第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進む一方、個人消費の低迷に加え、中国をはじめとする新興国経済の成長鈍化や保護主義の台頭を含む欧米の政治リスク等が世界の実体経済に及ぼす影響が懸念されるなど、依然として不透明な状況が続いております。

水産・食品業界におきましては、食の安心・安全に対する消費者の関心は高く、さらに少子高齢化による国内マーケット環境の変化や人手不足による労働コストの上昇に加え、世界的な水産物需要の増大による買付コストの上昇など、厳しい状況は続いております。

このような状況のもとで、中期経営計画『バリューアップ・キョクヨー2018』の2年目として、『魚に強い総合食品会社として、収益基盤の安定と変化への対応力を高め、新たな価値を創造する企業を目指す』ことを基本方針とし、目標達成に向けて取り組んでまいりました。

その結果、当社グループの売上高は2,365億61百万円(前期比4.4%増)、営業利益は37億23百万円(前期比53.0%増)、経常利益は37億9百万円(前期比31.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益24億22百万円(前期比34.6%増)となりました。

セグメント別の事業概況は次のとおりです。
 なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。

 

①水産商事セグメント

全体として魚価が堅調に推移し、鮭鱒・エビ等の取扱いを伸ばしました。またサバなどの凍魚加工品や定塩鮭製品、むきエビ等の付加価値製品の拡販に努めました。海外での水産物販売についても中国や米国マーケットでの拡販に努めました。この結果、この部門は売上・利益ともに前期を上回りました。

この部門の売上高は1,214億20百万円(前期比9.7%増)、営業利益は29億18百万円(前期比61.8%増)となりました。

 

②冷凍食品セグメント

水産冷凍食品事業では寿司種を中心とした生食用商品及び『だんどり上手』シリーズなどの加熱用商品の拡販に努めました。また調理冷凍食品事業ではエビ加工品やかに風味かまぼこの販売が伸長しました。家庭用冷凍食品事業では商品群を増やし、塩釜新工場製品の販売も伸長しました。ホタテの原料価格高騰などにより、この部門の売上は前期を下回りましたが、直系工場製品の拡販に努めた結果、利益は前期を上回りました。

この部門の売上高は683億4百万円(前期比2.0%減)、営業利益は6億55百万円(前期比294.3%増)となりました。

 

 

③常温食品セグメント

サバやイワシなどの水産缶詰の拡販に努めるとともに、価格改定や商品集約などを図りました。また、海産珍味類の販売は大手コンビニ向け製品を中心に順調に推移しました。この結果、売上は前期を上回りましたが、海産珍味類の原料であるイカの不漁に起因した原料価格高騰により、利益は前期を下回りました。

この部門の売上高は188億16百万円(前期比4.8%増)、営業利益は1億2百万円(前期比73.7%減)となりました。

 

④物流サービスセグメント

冷蔵倉庫事業は、入庫貨物の確保を図り、引き続き営業力強化と事業の効率化に努め、売上・利益ともに前期を上回りました。一方、冷蔵運搬船事業においては、長引く海運市況の悪化により、全ての所有船舶の売却を行いこの事業から撤退いたしました。この結果、この部門は売上・利益ともに前期を下回りました。

この部門の売上高は16億4百万円(前期比45.8%減)、営業利益は1億38百万円(前期比36.0%減)となりました。

 

⑤鰹・鮪セグメント

加工及び販売事業は、引き続き地中海本鮪やインド鮪等の取扱いを伸ばし、外食、量販店向けに拡販を図りました。養殖事業は、漁場や漁獲規制が厳しくなるなか天然種苗の確保を図るとともに、来年度の完全養殖魚初出荷に向けて養殖技術向上に努めました。海外まき網事業は、東沖操業の不漁により水揚げ数量が減少したものの、魚価は昨年に比べ高値で推移しました。この結果、この部門は売上・利益ともに前期を上回りました。

この部門の売上高は260億9百万円(前期比4.5%増)、営業利益は6億96百万円(前期比96.5%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フロー

現金及び現金同等物に係る換算差額

現金及び現金同等物の増減額

現金及び現金同等物の期首残高

現金及び現金同等物の期末残高

2,689

△5,114

2,482

△90

△33

4,070

4,030

601

△1,998

105

△167

△1,458

4,030

2,572

△2,087

3,115

△2,376

△76

△1,424

△40

△1,458

 

 

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより、6億1百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、19億98百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加などにより、1億5百万円の収入となりました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首残高より14億58百万円減少し、25億72百万円となりました。

 

 

2 【生産・仕入、受注及び販売の状況】

(1) 生産・仕入実績

当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

水産商事

131,770

7.4

冷凍食品

36,644

△13.9

常温食品

15,200

7.9

物流サービス

鰹・鮪

23,828

2.4

その他

548

13.0

合計

207,993

2.4

 

 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。

   4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。 

 

(2) 受注実績

受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

水産商事

121,420

9.7

冷凍食品

68,304

△2.0

常温食品

18,816

4.8

物流サービス

1,604

△45.8

鰹・鮪

26,009

4.5

その他

406

△3.0

合計

236,561

4.4

 

 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。

   4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは企業理念として、人間尊重を経営の基本に、健康で心豊かな生活と食文化に貢献し、社会とともに成長することを目指しております。その実現のため、水産物を中心とした総合食品会社として成長するとともに、安心・安全な食品の供給と環境保全を経営の重点課題に掲げております。また、内部統制システムを整備し企業倫理の徹底、法令の遵守、情報の共有化を進めるとともに、的確な情報開示による透明度の高い事業運営を行うことにより企業価値を高め、社会に貢献してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題

水産・食品業界を取り巻く環境は、少子高齢化や世帯人員減少、ライフスタイルの変化による食へのニーズの多様化等もあり、企業間競争は激化の一途を辿っております。加えて、世界的な水産物需要の拡大や資源管理強化による供給量の減少などにより、水産物原料の確保については、厳しい状況が続くものと思われます。一方で水産物をおいしく手軽に食べたいといった消費者のニーズは年々増加しております。更に、アジアでは経済成長に伴い加工食品市場は拡大が見込まれております。
 こうしたなか今年度当社グループは、中期経営計画『バリューアップ・キョクヨー2018』の最終年度を迎えます。『魚に強い総合食品会社として、収益基盤の安定と変化への対応力を高め、新たな価値を創造する企業を目指す』という基本方針のもと、『グローバル戦略』、『シナジー戦略』、『差別化戦略』という3つの事業戦略を柱に、目標達成に向けて取り組んでおります。

各部門の施策は次の通りであります。

水産商事セグメントでは、引き続き水産物についての豊富な経験と国内外のサプライヤーとの持続的な関係強化により、質の高い水産物の安定供給維持に努めます。また、国産魚など取扱い魚種の拡大、付加価値商品の製造・販売、さらにグループの海外拠点の拡充と海外マーケットの積極的な開拓を行います。

冷凍食品セグメントでは、塩釜新工場をフルに活用し、業務用冷凍食品、家庭用冷凍食品の事業規模の拡大を図ります。また、水産商事事業との協業による原料から加工・販売まで一貫体制の強化、即食商品などの付加価値商品の製造・販売、更には生産拠点の最適化を図るべく、東南アジアを中心とした海外生産拠点の分散・拡大なども進めてまいります。

常温食品セグメントでは、缶詰事業は独自性のある商品の開発を進めるほか、ECサイトなどの販売チャンネルを多様化させ、事業規模を拡大していきます。珍味加工品事業は、商品開発力・提案力をアップさせるとともに、需要の増加に対応するため、グループ全体で効率的な生産体制を構築してまいります。

物流サービスセグメントでは、冷蔵倉庫事業において集荷貨物の安定的な確保と拡大を図るとともに、事業の効率化に努めてまいります。

 

鰹・鮪セグメントでは、漁獲、養殖、国内外における買付から加工、販売まで一貫した体制のもと収益安定化を図ってまいります。海外まき網事業は、所有船舶の効率的な運航に努めるとともに、高品質な付加価値商品の生産に努めます。養殖事業は『本鮪の極』ブランドの更なる強化に努めるとともに、本年度初出荷が予定されている完全養殖クロマグロの事業化に向けて、安定供給体制を構築してまいります。加工及び販売事業は、引き続き国内外生産拠点の整備拡充と、海外への販路を広げてまいります。また、海外まき網事業との連携により、自社漁労原料の加工に注力し、加工品の内製化と販売の拡大を図ってまいります。

管理面につきましては、財務体質の強化を図り、自己資本比率の向上、キャッシュ・フローの改善、成長分野への利益の再投資に取り組むとともに、環境に配慮した経営の徹底、コンプライアンスの強化等を通じて企業価値の向上に努めます。

以上により、消費者に安心・安全な食品を提供し続けることを責務とし、安定的な収益の確保及び財務体質の改善を推進することによって、企業価値の向上と社会貢献を図ってまいりますので、なお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループにおける中期的な連結経営指標の目標は自己資本当期純利益率10%、自己資本比率30%、有利子負債資本倍率2倍以内を目標としております。なお当期(平成29年3月期)実績は自己資本当期純利益率が10.2%、自己資本比率が25.6%、有利子負債資本倍率が2.0倍でした。

 

(4) 当社株式の大量買付行為への対応方針

当社は、平成26年6月24日開催の第91回定時株主総会において、『当社株式の大規模買付行為へ
の対応方針(買収防衛策)』(以下「旧プラン」といいます。)の継続について株主の皆様にご承認い
ただき、その有効期限は平成29年6月27日開催の第94回定時株主総会終結の時までとなっていまし
た。
そこで、当社は平成29年5月11日開催の当社取締役会において、旧プランの内容を継続(以下、
変更後の対応方針を「本プラン」といいます。)することを決定いたしました。本プランの継続に
ついては、平成29年6月27日開催の第94回定時株主総会における株主の皆様によるご承認を条件と
していましたが、当該定時株主総会において、株主の皆様によるご承認をいただけましたことか
ら、本プランの継続が決定いたしました。

当該方針の概要は下記のとおりです。なお詳細につきましては当社ホームページ掲載の「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」本文をご参照ください。 

(参考URL http://www.kyokuyo.co.jp/wp-content/uploads/post/pdf/1705113.pdf)

 

 

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針

上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案又はこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の意思により判断されるべきであると考えております。

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、ならびに当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。

従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

そのため、当社取締役会は、万一、当社の支配権の移転を伴う大量買付を意図する者が現れた場合は、買付者に買付の条件ならびに買収した場合の経営方針、事業計画等に関する十分な情報を提供させ、当社取締役会や、必要な場合には株主がその内容を検討し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間を確保することが、最終判断者である株主の皆様に対する当社取締役会の責務であると考えております。

 

② 基本方針の実現に資する取組み

当社は、上記基本方針に照らし、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、次の施策を実施しております。

ア.中期経営計画の策定

当社は、当社の企業価値、株主共同の利益を向上させるため、平成27年度から平成29年度までの3ヵ年中期経営計画『バリューアップ・キョクヨー2018』を策定し、『グローバル戦略』と『シナジー戦略』に新たに『差別化戦略』を加えた3つを基本戦略として事業展開をしております。

イ.コーポレート・ガバナンスの強化

当社は企業統治(コーポレート・ガバナンス)に関しては、公正な経営を維持することが基本であると考えております。取締役会・監査役会・会計監査人による監査など法律上の機能に加え、内部統制機能の強化により経営の透明性向上とコンプライアンスを徹底し、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制を構築することで、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組み

当社取締役会は、上記の基本的な考え方に立ち、大規模買付者が取締役会に対して事前に必要かつ十分な情報提供をし、取締役会による一定の検討時間が経過した後に大規模買付行為を開始するといった一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対して大規模買付ルールの遵守を求めます。

 

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合は原則として対抗措置はとりません。当該買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、ご判断いただくことになります。但し、買収行為が結果として会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、取締役の善管注意義務に基づき、例外的に対抗措置を取ることがあります。大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、対抗措置をとり買収行為に対抗する場合があります。具体的な対抗措置をとることを決定した場合には、その内容につきまして速やかに開示いたします。

本プランの有効期限は平成32年6月に開催される定時株主総会となっておりますが、有効期限の満了前であっても、株主総会あるいは取締役会において本プランを変更、廃止する旨の決議が行われた場合は、その時点で変更、廃止されるものとします。本プランについて変更、廃止等の決定を行った場合には、その内容につきまして速やかに開示いたします。

本プランにおける対抗措置の発動等の判断に際しては、当社の業務執行から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。

なお、取締役会は、以下の理由から、本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社経営陣の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

ア.買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること

イ.株主意思を重視するものであること

ウ.独立性の高い社外者の判断を重視していること

エ.合理的な客観的要件を設定していること

オ.独立した外部専門家の意見を取得していること

カ.デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状況などに影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のとおり想定されます。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。

(1) 食品の安全性の問題

当社グループは、総合食品グループとして安心・安全な商品およびサービスを提供し、消費者・ユーザーの信頼を獲得することを最重要課題としております。当社では品質保証部を設置し、当社及び当社グループ全体を対象として品質保証体制の構築と維持管理を行い、継続的に見直しを図っております。また社内規則を整備するなどして食品事故を未然に防ぐとともに、問題が発生した場合でも速やかに対応できる体制を構築しております。しかしながら、当社の管理体制でカバーしきれない不測の製品クレームなどが発生した場合、製品の回収など想定外の費用の発生やグループ信用力の低下により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

また原材料の調達や当社製品の加工・製造を行っている国や地域における食品の安全性に係わる問題の発生により、出荷制限や輸入禁止措置が発令された場合に原材料の調達及び製品の供給に支障をきたし、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。   

(2) 海外事業に関するリスク

当社グループは、中国・東南アジアでの海外加工をはじめとして、欧州、北米などで海外事業を営んでおりますが、海外における物流システムの不備、予期しない法律または規制の変更、テロ、暴動などの要因による社会的混乱が、当社グループの業績とそれらの国々における在庫資産に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 原材料価格の変動

当社グループは国内外から水産物をはじめとする原材料を買付しております。しかしながら漁獲規制の強化や水揚げ数量の変動など予想以上に原材料市況に影響を与える事象が生じた場合、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替レートの変動

当社グループは、水産物を中心に原材料・製品の輸出入など為替変動の影響を受ける事業を行っております。円建て決済、為替予約などによるリスクヘッジで、為替レートの急激な変動による影響を最小限にとどめる対応を行っておりますが、当該リスクを完全に回避する方策はなく、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

一般的には、水産物の外貨建て輸入代金決済において円安はコスト高に、外貨建て輸出代金決済において円高は売上収入の減少になります。

(5) 自然災害への対応

当社グループは、大規模な地震をはじめとする自然災害が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの整備などの対策を講じておりますが、被害が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報システムに関するリスク

当社グループは、コンピューターウィルス感染などによるシステム障害や情報漏洩に対し、適切な対策を講じておりますが、予測不能のウィルスの進入や情報への不正アクセスなどにより、事業運営に支障をきたす場合や内部情報が漏洩するおそれがあり、その結果、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 原油価格の変動

当社グループは、海外まき網船の操業など重油を燃料とした事業を行っております。効率的な事業運営を図っておりますが、原油価格の高騰はコストの上昇につながり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 養殖事業におけるリスク

当社グループは、マグロ類資源に対する漁獲規制などが年々厳しくなる中、原料の確保を目的に本鮪の養殖事業を行っております。施設管理に細心の注意を払い、歩留まりの向上に努めておりますが、予防困難な魚病、台風や津波など自然災害によって魚の大量斃死や養殖設備が破損する場合があります。また、ヨコワの漁獲規制により、今後天然種苗を利用した規模拡大は難しくなってきており、このため完全養殖への取り組みを早急に進めておりますが、予定の漁獲量に達しない場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、食生活にとって大切な動物性蛋白質資源及びその他の食料資源をより有効に活用すること、また、安心・安全で豊かな食生活を実現することを使命とし、以下の取り組みを行っております。

(1) 魚肉蛋白質や脂質などの水産化学分野の研究及び食品の衛生や安全性についての基礎的研究。

(2) 研究所及び併設する製品開発工場における調理・水産冷凍食品、常温食品等の新製品の試作開発。

(3) 海外協力工場における独自技術の開発及び生産技術指導を通じた新製品開発や品質の安定化。

(4) 国内協力工場における筋子、助子等の魚卵製品を始めとする水産加工品の製造技術の開発・改良。

(5) 養殖事業における養殖本鮪の鮮度維持向上の研究の継続。

 

当連結会計年度の研究開発活動はそのほとんどが冷凍食品事業に関するものであり、研究開発費の総額は2億80百万円となりました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績は様々な要因により、これらの予想と異なる場合があります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に投資有価証券、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、繰延税金資産及び繰延税金負債等であり、継続して合理的に評価しております。

なお、見積りおよび判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因などに基づき行っていますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なることがあります。

 

(2) 財政状態の分析

[資産の部]

総資産は、前連結会計年度末に比べ27億83百万円増加し、973億91百万円となりました。        

流動資産は、受取手形及び売掛金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ19億24百万円増加し、723億51百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ8億58百万円増加し、250億40百万円となりました。     

[負債の部]

負債合計は、支払手形及び買掛金が減少したものの、借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ4億57百万円増加し、720億円となりました。

[純資産の部]

純資産は、前連結会計年度末に比べ23億26百万円増加し、253億91百万円となりました。 

 

 

(3) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は2,365億61百万円と前期比99億34百万円増加しました。水産商事、常温食品、鰹・鮪の各セグメントは前年実績を上回りましたが、冷凍食品、物流サービスセグメントは前年実績を下回りました。
 営業利益は37億23百万円と前期比12億90百万円増加しました。水産商事、冷凍食品、鰹・鮪の各セグメントは前年実績を上回りましたが、常温食品、物流サービスセグメントは前年実績を下回りました。

営業利益増に、持分法による投資利益など営業外収益の増加を加えた結果、経常利益は37億9百万円と前期比8億94百万円増加しました。

当連結会計年度の特別利益は6億51百万円、特別損失は4億58百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は24億22百万円と前期比6億23百万円増加しました。

なお、当社グループが重視しています経営指標の当期実績は自己資本当期純利益率が10.2%(前期比2.2ポイント上昇)、自己資本比率が25.6%(前期比1.7ポイント上昇)、有利子負債資本倍率が2.0倍(前期比0.2ポイント下降)となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析   

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより、6億1百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、19億98百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加などにより、1億5百万円の収入となりました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首残高より14億58百万円減少し、25億72百万円となりました。