第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社は、良質な商品とサービスの提供によって、世界の人々の生活と文化の向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指すことを経営理念として、「品質・誠実・奉仕」を社是に掲げながら生命(いのち)への貢献を果たしてまいります。

 当社は、採算性と財務の健全性を重視する堅実な経営と株主利益の追求によって企業価値の増大に努めます。

 また、生産者にも消費者にも喜んでいただける「野菜と花の種苗」をいち早く開発するとともに、高品質種子の安定生産と供給を実現することによって、世界の種苗界をリードする種苗会社として躍進することを目指します。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 国内の農業分野は、農業人口の減少や高齢化に歯止めがかからず、また、作付け延べ面積が減少しているほか耕作放棄地の再生も思うように進んでおりません。そのような中、政府が掲げる成長戦略の一環として農産物の輸出増大、農家の所得倍増計画が注目されております。これらを実現するためには、付加価値の高い種苗の安定供給がますます重要となっており、タネを提供する種苗会社の社会的な役割がこれまで以上に高まりつつあります。

 一方、農薬や穀物種子を含む世界のアグロケミカル産業を俯瞰すると、多国籍大手による業界再編の動きも見られます。

 このような中、人々に心の安らぎをもたらす花、体に健康をもたらす野菜の種子を提供する園芸種苗会社は、より一層グローバルな役割を担っていると言えます。

 当社グループではこうした状況の下、下記に掲げた課題に取り組みながら、持続的な研究開発活動とグローバルな営業展開をさらに推し進め、高い収益力と健全な財務体質を兼ね備えた種苗業界のリーディングカンパニーを目指してまいります。

 

①高収益ビジネスモデルの確立

 生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、当社では高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。

 また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を確立いたします。

 

各地域における健全な収益構造の構築と重点戦略の推進

 成長市場における市場拡大、成熟市場における高収益モデルの確立を行う事によって、アジア・北米・南米・欧州アフリカの各地域における健全な収益構造を確立します。また、各地域毎に抱える課題を洗い出し、具体的な重点戦略を立案、実行していきます。

 

③安定供給と効率化を実現するグローバルサプライチェーンの整備

 種子の安定供給を実現する生産体制・技術・機能を強化し、効率的なグローバルサプライチェーンマネジメント体制の実現に向けた仕組みづくりを行い、コストと在庫の削減を目指します。

 

④グローバルカンパニー実現に向けた人材育成、組織、マネジメント体制の構築

 日本国籍のグローバルカンパニー実現に向けたグローバルな人的資源の管理体制の構築や、グローバル経営体制の整備とグループマネジメントの高度化をさらに進めます。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、東日本大震災によって新たに認識されたリスクへの備えを徹底し、今後の対応などに活かしてまいります。

 

(1)天候リスク

当社グループの主要な事業である「野菜種子」「花種子」「球根」「苗木」の販売には、「世界各地の天候変化」が大きく影響を与えます。その結果、各地における天候不良は、これらの事業における売上の低迷をもたらし、業績に悪影響を与える可能性があります。

また、商品の生産については世界19ヵ国に生産を分散し、かつ同一地域でも複数以上のグループ外生産者にその生産を委託してリスク分散を図っております。しかしながら、播種期から採種期までの間に起こる局地的、突発的な天候変化によって十分な品質や生産量が確保できない場合、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)事業展開地域の地政学的、社会的な制度などの影響

当社グループは、生産・研究開発・販売拠点として、日本を含めて全世界で20ヵ国に事業展開を行っております。うち、農場及び研究施設として、国内5ヵ所、海外で8ヵ国10ヵ所に拠点を持っております。これらの事業展開地域の一部においては、次のようなリスクが内在しております。

a.予期しない法律又は規制の制定又は改廃

b.政治・経済の混乱

c.テロ・紛争の発生などによる社会的混乱

d.地震などの天変地異の発生

e.コンピューターウイルスや諸情報の漏洩など、情報化に伴う問題の発生

これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)育種開発リスク及びブリーダーの人的資源に関するリスク

育種開発リスクとしては、育種目標を設定してから10年以上を必要とする育種開発の性格上、投資コスト負担リスク、開発実現性リスク、商品ニーズが変化してしまうリスク、他社との開発競争リスクなどがあります。さらに、育種開発は遺伝資源の有無とともに、育種研究者であるブリーダー個々人の能力に大きく依存します。従ってブリーダーが育種途上で社外流出すると、担当する品種の育成に障害が出て良質な商品の完成が難しくなるリスクを有しており、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(4)安全性に関するリスク

当社グループでは、創業者坂田武雄の唱えた社是「品質・誠実・奉仕」に則り、品質と安全性に対する信頼を最重要課題のひとつと位置づけ、商品クレームへの適切な対応、事故の未然防止などにも積極的に取り組んでおります。しかしながら、「生き物」である商品の性質上、品質の水準や均一性などに不測の事態が生じるケースや、種子に由来しない環境や生産技術面からのリスクが発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5)為替変動に関するリスク

当社グループは海外各地において商品を生産・販売しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、為替相場の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループが原材料及び商品の一部を調達あるいは輸出している海外との取引は、為替変動の影響を受ける可能性があります。こうした影響を最小限に止めるべく、当社グループでは、通貨別金額の変化に常時注意を払っております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(6)保有資産の価値変動リスク

当社グループは、様々な資産を保有しておりますが、土地や有価証券などの資産価値が下落した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(7)自然災害、事故などによるリスク

自然災害やその他の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの業績や事業活動に大きな影響を与えるおそれがあります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)経営成績等の概要

①経営成績の分析

 当連結会計年度(平成29年6月1日から平成30年5月31日まで)における世界経済は、欧米では個人消費や設備投資の増加などから、景気の拡大基調が続きました。新興国経済においては、中国では安定した成長が維持されており、インドでは高額紙幣廃止等の影響が一巡し、成長率の持ち直しが見られました。またブラジルでは緩やかな回復が見られましたが、先行きの減速懸念も強まって参りました。わが国経済は、世界経済の景気回復を背景に企業収益が好調に推移し、緩やかな回復基調が持続しました。

 当種苗業界におきましては、国内の農業分野では、農業就業人口の減少や作付け延べ面積の減少が継続している一方、農産物の輸出増大や農家の所得倍増計画が政府の成長戦略の一環として掲げられており、付加価値の高い種苗の安定供給がますます重要となっております。海外市場においては、先進国における健康志向の高まりや、新興国における人口増加や所得水準の改善などを背景に、野菜種子、花種子の需要は拡大を続けております。また、農薬や穀物種子を含む世界のアグロケミカル産業まで俯瞰してみますと、多国籍大手による業界再編の動きも見られます。

 このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、小売事業の売上は前期を下回りましたが、国内卸売事業、海外卸売事業は増収となり、売上高は624億12百万円(前期比5億68百万円、0.9%増)となりました。営業利益は、主に、人件費やグローバルな経営体制強化のための経費増加などによる一般管理費の増加により、75億53百万円(前期比1億48百万円、1.9%減)となりました。また経常利益は、為替差損の増加等により、78億80百万円(前期比3億69百万円、4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益も、不動産の売却益計上がありましたが、経常利益の減少を受けて、57億67百万円(前期比3億45百万円、5.6%減)と前期比減益となりました。

 

②財政状態の分析

a.資産の部

 当連結会計年度末における総資産は、前期末に比べ54億43百万円増加し、1,216億12百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が1億39百万円、たな卸資産が15億27百万円、有形固定資産が19億46百万円、投資有価証券が17億77百万円増加し、現金及び預金が9億8百万円減少したことなどによるものです。

 

b.負債の部

負債合計は、前期末に比べ1億16百万円減少し、219億58百万円となりました。これは主に短期借入金が7億22百万円、長期繰延税金負債が5億47百万円増加し、支払手形及び買掛金が10億2百万円、未払法人税等が4億43百万円、退職給付に係る負債が6億7百万円減少したことなどによるものです。

 

c.純資産の部

 純資産合計は、前期末に比べ55億60百万円増加し、996億54百万円となりました。これは主に利益剰余金が45億6百万円、その他有価証券評価差額金が10億66百万円増加したことなどによるものです。

 以上の結果、自己資本比率は前期末の80.9%から81.8%となりました。

 

③キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比8億30百万円減少し、133億4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によって得られた資金は46億17百万円(前期は得られた資金76億13百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益80億76百万円、減価償却費18億80百万円、たな卸資産の増加による資金の減少15億89百万円、仕入債務の減少による資金の減少9億83百万円、法人税等の支払額25億4百万円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって支出した資金は49億9百万円(前期は支出した資金29億1百万円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出32億15百万円、定期預金の払戻による収入33億3百万円、有形固定資産の取得による支出44億79百万円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって支出した資金は6億46百万円(前期は支出した資金20億16百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純増額17億64百万円、長期借入金の返済による支出12億35百万円、配当金の支払額12億37百万円などによるものです。

 

④仕入及び販売の実績

a. 仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

  至 平成30年5月31日)

前年同期比(%)

国内卸売事業(百万円)

7,872

1.0

海外卸売事業(百万円)

16,951

5.5

小売事業(百万円)

4,410

△16.5

報告セグメント計(百万円)

29,234

0.3

その他事業(百万円)

963

△29.5

合計(百万円)

30,197

△1.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

  至 平成30年5月31日)

前年同期比(%)

国内卸売事業(百万円)

16,837

0.8

海外卸売事業(百万円)

37,274

5.6

小売事業(百万円)

7,102

△13.6

報告セグメント計(百万円)

61,214

1.6

その他事業(百万円)

1,197

△25.9

合計(百万円)

62,412

0.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

①経営成績等の分析

 当社は、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。

 また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。

 このような取組みのもと、当連結会計年度の売上高は、前期比5億68百万円(0.9%)増の624億12百万円となりました。これは、当社の創出したブロッコリー、トマト、トルコギキョウなどの重点戦略品目が、アジアなどの新興国市場の成長機会をとらえ、また、成熟市場である先進国の需要に適した商品を提供できている成果と考えております。

 一方、営業利益は、前期比1億48百万円(1.9%)減の75億53百万円となりました。当社グループの活動領域がグローバル化していく中で、地域のニーズに対応するための研究開発の強化や経営管理体制の強化・構築のため費用が増加したことなどによるものです。

 経常利益は、為替差損の増加などにより前期比3億69百万円(4.5%)減の78億80百万円となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、不動産の売却益がありましたが、前期比3億45百万円(5.6%)減の57億67百万円となりました。

 本年1月に公表した業績予想に対しては、想定為替レートに対し、ドルが3円73銭円高となりましたが(対ユーロでは58銭の円安)、海外での野菜・花種子の売上が好調であったことや一般管理費も計画を下回ったことから、公表しておりました全ての項目で上回りました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

a.国内卸売事業

 国内卸売事業は、資材の売上は増加しましたが、秋から初冬にかけて長雨や台風、低温などの天候の影響があり、種子の売上が減少したことなどから、売上高は前期比微増にとどまりました。品目別では、野菜種子は、ブロッコリー、レタスなどは増収となりましたが、ニンジン、コマツナ、トマトなどが減収となりました。花種子は、パンジーなどの売上は増加しましたが、絵袋種子などの売上が減少しました。資材は、鋼管等の農業用ハウス関連資材の値上げ前の駆け込み需要、天候不順に伴う高機能液肥及び保温資材の需要増により、増収となりました。一方、営業利益は、野菜種子に比べ相対的に粗利益率の低い資材の売上が増えたことや、種子在庫の評価減の計上により、減益となりました。

 これらの結果、売上高は、前期比1億29百万円(同0.8%)増の168億37百万円となり、営業利益は前期比1億29百万円(同2.4%)減の51億66百万円となりました。

また、国内卸売事業の総資産は前期比5億2百万円(2.4%)減の201億33百万円となりました。これは主に有形固定資産が5億48百万円減少したことによるものです。

 

b.海外卸売事業

 それぞれの地域の状況をみますと、アジアではブロッコリー、ニンジン、キャベツ、ペッパー、トルコギキョウなどの売上が好調で増加した一方、ホウレンソウ、カリフラワー、ネギなどは減少しました。アジアの国別では、中国、韓国などが好調に推移いたしました。インドでは、高額紙幣の廃止や主要産地での旱魃などの影響が大きく、下半期は回復基調となったものの、通年の現地通貨ベースの売上高は減少いたしました。北中米につきましては、ブロッコリー、ペッパー、トマト、トルコギキョウなどの売上が増加しましたが、ホウレンソウ、ニンジン、ビート、パンジーなどの売上が減少しました。なお、現地通貨ベースの売上高は、下半期にかけて堅調に推移した結果、通年で前期比プラスとなりましたが、円ベースでは、円高の影響を受け、前期比で微減となりました。欧州・中近東では、トマト、キュウリ、ブロッコリー、カボチャ、トルコギキョウなどの売上が大幅に伸びたことや、円安による為替の押し上げ効果も加わり、円ベースで大幅な増収となっております。南米につきましては、メロン、ブロッコリー、ペッパー、レタスなどは増加しましたが、カボチャ、トマトなどは減少しました。通年の売上高は、下半期に増加基調となり、ブラジルでの市況悪化を受けた上半期の不調を打ち返し、通年の現地通貨ベースでは微増となりましたが、為替が円高になったことが影響し、円ベースでは減収となりました。

 全体の品目別では、野菜種子ではホウレンソウ、ビート、ニンジンなどの売上は減少しましたが、ブロッコリー、トマト、ペッパー、キュウリ、カボチャ、キャベツなどの売上が大きく伸び、花種子につきましても、トルコギキョウが引き続き好調に推移いたしました。

 これらの結果、売上高は、前期比19億75百万円(同5.6%)増の372億74百万円となり、営業利益は粗利益率の高い野菜種子の売上増加を受け、前期比8億5百万円(同7.8%)増の111億74百万円になり、増収増益となりました。

また、海外卸売事業の総資産は前期比66億71百万円(13.2%)増の570億64百万円となりました。これは主に有形固定資産が22億17百万円、たな卸資産が20億15百万円、無形固定資産が6億11百万円が増加したことによるものです。

 

c.小売事業

 ホームガーデン分野は、昨年秋の天候不順により、家庭園芸需要が大きな打撃を受け、資材、苗を中心に販売不調となり、売上高は前期比で大きく減収となりました。なお、これまで実施して参りました不採算商品の削減と改善は概ね達成され、収益性の改善に結びついております。

 通信販売分野では、秋から冬にかけての全国的な厳しい寒さや降雪による落ち込みを春の家庭園芸需要期で挽回できず、苗・資材を中心に減収となりました。一方、電子媒体の活用を進め、経費は圧縮することができました。

 ガーデンセンターでは、多くのイベントを開催し集客を図りましたが、休日毎の天候不順による影響を打ち返せず、減収となりました。

 小売事業各分野にわたり、不採算商品の削減や経費圧縮に努め、一定の成果は得られましたが、販売および仕入の運賃コストの上昇が大きく影響し、全体での収益改善には至りませんでした。

 これらの結果、売上高は、前期比11億18百万円(同13.6%)減の71億2百万円、営業利益は、前期比14百万円(同21.4%)減の51百万円となりました。

また、小売事業の総資産は前期比5億53百万円(18.3%)減の24億73百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が4億29百万円減少したことによるものです。

 

d.その他事業

 造園緑花分野は、官公庁及び民間の大型工事の受注減少により、前期比大幅減収となりました。

 これらの結果、売上高は前期比4億18百万円(同25.9%)減の11億97百万円となり、営業利益は55百万円(同87.7%)減の7百万円となりました。

 また、その他事業の総資産は前期比1億12百万円(17.4%)減の5億32百万円となりました。これは主に未成工事支出金が1億37百万円減少したことによるものです。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの分析」にて記載したとおりです。

 なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。

 

平成26年5月期

平成27年5月期

平成28年5月期

平成29年5月期

平成30年5月期

自己資本比率(%)

84.3

82.9

81.5

80.9

81.8

時価ベースの自己資本比率(%)

63.8

93.5

108.9

136.9

151.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

100.7

91.4

114.8

55.1

106.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

45.0

61.5

56.4

68.7

44.3

  (注)自己資本比率:自己資本/総資産

   時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

   キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー

   インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。

 

b.資金需要の主な内容

 当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。

 また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。

 当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。

 

c.資金調達の可能性

 資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。

 直近では千葉農場(仮称)設置やSakata Seed America.,Incにおける研究施設の建設等の設備投資を予定しております。これらの設備投資については、主に自己資金にて必要な資金を賄う予定でおりますが、一部については取引金融機関からの借入にて賄うことも予定しております。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。本年1月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、売上高624億12百万円(予想比2億12百万円増)、営業利益75億53百万円(予想比1億53百万円増)、経常利益78億80百万円(予想比2億80百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は57億67百万円(予想比3億67百万円増)、売上高営業利益率12.1%(予想11.9%)となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

主力商品である野菜と花の品種開発は、研究本部が統括し、全世界の市場に向けた品種の育成を行っております。研究拠点として、日本国内では静岡県掛川市をはじめ五か所に、海外では北米、南米、欧州など、十か所に農場を配しております。

研究開発者はグループ全体で約448人、当連結会計年度における研究開発費は56億91百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に関連付けることが困難であるため、その総額を記載しております。

当連結会計年度の主な研究内容及び成果は、次のとおりであります。

(1)国内卸売事業及び海外卸売事業

①野菜

 当連結会計年度は、一般社団法人日本種苗協会主催の第68回全日本野菜品種審査会におきまして、スイートコーン「SK4-117」、キャベツ「K5-233」、ネギ「SK4-043」、レタス「パワースイープ」が1等特別賞を受賞いたしました。その中から特に優秀な品種として、スイートコーン「SK4-117」およびキャベツ「K5-233」が農林水産大臣賞も受賞し、国内外における高いシェア獲得の原動力でもある研究開発力が評価されました。

 新品種におきましては、収量性と秀品率を向上させた食味のよい抑制・促成栽培向け黄化葉巻病耐病性大玉トマト「麗妃」(れいき)、耐寒性と晩抽性に優れたキャベツ「金瑛」、収量性・在圃性に優れたコマツナ「つなしま」、かいよう病、青枯病に優れた耐病性をもち、強勢で長段栽培にも向く複合耐病性台木トマト「アシスト」、収量性が極めて高いエダマメ「とびきり」、作業性・収量性に優れたホウレンソウ「ドンキー」、「ゴードン」、「ハイドン」の3つの品種など、オリジナル性を重視した品種を数多く発表いたしました。今後も生産者にも消費者にも喜ばれる品種開発に邁進いたします。

 海外市場におきましては、日本国内で開発された品種のみならず、海外の各農場で育成された品種が現地市場でご好評を頂き、販売増加に貢献しております。また、ヨルダンのマカベット社を買収しキュウリ育種を強化するなど、今後も研究活動を活性化するとともに優良品種の開発を加速させてまいります。

 

②花

 当連結会計年度は、一般社団法人日本種苗協会主催の第63回全日本花卉品種審査会におきまして、トルコギキョウ「M5-783」、ハボタン「春の宴」、「SK2-72」の2品種が1等特別賞を受賞いたしました。

 海外におきましては、世界二大花卉品評会のひとつであるオール アメリカ セレクションズ(全米審査会)でデンマークの研究農場育成の矮性ジプソフィラ「ジプシー ホワイトインプ」が最高賞を受賞いたしました。

 新品種におきましては、茎が硬く倒れづらい矮性タイプの金魚草「キャンディートップス」、ユニークカラーで花色が安定するジニア「プロフュージョン チェリーバイカラー」、べと病抵抗性ヒマワリ「ビンセント(2型)クリアオレンジDMR」、カジュアルな使いやすさを追求した中大輪セミフリンジ八重咲きのトルコギキョウ『マキア( Maquia )』シリーズ、豪華な花形で人気のトルコギキョウ「ボン・ボヤージュ」シリーズの追加色などを発表いたしました。

 

研究部門では、差別性と新規性を追求したサカタオリジナル商品の開発に精励し、全世界へ「心と体の栄養」をお届けできるように努めてまいります。

 

(2)小売事業
 当事業に該当する研究開発は行っておりません。

 

(3)その他事業
 当事業に該当する研究開発は行っておりません。