当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
(単位:百万円)
|
|
売上高 |
税引前中間利益 |
親会社の所有者に 帰属する中間利益 |
|
当中間連結会計期間 |
783,361 |
77,815 |
53,940 |
|
前中間連結会計期間 |
800,125 |
72,991 |
46,503 |
|
増減 (増減率%) |
△16,764 (△2.1) |
4,824 (6.6) |
7,437 (16.0) |
(海外相場、為替)
|
|
単位 |
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 (△は減少) |
|
銅 |
$/t |
9,477 |
9,655 |
178 |
|
ニッケル |
$/lb |
7.86 |
6.85 |
△1.01 |
|
金 |
$/TOZ |
2,406.9 |
3,367.2 |
960.3 |
|
為替(TTM) |
円/$ |
152.63 |
146.04 |
△6.59 |
当中間連結会計期間の世界経済は、米国の保護主義的な関税政策に伴う下押し圧力により成長が減速しました。米国ではAI需要の恩恵を受ける企業の業績が堅調に推移した一方、労働市場の悪化が鮮明になり、成長のペースは鈍化しました。欧州では期の前半は物価の安定や実質賃金の上昇により内需が持ち直しましたが、後半にかけては減速しました。中国では米国向け以外の輸出は維持されましたが、政府による内需刺激策の効果は一巡し、景気は減速に転じました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、米国の関税政策に伴う世界経済の減速懸念から一時下落する局面もありましたが、海外鉱山でのトラブルなどを起因とした銅精鉱の供給不足により当中間連結会計期間末にかけて上昇し、平均価格は前年同期間を若干上回りました。ニッケル価格は、中国経済の減速に加え、インドネシア等の増産により供給過多の状況が継続しており、平均価格は前年同期間を下回りました。金価格は、地政学的リスクや米国の利下げなどを背景に上昇基調で推移し、平均価格は前年同期間を大幅に上回りました。
為替相場につきましては、米国による相互関税の公表や、同国における雇用統計の悪化に伴う利下げ観測の進展などにより円高圧力が強まる局面もあったものの、期を通じては緩やかな円安基調で推移しました。一方、平均為替レートは、日米の金利差が拡大していた前年同期間に比べ円高となりました。
材料事業の関連業界におきましては、電気自動車やハイブリッド車の需要は国や地域により濃淡があるものの、当中間連結会計期間における当社グループの電池材料の需要に落ち込みは見られませんでした。電子部品向け部材につきましては、一部で在庫調整の影響はありましたが、データセンター向けのインフラ投資需要が旺盛に推移し、当社グループの通信デバイス向けの需要は概ね好調でした。
このような状況のなか、当社グループの鉱山・製錬所の生産は概ね計画どおりに進捗し、銅及び金の平均価格が前年同期間を上回ったものの、円高などの影響により、当中間連結会計期間の連結売上高は、前年同期間に比べ167億64百万円減少し、7,833億61百万円となりました。
連結税引前中間利益は、連結売上高の減少による減益があったものの、菱刈鉱山の増益及びコテ金鉱山 (カナダ)の立ち上がりによる利益貢献並びに主に海外銅鉱山の増益に伴う持分法による投資損益の好転などにより、前年同期間に比べ48億24百万円増加し、778億15百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する中間利益は、連結税引前中間利益の増加により、前年同期間に比べ74億37百万円増加し、539億40百万円となりました。
報告セグメントの業績は、次のとおりであります。
(セグメント利益は、要約中間連結損益計算書の税引前中間利益をもとに算出しております。なお、社内金利の配賦方法を当中間連結会計期間から変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 5.セグメント情報(2)報告セグメントごとの売上高、利益又は損失の金額に関する情報」の当中間連結会計期間の(注)4をご参照ください。)
(資源セグメント)
(単位:百万円)
|
|
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率(%) |
|
売上高 |
91,271 |
124,247 |
32,976 |
36.1 |
|
セグメント利益 |
43,659 |
63,143 |
19,484 |
44.6 |
セグメント利益は、銅や金などの金属価格が前年同期間より上昇したことやコテ金鉱山の立ち上げによる利益貢献並びにケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)等の持分法による投資損益の好転などにより、前年同期間を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は年間販売金量3.5tに向け計画どおりの操業を継続し、当中間連結会計期間の販売金量は1.8tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、給鉱品位の変動などにより前年同期間を下回る153千tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、給鉱品位の変動などにより前年同期間を下回る193千tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は16.8%)。
ケブラダ・ブランカ銅鉱山の生産量は、前年同期間並みの92千tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は25.0%)。
コテ金鉱山の生産量は、5.3tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は30.0%)。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
|
|
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率(%) |
|
売上高 |
628,060 |
603,400 |
△24,660 |
△3.9 |
|
セグメント利益 |
27,630 |
4,024 |
△23,606 |
△85.4 |
(当社の主な製品別生産量)
|
製品 |
単位 |
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 (△は減少) |
|
銅 |
t |
221,593 |
214,970 |
△6,623 |
|
金 |
kg |
9,767 |
6,945 |
△2,822 |
|
電気ニッケル |
t |
31,086 |
32,986 |
1,900 |
|
フェロニッケル |
t |
1,679 |
2,921 |
1,242 |
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント利益は、為替の変動による在庫評価損益の悪化、銅の買鉱条件の悪化及びニッケル価格の下落等により、前年同期間を下回りました。
電気銅の生産量は前年同期間を下回りましたが、販売量は前年同期間を上回りました。電気ニッケルの生産量及び販売量は前年同期間を上回りました。フェロニッケルの生産量は前年同期間を上回りましたが、販売量は前年同期間並みとなりました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)及びTaganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は前年同期間を上回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
|
|
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率(%) |
|
売上高 |
151,247 |
135,573 |
△15,674 |
△10.4 |
|
セグメント利益 |
1,459 |
6,697 |
5,238 |
359.0 |
セグメント利益は、電池材料は米国での電気自動車の駆け込み需要を背景とした増販等により前年同期間を上回り、電子部品向け部材も一部の中国向け製品では市況の影響を受けたものの、通信デバイス向け部材等が増益となったことから、全体としては前年同期間を大幅に上回りました。
(2)財政状態に関する説明
① 財政状態
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 |
当中間連結会計期間末 |
増減 |
|
資産合計 |
3,068,622 |
3,024,322 |
△44,300 |
|
負債合計 |
1,019,236 |
1,028,592 |
9,356 |
|
資本合計 |
2,049,386 |
1,995,730 |
△53,656 |
当中間連結会計期間末の資産合計は、金属価格上昇等の影響を受けた棚卸資産や株高の影響を受けた投資有価証券が増加した一方、海外子会社の保有する外貨建て資産の帳簿価額が円高により減少したことから、有形固定資産、持分法で会計処理されている投資、非流動資産のその他の金融資産のうち主に関係会社長期貸付金がそれぞれ減少し、加えて現金及び現金同等物も減少したため、前連結会計年度末に比べ減少しました。
負債合計は、営業債務及びその他の債務、未払法人所得税等、非流動負債の社債及び借入金が減少したものの、短期社債の発行により流動負債の社債及び借入金が増加したため、前連結会計年度末に比べ増加しました。
資本合計は、その他の資本の構成要素のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が保有株式の価格上昇により増加しましたが、円高により在外営業活動体の換算差額が減少したうえ、自己株式の取得が進んだことなどから、前連結会計年度末に比べ減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
|
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
80,358 |
41,434 |
△38,924 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△104,617 |
△67,245 |
37,372 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
43,468 |
3,165 |
△40,303 |
|
換算差額 |
1,232 |
△2,320 |
△3,552 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
151,022 |
159,712 |
8,690 |
|
現金及び現金同等物の中間期末残高 |
169,998 |
134,746 |
△35,252 |
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期間に比べて棚卸資産の増加は縮小したものの、営業債務及びその他の債務の減少が拡大し、営業債権及びその他の債権の減少は縮小したことから、前年同期間に比べ収入は減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入が減少したものの、有形固定資産の取得による支出や長期貸付けによる支出が減少したことなどから、前年同期間に比べ支出が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れや長期借入れ、社債の発行による収入が増加したものの、短期借入金の返済及び社債の償還、自己株式の取得による支出が増加したことなどから、前年同期間に比べ収入が減少しました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。また、新たに生じた事業上及び財務上の重要な対処すべき課題はありません。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループの研究開発費の総額は、44億10百万円であります。
(注)「事業の状況」に記載している金額は、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態に関する説明」を除き、消費税等を除いた金額であります。
当中間連結会計期間において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。