当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)
等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、景気の減速が懸念されたものの、総じて緩やかな回復を継続しました。
中国では経済構造改革が進められるなかで成長のペースが減速しました。欧州では中国や新興国向け輸出が減少した
ことにより低迷した状況が継続しました。米国では新規雇用者数の増加等を背景に利上げに踏み切ったものの、個人
消費の勢いが鈍化し、資源安やドル高の影響で輸出が低迷しました。国内経済は、設備投資や輸出が伸び悩み、景気
の減速が懸念されたものの、雇用情勢の改善を背景に個人消費の持ち直しが見受けられ、緩やかに回復しました。
非鉄金属業界におきましては、ニッケル価格は、鉱石供給面への懸念から前年同期間において一時急伸したもの
の、その後、供給過剰感や中国経済の減速懸念などから下落に転じ、当第3四半期連結累計期間中も下落基調が継続
しました。銅価格は、当第3四半期連結累計期間は総じて下落傾向となりました。金価格は、小幅な値動きが続くな
か下落基調で推移しました。いずれの金属価格も、当第3四半期連結会計期間末にかけてさらに下げを強めました。
材料事業の関連業界におきましては、車載用電池向け部材の需要が増加し、スマートフォン向けなどの部材も堅調
な販売環境を維持しましたが、パソコンやタブレットなどでの需要低迷から在庫調整の動きがみられるようになりま
した。
このような状況のなか、当第3四半期連結累計期間の売上高は、円安の影響に加え、ニッケル及び金の増販があったものの、金属価格が下落したことなどにより前年同期間に比べ200億99百万円減少し、6,608億32百万円となりました。営業利益は、円安及び増販による好転要因があったものの、金属価格の下落による在庫評価影響の悪化などにより、前年同期間に比べ342億72百万円減少し、595億30百万円となりました。経常利益は、営業利益の減少に加え、シエラゴルダ鉱山社において減損損失が計上されたことによる持分法による投資損失の計上及び為替差益の減少などにより前年同期間に比べ1,377億99百万円減少し、23億52百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、ヴァーレ ニューカレドニア社への投資に対する投資損失引当金の取崩しによる戻入益の好転要因はありましたが、経常利益が大幅に減少したため、前年同期間に比べ854億1百万円減少し、107億19百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 資源セグメント
菱刈鉱山では計画通り順調な生産を継続しております。ポゴ金鉱山の生産量及び販売量は金品位低下により前年同期間を下回りました。モレンシー銅鉱山の生産量及び販売量は前年同期間を上回りました。シエラゴルダ鉱山社において減損損失が計上されたことによる持分法による投資損失の計上に加えて、銅及び金価格の下落などにより、セグメント損失となりました。
売上高は、前年同期間に比べ87億88百万円増加し909億10百万円となりましたが、セグメント損益は前年同期間に比べ862億24百万円悪化し、432億64百万円の損失となりました。
② 製錬セグメント
ニッケル及び金については、前年同期間に比べ販売量は上回りましたが、金属価格の下落などにより減収となりました。円安による好転はあったもののニッケル価格の下落などにより、セグメント利益は前年同期間を下回りました。
売上高は、前年同期間に比べ235億39百万円減少し5,007億72百万円となり、セグメント利益は前年同期間に比べ265億33百万円減少し、347億83百万円となりました。
③ 材料セグメント
電池材料及び結晶材料は、車載用電池向けやスマートフォン向け需要が好調を維持しましたが、その他の製品で顧客の在庫調整の動きが顕著となり減販となりました。また、減販による悪化に加え、車載用電池向けやスマートフォン向け需要への増産体制を構築するための費用が増加したことなどにより、セグメント利益は前年同期間を下回りました。
売上高は、前年同期間に比べ5億11百万円減少し1,292億52百万円となり、セグメント利益は前年同期間に比べ72億54百万円減少し、39億27百万円となりました。
(2) 財政の状況
① 資産の部
資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,010億17百万円減少し、1兆6,392億29百万円となりました。
流動資産合計は、売上高の減少などの影響により受取手形及び売掛金が減少したこと、また、商品及び製品が減少したことなどから、前連結会計年度末と比べ488億44百万円減少し、4,970億17百万円となりました。固定資産合計は、持分法による投資損失の計上等による投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末と比べ521億73百万円減少し、1兆1,422億12百万円となりました。
② 負債の部
負債合計は、前連結会計年度末と比べ568億28百万円減少し、5,244億73百万円となりました。
流動負債合計は、未払法人税等や支払手形及び買掛金の減少などにより、前連結会計年度末と比べ358億68百万円減少し、2,025億57百万円となりました。固定負債合計は、1年内償還予定の社債への振替えなどにより、前連結会計年度末と比べ209億60百万円減少し、3,219億16百万円となりました。
③ 純資産の部
純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益を107億19百万円計上したものの、第1四半期会計期間及び当第3四半期会計期間において配当を実施し、また、その他有価証券評価差額金が減少したことなどから、前連結会計年度末と比べ441億89百万円減少し、1兆1,147億56百万円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。また、新たに生じた事業上及び財務上の重要な対処すべき課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容など(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかし、株式の大量買付のなかには、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
a.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は平成25年2月7日に、平成25年度から平成27年度までの3年間を対象とする「2012年中期経営計画」(以下、「12中計」という。)を公表し、「世界の非鉄リーダー」と「日本のエクセレントカンパニー」をめざすことを基本戦略として掲げ、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上を実現するために邁進いたします。
具体的には、非鉄金属の資源・製錬事業においては、平成33年に、ニッケル生産量15万t/年体制及び権益分年間生産量として銅30万t・金30tをめざして事業の拡大を図り、材料事業においては、さらなる経常利益積上げをめざすとともに、引き続き成長が見込まれる環境・エネルギー分野への経営資源の集中などの展開を図ってまいります。さらに連結売上高1兆円、連結当期純利益1千億円の規模と収益力を持ち、確固とした経営理念、経営ビジョンや、これらに基づくコーポレート・ガバナンスの徹底とCSR活動の充実を図る等の強固な経営基盤の下で、成長戦略を継続的に打ち出し実現していく企業をめざします。
当社は、コーポレート・ガバナンス強化のため、執行役員制度を導入するとともに、取締役(社外取締役を除きます。)と執行役員について業績連動報酬制度を導入しております。また、取締役の任期を1年としており、社外取締役を2名選任いたしております。
b.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成25年2月7日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」の更新を決議し、第88期定時株主総会において、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認をいただきました(以下、更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる当該大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。
買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株式の大量買付を行うことができるものとされています。
買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株式の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プランに定められた発動要件を満たす場合には、当社は、買収者による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、1個の新株予約権につき、原則として0.5から1株の範囲内で当社株式が発行されることから、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した当社社外取締役等のみから構成される独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プランに定められた場合には、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することがあります。
こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。
本プランの有効期間は、原則として、平成28年6月開催予定の第91期定時株主総会終結の時までとなっております。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の「12中計」並びに既に実施しているコーポレート・ガバナンス強化のための執行役員制度及び業績連動報酬制度、取締役の任期短縮、社外取締役の選任等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ安定的に向上させるための具体的方策として策定されたもので、まさに当社の基本方針に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
また、本プランは、企業価値・株主共同の利益を確保、向上させる目的をもって導入されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。特に、本プランは、第88期定時株主総会において株主の皆様により承認されていること、その内容として合理的な客観的要件が設定されていること、独立性を有する社外取締役等のみによって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を受けることができるとされていること、有効期間は、原則として3年間とされており、また、その満了前であっても当社取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、42億92百万円であります。
また、材料事業関連の研究開発機能のより一層の強化を目的として、平成27年10月1日付で既存の材料開発センター(東京都青梅市)を「材料研究所」に、市川研究所(千葉県市川市)を「市川研究センター」に名称を見直し発足させました。
製品ライフサイクルの短い材料事業においては、事業部門との連携を強化し、スピード感をもった研究開発による新規材料の開発・上市が求められています。そこで、材料研究所を材料事業関連の研究開発の拠点と位置付け、従来、市川研究所において進めてきた有機樹脂関連の研究開発テーマを材料研究所に、次世代電池関連の研究開発テーマを電池研究所(愛媛県新居浜市)に移管して、より事業部門との連携を取りやすくしました。市川研究センターは、粉体基礎研究と評価技術に特化して種まき機能の強化を図りました。これらを通じ、材料事業と研究開発との一層の連携を図り、研究開発を加速しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く事業環境としましては、「(1)業績の状況」のとおり、世界経済は、景気の減速が懸念されたものの、総じて緩やかな回復を継続しました。中国では経済構造改革が進められるなかで成長のペースが減速しました。欧州では中国や新興国向け輸出が減少したことにより低迷した状況が継続しました。米国では新規雇用者数の増加等を背景に利上げに踏み切ったものの、個人消費の勢いが鈍化し、資源安やドル高の影響で輸出が低迷しました。国内経済は、設備投資や輸出が伸び悩み、景気の減速が懸念されたものの、雇用情勢の改善を背景に個人消費の持ち直しが見受けられ、緩やかに回復しました。
非鉄金属業界におきましては、ニッケル価格は、鉱石供給面への懸念から前年同期間において一時急伸したものの、その後、供給過剰感や中国経済の減速懸念などから下落に転じ、当第3四半期連結累計期間中も下落基調が継続しました。銅価格は、当第3四半期連結累計期間は総じて下落傾向となりました。金価格は、小幅な値動きが続くなか下落基調で推移しました。いずれの金属価格も、当第3四半期連結会計期間末にかけてさらに下げを強めました。材料事業の関連業界におきましては、車載用電池向け部材の需要が増加し、スマートフォン向けなどの部材も堅調な販売環境を維持しましたが、パソコンやタブレットなどでの需要低迷から在庫調整の動きがみられるようになりました。
足元の世界経済は、中国及び新興国の景気減速の影響により、景気の回復基調はさらに緩やかなものとなることが予想されます。しかしながら、長期的には中国をはじめとする新興国を中心に、非鉄金属の需要は底堅く推移するものと見込まれます。そのため、今後も資源の獲得競争の激化に備えた取組みを進めてまいります。また、材料事業においては、増加する需要に対して、増産体制を構築し収益の拡大を図ってまいります。また、引き続き、事業構造改革を推し進め、材料セグメントの収益基盤の確立に注力してまいります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
世界の非鉄金属業界は、最大の消費国である中国の経済が減速したことなどにより、全般的に価格が低下しましたが、中長期的には新興国の非鉄金属需要は増加が見込まれます。資源メジャーによる資源寡占化の状況が続いていることや資源ナショナリズムの動きも顕在化していることなどから、今後も資源の確保は厳しい状況が続くものと予想しております。
これに対して当社グループは、「12中計」で公表している戦略を着実に推進し、資源、製錬、材料の3つのコアビジネスの継続的成長により、企業価値の一層の向上をめざしてまいります。
資源事業では、長期ビジョンとして権益分年間生産量をそれぞれ銅30万t・金30tとすることをめざして、探鉱と開発案件への参入を進めます。シエラゴルダプロジェクトは、平成27年6月末に所定の条件を満たし商業生産を開始しており、今後はさらなる操業度の向上に取り組みます。また、菱刈鉱山及びポゴ金鉱山は、新規鉱床の開発を進めマインライフの延長を図ります。さらに、既に稼働している海外銅鉱山の拡張計画を順次実現させ、マイニングビジネスでの収益力を強化していきます。
製錬事業では、平成27年度は、年間を通じてニッケル10万t/年体制での生産を行い、電気ニッケル・電気コバルトを拡販しております。さらに長期ビジョンとして、新規鉱源確保と生産能力増強により、これを15万t/年に引き上げる構想を描いています。銅製錬は、安定操業に注力するとともに二次原料の増処理などによりコスト競争力の強化を図ります。
材料事業では、事業構造の転換をさらに推し進め、事業体質の強化を図ってまいります。また、成長が見込まれる環境・エネルギー関連分野において、研究開発部門と協力して、二次電池向け、燃料電池向け、太陽電池向けなどの様々な材料開発に注力していくとともに、新商品上市に向けて精力的に取り組みます。さらに製錬事業とのシナジーによる高機能材料の商品化を促進してまいります。
(注)「事業の状況」に記載している金額は、「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政の状況」を除き、消費税等を除いた金額であります。