第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、健康食材である“きのこ”の研究、生産、販売を通じ、消費者の皆様、お取引先、地域社会、株主の皆様の信頼と期待に応え、社員を含めたホクトに関わるすべての人に満足していただける企業を目指すことを経営の基本方針としております。この基本方針に基づき、健康で豊かな食文化の創造を目指し、全てのステークホルダーのニーズにお応えできるような良質なきのこの研究開発、生産、販売を展開してまいりました。また、当社は株主の皆様にとっての企業価値向上を最重要課題のひとつと位置づけており、当社の株式が投資家の皆様にとって魅力のあるものにする必要があると考えております。今後もより安全で安心して食べていただける健康食材としてのきのこの研究、生産、販売に積極的に取り組み、持続的な成長と安定的な企業価値向上に繋がる事業展開を推進してまいります。また、ビタミンD、オルニチン、エルゴチオネイン、葉酸など、きのこに含まれる栄養素の強調表示も含め、開発研究部門と連携して健康志向への取組みをさらに強化してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、安全、安心を求める消費者意識が高まる中、少子高齢化、人口減少による社会構造の変化、企業間競争の激化など、引き続き厳しい状況が続いております。

当社グループは、2020年11月に2021年度からの5カ年中期経営計画を新しく策定いたしました。「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとし、事業部門ごとに重点施策を着実に実行し、計画期間が終わる5年後に役職員全員が達成感を共有し、次の時代への活力に繋がることを最大の目標としております。この中期経営計画の達成に向け、全社一体感を持って邁進してまいります。また、私たちの目指す「未来を笑顔に」を実現するため、SDGsの「4つの取り組みテーマ」とそれぞれの重点活動を定め、サスティナビリティの重要性を認識し、全社で取り組んでまいります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、直接商談の制限やチラシの自粛は続いており、試食販売も当面出来ない状況は続いております。おいしさや健康面への効果など、きのこの魅力をより具体的にお伝えする施策を展開してまいります。

そのほか、食の安全・安心、環境問題への対応など企業の社会的責任が高まってきている中、より一層皆様のご期待にお応えできるよう品質管理体制を強化していくとともに、開発研究本部におきましては、引き続き新たな品種開発や、きのこの生理活性機能に対する研究を、より一層スピードをあげて取り組んでまいります。

 

今後の経営戦略及び重点施策は以下のとおりです。

① プレミアムラインの拡大

霜降りひらたけにつきましては、認知度を広げながら徐々に生産量を増やし、販売を拡大して行きたいと考えております。また、2018年9月から、シイタケ(生どんこ)の収穫、販売を開始いたしました。その他、新品種のきのこの開発を進めるなど、今後も消費者の皆様のニーズにお応えできるような付加価値の高い新商品の開発に全力で取り組んでまいります。

 

② 海外事業の強化

これまで、米国、台湾、マレーシアに子会社を設立及び生産工場を建設し、きのこ事業を展開してまいりました。稼働率を徐々に高めながらブランドの向上に力を入れ、それぞれの国内だけではなく、近隣諸国への営業活動も積極的に展開し、きのこ市場のさらなる拡大に努めてまいります。米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、販売先ポートフォリオの分散を高め、販売の拡大を目指してまいります。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、当社の強みである生産技術力、ブランド力、営業力を全面に打ち出し、経営基盤の強化を進め、販売の拡大を目指してまいります。2018年3月には、営業の効率化を目的に大消費地である台北に営業事務所を開設し、大手チェーンとのコミュニケーション、マーケティング、情報収集の強化を図ってまいりました。また、海外事業本部におきましても、きのこの拡販のため、アジア各国及び欧州でのマーケティング活動を引き続き行ってまいります。

 

③ 加工品事業の拡大

加工品事業におきましては、既存商品の販売拡大と新商品の開発や市場開拓及び通販事業に注力し、きのこ総合企業として幅広い事業展開を行ってまいります。株式会社アーデンにおきましては、オリジナリティ溢れるレトルト食品の開発にさらに力を入れてまいります。

 

④ 化成品事業の強化

化成品事業におきましては、農業資材関連においては海外戦略を強化してまいります。また、自社製品開発力と収益力の強化を図り、収益の拡大を目指してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、安定的な増収・増益を基本目標とし、より高い収益性を確保する観点から、「売上高」、「営業利益」を最も重要な指標と位置づけ、目標の達成に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 自然災害、事故等に関するリスク

 当社グループのきのこは全て栽培管理設備の整った工場内で生産しており、衛生管理を徹底し、安定栽培と品質の向上に努めておりますが、地震等の自然災害、その他突発的な事故や異変が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 社会・経済情勢の変動に関するリスク

 当社グループは日本国内を主たる事業基盤としていることから、国内の景気等の経済状態による消費動向や人口動態の変化等に起因する需要減退等により市場が縮小した場合には、販売量あるいは単価の下落を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 気候変動に関するリスク

 国内で販売されている野菜の多くは露地栽培されており、その作柄は天候等の影響を受け、きのこ価格は少なからずその野菜相場の影響を受ける状況にあるため、気候の変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、最需要期である秋から冬にかけて、暖冬等の気候要因により当社グループのきのこの需要が伸び悩んだ場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 業績の季節変動に関するリスク

 当社グループの商品は、きのこという商材としての特性から、例年春から夏にかけては需要が低調に推移し単価は安く、秋から冬にかけては需要が拡大することから単価も上昇するという傾向が顕著です。したがって、当社グループの売上高及び営業利益は、需要拡大期にあたる第3四半期及び第4四半期に増加する傾向があります。そのため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。

 なお、2022年3月期の当社グループの業績は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

2022年3月期

第1四半期

2022年3月期

第2四半期

2022年3月期

第3四半期

2022年3月期

第4四半期

売上高

15,300

16,196

21,041

18,393

営業利益又は

営業損失(△)

△733

△180

2,353

574

 

(5) 競合に関するリスク

 生きのこについては、国内においては、数社の有力な競合先があります。当社グループの独自の新商品の投入・広告宣伝活動の強化により、当社グループが生産・販売するきのこの付加価値を高めることで、さらなるブランド力の強化と他社との差別化に取り組んでおります。しかしながら、競合他社による供給量増加、値引戦略、広告宣伝活動等によっては当社グループの優位性を確保できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、海外事業においては、アジア系企業の競合先が存在します。当社グループは、ブランド力を活かした付加価値営業へのシフト・拡大にも取り組んでおりますが、供給量の増加に伴う単価の下落等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 安全性に関するリスク

 食の安全・安心や健康面への効果効能に関する消費者の意識はもとより、生産及び製造工程における衛生面や使用原材料等についても消費者の関心は高まっております。当社グループは、これら生産、製造、販売において万全の管理体制で臨んでおりますが、衛生面や使用原材料等に予期せぬ問題が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外事業に関するリスク

 当社グループは現在、米国、台湾及びマレーシアに現地法人を設置し、それぞれの工場において生産・出荷を行い、一部、輸出も行っていますが、現地の政治・経済情勢、法律・税制の問題、あるいはテロ等紛争や公衆衛生上の問題など予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 原材料価格の変動に関するリスク

 きのこの主要生産材であるコーンコブミール等輸入調達している原材料、及びきのこの生産過程において使用する重油等については、様々な対策は行っているものの、為替等の影響で原材料価格の値上がりや、原油価格の高騰による燃料費の上昇や電力費・荷造包装費の上昇に繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 人材の確保に関するリスク

 今後の当社グループの成長を実現していくためには、優秀な人材の確保と育成が重要課題であると認識しております。しかしながら、人材の確保と育成が計画通り進捗しない場合や、採用の競争激化に伴う給与・福利厚生費等の上昇により経費が増加した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 2019年末、新型コロナウイルス感染症の発生が中国ではじめて確認されて以来、世界的な感染拡大が続いており、未だ収束の兆しが見えない状況にあります。当社グループにおいては、感染者が増加した場合には、通常の業務遂行に支障をきたし、当社グループが供給する製品の供給に支障が出る可能性があります。そのため、拡散防止と感染予防への対策として、従業員の体調管理・確認の実施、マスクの着用やうがい、手洗い、アルコール消毒など、日常的な対策の徹底に加え、出張、会議、会食の制限等の対応を実施しております。また、米国子会社においては、当連結会計年度前半はワクチン接種の拡大に伴い経済活動が活発化しましたが、第3四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の影響でコンテナ物量の混乱や、原材料価格、人件費の高騰等の影響を受け厳しい状況となりました。マレーシア子会社においては国内の行動制限令に伴う需要減や世界的なコンテナ不足を背景としたアセアン諸国への輸出減が発生しておりますが、米国及びマレーシア子会社以外のグループ会社におきましては、事業活動及び経営成績への影響は限定的であります。しかしながら、今後事態が長期化すれば、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を、当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して減少しており、以下の経営成績に関する説明の売上高については、増減額及び前年同期比(%)を記載せず説明をしております。

当連結会計年度におけるわが国経済は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実施により社会活動や個人消費が停滞する中、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んだことにより緩やかながら回復に向かう局面もみられました。しかしながら、原材料高や原油価格の高騰等により企業収益は悪化しており、加えて米国の金融引き締めやロシアのウクライナ侵攻を契機に先行きの不透明感が一層高まることとなりました。

このような経済環境の中、当社グループは消費者の皆様及び従業員の安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ、きのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通して、より多くの皆様へおいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。また、「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとする新しい中期経営計画を策定し、2021年4月から取り組んでまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ46億96百万円増加し、1,049億33百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ43億27百万円増加し、504億23百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億68百万円増加し、545億9百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高709億32百万円(前期売上高738億89百万円)、営業利益20億14百万円(前期比66.5%減)、経常利益36億58百万円(同43.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億30百万円(同37.3%減)となりました。

 なお、当連結会計年度の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ47,097t(同2.3%増)、エリンギ19,129t(同
0.5%増)、マイタケ14,347t(同2.3%増)となりました。

 当連結会計年度の各セグメントの概況は次のとおりであります。

 

 「国内きのこ事業」

 生産部門におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ、衛生管理をより徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを生産してまいりました。研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。営業部門におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で直接的な販促活動ができない中、きのこ需要を喚起すべく、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面では、当連結会計年度は、一年を通して野菜が潤沢に供給されたこと等から、野菜相場が全般的に安値で推移したためきのこの価格は低調に推移しました。特に、例年に比べ、きのこの需要期である秋冬にきのこ価格が低調に推移した結果、国内きのこ事業全体の売上高は462億86百万円(前期売上高505億38百万円)となりました。

 なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は9億36百万円減少しております。

 

 「海外きのこ事業」

 米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、当連結会計年度前半はワクチン接種の拡大に伴い経済活動が活発化したことから、Food Serviceを中心とした売上は堅調に推移いたしました。しかしながら、第3四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の影響でコンテナ物量の混乱や、原材料価格、人件費の高騰等の影響を受け、営業利益は計画を下回りました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、同国内の新型コロナウイルス感染症拡大が沈静化し、店内飲食規制が段階的に緩和されたことを受けて外食関連は好調となりました。また、野菜相場の騰落が激しい1年であり、小売を中心とした販売は不安定な状況ではありましたが、新規の小売向け販売に注力した結果、売上高は計画を若干下回ったものの、営業利益は計画を上回りました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましてはマレーシア、アセアン各国でのオミクロン株の感染が拡大し、加えてロシア・ウクライナ問題が物価上昇を進行させ、消費は鈍い状況が続きました。そのような厳しい環境の中、特売企画を中心とした販売や経費削減に注力してまいりましたが、売上高及び営業利益は計画を下回りました。

 以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は63億48百万円(前期売上高50億74百万円)となりました。

 なお、収益認識会計基準等の適用による売上高に与える影響はありません。

 

 「加工品事業」

 加工品事業におきましては、水煮・冷凍等のきのこの加工品の販売を行うとともに、新商品の開発及び市場開拓に取り組んでまいりました。当連結会計年度前半は新型コロナウイルス感染症の影響で内食志向が継続し、外食関連は引き続き厳しい状況ではありましたが、第3四半期に入りまして新型コロナウイルス感染症の影響は弱まり、コンビニエンスストアや外食関連など回復傾向に繋がり、売上高は計画を上回りました。通販事業では、企画販売に力を入れたことで新商品が堅調な販売であり、また自社ECサイトが伸長したため、営業利益が計画に対し大幅上昇となりました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、好調であった昨年の反動で売上高は低調に推移しましたが、第4四半期になりまして若干回復傾向になったものの、売上高、営業利益ともに昨年に比べ減少いたしました。

 以上の結果、加工品事業の売上高は77億32百万円(前期売上高82億74百万円)となりました。

 なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は6百万円減少しております。

 

 「化成品事業」

 包装資材を主要事業とする第一事業部では、輸入資材の不安定な調達や原油高騰に伴う値上げ基調の中、お客様への適切な情報提供と資材の安定供給に注力いたしました。農業資材及び自社製品の製造・販売を中心とする第二事業部では、プラスチック成型の品質向上と生産効率向上に努めたほか、農業生産者向けの機械販売や自社製品の新規受注に尽力いたしました。

 以上の結果、化成品事業の売上高は105億65百万円(前期売上高100億1百万円)となりました。

 なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は2億2百万円減少しております。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ24億34百万円減少し、当連結会計年度末には103億99百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により増加した資金は58億51百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益36億61百万円及び減価償却費69億5百万円の計上ならびに法人税等の支払21億24百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により減少した資金は116億8百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出103億96百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により増加した資金は30億12百万円となりました。これは主に、長期借入金の純増37億30百万円によるものであります。

 

③ 生産・受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内きのこ事業

 

 

  ブナシメジ    (t)

42,318

102.7

  エリンギ      (t)

18,332

100.7

  マイタケ      (t)

13,736

100.9

  その他        (t)

5,506

119.4

79,894

102.9

海外きのこ事業

 

 

  ブナシメジ    (t)

4,779

98.9

  エリンギ      (t)

796

96.2

  マイタケ      (t)

611

145.3

6,186

101.7

化成品事業

 

 

  P.Pビン    (千本)

518

35.0

  コンテナ      (千個)

367

74.8

  キャップ      (千個)

100

25.9

  飲料用ボトル  (千本)

27,835

204.4

  飲食用容器   (千個)

12,552

141.5

  フィルム      (千枚)

27,519

132.1

加工品事業

 

 

  レトルト食品  (t)

14,830

83.7

 (注)1.上記につきましては、金額換算が煩雑であるため数量で表示しております。

2.セグメント間取引については、生産実績に含めておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内きのこ事業 (百万円)

0

化成品事業   (百万円)

8,384

95.5

加工品事業   (百万円)

153

126.1

計(百万円)

8,538

95.9

 

(3)受注実績

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内きのこ事業         (百万円)

46,286

海外きのこ事業         (百万円)

6,348

加工品事業             (百万円)

7,732

化成品事業             (百万円)

10,565

計(百万円)

70,932

  (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首か

ら適用しており、前年同期比は記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、会計上の見積りについては、過去の実績、現在の状況、将来の見込み等を総合的に勘案して算出された合理的な金額によっております。

 当社グループの連結財務諸表及び財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び2.財務諸表等「注記事項(重要な会計方針)」にそれぞれ記載し、会計上の見積りのうち重要なものは、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(重要な会計上の見積り)」及び2.財務諸表等「注記事項(重要な会計上の見積り)」にそれぞれ記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する仮定の情報は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(追加情報)」及び2.財務諸表等「注記事項(追加情報)」にそれぞれ記載しております。

 このような会計方針に基づいて作成された連結財務諸表及び財務諸表は、当社グループの経営実態を正しく反映したものであると考えております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は271億円となり、前連結会計年度末より2億18百万円増加いたしました。固定資産は778億32百万円となり、前連結会計年度末より44億77百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産47億26百万円の増加によるものであります。

 この結果、総資産は1,049億33百万円となり、前連結会計年度末より46億96百万円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は217億57百万円となり、前連結会計年度末より15億66百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金10億19百万円の増加及び1年内返済予定の長期借入金21億45百万円の減少によるものであります。固定負債は286億66百万円となり、前連結会計年度末より58億94百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金60億14百万円の増加によるものであります。

 この結果、負債合計は504億23百万円となり、前連結会計年度末より43億27百万円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は545億9百万円となり、前連結会計年度末より3億68百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益25億30百万円を計上し配当金19億8百万円を支払ったことによる利益剰余金6億21百万円の増加及びその他の包括利益累計額合計4億65百万円ならびに自己株式2億11百万円の減少によるものであります。

 この結果、自己資本比率は51.9%(前連結会計年度末は54.0%)となりました。

 

 

2)経営成績

(売上高)

 主力の国内きのこ事業は、当連結会計年度は、一年を通して野菜が潤沢に供給されたこと等から、野菜相場が全般的に安値で推移したためきのこの価格は低調に推移しました。特に、例年に比べ、きのこの需要期である秋冬にきのこ価格が低調に推移しました。

 以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は462億86百万円(前期売上高505億38百万円)となりました。

 海外きのこ事業の売上高は、アメリカの現地法人におきましては、当連結会計年度前半はワクチン接種の拡大に伴い経済活動が活発化したことから、Food Serviceを中心とした売上は堅調に推移いたしましたが、第3四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の影響でコンテナ物量の混乱や、原材料価格、人件費の高騰等の影響を受け、営業利益は計画を下回りました。台湾の現地法人におきましては、野菜相場の騰落が激しい1年であり、小売を中心とした販売は不安定な状況ではありましたが、新規の小売向け販売に注力した結果、売上高は計画を若干下回ったものの、営業利益は計画を上回りました。マレーシアの現地法人におきましては、マレーシア、アセアン各国でのオミクロン株の感染が拡大し、加えてロシア・ウクライナ問題が物価上昇を進行させ、消費は鈍い状況が続く中、特売企画を中心とした販売や経費削減に注力してまいりましたが、売上高及び営業利益は計画を下回りました。

 以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は63億48百万円(前期売上高50億74百万円)となりました。

 加工品事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で内食志向が継続し、外食関連は引き続き厳しい状況ではありましたが、第3四半期に入りまして新型コロナウイルス感染症の影響は弱まり、コンビニエンスストアや外食関連など回復傾向に繋がり、売上高は計画を上回りました。通販事業では、企画販売に力を入れたことで新商品が堅調な販売であり、また自社ECサイトが伸長したため、営業利益が計画に対し大幅上昇となりました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、好調であった昨年の反動で売上高は低調に推移し、第4四半期になりまして若干回復傾向になったものの、売上高、営業利益ともに昨年に比べ減少いたしました。

 以上の結果、加工品事業の売上高は77億32百万円(前期売上高82億74百万円)となりました。

 化成品事業の売上高は、包装資材を主要事業とする第一事業部では、輸入資材の不安定な調達や原油高騰に伴う値上げ基調の中、お客様への適切な情報提供と資材の安定供給に注力いたしました。農業資材及び自社製品の製造・販売を中心とする第二事業部では、プラスチック成型の品質向上と生産効率向上に努めたほか、農業生産者向けの機械販売や自社製品の新規受注に尽力いたしました。

 以上の結果、化成品事業の売上高は105億65百万円(前期売上高100億1百万円)となりました。

 上記の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ29億56百万円減少し、709億32百万円(前期売上高738億89百万円)となりました。

 

(売上総利益)

 売上高の減少及び製造原価のうち生産原料費、燃料費、電力費などが前期に比べ増加した結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ45億8百万円減少し、173億92百万円(前期比20.6%減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 広告宣伝費や運送費等、前年に比べ増加した費用もありましたが、売上が減少した分販売手数料が大きく減少した結果、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ5億10百万円減少し、153億77百万円(同3.2%減)となりました。

 

(営業利益)

 上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ39億98百万円減少し、20億14百万円(同66.5%減)となりました。

 

(経常利益)

 営業利益は大きく落ち込みましたが、経常利益は、円安により為替差益が発生したことなどにより、前連結会計年度に比べ28億67百万円減少にとどまり、36億58百万円(同43.9%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、大きな特別損益も無かったことから、前連結会計年度に比べ15億7百万円減少し、25億30百万円(同37.3%減)となりました。

 この結果、1株当たり当期純利益は80円26銭となりました。また、自己資本比率は51.9%となり、前連結会計年度に比べ2.1%低下いたしました。

 

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

52.4

50.2

50.2

54.0

51.9

時価ベースの自己資本比率

(%)

65.1

58.7

58.6

65.5

57.4

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

3.3

2.9

2.4

2.1

4.6

インタレスト・カバレッジ・

レシオ(倍)

101.5

93.6

123.7

137.9

77.9

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 

4)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金や設備投資に必要な資金は、自己資金のほか主として銀行借入や社債発行により調達しております。なお、当連結会計年度末現在、新たに確定した重要な設備投資はありませんが、成長に向けた投資は引き続き行ってまいります。

 

 

5)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、第2「事業の状況」の2.事業等のリスクに記載のとおりであります。

 

 

6)経営者の問題認識と今後の方針

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 研究開発活動につきましては、当社「開発研究本部」におきまして、バイオテクノロジーを駆使した新品種の開

   発、既存品種の改良、栽培技術の開発やきのこの健康機能性研究等、きのこ全般に関する研究活動につとめており

   ます。

 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は248百万円であり、その主な成果は次の通

   りです。

 

[きのこ事業]

 

特許登録関連

 

(国内)

    発明の名称 脂肪酸代謝促進成分の抽出方法及び脂肪酸代謝促進剤

    登録日   2021年5月28日

    登録番号  6890780

 

    発明の名称 キノコ用収穫装置

    登録日   2021年9月24日

    登録番号  6948542

 

(海外)

    米国(植物特許)

    発明の名称 マイタケ Grifon-8号(Grifon-8go)

    登録日   2021年6月1日

    登録番号  PP33127

 

    シンガポール

    発明の名称 非病原性口腔内常在菌の生育促進及び菌叢改善剤並びに口腔用組成物

    登録日   2022年2月21日

    登録番号  11201702011S

 

品種登録関連

 

(国内)

   アラゲキクラゲ

    登録品種の名称 HKAP1

    登録日     2021年8月5日

    登録番号    28532

 

   シイタケ

    登録品種の名称 HKLE12

    登録日     2022年3月15日

    登録番号    29039

 

   ブナシメジ

    登録品種の名称 HKWHM3

    登録日     2022年3月29日

    登録番号    29215

 

(海外)

   ブナシメジ

    シンガポール

    登録品種の名称 marmo22号(marmo22go)

    登録日     2021年9月8日

    登録番号    PVP/18/00008B

 

    韓国

    登録品種の名称 marmo22号(marmo22go)

    登録日     2021年9月23日

    登録番号    8727

 

   シイタケ

    シンガポール

    登録品種の名称 HOKSY 8号菌(HOKSY 8gokin)

    登録日     2021年11月5日

    登録番号    PVP/17/00001S

 

   エノキタケ

    シンガポール

    登録品種の名称 Veluty M-99

    登録日     2021年11月5日

    登録番号    PVP/17/00005U

 

学会発表

 

   演題  きのこの品種識別技術の開発について

   発表日 2021年9月3日

   学会  第23回酵母合同シンポジウム

 

   演題  自己消化時のヒラタケ属 (Pleurotus sp.) 子実体における酸性トレハラーゼの挙動

   発表日 2022年3月2日

   学会  日本きのこ学会第24回大会

       大阪公立大学との共同研究

 

   演題  きのこが持つ嗜好特性について

   発表日 2022年3月28日

   学会  第100回官能評価学会企業部会定例会

 

論文掲載

 

   タイトル Suppression of leukotriene B4 production is involved in the anti-pruritic action of

         Grifola frondosa in pollen allergy-induced ocular itching in mice

   掲載雑誌 Food and Agricultural Immunology,32(1),310-320,2021.

        富山大学との共同研究

 

   タイトル コナサナギタケPaecilomyces farinosus由来のトリプシン様セリンエンドペプチダーゼの精製と性質

   掲載雑誌 日本きのこ学会誌,29(1),30-33,2021.

        大阪公立大学との共同研究

 

   タイトル Hericium erinaceus powder inhibits the growth of Porphyromonas gingivalis

   掲載雑誌 Open Journal of Bacteriology,5(1),017-020,2021.