の構築や、グローバル経営体制の整備とグループマネジメントの高度化を目指します。
世界経済は、英国のEU離脱問題などを抱え、先行き不透明な状況が続く見込みです。国内経済は、緩やかな回復を辿っておりますが、個人消費は力強さを欠き、また景況感にも弱さが見られます。
このような状況のもと、当社の次期見通しにつきましては次のとおりであります。
国内卸売では、野菜種子、花種子、苗木を中心に増収を予定しております。野菜種子ではブロッコリー、
トマト、トウモロコシ、レタスなど、花種子ではトルコギキョウ、ヒマワリ、パンジー、ビオラなどを中心に、
好調に推移する見込みです。また苗木では引き続き営利向け苗の続伸により順調に売上が増加すると予想しており
ます。
一方、資材は一昨年春からの雪害復興特需が消失するものの、高機能液肥やオリジナル培養土などの販売増に
より前年並みの売上を見込んでおります。
小売事業につきましては、ホームセンター向け事業では、次期も継続して不採算商売の削減に取り組むため、
通期の売上高は前期比減収を見込んでおります。営業利益は、引き続き業務コストの削減を行うことにより、さらに
改善が図れる見通しです。
通信販売分野は、平成28年1月より変更した新会員制度では、年会費の値下げを行い、紙媒体を3ヶ月毎の保存版季刊誌として刷新し、さらに電子版の園芸情報を充実させ、新たな会員特典を設けました。さらに平成28年6月1日からは会員専用のウェブコンテンツをスタートいたしました。これらにより会員数の増加を見込んでおりますが、紙媒体発行回数減少や商品の見直しにより売上減となることを予想しております。一方、営業利益は物流費用、広告費用などの削減を行い、利益改善を見込んでいます。
ガーデンセンター分野におきましては、園芸セミナーやイベントの開催頻度を増やし、ネット販売との連携を図りながら、アンテナショップとしてお客様満足度の向上に努めてまいります。
造園緑花分野は、新たな大型民間工事と緑化イベントに関連する公共工事の受注により、前期比増収を見込んでおります。
海外におきましては、野菜種子では現地に密着した商品開発網と既存の販売網を最大限に生かして、当社が強みをもつ現在の品目群に加え、新たな品目での一層の拡販を予定しております。花種子の販売は、依然厳しい環境にあるものの、成長しているアジアを牽引役として、引き続き回復傾向を見込んでおり、今後も利益を重視した活動に注力してまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1. 業績等の概要」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
|
|
平成24年5月期 |
平成25年5月期 |
平成26年5月期 |
平成27年5月期 |
平成28年5月期 |
|
自己資本比率(%) |
85.5 |
86.4 |
84.3 |
82.9 |
81.5 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
57.1 |
66.1 |
63.8 |
93.5 |
108.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
60.5 |
297.9 |
100.7 |
91.4 |
114.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
49.4 |
12.7 |
45.0 |
61.5 |
56.4 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
②資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
③資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。