(1)中長期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
中長期的には、当社および当社グループを取り巻く経営環境は、気候変動による資源アクセス確保への影響や人口増加による食料供給不足のおそれがあり、環境負荷低減への積極的な取組み・持続可能な資源の確保が重要な経営課題と認識しています。また、新型コロナウイルスに代表される社会環境に甚大なインパクトを与える事象は、消費者の生活習慣や意識に大きな変化をもたらし、「食」に対する健康意識の高まりや「食」の持つ様々な機能への期待につながると考えております。
このような経営環境の中で、当社および当社グループは、中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」(2018年度~2020年度)を掲げ、持続可能な水産資源から世界の人々を健康にすることを目指し、海洋環境への負荷を低減する養殖事業の拡大・技術革新に取り組んでおります。また、ライフスタイルの変化に対応し、素材の美味しさを失わず、簡単・便利で高品質な商品群を拡大・強化してまいります。そして、健康志向に対しては、水産物が持つ特徴的な機能に着目した研究を継続するとともに、人々の健康的な生活に貢献する商品の開発を進めてまいります。
一方、足元の状況につきましては、国内外ともに新型コロナウイルスの感染拡大の終息が見通せず、企業収益や雇用環境などの悪化により世界経済の減速が懸念されます。
当社および当社グループにおいても、世界各国で人の移動が大きく制限され、家庭内消費の増加は見込まれるものの、レストラン・ホテルなど外食向け需要減、需要減による水産市況の悪化など、日米欧とも厳しい事業環境が予想されます。
2020年度は医薬品原料の海外展開や国内養殖事業の回復などを見込むものの、南米鮭鱒養殖事業の減産もあり、中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」の目標達成は難しい状況にありますが、引き続き主要戦略である海外展開の加速、養殖事業の高度化に加え、急速に拡大したリモートワークなどライフスタイルの変化に対応した商品を提供してまいります。
また、CSR活動についても、①地球環境を守る(環境負荷削減)②水産資源と海洋環境を守る③責任ある原材料調達(人権・環境の配慮)④フードロス削減⑤社員の健康を守り多様な人材の活躍の5分野を掲げ取り組んでいますが、さらに「人権方針」「プラスチック問題への取り組み方針」を定めるなど活動を強化し企業価値向上に努めてまいります。
なお文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
① 中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」の目標とする姿(KPI)と進捗状況
当社では、KPIとして売上高・各段階利益に加え、投下資本・使用している総資産に対する収益性・効率化を管理するため、ROAを採用しております。
※中計当初目標は中期経営計画発表時の2020年度目標値
※算出に用いた為替レート:USD 110円 EUR 135円
※ROA={「当期純利益」+「支払利息」×(1-実効税率)}/{(前期末「資産合計」+当期末「資産合計」)÷2}
② 中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」の主要戦略と進捗状況
(イ) 基本的な考え方
経営の基本方針「水産資源の持続的利用と地球環境の保全に配慮し、水産物をはじめとした資源から、多様な価値を創造し続け、世界の人々のいきいきとした生活と希望ある未来に貢献する。」を実現するため、2016年に「CSR行動宣言」を制定しました。
この方針と宣言に基づき、中期経営計画では、独自の技術を活かし、持続可能な水産資源から世界の人々に健康をお届けしてまいります。
「中期経営計画の基本的な考え方」
(ロ) 主要戦略
中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」では、下記の戦略に沿い、事業を通じ社会課題への取組を強化するなど、企業価値向上に努めておりますが、取組みを推進するため、CSR委員会を組織し、様々なCSR活動を行っています。CSR委員会は社長を委員長とし、全ての執行役員をメンバーとして年4回開催しています。重要課題を推進する4部会(資源持続・調達部会、海洋環境・プラスチック部会、フードロス部会、ダイバーシティ・人材育成部会)で構成され、部会長には執行役員を選任しています。
(ⅰ)持続可能な水産資源の利用と調達の推進
・当社グループの取り扱う水産物の資源状態を把握し、その持続可能性への配慮など当社の対応状況について
適宜発信してまいります。
・原料/製品の調達において、人権の尊重などに配慮した「CSR調達」をサプライヤーとともに進めてまいります。
(ⅱ)資源の最大活用と製品ロスの最小化を目指し、動植物性残渣の削減や賞味期限延長などの検討
(ⅲ)水産資源などの素材がもつ機能を活かした、健康に寄与する医薬原料や食品の拡大
(ⅳ)ライフスタイルの変化に対応した事業への構造転換
・日本に限らず欧米でも社会環境の変化に伴い、食事に求められるものが変わってきています。簡便/即食などのニーズに対応した美味しく、鮮度の良い商品を拡大すると同時に、これらの加工・生産機能の強化・再編を進めてまいります。
(ⅴ)海外展開の加速
・水産/食品事業における、欧州での更なる拡大とアジアへの注力
・医薬原料の海外展開
(ⅵ)水産資源の持続可能性につながる研究開発の更なる強化
・養殖事業の海外展開や新魚種への挑戦
・新規機能性脂質の研究
(ⅶ)働き方改革や健康増進支援策等を通じた健康経営の推進
(ⅷ)コーポレート・ガバナンスの強化
(ハ) 主要戦略の進捗状況

(ニ) 投資・財務戦略
(ⅰ)投資戦略:国内外ともに成長事業への設備投資を強化し、持続的な成長を目指します。
(ⅱ)財務戦略:~事業リスクに対応できる財務体質に向けて~
持続的な成長を財務面から支えるために、1)収益力の強化、2)投資効率の良い経営、3)自己資本の充実
による経営安定化を進めます。また、グループ会社を含めROAを指標とした投資管理の更なる強化を進めて
まいります。

(ⅲ)投資・財務戦略の進捗状況
株主還元については、長期的・総合的視野に立った成長投資とリスク対応力向上のバランスに配慮しつつ、配当性向を15%~20%にすることを目標に掲げており、自己資本は当中計期間の期首より154億円増の1,531億円、配当性向は14.4%から17.9%に改善しています。
この2年間の主な成長投資は、水産事業において、環境負荷低減や持続可能な資源アクセスの確保を進めるため、オセアニアのエビ養殖会社や欧州のサケ閉鎖循環式養殖事業への資本参加、日本では種苗の質向上や早期採卵・選抜育種を行う銀鮭の採卵センターの建設、マサバの循環式陸上養殖施設の建設を実施しました。食品事業ではアジアの食品工場への投資、物流事業では関西地区の物流施設の増設などを実施しました。
本項目に記載する当社グループの事業等のリスクは、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを有価証券報告書提出日現在において判断し記載しております。本項目は、当社取締役会で審議した事項であり、毎年、取締役会において審議し更新してまいります。
<当社グループのリスクマネジメント体制>
当社グループは、水産物をはじめとする資源から様々な食品や医薬品原料などを製造し、世界の人々に対して供給することを使命としており、その責務を果たすべく、安定した生産・販売の継続に努めております。そのような観点から、当社グループでは、事業活動の妨げとなるリスクを未然に防止し、損失発生を最小限に抑え、経営資源の保全と事業の継続に最善を尽くすため、「リスクマネジメント規程」を制定し、リスクマネジメント委員会(注1)がリスクマネジメントシステムの構築と運用、定期的な取締役会への報告を行っております。当社グループにとって影響の大きいリスク群については重要リスク(注2)として専門部会を設置しており、とりわけ、2019年末から世界に拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大など、不測のリスクが発生した場合には、代表取締役社長執行役員を本部長とする対策本部を立ち上げ、日々変化する情勢を踏まえながら、迅速かつ柔軟にリスク対応を行っております。
(注1)リスクマネジメント委員会:全執行役員で構成され、代表取締役社長執行役員が委員長を務めております。
(注2)重要リスク:「品質保証」「環境」「労務・安全」「コンプライアンス」「情報セキュリティ」「災害BCP(事業継続計画)」等
1.気候変動(世界的な気温上昇)による影響
2015年に開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において「パリ協定」が採択され、各国が世界的な気温上昇を抑えるため温室効果ガスの削減に取組んでいます。また2018年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の1.5℃特別報告書によれば、工業化以降、2030~2050年に1.5℃上昇する見込みと言われています。
当社グループの水産事業、食品事業、ファインケミカル事業は、持続可能な水産物資源、農畜産物資源から水産品、食品、健康食品、医薬品原料を製造・販売しており、気候変動が進むと各事業が大きな影響を受けることが想定されます。
なかでも、気温上昇は、海洋における海水温と海水面の上昇、海水温の分布や海流の変化をもたらし、海洋環境を変化・悪化させる可能性があります。さらに陸上環境においても、各地の気温の上昇や天候不順などの変化・悪化が予想されます。これにより、海洋・陸上における水産物資源、農畜産物資源の生態系への影響が懸念されております。
また消費者・取引先など社会における環境問題への関心は年々高まっており、環境問題に対する活動に後れが生じた場合は、当社グループの事業収支に影響を与えるおそれがあります。
当社は、環境問題への対応を重要な課題と認識し、2003年に制定した「環境憲章」により環境理念や行動方針を示し、CSR委員会(注)直下の環境部会が、温室効果ガス排出などの環境負荷に関して下記ⅰ)~ⅴ)の取組みを行うとともに従業員への啓蒙活動を行っています。
(注) CSR委員会:13ページ参照
ⅰ)CO2排出量、使用水量、事業所外排出物量、リサイクル率、フロン漏洩量の管理による環境負荷低減活動
当社グループ中長期目標としてCO2排出量(原単位)を、2015年度比で2023年度までに10%削減、2030年度までに15%削減する。
ⅱ)当社グループの国内外の主要な事業所において、環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得
ⅲ)バイオマス燃料の利用拡大、再生可能エネルギー発電の拡大、排出メタンの再利用による発電
ⅳ)省エネ、高効率設備の導入による温室効果ガスの削減とコストダウン
ⅴ)物流におけるモーダルシフトの拡大による温室効果ガスの削減
(1)資源アクセス確保に与える影響
地球温暖化による気候変動は、漁獲量や農畜産物の収量の減少をもたらす可能性があり、以下のとおり、当社事業の資源アクセスに影響することが考えられます。
≪海洋環境の変化が各事業の資源アクセスに与える影響≫
当社グループの各事業は、水産物を主原料とする製商品が多くあることから、各事業の収支や事業継続に影響を与える可能性があります。著しい海洋環境の変化が生じると下記のようなリスクが生じることが考えられます。
① 各水産品種の生息可能な水域が変化することにより、漁撈や海面養殖場への影響として、当社グループが取扱う水産品種における従来の漁場、海面養殖場の環境(海水温条件など)が、その魚種の生息条件に適さなくなり、漁獲量・養殖生産量が減る可能性があります。
② 現在、水産物市場は世界で拡大しておりますが、海洋環境が変化した場合には、当社グループに限らず、水産業界全体に及ぶ可能性があることから、漁獲量・養殖生産量減少により水産物の流通量が減ることで、水産物の価格が上昇し、消費者の水産物離れを招くなど、水産物市場が縮小することが考えられます。
③ 水産物市場全体の縮小が生じれば、商事事業(買付)においても影響が出ることが考えられます。
④ 漁獲可能な水産品種の減少や漁獲量減少により、各国の漁獲制限などの規制の強化につながる可能性があります。
⑤ 当社グループの食品事業においても、水産物を主原料とする製商品が売上高の約7割を占めるなど、水産物原料の必要量確保が難しくなると大きな影響を受けることとなります。
≪陸上環境の変化が事業の資源アクセスに与える影響≫
当社グループの食品事業は、水産物以外にも米や野菜などの農産物、鶏肉などの畜産物を原料とする製商品を販売しております。陸上環境の変化は、各地の農畜産物原料の収量に影響を与え、原料である農畜産物の産地の環境変化により、中長期的に現在の調達エリアの変更が必要になる等、食品事業の収支に影響を与える可能性があります。
当社グループは、水産物における資源アクセス確保が経営の重要な課題であると認識しております。中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」では、主要戦略のひとつとして、持続可能な水産資源の利用と調達の推進を掲げており、現在、CSR委員会傘下の「海洋・資源持続ワーキンググループ」により、当社グループの事業活動による水産資源への影響を把握するため、漁獲地・魚種毎の資源状態の調査活動などを進めています。また当社グループでは、漁業におけるMSC認証(注1)や、養殖業におけるASC認証(注2)、MEL認証(注3)などの取得と、これらの水産エコラベルを表示した水産物の活用に取り組むとともに、世界の水産業界のリーダー企業が参画するSeaBOS(持続可能な水産ビジネスを目指すイニシアティブ)(注4)へも参画しています。
さらに持続可能な資源アクセスの確保を進めるため、養殖事業戦略として、チリのサルモネス・アンタルティカ社をはじめ、国内外グループ会社における生産基盤の安定と魚種の充実を掲げており、トラウト・ブリ・本マグロ・ギンザケ・カンパチ・マダイ・スマに加え、陸上施設でのバナメイエビ養殖(注5)、マサバの循環式陸上養殖(注6)など環境負荷を低減した養殖の研究・開発・商品化にも取り組んでいます。
また、養殖事業の重要性が高まる中、将来、海面の養殖適地は飽和状態になることが考えられることから、当社グループでは、水産物のサステナブルな調達力強化の一環として、海外養殖事業会社との提携や、養殖の技術開発を進めております。
2018年には、環境基準が厳しくエビ養殖の参入障壁が高いといわれるオーストラリアで、同国の養殖エビ生産量の三分の一強を占める養殖会社シーファーム・グループ社へ資本参加し、その高品質なエビを2019年10月からニッスイブランド品として発売いたしました。同社は同国北部地域における大規模なエビ養殖事業を計画、建設に着手しており、この事業を担う同社子会社のプロジェクト・シー・ドラゴン社では、2022年からブラックタイガーの出荷を開始する予定です。当社グループではこれを日本、オーストラリア、ニュージーランド市場で独占的に販売する他、関連製品を当社グループ会社の販売網を通じてグローバルに販売していく計画です。
2020年4月には、当社100%子会社のニッスイヨーロッパ社が、丸紅㈱(東京都)とともに、デンマークでサケの閉鎖循環式養殖事業を営むダニッシュ・サーモン社へ資本参加いたしました。世界的に水産物の需要が高まるなか、サケ・マス類は、生産量の約8割を養殖が占めていますが、海面の養殖適地に限界があることから、近年では陸上での養殖が注目されています。同社はアトランティック・サーモンの閉鎖循環式養殖で成功している数少ない先端企業であり、閉鎖循環式養殖は飼育環境が安定的であること、環境負荷の抑制が可能であること、消費地近隣での養殖により鮮度向上や物流コスト低減が実現できることなど、多くのメリットが期待できます。2021年には新規設備が完成予定であり、現在の水揚げ量1,000トンを2022年に2,700トンに引き上げる計画です。
国内では、当社と日鉄エンジニアリング㈱(東京都)が協力し、弓ヶ浜水産㈱のギンザケ養殖場で「大規模沖合養殖システム」の技術開発を進めています。2016年12月より開始した「大規模沖合養殖システム」の実証試験では、沖合養殖で必要な(1)海上での飼料の大量貯蔵技術、(2)貯蔵タンクから生簀への飼料の長距離搬送技術、(3)遠隔漁場における適正な給餌管理等の技術検証を行いました。2020年4月時点では、実証試験機の改善・改良を進めながら拡張し、弓ヶ浜水産が操業する鳥取県境港市の沖合3キロメートル程度の美保湾の漁場に、約300平方メートルのプラットフォーム上に飼料を100t程度貯蔵できる飼料サイロを設置し、ここから直径25mの円形生簀10基に設置している自動給餌機への自動搬送を行い、飼育管理を行っております。海上飼料サイロの設置により、既存の給餌機設備と比較して、1生簀に対し約6倍量を貯蔵できるようになりました。また、飼料サイロから自動給餌機への飼料補給は、海底の配管を通じて自動的に搬送・充填されるため、海況悪化による給餌機会のロス削減や省力化を図ることができます。また、この設備は耐波浪性と耐潮流性を有し、沖合での設置が可能であり、適切な給餌量をコントロールする事が可能な給餌制御システム「アクアリンガル」(注7)を活用しております。
(注1) MSC認証:海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)の厳正な認証規格に適合した漁業で獲られた持続可能な水産物(天然魚)に対する認証です。通称「海のエコラベル」とも呼び、海洋の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物(天然魚)に与えられます。MSC認証を取得した漁業で獲られた水産物は国際的なトレーサビリティが可能であり、適切な水産資源管理につながります。当社グループはアラスカのスケソウダラの他、複数の漁場魚種でMSC認証を取得した水産物を取り扱っております。
(注2) ASC認証:養殖業が持続可能な方法で運営され、周辺の自然環境や地域社会への配慮が行われている「責任ある養殖水産物」であることを証明するもので、WWF (World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)とオランダの持続可能な貿易を推進する団体であるIDH(The Sustainable Trade Initiative)が設立支援した水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が運営しています。この認証制度は自然資源の持続可能な利用を補いながら、養殖そのものが及ぼす環境への負荷を軽減し、これらに配慮した養殖業に携わる地域の人々の暮らしを支えるための社会的な仕組みのひとつです。当社グループでは、サルモネス・アンタルティカ社(チリ)のトラウトと黒瀬水産㈱(宮崎県)のブリが本認証を取得しております。
(注3) MEL認証:2016年12月に設立された一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会が運営する認証スキーム。水産資源の持続的利用や生態系保全に資する活動を積極的に行っている生産者や、そのような生産者からの水産物を積極的に取扱う加工・流通業者の取り組みを促進する事、漁業や養殖、加工、流通段階での水産物の取扱いについての透明性を担保し、関係事業者や消費者の選択や信頼に寄与することを目的とした認証スキームです。①漁業認証、②養殖認証、③流通加工段階(CoC)認証(CoC:Chain of Custody)の3つがあります。当社グループでは黒瀬水産㈱がブリの養殖認証と流通加工段階認証、金子産業㈱(長崎県)がクロマグロ、マダイの養殖認証、弓ヶ浜水産㈱がギンザケの養殖認証と流通加工段階認証を取得しております。
(注4) SeaBOS:Seafood Business for Ocean Stewardshipの略。日本、ノルウェー、タイ、米国、韓国など世界各国から水産業界のリーダー企業が参画し、海洋環境および海洋資源の保全と持続的な資源利用を進め、持続的な水産ビジネスを目指すイニシアティブです。スウェーデン ストックホルム大学のストックホルム・レジリエンスセンターが事務局として活動を推進しています。2018年9月、軽井沢で開催された第3回SeaBOS会議では、当社を含む世界の水産企業10社のCEOが出席し、国連SDGsの推進役であり、本イニシアティブを支援するスウェーデン皇太子が隣席され、IUU(違法・無報告・無規制)漁業や奴隷労働の撲滅などに取り組むことで合意したほか、海洋プラスチックごみ問題についても新たに戦略を策定していくことを決定しています。
(注5) バナメイエビ養殖:投薬をしない安全安心で生食可能な国産陸上養殖エビとして、飼育水槽内の微生物集合体に水を処理させ使用する飼育水の量を必要最低限に抑制できる「閉鎖式バイオフロック法」により養殖しています。従来の陸上養殖と比較して、環境負荷が低く、設備が簡易なことから事業コストの低減が期待できます。
(注6) マサバの循環式陸上養殖:地下から汲み上げた海水に近似する塩分を含む地下水を利用し、日立造船㈱の水処理技術により水温・水質をコントロールし、マサバの生育に最適な環境を保ちます。外海の海水を使用しないため、寄生虫や魚病リスクを低減、自然環境に左右されない安定供給が可能となります。
(注7) アクアリンガル:海上生簀での養殖において、給餌の自動化と、養殖魚が疑似餌を引く動作に基づいて食欲をはかり給餌量をコントロールする当社独自のシステムです。養殖魚の最大成長を達成しつつ、魚の食欲に合わせた飼料量の管理が可能であり、残餌による環境負荷の低減につながります。また、インターネットを活用して、天候や水温、溶存酸素濃度などの養殖環境、魚の空間分布を継続的に解析することができ、給餌時間、給餌量、給餌間隔などの遠隔での調整も可能です。すでに当社グループの弓ヶ浜水産㈱のギンザケ「境港サーモン」の養殖に実用化されております。
(2)自然災害の頻度増加と激甚化によるリスク
地球温暖化による気候変動は、近年、台風、ハリケーン、時化、豪雨、洪水、干ばつ等の自然災害の頻度を増加させ、激甚化させる傾向にあります。当社グループではリスクマネジメント委員会に「災害BCP(事業継続計画)部会」を設置し、2017~2021年度の5か年計画で体制の強化を図っておりますが、想定外の災害が生じた場合には、各事業に及ぼす影響が拡大する可能性があります。
≪各事業共通のリスク≫
① 当社グループの食品製造や冷蔵倉庫、養殖場、工場などの施設・設備や漁船への直接被害と修繕コスト増加
② 長期停電や水道水停止等による生産・物流への影響
③ 原料となる水産物・農畜産物への直接被害による確保困難
④ 予防・安全対策コストとしての設備費や保険費用の増加
≪水産事業のリスク≫
水産事業では、台風等の悪天候による時化の増加が、漁業での漁撈日数の減少、これに伴う漁獲量の減少をもたらし、養殖事業では、海面養殖の生簀損壊、給餌回数の減少による魚の成長不足の可能性があります。
また、漁撈、海面養殖の労働環境の悪化に繋がり、深刻な人手不足を招きかねないため、当社グループでは「大規模沖合養殖システム」などの海面養殖において前述の給餌制御システム「アクアリンガル」の導入や、台風等の被害による海面養殖の生簀損壊を防ぐ、沈下式生簀の導入などの対策を進めております。
(3)温室効果ガスに関する法規制強化・エネルギー政策の影響
今後も温室効果ガスに関する法規制が強化され、国のエネルギー政策に伴う電力・燃料価格の上昇が見込まれます。気候変動やこれら法規制・エネルギー政策の影響で、製商品の製造原価や、冷蔵庫・物流におけるコールドチェーン維持の温度管理コストが増加し、事業収支に影響を与える可能性がありますが、当社グループは、法規制を遵守することは当然として、再生可能エネルギーへの転換、省エネ・高効率化設備への設備投資、その他前出の環境負荷低減に向けた取り組みを引き続き進めてまいります。
2.原料価格の高騰・乱高下によるリスク
従来より、水産物の漁獲量・養殖生産量の増減などによる水産物市況の変動は度々生じておりましたが、さらに、前出の気候変動がもたらす海洋・陸上環境の変化が水産物・農畜産物原料の収量を減少させ、原料価格が高騰するおそれがあります。
また、2019年の国際連合の発表では、世界人口は2050年に97億人を超えることが見込まれております。当社グループの事業にとっては、人口増による食料需要の増加が市場拡大をもたらし、チャンスにつながる可能性がありますが、一方で、資源獲得競争が熾烈になり、原料価格の高騰をもたらすおそれもあります。このような外部環境の変化による原料価格の高騰がもたらされれば、各事業の収支に影響するおそれがあります。
当社グループは、従前より安定的な原料確保と製品供給の重要性を認識し、グローバルな調達先との提携やM&A、養殖事業における研究・技術開発による資源アクセスの安定的確保に努めてまいりました。さらに、前出のとおり、中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」の主要戦略のひとつとして、持続可能な水産資源の利用と調達の推進を進めており、今後も安定的な原料確保のための施策を推進してまいります。
3.人為的な海洋汚染によるリスク
近年、日常生活に欠かせない飲料・食品の容器包装や、事業活動に使用されているプラスチックの海洋環境への影響が社会課題として取り上げられています。当社グループは、食品や水産事業を中心に事業活動を行っており、この問題の深刻さが増すと事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
プラスチックごみによる海洋汚染は、海洋の生態系破壊や海洋生物の減少につながるおそれがあり、食品や水産事業での原料調達や、食の安全性に影響を及ぼす重要な問題であると認識し、事業全般でのプラスチック使用に対する対策を進めており、2019年度よりCSR委員会の下に部会を設置し、ワーキンググループによる活動を行っています。
(1)海洋環境ワーキンググループ
海洋環境へのプラスチックの流出ゼロにつながる活動を推進、プラスチック製の漁具の管理強化や素材変更、外部団体における海洋へのプラスチック流出調査の支援を行っております。
具体的には、海面養殖での生簀に使用する発泡スチロール製の浮き具からのプラスチック流出を防ぐため、堅牢な樹脂で覆った浮き具や、発泡スチロールを使用せず内部が空洞の樹脂製浮き具への全面転換を進めております。
(2)プラスチックワーキンググループ
プラスチック資源の3R(リデュース、リユース、リサイクル)+R(リニューアブル(再生材の利用))の推進、および、生分解性プラスチックの利用検討などを進めています。具体的には、生産事業所からの廃プラスチック発生量の削減、容器包装の減容化、紙等の代替素材への変更に加え、生分解性プラスチック、バイオマスプラスチック等の利用も視野とした検討を行っています。
また、当社グループでは、海面養殖事業が海洋環境に与える負荷の低減策を進めています。例えばブリの養殖において、天然のブリの種苗は、出荷サイズまでの育成には一定期間を要しますが、当社の人工種苗研究と養殖技術開発により、海洋での短期間での育成・水揚げを実現しています。その他に、飼料形態の変更や、前出の給餌制御システム「アクアリンガル」の開発導入による魚の食欲に合わせた投餌など、環境への負荷の低減に取り組んでいます。また、海面養殖設備の定期的な点検・補修による堅牢化や、台風被害による設備損壊を避けるための大型沈下式生簀の利用拡大、前出のプラスチック流出を防ぐ生簀の浮き具への全面転換を進めております。
4.海外事業展開におけるリスク
当社グループの中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」の主要戦略のひとつとして、海外展開の加速を目指し、水産・食品事業における欧州での更なる拡大とアジアへの注力、ファインケミカル事業における医薬品原料の海外展開を掲げております。事業展開する国において政治的な問題から生じる紛争、法規制の変更等のリスクが顕在化した場合、事業の基本的戦略や収支に影響を与える可能性があります。また海外市場における情勢の変化について早期の情報収集に努めるとともに迅速な対応を心掛けておりますが、想定を超える情勢の変化が生じた場合には、事業収支に影響を与える可能性があります。考えられる主なリスクは以下のとおりです。
・各国の法令変更 ・為替リスク ・カントリーリスク(政治、紛争、テロ等の発生)
・訴訟 ・各国の保護主義台頭
5.知的財産に関するリスク
当社グループは、養殖事業における養殖魚の育種ノウハウ、ファインケミカル事業におけるオメガ3系の必須脂肪酸EPA(エイコサペンタエン酸)の高度精製技術等、当社グループの事業に重要な知的財産を所有しております。当社グループが目指す海外進出や各事業の技術革新により、知的財産の重要性が高まる中、当社グループの知的財産が漏洩した場合は、事業収支に影響を与える可能性があります。また当社グループが第三者の知的財産権を侵害したと認定された場合は侵害訴訟や製商品販売・事業活動の差止請求を受け、当社グループの事業戦略・収支に影響を及ぼす可能性があります。当社では後述の情報管理の徹底に加え、守秘義務契約の徹底はもとより、研究・開発部門の従業員への知的財産に関する教育に取り組んでおります。
6.人権に関するリスク
1998年、国際労働機関(ILO)でILO宣言(中核的労働基準)が採択され、労働における基本的原則および権利が定められ、経済成長と共に企業活動のグローバル化が進む中、社会が一致団結しつつ労働者の権利を保護することが求められました。2000年には、国連グローバルコンパクトが発足し「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の分野で、企業が影響力を発揮すべき10原則を定めており、2011年には「ビジネスと人権に関する国連指導原則」として人権を尊重する責任が国家のみならず、企業にもあることが明示されました。
さらに2015年に発表されたSDGsでも、その前文に「誰一人取り残さない」として、全ての人々の人権とジェンダー平等の実現を目指す記述があり、働きがいのある人間らしい雇用、貧困をなくす、ジェンダー平等など具体的な目標が示されています。
これらの前提に立ち、当社では自社の労働者に対する権利の保護とともに、当社グループの事業活動に関わるサプライチェーンにおける人権保護に取り組んでいます。
近年、ESG 投資の普及・拡大が進み、企業活動のグローバル化が引き起こす人権侵害には特に厳しい目が注がれるようになっております。自社のみならず、サプライチェーンを含めて企業が引き起こす人権問題は、ブランドの毀損、さらには、ダイベストメントにつながるなど企業にとって致命的なリスクを生じさせるものと認識し、下記の取り組みを推進しております。
(1)CSR調達
ニッスイグループ調達基本方針と、「遵法・調達倫理」「環境配慮」「人権配慮」「お取引先様との協働」「品質・安全性確保」「情報セキュリティ」「社会貢献」の7項目で構成するサプライヤー行動指針を策定しています。主要な原材料、製品を調達するサプライヤーを対象に説明会を実施し、「ニッスイCSR購買取り組みセルフチェックシート」(全132項目)に回答いただき、そのデータを分析の上、各社にフィードバックしています。新規サプライヤー向けにはヒアリング形式で行う「CSR購買取り組みチェックシート」(全17項目)を実施し、当社グループのCSR調達の考え方や目指す姿をご説明し、協働の意思確認を行っています。さらに複数のサプライヤーを訪問し、労働環境や労務管理を確認する「簡易チェック(人権配慮のみ9項目)」を開始しています。
(2)ハラスメントの撲滅
当社グループでは、倫理憲章を制定・周知しており、その中で個人の尊重と差別・ハラスメントの禁止を定めております。また当社の人事部にハラスメントデスクを設置し、全従業員を対象に集合研修やEラーニングを実施し意識向上を進めるとともに、国内各グループ会社にも、ハラスメント相談窓口を設置し、専任担当者の集合研修を実施するなど、グループ各社の認識を高めています。
(3)ダイバーシティの推進
CSR委員会に「ダイバーシティ・人材育成部会」を設置し、国籍、性別、年齢、身体的特徴などへの差別なく、多様な人材が働き、互いに多様な価値観を尊重しつつ働ける企業を目指しています。
7.人材の確保と育成に関するリスク
当社グループでは、海外事業展開を含めた中長期における当社グループの経営計画達成のために、事業創出・企画運営の能力のある経営を担う人材、海外国内を問わず活躍できるグローバル人材やプロフェッショナル人材、各生産拠点で成果を上げる人材の確保と育成が必要であると考えています。しかし、日本国内の少子高齢化と人口減少が進むにつれ、国内での優秀な人材確保が難しくなりつつある中、多様な人材が働けるダイバーシティ対応に後れをとると、必要な人材確保が困難になると考えています。
当社グループは、雇用した人材が国籍、性別、身体的特徴などの差別なく、多様な人材が、多様な価値観を尊重しつつ健康に働ける環境を整えることが必須であると考えており、CSR委員会の「ダイバーシティ・人材育成部会」の中に「健康経営ワーキンググループ」を設置し、「健康経営」推進、「働き方改革」などの活動を進めており、本年度も、昨年度に続き経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄2020」に選定されました。
人材の確保と育成については、通年で計画的に、経営や事業関連のスキルを持つ経験者や新卒者の採用を国籍に関係なく行いながら、キャリア開発チームによる従業員教育の強化や、サクセッションプランに基づく経営・マネジメント人材の早期育成に取り組んでおります。また、長年経験を重ねてきた従業員にそのスキルを生かし活躍する場を提供するため、60歳の定年退職後の継続雇用希望者に対し、シニア職員制度を設けております。さらに全国にある国内グループ会社間のネットワークを生かし、異動・教育の仕組みを構築しております。
8.製商品の品質・安全性リスク
当社グループは、製商品の品質事故や、表示偽装などの品質不正が発生すると、お客様からの当社グループ全体への信用を損ない、ブランドが棄損され、事業に多大な影響が生じると認識しており、CSR行動宣言において「安全・安心でお客様にとって価値ある品質の商品をお届けする」ことを謳っております。
当社グループは、このリスクに対応するため、「品質保証憲章」に品質保証理念や品質方針、行動指針を定め、お客様に安全な製商品をお届けするための品質保証に最大限努めており、従業員への品質教育や、生産工場における予防管理強化の基準・仕組みの構築、商品設計時の品質確認、使用原材料の品質確認、表示確認の仕組みを構築しています。
(1)品質保証委員会、お客様満足推進部会
代表取締役社長執行役員を委員長とする「品質保証委員会」を毎月開催し、お客様から寄せられた声を共有し、必要とされる基準やルールの策定・徹底を図っております。また、同委員会の傘下にお客様サービスセンター所長を部会長とする「お客様満足推進部会」を設置し、お客様から寄せられた声をもとに、商品設計やパッケージ表示の改善などに取り組んでいます。
(2)ニッスイ品質保証基準と認定工場制度
製商品の品質の安全性を確保する基準として、HACCP(注)の考え方を基本とした、関連法規より厳格な当社独自の「ニッスイ品質保証基準」を設けております。同基準には、生産工場認定基準を核に、その詳細基準として使用水基準、薬剤管理基準、防虫管理基準、樹脂部品基準、原材料基準、包材基準、アレルギー物質のコンタミ防止基準、フードディフェンス基準などがあります。ニッスイブランド商品は生産工場認定基準により認定した工場のみで生産しており、認定後も品質保証部による定期的な監査を実施、工場指導を行っております。
また工場間の情報共有や課題解決を目的とし、工場経営者会議、工場品質管理担当者会議などを定期的に開催しております。
(注) HACCP :Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理の手法。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会が発表し,各国にその採用を推奨しております。
(3)生産工場におけるFSSC22000(注)認証取得の推進
国内の直営工場・関係会社工場の18拠点で、国際的な食品安全マネジメントシステム規格であるFSSC22000(注)認証の取得を進めており、2019年10月現在で17の拠点が取得済です。2020年度中に18拠点の取得が完了する予定です。
(注) FSSC22000:Food Safety System Certificationの略。FSSC22000財団(Foundation FSSC22000)により開発された食品安全のためのマネジメントシステム規格。食品小売業界が中心の非営利団体、国際食品安全イニシアチブ(GFSI:Global Food Safety Initiative)により、食品安全の認証スキームの一つとして承認された規格です。
(4)原材料情報の一元管理体制
当社では、全ての原材料について、配合、由来原料、産地、遺伝子組み換え情報、アレルゲン、規格、食品添加物、農薬・動物用医薬品・飼料添加物情報等を記載した「原材料規格保証書」を作成し、「原材料管理システム」に登録・一元管理しており、新しい原材料を使用する場合は、三次原料まで遡ることを基本に、原材料の製造現場の情報を収集しながら安全性を確認しております。
(5)検査体制とエクセレントラボによる検査精度の向上
原材料から製品まで、安全性を確認する検査体制を確立するため、当社グループの全工場に検査室を設置し、加えて食品分析部(東京イノベーションセンター)、青島日水食品研究開発有限公司(青島)、タイ品質管理課(サムットサコーン)の3拠点で検査を行える体制を構築しています。
食品分析部では、当社グループの生産工場の検査室の検査精度の維持と検査レベル向上を目指した取り組み「エクセレントラボ」活動を展開しております。具体的には、検査マニュアルを定期的に更新して配布、子会社である日水製薬㈱で製造するエクセレントラボ専用培地を全検査室で共通使用するとともに、全検査員を対象として精度管理試験を年1回実施し、検査精度を確認しています。さらに各検査員の検査技術向上のため、OJTプログラムによる教育や、レベル別の認定講習会、エクセレントラボ推進会議の定期開催による検査員のレベルアップを図っています。
(6)青島日水食品研究開発有限公司、タイ品質管理課とによる海外工場の管理
青島日水食品研究開発有限公司ならびにタイ品質管理課では、中国、東南アジアのニッスイ認定工場で生産する当社製商品の品質管理を行っており、生産工場への品質指導に加え、製商品のサンプリング検査や輸出時検査を実施、各工場の品質管理責任者の集合研修を年1回開催しています。
(7)品質事故時の対応
万が一品質事故が生じた際には、製品回収、状況把握と原因究明、お客様への対応等、迅速かつ適切な対応をとるための体制を整備しております。
9.消費者意識とニーズの変化に対応した新しい技術開発への後れによるリスク
前出の気候変動や自然災害の頻度増・激甚化、人為的な海洋汚染による地球環境の保全への消費者の意識の高まりや、世界人口の増加と国内の人口減・少子高齢化など、消費者の生活ニーズとライフスタイルは刻々と変化しております。また、世界では代替タンパク製品の市場の出現などへの新しい技術も日々更新されております。これらの消費者意識・ニーズの変化への対応や、先端技術の開発に後れをとると、当社グループの成長に影響をおよぼすリスクがあると考えています。
当社グループは、常に消費者の生活ニーズを考えながら、研究開発投資を行い、世界の人々のいきいきとした生活と希望ある未来にお役立ちできる様々な製商品を製造・販売することを使命と考えております。2011年には、事業展開の礎である研究開発力の強化を目指し、約75億円を投じて東京都八王子市に東京イノベーションセンターを建設し、中央研究所、商品開発部、技術開発部、食品分析部を集約しました。また1994年設立の中央研究所大分海洋研究センター(大分県)も、東京イノベーションセンターと連携を取りながら、水産資源の持続可能性につながる養殖に特化した研究開発を進めています。最先端の研究開発(基礎研究)から最前線の研究開発(事業レベルへの応用)まで幅広い課題に取り組んでいます。
さらに、従来の研究開発テーマに加え、水産事業においては中長期的な視点による新規魚種の開拓や陸上養殖の拡大、2017年に成功したマダコの完全養殖の事業化など新規事業の創出につながる研究投資を行っております。代替タンパクの需要に対しては既に当社グループのシテマリン社(フランス)において植物性タンパク質のハンバーグ型のパテの販売を開始しており、今後も研究を継続してまいります。さらに食品事業全般において、従来の開発体制に加え、使う人が感じる価値を主眼に考えて発想する「デザイン思考」による新しい開発手法を取り入れる「未来型創造開発会議」を設置し、5~10年先の生活ニーズに応える取り組みを進めております。
10.情報セキュリティリスク
当社グループでは、通信販売事業などにおいてお客様の個人情報を保有しており、このような個人情報や経営、事業、研究などに関する重要な情報の漏洩・紛失を防止するため、リスクマネジメント委員会の傘下に「情報セキュリティ部会」を設置し、「情報セキュリティ基本方針」などの規程やルールの整備、システムの管理体制の強化、定期的な従業員に対する教育や訓練を実施し、情報セキュリティ管理を徹底しております。
またグループ経営を進める中、当社グループ内でデータ漏洩、システム破壊が起きると、グループ全体の事業に大きく影響することが考えられます。そこで、当社国内グループ会社の情報セキュリティレベルの2020年度までの均質化を目標とし、情報セキュリティ基本方針と利用者ルールの徹底、技術的対策、教育や訓練を含めた人的対策の領域において、各到達点を具体的に策定し、ニッスイグループIT部門会議を定期的に開催するなどの取り組みを進めております。
また、今後、各拠点の省人化や、生産、物流、販売でのシステム連携による効率化が進むにつれ、自然災害などによる物理的なシステム破壊や、長期停電、外部からの攻撃などの要因を問わず、そのシステムの停止による事業活動への影響が増加すると考えられ、システム停止を想定した対策や有事対応の体制づくりを進めております。
11.感染症の拡大によるリスク
世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス(COVID-19)の当社への影響は、予想が困難なものの、漁撈・養殖や食品の生産拠点において感染が発生し拡大した場合は生産の停止や縮小、調達先や物流の過程で感染が拡大した場合は原料の調達自体が難しくなるなど、安定的な製商品の供給に支障が生じる可能性があります。また、安定生産を継続するための人員確保、マスクなど間接材の確保に加え、価格の上昇も予想され、収支に影響する可能性があります。各国の外出規制が長期に及ぶ場合は、外食、産業・学校給食向け業務用食品の売上減少が一層懸念されますが、一方で家庭用食品や量販店の惣菜向け製商品の需要増加が見込まれます。
当社グループでは、当社製商品を継続的・安定的に世界の人々に供給する使命を全うするため、現時点で考えられる最大限の措置を講じています。代表取締役社長執行役員を本部長とする新型コロナウイルス対策本部を本社に設置し、当社の各事業所はもとより国内グループ会社には現地対策本部、南米、北米、欧州、アジア・オセアニアとは、各エリアの事業執行とのWEB会議を通じて、時々刻々と変化する各国や国内情勢についての情報収集を行っております。また、WHOや関係省庁・保健行政機関から収集した情報を共有した上で、新型コロナウイルスによる当社グループへのリスクを可能な限り予測し、基本的対策を定めて実施しております。在宅でのテレワークの推進、衛生管理を徹底、罹患者(疑いを含む)が発生した場合に拠点機能を速やかに回復させるための対策など、今後も適宜、対策を講じてまいります。
各リスク間の関係図

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善が続いていたものの、輸出の減少や製造業を中心に企業収益に弱さが見られ、消費税増税の影響による景気下振れリスクなどが懸念される中、年明けからは新型コロナウイルスの感染拡大により、景気の先行きは極めて不透明な状況になっております。
世界経済(連結対象期間1-12月)につきましては、米中貿易摩擦の長期化やEU諸国の政治動向、中東情勢の不安定化などが懸念され、引き続き不透明な状況が続きました。米国では個人消費は緩やかに増加したものの、設備投資の減少や輸出の伸び悩みが見られました。また、欧州では個人消費は緩やかに増加しましたが、景気に弱い動きが見られ、中国では景気減速の傾向が続きました。
当社および当社グループにおきましては、南米の鮭鱒養殖事業は順調に推移しましたが、その他事業(注1)に加え、チルド事業、国内の漁撈・養殖事業が苦戦しました。
なお、新型コロナウイルスの当連結会計年度への影響につきましては、海外グループ会社の連結対象期間が1-12月であることから軽微です。
このような状況下で当連結会計年度の営業成績は、売上高は6,900億16百万円(前期比220億95百万円減)、営業利益は228億34百万円(前期比11億48百万円増)、経常利益は258億7百万円(前期比4億48百万円増)となりました。特別利益は主として投資有価証券売却益が5億20百万円減少したことなどにより、2億81百万円(前期比8億62百万円減)となりました。特別損失は主として減損損失が12億19百万円減少し、投資有価証券評価損が18億34百万円増加、災害による損失が4億21百万円増加したことなどにより、34億26百万円(前期比15億28百万円増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は147億68百万円(前期比6億10百万円減)となり、前期の1株当たり当期純利益49円41銭に対し、47円47銭になりました。
(単位:百万円)
(注)2019年2月よりチルド事業の取引形態をセンターフィー(販売費)と売上高を相殺する価格決定方式に
変更しており、前期の売上高にはセンターフィー8,142百万円が含まれております。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
① 水産事業
水産事業については、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでおります。
<当連結会計年度の概況>
水産事業では売上高は2,895億89百万円(前期比48億33百万円減)となり、営業利益は118億50百万円(前期比15億64百万円増)となりました。
漁撈事業:前期比で減収、減益
<日本>
・さばやあじの大幅な漁獲減に加え、かつおの魚価下落などもあり減収・減益となりました。
養殖事業:前期比で増収、増益
<日本>
・まぐろは販売数量は増加したものの、外出自粛による外食需要の減少に伴い販売価格が下落し在庫評価減も発生しました。また、鮭鱒は第1四半期に発生した稚魚の生育不良などがありましたので増収・減益となりました。
<南米>
・鮭鱒は一昨年の稚魚斃死の影響もなくなり販売数量が回復し、販売価格も堅調に推移したことにより大幅な増収・増益となりました。
加工・商事事業:前期比で減収、増益
<日本>
・鮭鱒は期末に向け販売価格が下落し苦戦しましたが、ぶりなどの販売が順調に推移し増益となりました。
<北米>
・すりみやフィレの販売価格が堅調に推移し増収となりましたが、コスト増があり減益となりました。
<欧州>
・為替の影響に加え、一部魚種の取扱数量の減少があり減収・減益となりました。

② 食品事業
食品事業については、加工事業およびチルド事業を営んでおります。
<当連結会計年度の概況>
食品事業では売上高は3,372億45百万円(前期比6億51百万円減)となり、営業利益は127億61百万円(前期比8億49百万円増)となりました。
加工事業:前期比で減収、増益
<日本>
・家庭用冷凍食品や業務用冷凍食品、魚肉ソーセージの販売が好調に推移し増益となりました。なお、3月からは外出自粛により家庭内消費が増える一方、外食需要は減少しております。
<北米>
・家庭用冷凍食品・業務用冷凍食品とも販売が好調に推移したことに加え、業務用冷凍食品の生産性が改善したことにより増収・増益となりました。
<欧州>
・チルド商品、ベジタル商品(注2)の販売が堅調に推移し増収・増益となりました。
チルド事業:前期比で減収、減益
<日本>
・取引形態変更(注3)に加え、天候不順による販売数量減少や新工場の減価償却費などのコスト増があり減収・減益となりました。

③ ファイン事業
ファイン事業につきましては、医薬原料、機能性原料(注4)、機能性食品(注5)、および診断薬、医薬品などの生産・販売を行っております。
<当連結会計年度の概況>
ファイン事業では売上高は270億23百万円(前期比5億9百万円増)となり、営業利益は25億99百万円(前期比12百万円減)となりました。
<医薬原料、機能性原料、機能性食品>
・機能性原料の販売が堅調に推移しましたので増収・増益となりました。
<診断薬、医薬品>
・診断薬の販売が堅調に推移し増収となりましたが、販売構成比の変化により原価率が上昇し減益となりました。

④ 物流事業
物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでおります。
<当連結会計年度の概況>
物流事業では売上高は165億96百万円(前期比66百万円減)となり、営業利益は19億86百万円(前期比4百万円減)となりました。
・事業は順調に推移したものの、第1四半期に一部のグループ会社において、退職給付債務の算定方法を簡便法から原則法に変更した影響などがありました。
(注1)エンジニアリング(工場・設備機器の企画・設計・施工等)事業、船舶運航事業等。
(注2)畜肉・魚を使用しない植物由来タンパク質食品。
(注3) 2019年2月よりセンターフィー(販売費)と売上高を相殺する価格決定方式に変更。
(注4) サプリメントの原料や乳児用粉ミルク等に添加する素材として使用されるEPA・DHAなど。
(注5) 主に通信販売している特定保健用食品「イマークS」やEPA・DHA などのサプリメント。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。
(注) 1.金額は、販売価格によります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、食品事業におきまして、取
引先の組織再編があったことによるものであります。
(単位:百万円)
資産合計は前連結会計年度末に比べて136億20百万円増の4,915億33百万円(2.9%増)となりました。
流動資産は55億12百万円増の2,531億15百万円(2.2%増)となりました。前期末休日の影響などにより受取手形及び売掛金が87億91百万円減少しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に対して短期借入金を原資とし手許資金の確保を行ったため、現金及び預金が184億66百万円増加したことが主な要因です。なお、たな卸資産については、社長を議長とする在庫投資会議を毎月実施、グループ全体の調達や在庫について、あらゆる側面からモニタリングし、リスク軽減に取り組んでおります。当連結会計年度末のたな卸資産は、国内における水産品の搬入タイミングの影響により23億2百万円の増加となりました。
固定資産は81億8百万円増の2,384億17百万円(3.5%増)となりました。国内の物流施設の増設やアジアの食品工場への投資などにより有形固定資産が105億16百万円増加したことが主な要因です。
負債合計は前連結会計年度末に比べて74億78百万円増の3,192億33百万円(2.4%増)となりました。
流動負債は58億4百万円減の1,968億95百万円(2.9%減)となりました。上記の通り、手許資金の確保のため短期借入金が167億98百万円増加しましたが、その他事業における大型案件の受注減や前期末休日の影響などにより支払手形及び買掛金が139億47百万円、未払費用が41億79百万円それぞれ減少したことが主な要因です。
固定負債は132億82百万円増の1,223億37百万円(12.2%増)となりました。国内外の設備投資需要対応のため長期借入金が133億81百万円増加したことが主な要因です。
純資産合計は前連結会計年度末に比べて61億42百万円増の1,723億0百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を147億68百万円計上したこと、剰余金の配当を24億92百万円行ったこと、株価下落によりその他有価証券評価差額金が22億37百万円減少したこと、円高が進み為替換算調整勘定が17億59百万円減少したことが主な要因です。
① キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益および減価償却費の合計が421億13百万円となったものの、法人税等の支払80億54百万円に加え、仕入債務の減少を中心とした運転資本の増加120億80百万円等があり、187億86百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、国内の物流施設の増設、アジアの食品工場への投資等を行った結果、294億46百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済172億84百万円や配当金の支払24億90百万円を支出する一方、金融機関から長期および短期の借入475億29百万円を行ったことから、259億42百万円の収入となりました。
現金及び現金同等物は、新型コロナウイルスの感染拡大への対応資金を確保し、不測の事態に備えたため、前連結会計年度末に比べて154億82百万円増の316億47百万円となりました。
② 資金調達方針
当社は、事業活動を円滑に行うため、コストを抑えた安定資金の調達を目指し、直接金融を含めた多様な手段の中から最適な資金調達方法を選択しています。
間接金融については、スワップ等を利用した長期固定資金と変動の短期資金のバランスを概ね1:1を基本に、経済情勢等に応じ長期固定資金の比率を上げるなど、機動的に対応することで金利変動リスクを低減し安定資金を確保しています。また、調達通貨は円・米ドル・ユーロを基本に各国の事業規模に応じた調達とすることで為替リスクを軽減しています。
資金の効率性の側面では、国内はキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を活用、海外は各国の税制等を考慮のうえ、海外グループ間の資金融通等を本社で一元管理しています。なお、北米は日本同様、統括会社でCMSを導入し北米における資金を管理しています。
③ 調達方法
四半期ごとにグループの資金需要を予想し市場環境を考慮したうえで、最適な資金調達方法を策定、取締役会で審議しています。
長期資金については、毎期の償還額にも配慮しつつ、長期間に亘り構築してきた幅広くかつ良好な関係にある複数の金融機関から借入を行っています。また、相対借入に加え、市場性の高いシンジケート・ローンや健康経営・環境対応などESG関連の格付けを活用した調達も行っています。短期資金については、借入枠を締結し資金需要に応じて機動的に調達しています。
今後もコストを抑えた安定資金を調達するため調達方法の多様化を図ってまいります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたって、たな卸資産の評価、固定資産等の減損、繰延税金資産の回収可能性などの資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、特にIFRSを適用している在外子会社で保有する生物資産の評価(在池魚評価)については、生物資産を販売費用等の追加コスト控除後の公正価値で測定し、取得原価との差額の変動額を純損益として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生残率等を見積もる必要があることから、市場動向や養殖成績などによって公正価値評価額が大きく変動する可能性があります。
当社は、2018年度より中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」を推進しております。取組みの詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、海洋資源をもとにした水産製品、食品から、医薬品、養殖技術まで、「食」と「健康」に関する研究開発を行っています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は45億3百万円であります。なお、中期経営計画において水産、食品、ファイン事業の主要3事業の個々の強化に加え、それぞれの事業領域の境目となる分野で融合を進めることでより高い成果を目指していることから、全ての研究開発費にかかる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載しております。当連結会計年度における研究開発の主な概要は次の通りであります。
当社は、東京イノベーションセンターを中心に水産・食品・ファイン事業に関連する技術開発、商品開発活動を展開しております。水産に関しては食塩を低減しても塩味やおいしさをしっかり感じられる「塩味増強技術」に関する研究、食品に関しては独自の技術を活かしたフライ衣や加工食品の香を向上させる技術に関する研究、機能性素材に関する研究では、高純度なEPAの研究や新しい医薬・機能性脂質に関する研究を行っています。養殖に関しては、大分海洋研究センターを中心に、肉質向上機能性飼料や養殖魚の成熟制御、まぐろの完全養殖やエビの陸上養殖の事業化などに関する研究を行っています。当社の研究開発費は、38億7百万円であります。
日水製薬㈱では、ファイン事業に関連する研究開発活動を展開しています。同社では、新たなビジネス創出の機会として、将来有望と考えられる研究プロジェクトや独創的かつ萌芽的なアイデアなどを早期に発掘し、共同研究また実用化に通じる創成を目指す日水製薬オープンイノベーションプログラム「NeyeS」(エヌアイズ)の公募を行いました。多くの研究機関からの応募テーマに対して、同社研究課題とのマッチング、研究内容の独創性や有用性、研究計画の実現性等を判断し、3件を採択いたしました。「NeyeS」の活動を通じて、再生医療関連技術、細胞培養関連シーズおよび検査・検出技術などをテーマとして、基礎研究から臨床研究および検査・情報処理まで斬新でユニークなアイデアやノウハウ、将来的な医療に役立つシーズを探索し、支援してまいります。日水製薬㈱の研究開発費は、6億95百万円であります。