当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものである。
(1) 会社の企業理念
当社グループの企業理念は、以下の通りである。
・人類の活動に不可欠な資源や素材と高付加価値技術を社会に供給し続けることにより、存在価値のある企業と
して、よりよい社会環境の構築に貢献するとともに、人類社会の永続的発展に寄与する。
・独自の企画・提案力によるソリューションビジネスの展開
・社会的に信頼される新しい企業文化の創造
・企業活動を通じた、働く社員の自己実現と生活の安定・充実
(2) 会社の経営の基本方針
当社グループは、上記の企業理念に基づき、環境保全への配慮、地域社会との共生および企業倫理の徹底など、社会を構成する一員として求められる責任を果たし、取引先、株主、地域社会からの一層の信頼を得られる企業を目指していく。
ESG経営にも取り組み(安全・環境対策、働き方改革・ダイバーシティ、等)、2050年カーボンニュートラルに向けて、具体的な方法を掲げて実施する。
また、主力であるコークス事業のより一層の競争力強化を図り、市況等に左右されない事業基盤を確立するとともに、非コークス事業の事業基盤を強化・安定化させ、多面的な利益構造を確立することを目指している。
(3) 経営戦略等
上記の経営方針に基づく当社グループの経営戦略は、次のとおりである。
[コークス事業]
・安全・環境・防災体制の強化
・安全・安定操業の維持
・最適生産体制の検討
・国内外の安定的なコークス需要家の確保と収益力の強化
・水素・アンモニア供給体制構築等、新たな収益源の開拓
[非コークス事業]
(燃料・資源リサイクル事業)
・需要家の燃料転換に対応した商品の拡大
・自社石炭ヤード等のインフラの効果的活用
・廃棄物の有効活用と適正処理による安定した収益の確保
(総合エンジニアリング事業(化工機事業))
・粉体処理ソリューションビジネスモデルへの更なる進化
・製品の付加価値向上(新製品の開発強化と既存製品のブラッシュアップ)
・海外への販路拡大
・テスト体制、生産体制の強化
[ESG経営への取り組み]
・安全・環境・防災体制の確立を目指した生産・操業現場の構築
・カーボンニュートラルも含めた地球環境の保全や循環型社会構築のための環境課題への対処
・人権の尊重・ダイバーシティへの対応等
・ステークホルダーとのコミュニケーション・コンプライアンスの徹底によるガバナンスの向上
(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、米国の通商政策の先行きや為替、原料炭価格動向、物価上昇による消費の弱含み等リスクも懸念される状況に置かれている。
このような状況のなかで、当社グループは、それぞれの事業において、次のような経営環境の認識のもとに、収益力の改善などに向け、各事業で様々な施策を推進していく。
(コークス事業)
コークス事業については、2024年12月に発生した火災事故の反省に立ち、安全最優先の上で2024年竣工した2Aコークス炉、2006年稼働の壮年炉である1Aコークス炉を主力として生産・販売の回復を図り、最適な販売体制の構築により、収益確保に努める。また、顧客需要に応えるべく、
①コークス炉の大規模修繕工事などを含めた安定操業に向けた取組みの実施
②環境対策工事の実施などによる各種環境規制の遵守及び地域社会との共生
③維持管理コストも踏まえた将来の最適生産体制の検討
④販売施策の見直し
⑤更なるコスト削減への取り組み(エネルギー使用量の削減・原料配合の改善など)
⑥水素・アンモニア供給体制構築
等を推し進めていく。
(燃料・資源リサイクル事業)
脱炭素の対応強化により加速する需要家の燃料転換へ向けた動きに対して、当社グループは、バイオマス燃料などカーボンニュートラルに向けた商品の取扱いの拡大を進めていく。
また、燃料の調達・販売から廃棄物処理までを一貫して取り扱う体制の下、安定した収益の確保を目指す。
(総合エンジニアリング事業)
化工機事業については、産業全般に亘る基礎技術である粉体処理技術において、長年培ったノウハウをもとに、自社の独自性や優位性を生かし事業を行っている。
技術開発面では、当社が保有する粉体処理技術や、粉体技術センターで実施する各種テストから得られる知見を生かし、顧客ニーズに対応する処理プロセスの提案や新製品の開発、また変化する顧客ニーズに応えるための既存製品のブラッシュアップを推進する。
営業面では、顧客対応力の向上を図ると共に、海外市場への拡販強化を図る。
また、カーボンニュートラルでニーズが高まる電池・電子・樹脂分野等への展開強化を図る。
産業機械事業を担う有明機電工業株式会社については、機械工事・電気工事のノウハウを併せ持つ特徴を生かし、受注拡大および利益率改善により収益拡大を図ると共に、コスト削減や生産性向上、製品およびメンテナンスの高付加価値化などにも注力する。
併せて、グループ内の連携強化を図るため、当社グループ案件の受注拡大にも取り組んでいく。
(その他)
港湾運送事業を営む三池港物流株式会社については、自社で保有する港湾設備や倉庫を活用し、三池港(福岡県大牟田市)における貨物取扱数量増加ならびにコスト削減を図る。
不動産事業については、非事業用不動産の売却に加え、賃貸事業についても積極的に推進していく。
(ESG経営への取り組み)
当社グループは、サステナビリティ推進委員会を中心に、当社グループにとっての重要度および社会にとっての影響度の基準から設定した重要課題(マテリアリティ)に基づき、サステナビリティ経営を推進する。
具体的には、「2 『サステナビリティに関する考え方及び取組』」に記載のとおりである。
また、脱炭素に対する取り組みとしては、
①コークス炉から発生するガスの自家消費や回収した熱の電力・蒸気への変換などのエコプロセスによるCO2の削減
②グループ会社所有森林(北海道に約4千2百ヘクタールの森林を所有)によるCO2吸収やCCUS(CO2の 回収・利用・貯留)技術の利用によるカーボンオフセット
③水素製造・販売やアンモニア製造・中継設備活用、太陽光発電等のカーボンフリーエネルギー事業の検討などにより、2050年カーボンニュートラルに向けて挑戦していく。
(5) 目標とする経営指標
当社グループは、健全な財務体質を維持しつつ、企業価値を高めるための各種施策や安定的な配当の実施のため、中期的には、連結経常利益を50億円以上確保することを、経営指標としている。
当社グループは、企業理念に基づき、社会の持続的な成長への貢献と企業価値の向上を目指し、積極的に社会的責任を果たすこととしている。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものである。
(1)ガバナンス
当社取締役会にて決議した4項目からなるグループのサステナビリティ取組み方針に基づき活動を展開している。また、社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」にて活動状況をモニタリングしている。
1.安全・環境・防災への取組み
安全で災害の無い生産・操業現場を構築し、資源や素材を安定的に供給します。同時に地球環境の保全、温室効果ガス削減をはじめとするカーボンニュートラルの推進、廃棄物の削減・活用をはじめとする循環型社会の構築に取組み、環境負荷の最小化を目指します。
2.社会・地域への貢献
人類の活動に不可欠な資源や素材と高付加価値技術を社会に供給することを通じて、よりよい社会環境の構築に貢献するとともに、地域社会への貢献活動を通じて、「良き企業市民」として地域社会との共生を図り、社会の持続可能な成長に向けて積極的な役割を果たします。
3.人権尊重・人財育成
あらゆる人権と人種・個性などの多様性を尊重するとともに、社員が安全で働きやすい環境を確保し、意欲を持って自己実現を図れる職場作りに努めます。
4.ステークホルダーとの良好な関係維持
株主・投資家・取引先・社会などのあらゆるステークホルダーとの公正な関係を尊重し、ガバナンスの強化を通じて、透明性ある経営を行いながら企業としての信頼・評価を高めます。
(2)リスク管理
サステナビリティに関するリスクについては、「サステナビリティ推進委員会」で議論し、会社全体での管理が必要と認識されたリスクについては、更にリスクマネジメントプロセスによって、管理・モニタリングしている。
具体的には、半期ごとに全社レベルでリスクの洗い出しを実施し、全社レベルでのリスクの重要度が高いと判断された項目は、リスクマネジメント委員会で対策進捗をモニタリングし、その内容を取締役会に報告し、必要な指摘・助言を受ける体制となっている。
(3)戦略並びに指標及び目標
当社グループにとっての重要度および社会にとっての影響度の基準から設定した重要課題(マテリアリティ)に基づき、環境・社会・ガバナンスの各専門部会での議論の深化させることでサステナビリティ活動を推進する。
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マテリアリティ |
戦略 |
指標及び目標 |
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環境課題への対処 |
・カーボンニュートラルの推進 |
・CO2排出量を2030年度までに25%以上削減(2013年度比) ・2050年までにカーボンニュートラル達成 |
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・環境に負荷をかけない燃料の販売 |
・水素製造販売事業への参入 |
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社会・人権課題への対処 |
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・新卒総合職採用の女性比率30%以上 ・女性、中途採用、外国人等の管理職比率を2020年度(13%)より上昇 |
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・安全で災害のない生産・操業現場の構築 |
・休業災害件数ゼロ |
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・ボランティア活動・福祉団体への支援等による社会貢献 |
・地域清掃活動等の参加 ・募金・地域イベント協賛等 |
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ガバナンスの向上 |
・非財務情報を含めた積極的な情報開示 |
・ホームページコンテンツの充実化 |
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・コンプライアンス教育等の徹底 |
・社内コンプライアンス研修・社員意識調査の継続実施 |
(注)提出会社における人的資本に関する当事業年度の実績は、新卒総合職採用の女性比率40%、女性、中途採用、外国人等の管理職比率19.4%である。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載している。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものである。
(1)需給および市況の変動
当社グループは、石炭・コークスというエネルギー関連素材の仕入・製造・販売事業を行っているが、これらは、国内外の経済状況や需給状況の変動により、その仕入・販売の価格および数量が大きく変動する可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
そのため、当社グループは、コークス事業のより一層の競争力強化を図り、市況等に左右されない事業基盤を確立する事を、経営の基本方針としている。
(2)海外情勢の変動
当社グループは、石炭(一般炭およびコークス用原料炭)、石油コークス、バイオマス燃料等を海外から輸入しているが、各輸入先において、自然災害、政治または経済環境の変化、税制、規制、法律の変更、人権問題等により、仕入価格の高騰や石炭等の供給遅延または停止が起こった場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(3)為替レートの変動
当社グループは、石炭等の仕入ならびに石炭・コークスの販売等の外貨建て取引(主に米ドル建て)を行っているため、為替レートの変動による影響を受ける。為替リスクは、主に、外貨建てのコークスの販売と原料となる石炭の輸入取引により相殺されるが、相殺されない部分は当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(4)金利の変動
当社グループは、有利子負債を有しているため、金利変動による影響を受ける。著しい金利変動は、借入金の金利負担として当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。なお、長期借入金の大部分については、金利上昇リスクを可能な限り回避するため、金利スワップ等のヘッジ取引を行っている。
(5)借入債務に係る財務制限条項
当社グループの借入金にかかる契約には財務制限条項が付されているものがある。当社は、2025年3月期において、赤字決算により純資産が前期比で大幅に減少したが、当社または当社グループの経営成績や財務状況が悪化し、当該条項を満たすことができないことが判明した場合は、直ちに借入金の一括返済を求められるものではないが、貸付人等との間で今後の対応について協議を行うことになっており、その結果如何では、期限の利益を喪失するなど今後の安定・継続的な資金の調達に影響を及ぼす可能性がある。
なお、財務制限条項の内容は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項
(連結貸借対照表関係) 3.財務制限条項」に記載している。
(6)固定資産の価値の下落
当社グループが保有している固定資産のうち、有形固定資産、無形固定資産等については、時価や収益性をもとに資産価値を検討しているが、今後さらに時価の下落、収益性の低下等に伴い資産価値が下落した場合は、減損を余儀なくされ、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(7)法的規制
当社グループは、国内外で各種の法的規制(租税法規、環境法規、労働法規、貿易・為替法規等の事業関連法規)に服しており、万が一、法令に違反した場合には、当局から課徴金・営業停止の行政処分を受けるほか、その利害関係者から損害賠償請求等を提訴される可能性がある。
なお、上記のような様々な法令、規則等の適用を受けており、これらの法的規制が変更または強化された場合には、規制遵守のための費用が増加する可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(8)コークス事業への依存
当社グループの主力事業は、コークス事業であり、当該事業への依存度が高いため、当該事業の業績が市場環境等により変動する状況が続く場合には、当社グループ全体の経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
そのため、当社グループは、非コークス事業の事業基盤の強化・安定化による、多面的な利益構造の確立を経営の基本方針としている。
(9)コークス炉の更新等
当社北九州事業所においてコークスを生産するコークス炉は、稼働開始から長期間が経過しており、老朽化対策や維持・修繕のためのコストが増加する可能性がある他、生産トラブルなどにより、生産量が大きく変動する可能性がある。
そのため、4炉団(1A、1B、2A、2B)のうち、最も老朽化が進んでいた2A炉につき更新工事を行ってきたが、2024年9月より稼働を開始している。その他の炉についても、健全性維持のための対策等を行っている。
(10)重大な災害、事故、訴訟等
当社北九州事業所では2024年12月に火災事故が発生し、約3週間操業停止を余儀なくされたが、このように主力の北九州事業所をはじめとする当社グループの各事業所が、大規模な台風、地震などの自然災害に見舞われた場合等には事業活動が制約を受けることなどにより、業績に影響が生じる可能性がある。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社に不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により業績に影響が生じる可能性がある。
なお、当社が過去に経営していた炭鉱に関連して、第二次世界大戦中の旧朝鮮半島出身労働者の就労については、行政当局等と連携して適切に対応していく方針である。
(11)繰延税金資産について
当社グループは、将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っているが、将来の課税所得の予測が変更となり、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の回収可能性を減額する事で、当社の経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等による緩やかな回復基調が続く一方で、欧米の金利水準や中国の不動産市況停滞による海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクがある中で推移した。
当社においては、設備更新工事を行った2Aコークス炉の円滑な操業開始と既存コークス炉の老朽化対策・復旧を主要課題と位置付け鋭意対応してきた。2Aコークス炉は2024年9月に予定通り完工し操業を開始したが、老朽2炉団は種々対策を試みるも顕著な成果には至らず、2024年12月に発生した火災事故の影響も大きく、コークス生産量は91万7千トン(当初計画比51万8千トンの減少)と大幅に落ち込んだ。これに伴うトン当たり製造原価の大幅な悪化に加え、年度初からの原料炭・コークス関連市況の継続的な下落もあり、当社グループ業績は大きく悪化する事態となった。
これらの結果、当期の連結売上高は、前期比361億7百万円減少の990億4千5百万円、連結営業損益は、85億6千2百万円の営業損失(前期は43億9千万円の営業利益)となったほか、連結経常損益は、102億6千9百万円の経常損失(前期は36億4千万円の経常利益)となった。
特別損益については、2024年12月24日に開示した当社北九州事業所の火災にかかる災害損失8億2千9百万円や固定資産除却損7億1千9百万円などにより、特別損失15億7千7百万円を計上。親会社株主に帰属する当期純損益は139億8百万円の純損失(前期は18億9千8百万円の純利益)となった。
今後については、引続き一定水準のコークス需要は見込まれる事から、安全・安定操業を前提として、新鋭コークス炉を中心に生産量の確保と収益の立て直しに努めていく。
セグメントの業績は次のとおりである。
a.コークス事業
コークス事業については、お客様からの引合いは相応に有りながらも、上述の生産面のトラブルから販売数量を絞らざるを得ず、当社グループの販売数量は、前期比29万7千トン減少の87万1千トンとなり、単価の下落も相まって減収となった。
利益については、販売価格の下落や減産による固定費負担増や修繕費や電力費等の加工費増の影響を受け、利幅が大幅に悪化した事を主因に大幅な赤字計上となった。
この結果、コークス事業の連結売上高は、前期比251億2千6百万円減少の587億1千4百万円となり、連結営業損益は、123億5千7百万円の営業損失(前期は1億1百万円の営業利益)となった。
b.燃料・資源リサイクル事業
燃料・資源リサイクル事業については、お客様の燃料転換トレンドが根強く継続した事を主因に、当社グループの販売数量は、86万6千トンと前期比24万6千トン減少となり、売上高は減収となった。
この結果、燃料・資源リサイクル事業の連結売上高は、前期比115億5千8百万円減少の272億4千万円となり、連結営業利益は、前期比9億5千万円減少の27億7千5百万円となった。
c.総合エンジニアリング事業
総合エンジニアリング事業については、化工機事業において、大口の機器納入案件があった事と利益率の改善などにより、増収増益となった。
この結果、総合エンジニアリング事業の連結売上高は、前期比4億6千5百万円増加の92億9千6百万円となり、連結営業利益は、前期比4億2千6百万円増加の20億7千2百万円となった。
d.その他
その他の事業については、増収増益となり、その他の事業の連結売上高は、前期比1億1千1百万円増加の37億9千3百万円となり、連結営業利益は、前期比2千8百万円増加の5億9千3百万円となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、10億5千5百万円減少の51億5百万円となった。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、31億7千8百万円(前年同期比140億5百万円増加)となった。
これは主に、棚卸資産の減少額156億1百万円、減価償却費52億4千万円などによる資金の増加に対し、仕入債務の減少額131億4千万円、その他営業負債の減少額20億2千3百万円などによる資金の減少があったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、166億8千5百万円(前年同期比68億9百万円増加)となった。
これは主に、固定資産の取得による支出160億2千6百万円などによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、188億1千3百万円(前年同期比192億2千7百万円増加)となった。
これは主に、短期借入れによる収入2,948億7千1百万円などに対し、短期借入金の返済による支出3,020億3千1百万円などによるものである。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
コークス事業 |
コークス |
67,594 |
89.5 |
|
燃料・資源リサイクル事業 |
石炭 |
752 |
100.7 |
|
合計 |
68,346 |
89.6 |
|
(注)金額は生産原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
総合エンジニアリング事業 |
7,672 |
85.7 |
4,921 |
72.6 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去している。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
コークス事業 |
58,714 |
70.0 |
|
燃料・資源リサイクル事業 |
27,240 |
70.2 |
|
総合エンジニアリング事業 |
9,296 |
105.3 |
|
その他 |
3,793 |
103.0 |
|
合計 |
99,045 |
73.3 |
(注)1.金額は販売価格に基づき、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
割合(%) |
金額 (百万円) |
割合(%) |
|
|
日本製鉄株式会社 |
47,812 |
35.4 |
29,961 |
30.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項については、提出日現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営成績
当社グループの業績は、主力のコークス事業において、2Aコークス炉は2024年9月に予定通り完工し操業を開始したものの、既存2炉団の老朽化や2024年12月に発生した火災事故の影響により生産量が落ち込んだ。これに伴うトン当たり製造原価の大幅な悪化に加え、年度初からの原料炭・コークス関連市況の継続的な下落もあり、当社グループ業績は大きく悪化する事態となった。
これらの結果、当期の連結売上高は、前期比361億7百万円減少の990億4千5百万円、連結営業損益は、85億6千2百万円の営業損失(前期は43億9千万円の営業利益)となったほか、連結経常損益は、102億6千9百万円の経常損失(前期は36億4千万円の経常利益)となった。
特別損益については、2024年12月24日に開示した当社北九州事業所の火災にかかる災害損失8億2千9百万円や固定資産除却損7億1千9百万円などにより、特別損失15億7千7百万円を計上。親会社株主に帰属する当期純損益は139億8百万円の純損失(前期は18億9千8百万円の純利益)となった。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,306億3千万円となり、前連結会計年度末に比べ100億8千2百万円減少となった。増減の主なものは、機械装置及び運搬具の増加166億5千6百万円、無形固定資産「その他」の増加2億8千3百万円、原材料及び貯蔵品の減少151億2千2百万円、建設仮勘定の減少68億7千2百万円、売掛金の減少20億2千2百万円等である。
当連結会計年度末の負債は、890億3千万円となり、前連結会計年度末に比べ46億7千2百万円増加となった。増減の主なものは、長期借入金の増加243億9千2百万円、支払手形及び買掛金の減少131億4千万円、短期借入金の減少45億7百万円等である。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、147億5千5百万円減少の416億円となった。また、当連結会計年度末の自己資本比率は、31.8%になった。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ10億5千5百万円減少の51億5百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、31億7千8百万円(前年同期比140億5百万円増加)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、166億8千5百万円(前年同期比68億9百万円増加)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、188億1千3百万円(前年同期比192億2千7百万円増加)となった。
資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、原材料・商品等の仕入代金の支払、販売費および一般管理費の支払、借入金の返済および法人税等の支払等である。
当社グループは、事業活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローおよび借入金によって継続的に調達することが可能であると考えている。
財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金および借入金により賄っている。
当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は329億2千9百万円(うち、1年以内に返済予定の長期借入金70億3千8百万円)、長期借入金の残高は328億8千7百万円である。
また、当社および一部の連結子会社は、取引銀行17行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、効率的な資金調達を行っている。当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額および貸出コミットメントの総額は508億円である。
当社グループは、資金効率を高めるため、売上債権および棚卸資産の圧縮に努めており、有利子負債の残高を減少させ借入金依存度を引き下げ、財務基盤の強化に取り組んでいる。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
(財務上の特約が付された金銭消費貸借契約)
当社は、金融機関との間でシンジケート方式によるコミットメントライン契約及びシンジケートローン契約を締結しており、その内容は以下のとおりである。
(1)コミットメントライン契約
|
契約日 |
契約期間 |
期末残高 (百万円) |
相手方の属性 |
財務制限条項 |
担保 |
|
2018年12月10日 |
自 2018年12月21日 至 2026年1月30日(注)1 |
22,890 |
都市銀行、地方銀行等 |
有(注)2 |
無 |
(注)1.1年毎に双方合意の下、延長している。
2.財務制限条項の内容については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) 3.財務制限条項」に記載している。
(2)シンジケートローン契約
|
契約日 |
弁済期限 |
期末残高 (百万円) |
相手方の属性 |
財務制限条項 |
担保 |
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2019年3月19日 |
2026年3月25日 |
3,000 |
都市銀行、地方銀行等 |
有(注) |
無 |
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2022年5月31日 |
2030年3月29日 |
12,544 |
都市銀行、地方銀行等 |
有(注) |
無 |
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2024年9月25日 |
2031年9月30日 |
9,286 |
都市銀行、地方銀行等 |
有(注) |
無 |
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2024年9月25日 |
2028年9月29日 |
10,000 |
都市銀行、地方銀行等 |
有(注) |
無 |
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2024年9月25日 |
2029年9月28日 |
4,900 |
都市銀行、地方銀行等 |
有(注) |
無 |
(注)財務制限条項の内容については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) 3.財務制限条項」に記載している。
当社グループ(当社および連結子会社)は、総合エンジニアリング事業における化工機事業分野をはじめ、新規事業分野等において、製品の高度化と新製品・新技術の開発に取り組んでいる。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的等は次のとおりである。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(コークス事業)
コークス事業分野においては、カーボンニュートラルの実現に向けたCO2削減に取り組んでおり、現在、北九州事業所において、コークス製造時に排出されるCO2を回収・使用し、炭素材を製造するCCVD※技術を開発中である。当該技術は、コークス炉ガスを使用する独自の方法であり、従来の製法に比べ、炭素材を安価に製造することが可能となる。
また、北九州事業所において、コークス製造時に排出されるCO2を、アンモニア水を微細ミスト化することで効率よく回収し、回収したCO2を含むアンモニア水にリン酸を反応させることにより、高純度でCO₂を分離することが可能になるプロセスを開発中である。当該プロセスは、コークス製造の副産物であるアンモニア活用し、およびCO2分離の際に熱エネルギーを要しないことが特徴である。
コークス事業に係る研究開発費は
※Catalytic Chemical Vapor Deposition:触媒気相蒸着(触媒を用いて気体中の化学物質を基板上に沈着させるプロセス)
(総合エンジニアリング事業)
化工機事業分野においては、顧客ニーズに対応すべく処理技術の高度化及びコストダウン等を目指した技術開発及び改良改善を行っており、特に新素材及び二次電池、電子部品関連分野に対応する新技術・新製品の開発に取り組んでいる。
また、シミュレーション技術にも力を入れており、開発のスピードアップを図ると共に、IoT技術等を用いた自動化設備の開発にも取り組んでいる。
総合エンジニアリング事業に係る研究開発費は