第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府が推進する経済政策や金融政策の効果等により、緩やかな回復基調が続いておりますが、海外景気の下振れ懸念や円安等による物価上昇による個人消費への影響等、先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループにおきましては、自社いちご品種「ペチカプライム」「ペチカサンタ」を中心に、業務用いちご果実及びその他青果物の販売拡大に努めてまいりました。この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は5,159,853千円(前期比10.7%増加)、営業利益は33,622千円(前期比75.9%減少)、経常利益は39,134千円(前期比76.4%減少)、当期純利益は、24,445千円(前期比66.9%減少)となりました。

 当連結会計年度の当社グループが営む事業は、いちご果実・青果事業、種苗事業、馬鈴薯事業、運送事業の4事業となっております。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(いちご果実・青果事業)

 いちご果実・青果事業は、当社と株式会社ホーブ21が行っております。その主力商品は業務用いちご果実であります。夏秋期は自社品種である「ペチカプライム」「ペチカサンタ」と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、さがほのかなど)を主に販売しております。夏秋期におきましては、7月中旬より他品種を含めた出荷量のピークが集中し、自社品種の販売で苦戦することとなりました。輸入いちごの販売も、円安による仕入原価の上昇から利益を確保するには至りませんでした。また促成期は、業務用いちご果実の最需要期となるクリスマス期において大手洋菓子メーカーからの受注量が減少したことや、年明け以降の入荷量が減少し、いちご市場相場価格が高止まりで推移したことなどから、売上高、利益ともに確保することができませんでした。その他青果物につきましては、コンビニエンスストア向けの売上は、前期を若干上回りましたが、その他の取引先からの受注量が減少したことにより、売上高、利益ともに前期を下回りました。

 この結果、当連結会計年度におけるいちご果実・青果事業の売上高は3,797,436千円(前期比8.2%減少)、営業利益は133,840千円(前期比56.4%減少)となりました。

(種苗事業)

 種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカプライム」と「ペチカサンタ」を中心に種苗の生産販売を行っております。自社いちご品種苗の販売先となる生産者は、栽培契約に基づいて、生産するいちご果実を当社に出荷しております。当連結会計年度におきましては、生産者所得の向上を図るべく、引き続き収量増加を重点に、産地栽培指導に取り組んでまいりました。しかしながら、生産者の高齢化と後継者不足の影響による栽培休止や規模縮小により、自社品種の種苗販売本数は前期に比べて約8%減少いたしました。

 この結果、当連結会計年度における種苗事業の売上高は50,295千円(前期比7.5%減少)また、苗生産に係る経費が増加したことから営業利益は7,925千円(前期比44.8%減少)となりました。

(馬鈴薯事業)

 馬鈴薯事業は、前第2四半期連結会計期間において連結子会社とした株式会社ジャパンポテトが行っております。同事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなり、前第3四半期連結会計期間より四半期損益計算書を連結しております。主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。当連結会計年度におきましては、種馬鈴薯の販売数量は例年よりやや減少しましたが、青果馬鈴薯の販売量拡大に努めたこと、及び春先からの九州産青果馬鈴薯の収量不足から相場が高騰したことにより、売上高、利益とも予定を上回ることができました。

 この結果、馬鈴薯事業の売上高は1,236,089千円、営業利益は55,369千円となりました。

(運送事業)

 運送事業は、株式会社エス・ロジスティックスが行っております。関東圏を中心とした事業展開で、当社の商品配送を行いつつ、食品関連を中心とした一般荷主からの配送業務を積極的に受託してまいりました。

 この結果、当連結会計年度における、運送事業の売上高は76,032千円(前期比14.7%増加)となりました。

また、収益面では、自社配送効率の向上により自社配送原価の削減を図るとともに、提携業者並びに共同配送業者を効率的かつ積極的に活用し利益の確保に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度における営業利益は13,589千円(前期比176.9%増加)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高から71,486千円増加し、当連結会計年度末現在において454,805千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は108,175千円(前期比58.9%減少)となりました。これは主に、仕入債務の減少14,234千円があったものの、売上債権の減少104,929千円、税金等調整前当期純利益39,224千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は6,308千円(前年同期は76,842千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,709千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は30,380千円(前年同期は190,303千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額30,380千円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

 至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

種苗事業(千円)

27,945

77.4

馬鈴薯事業(千円)

8,437

303.4

全社(千円)

12,563

64.2

合計(千円)

48,946

83.7

 (注)1 金額は当期製品製造原価によっております。

2 全社の記載額は、新品種の開発及び栽培方法の研究のため研究圃場を有しており、研究開発段階で生産されたいちご果実を販売しているための製品製造原価であります。

3 馬鈴薯事業は、前第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

 至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

いちご果実・青果事業(千円)

3,096,918

94.9

馬鈴薯事業(千円)

1,085,407

347.2

合計(千円)

4,182,326

117.0

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 馬鈴薯事業は、前第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注実績

当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

 至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

いちご果実・青果事業(千円)

3,797,436

91.8

種苗事業(千円)

50,295

92.5

馬鈴薯事業(千円)

1,236,089

308.0

運送事業(千円)

76,032

114.7

合計(千円)

5,159,853

110.7

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 馬鈴薯事業は、前第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)当社を取巻く環境

当社の社名ホーブ「HOB」は、「Horticultural Biotechnology(施設園芸の生命科学技術)」及び「Hokkaido Biotechnology(北海道の生命科学技術)」の2つのことから名付けられており、「研究室の中だけで行われていた組織培養のバイオテクノロジー技術を実際の農業の中で活かしていこう、そのバイオテクノロジー技術を活かすことで北海道の農業を活性化させる一助となろう」という想い、「バイオテクノロジー技術を北海道の大地に根付かせよう」というのが、当社の出発点でありました。

当社グループは、農業を基盤とし農業に立脚しながらも、農業そのものを事業として行っていくのではなく、農業生産者と消費者をつなぐかけ橋となり、当社の有する種苗、技術、情報を積極的に提供していくことによって、農業の活性化に寄与していくことを事業の根幹としております。

 

①国内農業の現状

国内農業については、依然として厳しい状況が続いております。農作物の価格は低落傾向にあり、原油価格の高騰は農業用資材コストに反映されることとなり、国内農業生産者の所得も減少しております。また後継者不足、高齢化が言われ、農業生産者の減少といった現状に直面しているものと認識しております。

一方、農産物の輸入自由化が進み、海外から様々な農産物が安価で入ってくるようになり、輸入量は増大し、国内農産物の自給率は依然として低いままで推移しております。

農業の活性化策として期待された農地法の改正も、農業生産者を保護するという名目により、法人が事業として行う農業に対して参入を厳しくし、規制されております。

しかしながら、最近の食の問題から消費者の安全、安心志向は強まり、国産の農産物に対する消費者の関心は高まっており、より良いものあるいは安全、安心という付加価値農産物を作る動きもあります。また新規就農者や農業生産法人を積極的に設立する動きも増え、企業が農業ビジネスへ参入するなどの変化が生じております。

 

②業務用いちごの現状

いちごは、農業生産物の中では極めて付加価値の高い作物と言われております。しかし、いちごは高い鮮度が要求され、衝撃、高温等の環境変化に弱いため、輸送や長期保存が難しい農業生産物であります。

現在、業務用いちごは、概ね12月から5月頃までは栃木県や福岡県を中心とした一季成性いちご※1が中心となっております。また6月から11月まではアメリカ産輸入いちごが大部分を占めており、平成25年の輸入量は

約3.5千トン(大部分が6月から11月までの6か月間に輸入される)であります。

アメリカ産輸入いちごは、一般に、国産に比べ食味、食感に大きく劣ると言われており、果皮が硬く、輸送性が高いため、国産いちごの供給量が少ない夏から秋にかけて、業務用として国内に入ってきております。

 

※1 いちごには、花芽分化形成(花となる芽のもとが作られること)に一定の条件を必要とする一季成性いちごと条件を必要としない四季成性いちごがあります。一般に知られているいちごの多くは一季成性いちごであり(とちおとめ等)、一定の条件(夜の長さが12時間以上となる日が連続する短日条件と温度の低下という低温条件)が整ってはじめて花芽が形成され、果実ができます。

(2)当社グループの対処すべき課題

①いちご果実・青果事業の収益確保

当社は、夏秋期において自社いちご品種販売を中心にしております。今後も自社いちご品種の販売に注力し、利益の確保に努めるとともに、他品種いちご及び輸入いちごも併用した販売体制を構築してまいります。また、促成いちご品種の販売時期は、いちご市場相場の高騰が収益に影響を与えることがあるため、仕入産地の分散化を推し進め、仕入価格の抑制に努め、利益の向上を図ってまいります。また、事前に販売価格を決定する販売先については、いちご市場相場価格を勘案した販売価格設定の要請を継続してまいります。

さらに青果の販売においては、多様化する販売先のニーズに応えるため、提案型の営業を展開しながら、取扱品目及び取扱量の拡大を図り、いちご果実と併せた収益の確保に努めてまいります。

 

②夏秋いちごの新品種開発

当社ではこれまで、高温時でも品質の安定した耐暑性に優れた品種を開発するなど、近年の猛暑等の環境変化に対応し、ユーザーからの要望にも応えてまいりました。今後につきましても、栽培の省力化が図れ、収量性の高い品種などの開発に注力してまいります。

 

③自社いちご品種産地栽培面積の維持

自社いちご品種の栽培面積は、生産者の高齢化、後継者不足などで減少してきております。出荷量を向上させることが生産者所得の安定につながることから、この栽培指導を徹底しており、徐々にその成果はでてきております。引き続き促成いちご品種との端境期となる5、6月及び秋以降の出荷量の拡大を図る栽培指導を徹底して、自社いちご品種産地の栽培面積の維持に努めていく方針であります。

 

④馬鈴薯事業の確立

馬鈴薯事業を行う子会社「株式会社ジャパンポテト」は、種馬鈴薯の生産販売及び仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売を行っております。

販売している馬鈴薯には、同社が国内販売権を有している海外オリジナル品種と、通常販売されている一般品種があります。同社は利益率の高い海外オリジナル品種の販売比率を高めることで、事業基盤の安定に努め、青果馬鈴薯の販売を強化することで種馬鈴薯の販売拡大に繋げ事業の拡大をめざします。

 

⑤運送事業の収益の維持向上

運送事業を行う子会社「株式会社エス・ロジスティックス」は、営業基盤を関東圏に特化し、配送業務の効率化により、収益の確保に努めてまいりました。今後は、自社配送と提携業者配送を効率的に運用することに加え、新規荷主からの運送受託に向けた営業をより一層強化して、収益の維持向上を図ってまいります。

 

⑥人材の育成について

当社の事業は、農業に密接に関わっております。気象条件等の自然環境の変化に対応し、その影響を軽減するためには、机上の学習だけではなく、経験をとおして学ぶことも多々あります。当社では、事業経験をとおして社内に蓄積されるノウハウや技術を共有・継承することで、今後も優秀な人材の育成に努めていく方針であります。

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①自社品種苗及びいちご果実の生産・販売について

a.天候の影響について

当社の主要な事業は、自社品種等を中心としたいちご苗の生産及び生産農家への販売、各生産農家からの果実の仕入及び洋菓子メーカーへの販売であります。

果実の生産はビニールハウス内で行なっておりますが、気温及び日照等、天候の影響を受けることとなります。そのため、天候不順によって果実収穫量が大きく影響されないように、生産産地を北海道から東北地方へと広げてきており、さらに、天候不順であっても収穫量が大きく減少しないような栽培技術・ノウハウを蓄積してきており、生産農家に対する栽培指導の徹底に努めております。

しかしながら、天候不順の影響は完全に回避できるものではなく、猛暑、冷夏、日照不足、台風といった気象条件の変化により収穫量が変動し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

b.生産農家との契約について

当社は、自社品種苗等を生産農家に販売し、そこから収穫される当社の規格に合った果実を買取って、全国の洋菓子メーカー等に供給しております。生産農家との間で毎年「栽培契約書」を締結しておりますが、契約書の中には、当社の選果規格に合致した果実を当社が全量買取ることを内容とした条項があります。自社品種の果実は、主にケーキのトッピング(飾り)として使われるため、選果規格は厳格なものとなっております。そのため、粒の小さいものや形の整っていないもの等は規格外となり買取りの対象から外れ、当社が必要とする規格のもののみが入荷されております。

この契約により夏秋期の自社品種の果実はすべて当社から販売されることとなるメリットがありますが、天候条件等によっては収穫果実の規格あるいは時期の偏りが生じることがあります。そのような場合には、取引先の洋菓子メーカー等にいち早く情報提供を行い、使用規格の変更を依頼するなどの対応を講じておりますが、それでも販売しきれないほどの偏りが生じた場合には、当社が在庫を抱えることとなり、果実の廃棄の発生により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

c.自社品種苗の生産について

自社品種苗の生産は、組織培養から始めておよそ3年の期間を要するため、苗販売計画に基づいた見込み生産を行っております。苗販売計画は適時見直しを行い、修正が生じた場合には苗の生産も販売計画に合わせて調整しております。ただし、販売計画修正のタイミングによっては、生産調整が間に合わない場合もあり、過剰となった苗の廃棄が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

d.育種開発について

新たな品種の開発は、様々な形質を持った系統を掛け合わせ、生育を繰り返していく中で、より優れた形質を持つ系統を選抜していく手法が用いられます。掛け合わせと選抜の繰り返しの中から品種として確立され栽培収穫されるようになるまでには、5年から10年程度の長い期間を要します。当社は、平成22年に、高温時でも品質の安定した果実を生産することのできる「ペチカサンタ」、「ペチカプライム(品種登録名ペチカピュア)」の2品種を種苗登録し、現在はこの2品種を中心とした生産を行っております。

当社は、優良形質がホモ※1であり、かつ水準以下の形質の少ない系統の選抜に成功しております。現在、これらを交配親とした新たな特性を持つ系統を多数選抜しており、今後も優秀な品種の開発を鋭意進めてまいります。

都道府県などでも四季成性いちごの品種開発を進めておりますが、今後新しいタイプの優秀な四季成性いちご品種が開発された場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

※1 遺伝子は必ず対となって存在しております。同じ遺伝子が対になっていることをホモ(AA)、異なる遺伝子の場合はヘテロ(Aa)と称します。ホモの場合は交配した場合すべての組み合わせにAが含まれ、その形質が高頻度で子孫に発現します。たとえばペチカの優秀な形質がホモになっていれば、交配で得られる子孫もその優秀な形質を高頻度で持っていることになります。

 

e.病虫害について

農産物は、屋外の圃場やビニールハウス内で栽培及び生産するため、ウイルス等への感染及び害虫の発生を防ぐことは極めて難しい問題であります。

当社は、自社品種での病虫害の発生を防ぐため、生産産地との連絡を密にし、栽培技術指導者が実際に苗・果実の生育状況を確認し、早期に異常を発見するように努めております。

しかしながら、完全な防除が困難であるため、不測の病虫害が大量、広域に発生した場合、見込みどおりの成果が得られず当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

②特定人物(経営者)への依存について

代表取締役髙橋巌は、当社の創業者であり、創業以来当社の事業を推進してきております。当社では、同氏への依存度を軽減するために、平成25年9月からは、当社グループ全体の経営を統括する代表取締役会長に髙橋巌が就任し、日常的な経営を執行する代表取締役社長に政場秀が就任しております。今後も同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めるべく、役職員の質的向上に注力していく所存であります。しかしながら、同氏の業務遂行が何らかの理由により困難となった場合、当社の事業展開や業績などに影響を与える可能性があります。

なお、同氏は、当連結会計年度末現在において、当社の発行済株式総数の40.02%を保有する筆頭株主であります。

 

③運送事業について

子会社である株式会社エス・ロジスティックスにおいて運送事業を行っております。その事業に影響を与える可能性がある事項といたしましては、環境規制をはじめ、その他法的規制などの変更・強化や、世界的な石油情勢の変動に起因する燃料費の高騰があります。また、運送業務の遂行にあたっては、安全と輸送品質の向上に努め、徹底した運行管理をいたしておりますが、万一、重大な事故が発生した場合には信用低下のみならず、補償問題や営業停止などの行政処分を受ける可能性があり、これらの事象も運送事業の遂行に影響を与える可能性があります。

 

④馬鈴薯事業について

子会社である株式会社ジャパンポテトにおいて馬鈴薯事業を行っております。当社の種苗及びいちご果実生産と同様、天候不順や病虫害の発生により、見込み通りの成果が得られず、業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤法的規制について

当社の事業及び製・商品等に対する法的規制は下表のとおりであります。

許可・承認の種類

有効期限

監督官庁

関連する法律

品種登録

 

農林水産省

種苗法

「ペチカサンタ」(登録番号第19206号)

平成47年3月

「ペチカピュア」(登録番号第19528号)

        (商品名ペチカプライム)

平成47年5月

東京都中央卸売市場

農林水産省

卸売市場法

葛西市場青果部売買参加者(売買参加章30-56)

(注) 当社が保有する種苗法登録品種「ペチカサンタ」並びに「ペチカピュア(商品名ペチカプライム)」に有する育成者権の存続期間は、平成47年3月並びに平成47年5月までであります。この育成者権の存続する間は、当社以外の者がこの2品種の種苗や果実の売買等を行うことができないこととなっており、当社は独占的に利用する権利を有しております。育成者権の存続期間が終了した後は、これら2品種の苗や果実を自由に栽培、利用することが可能となるため、そのときの状況によっては、当社の経営戦略や業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥経営成績の変動要因について

当社グループの主要な経営指標等の推移は、以下のとおりであります。

回次

第25期

第26期

第27期

第28期

第29期

決算年月

平成23年6月

平成24年6月

平成25年6月

平成26年6月

平成27年6月

売上高(千円)

3,805,533

3,581,684

4,013,142

4,660,069

5,159,853

経常利益又は経常損失(△)(千円)

23,087

△12,773

△7,996

166,086

39,134

当期純利益又は当期純損失(△)(千円)

9,246

△10,786

△57,648

73,784

24,445

純資産額(千円)

1,059,970

999,437

923,131

996,852

991,065

総資産額(千円)

1,278,233

1,220,595

1,156,130

1,366,576

1,310,911

(注)売上高には、消費税等は含まれておりません。

 

a.特定品目への依存について

当社グループの売上高構成は、いちご果実売上高の比重が高く、当連結会計年度の売上高に占めるいちご果実の構成比は59.0%となっております。そのため、天候による収穫量の変化、販売価格の低下、消費者の嗜好の変化等により、当社の経営戦略及び業績に影響を与える可能性があります。

売上高

前々連結会計年度

(平成25年6月期)

前連結会計年度

(平成26年6月期)

当連結会計年度

(平成27年6月期)

 

構成比

(%)

前期比

(%)

 

構成比

(%)

前期比

(%)

 

構成比

(%)

前期比

(%)

いちご果実・青果

事業(千円)

3,888,795

96.9

112.7

4,138,168

88.8

106.4

3,797,436

73.6

91.8

(内訳)いちご果実

  (うち自社品種)

3,175,936

(660,071)

79.1

(16.4)

105.9

(83.3)

3,233,952

(676,373)

69.4

(14.5)

101.8

(102.5)

3,043,012

(597,791)

59.0

(11.6)

94.1

(88.4)

   青果

638,928

15.9

165.7

844,005

18.1

132.1

696,949

13.5

82.6

   資材

73,930

1.8

108.4

60,210

1.3

81.4

57,474

1.1

95.5

種苗事業(千円)

62,731

1.6

90.7

54,363

1.2

86.7

50,295

1.0

92.5

馬鈴薯事業(千円)

401,262

8.6

1,236,089

23.9

308.0

運送事業(千円)

61,615

1.5

101.1

66,274

1.4

107.6

76,032

1.5

114.7

計(千円)

4,013,142

100.0

112.0

4,660,069

100.0

116.1

5,159,853

100.0

110.7

(注)1 馬鈴薯事業は、平成25年12月に子会社としたジャパンポテトが行う事業であり、前第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。

   2 いちご果実の( )は、自社品種果実で内書きであります。

 

b.特定の取引先への依存度が高いことについて

仕入販売事業の取引先のうち、株式会社SCI、株式会社シャトレーゼ及びトーワ物産株式会社の上位3社に対する販売金額は、当連結会計年度において上位3社で22.8%を占めております。いちご果実・青果事業の取引先は当連結会計年度において390社程度となり、上記取引先3社に対する販売金額の割合を低下させるべく、取引先の拡大を積極的にはかっております。

しかしながら、これら会社との取引の継続性や安定性は保証されていないため、これら会社の販売、価格政策、商品戦略の変更など取引関係等が変化した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

相手先

前連結会計年度

(平成26年6月期)

当連結会計年度

(平成27年6月期)

 

割合(%)

 

割合(%)

株式会社SCI(千円)

405,428

7.9

株式会社シャトレーゼ(千円)

375,600

8.1

386,255

7.5

トーワ物産株式会社(千円)

347,623

7.5

382,340

7.4

 

c.業績の季節変動について

いちご果実・青果事業の主力商品は、いちご果実であります。当社が販売するいちご果実は、ケーキの飾りとして使われることが多く、デコレーションケーキの販売が急増する12月のクリスマス時期に最も大きな需要期を迎え、12月の売上高は他の月に比べ極めて多く計上されます。

そのため、下半期と比較し、上半期に売上高が多くなる傾向が続いております。売上総利益も上半期に偏る傾向にあります。

 

前々連結会計年度

(平成25年6月期)

前連結会計年度

(平成26年6月期)

当連結会計年度

(平成27年6月期)

上半期

下半期

通期

上半期

下半期

通期

上半期

下半期

通期

売上高(千円)

(通期比率)(%)

2,332,216

(58.1)

1,680,925

(41.9)

4,013,142

(100.0)

2,390,918

(51.3)

2,269,151

(48.7)

4,660,069

(100.0)

2,985,281

(57.9)

2,174,572

(42.1)

5,159,853

(100.0)

売上総利益(千円)

(通期比率)(%)

381,357

(50.1)

379,093

(49.9)

760,450

(100.0)

509,787

(55.1)

415,687

(44.9)

925,474

(100.0)

480,349

(56.2)

374,357

(43.8)

854,706

(100.0)

(注)比率は、通期に対する上半期及び下半期の構成比であります。

 

d.市場相場価格について

促成期(12月頃から5月頃まで)のいちご果実は、青果市場において相場価格が形成されます。しかし、夏秋期(6月頃から11月頃まで)の国産いちごのほとんどは市場を経由しないため、価格は洋菓子メーカー等との交渉により決めており、促成いちごとは違い市場相場価格から受ける影響は少なくなっております。

当社が仕入、販売する促成期のいちごの価格は、市場相場価格(主に東京都中央卸売市場大田市場)に基づいて決めております。例年、12月のクリスマス時期にはデコレーションケーキの飾りとしての需要の高まりから価格は高騰し、それをピークに価格は安くなります。例えば、平成26年12月における東京都中央卸売市場大田市場の「とちおとめ」の市場相場価格(Lサイズ1パック当たり価格)は、クリスマス時期に1,000円になり、平成27年1月には350円まで低下しております。このように促成いちごの市場相場価格は変動があるため、当社のいちご果実売上高に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、自社品種いちご果実の栽培について、生産農家との間で「栽培契約書」を締結しております。その主な内容は、以下のとおりであります。

契約締結先

期間

主な内容

生産農家個人

契約締結日から1年間

(自動更新規定なし)

・いちご果実の生産が目的であること

・当社が販売する苗の品種及び数量

・当社選果規格に合致する果実をすべて当社へ出荷すること

・種苗の他人への譲渡、増殖、保存等の禁止

 (注)1 契約締結先は、農業生産法人あるいは農業協同組合の場合もあります。

2 契約期間は1年間で満了しますが、種苗の他人への譲渡、増殖、保存等の禁止規定は期間満了後も効力を有することとなっております。

6【研究開発活動】

いちご新品種の育種開発

夏秋期の国産いちごを安定的に供給するためには、多様な気象条件や栽培方法に適応する品種の開発が重要であります。当社は、高温期でも果実品質の安定した品種、「ペチカサンタ」(平成22年3月 品種登録)、「ペチカプライム」(平成22年5月 品種登録 登録品種名「ペチカピュア」)を開発し、それぞれの品種特性を活かした産地形成を行い、現在栽培を行っております。しかしながら、当社はこれに甘んじることなく、今後も耐暑性があり、栽培の省力化が図れ、かつ生産性の高い品種の開発をさらに進めてまいります。当社の優位性を揺るぎないものにするために、今後もより優れた競争力のある品種の作出に向け、研究開発を続けてまいります。

なお、品種の研究開発は、次の手順により実施しております。

①交配

様々な品種の掛け合わせにより、果実を作り、種を取り出します。

②一次選抜

交配により得られた苗のうち、優れた形質を持つものを選抜します。

③二次選抜

一次選抜された苗をランナー※1で増殖し、再度、果実の形質及び収量性等を検証し、選抜します。

※1 親苗から横に長く伸びる側枝(茎)。節からわき芽や根を出し、新しい苗(子苗)となります。さらに、この子苗からもランナーは発生し、苗が増えていきます。

④生産力検定

二次選抜されたものを対象に100本程度の栽培評価を行い、病虫害あるいは環境変化への適応性、収穫時の作業性、果実の輸送性等を検証します。

⑤新品種登録、普及

生産力検定の結果、優良なものは種苗法品種登録の候補となります。当社は、育種した優良な種苗については、品種登録を行っていく方針であります。また、その品種を用い、新たな産地を形成していくことも可能となります。

 

当社は長年の育種研究の結果、耐暑性、収量性、果実品質、食味等の優良な形質を持つ育種親を確保維持するとともに、交配、選抜等の育種ノウハウを保有しております。今後こうした研究資源を効率的に活用し、夏秋いちご品種の開発に鋭意努力してまいります。

 

以上の研究開発活動を行い、当連結会計年度は22,240千円の研究開発費を計上しております。

なお、研究開発の結果得られた優良な品種は、種苗事業において種苗を生産し、生産農家等に販売しております。また生産農家等から出荷される当該品種の果実はいちご果実・青果事業において、仕入販売を行っております。従いまして、研究開発活動は、種苗事業といちご果実・青果事業にかかわっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる会計上の見積もりについては、合理的な基準に基づいて実施しております。

財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりです。

なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。

 

(1)財政状態の分析

①資産・負債および純資産の状況

(流動資産)

 流動資産は、前連結会計年度末と比較して38,108千円減少して、当連結会計年度末で1,002,484千円となりました。これは主に売掛金および前渡金の減少によるものであります。

(固定資産)

 固定資産は、前連結会計年度末と比較して17,555千円減少し、当連結会計年度末で308,427千円となりました。これは主に有形固定資産および無形固定資産の減少によるものであります。

(流動負債)

 流動負債は、前連結会計年度末と比較して57,281千円減少し、当連結会計年度末で202,938千円となりました。これは主に買掛金および未払法人税等の減少によるものであります。

(固定負債)

 固定負債は、前連結会計年度末と比較して7,405千円増加し、当連結会計年度末で116,908千円となりました。これは主に役員退職慰労引当金の増加によるものであります。

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度末と比較して5,787千円減少し、当連結会計年度末で991,065千円となりました。この結果、自己資本比率は75.6%になっております。

 

②キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高から71,486千円増加し、当連結会計年度末現在において、454,805千円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローでは、108,175千円のキャッシュを得ております。これは主に、仕入債務の減少14,234千円があったものの、売上債権の減少104,929千円、税金等調整前当期純利益39,224千円があったことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、6,308千円のキャッシュを使用しております。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,709千円があったことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、30,380千円のキャッシュを使用しております。これは主に、配当金の支払額30,380千円があったことによるものであります。

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は5,159,853千円(前期比10.7%増加)、営業利益は33,622千円(前期比75.9%減少)、経常利益は39,134千円(前期比76.4%減少)、当期純利益は、24,445千円(前期比66.9%減少)となりました。

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、5,159,853千円となりました。

いちご果実・青果事業は、当社と株式会社ホーブ21が行っております。その主力商品は業務用いちご果実であります。夏秋期は自社品種である「ペチカプライム」「ペチカサンタ」と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、さがほのかなど)を主に販売しております。夏秋期におきましては、7月中旬より他品種を含めた出荷量のピークが集中し、自社品種の販売で苦戦することとなりました。また促成期は、業務用いちご果実の最需要期となるクリスマス期において大手洋菓子メーカーからの受注量が減少したことや、年明け以降の入荷量が減少し、いちご市場相場価格が高止まりで推移したことなどから、予定していた売上高を確保することができませんでした。その他青果物につきましては、コンビニエンスストア向けの売上は、前期を若干上回りましたが、その他の取引先からの受注量が減少したことにより、前期を下回りました。この結果、いちご果実・青果事業の売上高は3,797,436千円(前期比8.2%減少)となりました。

種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカプライム」と「ペチカサンタ」を中心に種苗の生産販売を行っております。当連結会計年度におきましては、生産者所得の向上を図るべく、引き続き収量増加と、病害虫による被害軽減を重点に産地栽培指導に取り組んでまいりました。しかしながら、生産者の高齢化と後継者不足の影響による栽培休止や規模縮小により、自社品種の種苗販売本数は前年同期に比べて約8%減少いたしました。この結果、当連結会計年度における種苗事業の売上高は50,295千円(前期比7.5%減少)、営業利益は7,925千円(前期比44.8%減少)となりました。

馬鈴薯事業は、前第2四半期連結会計期間において連結子会社とした株式会社ジャパンポテトが行っております。同事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなり、前第3四半期連結会計期間より四半期損益計算書を連結しております。主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。当連結会計年度におきましては、種馬鈴薯の販売数量は例年よりやや減少しましたが、青果馬鈴薯の販売量拡大に努めたこと、及び春先からの九州産青果馬鈴薯の収量不足から相場が高騰したことにより、予定を上回ることができました。この結果、当連結会計年度におきましては、馬鈴薯事業の売上高は1,236,089千円となりました。

運送事業は、株式会社エス・ロジスティックスが行っております。関東圏を中心とした事業展開で、当社の商品配送を行いつつ、食品関連を中心とした一般荷主からの配送業務を積極的に受託してまいりました。この結果、当連結会計年度における、運送事業の売上高は76,032千円(前期比14.7%増加)となりました。

(売上原価)

売上原価は、当連結会計年度において4,305,146千円となりました。また、売上高原価率は、83.4%となり、この結果、売上総利益は854,706千円となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、当連結会計年度において821,084千円となりました。これは運搬費254,026千円、給料及び手当145,277千円などによるものであります。この結果、営業利益は33,622千円となりました。

(営業外収益および営業外費用)

営業外収益は、当連結会計年度において5,745千円となり、営業外費用は、当連結会計年度において234千円となりました。この結果、経常利益は39,134千円となりました。