(1)経営方針
当社の社名ホーブ「HOB」は、「Horticultural Biotechnology(施設園芸の生命科学技術)」及び「Hokkaido Biotechnology(北海道の生命科学技術)」の2つのことから名付けられており、「研究室の中だけで行われていた組織培養のバイオテクノロジー技術を実際の農業の中で活かしていこう、そのバイオテクノロジー技術を活かすことで北海道の農業を活性化させる一助となろう」という想い、「バイオテクノロジー技術を北海道の大地に根付かせよう」というのが、当社の出発点でありました。
当社はバイオテクノロジー技術を使って苗を生産し、その苗を販売するということから、さらに収穫された果実を販売するところまで事業分野は広がっております。
当社グループは、農業を基盤とし農業に立脚しながらも、農業そのものを事業として行っていくのではなく、農業生産者と消費者をつなぐかけ橋となり、当社の有する種苗、技術、情報を積極的に提供していくことによって、農業の活性化に寄与していくことを事業の根幹としております。今後も、当社の原点「バイオテクノロジーをラボラトリーからフィールドへ」、そして「消費者とともに日本の農業を考え、農業活性化の一助を担う」心積もりを経営の根幹をなす経営理念として捉えていきたいと考えております。
(2)当社を取巻く環境
新型コロナウイルス感染症の拡大懸念から、企業の収益悪化や個人消費の低迷など、厳しい環境が続くことが予想されますが、今後の広がり方や収束時期等を予測することは極めて困難であります。当社グループの事業活動においてもいちご果実・青果等の需要減少等に影響を受けておりますが、当社グループの事業活動はいちご果実・青果等の需要変動だけでなく、供給面において天候等の自然環境の影響を大きく受けることから新型コロナウイルス感染症のみの影響を把握することは困難であると認識しており、基本的には、従前からの経営方針を継続して掲げております。
①国内農業の現状
国内農業については、依然として厳しい状況が続いております。農作物の価格は低落傾向にあり、原油価格の高騰は農業用資材コストに反映されることとなり、国内農業生産者の所得も減少しております。また後継者不足、高齢化が言われ、農業生産者の減少といった現状に直面しているものと認識しております。
一方、農産物の輸入自由化が進み、海外から様々な農産物が安価で入ってくるようになり、輸入量は増大し、国内農産物の自給率は依然として低いままで推移しております。
しかしながら、最近の食の問題から消費者の安全、安心志向は強まり、国産の農産物に対する消費者の関心は高まっており、より良いものあるいは安全、安心という付加価値農産物を作る動きもあります。また新規就農者や農業生産法人を積極的に設立する動きも増え、企業が農業ビジネスへ参入するなどの変化が生じております。
②業務用いちごの現状
いちごは、農業生産物の中では極めて付加価値の高い作物と言われております。しかし、いちごは高い鮮度が要求され、衝撃、高温等の環境変化に弱いため、輸送や長期保存が難しい農業生産物であります。
現在、業務用いちごは、概ね12月から5月頃までは栃木県や福岡県を中心とした一季成性いちご※1が中心となっております。また6月から11月まではアメリカ産輸入いちごが大部分を占めており、2019年のいちご果実(生鮮)の輸入量は約3.1千トン(大部分が6月から11月までの6か月間に輸入される)であります。
アメリカ産輸入いちごは、一般に、国産に比べ食味、食感に大きく劣ると言われており、果皮が硬く、輸送性が高いため、国産いちごの供給量が少ない夏から秋にかけて、業務用として国内に入ってきております。
※1 いちごには、花芽分化形成(花となる芽のもとが作られること)に一定の条件を必要とする一季成性いちごと条件を必要としない四季成性いちごがあります。一般に知られているいちごの多くは一季成性いちごであり(とちおとめ等)、一定の条件(夜の長さが12時間以上となる日が連続する短日条件と温度の低下という低温条件)が整ってはじめて花芽が形成され、果実ができます。
(3)優先的に対処すべき業務上及び財務上の課題
①いちご果実・青果事業の収益拡大
当社は、夏秋期において自社いちご品種「ペチカほのか」「ペチカエバー」を中心に販売しております。
「ペチカほのか(商品名:夏瑞/なつみずき)」は、食味の良さが最大の特長で、年々その認知度は広がり、生食用として販売エリアが拡大するとともに、業務用としても取扱量が着実に増加しております。当社は引続き「夏瑞/なつみずき」のブランド構築、百貨店ギフトの取組み等、販売拡大に努めてまいります。
「ペチカエバー(商品名:コア)」は収量性及び秀品率の高さが特長で、業務用として最適の品種であります。当社はこの特長を活かし、夏秋期の安定的な果実の供給に努めてまいります。
この2品種を軸に、夏秋期におけるいちご果実のさらなる収益拡大に繋げてまいります。
また、促成いちご販売時期においては、適正な数量の仕入、及び品質向上に向けた仕入体制をより一層強化し、利益の改善を図ります。さらに、業務の効率化を図ることで経費を削減し、事業全体としての利益の確保に努めます。
②種苗事業の収益拡大
近年、気象条件をはじめとした栽培環境の変化や、生産者の高齢化等により、種苗の販売本数が減少傾向にあります。
「ペチカほのか」は、これまでの夏いちごにはない食味の良さから非常に高い評価を受けております。また、「ペチカエバー」については収量性や秀品率が極めて高いという特長を有しております。これら2品種の優位性を十分に活かした国内への産地展開を図るとともに、海外も視野に入れた事業を推進することで、種苗事業の収益拡大に努めます。
③馬鈴薯事業における利益の改善
馬鈴薯事業においては、種馬鈴薯の生産販売及び仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売を行っております。当社が国内販売権を有している海外オリジナル品種は、国内の一般品種とは異なる食味や色、加工適性といった特長を持っていることから、この海外オリジナル品種の販売を強化いたします。また、一般品種においては、適正な数量の仕入管理を継続することで利益改善に努めます。
④運送事業の収益の維持向上
運送事業を行う子会社「株式会社エス・ロジスティックス」は、営業基盤を関東圏に特化し、事業を展開してまいりました。人員体制を強化できたことにより、今後は、新規荷主の獲得に向けた営業を推進いたします。同時に提携業者配送を効率的に運用し、収益の維持向上を図ります。
⑤人材の育成について
当社の事業は、農業に密接に関わっております。当社では、いちご果実の生産指導を生産者に対して行っていることから、机上の学習だけでは得ることができない経験を通じて学んでいくことが重要であります。特に近年は、気象条件などの自然環境が変化してきており、その影響を軽減するためのノウハウや技術を社内で共有・継承していくために、今後も優秀な人材の育成に努める方針であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①自社品種苗及びいちご果実の生産・販売について
a.天候の影響について
当社の主要な事業は、自社品種等を中心としたいちご苗の生産及び生産農家への販売、各生産農家からの果実の仕入及び洋菓子メーカーへの販売であります。
果実の生産はビニールハウス内で行なっておりますが、気温及び日照等、天候の影響を受けることとなります。そのため、天候不順によって果実収穫量が大きく影響されないように、生産産地を北海道から東北地方へと広げてきており、さらに、天候不順であっても収穫量が大きく減少しないような栽培技術・ノウハウを蓄積してきており、生産農家に対する栽培指導の徹底に努めております。
しかしながら、天候不順の影響は完全に回避できるものではなく、猛暑、冷夏、日照不足、台風といった気象条件の変化により収穫量が変動し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
b.生産農家との契約について
当社は、自社品種苗等を生産農家に販売し、そこから収穫される当社の規格に合った果実を買取って、全国の洋菓子メーカー等に供給しております。生産農家との間で毎年「栽培契約書」を締結しておりますが、契約書の中には、当社の選果規格に合致した果実を当社が全量買取ることを内容とした条項があります。自社品種の果実は、主にケーキのトッピング(飾り)として使われるため、選果規格は厳格なものとなっております。そのため、粒の小さいものや形の整っていないもの等は規格外となり買取りの対象から外れ、当社が必要とする規格のもののみが入荷されております。
この契約により夏秋期の自社品種の果実はすべて当社から販売されることとなるメリットがありますが、天候条件等によっては収穫果実の規格あるいは時期の偏りが生じることがあります。そのような場合には、取引先の洋菓子メーカー等にいち早く情報提供を行い、使用規格の変更を依頼するなどの対応を講じておりますが、それでも販売しきれないほどの偏りが生じた場合には、当社が在庫を抱えることとなり、果実の廃棄の発生により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
c.自社品種苗の生産について
自社品種苗の生産は、組織培養から始めておよそ3年の期間を要するため、苗販売計画に基づいた見込み生産を行っております。苗販売計画は適時見直しを行い、修正が生じた場合には苗の生産も販売計画に合わせて調整しております。ただし、販売計画修正のタイミングによっては、生産調整が間に合わない場合もあり、過剰となった苗の廃棄が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
d.育種開発について
新たな種苗の開発は、様々な形質を持った系統を掛け合わせ、生育を繰り返していく中で、より優れた形質を持つ種苗を選抜していく手法が用いられます。掛け合わせと選抜の繰り返しの中から品種として確立され栽培収穫されるようになるまでには、5年から10年程度の長い期間を要します。当社は、2010年に高温時でも品質の安定した果実を生産することのできる「ペチカサンタ」、「ペチカプライム(品種登録名ペチカピュア)」の2品種を種苗登録いたしました。また、2017年には、食味の良い「夏瑞/なつみずき(品種登録名ペチカほのか)」、収量性が極めて高い「コア(品種登録名ペチカエバー)」を種苗登録し、現在はこれら2品種の生産を行っております。
当社は、優良形質がホモ※1であり、かつ水準以下の形質の少ない系統の選抜に成功しております。現在、これらを交配親とした新たな特性を持つ系統を多数選抜しており、今後も優秀な品種の開発を鋭意進めてまいります。
都道府県などでも四季成性いちごの品種開発を進めておりますが、今後新しいタイプの優秀な四季成性いちご品種が開発された場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
※1 遺伝子は必ず対となって存在しております。同じ遺伝子が対になっていることをホモ(AA)、異なる遺伝子の場合はヘテロ(Aa)と称します。ホモの場合は交配した場合すべての組み合わせにAが含まれ、その形質が高頻度で子孫に発現します。たとえばペチカの優秀な形質がホモになっていれば、交配で得られる子孫もその優秀な形質を高頻度で持っていることになります。
e.病虫害について
農産物は、屋外の圃場やビニールハウス内で栽培及び生産するため、ウイルス等への感染及び害虫の発生を防ぐことは極めて難しい問題であります。
当社は、自社品種での病虫害の発生を防ぐため、生産産地との連絡を密にし、栽培技術指導者が実際に苗・果実の生育状況を確認し、早期に異常を発見するように努めております。
しかしながら、完全な防除が困難であるため、不測の病虫害が大量、広域に発生した場合、見込みどおりの成果が得られず当社の業績に影響を与える可能性があります。
②特定人物(経営者)への依存について
代表取締役髙橋巌は、当社の創業者であり、創業以来当社の事業を推進してきております。当社では、同氏への依存度を軽減するために、2013年9月からは、当社グループ全体の経営を統括する代表取締役会長に髙橋巌が就任し、日常的な経営を執行する代表取締役社長に政場秀が就任しております。今後も同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めるべく、役職員の質的向上に注力していく所存であります。しかしながら、同氏の業務遂行が何らかの理由により困難となった場合、当社の事業展開や業績などに影響を与える可能性があります。
なお、同氏は、当連結会計年度末現在において、当社の発行済株式総数の40.02%を保有する筆頭株主であります。
③運送事業について
子会社である株式会社エス・ロジスティックスにおいて運送事業を行っております。その事業に影響を与える可能性がある事項といたしましては、環境規制をはじめ、その他法的規制などの変更・強化や、世界的な石油情勢の変動に起因する燃料費の高騰があります。また、運送業務の遂行にあたっては、安全と輸送品質の向上に努め、徹底した運行管理をいたしておりますが、万一、重大な事故が発生した場合には信用低下のみならず、補償問題や営業停止などの行政処分を受ける可能性があり、これらの事象も運送事業の遂行に影響を与える可能性があります。
④馬鈴薯事業について
種苗及びいちご果実生産と同様、天候不順や病虫害の発生により、見込み通りの成果が得られず、業績に影響を与える可能性があります。
⑤法的規制について
当社の事業及び製・商品等に対する法的規制は下表のとおりであります。
|
許可・承認の種類 |
有効期限 |
監督官庁 |
関連する法律 |
|
品種登録 |
|
農林水産省 |
種苗法 |
|
「ペチカサンタ」(登録番号第19206号) |
2035年3月 |
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「ペチカピュア」(登録番号第19528号)(商品名ペチカプライム) 「ペチカエバー」(登録番号第26015号)(商品名コア) 「ペチカほのか」(登録番号第26016号)(商品名夏瑞/なつみずき) |
2035年5月 2042年6月 2042年6月 |
||
|
千葉市地方卸売市場売買参加者(売買参加章52-72) |
― |
農林水産省 |
卸売市場法 |
(注) 当社が保有する種苗法登録品種「ペチカサンタ」「ペチカピュア」「ペチカエバー」並びに「ペチカほのか」に有する育成者権の存続期間は、上記のとおりであります。この育成者権の存続する間は、当社以外の者がこの4品種の種苗や果実の売買等を行うことができないこととなっており、当社は独占的に利用する権利を有しております。育成者権の存続期間が終了した後は、これら4品種の苗や果実を自由に栽培、利用することが可能となるため、そのときの状況によっては、当社の経営戦略や業績に影響を与える可能性があります。
⑥経営成績の変動要因について
当社グループの主要な経営指標等の推移は、以下のとおりであります。
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回次 |
第30期 |
第31期 |
第32期 |
第33期 |
第34期 |
|
|
決算年月 |
2016年6月 |
2017年6月 |
2018年6月 |
2019年6月 |
2020年6月 |
|
|
売上高(千円) |
4,485,642 |
3,722,630 |
3,870,217 |
3,591,228 |
3,230,299 |
|
|
経常利益又は経常損失(△)(千円) |
△60,466 |
△177,013 |
△59,326 |
49,207 |
26,731 |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)(千円) |
△110,133 |
△409,493 |
△64,318 |
44,633 |
28,948 |
|
|
純資産額(千円) |
868,851 |
459,874 |
395,464 |
439,777 |
468,527 |
|
|
総資産額(千円) |
1,175,398 |
821,248 |
813,712 |
1,030,435 |
970,616 |
|
(注)売上高には、消費税等は含まれておりません。
a.特定品目への依存について
当社グループの売上高構成は、いちご果実売上高の比重が高く、当連結会計年度の売上高に占めるいちご果実の構成比は66.7%となっております。そのため、天候による収穫量の変化、販売価格の低下、消費者の嗜好の変化等により、当社の経営戦略及び業績に影響を与える可能性があります。
|
売上高 (千円) |
前々連結会計年度 2018年6月期 |
前連結会計年度 2019年6月期 |
当連結会計年度 2020年6月 |
||||||
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|
構成比 (%) |
前期比 (%) |
|
構成比 (%) |
前期比 (%) |
|
構成比 (%) |
前期比 (%) |
|
|
いちご果実・青果事業 |
3,456,813 |
89.3 |
109.8 |
3,312,108 |
92.2 |
95.8 |
2,968,138 |
91.9 |
89.6 |
|
(内訳)いちご果実 (うち自社品種) |
2,642,879 (439,077) |
68.3 (11.3) |
102.3 (105.8) |
2,469,526 (410,684) |
68.8 (11.4) |
93.4 (93.5) |
2,154,203 (339,773) |
66.7 (10.5) |
87.2 82.7 |
|
青果 |
764,388 |
19.7 |
148.6 |
795,262 |
22.1 |
104.0 |
770,527 |
23.9 |
96.9 |
|
資材 |
49,545 |
1.3 |
100.2 |
47,319 |
1.3 |
95.5 |
43,407 |
1.3 |
91.7 |
|
種苗事業 |
41,406 |
1.1 |
98.5 |
44,802 |
1.2 |
108.2 |
51,790 |
1.6 |
115.6 |
|
馬鈴薯事業 |
282,422 |
7.3 |
62.7 |
149,699 |
4.2 |
53.0 |
121,114 |
3.7 |
80.9 |
|
運送事業 |
89,574 |
2.3 |
107.6 |
84,618 |
2.4 |
94.5 |
89,256 |
2.8 |
105.5 |
|
計 |
3,870,217 |
100.0 |
104.0 |
3,591,228 |
100.0 |
92.8 |
3,230,299 |
100.0 |
89.9 |
(注)いちご果実の( )は、自社品種果実で内書きであります。
b.特定の取引先への依存度が高いことについて
いちご果実・青果の販売先のうち、株式会社アイズ、トーワ物産株式会社、ベンダーサービス株式会社の上位3社に対する販売金額は、当連結会計年度において43.9%を占めております。いちご果実・青果事業の販売先は当連結会計年度において340社程度となり、上記販売先3社に対する販売金額の割合を低下させるべく、販売先の拡大を積極的にはかっております。
しかしながら、これら会社との取引の継続性や安定性は保証されていないため、これら会社の販売、価格政策、商品戦略の変更など取引関係等が変化した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
|
相手先 |
前連結会計年度 2019年6月期 |
当連結会計年度 2020年6月期 |
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|
割合(%) |
|
割合(%) |
|
|
株式会社アイズ(千円) |
517,321 |
14.4 |
544,226 |
16.8 |
|
トーワ物産株式会社(千円) |
478,276 |
13.3 |
461,008 |
14.3 |
|
ベンダーサービス株式会社(千円) |
397,550 |
11.1 |
414,045 |
12.8 |
c.市場相場価格について
促成期(12月頃から5月頃まで)のいちご果実は、青果市場において相場価格が形成されます。しかし、夏秋期(6月頃から11月頃まで)の国産いちごのほとんどは市場を経由しないため、価格は洋菓子メーカー等との交渉により決めており、促成いちごとは違い市場相場価格から受ける影響は少なくなっております。
当社が仕入、販売する促成期のいちごの価格は、市場相場価格(主に東京都中央卸売市場大田市場)に基づいて決めております。例年、12月のクリスマス時期にはデコレーションケーキの飾りとしての需要の高まりから価格は高騰し、それをピークに価格は安くなります。例えば、2019年12月における東京都中央卸売市場大田市場の「とちおとめ」の市場相場価格(Lサイズ1パック当たり価格)は、クリスマス時期に1,100円になり、2020年1月には450円まで低下しております。このように促成いちごの市場相場価格は変動があるため、当社のいちご果実売上高および利益に影響を与える可能性があります。
⑦新型コロナウイルス感染症拡大の影響について
新型コロナウイルス感染症の拡大懸念から、企業の収益悪化や個人消費の低迷など、厳しい環境が続くことが予想されますが、今後の広がり方や収束時期等を予測することは極めて困難であります。当社グループの事業活動においてもいちご果実・青果等の需要減少等に影響を受けておりますが、当社グループの事業活動はいちご果実・青果等の需要変動だけでなく、供給面において天候等の自然環境の影響を大きく受けることから新型コロナウイルス感染症のみの影響を把握することは困難であると認識しております。
仮に新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が長期化し、厳しい経済環境が継続した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは第32期連結会計年度(2018年6月期)までに継続して営業損失及び親会社株式に帰属する当期純損失を計上いたしましたが、これに対処すべく対応策を適切に実施した結果、第33期連結会計年度(2019年6月期)及び第34期連結会計年度(2020年6月期)に連続して営業利益及び親会社株式に帰属する当期純利益を計上し、継続的な業績黒字化を達成しております。
また、資金面については健全な財務バランスを保ちつつ、運転資金の効率的な調達のために必要な資金枠を確保しております。
以上を踏まえ、第34期連結会計年度(2020年6月期)において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況は、解消したと判断しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、当初は政府の経済政策や金融政策を背景に緩やかな回復傾向が見られましたが、相次ぐ自然災害の経済に与える影響や海外における不安定な政治動向、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が世界的な混乱を招き、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループの事業活動においても新型コロナウイルス感染症拡大により、いちご果実・青果等の需要減少等に影響を受けておりますが、今後の広がり方や収束時期等を予測することは極めて困難であります。また、当社グループの事業活動はいちご果実・青果等の需要変動だけでなく、供給面において天候等の自然環境の影響を大きく受けることから、新型コロナウイルス感染症のみの影響を把握することは困難であると認識しております。
このような状況の中、当社グループにおきましては、自社品種「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)の生食用販売、業務用販売を中心に、いちご果実及びその他青果物の販売に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ59,819千円減少し、970,616千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ88,568千円減少し、502,088千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ28,749千円増加し、468,527千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高は3,230,299千円(前期比10.1%減少)、営業利益は24,429千円(前期比47.2%減少)、経常利益は26,731千円(前期比45.7%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は28,948千円(前期比35.1%減少)となりました。
当連結会計年度の当社グループが営む事業は、いちご果実・青果事業、種苗事業、馬鈴薯事業、運送事業の4事業となっております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(いちご果実・青果事業)
いちご果実・青果事業の主力商品は業務用いちご果実であります。当連結会計年度においては、夏秋期は「コア」(品種登録名「ペチカエバー」)、「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)などの自社開発品種と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、さがほのかなど)を主に販売しております。
いちご果実においては、自社品種「夏瑞/なつみずき」の知名度が向上したことで生食用、業務用ともに販売が堅調に推移いたしました。しかしながら、自社品種契約生産者が減少したことと、他品種も含めた夏秋いちごの主力生産地である北海道において7月末頃から8月上旬にかけて高温環境が続いたことが原因で、その後の出荷量が極端に減少いたしました。9月下旬まで品薄状態が続くこととなり、販売数量が前年同期を下回る結果となりました。
また、最需要期となるクリスマス期は、主に関東地域において、促成いちごの定植後に発生した台風の影響が懸念されましたが、それ以上に定植後の長期にわたる曇天・日照不足が株の初期生育に影響し、市場へのいちご果実の入荷数量が少ない状況が続きました。本来であればいちご市場相場価格は高騰しますが、近年のクリスマス時期の高値相場の影響を受け、各メーカーにおけるいちごの使用数量が減少したことで、市場相場価格は前年よりも安値となりました。各メーカーのいちごの使用数量減少に伴い、販売数量も減少いたしました。
年明け以降も市場への入荷数量が過去にないほど少ない状況が続き、特に1~2月にかけて市場相場価格が例年になく高値となりました。このため、固定価格での販売先に対する利益が大幅に減少したことに加え、一部で販売数量を抑制することとなりました。さらに4月以降はコンビニエンスストア向けの販売が堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う店舗の営業自粛等の影響を受け、販売数量の減少を余儀なくされました。
その他の青果物においては、12月まではコンビニエンスストアをはじめとした既存取引先において、アイテム増加に伴いキウイやメロンなどの使用量が増加しましたが、年明け以降は使用量が減少し前年同期を下回りました。
この結果、当連結会計年度におけるいちご果実・青果事業の売上高は2,968,138千円(前期比10.4%減少)、営業利益は179,688千円(前期比19.9%減少)となりました。
(種苗事業)
種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)と「ペチカエバー」(商品名「コア」)を生産販売しております。自社いちご品種苗の販売先となる生産者は、一部を除き、栽培契約に基づいて、生産するいちご果実を当社に出荷しております。
当連結会計年度におきましては、新規に栽培を始める生産者があったことで種苗の販売本数が増加し、売上高は増加しましたが、種苗生産にかかわる経費が増加したため利益は減少いたしました。
この結果、当連結会計年度における種苗事業の売上高は51,790千円(前期比15.6%増加)、営業利益は7,560千円(前期比7.4%減少)となりました。
(馬鈴薯事業)
馬鈴薯事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなり、主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。
種馬鈴薯販売のうちオリジナル品種は、販売数量に見合った生産数量の調整をかけたことで利益率が改善いたしました。さらに、一般品種では各取引における採算面の見直しを行い、売上高は前年同期を下回りましたが、利益は改善することとなりました。
青果馬鈴薯の販売においては、市場価格の低迷により販売を控えたため、売上高、利益ともに前年同期を下回りました。
この結果、当連結会計年度における馬鈴薯事業の売上高は121,114千円(前期比19.1%減少)、営業損失は9,246千円(前期は営業損失30,914千円)となりました。
(運送事業)
運送事業は、連結子会社「株式会社エス・ロジスティックス」が行っております。関東圏を中心とした事業展開で当社の商品配送を中核としつつ、一般荷主からの配送業務受託も行っております。
当連結会計年度におきましては、本年4月以降は、新型コロナウイルス感染症の影響により一部配送の休止はありましたが、新たな一般荷主からの配送を取り込むことができたことで、売上高は増加しました。また人員の補充を行い、自社配送の増加を図れたことで利益も増加することができました。
この結果、当連結会計年度における運送事業の売上高は89,256千円(前期比5.5%増加)、営業利益は6,958千円(前期比22.3%増加)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高から27,647千円減少し、当連結会計年度末現在において264,460千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は88,669千円(前期は12,481千円の取得)となりました。これは主に、売上債権の減少額42,104千円があったものの、仕入債務の減少額157,395千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は17,332千円(前期は4,895千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出16,226千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果取得した資金は86,992千円(前期は86,987千円の取得)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出580,000千円があったものの、短期借入による収入680,000千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
前年同期比(%) |
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種苗事業(千円) |
35,179 |
130.1 |
|
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馬鈴薯事業(千円) |
13,115 |
77.3 |
|
|
全社(千円) |
7,926 |
57.3 |
|
|
合計(千円) |
56,221 |
97.2 |
|
(注)1 金額は当期製品製造原価によっております。
2 全社の記載額は、新品種の開発及び栽培方法の研究のため研究圃場を有しており、研究開発段階で生産されたいちご果実を販売しているための製品製造原価であります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
|
いちご果実・青果事業(千円) |
2,399,238 |
90.3 |
|
|
馬鈴薯事業(千円) |
91,336 |
68.5 |
|
|
合計(千円) |
2,490,574 |
89.2 |
|
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
|
いちご果実・青果事業(千円) |
2,968,138 |
89.6 |
|
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種苗事業(千円) |
51,790 |
115.6 |
|
|
馬鈴薯事業(千円) |
121,114 |
80.9 |
|
|
運送事業(千円) |
89,256 |
105.5 |
|
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合計(千円) |
3,230,299 |
89.9 |
|
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 2019年6月期 |
当連結会計年度 2020年6月期 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社アイズ |
517,321 |
14.4 |
544,226 |
16.8 |
|
トーワ物産株式会社 |
478,276 |
13.3 |
461,008 |
14.3 |
|
ベンダーサービス株式会社 |
397,550 |
11.1 |
414,045 |
12.8 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比較して78,274千円減少し、当連結会計年度末で863,362千円となりました。これは主に、現金及び預金、売掛金が減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末と比較して18,455千円増加し、当連結会計年度末で107,253千円となりました。これは主に、機械装置及び運搬具、繰延税金資産が増加したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比較して77,425千円減少し、当連結会計年度末で368,615千円となりました。これは主に、短期借入金が増加したものの、買掛金が減少したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末と比較して11,142千円減少し、当連結会計年度末で133,473千円となりました。これは主に、役員退職慰労引当金が増加したものの、長期借入金が減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して28,749千円増加し、当連結会計年度末で468,527千円となりました。この結果、自己資本比率は48.3%になっております。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、3,230,299千円となりました。
いちご果実・青果事業の主力商品は業務用いちご果実であります。当連結会計年度においては、夏秋期は「コア」(品種登録名「ペチカエバー」)、「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)などの自社開発品種と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、さがほのかなど)を主に販売しております。いちご果実においては、自社品種「夏瑞/なつみずき」の知名度が向上したことで生食用、業務用ともに販売が堅調に推移いたしました。しかしながら、自社品種契約生産者が減少したことと、他品種も含めた夏秋いちごの主力生産地である北海道において7月末頃から8月上旬にかけて高温環境が続いたことが原因で、その後の出荷量が極端に減少いたしました。9月下旬まで品薄状態が続くこととなり、販売数量が前年同期を下回る結果となりました。また、最需要期となるクリスマス期は、主に関東地域において、促成いちごの定植後に発生した台風の影響が懸念されましたが、それ以上に定植後の長期にわたる曇天・日照不足が株の初期生育に影響し、市場へのいちご果実の入荷数量が少ない状況が続きました。本来であればいちご市場相場価格は高騰しますが、近年のクリスマス時期の高値相場の影響を受け、各メーカーにおけるいちごの使用数量が減少したことで、市場相場価格は前年よりも安値となりました。各メーカーのいちごの使用数量減少に伴い、販売数量も減少いたしました。年明け以降も市場への入荷数量が過去にないほど少ない状況が続いたため、販売数量を抑制することとなりました。さらに4月以降はコンビニエンスストア向けの販売が堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う店舗の営業自粛等の影響を受け、販売数量の減少を余儀なくされました。その他の青果物においては、12月まではコンビニエンスストアをはじめとした既存取引先において、アイテム増加に伴いキウイやメロンなどの使用量が増加しましたが、年明け以降は使用量が減少し前年同期を下回りました。この結果、当連結会計年度におけるいちご果実・青果事業の売上高は2,968,138千円(前期比10.4%減少)となりました。
種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)と「ペチカエバー」(商品名「コア」)を生産販売しております。自社いちご品種苗の販売先となる生産者は、一部を除き、栽培契約に基づいて、生産するいちご果実を当社に出荷しております。当連結会計年度におきましては、新規に栽培を始める生産者があったことで種苗の販売本数が増加しいたしました。この結果、当連結会計年度における種苗事業の売上高は51,790千円(前期比15.6%増加)となりました。
馬鈴薯事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなり、主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。種馬鈴薯販売のうちオリジナル品種は、販売数量に見合った生産数量の調整をいたしました。さらに、一般品種では各取引における採算面の見直しを行い、売上高は前年同期を下回りました。青果馬鈴薯の販売においては、市場価格の低迷により販売を控えることとなりました。この結果、当連結会計年度における馬鈴薯事業の売上高は121,114千円(前期比19.1%減少)となりました。
運送事業は、連結子会社「株式会社エス・ロジスティックス」が行っております。関東圏を中心とした事業展開で当社の商品配送を中核としつつ、一般荷主からの配送業務受託も行っております。当連結会計年度におきましては、本年4月以降は、新型コロナウイルス感染症の影響により一部配送の休止はありましたが、新たな一般荷主からの配送を取り込むことができたことで、売上高は増加しました。この結果、当連結会計年度における運送事業の売上高は89,256千円(前期比5.5%増加)となりました。
(売上原価)
売上原価は、当連結会計年度において2,620,148千円となりました。また、売上高原価率は、81.1%となり、この結果、売上総利益は610,151千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、当連結会計年度において585,721千円となりました。これは運搬費192,289千円、給料及び手当115,487千円などによるものであります。この結果、営業利益は24,429千円となりました。
(営業外収益および営業外費用)
営業外収益は、当連結会計年度において2,463千円となり、営業外費用は、当連結会計年度において161千円となりました。この結果、経常利益は26,731千円となりました。
②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報の分析・検討内容
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
|
項目 |
2018年6月期 |
2019年6月期 |
2020年6月期 |
|
自己資本比率(%) |
48.6 |
42.7 |
48.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
89.9 |
60.8 |
70.2 |
|
債務償還年数(年) |
- |
10.5 |
- |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
74.7 |
- |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※営業キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※2018年6月期及び2020年6月期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、記載しておりません。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループが営む事業における資金需要の主なものは、仕入活動、生産活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるものの他、生産・配送設備等に係る設備資金であります。
これらの資金需要に対し、内部資金の活用を基本としつつ、一部設備資金については金融機関からの借入により資金調達を行っております。また、最需要期となるクリスマス期を含めた運転資金の効率的な調達のために金融機関と当座貸越契約を締結するなど、必要な資金枠を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる会計上の見積りについては、合理的な基準に基づいて実施しております。当社グループの連結財務諸表及び財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び2.財務諸表等「注記事項(重要な会計方針)」にそれぞれ記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する仮定の情報は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(追加情報)」及び2.財務諸表等「注記事項(追加情報)」にそれぞれ記載しております。
当社は、自社品種いちご果実の栽培について、生産農家との間で「栽培契約書」を締結しております。その主な内容は、以下のとおりであります。
|
契約締結先 |
期間 |
主な内容 |
|
生産農家個人 |
契約締結日から1年間 (自動更新規定なし) |
・いちご果実の生産が目的であること ・当社が販売する苗の品種及び数量 ・当社選果規格に合致する果実をすべて当社へ出荷すること ・種苗の他人への譲渡、増殖、保存等の禁止 |
(注)1 契約締結先は、農業生産法人あるいは農業協同組合の場合もあります。
2 契約期間は1年間で満了しますが、種苗の他人への譲渡、増殖、保存等の禁止規定は期間満了後も効力を有することとなっております。
いちご新品種の育種開発
夏秋期の国産いちごを安定的に供給するためには、多様な気象条件や栽培方法に適応する品種の開発が重要であります。当社は、高温期でも果実品質の安定した品種、「ペチカサンタ」(2010年3月 品種登録)、「ペチカプライム」(2010年5月 品種登録 登録品種名「ペチカピュア」)を開発しました。また、2017年6月には、極めて収量性の高い「ペチカエバー」、食味の良さが特長の「ペチカほのか」の品種登録を完了し、現在これら2品種の特長を活かした産地展開を図っております。当社はこれに甘んじることなく、今後も栽培の省力化が図れ、かつ生産性の高い品種、耐暑性など環境適応性の高い品種の開発をさらに進めてまいります。当社の優位性を揺るぎないものにするために、今後もより優れた競争力のある品種の作出に向け、研究開発を続けてまいります。
なお、品種の研究開発は、次の手順により実施しております。
①交配
様々な品種の掛け合わせにより、果実を作り、種を取り出します。
②一次選抜
交配により得られた苗のうち、優れた形質を持つものを選抜します。
③二次選抜
一次選抜された苗をランナー※1で増殖し、再度、果実の形質及び収量性等を検証し、選抜します。
※1 親苗から横に長く伸びる側枝(茎)。節からわき芽や根を出し、新しい苗(子苗)となります。さらに、この子苗からもランナーは発生し、苗が増えていきます。
④生産力検定
二次選抜されたものを対象に100本程度の栽培評価を行い、病虫害あるいは環境変化への適応性、収穫時の作業性、果実の輸送性等を検証します。
⑤新品種登録、普及
生産力検定の結果、優良なものは種苗法品種登録の候補となります。当社は、育種した優良な種苗については、品種登録を行っていく方針であります。また、その品種を用い、新たな産地を形成していくことも可能となります。
当社は長年の育種研究の結果、耐暑性、収量性、果実品質、食味等の優良な形質を持つ育種親を確保維持するとともに、交配、選抜等の育種ノウハウを保有しております。今後こうした研究資源を効率的に活用し、夏秋いちご品種の開発に鋭意努力してまいります。
以上の研究開発活動を行い、当連結会計年度は
なお、研究開発の結果得られた優良な品種は、種苗事業において種苗を生産し、生産農家等に販売しております。また生産農家等から出荷される当該品種の果実はいちご果実・青果事業において、仕入販売を行っております。従いまして、研究開発活動は、種苗事業といちご果実・青果事業にかかわっております。