当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、全体として緩やかな回復を継続しましたが、英国のEU離脱の動きにより先行き不透明感が高まりました。中国では経済構造改革が進められるなか、景気の減速が継続しました。欧州では中国や他の新興国向け輸出が減少したことにより低迷した状況が継続しました。米国では資源国経済の悪化により輸出が低迷する一方で、雇用の底堅さを背景に個人消費は堅調さを維持しました。国内経済は、雇用情勢の改善を背景に雇用者所得は回復傾向にあるものの、設備投資や輸出が伸び悩み、景気の減速が懸念されました。また、当第1四半期連結累計期間は、年初から円高傾向が継続しておりましたが、当第1四半期連結会計期間末にかけてさらに円高が進みました。
非鉄金属業界におきましては、当第1四半期連結累計期間のニッケル及び銅価格は中国経済の減速懸念などから前年同期間に比べ大幅に下落したものの、当第1四半期連結会計期間末にかけて上昇基調で推移しました。
材料事業の関連業界におきましては、車載用電池向け部材の需要が増加し、スマートフォン向けなどの部材もおおむね堅調な販売環境が継続しました。一方で、パソコンや液晶テレビ向けなどの部材は需要が低迷しました。
このような状況のなか、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は、ニッケル及び銅価格の下落並びに円高により邦貨換算での価格が大幅に下落したことなどから、前年同期間に比べ625億67百万円減少し、1,770億46百万円となりました。連結営業利益は、ニッケル及び銅価格の下落並びに円高により、前年同期間に比べ180億74百万円減少し、80億7百万円となりました。連結経常利益は、連結営業利益の減益に加え、為替差損益の悪化などにより前年同期間に比べ363億24百万円減少し、2億71百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純損益は、国内連結子会社である株式会社ジェー・シー・オーにおいて同社施設の廃止措置に向けた準備のため廃止措置準備引当金繰入額を特別損失に計上したことなどにより、前年同期間に比べ332億71百万円悪化し、69億36百万円の損失となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 資源セグメント
菱刈鉱山では計画通り順調な生産を継続しております。ポゴ金鉱山は、鉱石の金品位の低下などにより、前年同期間に比べ販売量は下回りました。モレンシー銅鉱山の生産量及び販売量は前年同期間を上回りました。銅価格の下落及びシエラゴルダ鉱山社の損失により、セグメント利益は前年同期間を下回りました。
売上高は、前年同期間に比べ80億68百万円減少の236億10百万円となり、セグメント利益は、前年同期間に比べ50億59百万円減少の76億26百万円となりました。
② 製錬セグメント
ニッケル(フェロニッケルを含む)の生産量及び販売量は前年同期間を下回りました。ニッケル及び銅価格は前年同期間を下回り、さらに円高が進んだことなどから、セグメント損益は前年同期間に比べ悪化しました。
売上高は、前年同期間に比べ594億49百万円減少の1,265億26百万円となり、セグメント損益は、前年同期間に比べ211億50百万円減少の16億円の損失となりました。
③ 材料セグメント
電池材料及び結晶材料は、車載用電池向けやスマートフォン向けなどの部材の需要が好調であったことから前年同期間に比べ販売量は増加しました。しかしながら、パッケージ材料及び粉体材料では、パソコンや液晶テレビ向けなどの部材の需要低迷から販売量は減少し、セグメント利益は前年同期間を下回りました。
売上高は、前年同期間に比べ37億60百万円減少の407億60百万円となり、セグメント利益は、前年同期間に比べ1億98百万円減少の17億28百万円となりました。
(2)財政の状況
① 資産の部
資産合計は、前連結会計年度末と比べ303億57百万円減少し、1兆6,004億43百万円となりました。
流動資産合計は、主に譲渡性預金である有価証券の減少があったものの、現金及び預金が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べ430億13百万円増加し、5,820億92百万円となりました。固定資産合計は、ヴァーレ ニューカレドニア社株式の売却並びに上場株式の株価下落に伴う時価評価額の低下により、投資有価証券が減少したことなどから、前連結会計年度末と比べ733億70百万円減少し、1兆183億51百万円となりました。
② 負債の部
負債合計は、前連結会計年度末と比べ233億39百万円増加し、5,781億44百万円となりました。
流動負債合計は、支払手形及び買掛金の減少などにより、前連結会計年度末と比べ124億85百万円減少し、2,127億82百万円となりました。固定負債合計は、長期借入金の増加や廃止措置準備引当金の計上などにより、前連結会計年度末と比べ358億24百万円増加し、3,653億62百万円となりました。
③ 純資産の部
純資産の部の合計は、円高により為替換算調整勘定が減少したこと、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上があったこと、並びに上場株式の株価下落に伴いその他有価証券評価差額金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ536億96百万円減少し、1兆222億99百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。また、新たに生じた事業上及び財務上の重要な対処すべき課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容など(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかし、株式の大量買付のなかには、対象会社の企業価値・株主共同の利益を損なうものも少なくありません。
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
a.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、平成28年2月15日に、平成28年度から平成30年度までを対象とした「2015年中期経営計画」(以下、「15中計」という。)を公表し、引き続き長期ビジョンである「世界の非鉄リーダー」と「日本のエクセレントカンパニー」をめざす基本戦略の下、「資源」「製錬」「材料」の各事業の成長戦略を継続的に推進してまいります。
具体的には、資源・製錬事業においては、ニッケル年産15万t体制及び権益分年間生産量として銅30万t・金30tをめざして事業の拡大を図り、材料事業においては、今後、需要の伸びが期待される分野において積極的な商品開発や経営資源の投入を行い成長戦略を進めてまいります。
当社は、より透明性の高い経営をめざして、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役として選任する方針を定めており、この方針に基づき、取締役8名のうち3名を独立した社外取締役としております。また、監査役4名のうち2名を社外監査役として選任しております。社外取締役及び社外監査役の独立性の判断にあたっては、会社法に定める社外要件、株式会社東京証券取引所が定める独立性の基準及び当社が定めた独立性の基準に従います。かかる基準によれば、当社の社外取締役と社外監査役はいずれも当社からの独立性を有しております。取締役、執行役員等の指名・報酬等については、執行役員でない取締役会長及び独立社外取締役を構成員とし、独立社外取締役が過半数を占めるガバナンス委員会において助言を得ることとしています。また、取締役及び監査役の自己評価等により取締役会の実効性のさらなる向上を図っております。加えて、執行役員制度を採用しており、執行役員の権限と責任の明確化と執行役員に対する大幅な権限委譲を行い、執行機能を強化しております。
b.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成28年2月15日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」の更新を決議し、第91期定時株主総会において、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認をいただきました(以下、更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様が当該大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。
買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株式の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プランに定められた発動要件を満たす場合には、当社は、買収者による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使または当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、1個の新株予約権につき、原則として0.5から1株の範囲内で当社株式が発行されることから、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した当社社外取締役等のみから構成される独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。
また、当社取締役会は、これに加えて、本プランに定められた場合には、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することがあります。
こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。
本プランの有効期間は、原則として、平成31年6月開催予定の第94期定時株主総会終結の時までとなっております。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の「15中計」並びに既に実施しているコーポレート・ガバナンス強化のための各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ安定的に向上させるための具体的方策として策定されたもので、まさに当社の基本方針に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
また、本プランは、企業価値・株主共同の利益を確保、向上させる目的をもって導入されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。特に、本プランは、第91期定時株主総会において株主の皆様により承認されていること、その内容として合理的な客観的要件が設定されていること、独立性を有する社外取締役等のみによって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を受けることができるとされていること、有効期間は、原則として3年間とされており、また、その満了前であっても当社取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、13億50百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境としましては、「(1)業績の状況」のとおり、中国では経済構造改革が進められるなか、景気の減速が継続しました。欧州では中国や他の新興国向け輸出が減少したことにより低迷した状況が継続しました。米国では資源国経済の悪化により輸出が低迷する一方で、雇用の底堅さを背景に個人消費は堅調さを維持しました。国内経済は、雇用情勢の改善を背景に雇用者所得は回復傾向にあるものの、設備投資や輸出が伸び悩み、景気の減速が懸念されました。また、当第1四半期連結累計期間は、年初から円高傾向が継続しておりましたが、当第1四半期連結会計期間末にかけてさらに円高が進みました。
非鉄金属業界におきましては、当第1四半期連結累計期間のニッケル及び銅価格は中国経済の減速懸念などから前年同期間に比べ大幅に下落したものの、当第1四半期連結会計期間末にかけて上昇基調で推移しました。
材料事業の関連業界におきましては、車載用電池向け部材の需要が増加し、スマートフォン向けなどの部材もおおむね堅調な販売環境が継続しました。一方で、パソコンや液晶テレビ向けなどの部材は需要が低迷しました。
足元の世界経済は、英国のEU離脱決定や、中国経済の成長鈍化などによる下押し圧力が見込まれますが、全体としては緩やかな成長が継続すると予想されます。
当社グループをとりまく事業環境のうち、非鉄金属業界につきましては、当年度の銅の需給はほぼ均衡と予想されていますが、ニッケルは価格急落に伴い生産者が減産の検討を本格化させており、供給不足に転じるものと予想されます。価格については、いずれも、中長期的には需給の改善に伴い適正な水準に回復していくと見込まれますが、大幅な上昇は見込めない状況にあります。材料事業の関連業界につきましては、車載用電池向け及びスマートフォン向けなどにおいては、一時的な調整局面はあったとしても、全般的には好調な状況が継続するものと見込まれます。
当社グループは、このような状況のなか、本年2月に発表いたしました平成28年度から平成30年度までの3年間を対象とする「15中計」を実行し、さらなる競争力の強化と企業価値の一層の向上を目指してまいります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
世界経済の先行きに懸念材料が散見されるほか、為替レートの変動、優良資源の希少化や資源ナショナリズムの拡大など、当社をとりまく事業環境は大きく変化しています。こうした環境変化も踏まえながら、当社は、資源・製錬・材料の3つのコアビジネスの持続的成長により、「世界の非鉄リーダー」「日本のエクセレントカンパニー」となるべく、ニッケル生産量15万t/年体制と銅30万t・金30tの権益分年間生産量、新規の材料製品での経常利益50億円/年を目標に掲げ、連結売上高1兆円/年・親会社株主に帰属する当期純利益1千億円/年をめざして、成長戦略を推進してまいります。
資源事業では、長期ビジョンとして、平成33年度に権益分年間生産量銅30万t・金30tとすることをめざして探鉱と開発案件への参入を進めます。銅は、モレンシー銅鉱山及びセロ・ベルデ銅鉱山の拡張、シエラゴルダプロジェクトの商業生産開始、さらにはモレンシー銅鉱山の権益追加取得により、権益分年間生産量30万tが視野に入ってきました。金については、探鉱活動に加え権益の取得を積極的に推進するとともに、菱刈鉱山及びポゴ金鉱山の周辺探鉱を推し進めて、追加金量の獲得に注力してまいります。
製錬事業のうち、ニッケルについては、タガニートプロジェクトと電気ニッケル生産能力の6万5千t/年への増強起業が平成25年に完工し、ニッケル10万t/年体制が完成いたしました。さらに長期ビジョンとして、新規鉱源確保とニッケル生産能力増強により、これを15万t/年に引き上げる構想を描いています。これを踏まえ、さらに競争力を強化するべく、スカンジウム等の新たな金属の回収を事業化していくとともに、資源・精錬開発センターにおいてニッケル精製法、HPAL(高圧硫酸浸出)の技術革新に取り組みます。銅製錬については、買鉱条件の好転や原油価格下落によるエネルギーコストの低下等により事業環境は改善しております。安定操業、二次原料の増処理、固定費の削減等により、一層の競争力の強化を図ります。
材料事業は、増強投資を行っている電池材料や結晶材料などの製品群を確実に戦力化して収益の向上を図ります。また、さらなる成長を目指して、研究開発部門と協力して、新商品上市に向けて精力的に取り組みます。
(注)「事業の状況」に記載している金額は、「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政の状況」を除き、消費税等を除いた金額であります。