(1)経営方針
当社は、良質な商品とサービスの提供によって、世界の人々の生活と文化の向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指すことを経営理念として、「品質・誠実・奉仕」を社是に掲げながら生命(いのち)への貢献を果たしてまいります。
当社は、採算性と財務の健全性を重視する堅実な経営と株主利益の追求によって企業価値の増大に努めます。
また、生産者にも消費者にも喜んでいただける「野菜と花の種苗」をいち早く開発するとともに、高品質種子の安定生産と供給を実現することによって、世界の種苗界をリードする種苗会社として躍進することを目指します。
(2)経営環境及び対処すべき課題
国内の農業分野は、農業人口の減少や高齢化に歯止めがかからず、また、作付け延べ面積が減少しているほか耕作放棄地の再生も思うように進んでおりません。そのような中、政府が掲げる成長戦略の一環として農産物の輸出増大、農家の所得倍増計画が注目されております。これらを実現するためには、付加価値の高い種苗の安定供給がますます重要となっており、種子を提供する種苗会社の社会的な役割がこれまで以上に高まりつつあります。
一方、農薬や穀物種子を含む世界のアグロケミカル産業を俯瞰すると、多国籍大手による業界再編の動きも見られます。
このような中、人々に心の安らぎをもたらす花、体に健康をもたらす野菜の種子を提供する種苗会社は、より一層グローバルな役割を担っていると言えます。
当社グループではこうした状況の下、下記に掲げた課題に取り組みながら、持続的な研究開発活動とグローバルな営業展開をさらに推し進め、高い収益力と健全な財務体質を兼ね備えた種苗業界のリーディングカンパニーを目指してまいります。
①高収益ビジネスモデルの確立
生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、当社では高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。
また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を確立いたします。
②各地域における健全な収益構造の構築と重点戦略の推進
成長市場における市場拡大、成熟市場における高収益モデルの確立を行う事によって、アジア・北米・南米・欧州アフリカの各地域における健全な収益構造を確立します。また、各地域毎に抱える課題を洗い出し、具体的な重点戦略を立案、実行していきます。
③安定供給と効率化を実現するグローバルサプライチェーンの整備
種子の安定供給を実現する生産体制・技術・機能を強化し、効率的なグローバルサプライチェーンマネジメント体制の実現に向けた仕組みづくりを行い、コストと在庫の削減を目指します。
④グローバルカンパニー実現に向けた人材育成、組織、マネジメント体制の構築
日本国籍のグローバルカンパニー実現に向けたグローバルな人的資源の管理体制の構築や、グローバル経営体制の整備とグループマネジメントの高度化をさらに進めます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、東日本大震災によって新たに認識されたリスクへの備えを徹底し、今後の対応などに活かしてまいります。
(1)天候リスク
当社グループの主要な事業である「野菜種子」「花種子」「球根」「苗木」の販売には、「世界各地の天候変化」が大きく影響を与えます。その結果、各地における天候不良は、これらの事業における売上の低迷をもたらし、業績に悪影響を与える可能性があります。
また、商品の生産については世界19ヵ国に生産を分散し、かつ同一地域でも複数以上のグループ外生産者にその生産を委託してリスク分散を図っております。しかしながら、播種期から採種期までの間に起こる局地的、突発的な天候変化によって十分な品質や生産量が確保できない場合、業績に悪影響を与える可能性があります。
(2)事業展開地域の地政学的、社会的な制度などの影響
当社グループは、生産・研究開発・販売拠点として、日本を含めて全世界で22ヵ国に事業展開を行っております。うち、農場及び研究施設として、国内5ヵ所、海外で10ヵ国13ヵ所に拠点を持っております。これらの事業展開地域の一部においては、次のようなリスクが内在しております。
a.予期しない法律又は規制の制定又は改廃
b.政治・経済の混乱
c.テロ・紛争の発生などによる社会的混乱
d.地震などの天変地異の発生
e.コンピューターウイルスや諸情報の漏洩など、情報化に伴う問題の発生
これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(3)育種開発リスク及びブリーダーの人的資源に関するリスク
育種開発リスクとしては、育種目標を設定してから10年以上を必要とする育種開発の性格上、投資コスト負担リスク、開発実現性リスク、商品ニーズが変化してしまうリスク、他社との開発競争リスクなどがあります。さらに、育種開発は遺伝資源の有無とともに、育種研究者であるブリーダー個々人の能力に大きく依存します。従ってブリーダーが育種途上で社外流出すると、担当する品種の育成に障害が出て良質な商品の完成が難しくなるリスクを有しており、業績に悪影響を与える可能性があります。
(4)安全性に関するリスク
当社グループでは、創業者坂田武雄の唱えた社是「品質・誠実・奉仕」に則り、品質と安全性に対する信頼を最重要課題のひとつと位置づけ、商品クレームへの適切な対応、事故の未然防止などにも積極的に取り組んでおります。しかしながら、「生き物」である商品の性質上、品質の水準や均一性などに不測の事態が生じるケースや、種子に由来しない環境や生産技術面からのリスクが発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。
(5)為替変動に関するリスク
当社グループは海外各地において商品を生産・販売しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、為替相場の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループが原材料及び商品の一部を調達あるいは輸出している海外との取引は、為替変動の影響を受ける可能性があります。こうした影響を最小限に止めるべく、当社グループでは、通貨別金額の変化に常時注意を払っております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(6)保有資産の価値変動リスク
当社グループは、様々な資産を保有しておりますが、土地や有価証券などの資産価値が下落した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(7)自然災害、事故などによるリスク
自然災害やその他の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの業績や事業活動に大きな影響を与えるおそれがあります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績等の概要
①経営成績の分析
当連結会計年度(2018年6月1日から2019年5月31日まで)における世界経済は、米国では堅調な景気拡大が続きましたが、欧州では減速が続きました。新興国経済においては、中国、インド、ブラジルとも、それぞれ減速基調となりました。
わが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に穏やかな回復傾向を維持しましたが、海外経済の弱含みを受け、力強さを失う展開となりました。
当種苗業界におきましては、このような経済状況の影響のほか、世界的に異常気象が頻発していることから、厳しい生育環境にも適応する高品質種子への需要がますます高まってきております。
このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、国内の天候不順により小売事業を中心に大きなマイナスの影響を受けましたが、海外における売上が引き続き堅調に推移したことや、造園緑花分野において、2018年4月に設立した新子会社が、事業の譲り受けを含め、順調にその業務をスタートさせた増収効果もあり、売上高は627億46百万円(前期比3億33百万円、0.5%増)となりました。営業利益は、粗利益率が改善し、修繕費や人件費などの経費増加を吸収できた結果、77億17百万円(前期比1億63百万円、2.2%増)となりました。また経常利益は、為替差損益の改善もあり、83億31百万円(前期比4億50百万円、5.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産の売却益計上などにより、68億56百万円(前期比10億89百万円、18.9%増)となりました。
②財政状態の分析
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前期末に比べ15億57百万円増加し、1,224億25百万円となりました。これは主に有形固定資産が21億15百万円、商品及び製品が16億34百万円、受取手形及び売掛金が9億16百万円、無形固定資産が8億95百万円増加した一方で、投資有価証券が24億82百万円、現金及び預金が16億5百万円減少したことなどによるものです。
b.負債の部
負債合計は、前期末に比べ3億28百万円増加し、215億42百万円となりました。これは主に長期借入金が7億14百万円、固定負債のその他が3億79百万円、流動負債のその他が3億57百万円増加した一方で、繰延税金負債が6億88百万円、短期借入金が4億68百万円減少したことなどによるものです。
c.純資産の部
純資産合計は、前期末に比べ12億28百万円増加し、1,008億83百万円となりました。これは主に利益剰余金が52億80百万円増加した一方で、自己株式が自己株式の取得により15億87百万円増加し、また、その他の包括利益累計額がその他有価証券評価差額金の減少等により25億81百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前期末から変わらず82.3%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比11億31百万円減少し、121億73百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は55億32百万円(前期は得られた資金46億17百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益94億8百万円、減価償却費19億47百万円、売上債権の増加による資金の減少13億53百万円、たな卸資産の増加による資金の減少22億25百万円、法人税等の支払額18億8百万円、などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は32億89百万円(前期は支出した資金49億9百万円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出20億78百万円、定期預金の払戻による収入25億41百万円、有形固定資産の取得による支出49億49百万円、有形固定資産の売却による収入15億17百万円、無形固定資産の取得による支出11億80百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支出した資金は31億83百万円(前期は支出した資金6億46百万円)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出14億81百万円、配当金の支払額15億68百万円などによるものです。
④仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内卸売事業(百万円) |
8,204 |
4.2 |
|
海外卸売事業(百万円) |
16,231 |
△4.2 |
|
小売事業(百万円) |
3,787 |
△14.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
28,223 |
△3.4 |
|
その他事業(百万円) |
1,505 |
56.3 |
|
合計(百万円) |
29,728 |
△1.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内卸売事業(百万円) |
16,845 |
0.0 |
|
海外卸売事業(百万円) |
38,122 |
2.3 |
|
小売事業(百万円) |
5,959 |
△16.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
60,927 |
△0.5 |
|
その他事業(百万円) |
1,818 |
51.8 |
|
合計(百万円) |
62,746 |
0.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当社は、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。
また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。
このような取組みのもと、当連結会計年度の売上高は、前期比3億33百万円(0.5%)増の627億46百万円となりました。これは、当社グループの創出したブロッコリー、トマト、トルコギキョウ、ヒマワリなどの重点戦略品目が、アジアなどの新興国市場の成長機会をとらえ、また、成熟市場である先進国の需要に適した商品を提供できている成果と考えております。また、造園緑花事業の新子会社が順調にその業務をスタートさせたことも増収に貢献しました。
営業利益は、前期比1億63百万円(2.2%)増の77億17百万円となりました。当社グループの活動領域がグローバル化していく中で、地域のニーズに対応するための営業および研究開発の強化や経営管理体制の強化・構築のために費用が増加したものの、その増加分を粗利益率の改善などにより吸収できたことによるものです。
経常利益は、為替差損益の改善もあり、前期比4億50百万円(5.7%)増の83億31百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、資産の売却益などもあり、前期比10億89百万円(18.9%)増の68億56百万円となりました。
本年1月に公表した業績予想に対しては、為替レートは想定に比べ、ドル、ユーロとも円安となりましたが、欧州・中近東、ブラジル、インドなどで、現地通貨ベースの売上高が計画を下回ったことや、国内における資材の売上が減速したことなどから、売上高は予想を下回りました。一方、営業利益は、粗利益率が計画を上回ったこと、経費が計画を下回ったことから、予想を上回りました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、営業利益の上振れや為替差損益の改善を受け、それぞれ予想を上回りました。なお、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、過去最高となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.国内卸売事業
国内卸売事業の売上高は、野菜種子は増加しましたが、花種子と資材が減少し、前期比横ばいとなりました。品目別では、野菜種子は、ネギは新品種が貢献し、またレタスは高冷地を中心に新たな産地での利用が増え、ブロッコリー、トマト、キャベツなどとともに増加しました。一方、トウモロコシ、メロンなどは減少となりました。花種子は、マーケットの縮小が続いていることもあり、ガーベラなどは増加しましたが、トルコギキョウ、パンジー、ケイトウなどが減少し、前期比減収となりました。資材は、オリジナルハウス関連システム機材の取組みや台風などによる災害の復興需要もありましたが、園芸資材商品の売上が減少し、減収となりました。
営業利益は、粗利益率の低下及び経費の増加により、減益となりました。
これらの結果、売上高は168億45百万円(前期比7百万円、0.0%増)、営業利益は49億25百万円(前期比2億41百万円、4.7%減)となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比7億55百万円(3.7%)減の193億78百万円となりました。これは主に有形固定資産が3億98百万円減少したことによるものです。
b.海外卸売事業
海外卸売事業の売上高は、北中米とアジアで大きく増加したことから、前期比増収となりました。営業利益は、粗利益率が向上し、経費の増加を吸収できたことから、前期比増益となりました。
地域別の状況をみますと、アジアでは、ブロッコリー、ネギ、ペッパー、ヒマワリなどが好調に推移したことにより、前期比増収となりました。なお、ニンジンは、予定通り第4四半期に中国へ販売いたしましたが、一部が6月以降の出荷となったことから、前期比減収となりました。アジアの国別では、中国や韓国、新たに拠点を設立したベトナムでは堅調に推移いたしましたが、インドでは、天候不順の影響によるビートなどの販売低迷により、売上高は減少いたしました。北中米では、ニンジン、スイカなどは減少いたしましたが、ブロッコリー、トマト、カボチャ、メロン、ヒマワリなどが増加した結果、前期比増収となりました。また、年度末の為替レートも円安になったことから、円ベースでは大幅な増収となりました。欧州・中近東では、トマト、メロン、キュウリ、ペッパー、トルコギキョウなどが増加し、現地通貨ベースの売上高は6%増加いたしましたが、為替レートが円高となった影響を受け、円ベースでは前期比横ばいとなりました。南米につきましては、ブラジルでの市況回復の足取りが重く、現地通貨ベースの売上高は微増にとどまりました。円ベースでは、現地通貨安の影響を大きく受け、前期比で大幅な減収となりました。
品目別では、野菜種子はニンジン、ホウレンソウなどは減少しましたが、ブロッコリー、ネギ、トマト、ペッパーなどが好調に推移した結果、前期比で増収となりました。花種子につきましては、アジア・北中米でのヒマワリの売上高が大幅に増加したことに加え、欧州でトルコギキョウも引き続き好調に推移した結果、前期比増収となりました。
これらの結果、売上高は381億22百万円(前期比8億48百万円、2.3%増)、営業利益は116億13百万円(前期比4億39百万円、3.9%増)となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比55億50百万円(9.7%)増の626億14百万円となりました。これは主に有形固定資産が19億13百万円、たな卸資産が18億6百万円、受取手形および売掛金が15億98百万円増加したことによるものです。
c.小売事業
ホームガーデン分野は、サンパチェンスが過去最高の販売本数を記録するなど貢献しましたが、猛暑や台風などによる園芸資材や野菜種子、苗木などの店頭販売が鈍化した影響が大きく、また、低調な園芸マーケットの影響を受け、一部の資材商品の販売が大きく減少したことも加わり、売上高は前期比大幅な減収となりました。
通信販売やガーデンセンターなどの直売分野では、猛暑や台風などによる影響を強く受け、売上高は前期比減収となりました。
これらの結果、売上高は59億59百万円(前期比11億42百万円、16.1%減)、営業利益は68百万円悪化し、16百万円の損失(前期は51百万円の営業利益)となりました。
なお、2018年12月に通信販売サイトを刷新いたしました。今後ともお客様の利便性の向上に努めてまいります。
また、小売事業の総資産は前期比57百万円(2.3%)減の24億16百万円となりました。これは主にたな卸資産が13百万円、受取手形及び売掛金が11百万円、無形固定資産が9百万円、その他流動資産が8百万円減少したことによるものです。
d.その他事業
造園緑花分野は、2018年4月にサカタのタネ グリーンサービス株式会社を設立し、現在、当社の造園緑花事業はすべて同社にて運営しております。10月31日に、株式会社日産クリエイティブサービスのグリーンサービス事業等を同社が吸収分割により譲り受け、11月1日に当社の造園緑花部事業を移管し、新会社として正式に営業を開始いたしました。
これらの結果、売上高は新たに譲り受けた事業が加わり18億18百万円(前期比6億20百万円、51.8%増)になりましたが、営業損益は、会社設立及び事業移行関係の費用を当期計上したことから、前期比34百万円悪化し、26百万円の損失(前期は7百万円の営業利益)となりました。なお、新会社につきましては実働初年度から黒字となっております。
また、その他事業の総資産は前期比11億69百万円(219.5%)増の17億2百万円となりました。これは主に現金及び預金が4億82百万円、未成工事支出金が2億14百万円増加したことによるものです。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの分析」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
|
|
2015年5月期 |
2016年5月期 |
2017年5月期 |
2018年5月期 |
2019年5月期 |
|
自己資本比率(%) |
82.9 |
81.5 |
80.9 |
82.3 |
82.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
93.5 |
108.9 |
136.9 |
152.3 |
120.2 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
91.4 |
114.8 |
55.1 |
106.0 |
93.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
61.5 |
56.4 |
68.7 |
44.2 |
46.2 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。
直近では、当社における社内基幹システム構築等の設備投資を予定しておりますが、自己資金にて必要な資金を賄う予定でおります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。本年1月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、売上高627億46百万円(予想比10億53百万円減)、営業利益77億17百万円(予想比6億17百万円増)、経常利益83億31百万円(予想比12億31百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億56百万円(予想比7億56百万円増)、売上高営業利益率12.3%(予想11.1%)となりました。
該当事項はありません。
主力商品である野菜と花の品種開発は、研究本部が統括し、全世界の市場に向けた品種の育成を行っております。研究拠点として、日本国内では静岡県掛川市をはじめ5か所に、海外では北米、南米、欧州など、13か所に農場を配しております。
研究開発者はグループ全体で約477人、当連結会計年度における研究開発費は
当連結会計年度の主な研究内容及び成果は、次のとおりであります。
(1)国内卸売事業及び海外卸売事業
①野菜
当連結会計年度は、一般社団法人日本種苗協会主催の第69回全日本野菜品種審査会におきまして、コマツナ「C5-040」および「C5-042」、ダイコン「SC3-295」(冬馬力)が1等特別賞を受賞いたしました。その中から特に優秀な品種として、ダイコン「SC3-295」(冬馬力)が農林水産大臣賞も受賞し、またキャベツ「SK3-326」が第66回千葉県野菜品種審査会において農林水産大臣賞を受賞するなど国内外における高いシェア獲得の原動力でもある研究開発力が評価されました。
新品種におきましては、褐色根腐病および青枯病に優れた耐病性を持つ台木トマト「シャットアウト」、耐暑性に優れ夏越しに強い一本ネギ「夏扇タフナー」、肥大性が非常によく晩抽性のダイコン「冬馬力」、極晩抽で作業性にも優れたダイコン「春の守」、アントシアンフリーのブロッコリー「こんにちは」と「こんばんは」など、オリジナル性を重視した品種を数多く発表いたしました。今後も生産者にも消費者にも喜ばれる品種開発に邁進いたします。
海外市場におきましては、日本国内で開発された品種のみならず、海外の各農場で育成された品種が現地市場でご好評を頂き、販売増加に貢献しております。米国では新研究拠点となる「ウッドランド イノベーションセンター」がカリフォルニア州にて開所するなど、今後も研究活動を活性化するとともに優良品種の開発を加速させてまいります。
②花
当連結会計年度は、一般社団法人日本種苗協会主催の第64回全日本花卉品種審査会におきましてアスター「SM6-458」が1等を、また、第65回全日本花卉品種審査会ではトルコギキョウ「M7-894」が1等特別賞を受賞いたしました。
海外におきましては、世界二大花卉品評会のひとつであるオール アメリカ セレクションズ(全米審査会)でデンマークのオーデンセ研究農場育成のベゴニア種間雑種「バイキング XL レッド オン チョコレート」が最高賞を受賞いたしました。
差別性と新規性において、雨に強い実生系ペチュニアシリーズ「バカラiQ」、花持ちの良いポットカーネーション「感謝の気持ち」および「ホットハート」、よりコンパクトで狭いスペースでも楽しめるサンパチェンスの姉妹シリーズ「サンパティオ」の新品種を発表しております。さらに主力のトルコギキョウで9品種、パンジー・ビオラで5品種、切花ハボタンで1品種の新品種を発表いたしました。
研究部門では、差別性と新規性を追求したサカタオリジナル商品の開発に精励し、全世界へ「心と体の栄養」をお届けできるように努めてまいります。
(2)小売事業
当事業に該当する研究開発は行っておりません。
(3)その他事業
当事業に該当する研究開発は行っておりません。