(1) 業績
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移し、企業収益の改善も見られる等、景気は緩やかな回復基調で推移した。一方、海外経済では弱さがみられており、中国を始めとするアジア新興国、資源国等の景気下振れ懸念などにより、先行きは不透明な状況となっている。
このような状況のもと、当社グループの業績は、コークスの主要な需要先である国内高炉メーカーにおいて、国内の設備投資の伸び悩みや、中国における内需の減少継続の影響等により、鉄鋼需要が弱含みで推移していることに加え、原料炭価格下落に伴う製品価格下落の影響などがあり、当期の連結売上高は、前期比92億9千3百万円減少の925億3百万円となった。
利益面では、コークス事業について、原料コスト削減などに取り組んだものの、中国経済の減速による製品市況の下落影響や、原油市場の低迷に伴う副産物販売価格の下落影響などから、連結営業利益は、前期比43億4千1百万円減少の22億9千7百万円、連結経常利益は、前期比49億8千7百万円減少の11億7千5百万円となった。
特別損益については、関係会社株式売却益等により特別利益7億9千9百万円に対し、化工機事業用資産の収益性低下に伴う固定資産減損損失等により、特別損失は24億2千5百万円を計上した。
これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は、16億8千1百万円の損失(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益24億8千9百万円)となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
①コークス事業
コークス事業については、国内向け販売数量の減少を輸出数量増加により補ったものの、当社グループの販売数量は、194万6千トンと前期比2万9千トンの微減、販売価格の低下もあり、減収となった。また、コスト削減を企図し、低品位原料炭の使用拡大のため新たに導入した成型炭製造・配合設備を昨年9月に稼働し、同設備の導入効果などがあったものの、中国の鉄鋼需要低迷に伴ってコークス製品市況が悪化し、利幅が縮小したことなどにより、減益となった。
この結果、コークス事業の連結売上高は、520億9千7百万円(前期比62億9千5百万円減少)となり、連結営業利益は、7億2千4百万円(前期比47億6千6百万円減少)となった。
②燃料販売事業
燃料販売事業については、既存商権の維持に加え、新規の顧客開拓に積極的に取り組んだが、当社グループの販売数量は、175万1千トン(前期比19万5千トン減少)となり、減収となった。
この結果、燃料販売事業の連結売上高は、257億8百万円(前期比30億3千3百万円減少)となり、連結営業利益は、17億4千6百万円(前期比1億4千9百万円減少)となった。
③総合エンジニアリング事業
化工機事業については、平成27年4月に設置した「事業基盤強化・連携委員会」を中心に収益強化に取り組んだが、上期の受注・売上低迷の影響を、回復基調の下期にカバーできず、減収となった。
資源リサイクル事業については、廃棄物の有効利用と適正処理に引き続き傾注し、安定的な収益の確保を維持した。
また、当社グループの有明機電工業株式会社については、真空設備の受注が増加したことなどにより、増収となり、総合エンジニアリング事業の収益の底上げに大きく寄与した。
この結果、総合エンジニアリング事業の連結売上高は、96億5千6百万円(前期比8億1百万円増加)となり、連結営業利益は、7億5千万円(前期比3億4千4百万円増加)となった。
④その他
その他の事業については、当社の九州地区所有地における太陽光発電事業用地としての賃貸料収入が増加した一方で、三池港(福岡県大牟田市)における港湾運送事業において、石炭の取扱数量が減少したことなどから、連結売上高は、50億4千万円(前期比7億6千6百万円減少)となり、連結営業利益は、3億6千1百万円(前期比1億7百万円増加)となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、34億4千5百万円増加の67億8千7百万円となった。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、85億8千8百万円(前年同期比13億3千万円増加)となった。
これは主に、減価償却費72億6千9百万円、売上債権の減少額34億2千6百万円などによる資金の増加に対し、仕入債務の減少額33億2千3百万円などによる資金の減少があったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、102億4千5百万円(前年同期比43億3千6百万円増加)となった。
これは主に、固定資産の売却による収入11億1千3百万円に対し、固定資産の取得による支出118億9百万円によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、51億3百万円(前年同期比62億8千7百万円増加)となった。
これは主に、短期借入による収入1,481億5百万円、長期借入による収入354億1千万円に対し、短期借入金の返済による支出1,573億1千6百万円、長期借入金の返済による支出201億3千4百万円によるものである。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
コークス事業 |
コークス |
48,972 |
95.4 |
|
燃料販売事業 |
石炭 |
1,041 |
103.5 |
|
その他 |
7 |
47.1 |
|
|
その他 |
|
253 |
129.7 |
|
合計 |
50,275 |
95.7 |
|
(注)1.金額は生産原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
8,050 |
92.7 |
2,489 |
97.6 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去している。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
コークス事業 |
52,097 |
89.2 |
|
燃料販売事業 |
25,708 |
89.4 |
|
総合エンジニアリング事業 |
9,656 |
109.1 |
|
その他 |
5,040 |
86.8 |
|
合計 |
92,503 |
90.9 |
(注)1.金額は販売価格に基づき、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
割合(%) |
金額 (百万円) |
割合(%) |
|
|
新日鐵住金株式会社 |
32,933 |
32.4 |
28,772 |
31.1 |
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
当社グループを取り巻く経営環境は、コークスの主要な需要先である国内高炉メーカーが、中国鉄鋼業の過剰設備、過剰生産により、製品価格が下落し、輸出環境が悪化していることに加え、原料炭価格や原油価格の下落、中国経済の減速による安価な中国産コークスの輸出増加など、足元では非常に厳しい状況となっている。
更に、中期的には東南アジア地区での新規製鉄所の建設など、東アジア地区の鉄鋼業界の競争が厳しくなることも想定される。
この状況を乗り切るためには、当社の主要株主であり、最大顧客である新日鐵住金株式会社(以下、「新日鐵住金社」という。)との協力関係を更に堅固なものとするとともに、更なる経営基盤の強化、事業の効率化に向けた諸施策を果断に実行していくことが重要であると考えている。
一方、当社グループでは、コークス事業の一層の競争力強化を経営課題の主軸に置きながらも、多面的な利益構造へ転換するため、非コークス事業の収益力強化に取り組んでいく。
また、当社グループとしては、事業部門ごとに次のような施策を講じることで、企業価値の一層の向上を目指していく所存である。
(コークス事業)
コークス事業については、引き続き新日鐵住金社との協力関係を維持しつつ、内外の安定した需要に対しても、その獲得に向け積極的に営業活動を行い、収益を確保したいと考えている。
また、当社の主力工場である北九州事業所については、安定・安全操業を第一に、国内でもトップレベルのコークス専業メーカーとして、マーケットの信任と評価を得られるよう、生産性、品質面ともに、諸施策を併せて推進していく所存である。
具体的には、コークス生産能力の維持のため、炉体の老朽化対策として、コークス炉のリフレッシュ工事を継続して行うとともに、原料コスト削減のため、従前に引き続き、安価な低品位炭の利用拡大を目的とした原料炭の最適配合の検討と、昨年9月に稼働した成型炭製造・配合設備の最大限の活用を推進していく所存である。加えて、原料コスト削減以外についても、業務整流化による操業コスト、物流コストの削減等に引き続き取り組んでいく所存である。
一方、今後の長期展望に立った設備投資計画についても検討し、効率的・効果的な投資戦略を実行することが重要な課題であると認識している。
(燃料販売事業)
燃料販売事業のうち、一般炭販売については、新規顧客開拓のため中低品位炭を含めた新規調達ソースを確保し、当社グループの強みである石炭ヤードなどのインフラを活かし、需要家のニーズへの対応力を強化していく所存である。
石油コークス販売については、新たな需要家を中心とした営業活動を強化し、事業基盤の安定化を図る所存である。
なお、昨年11月27日に発生したアンローダー事故により、原料炭、一般炭の揚陸の能力が一時的に低下しているが、配船の効率化及び荷役作業全般の効率化により、平成29年7月に稼働予定の新型アンローダーの導入まで影響をミニマム化するよう、社をあげて取り組む所存である。
(総合エンジニアリング事業)
化工機事業については、今後の発展が期待できる事業として、この数年間、重点的に営業強化の施策を講じている。また、昨年度に発足した「事業基盤強化・連携委員会」のもと、コスト削減と事業拡大のスピードアップの両立を推進する施策を更に推進していく所存である。
営業面では、栃木工場の技術者による営業サポート体制を強化し、製販一体となった営業活動や大手顧客への取り組みを強化していく所存である。また、粉体技術センター(栃木県)および西日本粉体技術センター(大阪府)を最大限活用し、受注の拡大を図っていく所存である。
製造面では、高品位機器を中心とする従来の製品群に安価な中品位機器を加え、製品ラインナップの更なる拡充を図るとともに、プラント案件の対応力強化や製造コスト削減のため、グループ会社との連携強化を図り、更なる収益の拡大を図っていく所存である。
資源リサイクル事業については、廃棄物の有効活用と適正処理に引き続き傾注し、安定的な収益の確保を図っていく所存である。
当社グループの機械・電気事業を担う有明機電工業株式会社については、機械工事、電気工事のエンジニアリングおよびノウハウを併せ持つ特徴を活かし、大型工事案件の受注獲得を目指し、更なる収益拡大を図っていく所存である。
(その他)
港湾運送事業を主たる事業とする三池港物流株式会社については、三池港(福岡県大牟田市)における新規貨物の獲得等による取扱数量増加を図り、引き続き安定収益を確保していく所存である。
不動産事業については、非事業用土地の売却に加え、資産の効率的活用も見据え、賃貸も積極的に推進していく所存である。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりである。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載している。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものである。
(1)市場環境
当社グループは、石炭・コークスというエネルギー関連素材の仕入・製造・販売事業を行っているが、世界的な規模での需給状況の変動により、その仕入・販売の価格および数量が大きく変動する可能性がある。これに加えて、コークスについては、主要な販売先である国内鉄鋼業界のコークス需要の動向が販売価格、販売数量等に影響を及ぼす可能性がある。また、コークスの製造能力は短期的な増強が困難であるため、市況の改善に応じて製造・販売数量を増やすことが困難である。
また、当社グループは、石炭(一般炭およびコークス用原料炭)の仕入をオーストラリア、インドネシア等から行っているが、当該地域において、自然災害、政治または経済環境の変化、税制、規制、法律の変更等により、仕入価格の高騰や石炭の供給遅延または停止が起こった場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(2)為替レートの変動
当社グループは、石炭等の仕入ならびに石炭・コークスの販売等の外貨建て取引(主に米ドル建て)を行っているため、為替レートの変動による影響を受ける。為替リスクは、主に、外貨建てのコークスの販売と原料となる石炭の輸入取引により相殺されるが、相殺されない部分は当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(3)金利の変動
当社グループは、有利子負債を有しているため、金利変動による影響を受ける。著しい金利変動は、借入金の金利負担として当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。なお、長期借入金の大部分については、金利上昇リスクを可能な限り回避するため、金利スワップ等のヘッジ取引を行っている。
(4)借入債務に係る財務制限条項
当社グループの借入金にかかる契約には財務制限条項が付されているものがある。当社または当社グループの経営成績や財務状況が悪化し、当該条項を満たすことができないことが判明した場合は、直ちに借入金の一括返済を求められるものではないが、貸付人等との間で今後の対応について協議を行うことになっており、その結果如何では、期限の利益を喪失するなど今後の安定・継続的な資金の調達に影響を及ぼす可能性がある。
なお、財務制限条項の内容は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項
(連結貸借対照表関係) 6.財務制限条項」に記載している。
(5)固定資産の価値の下落
当社グループが保有している固定資産のうち、有形固定資産、無形固定資産等については、時価や収益性をもとに資産価値を検討しているが、今後さらに時価の下落、収益性の低下等に伴い資産価値が下落した場合は、減損を余儀なくされ、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(6)法的規制
当社グループは、国内外で各種の法的規制(租税法規、環境法規、労働法規、貿易・為替法規等の事業関連法規)に服しており、万が一、法令に違反した場合には、当局から課徴金・営業停止の行政処分を受けるほか、その利害関係者から損害賠償請求等を提訴される可能性がある。
なお、上記のような様々な法令、規則等の適用を受けており、これらの法的規制が変更または強化された場合には、規制遵守のための費用が増加する可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(7)コークス事業への依存
当社グループの主力事業は、コークス事業であり、当社グループの売上高および営業利益に占める当該事業の割合が高く、当該事業への依存度が高くなっている。そのため、当該事業の業績が市場環境等により変動した場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(8)重大な災害、事故、訴訟等
当社北九州事業所をはじめとする当社グループの各事業所が、大規模な台風、地震などの自然災害に見舞われた場合等には事業活動が制約を受けることなどにより、業績に影響が生じる可能性がある。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社に不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により業績に影響が生じる可能性がある。
該当事項はない。
当社グループ(当社および連結子会社)は、総合エンジニアリング事業における化工機事業分野をはじめ、新規事業分野等において、製品の高度化と新製品・新技術の開発に取り組んでいる。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的等は次のとおりである。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は1億2百万円である。
(総合エンジニアリング事業)
化工機事業分野においては、ナノオーダーレベルの超微粉砕が可能なMSCミルの機能向上に、また、電子部品業界や電池業界をはじめ多くの分野で導入されているSCミルのラインナップの拡充に取り組んでいる。
総合エンジニアリング事業に係る研究開発費は1千3百万円である。
(その他)
主に、日本パワーグラファイト㈱において、リチウムイオン二次電池用負極材の開発を、住友商事株式会社と共同で取り組んでいる。
その他に係る研究開発費は8千9百万円である。
文中の将来に関する事項については、提出日現在において判断したものである。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としている。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社グループが採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりである。
当社の連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り・判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因に基づき行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合がある。
(2) 経営成績および財政状態の分析
①経営成績
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移し、企業収益の改善も見られる等、景気は緩やかな回復基調で推移した。一方、海外経済では弱さがみられており、中国を始めとするアジア新興国、資源国等の景気下振れ懸念などにより、先行きは不透明な状況となっている。
このような状況のもと、当社グループの業績は、コークスの主要な需要先である国内高炉メーカーにおいて、国内の設備投資の伸び悩みや、中国における内需の減少継続の影響等により、鉄鋼需要が弱含みで推移していることに加え、原料炭価格下落に伴う製品価格下落などの影響があり、当期の連結売上高は、前期比92億9千3百万円減少の925億3百万円となった。
利益面では、コークス事業について、原料コスト削減などに取り組んだものの、中国経済の減速による製品市況の下落影響や、原油市場の低迷に伴う副産物販売価格の下落影響などから、連結営業利益は、前期比43億4千1百万円減少の22億9千7百万円、連結経常利益は、前期比49億8千7百万円減少の11億7千5百万円となった。
特別損益については、関係会社株式売却益等により特別利益7億9千9百万円に対し、化工機事業用資産の収益性低下に伴う固定資産減損損失等により、特別損失は24億2千5百万円を計上した。
これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は、16億8千1百万円の損失(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益24億8千9百万円)となった。
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②財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,138億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億4千6百万円減少となった。増減の主なものは、現金及び預金の増加34億3千3百万円、流動資産「その他」の増加19億1千6百万円、受取手形及び売掛金の減少35億6千万円、土地の減少23億4千9百万円、原材料及び貯蔵品の減少18億8千万円、機械装置及び運搬具の減少13億3千2百万円等である。
当連結会計年度末の負債は、725億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ34億4千万円減少となった。増減の主なものは、長期借入金の増加279億7千8百万円、短期借入金の減少228億9百万円、流動負債「その他」の減少39億9千7百万円、支払手形及び買掛金の減少34億5千2百万円等である。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、26億6百万円減少の412億2千6百万円となった。また、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と同水準の36.3%になった。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「4.事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの経営成績等は、市場環境、為替レートの変動、金利の変動、固定資産の価値の下落、法的規制、コークス事業への依存等の影響を受ける可能性がある。
(4) 経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く経営環境は、コークスの主要な需要先である国内高炉メーカーが、中国鉄鋼業の過剰設備、過剰生産により、製品価格が下落し、輸出環境が悪化していることに加え、原料炭価格や原油価格の下落、中国経済の減速による安価な中国産コークスの輸出増加など、足元では非常に厳しい状況となっている。
更に、中期的には東南アジア地区での新規製鉄所の建設など、東アジア地区の鉄鋼業界の競争が厳しくなり、その余波を受ける懸念も生じている。
このような厳しい経営環境のなかで、安定した収益基盤を確保するために、以下の具体的な諸施策を推進していく。
基幹事業であるコークス事業については、安全・安定操業を第一とし、①コークス工場の高稼働率を維持するため国内需要家向け販売減を輸出でカバーし、販売数量を確保、②脱硫設備や成型炭設備などこれまで投資してきた諸施策の効果の最大限発揮、③安価な低品位炭の使用拡大、設備投資圧縮や経費削減などコスト削減の徹底、等を推し進めていく。
また、非コークス事業については、多面的な利益構造への転換のため、①総合エンジニアリング事業の事業基盤の安定・拡大、②燃料販売事業の拡販・シェア拡大、③グループ各社の収益力の強化、等を推し進めていく。
これらの課題の克服を通じて、収益力を強化し、事業収益による財務体質の更なる充実を図る。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ34億4千5百万円増加の67億8千7百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、85億8千8百万円(前連結会計年度比13億3千万円増加)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、102億4千5百万円(前連結会計年度比43億3千6百万円増加)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、51億3百万円(前連結会計年度比62億8千7百万円増加)となった。
②資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、原材料・商品等の仕入代金の支払、販売費および一般管理費の支払、借入金の返済、社債の償還および法人税等の支払等である。
当社グループは、事業活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローおよび借入金によって継続的に調達することが可能であると考えている。
③財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金、借入金および社債の発行により賄っている。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高66億9千6百万円(うち、1年以内に返済予定の長期借入金66億9千6百万円)、長期借入金の残高は365億3千1百万円である。また、当社および一部の連結子会社は、取引銀行20行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、効率的な資金調達を行っている。当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額および貸出コミットメントの総額は471億円であり、借入実行残高はない。
また、当社グループは、資金効率を高めるため、売上債権およびたな卸資産の圧縮に努めており、有利子負債の残高を減少させ借入金依存度を引き下げ、財務体質の健全化を目指している。
当連結会計年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率(有利子負債÷営業キャッシュ・フロー)は5.0年であり、インタレスト・カバレッジ・レシオ(営業キャッシュ・フロー÷利払い)は17.0である。
(注)有利子負債…借入金およびその他の有利子負債
営業キャッシュ・フロー…連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フロー
利払い…連結キャッシュ・フロー計算書における利息の支払額
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、主力であるコークス事業のより一層の競争力強化と、多面的な利益構造への転換による更なる財務体質強化をはかるとともに、主要株主かつ主要な取引先である新日鐵住金株式会社および住友商事株式会社との提携関係を強化し、当社の収益および経営の安定化を実現することで、企業価値の一層の向上を目指していく方針である。