文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、事業を通じて実現したい姿として以下の経営理念を掲げており、新しい価値をもった商品を提供できる「食文化のパイオニア」を目指してまいります。
① 国民生活の充実と食文化の繁栄に貢献する
当社は、食品の生産・販売事業を通じ、まいたけをはじめとした健康に良い高品質な食品を社会に提供し、国民生活の充実と食文化の繁栄に貢献することを基本理念としております。
② 地域社会、株主への貢献と役員、社員の豊かさを実現する
当社は、役員・社員全員の不断の努力を通じて、企業力を高め、地域社会の発展に貢献し、株主に報いるとともに、自らの豊かさを実現いたします。
③ 企業倫理を尊重する
当社は、企業活動に際し、常に基本理念を踏まえ行動し、法の遵守はもとより全てに高い倫理性を求め、これを尊重いたします。
(2) 中長期的な経営戦略等
当社グループは、事業環境の変化に的確に対応し、国内市場の需要を創造しながら、プレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長し続けることを目指して、2021年11月4日に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を公表いたしました。
〈中期経営計画の基本方針〉
「国内きのこ市場の更なる需要創造、及びグローバル展開するプレミアムきのこ総合メーカーへの進化」を中心に、以下3つの基本方針の下、事業展開を図り、目標達成のため取り組んでまいります。
A. 国内きのこ市場:新たなる価値創造
・まいたけ消費における地域ギャップ、年齢ギャップを新たな販売機会と捉え、積極的な情報発信と調理の簡便性向上により、国内消費の底上げを図ってまいります。
・グローバルスタンダードであり、さらなる需要の拡大が見込まれるマッシュルーム事業を強化し、プレミアムきのこ総合メーカーとして新たなステージに進んでまいります。
B. 生産技術革新:生産工程FA化及びエネルギー効率最大化等による生産性の向上
・最新FA化技術を駆使した高効率工場に進化させることで、収益性を向上させてまいります。
・エネルギー効率の最大化と、環境負荷の低減に努めてまいります。
C. グローバル展開:生産・販売の自社基盤の構築ときのこ周辺領域の事業機会も探索
・世界的な健康志向に応えるため、自然食材であるきのこの消費拡大に取り組んでまいります。
・生産・販売の自社基盤を海外に構築してまいります。
・きのこ周辺領域(川上~川下)での事業機会を探索いたします。
〈定量目標(連結ベース)〉
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項目 |
2026年3月期目標 |
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売上収益 |
600億円前後 |
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海外売上収益比率 |
30%前後 |
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コアEBITDAマージン※ |
20%前後 |
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投下資本利益率(ROIC) |
10%前後 |
※コアEBITDAマージン:コアEBITDA/売上収益
コアEBITDA:IFRSの営業利益からIAS第41号「農業」適用による影響額、その他の収益及び費用、一時的な収益及び費用を除外したものに減価償却費及び償却費を加算したもの
なお、各施策の詳細につきましては、2021年11月4日に公表いたしました「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)説明資料」をご覧ください。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」にて記載のとおり、2021年11月4日に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を策定し、安定的な増収・増益と企業価値向上を目指す観点から、当社グループの業績を評価するために有用な財務指標として、コア営業利益、コアEBITDA、コアEBITDAマージンを採用しております。
(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、国内においては、少子高齢化、人口減少等により、食品市場全体の縮小傾向、国内労働人口の減少による労働力確保が困難になるなど、社会構造的な要因による課題を抱えております。また、原油高騰等による原材料費、エネルギー関連コストの上昇等の影響も顕著となり、当期利益に対し大きな圧迫要因となっております。さらに、終息が見えないロシア・ウクライナ情勢により、国内外経済が不安定になるなど、企業活動への継続的な影響が想定され、引き続き動向への注視が必要であります。
このような環境の中、当社グループは、事業環境の変化に的確に対応し、国内市場の需要を創造しながら、プレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長し続けることを目指して「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を公表しております。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載のとおり、以下の点を今後の事業展開における対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。
① プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤確立
当社は、まいたけ、エリンギ・ぶなしめじにて長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルームにも活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤確立に努めております。しかしながら、当社グループの扱うきのこのおいしさや、きのこが持つ健康促進効果など、消費者に広く十分な認知がなされているとは言い難い状況であります。
特に、マッシュルームについては、国内において、マッシュルームが持つおいしさや調理方法等の認知はまだまだ高くない状況と言えます。このため、今後、国内外に向けたマッシュルーム事業を強化するとともに、お客様ニーズの高まりへ応えるため、2021年11月に「当社連結子会社におけるマッシュルーム増産のための設備投資に関するお知らせ」として開示いたしましたとおり、マッシュルームの増産体制を構築するための設備投資を実行しております。また、当社は、2023年4月1日付にてマッシュルーム生産・販売を行っている株式会社三蔵農林を吸収合併いたしました。株式会社三蔵農林は、現在、当社の岡山バイオセンターとして稼働を開始しております。本吸収合併により、これまで以上に、当社が持つ生産ノウハウや管理手法を導入し、商品品質の向上と生産数量の安定化を進め、これまで当社が培ってきた販売ノウハウを活かし、新たなマッシュルームの需要創造に努めてまいります。
② まいたけでの圧倒的No.1の達成と維持
当社のまいたけは、まいたけ市場シェアの過半を占めており、リーディングカンパニーとして高品質なまいたけの安定供給を実施しておりますが、引き続き国内消費の底上げを図り、さらなる需要創造を目指してまいります。
このため、多面的なマーケット戦略として、ターゲット顧客層の異なる特徴に応じた「重層的」かつ「複合的」にプロモーションを展開し、ライトユーザーからヘビーユーザーまでの幅広い層の獲得を目指します。特に、ライトユーザーに対しては、まいたけの「食べ方」「機能性」「簡便性」「差別化」を訴求ポイントとして、レシピ提案や外食・中食メニューでの展開を図り、多面的なアプローチを実施してまいります。
加えて、まいたけ製品のラインナップを拡充し、当社独自の「極」ブランドの価値を再認知していただき、他社との違いを打ち出すと同時にさらなるまいたけ需要の深化を図ってまいります。
③ 生産・包装の技術革新の追求
生産技術の面では、新菌や培地の研究開発を通じた培養日数の短縮や収量の増加、生産効率及び品質の向上等に取り組んでまいります。加えて、まいたけの生産やカット、包装や箱詰め等、センターのさらなる自動化・FA化を進め、コスト削減や省人化を通じた生産性の向上を進めてまいります。
また、生産プロセスにおけるユーティリティの見直しとして、代替エネルギー利用等を通じ、エネルギー効率の最大化、効率化のため、エネルギー変換効率が高いLNGへの切り替え、太陽光発電、LED照明の導入を進めております。こうした取り組みを通じて、コスト削減だけではなく、商品の廃棄やCO2排出量の削減にもつながり、環境に配慮したサステナブルな生産体制を実現してまいります。
④ 海外展開の本格始動
世界的な健康意識の高まりを受け、海外のきのこ生産量は安定成長が見込まれております。海外きのこ市場における生産・販売の自社基盤の構築及びきのこ栽培及び周辺領域での事業機会の獲得は、当社グループの持続的成長のため重要となります。ASEANと欧米とターゲットエリアを分け、異なる戦略方針に基づきグローバル展開を推進しつつ、各地域間で比較優位を有する経営資源を相互共有し、グループ全体の競争力を強化してまいります。
同時に、当社は、他社の優れた経営資源(技術・ノウハウ・製品)を柔軟に活用し、プロダクト・プロセスの両局面より中長期的な成長ポテンシャルを追求していくため、オープンイノベーションを積極的に活用してまいります。
また、当社グループの持続的な成長と社会課題の解決に向けて取り組むべき重要なテーマ(マテリアリティ)として7つを特定し、それぞれに施策の方向性と目標を定め、取り組みを進めております。
中でも、自然資源(水資源、森林資源)を多く活用している当社グループでは、環境問題や気候変動リスクに対する積極的な取り組みは、企業の社会的責任と持続的な企業価値向上のための重要な課題であると認識し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、サステナビリティ推進委員会を設置し、温室効果ガスサプライチェーン排出量の削減に向けた取り組みや、気候変動に関する事業や財務への影響について議論を進め、想定されるリスク・機会を整理し、シナリオ分析と財務インパクト評価を実施するなど、環境にも配慮した事業経営を行っております。
この他、当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2023年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は171.9%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、金銭消費貸借契約の変更によるスプレッドの引き下げ等の施策を講じております。加えて、有利子負債の圧縮と自己資本比率の向上により財務基盤を強化し、企業経営の健全化に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
[サステナビリティ方針]
自然の恵みを活かし育てる企業である私たちは、ステークホルダーの皆様とともに、持続的な成長と実り豊かな自然との共生をめざして、自然と人と社会の豊かさを追求していきます。
[取り組み]
■環境への取り組み
・気候変動への対応
・TCFD提言に沿った情報開示
・持続可能な原材料調達
・資源の有効活用と保全
■社会への取り組み
・食の安全・安心
・地域社会貢献
・人材の育成
・労働安全衛生
・DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)
・サプライチェーンマネジメント
・人権の尊重
■コーポレートガバナンスの取り組み
・コーポレートガバナンス
・コンプライアンス
・リスクマネジメント
(1) ガバナンス
当社は、気候変動への対応を経営上の重要な課題であると捉え、当社グループにおけるサステナビリティの方針、グループ全体の持続的な成長及び社会課題の解決に向けた取り組みに関する重要な事項について審議し、取締役会に報告や提言を行う組織として、サステナビリティ推進委員会を設置しております。
同委員会は、代表取締役社長を委員長とし、その他常勤取締役(監査等委員である取締役を除く。)、執行役員及びグループ会社社長で構成され、原則半期に1回開催しております。委員会では、気候変動が事業に与えるリスク・機会の評価、サプライチェーンを含めた温室効果ガス排出量の削減に向けた目標設定及び施策の検討、進捗状況のモニタリングなども行います。なお、同委員会には、常勤の監査等委員がオブザーバーとして出席しております。
また、取締役会では、サステナビリティ推進委員会から定期的に活動状況の報告を受け、気候変動を含めた環境全体の基本方針などの重要事項を審議しております。
(2) 戦略
① 気候変動への対応
地球温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨や台風の増加、異常気象による洪水・土砂災害や酷暑、異常な暖冬や冷夏など、植生物の環境に様々な被害を引き起こす可能性があります。当社グループにおいても、世界規模での気候変動により、原材料価格の上昇や消費者の消費志向の変化など、事業や財務に影響を及ぼす可能性があります。
シナリオ分析により、事業における重要度(影響度)を大としたものは以下のとおりであります。
[移行リスク]
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分類 |
事象 |
想定される 事業への影響 |
発現時期 |
重要度 |
対応策 |
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政策 |
炭素税の導入 |
生産・物流などの事業活動に伴うCO2排出量に対する炭素税負担の増加 |
短期 中長期 |
大 |
・生産プロセスの効率化による生産コスト削減 ・再生可能エネルギー導入による将来的な炭素税負担の回避 ・生産設備へのLNGの導入、バイオマスボイラーの導入による将来的な炭素税負担の軽減 ・配送方法の見直しによる輸送効率の向上 ・栽培に使用した後の菌床をボイラー燃料としてリユース |
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製品とサービス |
低炭素・脱炭素に貢献し得る商品・サービスの開発・拡大 |
動物性食品から植物性食品への代替が進み、きのこを用いた新たな商材の創出機会が増加 |
短期 中長期 |
大 |
きのこ由来の代替素材を、タンパク質、代替皮革、パッケージ、建築、インテリアなどの用途に活用するための研究開発 |
② 重要な人材登用による多様性の確保について
当社は、中期経営計画の基本方針である「国内きのこ市場の更なる需要創造、及びグローバル展開するプレミアムきのこ総合メーカーへの進化」を実現するため、人材アジェンダ(注)に基づく人材の確保、人材育成体系及び安全・安心な働ける環境づくりを積極的に取り組み、多様な人材の活躍機会の創出に努めてまいります。
(注) 当社の人材アジェンダ
ⅰ.新たな価値創造を推進できる人材
ⅱ.事業拡大を支えるインフラ、種苗、育成等の各分野での専門人材
ⅲ.グローバル展開を担えるスキルと意欲の高い多様な人材
ⅳ.イノベーション創出を牽引するプロジェクトマネージャー
ⅴ.ビジネスモデル変化に対応したFA・デジタル・サステナブル分野に対する人材
③ 多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針について
[人材育成方針]
当社の社是にある「良品で社会に貢献」を実践するためには、安全・安心なモノづくりへの誠実な姿勢と、より高い品質や新たな価値を共創するための挑戦意欲が欠かせません。当社は、従業員の「自律」や「挑戦」を尊重し、スキル向上の機会を提供するとともに、中期経営計画を推進することのできる専門性の高い人材の育成・登用を積極的に行ってまいります。また、異なる価値観を尊重し、新たな価値の創造を促すために、女性活躍の推進や次世代人材の育成などを推進し、事業の持続可能性向上に取り組んでまいります。
[社内環境整備方針]
当社の社是にある「生き甲斐のある職場」を目指すためには、明るく前向きに働く喜びをともに感じられる人間関係づくりや、健康で心豊かに生活できる職場環境づくりが欠かせません。当社は、従業員のエンゲージメント向上や健康増進が、従業員の幸せと高い生産性を生み出すための大切な要素であると認識しております。多様で多才な従業員が活躍できる、より安全・安心な職場環境を目指し、継続的に取り組んでまいります。
(3) リスク管理
当社は、当社グループを取り巻く気候変動に係るリスク及び機会についてサステナビリティ推進委員会で検討しております。同委員会の委員長である代表取締役社長が、気候変動に係るリスクに対する経営判断の最終責任を負うとともに、委員会で協議・決議された結果を取締役会に報告しております。取締役会は、サステナビリティ推進委員会からの報告を受け、当社グループの環境課題への対応方針及び実行計画等についての監督を行っております。
(4) 指標及び目標
[温室効果ガス排出量の削減]
当社は、気候変動の緩和に向け、当社グループにおけるスコープ1・2・3の温室効果ガス排出量を算定いたしました。2020年度を基準年とした上で、2030年度と2050年度をターゲットとした削減目標を設定しております。2030年度に向けては、排出量原単位(生産量ベース)として基準年比35%の削減を目指します。さらに、2050年度には「排出量ネットゼロ」を目標に、調達から生産、物流、流通に至るバリューチェーン全体にわたって温室効果ガス排出量の削減に取り組んでまいります。
[人材育成]
・女性管理監督職比率:25%(2022年度実績)/目標 30%(2030年度)
・障がい者雇用率:2.58%(2023年3月末実績)/目標 法定雇用率以上
・デジタル基礎研修終了数:目標 管理監督職100%終了(2023年度)
[社内環境整備]
・有給休暇取得率:84%(2022年度実績)
・育児休業等取得率:男性88%、女性85%(2022年度実績)/目標 男女ともに100%
・重大労働災害発生件数:目標 ゼロ件
・ハラスメント研修受講率:目標 100%
なお、指標及び目標が未設定となっている項目につきましては、2024年度に向けて検討中であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営及び事業に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の抑制と回避に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの信用、業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、以下の内容は、当社グループに係る全てのリスクを網羅したものではありません。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 国内事業活動について
① 経済状況
当社グループの事業活動は、現在、その大部分が日本国内市場にて行われております。したがって、日本国内における人口減少等による構造的な課題、景気の後退に伴う需要の減少、消費動向の変動等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食の安全
当社グループでは、製品の安全性を保証するため、「重金属検査」「農薬検査」「放射能検査」「衛生検査」を実施する等高度な検査体制を構築し、食品会社の存立基盤となる「安全・安心」を確保するために、万全の体制で臨んでおります。また、異物混入を防御するとともに、異常が無いことを証明できる体制づくりを行っております。
しかしながら、当社グループにおいても、偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示等、消費者に健康被害を及ぼす製品事故が発生するほか、社会全般にわたる重大な品質問題等、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 気候、天候条件による需要動向
当社グループの主要製品であるきのこの需要には、季節変動(9月~12月が最需要期、1月~3月が需要期、4月~8月が非需要期)があります。この季節変動に加え、きのこの需要は、一般野菜市場の影響を受けることから、一般野菜の需給に大きく影響を及ぼす気候・天候条件を起因とした影響を受けることがあります。野菜市況が長期にわたって低価格で推移する等、その影響が大きい場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害
当社グループは、国内の複数地域に合計20拠点(本社2か所、営業拠点7か所、生産拠点・研究開発センター11か所)を有しておりますが、地震や台風等の大規模な自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 調達リスク
当社グループの生産工程において、原材料、包装資材、機械装置、燃料等を使用しておりますが、需給動向や気候変動に伴う市場相場と、国際的な情勢変化や景気変動に伴う為替相場等による価格上昇リスクと安定調達リスクがあります。
当社グループでは、新規開拓や代替品の提案などのほか、複数社購買等によりリスクの発生やコスト上昇の抑制に努めておりますが、当社グループの想定範囲を超えた状況が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 主要製品への依存について
当社グループの主要製品はまいたけ、エリンギ、ぶなしめじで、売上収益の57.8%をまいたけが占めております。当社グループでは、これら製品の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や当社の市場シェア拡大を図っておりますが、これら製品、特にまいたけの需要が大幅に縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 業績の季節変動について
当社グループの主要製品であるきのこの季節性より、春から夏にかけては需要が低調に推移することから単価は安く、秋から冬にかけては需要が拡大することから単価も上昇するという傾向にあります。したがって、通常の市場動向であれば、当社グループの売上収益は、需要が拡大する第3四半期から第4四半期にかけて増加する傾向があります。そのため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。
なお、2023年3月期の当社グループの四半期業績の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
(会計期間) |
2023年3月期 第1四半期 |
2023年3月期 第2四半期 |
2023年3月期 第3四半期 |
2023年3月期 第4四半期 |
|
売上収益 |
6,367 |
6,390 |
10,299 |
7,958 |
|
営業利益 |
△163 |
978 |
2,077 |
△701 |
(4) 他社との競合について
当社グループは、主力製品であるきのこ類の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や市場シェア拡大を図っております。しかしながら、消費者のニーズの変化や業界のコスト構造の変化等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない、当社グループの市場シェアが低下する、他社の増産等業界競争の激化に伴う価格下落圧力が生じる場合等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保について
当社グループは、今後さらなる業容拡大を図る上で、優秀な人材の確保と育成が重要課題であり、同時に不足している労働力をパート・アルバイト労働者、外国人材の活用で補うことが不可欠であると認識しております。
昨今の労働力の減少による人材確保競争の激化、物価の高騰を背景に強まる賃上げ圧力の増大、各種労働関連法の改定による処遇格差の縮小等に起因した労務費コストの増加、社内人材の育成の遅れによる外部への流出、および採用自体が困難になった場合は、当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は多くの外国人技能実習生を雇用しており、今後の技能実習制度の廃止や新たな制度への移行の検討が進められている中、今後の動向を注視し、適切な人材の確保に努めていくことが必要となってきております。
(6) 情報セキュリティについて
当社グループでは、事業全般にわたって情報システムを活用していることから、情報セキュリティ事故の発生抑制のための様々な対策を講じ、情報セキュリティの強化を図っています。
しかしながら、コンピュータウィルスの感染やサイバー攻撃、不正アクセス等によって、情報セキュリティ事故が発生した場合には、当社グループの事業停滞のほか、社会的信用やブランド価値の毀損による経済的損失等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損会計について
当社グループは、多額ののれんを計上しているとともに、事業用資産としての様々な有形・無形の固定資産を所有しております。
当社グループののれんは、旧商号BCJ-22が旧雪国まいたけ②を2015年4月に子会社化、旧雪国まいたけ④が有限会社三蔵農林(2023年4月1日付にて当社に吸収合併)を2019年10月に子会社化した際に発生し、2023年3月末時点ののれんの金額は5,187百万円で、総資産額に占める割合15.6%となっております。
当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しておりますので、のれんは非償却性資産であり毎期の定期的な償却は発生しませんが、今後、これらの資産に係る事業収益性が低下した場合等には減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めております。
なお、のれんは、個別財務諸表上においては20年の償却期間で償却されており、2023年3月31日現在の残高は、211億62百万円となっております。
(8) 多額の借入金及び金利の変動について
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2023年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は171.9%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、金銭消費貸借契約の変更によるスプレッドの引き下げ等の施策は講じておりますが、急激で大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、かかる財務制限条項については具体的な数値基準が設けられております。これに抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の返済をするための資金の確保が必要となります。財務制限条項への抵触による一括返済リスクに対応するため、余資による期限前返済や財務コベナンツに係る各種数値の取締役会への報告等を行っておりますが、何らかの事象によって当該条項への抵触が生じる場合は、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入れについても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 17.借入金」に記載しております。
(9) 株式会社神明ホールディングスとの関係について
① 資本関係、人的関係等
当社は、株式会社神明ホールディングスから出資を受け入れております。当連結会計年度末現在において、株式会社神明ホールディングスは当社発行済株式総数の50.05%を保有しており、当社は株式会社神明ホールディングスの連結子会社であります。また、当社の取締役である藤尾益雄を株式会社神明ホールディングスから招聘しているほか、出向者を2名受け入れております。また、当社は、株式会社神明ホールディングスのグループ会社に対して当社製品の販売を行っております。
② 株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理
株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理に関して、当社が同社の事前承認を必要とする事項はありません。
また、同社から当社に対する役職員の派遣や各種取引に関しては、少数株主保護の観点で問題がなく、かつ、必然性及び経済合理性が認められる範囲において、各社の経営判断のもとに実施する方針とされております。当社の側でも、同社のグループ経営管理に関して、当社の経営の独立性が阻害されることがないよう、独立役員を確保するとともに、独立役員が過半数を占める任意の指名・報酬委員会を設置する等の措置を講じております。また、当社では、少数株主保護の観点よりコーポレートガバナンス・コードに準じ、2021年12月より新たに独立社外取締役にて構成される特別委員会を設置し、支配株主である同社との重要な取引・行為についての審議・検討及び継続取引について妥当性確認を実施し、取締役会に対し答申を行っております。その他、同社グループとの各種取引について、「関連当事者取引管理規程」に基づいて、当社の取締役会の決議を経て実施することとしており、既存の取引についても取締役会での決議を経て、実施しております。
③ 神明ホールディングスグループにおける当社の位置付け
神明ホールディングスグループは、米の卸売事業を基軸として、「川上から川下までの食のバリューチェーン」構築を目指しており、その上で、米の卸売事業の周辺事業に止まらず、食品製造業への進出も同社の成長戦略の一つとして位置付けております。当社グループは、当該成長戦略の一翼を担っております。
また、現在、神明ホールディングスグループには、当社グループ以外に、きのこの製造販売やそれに類似する事業を営む企業が存在しないため、当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間で事業の競合は発生しておりません。
当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間には、当社が従来まいたけの消費量の少なかった西日本等で販売拡大に取り組む場合等での神明ホールディングスグループのネットワークの活用や、米ときのこを組み合わせた商品開発と小売店・外食チェーンでの展開、広域量販店を中心とした両社の商品のクロスセル推進等の形でシナジーが見込まれ、当社及び株式会社神明ホールディングスは、両社の協働を通じて、それぞれにおいて企業価値向上を図ることができる関係にあると考えております。
④ 今後の関係
2017年7月の株式会社神明ホールディングスの当社への出資後に新たに開拓された神明ホールディングスグループと当社グループの取引は、徐々に増加しております。当社グループとしては今後も神明ホールディングスグループとの取引拡大に向けて株式会社神明ホールディングスと協業を継続していく方針であります(なお、神明ホールディングスグループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。
株式会社神明ホールディングスは当社株式を安定保有する意向を有しているため、当社と株式会社神明ホールディングスの関係について重大な変化は生じないものと認識しております。しかしながら、将来において、何らかの要因により株式会社神明ホールディングスが経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む。)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、株式会社神明ホールディングスが過半数の当社株式を保有しており、当社の役員の選解任等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このように、株式会社神明ホールディングスは、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。
(10) 中期経営計画について
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な経営戦略等」に記載のとおり、2021年11月に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を公表しております。
本中期経営計画は過去・現状を踏まえての現時点での想定に基づいて作成されていますが、今後における国内外の経済動向、地政学的リスク、消費者のニーズの変化、取引先の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。
(11) 新型コロナウイルスの感染拡大について
当連結会計年度においては、国内における新型コロナウイルス感染症拡大の影響として、国内外における経済活動の不安定な状況により、各家庭での節約傾向が継続しておりました。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行したことにより、今後については直接的な影響は緩和されることが見込まれます。
(12) 気候変動について
地球温暖化に伴う世界規模での気候変動は、集中豪雨や台風の増加、洪水や土砂崩れによる被害の甚大化や、酷暑や暖冬によって様々な被害が引き起こされる可能性があります。当社グループにおいては、原油価格の高騰等による原材料価格の値上げに伴うコスト増加や、消費者志向の変化に伴う販売影響などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、サステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティ方針の策定や温室効果ガス(以下「GHG」という。)サプライチェーン排出量の削減に向けた取り組みや、気候変動に関する事業や財務への影響について議論を進め、想定されるリスク及び機会を整理し、シナリオ分析と財務インパクト評価を実施するなど、環境にも配慮した事業経営を行っております。今後は、2050年度での当社グループのGHG排出量ネット・ゼロを目指し、再生可能エネルギーの導入検討やプラスチック使用量の低減、森林整備・保全活動等を引き続き実施し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限が緩和されたことにより、経済活動の段階的回復が見受けられた一方、ロシアのウクライナ侵攻による国際情勢の不安定化、エネルギー価格の高騰及び円安の長期化など、依然として厳しく不安定な状況が続いております。
当社グループ事業を取り巻く環境は、原油価格の高騰等を背景に、食品や日用品の値上げが相次ぎ、消費者の家計防衛意識はより一層高まっております。また、当社グループにおいても、ユーティリティ単価の高騰や原材料値上げの影響等による各種コストの増加が当期利益を圧迫しております。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画に基づき、これまで長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤の確立と、まいたけを中心としたきのこが持つ機能性の開発と訴求により、安全・安心な製品を提供することを通じて消費者の健康に寄与し、健やかな社会の実現に貢献すべく事業展開を図ってまいりました。
また、約6年間の開発期間を経て、デリケートな性質のため栽培が難しく、安定生産には多くの高いハードルが存在していた白まいたけについて、高品質で安定生産できる新・白まいたけの自社菌の開発、量産化に成功し、2022年9月から「雪国まいたけ極 白」の発売を開始いたしました。当社は、引き続き「雪国まいたけ極 白」に続く、プレミアムきのこの拡充を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末(2023年3月31日時点)の資産合計は、33,304百万円(前連結会計年度末に比べ2,791百万円減)となりました。流動資産は、7,180百万円(同2,555百万円減)となりました。これは主に、棚卸資産が173百万円増加した一方、現金及び現金同等物が2,662百万円減少したこと等によるものであります。非流動資産は、26,124百万円(同236百万円減)となりました。これは主に、繰延税金資産が117百万円増加した一方、有形固定資産が203百万円、使用権資産が84百万円及び退職給付に係る資産が87百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、22,895百万円(同2,730百万円減)となりました。流動負債は、6,592百万円(同1,417百万円減)となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が725百万円、未払法人所得税が790百万円減少したこと等によるものであります。非流動負債は、16,302百万円(同1,312百万円減)となりました。これは主に、約定返済等により借入金が1,243百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の資本合計は、10,409百万円(同61百万円減)となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益1,181百万円の計上及び剰余金の配当1,196百万円の支払いを実施したことにより利益剰余金が70百万円減少したこと等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の収益は42,204百万円(前連結会計年度比10.4%減)、このうち、売上収益は31,016百万円(同4.4%減)となりました。食品の値上げによる消費者の家計防衛意識の高まり及び他社増産による市場供給量の増加により、マーケットの需給バランスが歪んだ状況が継続したこと等により、茸事業の売上収益は30,649百万円(同4.3%減)となりました。また、燃料価格、電気料金の高騰や円安等の影響を受け、売上原価は31,688百万円(同6.1%減)、売上総利益は10,516百万円(同21.2%減)となりました。販売費及び一般管理費は運賃、販売手数料は減少した一方、労務費、株主優待費用及び水道光熱費等がそれぞれ微増し、8,258百万円(同1.4%増)となりました。
また、当社が業績を評価する上で有用な指標であるとしているコア営業利益は2,562百万円(同54.2%減)、コアEBITDAは4,663百万円(同38.4%減)と、いずれも前連結会計年度を下回る結果となりました。(「コア営業利益」等の定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考情報)」を参照ください。)
なお、当社では、IFRS農業会計(IAS第41号)の適用に伴い、きのこ製品で構成される生物資産を売却費用控除後の公正価値で測定しており、当該公正価値の変動による利益又は損失が、連結損益計算書の「公正価値変動による利得」に含まれております。当連結会計年度においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に11,188百万円、売上原価に11,473百万円、それぞれ含まれております。
当連結会計年度における事業セグメント別の売上収益の状況は以下のとおりであります。
〔茸事業〕
(ⅰ) まいたけ
まいたけの魅力をより広く消費者の皆様に知っていただくため、関東・関西エリアを中心に「あなたの一番そばに。」シリーズとしてテレビCMを放映いたしました。また、他食品メーカーとの共同企画による食べ方提案やSNSを活用したレシピ紹介等を実施いたしました。販売量は前年とほぼ同様となりましたが、競合他社の増産もあり販売単価は前年を下回りました。この結果、まいたけ事業の売上収益は17,919百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。
(ⅱ) エリンギ
生産品質の向上により安定した供給を維持し、簡便性の高いピロー製品の導入や、エリンギ水煮を使用した中食メニュー提案等を実施いたしました。販売量はやや前年を下回りましたが、販売単価は前年とほぼ同様の推移となりました。この結果、エリンギ事業の売上収益は3,127百万円(同1.1%減)となりました。
(ⅲ) ぶなしめじ
青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて1株製品と2株製品といった量目が異なる製品を活用した柔軟な製品投入を実施いたしました。販売量は前年をやや下回りましたが、販売単価は前年をやや上回りました。この結果、ぶなしめじ事業の売上収益は6,097百万円(同3.6%減)となりました。
(ⅳ) その他の茸
マッシュルームは、一時的に生産が不安定になったことにより市場の旺盛な需要にお応えすることができなかったため、前年に比べ販売は低調に推移いたしました。この結果、その他の茸事業の売上収益は3,504百万円(同7.8%減)となりました。
〔その他〕
その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤によるものであります。当連結会計年度においては、健康食品は前年に比べ堅調に推移しましたが、培地活性剤の製造及び販売量が減少いたしました。この結果、その他の売上収益は367百万円(同13.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,662百万円減少し、1,060百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、3,101百万円(前期は5,606百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益1,794百万円や減価償却費及び償却費2,112百万円、支払利息383百万円の計上があった一方、法人所得税の支払1,497百万円があったこと等によるものであります。
(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、2,996百万円(前期は2,554百万円の使用)となりました。これは主に、生産設備の増強・更新等に伴う有形固定資産の取得による支出2,919百万円があったこと等によるものであります。
(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、2,767百万円(前期は3,107百万円の使用)となりました。これは主に、約定返済の実施により長期借入金の返済による支出1,348百万円、配当金の支払い1,195百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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茸事業(百万円) |
38,928 |
△1.4 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
38,928 |
△1.4 |
(注) 1.生産実績は、販売価格にて算定しております。
2.その他セグメントは生産活動によらない事業を含むため記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っており、当連結会計年度における受注実績の重要性が乏しいため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
茸事業 |
まいたけ(百万円) |
17,919 |
△4.3 |
|
エリンギ(百万円) |
3,127 |
△1.1 |
|
|
ぶなしめじ(百万円) |
6,097 |
△3.6 |
|
|
その他の茸(百万円) |
3,504 |
△7.8 |
|
|
その他(百万円) |
367 |
△13.2 |
|
|
合計(百万円) |
31,016 |
△4.4 |
|
(注) 1.茸事業の「その他の茸」の主な内訳は、マッシュルーム、本しめじ、はたけしめじとなります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、その記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ) 資産
資産につきましては、当連結会計年度末33,304百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,791百万円減少いたしました。これは主に、現金及び現金同等物の減少により、流動資産が2,555百万円減少し、有形固定資産が203百万円減少した一方、繰延税金資産が117百万円増加したこと等により、非流動資産が236百万円減少したことによるものであります。
(ⅱ) 負債
負債につきましては、当連結会計年度末22,895百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,730百万円減少いたしました。これは主に、営業債務及びその他の債務が725百万円、未払法人所得税が790百万円減少したこと等により、流動負債が1,417百万円減少し、約定返済により借入金が1,243百万円減少したこと等により、非流動負債が1,312百万円減少したことによるものであります。また、結果として当連結会計年度末時点のレバレッジ・レシオ(連結総有利子負債/直前12カ月のコアEBITDA)は3.8倍となっております。
(ⅲ) 資本
資本につきましては、当連結会計年度末10,409百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円減少いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益1,181百万円の計上及び剰余金の配当1,196百万円の支払いを実施したことにより利益剰余金が70百万円減少したこと等によるものであります。
経営成績の分析につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」を参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」を参照ください。
資本の財源及び資金の流動性に関する情報につきましては、当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。
設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金にて賄っており、必要に応じて金融機関からの短期借入金にて調達しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計上の見積りとした項目は「生物資産の測定」、「非金融資産の減損」及び「確定給付債務の測定」であり、見積りの詳細及び当該見積りに用いた仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
(参考情報)
当社グループは、2021年11月に公表いたしました中期経営計画の策定に伴い、経営成績の推移を把握するための重要な経営指標の見直しを実施し、以下の算式により算定されたコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンを、新たに重要な経営指標として位置づけております。コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、次のとおりであります。
なお、中期経営計画における定量目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載しております。
(単位:百万円)
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回次 |
国際会計基準 |
|
|
第5期 |
第6期 |
|
|
決算年月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
|
営業利益 |
4,975 |
2,191 |
|
(調整額) |
|
|
|
- IAS第41号「農業」適用による影響額 (注) 4 |
382 |
305 |
|
- その他の収益及び費用 (注) 5 |
231 |
66 |
|
- 一時的な収益及び費用 (注) 6 |
- |
- |
|
調整額小計 |
614 |
371 |
|
コア営業利益 (注) 1、7 |
5,590 |
2,562 |
|
(調整額) + 減価償却費及び償却費 |
1,974 |
2,100 |
|
コアEBITDA (注) 2、7 |
7,564 |
4,663 |
|
コアEBITDAマージン(%) (注) 3、7 |
23.3 |
15.0 |
(注) 1.コア営業利益=営業利益 - IAS第41号「農業」適用による影響額 - その他の収益及び費用 - 一時的な収益及び費用
2.コアEBITDA=コア営業利益 + 減価償却費及び償却費
3.コアEBITDAマージン=コアEBITDA ÷ 売上収益
4.IAS第41号「農業」適用による影響額とは、IAS第41号「農業」を適用し、きのこの生産工程である仕込みから収穫時までのきのこを生物資産として、売却費用控除後の公正価値で測定するものであり、当該公正価値の変動による利得及び損失を影響額としております。
5.その他の収益及び費用とは、主に減損損失、固定資産除却損等となります。
6.一時的な収益及び費用とは、通常の営業活動では発生しない一過性の収益及び費用となります。なお、2022年3月期及び2023年3月期において、一時的な収益及び費用の発生はありません。
7.コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目及び競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目の影響を除外しております。なお、コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が低下する可能性があります。
(1) 種菌売買契約書
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
株式会社 雪国まいたけ (当社) |
株式会社 キノックス |
ぶなしめじ種菌 |
2015年8月1日 |
ぶなしめじ種菌に関する取引条件、試験使用条件の取り決め |
2022年8月1日~2023年7月31日 (自動更新) |
|
株式会社 雪国まいたけ (当社) |
株式会社 キノックス |
エリンギ種菌 |
2017年5月31日 |
販売者がキノックスであるエリンギ原種菌(KX-EG071)売買契約 |
2022年5月31日~2023年5月30日 (自動更新) |
(注) 上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
(2) 株式会社みずほ銀行等との借入契約
当社は2017年8月25日付で、株式会社みずほ銀行をエージェントとする金銭消費貸借契約を締結し、2018年10月26日及び2020年1月28日に当該金銭消費貸借契約の変更を行っております。
2018年10月26日及び2020年1月28日付の変更を含む、当該金銭消費貸借契約の主な契約内容は、以下のとおりであります。
① 契約の相手先
株式会社みずほ銀行、株式会社第四銀行(現 株式会社第四北越銀行)、株式会社あおぞら銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行、新潟県信用農業協同組合連合会、株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)、株式会社大光銀行、株式会社東邦銀行、株式会社新生銀行(現 株式会社SBI新生銀行)、みずほ信託銀行株式会社
② 借入金額(2023年3月31日現在)
タームローンA借入 2,694百万円
タームローンB借入 15,292百万円
③ 借入枠
コミットメントライン借入枠 1,500百万円
設備投資ファシリティ 3,000百万円
④ 返済期限
タームローンA:2018年4月末日より6ヶ月毎に返済(最終返済日2024年9月30日)
タームローンB:最終返済日(2024年9月30日)に返済
コミットメントライン借入枠:実行時1週間~6ヶ月で返済
設備投資ファシリティ:2024年9月30日に返済
(注) タームローンBは、2020年12月30日に3,500百万円の期限前返済を行いました。
⑤ 金利
TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド
⑥ 主な借入人の義務
イ、財務制限条項を遵守すること
ロ、借入人の決算書の定期的な報告を行うこと
ハ、本契約において許諾される場合を除き、本契約上の債務以外を担保するために新たな担保提供をしない。
当社の研究開発の大きな柱の一つは、「食品としてのきのこ」の可能性を追求することであります。食味や食感に優れ、健康維持や増進に役立つ成分を多く含む等、消費者が求める、おいしくて健康に良いきのこ及びそれらを原料とした健康食品をお届けするために、新品種や栽培技術の開発及び機能性研究に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 生産技術開発
当連結会計年度における茸事業に関する生産技術開発の研究開発費は262百万円となっており、主な内容及び成果は以下のとおりであります。
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研究開発課題 |
内容及び成果 |
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マイタケ生産技術の開発 |
新規種菌製造技術の開発を終え、前連結会計年度より稼働開始 |
|
マイタケ菌株の開発 |
新品種(白マイタケ)の開発を終え、前連結会計年度より販売開始 |
上記のほか、次世代型パッケージングラインの開発として、まいたけのカット工程の自動化を軸にした効率化ラインの構築に取り組んでおります。
当社は1株900グラムを超える大株を切り分け、様々な量目商品を生産し多様なニーズにお応えしております。その独自のカット技法にAI技術等を導入することによりカット工程の自動化を推進し、生産性の向上、収益性のさらなる改善を目指しております。
(2) 機能性研究
当連結会計年度におけるその他の事業に関する機能性研究の研究開発費は86百万円となっており、主な内容及び成果は以下のとおりであります。
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研究開発課題 |
内容及び成果 |
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キノコがもつ健康効果の研究 |
健康寿命延伸につながるような機能性に着目し、当社グループのキノコの効果を複数の研究機関と共同で研究中 |
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キノコに含まれる機能性成分の量産化 |
キノコ特有の機能性成分に関し、安価な生産方法を研究開発中 |
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新規事業に関する研究 |
キノコの特徴を活かした加工食品や組成物の研究開発を推進中 |