文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「私たちは誠実を旨とし、本物・安心・健康な『食』の提供を通じて、人々の豊かなくらしとしあわせに貢献します」をグループ理念と定め、グループ理念の実践により、社会への責任を果たしてまいります。
また、当社グループは、グループ理念を通じて以下のグループビジョンの実現を目指します。
・地球環境に配慮し、世界の『食』に貢献する21世紀のエクセレントカンパニーを目指します。
・お客様の立場に立ち、お客様にご満足いただける価値創造企業を目指します。
・持続可能な『食』の資源調達力と技術開発力を高め、グローバルに成長を続ける企業を目指します。
(2)経営戦略等
安全で高品質な商品を、お客様のもとにお届けすることが当社グループの使命であり、食品安全を含めた品質保証体制、危機管理体制及びグループガバナンス体制の構築に、継続して取り組んでまいります。
また、グループ中期経営計画「Innovation toward 2021」の策定にあたっては、長期経営ビジョンとして「10年後のありたい姿」を「グローバル領域で「マルハニチロ」ブランドの水産品、加工食品を生産・販売する総合食品企業」と定義しております。当ビジョンの実現に向けて当中期経営計画においては「企業価値の向上と持続的成長」を基本方針として、以下の3つの経営戦略に引き続き取り組んでまいります。
① 収益力の更なる向上
水産資源アクセスを最大限に生かしたバリューチェーンを再構築するとともに、加工食品においては生産拠点の再編をはじめとする利益率の改善と商品開発力の強化に取り組みます。
② 成長への取り組み
利益成長実現のために、国内外における水産事業バリューチェーンへの投資、冷凍食品事業への積極投資、そして中長期的な成長領域への先行投資として、養殖事業、介護食事業、化成事業への投資を行います。
③ 経営基盤の強化
成長への投資を最優先としながらも、財務基盤の強化を図ります。運転資本の効率的な運用にも取り組み、より強固な財務体質を目指します。
なお、グループ中期経営計画「Innovation toward 2021」と併せて策定しました「サステナビリティ中長期経営計画」及び「コーポレートブランディング活動」についても着実に推進してまいります。
① サステナビリティ中長期経営計画
持続的な企業価値の向上に取り組む企業グループとして、事業活動を通じた経済価値の創造とともに、社会価値、環境価値の創造にこれまで以上に注力していくことで、人類社会が直面する社会課題の解決に貢献します。
② コーポレートブランディング活動
マルハニチロらしいブランドの魅力を、より広く、深く、知っていただくために、企業ブランドマネジメントの強化に取り組み、積極的なコミュニケーション活動を展開します。
また、ブランドステートメントである「海といのちの未来をつくる」のもと、マルハニチログループだからこそ提供できる価値を通じて、社会にとって「かけがえのない存在」を目指します。
(3)経営環境
新型コロナウイルスワクチン接種が始まるも普及の遅滞や変異型ウイルスによる感染拡大リスクもあり、今後も予断を許さない状況が継続するものと考えられます。感染者数を抑制するための社会活動の制約の早期解除や国境をまたいだヒトの往来の早期回復は見込みづらく、個人消費の持ち直しには相当程度の時間がかかるものと想定されます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループにおいて、2021年度はグループ中期経営計画「Innovation toward 2021」の最終年度となります。経営戦略を支えるための安定的な財務基盤については、徐々に強化が進んできてはおりますが、水産関連事業においては構造的な問題に加え、コロナ禍における高級魚の相場下落や販売不振が長期化しており、目標値に対して厳しい進捗状況となっています。
また、成長ドライバー領域の拡大に至らなかったこと、次期より適用となる「収益認識に関する会計基準」の影響もあり、売上高については大幅未達の見込みとなっております。
厳しい事業環境ではありますが、当社グループの水産資源調達力と食品加工技術力を生かしたバリューチェーンを更に強化拡充すべく、次期より事業セグメント及び事業ユニットを再編し、各ユニットのシナジーを追求します。また、「Innovation toward 2021」の基本的な考え方である「企業価値の向上と持続的成長」の実現のため、「収益力の更なる向上」「成長への取り組み」「経営基盤の強化」の3つの経営戦略に引き続き取り組むとともに、「サステナビリティ中長期経営計画」及び「コーポレートブランディング活動」についても推進に邁進していく所存です。
なお、当社グループは、「魚」をコアにした水産食品企業グループであり、製品・サービスの特性、市場及び顧客の種類などの要素で多面的にとらえて編成した複数の事業ユニットを、主に事業類似性の観点から、分割・集約したうえで、「漁業・養殖」、「商事」、「海外」、「加工」及び「物流」の5つを従来の報告セグメントとしておりましたが、水産部門のグローバルに展開する調達から販売までの各ユニットのシナジーを追求し、バリューチェーンの更なる強化拡充を促進するため、次期より、「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分に変更することといたしました。
また、事業ユニットの編成等についても、併せて見直しを行っております。
漁業・養殖ユニットについては、漁業ユニットと養殖ユニットに分割して、事業管理責任を明確にし、それぞれの事業収益構造の改革を推進いたします。
北米・欧州ユニットの名称を海外ユニットに変更するとともに、アジア・オセアニアユニットを統合することにより、地域にとらわれず海外事業を統合的に管理運営することとし、事業展開を加速させます。
畜産商事ユニットの名称を畜産ユニットに変更するとともに、加工事業セグメントへ移管することにより、加工食品分野での連携を強化し、畜産事業全体の成長を加速させます。
各事業の次期における対処すべき課題は次のとおりであります。
水産資源事業
漁業ユニットは、まき網事業を主力とする国内事業と、オセアニアをはじめとする海外事業から構成されています。新型コロナウイルスの影響により、主力とするメロなどの高級魚の価格低迷が続いていますが、自社加工度を高めて販売ルートを多様化することにより、収益確保に努めてまいります。
養殖ユニットは、国内におけるブリ・カンパチ・マグロの養殖を主力としております。高級商材であるマグロや活魚の外食・業務筋向け販売と相場の回復には、時間を要すると予想しておりますが、技術改善とコスト削減に取り組み、収益の改善に努めてまいります。中長期的には、天災リスクを回避しながら、完全養殖クロマグロをはじめとする環境に過度の負荷をかけない養殖を目指してまいります。
水産商事ユニットは、国内におけるトップサプライヤーとして確固たるポジションを築いてまいりました。新型コロナウイルスの影響により、国内外での事業環境は不透明な状況が続きますが、安定的な原料調達継続のため資源アクセスの強化に努めるとともに、商品開発力の強化による加工品の拡大及び国内外の販売ネットワークとの協働を通じてサプライチェーンの強化を進めてまいります。
荷受ユニットは、新型コロナウイルスの影響により、引き続き外食・業務筋向けの販売の苦戦が予想されますが、量販店向け販売に注力するとともに加工機能を強化し、収益の改善に努めてまいります。
海外ユニットは、2021年2月に資本参加したサイゴンフードの事業も含めた海外事業拠点における収益基盤の強化、資源へのアクセス強化及び海外における販売促進を進めてまいります。タイのペットフード事業については、同業他社の参入により競争が厳しくなることが見込まれますが、新規顧客の開拓を含め販売促進に注力いたします。北米事業では、生産工場における新型コロナウイルス感染対策を強化し、安定的な稼働を継続するとともに更なる省人化によるコスト削減を目指します。また、スケソウダラ・マダラ等の資源確保も継続して検討してまいります。
加工事業
家庭用冷凍食品ユニットは、マーケティングや研究開発部門との連携を強化し、商品開発力を向上させるとともに、積極的な販促活動を展開し、売上の拡大とブランド認知の向上を図ります。また、製販一体の事業管理体制を一層強化し、収益性をさらに高めてまいります。
家庭用加工食品ユニットは、原料事情の変動に適切に対応するとともに、新型コロナウイルスの影響による消費環境の変化に応じながら販売拡大と生産体制の更なる効率化により収益確保を目指してまいります。
業務用食品ユニットは、宅配生協、介護食、コンビニエンスストア、量販店惣菜、外食など業態別のニーズに対応するとともに、ライフスタイルの変化に合わせた商品開発、販売活動を強化してまいります。また、単品損益管理に基づいた商品政策の推進により収益性の改善を図ってまいります。
畜産ユニットは、新型コロナウイルスの影響による外食・業務筋向け販売不振が継続する一方、量販店等の需要は鎮静化し、これに加え飼料穀物の高騰、家畜の疾病の蔓延による国際価格の高止まりの影響もあり厳しい需給環境が見込まれますが、国産食肉の取扱い強化を図るとともに、海外産食肉の販売チャネルの多角化に注力いたします。
化成ユニットは、当期に引き続き、コンドロイチンやDHA・EPA製品の拡販に努めるとともに、フリーズドライ製品では収益性の高い製品を中心に拡販し、事業規模拡大に努めてまいります。
物流事業
新型コロナウイルスの影響に伴う荷動きの動向を注視しつつ、2021年4月の株式会社マルハニチロ物流 名古屋物流センター開業による庫腹拡大を契機に、引き続き保管需要の取り込みを図るとともに、全国レベルで輸配送・通関等を含めた一貫物流サービスをお客様に提供することにより、収益拡大を目指してまいります。
(5)目標とする経営指標
中期4ヵ年経営計画「Innovation toward 2021(2018-2021)」の進捗状況は次のとおりであります。
|
指標 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 (計画) |
2022年3月期 (見通し) |
|
売上高(百万円) |
922,468 |
905,204 |
862,585 |
1,000,000 |
820,000 |
|
営業利益(百万円) |
21,758 |
17,079 |
16,208 |
31,000 |
20,000 |
|
ROA (総資産経常利益率) |
4.9% |
3.8% |
3.4% |
5.7% |
- |
|
D/Eレシオ |
2.1倍 |
2.0倍 |
1.8倍 |
1.5倍 |
- |
|
自己資本比率 |
24.1% |
25.1% |
26.8% |
30.0% |
- |
※現時点での2022年3月期の売上高・営業利益に係る見通しは上記のとおりです。なお、2022年3月期(見通し)については「収益認識に関する会計基準」等を適用した後の金額となります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
|
リスク |
当該リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の程度 |
||
|
中 |
大 |
||
|
当該リスクが顕在化する可能性の程度 |
高 |
・債権管理 ・為替・金利変動 ・カントリーリスク |
・新型コロナウイルス感染拡大 ・原材料調達の変動 ・自然災害・事故等 ・労働力の確保 |
|
中 |
・税務 ・原油価格の高騰 ・知的財産 ・固定資産の減損 ・投資有価証券の減損 |
・情報管理 ・コンプライアンス ・資金調達 |
|
|
リスク項目 |
影響度 |
発生 可能性 |
関連する機会とリスク(○機会 ●リスク) |
主要な取り組み |
|
新型コロナウイルス感染拡大 |
大 |
高 |
○巣ごもり消費へのシフトによる家庭用商品の販売拡大 ●従業員感染による操業停止 ●海外漁業の不振 ●外食や業務筋への販売不振 ●景気後退による高単価商材の販売不振 |
・家庭用商品等の需要増に対する対応強化 ・衛生管理の徹底、フレックスタイム制等による時差出勤、在宅勤務等による従業員感染防止 ・不振事業の業務見直しによる最適化 ・事業継続計画(BCP)の策定、一部実施 |
|
原材料調達の 変動 |
大 |
高 |
●原材料の需要動向、漁獲高の変動などによる仕入価格の高騰等 ●たな卸資産の評価損 |
・取り扱い品目、調達先、調達時期の分散化 ・仕入価格、販売価格の適正維持 ・在庫水準の適正化 |
|
自然災害・事故等 |
大 |
高 |
●生産設備の破損、物流機能の麻痺等による操業停止、商品供給不能 ●養殖事業における予防困難な魚病等の発生による養殖魚の斃死 ●台風、赤潮等による養殖魚の斃死 |
・生産、保管拠点の分散化 ・事業継続計画(BCP)の策定 ・共済、保険制度への加入 ・病気に強い魚、養殖方法の研究 |
|
労働力の確保 |
大 |
高 |
●労働力不足による操業停止、生産性の低下 |
・適正な賃金体系の構築 ・労働力確保に視点をおいた操業エリアの選択 ・機械化の更なる促進 ・人員募集方法への工夫 |
|
情報管理 |
大 |
中 |
●個人情報・機密情報の漏洩等 ●重要な情報の盗難、紛失、誤用、改鼠等 ●情報システムの停止等 ●サイバー攻撃による対応費用の発生 ●情報漏洩等による社会的信用の低下 |
・規程、マニュアル等の整備 ・従業員に対する教育の継続 ・システム管理体制の構築、運用 ・サイバー攻撃への対処 |
|
コンプライアンス |
大 |
中 |
●食品衛生法、倉庫業法、独占禁止法等の法的規制違反による対応コストの発生 ●お客様からの信頼低下 |
・規程、マニュアル等の整備 ・従業員に対する教育の継続 ・内部通報制度、内部監査 |
|
資金調達 |
大 |
中 |
●金融危機等による資金の枯渇 ●各種リスク要因により計画未達による追加の資金調達等 |
・資金調達先及び期間の適度な分散 ・財務体質の維持・強化 ・各種リスク要因の適時の分析と対応 ・最新の情報に基づく適時の計画の見直し |
|
債権管理 |
中 |
高 |
●予期せぬ得意先の経営破綻の発生 ●追加的な貸倒損失や貸倒引当金の計上 |
・情報収集、与信管理等、債権保全 |
|
為替・金利変動 |
中 |
高 |
●輸入製商品の仕入価格への影響 ●借入金の調達金利への影響 ●為替・金利の変動による海外子会社業績の円貨への換算への影響 |
・為替予約及び変動金利から固定金利へのスワップ等 ・資金調達先及び期間の適度な分散 ・財務体質の維持・強化 |
|
カントリーリスク |
中 |
高 |
●海外事業において進出国の政治、経済、社会、法制度等の変化による経済活動の制約 ●テロ、暴動及び戦争の発生による経済活動の制約、サプライ・チェーンや流通網の遮断等 |
・進出国の適度な分散 ・進出国に関する情報収集 |
|
税務 |
中 |
中 |
●各国における租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違等による追加的な税務負担等 ○●将来課税所得の見積り変更等による税金費用の減少又は増加 |
・各国における税法の遵守 ・各国における税制や税務行政の変更への対応策の実行 ・税金及び税金関連費用を踏まえた事業計画又は仕組みの計画、実行 |
|
リスク項目 |
影響度 |
発生 可能性 |
関連する機会とリスク(○機会 ●リスク) |
主要な取り組み |
|
原油価格の 高騰 |
中 |
中 |
●漁船の燃油コストの上昇 ●発送配達費等の上昇 |
・漁船の省エネ化 ・効率的な操業 ・保管配送の効率化 ・在庫水準の適正化 |
|
知的財産 |
中 |
中 |
○競合他社に対する優位性の確保 ○●使用許諾料等 ●損害賠償、使用差止等 |
・規程、マニュアル等の整備 ・従業員に対する教育の継続 ・職務発明報奨制度 ・社内担当者や弁理士事務所等を通じた日常的な調査・確認 |
|
固定資産の減損 |
中 |
中 |
●物流事業の物流センター、加工事業の生産拠点等の立地条件の悪化、設備の老朽化・陳腐化、販売不振等による収益悪化による減損 ●金利の急激な上昇 |
・投資審議会、経営会議等における投資計画、投資金額の適切性に関する審議 ・投資後の定期的なモニタリング及びフォローアップ |
|
投資有価証券の減損 |
中 |
中 |
●急激な株価変動や投資先の業績不振等による資産価値の下落、減損等 |
・個別銘柄による投資価値の定期的な検証 ・継続保有の意味合い薄れた銘柄の売却等 |
|
重点課題 (マテリアリティ) |
当社グループ視点での重要度 |
||
|
中 |
高 |
||
|
社会視点での重要度 |
高 |
・ダイバーシティの推進と働き方改革の実施 ・人権の啓発推進(従業員以外) ・地球温暖化対策 ・循環型社会の構築 |
・安全・安心な食の提供 ・持続可能な調達の実践 ・海洋資源の保全 |
|
中 |
・安全で働きやすい職場づくりの推進 ・健康経営の推進 ・人権の啓発推進(従業員) ・地域社会との共存・共栄 |
・「消費者志向経営」の推進 ・成長機会の提供 ・「生涯健康計画」の推進 |
|
|
マテリアリティ項目 |
グループ視点 |
社会 視点 |
関連する機会とリスク(○機会 ●リスク) |
主要な取り組み |
|
安全・安心な 食の提供 |
高 |
高 |
○お客様の満足度向上によるブランドへの信用獲得による中長期的な収益力の向上 ○ステークホルダーへの適切な情報公開による信頼獲得 ●製品の品質クレーム・トラブルによるお客様からの信頼低下による収益力の低下 |
・品質PDCA活動をグループ全体で展開 ・すべてのサプライチェーンとの連携を強化 ・工場点検・指導の強化 ・品質衛生管理教育体制の充実化 ・フードディフェンス管理教育の継続 |
|
持続可能な調達の実践 |
高 |
高 |
●サプライチェーンにおける社会・環境問題への対応遅延による原材料調達不全リスクの増大 ●気候変動による原材料の調達不全リスクの増大 |
・「調達基本方針」「サプライヤーガイドライン」「腐敗防止宣言」のサプライヤーへの周知徹底 ・サプライヤーへのモニタリングの実施 |
|
海洋資源の保全 |
高 |
高 |
○持続可能な漁業・養殖に配慮した製品の取り扱い増による企業価値向上 ●サプライチェーンにおける社会・環境問題への対応遅延による原材料調達不全リスクの増大 ●気候変動による原材料の調達不全リスクの増大 ●認証取得・維持にかかるコストの上昇 |
・持続可能な漁業・養殖認証(MSC・ASC等)取得水産物の取り扱いの推進 ・持続可能な養殖認証の取得の推進 ・輸入水産物のトレーサビリティ確認の強化 ・国内外ダイアローグへの参加 ・完全養殖の展開 ・増養殖技術のR&D体制の強化 |
|
マテリアリティ項目 |
グループ視点 |
社会 視点 |
関連する機会とリスク(○機会 ●リスク) |
主要な取り組み |
|
「消費者志向 経営」の推進 |
高 |
中 |
○お客様の満足度向上によるブランドへの信用獲得による中長期的な収益力の向上 ○ステークホルダーへの適切な情報公開による信頼獲得 |
・「消費者志向経営」に関する啓発研修の実施 ・「消費者志向経営」を推進するための体制構築 ・「お客様の声」を生かす事業活動の強化 ・お客様に満足いただける応対サービスの強化 ・安全・安心への取り組み強化 ・持続可能な環境活動との連携 ・消費者教育「食育活動」との連携 |
|
成長機会の提供 |
高 |
中 |
○働きがいの向上による会社の成長 ○イノベーションが起きやすい環境づくり ○人材獲得競争での優位性獲得 ●労務コストの上昇 |
・次世代経営人材教育育成プログラムの始動 ・グローバル人材育成の加速 ・人材育成スキームのリニューアル |
|
「生涯健康 計画」の推進 |
高 |
中 |
○お客様の満足度向上によるブランドへの信用獲得による中長期的な収益力の向上 ○ステークホルダーへの適切な情報公開による信頼獲得 |
・プロモーション活動の推進 ・魚食の推進及び魚由来の機能性成分の研究・開発 ・機能性表示食品、減塩やカルシウム強化、カロリーコントロールなどメタボ対策や骨強化などの「カラダの健康」への対応 ・食べることそれ自体も楽しんでいただけるなど、「ココロの健康」へも配慮する商品 ・ライフステージに寄り添いながら、健やかな暮らしを支える「食」の提案 |
|
ダイバーシティの推進と働き方改革の実施 |
中 |
高 |
○働きがいの向上による会社の成長 ○イノベーションが起きやすい環境づくり ○人材獲得競争での優位性獲得 ●労務コストの上昇 |
・経営陣からの情報・メッセージ発信 ・社員間の横のつながりの強化 ・認定マーク「くるみん」「えるぼし」の取得 ・フォーラムの開催 ・IT化の推進 ・新しい人事制度の創出 ・在宅勤務などの定着 |
|
人権の啓発推進 (従業員以外) |
中 |
高 |
○ステークホルダーへの適切な情報公開による信頼獲得 ●人権問題への対応遅延による企業価値毀損 |
・人権啓発推進活動 |
|
地球温暖化対策 |
中 |
高 |
●脱炭素への取り組み遅延、脱炭素対応による生産コストの増加 ●持続可能な原材料調達リスク ●気候変動への対応遅延による企業価値毀損 |
・省エネルギー設備の増強 ・エネルギー効率の改善 ・ノンフロン冷凍機への転換 ・電気使用量の削減 ・重油・ガス使用量の削減 |
|
循環型社会の 構築 |
中 |
高 |
○廃棄物削減の取り組みによるコスト削減 ●廃棄物削減、リサイクルへの取り組み遅延による企業価値毀損 |
・製造トラブルの削減 ・原材料・資材・商品の廃棄削減 ・廃棄物の有価物化 ・フードロス削減活動の推進 |
|
安全で働きやすい職場づくりの推進 |
中 |
中 |
○働きがいの向上による会社の成長 ○イノベーションが起きやすい環境づくり ○人材獲得競争での優位性獲得 ●労務コストの上昇 |
・管理職向けセミナーの開催 ・時間外労働の削減 |
|
マテリアリティ項目 |
グループ視点 |
社会 視点 |
関連する機会とリスク(○機会 ●リスク) |
主要な取り組み |
|
健康経営の推進 |
中 |
中 |
○労働生産性の向上 ○中長期的な労務コストの削減 ●短期的な労務コストの上昇 |
・健康診断事後措置の強化 ・メンタルヘルス対策の強化 ・健康増進・がん予防セミナーの開催など |
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人権の啓発推進 (従業員) |
中 |
中 |
○働きがいの向上による会社の成長 ○イノベーションが起きやすい環境づくり ○人材獲得競争での優位性獲得 ●労務コストの上昇 |
・人権啓発推進活動 ・社内人権啓発研修の開催 |
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地域社会との 共存・共栄 |
中 |
中 |
○ステークホルダーへの適切な情報公開による信頼獲得 ●地域社会とクレーム・トラブルによるお客様からの信頼低下による収益力の低下 |
・持続可能な水産資源を使った料理教室の開催 ・事業場所在地における地域社会の環境保全活動への参加 ・地域文化継承への協力 ・地域社会とのコミュニケーション ・モノづくりの価値を伝える機会の創出 |
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概況
① 経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの流行が収束しないなか、二度に渡る緊急事態宣言の発令もあり、旅行・宿泊・飲食サービスなどの個人消費が大きく低迷しましたが、テレワーク関連需要が堅調な情報通信サービス業や輸出増の影響を受けた製造業などでの収益改善もあり、企業収益については持ち直しの傾向もみられました。
海外においても、米国や中国で景気持ち直しの動きがみられるものの、新型コロナウイルスの再拡大リスクが払拭されたとは言えず、また米中対立の深刻度は増しており長期化の様相を呈しています。
当社グループ関連業界におきましては、冷凍食品をはじめとする家庭用商品の販売は堅調に推移しましたが、水産物については飲食店の需要が激減したことから、鮮魚・養殖魚・高級商材の取扱いが振るわず、依然として予断を許さない状況が続いています。
このような状況のもと、当社グループでは新型コロナウイルス感染拡大防止と従業員及び関係各位の安全を最優先としながらも、中期経営計画「Innovation toward 2021」の基本方針である「企業価値の向上と持続的成長」の実現に向けて、事業活動を推進してまいりました。
その結果、売上高は862,585百万円(前期比4.7%減)、営業利益は16,208百万円(前期比5.1%減)、経常利益は18,130百万円(前期比8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,778百万円(前期比53.9%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
漁業・養殖事業
漁業・養殖事業は、国内外の水産資源の持続可能かつトレーサビリティの確保できる供給源として、効率的な操業により収益の確保に努めました。
当期は、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の相場下落により、漁業・養殖事業の売上高は32,629百万円(前期比16.7%減)、営業損失は3,188百万円(前期は277百万円の営業損失)となりました。
商事事業
商事事業は、国内外にわたる調達・販売ネットワークを持つ水産商事ユニット・畜産商事ユニット、市場流通の基幹を担う荷受ユニットから構成され、国内外の市場動向を注視しながらお客様のニーズに対応した的確な買付販売と水産加工事業の強化により、収益の確保に努めました。
水産商事ユニットは、第1四半期を底に回復基調にあるものの、新型コロナウイルスの影響から外食・業務筋向け販売不振により減収となりましたが、マグロや帆立などの主要魚種の利益率改善に加え、量販店・宅配向け等の好調チャネルへの販売シフトや新規事業の貢献もあり増益となりました。
荷受ユニットは、新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚などの外食・業務筋向けの高級商材の販売不振により減収減益となりました。
畜産商事ユニットは、全取扱品目において増収となりましたが、輸入豚肉の国内販売価格の下落等により、減益となりました。
以上の結果、商事事業の売上高は419,654百万円(前期比3.8%減)、営業利益は2,289百万円(前期比6.5%減)となりました。
海外事業
海外事業は、中国・タイにおける水産物・加工食品の販売に加え、オセアニアでの基盤を強化しているアジア・オセアニアユニット、すりみ等の生産を中心とした北米商材の日本・北米・欧州での販売を展開する北米・欧州ユニットから構成され、水産物と加工食品の世界的な需要拡大に対応し、グローバル市場における収益の確保に努めました。
アジア・オセアニアユニットは、オセアニアでの漁獲は順調に推移したものの新型コロナウイルスの影響によりメロ市況が下落し、収益に影響を及ぼしましたが、タイでのペットフード事業が好調で全体では減収増益となりました。
北米・欧州ユニットは、国内でのすりみの取扱い減、助子の単価下落及びコロナ禍による欧米での販売減速から減収となり、またアラスカにおける新型コロナ水際対策コスト増、スケソウダラの魚体小型化と漁獲遅延による減産及び生産コスト増等により減益となりました。
以上の結果、海外事業の売上高は154,343百万円(前期比6.3%減)、営業利益は5,129百万円(前期比21.1%増)となりました。
加工事業
加工事業は、家庭用冷凍食品の製造・販売を行う家庭用冷凍食品ユニット、缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート等の製造・販売を行う家庭用加工食品ユニット、業務用商材の製造・販売を行う業務用食品ユニット、及び化成品・調味料・フリーズドライ製品の製造・販売を行う化成ユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
家庭用冷凍食品ユニットは、生活スタイルの変化に伴い米飯・麺・中華等の主力商品の売上が増加し、増収増益となりました。
家庭用加工食品ユニットは、缶詰、デザート、ハムソーセージ各事業とも販売不振により減収となりましたが、フィッシュソーセージを中心に収益性を重視した販売及びゼリー・レトルトの生産体制の見直しに努めた結果、増益となりました。
業務用食品ユニットは、新型コロナウイルスの影響から徐々に回復基調にあるものの、依然として外食向け販売は苦戦を強いられており、生協や介護食向けの販売は好調に推移するも全体をカバーするには至らず、減収減益となりました。
化成ユニットは、DHA・EPA製品及びフリーズドライ製品の販売が順調で、全体として売上は前年並みながらも増益となりました。
以上の結果、加工事業の売上高は226,659百万円(前期比3.3%減)、営業利益は8,002百万円(前期比16.5%増)となりました。
物流事業
物流事業は、新型コロナウイルスの影響により荷動きが鈍化したため減収となりました。一方、冷凍装置換装工事等に伴う減価償却費の増加があったものの、動力費、外注費、労務コスト等が減少したことにより、売上高は15,622百万円(前期比5.5%減)、営業利益は2,140百万円(前期比3.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
総資産は532,719百万円となり、前期に比べ4,655百万円増加いたしました。これは、主として現預金及び投資有価証券の増加によるものであります。
負債は365,722百万円となり、前期に比べ3,362百万円減少いたしました。これは、主として借入金の減少によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は166,996百万円となり、前期に比べ8,018百万円増加いたしました。
各セグメントの資産は次のとおりです。
なお、当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
漁業・養殖事業の総資産は41,694百万円となり、前期に比べ2,680百万円減少いたしました。これは、主としてたな卸資産及び有形固定資産の減少によるものであります。
商事事業の総資産は125,586百万円となり、前期に比べ2,119百万円増加いたしました。これは、主として投資有価証券の増加によるものであります。
海外事業の総資産は125,146百万円となり、前期に比べ5,221百万円減少いたしました。これは、主として有形固定資産の減少によるものであります。
加工事業の総資産は141,714百万円となり、前期に比べ2,239百万円増加いたしました。これは、主として有形固定資産の増加によるものであります。
物流事業の総資産は43,803百万円となり、前期に比べ6,309百万円増加いたしました。これは、主として有形固定資産の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動の結果得られた資金を、主として設備投資及び借入金の返済に使用した結果、当連結会計年度末には31,156百万円と前連結会計年度末に比べ9,383百万円増加いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は33,361百万円となり、前期に比べ5,817百万円減少いたしました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、主に設備投資によるもので、11,996百万円となり、前期に比べ10,449百万円減少いたしました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、主に借入金の返済によるもので、10,812百万円となり、前期に比べ3,680百万円増加いたしました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当期より、一部事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(ⅰ) 生産・仕入実績
当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
漁業・養殖事業(百万円) |
40,839 |
91.6 |
|
商事事業(百万円) |
369,095 |
95.7 |
|
海外事業(百万円) |
154,117 |
92.0 |
|
加工事業(百万円) |
158,655 |
97.7 |
|
物流事業(百万円) |
13,445 |
88.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
736,153 |
94.9 |
|
その他(百万円) |
5,764 |
57.8 |
|
合計(百万円) |
741,918 |
94.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅱ) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
漁業・養殖事業(百万円) |
32,629 |
83.3 |
|
商事事業(百万円) |
419,654 |
96.2 |
|
海外事業(百万円) |
154,343 |
93.7 |
|
加工事業(百万円) |
226,659 |
96.7 |
|
物流事業(百万円) |
15,622 |
94.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
848,909 |
95.3 |
|
その他(百万円) |
13,676 |
96.8 |
|
合計(百万円) |
862,585 |
95.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、販売実績額が総販売実績額の100分の10
以上となる販売先がないため省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前連結会計年度を42,619百万円下回る862,585百万円となりました。主な増減の内訳は、荷受ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚などの外食・業務筋向けの高級商材の販売不振等による商事事業の減収16,678百万円、北米・欧州ユニットにおける国内でのすりみの取扱い減、助子の単価下落及びコロナ禍による欧米での販売減速等による海外事業の減収10,371百万円、業務用食品ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う外食向け販売の苦戦等による加工事業の減収7,669百万円及びまき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の相場下落等による漁業・養殖事業の減収6,542百万円となります。
連結会計年度のセグメント別売上高
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比 |
増減率 (%) |
|
漁業・養殖事業(百万円) |
39,171 |
32,629 |
△6,542 |
△16.7 |
|
商事事業(百万円) |
436,332 |
419,654 |
△16,678 |
△3.8 |
|
海外事業(百万円) |
164,715 |
154,343 |
△10,371 |
△6.3 |
|
加工事業(百万円) |
234,328 |
226,659 |
△7,669 |
△3.3 |
|
物流事業(百万円) |
16,524 |
15,622 |
△901 |
△5.5 |
|
その他(百万円) |
14,131 |
13,676 |
△455 |
△3.2 |
|
合計(百万円) |
905,204 |
862,585 |
△42,619 |
△4.7 |
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度から40,752百万円減少し、746,382百万円(前期比5.2%減)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.4ポイント好転し、86.5%となりました。販売費及び一般管理費は、発送配達費等が増加しましたが、旅費交通費等の減少により、前連結会計年度から995百万円減少し、99,994百万円(前期比1.0%減)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.4ポイント悪化し、11.6%となりました。研究開発費は、1,556百万円(前期比38.6%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度を871百万円下回る16,208百万円(前期比5.1%減)となりました。主な内訳は、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の相場下落等による漁業・養殖事業の減益2,911百万円、家庭用冷凍食品ユニットにおける米飯・麺・中華等の主力商品の売上増加等による加工事業の増益1,136百万円及びアジア・オセアニアユニットにおけるタイでのペットフード事業が好調等による海外事業の増益895百万円となります。
また、営業利益の売上高に対する比率は、1.9%(前連結会計年度は1.9%)となりました。
連結会計年度のセグメント別営業利益
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比 |
増減率 (%) |
|
漁業・養殖事業(百万円) |
△277 |
△3,188 |
△2,911 |
- |
|
商事事業(百万円) |
2,447 |
2,289 |
△158 |
△6.5 |
|
海外事業(百万円) |
4,234 |
5,129 |
895 |
21.1 |
|
加工事業(百万円) |
6,866 |
8,002 |
1,136 |
16.5 |
|
物流事業(百万円) |
2,073 |
2,140 |
67 |
3.2 |
|
その他(百万円) |
952 |
1,242 |
289 |
30.4 |
|
調整額(百万円) |
783 |
593 |
△189 |
△24.2 |
|
合計(百万円) |
17,079 |
16,208 |
△871 |
△5.1 |
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度を1,771百万円下回る18,130百万円(前期比8.9%減)となりました。主な減益の内訳は、営業利益の減少871百万円、為替差益の減少581百万円、持分法による投資利益の減少291百万円となります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度を6,759百万円下回る5,778百万円(前期比53.9%減)となり、1株当たり当期純利益は109円81銭(前連結会計年度は238円24銭)となりました。増減の内訳は、特別利益の減少4,721百万円、特別損失の増加4,012百万円、法人税等の減少4,659百万円、非支配株主に帰属する当期純利益の増加912百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益は194百万円となり、受取賠償金2,026百万円、受取保険金1,807百万円等を計上した前連結会計年度に比べ4,721百万円減少となり、また、特別損失は7,762百万円となり、事業整理損3,158百万円、減損損失2,143百万円等を計上したことにより前連結会計年度に比べ4,012百万円増加となり、前連結会計年度に比べ8,734百万円減益となります。
法人税等合計は前連結会計年度に比べ4,659百万円減少しておりますが、法人税等合計の税金等調整前当期純利益に対する比率が14.4ポイント減の15.5%となっております。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少及び固定資産減損損失の認容等によるものであります。
非支配株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ912百万円の増加となりました。当期純利益が減少したものの非支配株主に帰属する当期純利益が増加したため、当期純利益の減少率に比べ、親会社株主に帰属する当期純利益の減少率が大きくなっております。
② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ4,655百万円(0.9%)増加し、532,719百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ1,478百万円(0.5%)減少し、300,511百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ6,134百万円(2.7%)増加し、232,207百万円となりました。
主な増減の内訳は、投資有価証券の増加8,257百万円並びに米国アラスカ州に保有していた連結子会社ピーターパンシーフーズの事業譲渡等による現金及び預金の増加9,797百万円並びにたな卸資産の減少8,166百万円となります。
なお、売上債権回転日数は43.4日(前期比0.6日増)、たな卸資産回転日数は76.4日(前期比0.2日増)となっており、売上債権及びたな卸資産の水準は正常な範囲内と判断しております。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により資金需要が今後増大する可能性も考え、手元資金は引き続き余裕を持たせております。
売上債権回転日数及びたな卸資産回転日数
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比 |
増減率 (%) |
|
売上高(a) |
905,204 |
862,585 |
△42,619 |
△4.7 |
|
売上原価(b) |
787,135 |
746,382 |
△40,752 |
△5.2 |
|
受取手形及び売掛金(c) |
106,077 |
102,644 |
△3,433 |
△3.2 |
|
たな卸資産(d) |
164,309 |
156,142 |
△8,166 |
△5.0 |
|
売上債権回転日数(日) |
42.8 |
43.4 |
0.6 |
1.4 |
|
(c)÷(a)×365 |
||||
|
たな卸資産回転日数(日) |
76.2 |
76.4 |
0.2 |
0.3 |
|
(d)÷(b)×365 |
||||
なお、セグメント別資産の内訳は、次のとおりであります。
連結会計年度のセグメント別資産
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (2020年3月31日) |
当連結会計年度 (2021年3月31日) |
前期比 |
増減率 (%) |
|
漁業・養殖事業(百万円) |
44,375 |
41,694 |
△2,680 |
△6.0 |
|
商事事業(百万円) |
123,466 |
125,586 |
2,119 |
1.7 |
|
海外事業(百万円) |
130,368 |
125,146 |
△5,221 |
△4.0 |
|
加工事業(百万円) |
139,474 |
141,714 |
2,239 |
1.6 |
|
物流事業(百万円) |
37,494 |
43,803 |
6,309 |
16.8 |
|
その他(百万円) |
21,392 |
21,646 |
254 |
1.2 |
|
調整額(百万円) |
31,492 |
33,126 |
1,633 |
5.2 |
|
合計(百万円) |
528,063 |
532,719 |
4,655 |
0.9 |
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ3,362百万円(0.9%)減少し、365,722百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ13,956百万円(7.0%)増加し、213,484百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ17,319百万円(10.2%)減少し、152,237百万円となりました。
主な増減の内訳は、未払法人税等の減少2,132百万円、借入金の減少1,878百万円、退職給付に係る負債の減少1,567百万円及び設備投資等に係る未払金の増加3,550百万円となります。
また、有利子負債残高は、前連結会計年度末に対して1,878百万円減少し、259,837百万円となりました。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ8,018百万円(5.0%)増加し、166,996百万円となりました。
主な増減の内訳は、その他有価証券評価差額金の増加5,887百万円、当期純利益による利益剰余金の増加5,778百万円及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少2,105百万円となります。
なお、当社グループでは、グループ中期経営計画において、D/Eレシオ(負債資本倍率)1.5倍及び自己資本比率30.0%を目標としておりますが、D/Eレシオについては、前連結会計年度末の2.0倍から1.8倍に、自己資本比率は前連結会計年度末の25.1%から26.8%になりました。また、1株当たり純資産は前連結会計年度末の2,520円27銭から2,714円32銭になりました。
引き続き、成長への投資を最優先として収益性を高めながら、財務基盤の強化を図ってまいります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比 |
|
有利子負債(a) |
261,715 |
259,837 |
△1,878 |
|
自己資本(b) |
132,628 |
142,833 |
10,205 |
|
総資産(c) |
528,063 |
532,719 |
4,655 |
|
D/Eレシオ(倍)(a)÷(b) |
2.0 |
1.8 |
△0.2 |
|
自己資本比率(%)(b)÷(c) |
25.1 |
26.8 |
1.7 |
なお、当社グループでは、グループ中期経営計画において、ROA(総資産経常利益率)5.7%を目標としておりますが、前連結会計年度に比べ0.4ポイント悪化し3.4%となりました。内訳は、売上高経常利益率が前連結会計年度に比べ0.1ポイント悪化し2.1%、総資産回転率が前連結会計年度に比べ10.1ポイント悪化し162.6%となります。
総資産回転率の悪化については、コロナ禍における高級魚の相場下落や販売不振が長期化していること等による売上高の減少及び投資有価証券の増加等による総資産の増加による影響もありますが、水産関連事業における構造的な問題でもあり、課題と考えております。
構造的課題として、主に以下の4点を認識しております。
・海外まき網漁業の採算悪化
・養殖事業の市況低迷と高コスト構造
・荷受事業の市況低迷と構造改革の遅れ
・北米のピーターパンシーフーズの収益悪化
このうち、ピーターパンシーフーズは、不採算事業の譲渡が既に完了しており、解消済みと考えております。
残る課題についても、海外まき網漁業は、不採算漁船の減船等によるコスト削減、養殖事業は、完全養殖魚のコスト低減、研究開発強化、荷受事業は、水産商事事業との連携強化による市場外取引の充実に、それぞれ着手しております。
さらに、当社グループの水産資源調達力と食品加工技術力を生かしたバリューチェーンを更に強化拡充すべく、次期より事業セグメント及び事業ユニットを再編し、各ユニットのシナジーを追求します。
引き続き、成長への投資を最優先と考えておりますが、コロナ禍における高級魚の相場下落や販売不振が長期化していること等から、投資にあたっては慎重に判断するとともに、事業ごとに収益性を勘案しながら適正な事業規模となるよう在庫、設備等を適宜見直してまいります。
ROA(総資産経常利益率)
|
|
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比 |
|
売上高(百万円) |
905,204 |
862,585 |
△42,619 |
|
経常利益(百万円) |
19,901 |
18,130 |
△1,771 |
|
総資産(百万円) |
528,063 |
532,719 |
4,655 |
|
ROA |
3.8% |
3.4% |
△0.4pt |
|
売上高経常利益率 |
2.2% |
2.1% |
△0.1pt |
|
総資産回転率 |
172.7% |
162.6% |
△10.1pt |
(注)1.ROA:経常利益/期首・期末平均総資産
2.売上高経常利益率:経常利益/売上高
3.総資産回転率:売上高/期首・期末平均総資産
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結キャッシュ・フローの状況
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
39,178 |
33,361 |
△5,817 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△22,445 |
△11,996 |
10,449 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△7,132 |
△10,812 |
△3,680 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
319 |
△1,168 |
△1,487 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
9,919 |
9,383 |
△535 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
21,772 |
31,156 |
9,383 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、33,361百万円の収入(前連結会計年度は39,178百万円の収入)となりました。減価償却費16,166百万円、税金等調整前当期純利益10,561百万円、たな卸資産の減少額9,976百万円があったこと等によるものです。
前連結会計年度に比べて営業活動の結果得られた資金が5,817百万円減少いたしましたが、主な増減の内訳は、税金等調整前当期純利益の減少10,505百万円、売上債権の減少額の減少5,062百万円、たな卸資産の減少額の増加8,516百万円等となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,996百万円の支出(前連結会計年度は22,445百万円の支出)となりました。物流事業における物流センター、加工事業における生産拠点、海外事業における漁船、生産拠点等を中心に、有形固定資産の取得による支出22,771百万円、事業譲渡による収入10,241百万円等によるものです。
前連結会計年度に比べて投資活動の結果使用した資金が10,449百万円減少いたしましたが、主な増減の内訳は、事業譲渡による収入の増加10,241百万円等となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10,812百万円の支出(前連結会計年度は7,132百万円の支出)となりました。借入金の返済による支出3,065百万円、配当金の支払額2,096百万円、非支配株主への配当金の支払額1,625百万円等によるものです。
前連結会計年度に比べて財務活動の結果使用した資金が3,680百万円増加いたしましたが、主な増減の内訳は、連結子会社である大都魚類株式会社株式に対する公開買付け等の連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出の増加1,896百万円、借入金の返済による支出の増加1,488百万円等となります。
(資金の流動性)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ9,383百万円増加し、31,156百万円となりました。
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
有利子負債残高は259,837百万円でありますが、短期借入金は135,920百万円であり、手元流動性は十分に確保できていると考えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
(財務政策)
当社グループは、グループ中期経営計画「Innovation toward 2021」において、①収益力の更なる向上、②成長への取り組み、③経営基盤の強化を掲げております。
グループ中期経営計画に基づき、成長への投資を最優先としながらも、財務基盤の強化を図ります。運転資本の効率的な運用にも取り組み、より強固な財務体質を目指します。
また、当社グループは国内連結子会社を含めたキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、運転資金及び設備投資資金の調達は、主に当社の借入及びグループ各社の事業活動から生じるキャッシュ・フローを資金集中することによる自己資金によっております。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
(資金需要の動向)
当社グループでは、設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
また、グループ中期経営計画「Innovation toward 2021」に掲げる成長への投資として、水産資源アクセスを最大限に生かしたバリューチェーンの再構築、加工事業における生産拠点の再構築をはじめとする利益率の改善と商品開発力の強化及び国内外における水産事業バリューチェーンへの投資、冷凍食品事業への積極投資、中長期的な成長領域への投資として、養殖事業、介護食事業、化成事業への投資のほか、グループ中期経営計画「Innovation toward 2021」と併せて策定しました「サステナビリティ中長期経営計画」及び「コーポレートブランディング活動」について着実に推進するための活動を展開するために資金を充当してまいります。
設備投資を目的とした資金需要のうち主なものは、食品生産拠点、物流センター、漁船等の購入・建設費用等であり、運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入、製造費用、生産拠点及び物流センターの運営費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
引き続き、新型コロナウイルスの影響拡大による資金需要が今後増大する可能性も考え、資金需要の増大にも備えてまいります。
各セグメントの資金需要の動向は次のとおりであります。
なお、当社グループは、「魚」をコアにした水産食品企業グループであり、製品・サービスの特性、市場及び顧客の種類などの要素で多面的にとらえて編成した複数の事業ユニットを、主に事業類似性の観点から、分割・集約したうえで、「漁業・養殖」、「商事」、「海外」、「加工」及び「物流」の5つを従来の報告セグメントとしておりましたが、水産部門のグローバルに展開する調達から販売までの各ユニットのシナジーを追求し、バリューチェーンの更なる強化拡充を促進するため、次期より、「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分に変更することといたしました。
水産資源事業
漁船、漁業許可権利金、食品生産拠点、養殖設備等の購入・建設費用並びに商品及び原材料の仕入、養殖魚や養殖のために必要なエサ代、製造費用、生産拠点の運営費等の運転資金が必要となります。
加工事業
食品生産拠点の購入・建設費用並びに商品及び原材料の仕入、製造費用、生産拠点の運営費等の運転資金が必要となります。
物流事業
物流センターの購入・建設費用及び物流センターの運営費等の運転資金が必要となります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の経営者は、重要な判断と見積りや計画の策定に対し、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、下記については、重要なものとして、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(ⅰ)固定資産の減損
(ⅱ)たな卸資産の評価
(ⅲ)繰延税金資産の回収可能性
(ⅳ)新型コロナウイルス感染拡大の影響
その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりです。
(ⅴ)貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
個別の回収可能性の検討にあたっては、取引先の財政状態、担保物の見積回収可能価額などの見積り・前提を使用しております。
当連結会計年度においては、流動資産で△400百万円、固定資産で△3,412百万円の貸倒引当金を計上しております。
取引先の財政状態、担保物の見積回収可能価額には不確実性を伴い、これらに対する経営者による判断が売上債権、貸付金等の貸借対照表価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅵ)投資有価証券の減損
当社グループは、その他有価証券のうち、時価のあるものについては、期末日における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に原則として減損処理を行い、30~50%程度下落した場合に、回復可能性を判断して減損処理を行うこととしております。時価のないものについては、当該有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合には回復可能性がないものとして判断し、30%~50%程度下落した場合には当該有価証券の発行会社の財政状態及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
個別の回収可能性の検討にあたっては、当該有価証券の発行会社の財政状態、将来の展望などの見積り・前提を使用しております。
当連結会計年度においては、投資有価証券として43,665百万円計上しております。
有価証券の発行会社の財政状態、将来の展望などには不確実性を伴い、これらに対する経営者による判断が連結貸借対照表価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅶ)退職給付会計
当社グループは、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。また、一部連結子会社では、確定拠出制度を採用しております。
当社においては、退職給付信託を設定しております。
退職給付型の制度において、退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の見積り・前提を用いております。
割引率については、デュレーション法(加重平均期間アプローチ)により算出した期間に対応する国債のイールド・カーブから抜粋した利回りを加重平均割引率とする方法を採用しております。
当連結会計年度においては、退職給付に係る負債として19,383百万円を計上しております。
これらの見積り・前提に用いる割引率、退職率及び死亡率などについては、現時点で妥当と判断したデータその他の要因に基づき設定しておりますが、実際の結果がこれらの見積り・前提と異なる場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、退職給付関係に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)に記載のとおりであります。
特記すべき事項はありません。
当社グループでは、お客様の健康に役立つ商品をご提案するための研究開発、技術蓄積を旨として、「生涯健康」をスローガンに研究活動を進めております。
特に、水産・食品分野を中心として、①食品の美味しさ・栄養成分の保持・増強、②微生物制御、③機能性素材開発、④環境・自然と調和した水産資源調達技術の4つの領域に注力いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
主なセグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果は次のとおりであります。
漁業・養殖事業
世界的な人口増加と新興国の経済成長により、良質かつヘルシーなたんぱく源である魚の需要が世界規模で急増しているなか、水産、養殖分野での取り組みの重要性が高まっております。特にSDGs目標14「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」に貢献することを目指して、養殖魚の餌となる天然魚や魚粉原料をできる限り使用しないで、大豆などの植物性タンパク質を有効利用できるよう、原料の発酵処理、あるいは養殖魚の腸内細菌の活用といった研究開発を行っております。また、ブリやカンパチは、血合肉が変色しやすく改善が求められているため、これまでに血合肉の変色を抑制できる養殖用飼料の開発・実用化を手掛け、おいしさの部分においても、呈味成分等を詳細に分析することで客観的な指標を見出し、さらに高いレベルの品位を目指して改良を進めております。
沿岸域での海面養殖だけではなく、台風や赤潮などの自然環境に影響されにくく、残餌や糞により海洋環境を汚すことのない閉鎖循環型陸上養殖については、研究助成を受けて産官学と連携を取りながら研究開発を進め、山形県遊佐町で試験中のサクラマスの陸上養殖において、ASC認証※を2020年3月に取得しました。ASC認証サケ基準において陸上養殖での取得は、日本初の事例となります。
種苗生産研究では、2020年4月に、増養殖事業部傘下の「南さつま種苗センター」を、中央研究所管轄の新会社として組織変更した「㈱マルハニチロ養殖技術開発センター」の本格稼働により、大量生産、ゲノム育種などの養殖関連技術の開発と研究に成果を上げております。また、2021年3月に、完全養殖クロマグロ育種改良のための基盤・応用技術の開発に関して、国立研究開発法人水産研究・教育機構と協働していくことで合意しました。この取り組みによって、人工種苗を用いたクロマグロ養殖の体質強化と持続的発展に資する技術開発を進めていきます。
2015年4月の制度化で誕生した「機能性表示食品制度」は、科学的根拠の提示と適切な品質管理のもと、事業者責任において食品に機能性を表示することを可能とした制度です。この制度は、加工食品のみならず、農水産物などの生鮮食品も対象としておりますが、生鮮食品の各種栄養成分や機能性関与成分の含量は加工食品と比べて安定しにくいため、規格管理が難しいことが障壁となっておりました。当社ではこのハードルを越えるべく、代表的な養殖魚として知られる「カンパチ」の機能性関与成分であるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)量について、年間を通じた調査を行い、規格管理を実施することで2018年1月に生鮮食品区分の水産品として初の機能性表示食品の届出が受理され、2018年8月より販売を開始しております。さらに、株式会社ベイシアとの取組みで、水産売場において中性脂肪を低下させる効果がある機能性表示食品として販売することを検討し、届出が受理され、2021年4月よりベイシア各店での販売に至っております。現在、魚種拡大の可能性についても検討を進めており、機能性をもつ生鮮食品の販売拡大を目指しております。
※ ASC認証:ASC(Aquaculture Stewardship Council、水産養殖管理協議会)による、養殖業に対する認証制度。環境と人にやさしい責任ある養殖業で生産された水産物に認められる証。
商事事業
エビは調理後の食感や味を向上させるために浸漬剤による処理を行っており、エビの加工現場で用いる独自配合の浸漬剤の開発・実用化を進めています。これら浸漬剤を用いた処理により、素材が持つ美味しさを保ちつつ、品質を向上させることができ、特に食感や色の改良が認められております。これらエビの浸漬に関する技術は、特許を出願、取得しております。さらに、浸漬処理の技術は、エビだけではなく、その他の水産物への応用にも取り組んでいます。
魚介類の国内での消費量が減少し続ける中、魚介類の価値を高めるための一つの取り組みとして、魚由来の成分の健康に及ぼす影響、さらに、日常の食生活の中で魚を中心とする食事の健康への効果を実証するための各種検討を進めております。
海外事業
水産加工現場から排出される未利用資源の有効利用に関する技術開発を行い、環境負荷低減の取り組みを進めております。
主に海外で漁獲される魚介類の鮮度保持技術の開発を行っており、原料それ自体の鮮度での差別化を指向した取り組みも併せて進めております。
加工事業
食品の見た目、香り、味や食感などの特徴を官能評価で数値化し、プロファイリングを行い、栄養成分や物性などの美味しさに関わる科学的な要素を分析し比較することで、理論的に食品の特徴をコントロールする取り組みを行っております。
食塩を控えるなど健康志向の強い消費者に対応できるよう、減塩しても美味しさが変わらない技術や噛みやすく飲み込みやすい食感(物性)が必要な介護食を安定して製造するための技術開発に取り組み、当社商品への応用展開を進めております。
機能性表示食品は、健康の維持や増進など、科学的な根拠に基づいた機能が事業者の責任でわかりやすく表示されているため消費者が正しく選ぶことができ、さらに、安全性も確保されているものです。当社では、長年続けてきた魚油由来の健康成分であるDHAとEPAに関する研究成果をもとに、機能性表示食品の開発にいち早く取り組みました。その結果、業界初やカテゴリー初となる機能性表示食品を次々に開発し、これまでに、DHA・EPAを関与成分とした中性脂肪を低下させる機能がある食品、DHAを関与成分とした情報の記憶をサポートする機能がある食品として、多数の品目について消費者庁で届出を受理されております。また、DHAに関しては、さらなる有用な機能の追究や時間栄養学の視点での研究なども行い、健康長寿やクオリティ・オブ・ライフ(QOL)をサポートする素材の研究開発を進めております。
DHA以外にも、当社が原料調達などでの優位性を有する他の素材についても検討を進めており、サケ白子に含まれるプロタミンの抗菌性を活用した口腔ケア等への応用研究、同様にサケ白子に含まれるDNAの肝機能改善効果や血糖値上昇抑制効果等のエビデンス取得、サケ肉に含まれるイミダゾールジペプチドの疲労感軽減効果等のエビデンス取得など、水産物由来の機能性成分に関する研究を推進しております。
自然解凍冷凍食品、フローズンチルド商品など、多様なカテゴリーからなる当社商品に関して、商品の安全性担保のための基盤となる微生物制御技術の研究を進めております。独立行政法人製品評価技術基盤機構との共同研究では、近年注目を浴びているマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS)を用いた、食中毒原因菌であるセレウス菌(Bacillus cereus)の迅速かつ精密な識別・同定(菌種特定)法を2018年に確立いたしました。さらに、当該分析法を用いた同定精度向上とともに、食中毒菌等の迅速検出技術、増殖予測技術についても研究を進めております。
さらに水産・食品分野のリーディングカンパニーとして、関連学会での発表はもとより、関連セミナーにおける講師、地域における理科授業の実施など、成果や技術力の情報発信に加え、社会に対する貢献活動に継続して取り組んでまいりました。