当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まりなどを背景に、景気は緩やかな回復傾向となりましたが、一方、長期化するロシア・ウクライナ紛争などによるエネルギー価格や原材料価格の高騰や、中東情勢の不安定化、中国の景気減速など、依然として先行きは不透明な状況で推移致しました。
このような経済環境の中、当社グループはきのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。また、「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとして取り組んでまいりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の当社グループの業績は、売上高359億98百万円(前年同期比3.3%増)、営業損失2億82百万円(前年同期営業損失金額19億75百万円)、経常損失6億39百万円(同経常損失金額6億68百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は4億99百万円(同親会社株主に帰属する中間純損失金額6億17百万円)となりました。
なお、当中間連結会計期間の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ21,769t(同2.0%減)、エリンギ8,368t(同1.7%減)、マイタケ7,304t(同1.3%減)となりました。
当中間連結会計期間の各セグメントの概況は次のとおりであります。
「国内きのこ事業」
生産部門におきましては、原材料価格、電力費、包装費、人件費などの製造原価が大幅に上昇する中、コスト削減に取り組むとともに、衛生管理をより徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。
研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発、新品種の開発及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。
営業部門におきましては、きのこ需要を喚起すべく、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面では、今年は梅雨の期間が短く平年より高い気温が続き、さらに猛暑や台風の影響により、多くの野菜が全般的に少ない状況となり野菜相場は高い水準で推移しました結果、きのこの価格も堅調な動きとなり、安定した状況で推移いたしました。
以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は225億91百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
[海外きのこ事業]
米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、夏場の不需要期の落ち込みと、主要顧客の販売不振により、営業利益は昨年実績よりは良かったものの、売上高・営業利益ともに計画未達となりました。しかしながら、取組み強化している新規顧客の拡販において実績数値が着実に伸びており、営業利益は改善出来ており、単月黒字の状態で安定してきております。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、2回の台風による大型需要と大手取引先による大型の特売などにより販売量が伸びたことにより、昨年に比べ売上高・営業利益ともに昨年実績を上回りましたが、計画比では売上高、営業利益共に若干の未達となりました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、マレーシアおよびシンガポールでは、企画提案やプロモーション活動を強化したことにより安価な中国産きのこの影響は限定的でありましたが、他のASEAN地域では安価な中国産に加え、韓国産とのシェア争いが厳しく、価格面で厳しい販売となっております。その結果、売上高、営業利益は昨年に比べ改善しましたが、計画比では売上高、営業利益共に未達となりました。
以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は35億86百万円(同0.8%減)となりました。
[加工品事業]
加工品事業におきましては、水煮・冷凍きのこ加工品の販売を行うと共に、新商品の開発及び市場開拓に取り組んでまいりました。外食部門、デリカ、中食向け商品が好調だったほか、コンビニエンスストアのエリア戦略の業務用生鮮きのこの販売、冷凍きのこ商品の販売も順調に推移いたしました。青果向け市販用加工商品も順調な販売となりました。通販事業では、レトルト食品の販売が好調に推移いたしました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、製品の値上げ後、リカバリー出来ていない取引先もありますが、受注状況も回復傾向にあり、また新規受注の大口商品も寄与し、売上高・営業利益は計画を若干ですが上回りました。
以上の結果、加工品事業の売上高は39億2百万円(同6.8%増)となりました。
[化成品事業]
包装資材を主要事業とする第一営業部では、仕入先より相次ぐ値上げ要請を受ける中、プラスチック製品の品質劣化をおさえる機能性包材やリサイクル原料を利用した環境包材など付加価値製品の提案営業に取り組みました。工業資材については、半導体・自動車関連部品メーカー向け等回復が遅れていましたが、輸出関連を中心に回復傾向が強まりました。
自社製品の生産・販売及び農業資材販売を中心とする第二営業部では、引き続き自社製品の品質向上と販売拡大に努めました。また、きのこ生産者向けの栽培原料の販売は引き続き堅調に推移しました。
以上の結果、化成品事業の売上高は59億18百万円(同1.6%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末における資産、負債、純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は384億46百万円となり、前連結会計年度末より72億20百万円増加いたしました。これは主に、有価証券63億94百万円の増加によるものであります。固定資産は697億22百万円となり、前連結会計年度末より25億57百万円減少いたしました。これは主に、減価償却の進展に伴う有形固定資産20億95百万円の減少によるものであります。
この結果、総資産は1,081億69百万円となり、前連結会計年度末より46億63百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は293億1百万円となり、前連結会計年度末より10億2百万円減少いたしました。固定負債は262億26百万円となり、前連結会計年度末より78億49百万円増加いたしました。これは主に、新株予約権付社債100億17百万円の発行及び長期借入金16億3百万円の減少によるものであります。
この結果、負債合計は555億27百万円となり、前連結会計年度末より68億47百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は526億41百万円となり、前連結会計年度末より21億83百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失4億99百万円を計上し配当金12億72百万円を支払ったことによる利益剰余金17億71百万円の減少によるものであります。
この結果、自己資本比率は48.7%(前連結会計年度末は53.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は156億66百万円となり、前連結会計年度末より20億27百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により増加した資金は14億69百万円となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失6億37百万円および減価償却費28億円、為替差損5億49百万円の計上、消費税の支払を主因とするその他の流動負債の減少6億86百万円ならびに法人税等の支払額8億78百万円によるものであります。
また、前年同中間連結会計期間と比較して33億57百万円の収入の増加となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により減少した資金は58億95百万円となりました。これは主に、定期預金の純増24億81百万円、有形固定資産の取得による支出8億13百万円および有価証券の取得による支出23億97百万円によるものであります。
また、前年同中間連結会計期間と比較して81億58百万円の支出の増加となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により増加した資金は65億65百万円となりました。これは主に、社債の発行による収入100億19百万円および長期借入金の返済による支出31億71百万円によるものであります。
また、前年同中間連結会計期間と比較して72億93百万円の収入の増加となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
研究開発活動につきましては、当社「開発研究本部」におきまして、バイオテクノロジーを駆使した新品種の開発、既存品種の改良、栽培技術の開発やきのこの健康機能性研究等、きのこ全般に関する研究活動に努めております。
なお、当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は361百万円となりました。
これまでの研究開発活動で得られた成果のうち、公表された成果は以下のとおりです。
品種登録関連
(海外)
シンガポール
シイタケ
登録品種の名称 HOKSY10号菌
登録日 2024年4月26日
登録番号 PVP/18/00005/Q
学会発表
演題 ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)の自然集団における不和合性因子の分布
発表日 2024年9月4日
学会 日本きのこ学会第27回大会
演題 形態観察、分子系統解析および交配試験に基づくブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)の
分類学的再検討
発表日 2024年9月4日
学会 日本きのこ学会第27回大会
演題 2品種のシイタケ(Lentinula edodes)の自己消化におけるトレハロース代謝関連酵素について
発表日 2024年9月4日
学会 日本きのこ学会第27回大会
大阪公立大学との共同研究
論文掲載
タイトル Effects of an ergothioneine-rich Pleurotus sp. on skin moisturizing functions and facial
conditions: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial
掲載雑誌 Frontiers in Medicine, 11, 2024.
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前事業年度有価証券報告書「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載の事項から重要な変更はありません。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当中間会計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。