文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、事業を通じて実現したい姿として以下の経営理念を掲げており、新しい価値をもった商品を提供できる「食文化のパイオニア」を目指してまいります。
① 国民生活の充実と食文化の繁栄に貢献する
当社は、食品の生産・販売事業を通じ、まいたけをはじめとした健康に良い高品質な食品を社会に提供し、国民生活の充実と食文化の繁栄に貢献することを基本理念としております。
② 地域社会、株主への貢献と役員、社員の豊かさを実現する
当社は、役員・社員全員の不断の努力を通じて、企業力を高め、地域社会の発展に貢献し、株主に報いるとともに、自らの豊かさを実現いたします。
③ 企業倫理を尊重する
当社は、企業活動に際し、常に基本理念を踏まえ行動し、法の遵守はもとより全てに高い倫理性を求め、これを尊重いたします。
(2) 中長期的な経営戦略等
当社グループは、事業環境の変化に的確に対応し、国内市場の需要を創造しながら、プレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長し続けることを目指して、2021年11月4日に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を公表いたしました。
〈中期経営計画の基本方針〉
「国内きのこ市場のさらなる需要創造とグローバル展開するプレミアムきのこ総合メーカーへの進化」を中心に、以下3つの基本方針の下、事業展開を図り、目標達成のため取り組んでまいります。
A. 国内きのこ市場:新たなる価値創造
・まいたけ消費における地域ギャップ、年齢ギャップを新たな販売機会と捉え、積極的な情報発信と調理の簡便性向上により、国内消費の底上げを図ってまいります。
・グローバルスタンダードであり、さらなる需要の拡大が見込まれるマッシュルーム事業を強化し、プレミアムきのこ総合メーカーとして新たなステージに進んでまいります。
B. 技術開発:生産技術の革新による原価低減
・最新FA化技術を駆使した高効率工場に進化させることで、収益性を向上させてまいります。
・エネルギー効率の最大化と、環境負荷の低減に努めてまいります。
C. グローバル展開:生産・販売の自社基盤の構築ときのこ周辺領域の事業機会も探索
・世界的な健康志向に応えるため、自然食材であるきのこの消費拡大に取り組んでまいります。
・生産・販売の自社基盤を海外に構築してまいります。
・きのこ周辺領域(川上~川下)での事業機会を探索いたします。
〈定量目標(連結ベース)〉
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項目 |
2026年3月期目標 |
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売上収益 |
600億円前後 |
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海外売上収益比率 |
30%前後 |
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コアEBITDAマージン※ |
20%前後 |
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投下資本利益率(ROIC) |
10%前後 |
※コアEBITDAマージン:コアEBITDA/売上収益
コアEBITDA:IFRSの営業利益からIAS第41号「農業」適用による影響額、その他の収益及び費用、一時的な収益及び費用を除外したものに減価償却費及び償却費を加算したもの
なお、各施策の詳細につきましては、2021年11月4日に公表いたしました「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)説明資料」をご覧ください。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な増収・増益と企業価値向上を目指す観点から、経営上の目標を設定する指標として、一過性の損益や金融収支の影響を除外した事業利益である「調整後営業利益」を最も重要な指標と位置付けており、2020年1月に公表した「2020年3月期~2023年3月期 中期経営計画」においても、「調整後営業利益」の持続的な成長を目標として掲げておりました。「調整後営業利益」の定義については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考情報)」を参照ください。
なお、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」にて記載のとおり、当社グループは、2021年11月4日に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を新たに策定しております。本中期経営計画より、当社グループの業績を評価するために必要な財務指標として、コア営業利益、コアEBITDA、コアEBITDAマージンを採用しております。
(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、国内においては、少子高齢化、人口減少等の社会構造的な要因により、食品市場全体が縮小する傾向であると言えます。また、原油高騰等による原材料費、エネルギー関連コストの上昇等の影響も顕著となり、企業収益の圧迫につながっています。さらに、今回のロシア・ウクライナ情勢により、不安定な状況が一層高まっております。これに加え、昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって、国内外経済が不安定になる等、企業活動への継続的な影響が想定され、引き続き動向への注視が必要であります。
このような環境の中、当社グループは、継続的な成長を実現していくために、事業環境の変化に的確に対応し、国内市場の需要を創造しながら、プレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長し続けることを目指して、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載のとおり2021年11月4日に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を策定し、以下の点を今後の事業展開における対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。
① プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤確立
当社は、まいたけ、エリンギ・ぶなしめじにて長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルームにも活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤確立に努めております。しかしながら、当社グループの扱うきのこのおいしさや、きのこが持つ健康促進効果など、消費者に広く十分な認知がなされているとは言い難い状況であります。特に、マッシュルームについては、国内において、マッシュルームが持つおいしさや調理方法等の認知はまだまだ高くない状況と言えます。当社は、これまで当社が培ってきた販売ノウハウを活かし、新たなマッシュルームの需要創造に努めてまいります。このため、今後、国内外に向けたマッシュルーム事業を強化するとともに、お客様ニーズの高まりへ応えるため、2021年11月25日付にて実施しましたプレスリリース「当社連結子会社におけるマッシュルーム増産のための設備投資に関するお知らせ」のとおり、株式会社三蔵農林においてマッシュルームの増産体制を構築するための設備投資を実行しております。また、引き続き当社が持つ生産ノウハウや管理手法を導入し、商品品質の向上と生産数量の安定化を進めてまいります。
② まいたけでの圧倒的No.1の達成と維持
当社のまいたけは、まいたけ市場シェアの過半を占めており、リーディングカンパニーとして高品質なまいたけの安定供給を実施しておりますが、引き続き国内消費の底上げを図り、さらなる需要創造を目指してまいります。
このため、多面的なマーケット戦略として、ターゲット顧客層の異なる特徴に応じた”重層的”かつ ”複合的”プロモーションを展開し、ライトユーザーからヘビーユーザーまでの幅広い層の獲得を目指します。特に、ライトユーザーに対しては、まいたけの「食べ方」「機能性」「簡便性」「差別化」を訴求ポイントとして、レシピ提案や外食・中食メニューでの展開を図り、多面的なアプローチを実施してまいります。
加えて、まいたけ製品のラインナップを拡充し、当社独自の「極」ブランドの価値を再認知していただき、他社との違いを打ち出すと同時にさらなるまいたけ需要の深化を図ってまいります。
③ 生産・包装の技術革新の追求
生産技術の面では、新菌や培地の研究開発を通じた培養日数の短縮や収量の増加、生産効率及び品質の向上等に取り組んでまいります。加えて、まいたけの生産やカット、包装や箱詰め等、センターのさらなる自動化・FA化を進め、コスト削減や省人化を通じた生産性の向上を進めてまいります。
また、生産プロセスにおけるユーティリティの見直しとして、代替エネルギー利用等を通じ、エネルギー効率の最大化、効率化のため、エネルギー変換効率が高いLNGへの切り替え、太陽光発電、LED照明の導入を進めております。こうした取り組みを通じて、コスト削減だけではなく、商品の廃棄やCO2排出量の削減にもつながり、環境に配慮したサステナブルな生産体制を実現してまいります。
④ 海外展開の本格始動
世界的な健康意識の高まりを受け、海外のきのこ生産量は安定成長が見込まれております。海外きのこ市場における生産・販売の自社基盤の構築及びきのこ栽培及び周辺領域での事業機会の獲得は、当社グループの持続的成長のため重要となります。ASEANと欧米とターゲットエリアを分け、異なる戦略方針に基づきグローバル展開を推進しつつ、各地域間で比較優位を有する経営資源を相互共有し、グループ全体の競争力を強化してまいります。
上記のほか、当社は、他社の優れた経営資源(技術・ノウハウ・製品)を柔軟に活用し、プロダクト・プロセスの両局面より中長期的な成長ポテンシャルを追求していくため、オープンイノベーションを積極的に活用してまいります。
また、当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入を行っており、2022年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は181.9%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、金銭消費貸借契約の変更によるスプレッドの引き下げ等の施策を講じております。加えて、有利子負債の圧縮と自己資本比率の向上により財務基盤を強化し、企業経営の健全化に努めてまいります。
当社グループは、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の事項を認識しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。
なお、文中に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 国内事業活動について
① 経済状況
当社グループの事業活動は、現在、その大部分が日本国内市場にて行われております。したがって、日本国内における景気の後退に伴う需要の減少、消費動向の変動等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食の安全
当社グループでは、製品の安全性を保証するため、「重金属検査」「農薬検査」「放射能検査」「衛生検査」を実施する等高度な検査体制を構築し、食品会社の存立基盤となる「安全・安心」を確保するために、万全の体制で臨んでおります。また、異物混入を防御するとともに、異常が無いことを証明できる体制づくりを行っております。
しかしながら、当社グループにおいても、偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示等、消費者に健康被害を及ぼす製品事故が発生するほか、社会全般にわたる重大な品質問題等、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 気候、天候条件による需要動向
当社グループの主要製品であるきのこの需要には、季節変動(9月~12月が最需要期、1月~3月が需要期、4月~8月が非需要期)があります。この季節変動に加え、きのこの需要は、一般野菜市場の影響を受けることから、一般野菜の需給に大きく影響を及ぼす気候・天候条件を起因とした影響を受けることがあります。野菜市況が長期にわたって低価格で推移する等、その影響が大きい場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害
当社グループは、国内の複数地域に合計17拠点(本社、営業拠点8か所、生産拠点・研究開発センター8か所)を有しておりますが、地震や台風等の大規模な自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 仕入コスト
当社グループの生産工程において、栽培環境設備の燃料として重油を使用しております。当社は生産工程においてさまざまな省エネルギー対策を行っておりますが、原油価格が高騰した場合は、燃料費の上昇や電力費・荷造包装費の上昇等に繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 主要製品への依存について
当社グループの主要製品はまいたけ、エリンギ、ぶなしめじで、売上収益の57.7%をまいたけが占めております。当社グループでは、これら製品の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や当社の市場シェア拡大を図っておりますが、これら製品、特にまいたけの需要が大幅に縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人材の確保について
当社グループが、今後さらなる業容拡大を図るためには、パート・アルバイト労働者、外国人労働者の活用を図りつつ、優秀な人材の確保と育成が重要課題であると認識しております。
今後、労働力の減少による人材確保競争の激化、景気回復、雇用環境の好転に伴う賃上げ圧力の増大、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法、出入国管理及び難民認定法の改正等に起因して労働コストが大幅に増加、もしくは、社内人材の育成が進まない場合、人材が外部に流出した場合、採用自体が困難になった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年は積極的に外国人技能実習生を雇用しているため「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」、「出入国管理及び難民認定法」等の規制も受けており、これらの法令等に違反し行政処分等を受けた場合には、業務の円滑な遂行に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 個人情報管理について
当社グループは、事業推進にあたりパート・アルバイト労働者、外国人労働者を積極的に活用していることから、多くの個人情報を取り扱っております。そのため当社グループでは、「個人情報取扱規程」を制定し、個人情報を厳格に管理するとともに、コンプライアンス研修等を通じて継続的に社員教育を行う等、管理体制の構築に積極的に取り組んでおります。しかしながら、今後、個人情報の流出等の問題が生じた場合には、損害賠償請求その他の責任追及や当社グループに対する信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 業績の季節変動について
当社グループの主要製品であるきのこの季節性より、春から夏にかけては需要が低調に推移することから単価は安く、秋から冬にかけては需要が拡大することから単価も上昇するという傾向にあります。したがって、通常の市場動向であれば、当社グループの売上収益は、需要が拡大する第3四半期から第4四半期にかけて増加する傾向があります。そのため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。
なお、2022年3月期の当社グループの四半期業績の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
(会計期間) |
2022年3月期 第1四半期 |
2022年3月期 第2四半期 |
2022年3月期 第3四半期 |
2022年3月期 第4四半期 |
|
売上収益 |
6,587 |
7,229 |
10,407 |
8,219 |
|
営業利益 |
201 |
2,349 |
2,900 |
△475 |
(6) 他社との競合について
当社グループは、主力製品であるきのこ類の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や市場シェア拡大を図っております。しかしながら、消費者のニーズの変化や業界のコスト構造の変化等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない、当社グループの市場シェアが低下する、他社の増産等業界競争の激化に伴う価格下落圧力が生じる場合等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法的規制等の変更について
当社グループは、事業を遂行していくうえで、種苗法や農林物資の規格化等に関する法律等、法的規制の適用を受けております。将来において、予期し得ない法的規制等の変更又は新設があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟その他の法的手段について
当社グループは、その事業の過程で、各種契約違反や労働問題、知的財産権に関する問題等に関し、顧客、取引先、従業員、競合他社等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しております。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となり、当社グループに対する敗訴判決が言い渡される又は当社グループにとって不利な内容の和解がなされる場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産権の侵害
当社グループの事業分野における他社の知的財産権の保有や登録等の状況を完全に把握することは困難であり、当社グループが意図せず第三者の特許権等を侵害する可能性や、今後当社グループの事業分野において第三者の特許権等が新たに成立し、当社グループを当事者とする知的財産権の帰属等に関する紛争が生じたり、当社グループが知的財産権の侵害等に関する損害賠償や使用差止等の請求を受けたりする可能性があります。
また、当社グループが第三者と提携や合弁等を行うことにより、当該第三者が締結している契約に基づく知的財産権に係る制約を受けたり、第三者に対する新たな対価支払いを強いられたりする可能性もあります。
これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 取引先の信用リスクについて
当社グループでは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信設定等を通じてリスクの管理を行っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先や仕入先の信用状況が悪化した場合、当該リスクの顕在化によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 減損会計について
当社グループは、多額ののれんを計上しているとともに、事業用資産としてのさまざまな有形・無形の固定資産を所有しております。
当社グループののれんは、旧商号BCJ-22が旧雪国まいたけ②を2015年4月に子会社化、旧雪国まいたけ④が有限会社三蔵農林(現 株式会社三蔵農林)を2019年10月に子会社化した際に発生し、2022年3月末時点ののれんの金額は5,187百万円で、総資産額に占める割合14.4%となっております。
当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しておりますので、のれんは非償却性資産であり毎期の定期的な償却は発生しませんが、今後、これらの資産に係る事業収益性が低下した場合等には減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めております。
また、IFRSにおけるのれんの会計処理について、国際会計基準審議会では償却処理の再導入も含め見直しを行っていることから、当該会計基準の変更があった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 多額の借入金及び金利の変動について
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2022年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は181.9%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、金銭消費貸借契約の変更によるスプレッドの引き下げ等の施策は講じておりますが、急激で大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、かかる財務制限条項については具体的な数値基準が設けられております。これに抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の返済をするための資金の確保が必要となります。財務制限条項への抵触による一括返済リスクに対応するため、余資による期限前返済や財務コベナンツに係る各種数値の取締役会への報告等を行っておりますが、何らかの事象によって当該条項への抵触が生じる場合は、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入れについても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 17.借入金」に記載しております。
(13) 株式会社神明ホールディングスとの関係について
① 資本関係、人的関係等
当社は、株式会社神明ホールディングスから出資を受け入れております。当連結会計年度末現在において、株式会社神明ホールディングスは当社発行済株式総数の50.07%を保有しており、当社は株式会社神明ホールディングスの連結子会社であります。また、当社の取締役である藤尾益雄を株式会社神明ホールディングスから招聘しているほか、出向者を1名受け入れております。また、当社は、株式会社神明ホールディングスのグループ会社に対して当社製品の販売を行っております。
② 株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理
株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理に関して、当社が同社の事前承認を必要とする事項はありません。
また、同社から当社に対する役職員の派遣や各種取引に関しては、少数株主保護の観点で問題がなく、かつ、必然性及び経済合理性が認められる範囲において、各社の経営判断のもとに実施する方針とされております。当社の側でも、同社のグループ経営管理に関して、当社の経営の独立性が阻害されることがないよう、独立役員を確保するとともに、独立役員が過半数を占める任意の指名・報酬委員会を設置する等の措置を講じております。また、当社では、少数株主保護の観点よりコーポレートガバナンス・コードに準じ、2021年12月より新たに独立社外取締役にて構成される特別委員会を設置し、支配株主である同社との重要な取引・行為についての審議・検討及び継続取引について妥当性確認を実施し、取締役会に対し答申を行っております。その他、同社グループとの各種取引について、「関連当事者取引管理規程」に基づいて、当社の取締役会の決議を経て実施することとしており、既存の取引についても取締役会での決議を経て、実施しております。
③ 神明ホールディングスグループにおける当社の位置付け
神明ホールディングスグループは、米の卸売事業を基軸として、「川上から川下までの食のバリューチェーン」構築を目指しており、その上で、米の卸売事業の周辺事業に止まらず、食品製造業への進出も同社の成長戦略の一つとして位置付けております。当社グループは、当該成長戦略の一翼を担っております。
また、現在、神明ホールディングスグループには、当社グループ以外に、きのこの製造販売やそれに類似する事業を営む企業が存在しないため、当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間で事業の競合は発生しておりません。
当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間には、当社が従来まいたけの消費量の少なかった西日本等で販売拡大に取り組む場合等での神明ホールディングスグループのネットワークの活用や、米ときのこを組み合わせた商品開発と小売店・外食チェーンでの展開、広域量販店を中心とした両社の商品のクロスセル推進等の形でシナジーが見込まれ、当社及び株式会社神明ホールディングスは、両社の協働を通じて、それぞれにおいて企業価値向上を図ることができる関係にあると考えております。
④ 今後の関係
2017年7月の株式会社神明ホールディングスの当社への出資後に新たに開拓された神明ホールディングスグループと当社グループの取引は、徐々に増加しております。当社グループとしては今後も神明ホールディングスグループとの取引拡大に向けて株式会社神明ホールディングスと協業を継続していく方針であります(なお、神明ホールディングスグループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。
株式会社神明ホールディングスは当社株式を安定保有する意向を有しているため、当社と株式会社神明ホールディングスの関係について重大な変化は生じないものと認識しております。しかしながら、将来において、何らかの要因により株式会社神明ホールディングスが経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む。)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、株式会社神明ホールディングスが過半数の当社株式を保有しており、当社の役員の選解任等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このように、株式会社神明ホールディングスは、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。
(14) 中期経営計画について
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載のとおり、2021年11月に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を公表しております。
本中期経営計画は過去・現状を踏まえての現時点での想定に基づいて作成されていますが、今後における国内外の経済動向、地政学的リスク、消費者のニーズの変化、取引先の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。
(15) 新型コロナウイルスの感染拡大について
国内における新型コロナウイルス感染拡大の影響として、国内外における経済活動の不安定な状況により、各家庭での節約傾向が継続しております。今後も新型コロナウイルスの感染再拡大などが発生した場合、さらなる節約志向の高まりや外出控えによる小売店への来店頻度の減少等により、需要縮小の可能性や、感染拡大の状況によっては、取引先である小売店の臨時休業等の可能性もあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大への対策として、緊急事態宣言発令対象都道府県では原則テレワークの実施、従業員への検温や不要不急の外出禁止依頼、手洗い、マスク着用の励行、発熱があった際の出社禁止等、これまで以上に厳しい対応を実施しております。それでも従業員への感染が拡大した場合は、工場の生産体制に影響し、保健所等の指導に基づき、消毒作業やきのこの廃棄の実施が必要となる可能性があり、状況によっては出荷の抑制が必要となる可能性があります。また、これらによる風評被害を受ける可能性もあります。
さらに、当社グループでは、海外実習生等の入職、期間満了による帰国を予定しておりますが、世界的な感染状況により、渡航制限等の長期化・変更が発生した場合、生産人員計画に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 気候変動について
地球温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨や台風の増加等、異常気象による洪水・土砂災害や酷暑、異常な暖冬といったさまざまな被害を引き起こす可能性があります。当社グループにおいては、世界規模での気候変動により、原油価格の高騰による原材料価格の値上げ、消費者の消費志向の変化等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2021年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、同年12月にはサステナビリティ推進委員会を新設し、サステナビリティ方針の策定や温室効果ガス(以下「GHG」という。)サプライチェーン排出量の算定並びにGHG排出削減へのロードマップ策定に取り組んでまいりました。今後は2050年度での当社グループのGHG排出量ネット・ゼロを目指し、再生可能エネルギーの導入検討やプラスチック使用量の低減、森林整備・保全活動等を引き続き実施し、持続可能な社会への貢献を図ってまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、ワクチン接種の普及拡大により一時的な経済回復と、感染再拡大による経済停滞を繰り返し、不安定な状態であったと言えます。また、原油等、資源価格高騰の影響は、各分野の収益を圧迫し、日用品や食品等の値上げにつながり、その影響は家計にも及んでおります。さらに、ロシアのウクライナ侵攻が国内外の経済に大きな影響を与える可能性も否定できず、先行きはより一層不透明な状況が続いております。
国内きのこ市場の状況は、これまで健康意識の高まりを背景として、きのこ消費量は堅調に推移してまいりましたが、前連結会計年度に見られた巣ごもり需要は一巡し、外食産業での消費減少や他社増産により供給過多な状況が続き、特に、秋から冬にかけての温暖な気候の影響を受け、市場単価は低調な推移となりました。
このような環境の中、当社グループは、事業環境の変化に的確に対応し、国内市場の需要を創造しながら、市場より高い評価をいただいている「まいたけ」をはじめとしたプレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長し続けることを目指して、2021年11月4日に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を公表し、本中期経営計画の達成と安全・安心な製品を提供することを通じて消費者の健康に寄与し、健やかな社会の実現に貢献すべく事業展開を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、36,096百万円(前連結会計年度末比452百万円増)となりました。流動資産は、9,735百万円(同467百万円減)となりました。これは主に、棚卸資産が141百万円、公正価値変動による利得により生物資産が211百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。非流動資産は、26,361百万円(同920百万円増)となりました。これは主に、まいたけ増産に係る設備増強・更新及び投資不動産からの振り替え等に伴って有形固定資産が1,138百万円増加した一方、有形固定資産への振り替えにより投資不動産が218百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、25,625百万円(同787百万円減)となりました。流動負債は、8,010百万円(同395百万円増)となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が631百万円増加した一方、未払法人所得税が300百万円減少したこと等によるものであります。非流動負債は、17,615百万円(同1,183百万円減)となりました。これは主に、約定返済により借入金が1,037百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の資本合計は、10,470百万円(同1,240百万円増)となりました。当期利益を2,989百万円計上する一方、配当により1,676百万円計上したことから利益剰余金が1,293百万円増加したこと等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の収益は47,081百万円(前連結会計年度比8.4%減)、このうち、売上収益は32,444百万円(同6.1%減)となりました。うち茸事業の売上収益は32,021百万円(同5.8%減)となりました。国内きのこ市場の低調な推移及び競合他社の新工場の稼働・出荷の影響等による茸事業の減収、燃料費の高騰によるユーティリティ費の増加等により、売上総利益は13,349百万円(同18.1%減)となりました。販売費及び一般管理費は広告宣伝費の増加があった一方、運賃、販売手数料は減少し、また、前年同期に上場関連費用等の計上があったことにより、8,142百万円(同1.8%減)となりました。一方、上場関連費用等の一過性費用を除外した調整後の指標については、調整後営業利益4,975百万円(同38.5%減)、調整後EBITDA6,960百万円(同30.9%減)、調整後当期利益3,125百万円(同40.1%減)と、いずれも前年同期を下回る結果となりました。(「調整後営業利益」等の定義については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考情報)」を参照ください。)
なお、当社では、IFRS農業会計(IAS第41号)の適用に伴い、きのこ製品で構成される生物資産を売却費用控除後の公正価値で測定しており、当該公正価値の変動による利益又は損失が、連結損益計算書の「公正価値変動による利得」に含まれております。当連結会計年度においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に14,636百万円、売上原価に15,051百万円、それぞれ含まれております。
当連結会計年度における事業セグメント別の売上収益の状況は以下のとおりであります。
〔茸事業〕
(ⅰ) まいたけ
まいたけが持つ機能性を訴求するため、前連結会計年度から継続して元気に健康を維持する「打ち勝つ!」と、ヘルシーで楽しくおうちごはんを楽しむ「家活!」の2つの想いを込めて「雪国まいたけでうちかつ!」キャンペーンを実施いたしました。また、豊富な製品ラインアップを活かした製品戦略の展開、季節食材ではなく通年食材としての訴求の一環として、他食品メーカーとの共同企画による食べ方提案や、西日本向けテレビコマーシャルの放映、レシピサイトを活用した消費者への積極的なレシピ提案等を実施いたしました。販売量は概ね前年並みとなりましたが、競合他社の増産もあり販売単価は前年を下回りました。以上の結果、まいたけ事業の売上収益は18,732百万円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。
(ⅱ) エリンギ
生産品質の向上による安定した供給の実現に加え、消費者が手間をかけずにすぐに使える利便性の高いスライス製品の投入や、お値打ち商品として大量目製品のリニューアルを実施する等、製品ラインアップの拡充を図りましたが、販売量及び販売単価ともに前年に比べ微減となりました。以上の結果、エリンギ事業の売上収益は3,161百万円(同7.5%減)となりました。
(ⅲ) ぶなしめじ
青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて1株製品と2株製品といった量目が異なる製品を活用し柔軟な製品投入を実施いたしました。販売量は前年を上回りましたが、販売単価は前年を下回りました。以上の結果、ぶなしめじ事業の売上収益は6,328百万円(同7.2%減)となりました。
(ⅳ) その他の茸
株式会社三蔵農林のマッシュルーム、瑞穂農林株式会社の本しめじ等が前連結会計年度の売上収益を上回りました。以上の結果、その他の茸事業の売上収益は3,799百万円(同0.2%増)となりました。
〔その他〕
その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤の販売によるものであります。当連結会計年度においては、培地活性剤の製造及び販売量が減少いたしました。この結果、その他の売上収益は、422百万円(同22.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ54百万円減少し、3,723百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、5,606百万円(前期は8,204百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益4,564百万円や減価償却費及び償却費1,984百万円、支払利息397百万円の計上があった一方、法人所得税の支払2,097百万円があったこと等によるものであります。
(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、2,554百万円(前期は3,689百万円の使用)となりました。これは主に、まいたけ増産に係る設備増強・更新等に伴う有形固定資産の取得による支出2,564百万円があったこと等によるものであります。
(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、3,107百万円(前期は5,198百万円の使用)となりました。これは主に、約定返済の実施により長期借入金の返済による支出1,156百万円、配当金の支払1,673百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
茸事業(百万円) |
39,481 |
△6.7 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
39,481 |
△6.7 |
(注) 1.生産実績は、販売価格にて算出しております。
2.その他セグメントは生産活動によらない事業を含むため記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っており、当連結会計年度における受注実績の重要性が乏しいため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
茸事業 |
まいたけ(百万円) |
18,732 |
△6.2 |
|
エリンギ(百万円) |
3,161 |
△7.5 |
|
|
ぶなしめじ(百万円) |
6,328 |
△7.2 |
|
|
その他の茸(百万円) |
3,799 |
0.2 |
|
|
その他(百万円) |
422 |
△22.8 |
|
|
合計(百万円) |
32,444 |
△6.1 |
|
(注) 1.茸事業の「その他の茸」の主な内訳は、マッシュルーム、本しめじ、はたけしめじとなります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、その記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ) 資産
資産につきましては、当連結会計年度末36,096百万円となり、前連結会計年度末に比べ452百万円増加いたしました。これは主に、棚卸資産、公正価値変動による利得により生物資産等の減少により、流動資産が467百万円減少した一方、まいたけ増産に係る設備増強・更新及び投資不動産からの振り替え等に伴って有形固定資産が1,138百万円増加し、有形固定資産への振り替えにより投資不動産が218百万円減少したこと等により、非流動資産が920百万円増加したことによるものであります。
(ⅱ) 負債
負債につきましては、当連結会計年度末25,625百万円となり、前連結会計年度末に比べ787百万円減少いたしました。これは主に、営業債務及びその他の債務が631百万円増加し、未払法人所得税が300百万円減少したこと等により、流動負債が395百万円増加した一方、約定返済により借入金が1,037百万円減少したこと等により、非流動負債が1,183百万円減少したことによるものであります。また、結果として当連結会計年度末時点のレバレッジ・レシオ(連結総有利子負債/直前12カ月の連結EBITDA)は2.7倍となっております。
(ⅲ) 資本
資本につきましては、当連結会計年度末10,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,240百万円増加いたしました。これは主に、当期利益を2,989百万円計上する一方、配当により1,676百万円計上したことから利益剰余金が1,293百万円増加したこと等によるものであります。
経営成績の分析につきましては、前記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」を参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、前記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」を参照ください。
資本の財源及び資金の流動性に関する情報につきましては、当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。
設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金にて賄っており、必要に応じて金融機関からの短期借入金にて調達しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計上の見積りとした項目は「生物資産の測定」、「非金融資産の減損」及び「確定給付債務の測定」であり、見積りの詳細及び当該見積りに用いた仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算定された調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後当期利益を重要な経営指標として位置づけております。旧雪国まいたけ③第3期以降の調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後当期利益の推移は以下のとおりであります。
(1) 調整後営業利益、調整後EBITDA
(単位:百万円)
|
回次 |
日本基準 |
|
|
旧雪国まいたけ③ |
旧雪国まいたけ④ |
|
|
第3期 |
第1期 |
|
|
決算期 |
2017年12月期 |
2018年3月期 |
|
開始・終了年月 |
2017年4月~2017年12月 |
2018年1月~2018年3月 |
|
営業利益 |
2,710 |
1,028 |
|
(調整額) +のれん償却費 +マネジメントフィー (注) 5 +上場関連費用 (注) 6 |
226 80 4 |
377 27 50 |
|
調整額小計 |
312 |
455 |
|
調整後営業利益 (注) 1 |
3,022 |
1,484 |
|
(調整額) +減価償却費及び償却費 |
1,039 |
342 |
|
調整後EBITDA |
4,062 |
1,827 |
|
(単位:百万円) |
|
回次 |
国際会計基準 |
|||
|
当社 |
||||
|
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
|
|
決算期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
営業利益 |
6,491 |
6,691 |
7,823 |
4,975 |
|
(調整額) |
|
|
|
|
|
+マネジメントフィー (注) 5 |
103 |
102 |
48 |
- |
|
+上場関連費用 (注) 6 |
69 |
106 |
157 |
- |
|
+合併に伴う不動産登記費用 (注) 9 |
- |
- |
61 |
- |
|
-割安購入益 (注) 8 |
△314 |
- |
- |
- |
|
調整額小計 |
△141 |
208 |
267 |
- |
|
調整後営業利益 (注) 2 |
6,349 |
6,899 |
8,090 |
4,975 |
|
(調整額) +減価償却費及び償却費 |
1,663 |
1,772 |
1,979 |
1,984 |
|
調整後EBITDA |
8,013 |
8,672 |
10,070 |
6,960 |
(2) 調整後当期利益
(単位:百万円)
|
回次 |
日本基準 |
|
|
旧雪国まいたけ③ |
旧雪国まいたけ④ |
|
|
第3期 |
第1期 |
|
|
決算年月 |
2017年12月 |
2018年3月 |
|
開始・終了年月 |
2017年4月~2017年12月 |
2018年1月~2018年3月 |
|
当期純利益 |
725 |
927 |
|
(調整額) +のれん償却費 +マネジメントフィー (注) 5 +上場関連費用 (注) 6 +合併に伴う不動産登記費用 (注) 8 +リファイナンス関連損益 (注) 10 |
226 80 4 - 239 |
377 27 50 65 - |
|
調整額小計 (税金調整前) |
551 |
521 |
|
調整項目の税金調整額 (適用税率) |
△111 (34.31%) |
△49 (34.31%) |
|
調整額小計 (税金調整後) |
440 |
472 |
|
調整後当期純利益 (注) 3 |
1,165 |
1,399 |
(単位:百万円)
|
回次 |
国際会計基準 |
|||
|
当社 |
||||
|
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
|
|
決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
|
当期利益(百万円) |
4,378 |
4,344 |
4,740 |
2,991 |
|
(調整額) |
|
|
|
|
|
+マネジメントフィー(百万円) (注) 5 |
103 |
102 |
48 |
- |
|
+上場関連費用(百万円) (注) 6 |
69 |
106 |
157 |
- |
|
-割安購入益(百万円) (注) 7 |
△314 |
- |
- |
- |
|
+合併に伴う不動産登記費用(百万円) (注) 9 |
- |
- |
61 |
- |
|
+リファイナンス関連損益(百万円) (注) 10 |
△485 |
△302 |
459 |
204 |
|
調整額小計(税金調整前)(百万円) |
△627 |
△94 |
727 |
204 |
|
調整項目の税金調整額(百万円) |
106 |
32 |
△249 |
△69 |
|
(適用税率) |
(34.26%) |
(34.26%) |
(34.26%) |
(34.26%) |
|
調整額小計(税金調整後)(百万円) |
△520 |
△62 |
478 |
134 |
|
調整後当期利益(百万円) (注) 4 |
3,858 |
4,282 |
5,218 |
3,125 |
|
1株当たり調整後当期利益(円) (注) 12、13 |
96.82 |
107.46 |
130.93 |
78.31 |
(注) 1.調整後営業利益(日本基準)=営業利益 + のれん償却費 + マネジメントフィー + 上場関連費用 + 非公開化関連費用
2.調整後営業利益(国際会計基準)=営業利益 + マネジメントフィー + 上場関連費用 + 合併に伴う不動産登記費用 - 割安購入益
3.調整後当期純利益(日本基準)=当期純利益 + のれん償却費 + マネジメントフィー + 上場関連費用 + 非公開化関連費用 + 合併に伴う不動産登記費用 + リファイナンス関連損益 + 調整項目の税金調整額
4.調整後当期利益(国際会計基準)=当期利益+ マネジメントフィー + 上場関連費用 - 割安購入益 + 合併に伴う不動産登記費用 + リファイナンス関連損益+ 調整項目の税金調整額
5.Bain Capital Private Equity, LP及び株式会社神明ホールディングスとのマネジメント契約に基づく報酬であります。
6.上場準備アドバイザリー費用、上場のための組織体制構築に関する費用、上場のための国際会計基準導入及び適時開示体制構築に関する費用等の上場関連の一時的な費用であります。
7.瑞穂農林株式会社の株式取得において、識別可能な純資産の公正価値合計が移転した対価を上回ったことにより発生した割安購入益であります。
8.2018年1月1日に旧雪国まいたけ④が旧雪国まいたけ③を吸収合併したことに伴う不動産登記費用であります。
9.2020年4月1日に旧雪国まいたけホールディングス②が旧雪国まいたけ④を吸収合併したことに伴う不動産登記費用であります。
10.当社非公開化後に実施したリファイナンスに関連して一時的に発生したアドバイザリー費用等であります。なお、調整後当期利益(国際会計基準)の計算においては、同リファイナンスに伴う契約金利の低下によって発生した一時的な利得とそれに連動して発生する残存契約期間における支払利息の増加額を相殺しております。
11.調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後当期利益は国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社の業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標であります。調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後当期利益は、上場後には発生しないと見込まれるマネジメントフィー及び上場関連費用、非公開化関連費用及びリファイナンス関連損益や、割安購入益等の非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社の業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。なお、調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社における調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後当期利益は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が低下する可能性があります。
12.1株当たり調整後当期利益=調整後当期利益÷期中平均株式数
13.当社は、2020年7月30日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施しております。1株当たり調整後当期利益につきましては、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、当該株式分割後の発行済株式数により算定しております。
(1) 種菌売買契約書
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
株式会社 雪国まいたけ (当社) |
株式会社 キノックス |
ぶなしめじ種菌 |
2015年8月1日 |
ぶなしめじ種菌に関する取引条件、試験使用条件の取り決め |
2021年8月1日~2022年7月31日 (自動更新) |
|
株式会社 雪国まいたけ (当社) |
株式会社 キノックス |
エリンギ種菌 |
2017年5月31日 |
販売者がキノックスであるエリンギ原種菌(KX-EG071)売買契約 |
2021年5月31日~2022年5月30日 (自動更新) |
(注) 上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
(2) 株式会社みずほ銀行等との借入契約
当社は2017年8月25日付で、株式会社みずほ銀行をエージェントとする金銭消費貸借契約を締結し、2018年10月26日及び2020年1月28日に当該金銭消費貸借契約の変更を行っております。
2018年10月26日及び2020年1月28日付の変更を含む、当該金銭消費貸借契約の主な契約内容は、以下のとおりであります。
① 契約の相手先
株式会社みずほ銀行、株式会社第四銀行(現 株式会社第四北越銀行)、株式会社あおぞら銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行、新潟県信用農業協同組合連合会、株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)、株式会社大光銀行、株式会社東邦銀行、株式会社新生銀行、みずほ信託銀行株式会社
② 借入金額(2022年3月31日現在)
タームローンA借入 4,042百万円
タームローンB借入 15,292百万円
③ 借入枠
コミットメントライン借入枠 1,500百万円
設備投資ファシリティ 3,000百万円
④ 返済期限
タームローンA:2018年4月末日より6ヶ月毎に返済(最終返済日2024年9月30日)
タームローンB:最終返済日(2024年9月30日)に返済
コミットメントライン借入枠:実行時1週間~6ヶ月で返済
設備投資ファシリティ:2024年9月30日に返済
(注) タームローンBは、2020年12月30日に3,500百万円の期限前返済を行いました。
⑤ 金利
TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド
⑥ 主な借入人の義務
イ、財務制限条項を遵守すること
ロ、借入人の決算書の定期的な報告を行うこと
ハ、本契約において許諾される場合を除き、本契約上の債務以外を担保するために新たな担保提供をしない。
当社の研究開発の大きな柱の一つは、「食品としてのきのこ」の可能性を追求することであります。食味や食感に優れ、健康維持や増進に役立つ成分を多く含む等、消費者が求める、おいしくて健康に良いきのこ及びそれらを原料とした健康食品をお届けするために、新品種や栽培技術の開発及び機能性研究に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 生産技術開発
当連結会計年度における茸事業に関する生産技術開発の研究開発費は253百万円となっており、主な内容及び成果は以下のとおりであります。
|
研究開発課題 |
内容及び成果 |
|
マイタケ生産技術の開発 |
新規種菌製造技術を開発、実用化に向けた実証試験を終え、次期導入見込み |
|
マイタケ菌株の開発 |
新品種を開発、実用化に向けた実証試験を終え、次期導入見込み |
上記のほか、次世代型パッケージングラインの開発として、まいたけのカット工程の自動化を軸にした効率化ラインの構築に取り組んでおります。
当社は1株900グラムを超える大株を切り分け、さまざまな量目商品を生産し多様なニーズにお応えしております。その独自のカット技法にAI技術を導入し、カット工程を自動化することにより、生産性の向上、収益性のさらなる改善を目指しております。
(2) 機能性研究
当連結会計年度におけるその他の事業に関する機能性研究の研究開発費は67百万円となっており、主な内容及び成果は以下のとおりであります。
|
研究開発課題 |
内容及び成果 |
|
キノコがもつ健康効果の研究 |
健康寿命延伸につながるような機能性に着目し、当社グループのキノコの効果を複数の研究機関と共同で研究中 |
|
キノコに含まれる機能性成分の量産化 |
キノコ特有の機能性成分に関し、安価な生産方法を研究開発中 |