第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大は、今後の経過によっては、当社の事業活動および収益確保に影響を及ぼす可能性があり、引き続き注視してまいります。

(継続企業の前提に関する重要事象等)

当社グループは第32期連結会計年度までに継続して営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、第33期連結会計年度においては46百万円の営業利益、44百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、業績黒字化を達成しております。また、当第3四半期連結会計期間末において現金及び預金329百万円を保有していることに加え、運転資金の効率的な調達のために当座貸越契約を締結するなど、必要な資金枠を確保しており、さらに、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(5)重要事象等について」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、四半期連結財務諸表への注記は記載しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

     文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、当初は政府の経済政策や金融政策を背景に緩やかな回復傾向が見られましたが、相次ぐ自然災害の経済に与える影響や海外における不安定な政治動向、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が世界的な混乱を招き、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループにおきましては、自社品種「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)の生食用販売、業務用販売を中心に、いちご果実及びその他青果物の販売に注力してまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,391,947千円(前年同期比12.1%減少)、営業利益21,048千円(前年同期比49.5%減少)、経常利益22,593千円(前年同期比49.0%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益18,115千円(前年同期比52.3%減少)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

(いちご果実・青果事業)

いちご果実・青果事業の主力商品は業務用いちご果実であります。当第3四半期連結累計期間においては、夏秋期は「夏瑞/なつみずき」(品種登録名「ペチカほのか」)、「コア」(品種登録名「ペチカエバー」)などの自社開発品種と輸入いちごを、その後は国産促成いちご(とちおとめ、紅ほっぺなど)を主に販売しております。

いちご果実においては、自社品種「夏瑞/なつみずき」の知名度が向上したことで生食用、業務用ともに販売が堅調に推移いたしました。しかしながら、自社品種契約生産者が減少したことと、他品種も含めた夏秋いちごの主力生産地である北海道において7月末頃から8月上旬にかけて高温環境が続いたことが原因で、その後の出荷量が極端に減少いたしました。9月下旬まで品薄状態が続くこととなり、販売数量が前年同期を下回る結果となりました。

また、最需要期となるクリスマス期は、主に関東地域において、促成いちごの定植後に発生した台風の影響が懸念されましたが、それ以上に定植後の長期にわたる曇天・日照不足が株の初期生育に影響し、市場へのいちご果実の入荷数量が少ない状況が続きました。本来であればいちご市場相場価格は高騰しますが、近年のクリスマス時期の高値相場の影響を受け、各メーカーにおけるいちごの使用数量が減少したことで、市場相場価格は前年よりも安値となりました。各メーカーのいちごの使用数量減少に伴い、販売数量も減少いたしました。

年明け以降も市場への入荷数量が例年にないほど少ない状況が続き、特に1~2月にかけて市場相場価格が例年にないほど高値となりました。このため、固定価格での販売先に対する利益が大幅に減少したことに加え、一部で販売数量を抑制することとなりました。

以上により、当第3四半期連結累計期間のいちご果実の売上高、利益は前年同期を下回りました。

その他の青果物においては、12月まではコンビニエンスストアをはじめとした既存取引先において、アイテム増加に伴いキウイやメロンなどの使用量が増加しましたが、年明け以降は使用量が減少し前年同期を下回ったため、当第3四半期連結累計期間の売上高は微減し、利益は微増にとどまりました。

この結果、いちご果実・青果事業の売上高は2,168,254千円(前年同期比12.5%減少)、営業利益は137,548千円(前年同期比20.7%減少)となりました。

(種苗事業)

種苗事業は、自社いちご品種の「ペチカほのか」(商品名「夏瑞/なつみずき」)と「ペチカエバー」(商品名「コア」)を生産販売しております。栽培方法には、秋に苗を定植し翌年春から秋にかけて果実を生産する秋定植と、春に苗を定植し夏から秋にかけて果実を生産する春定植の、概ね2体系の作型があります。当第3四半期連結会計期間においては、秋定植用苗の販売を終え、春定植用苗の販売を行っております。

当第3四半期連結累計期間におきましては、新規に栽培を始める生産者があったことから種苗の販売本数は増加しましたが、栽培指導受託に関わる収益が当期は発生しなかったため、売上高は増加したものの利益は微減いたしました。

この結果、種苗事業の売上高は36,946千円(前年同期比16.3%増加)、営業利益は3,377千円(前年同期比1.6%減少)となりました。

(馬鈴薯事業)

馬鈴薯事業は、主に種馬鈴薯の生産販売、仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売からなります。主要売上品である種馬鈴薯には、秋から春にかけて販売する春作と夏に販売する秋作の2体系がありますが、そのメインは春作種馬鈴薯です。当第3四半期連結会計期間におきましては、主に春作種馬鈴薯の販売を行っております。

種馬鈴薯販売のなかのオリジナル品種は、販売数量に見合った生産数量の調整をかけたことで利益率が改善いたしました。さらに、一般品種では各取引における採算面の見直しを行い、売上高は前年同期を下回りましたが、利益は改善することとなりました。

青果馬鈴薯の販売においては、市場価格の低迷により販売を控えたため、売上高、利益ともに前年同期を下回りました。

この結果、馬鈴薯事業の売上高は118,577千円(前年同期比18.7%減少)、営業損失は3,743千円(前年同期は営業損失18,078千円)となりました。

(運送事業)

運送事業は、株式会社エス・ロジスティックスが行っております。関東圏を中心とした事業展開で当社の商品配送を中核としつつ、一般荷主からの配送業務受託も行っております。当第3四半期連結累計期間におきましては、新たな一般荷主からの配送業務を開始できたことから、売上高、利益ともに前年同期を上回りました。

この結果、運送事業の売上高は68,169千円(前年同期比3.6%増加)、営業利益は7,778千円(前年同期比49.1%増加)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比較して243,508千円減少し、当第3四半期連結会計期間末で698,129千円となりました。これは現金及び預金が増加したものの、売掛金が減少したことが主因であります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末と比較して11,844千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で100,642千円となりました。これは機械装置及び運搬具が増加したことが主因であります。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比較して239,294千円減少し、当第3四半期連結会計期間末で206,747千円となりました。これは買掛金が減少したことが主因であります。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末と比較して10,256千円減少し、当第3四半期連結会計期間末で134,359千円となりました。これは長期借入金が減少したことが主因であります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末と比較して17,886千円増加し、当第3四半期連結会計期間末で457,664千円となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の42.7%から57.3%となっております。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は17,017千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)重要事象等について

「1.事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループは第32期連結会計年度までに継続して営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、第33期連結会計年度においては46百万円の営業利益、44百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、業績黒字化を達成しております。また、当第3四半期連結会計期間末において現金及び預金329百万円を保有していることに加え、運転資金の効率的な調達のために当座貸越契約を締結するなど、必要な資金枠を確保していることから、資金面に支障はないと判断しております。さらに、以下に示す課題への対処を的確に行うことにより、当該重要事象等が早期に解消されるよう取り組んでまいります。以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、四半期連結財務諸表への注記は記載しておりません。

①いちご果実・青果事業の収益拡大

当社は、夏秋期において自社いちご品種「ペチカほのか」「ペチカエバー」を中心に販売を行っております。

「ペチカほのか」は、2016年より本格的に生産が始まり、北海道で生産されたものを商品名「夏瑞/なつみずき」として販売しております。本品種は、これまでの夏秋いちごには存在しなかった、生食用としての市場を展開できる食味の良さが最大の特長であります。販売開始以来、生食用に加え、業務用としても販売先数が着実に増加し、年々その認知度は広がってきているものと認識しております。当社は引続きこの特長を活かし、「夏瑞/なつみずき」のブランド構築、販売拡大に努めてまいります。

「ペチカエバー」は商品名を「コア」とし、2017年より本格的に生産を開始しております。本品種は収量性及び秀品率の高さが特長で、業務用として最適の品種であります。当社はこの特長を活かし、夏秋期の安定的な果実の供給に努めてまいります。

今後はこの2品種を展開することで、夏秋期におけるいちご果実のさらなる収益拡大に繋げてまいります。また、促成いちご販売時期においては、適正な数量の仕入、及び品質向上に向けた仕入体制をより一層強化し、利益の改善を図ります。さらに、顧客への配送の効率化を図ることで運送費を削減し、事業全体としての利益の確保に努めます。

②種苗事業の収益拡大

これまで夏秋期に生産されるいちごは主に業務用として使用され、冬春期のように生食用の市場はほとんどなく、また生食用に適する品種は存在しませんでした。新品種「ペチカほのか」はこれまでの夏秋いちごにはない食味の良さを有していることから、生食用を主体とした産地展開を図ります。加えて、収量性の高い新品種「ペチカエバー」を業務用の産地に展開することで、種苗事業の収益拡大に努めてまいります。

③馬鈴薯事業における利益の改善

馬鈴薯事業においては、種馬鈴薯の生産販売及び仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売を行っております。当社が国内販売権を有している海外オリジナル品種は、国内の一般品種とは異なる食味や色、加工適性といった特長を持っていることから、この海外オリジナル品種の販売を強化し、また、適正な数量の仕入管理を行うことで利益改善に努めます。

④運送事業の収益の維持向上

運送事業を行う子会社「株式会社エス・ロジスティックス」は、営業基盤を関東圏に特化し、事業を展開してまいりました。今後は、人員確保に努め、自社配送を強化いたします。さらに、提携業者配送を効率的に運用することに加え、新規荷主からの運送受託に向けた営業をより一層強化して、収益の維持向上を図ります。

⑤人材の育成について

当社の事業は、農業に密接に関わっております。当社では、いちご果実の生産指導を生産者に対して行っていることから、机上の学習だけでは得ることができない経験を通じて学んでいくことが重要であります。特に近年は、気象条件などの自然環境が変化してきており、その影響を軽減するためのノウハウや技術を社内で共有・継承していくために、今後も優秀な人材の育成に努める方針であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

当社は、自社品種いちご果実の栽培について、生産農家との間で「栽培契約書」を締結しております。その主な内容は、以下のとおりであります。

契約締結先

期間

主な内容

生産農家個人

契約締結日から1年間

(自動更新規定なし)

・いちご果実の生産が目的であること

・当社が販売する苗の品種及び数量

・当社選果規格に合致する果実をすべて当社へ出荷すること

・種苗の他人への譲渡、増殖、保存等の禁止

 (注)1 契約締結先は、農業生産法人あるいは農業協同組合の場合もあります。

2 契約期間は1年間で満了しますが、種苗の他人への譲渡、増殖、保存等の禁止規定は期間満了後も効力を有することとなっております。