第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「古河機械金属グループは、鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を経営理念としています。

この経営理念を実現するために、「運・鈍・根」の創業者精神を心に刻み、「変革・創造・共存」を行動指針として実践します。

「 変 革 」… 未来に向けた意識改革により絶えざる自己革新を行う。

「 創 造 」… 市場のニーズに対応し、信頼され、魅力あるモノづくりを目指す。

「 共 存 」… 経営の透明性を高め、環境と調和した社会の発展に貢献する。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた古河機械金属グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において掲げた、連結営業利益150億円超の常態化を目指します。

 

(3) 経営環境および中長期的な経営戦略

創業以来146年に及ぶ長い歴史の中で、創業当時の鉱山業から様々な事業転換・多角化等の変革を図り、トンネル掘削現場や土木・建築現場、鉱山、工場、下水処理場等、国内外のインフラ整備を支える機械製品、また、銅をはじめ、高度情報化社会の発展に欠かせない電子材料や高品質な化成品などの製品・技術・サービスを提供できることが、当社グループの強みです。

当社グループは、マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」の解決に役立つインフラ整備、製品・技術・サービスなどを提供します。これにより、「企業価値」を創造すると同時に、「社会インフラ整備」、「安全で環境に優しい豊かな社会の実現」という「社会価値」の創造に寄与し続け、「持続可能な社会の実現」に貢献してまいります。

当社グループは、これまでに培った経験・技術を活かし、「Power」(力強さ・スピード)と「Passion」(熱意・情熱)をもって、2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」の達成にまい進し、全てのステークホルダーの皆様の期待に応え一層の信頼を獲得してまいります。

 

 

 

 

 

 

 

1.2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」

「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」

―創業150周年を迎える2025年度に向けて、連結営業利益150億円超の常態化を目指します―

 

2.2025年ビジョン達成のための方針

(1) CSV*の視点を織り込んだ「マーケティング経営」**による古河ブランドの価値向上

マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」を解決し「持続可能な社会の実現」に貢献していく。

顧客ニーズを捉えた技術営業力(提案型・ソリューション型)の強化

市場ニーズに合致した製品・技術・サービスの開発

③強みを活かせるニッチ製品への集中と差別化戦略によるカテゴリートップ化の推進

④新たな市場・カテゴリーの開拓・創造と新たなビジネスモデルの構築

社会基盤を支えてきた製品・技術・サービスを進化させ、「社会課題」の解決に貢献

 

* CSV(Creating Shared Value:共通価値/共有価値の創造):企業が社会問題や環境問題などに関わる社会課題に取り組み、社会価値と企業価値を両立させようとする経営フレームワークです。

**「マーケティング経営」という言葉に、マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供するとともに、顧客が抱えている課題や問題を見つけ出し解決することにより、顧客とのきずなを深めながら、持続的に成長し企業価値を高めていきたいとの意を込めました。

 

(2) 機械事業の持続的拡大

①インフラ関連・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化

②ストックビジネスの拡充・強化

③グループ総合力の発揮、エンジニアリング力の強化によるビジネスチャンスの拡大

 

(3) 人材基盤の拡充・強化

①新しい古河の活力あふれる人づくり・風土づくり

②国内外の多様な人材の確保・活用・育成

③営業・サービス人材の重点強化

 

(4) 企業価値向上に資する投資等の積極的推進

①成長に必要な設備投資の積極的実施

②戦略的なM&A、アライアンスによる事業拡大

 

(5) 経営基盤の整備

①二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上

②堅固な財務基盤の確立

③成長投資と株主還元へのバランスのとれた配分

④当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上

 

 

 

 

 

 

(4) 中期的な経営戦略

①ROE向上に向けた取り組み

当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定しております。

「2025年ビジョン」に掲げる「連結営業利益150億円超の常態化」を達成するためには、「二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上」が不可欠です。当社グループは、投資に伴うリスクおよび資本コストを勘案した採算性に留意して個別の投資判断を行うとともに、財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組むこととしております。

更に、資本コストを的確に把握するとともに、新規事業の立ち上げ・育成、既存事業の拡充強化や縮小・撤退・売却・アライアンス等を含む多岐にわたる選択肢をゼロベースの発想で検討し、これまでの事業の歴史や思い入れに過度に引きずられない合理的な経営判断を実施することにより、経営資源配分の全体最適の追求を目的とした事業ポートフォリオマネジメントの運用に取り組んでいきます。

 

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②「2025年ビジョン」達成に向けた取り組み

当社グループは、長期経営計画である「2025年ビジョン」を3つのフェーズに区分し、各フェーズの位置づけの明確化を図り、戦略的な落とし込み、長期・中期それぞれの時間軸に対応した個別・具体的なアクションプランを策定し、運用しています。

「2025年ビジョン」達成のための重要なツールとして、毎年、期間3年で中期経営計画をローリングする方式を採用しており、各フェーズが始まる際に対外公表する中期経営計画のシームレスな策定を実現するとともに、あらかじめ第1・第2フェーズにPDCA用のマイルストーン(非開示※)を設定することで、ローリングの都度、マイルストーンとの開きを埋めるためアクションプランの見直しを行っています。

2020年度を初年度とする「中期経営計画2022」につきましては、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、収束時期の見通しが不透明であったこと、政府から緊急事態宣言が発出されたことなどにより、「中期経営計画2022」策定の前提としていた経営環境、事業環境から状況が大きく変化したため、公表を延期しました。その代わりに、第2フェーズに取り組むべき経営戦略、重点課題等を明確にすべく、2020年5月に「中期経営方針2022」を策定、公表しました。

 

なお、本年5月には、2021年度を初年度とする期間2年の「中期経営計画2022」を策定し、公表する準備を進めてまいりましたが、依然として新型コロナウイルス感染症の感染拡大が継続しており、新型コロナウイルス禍が収束する時期のめどは立っておらず、中長期の事業環境は不確実性が高く想定することが難しいため、2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を延期し、第2フェーズに該当する2021年度および2022年度は単年度の連結業績予想を策定し、それぞれ2020年度および2021年度の本決算時に公表することを、2021年5月13日開催の取締役会で決議いたしました。2021年度、2022年度は、新型コロナウイルス感染症による価値観やライフスタイル、ビジネスモデル等の変化を慎重に見極め、体質強化(特に、ロックドリル部門における海外マーケティング力の強化・再構築、金属部門における委託製錬事業の抜本的な見直し、不動産事業における古河大阪ビルの将来構想の具現化等の重点課題)を強力に推進し、当社グループ業績の早期回復に注力する期間と位置づけます。

 

※ PDCA用のマイルストーン(非開示):あらかじめ設定したPDCA用の数値(非開示)は、中期経営計画を公表する都度、公表値に置き換えます。

 

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(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

「中期経営方針2022」では、「2025年ビジョン」達成に向け、CSVの視点を織り込み再定義した「マーケティング経営」の推進により古河ブランドの価値向上を図っていくことに加え、現場力とイノベーション力*1を強化し、持続的な成長に向け「人材基盤の拡充強化」、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」、「経営基盤の整備」に取り組んでいくとともに、「中期経営計画2019」にて構築した「新たな成長の礎」の盤石化に全力で取り組むことで,「成長の加速と更なる収益性向上」を実現していきます。

特に、「中期経営計画2019」にてコア事業と位置づけた機械事業については重点投資・成長事業の位置づけを確たるものとすべく、引き続き「機械事業の持続的拡大」を推進していくとともに、非連続な成長を実現するために、アライアンスやM&Aへの取り組みを強化し、新たに「2025年ビジョン」に明記した「当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上」については、従前にも増して、CSRやESG、SDGsといったサステナビリティへの取り組みを強化していきます。

とりわけ、「カーボンニュートラル」については、当社グループとしての達成はもとより、CSVの視点を織り込んだ「マーケティング経営」実践の好機と捉え、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量削減効果の高い製品・技術・サービスなどを提供することで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

 

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①機械事業

「中期経営方針2022」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という世界経済が極めて不透明な状況の中でスタートしましたが、依然として収束時期が見通せず、中長期の事業環境の不確実性は高いものの、我が国における防災・減災などの災害対策、国土強靭化のためのインフラ整備など、当社グループが果たすべき責任は、一段と大きくなっていると認識しており、更に、将来の生産年齢人口の減少による建設現場の人手不足を補う省力化・無人化への貢献や、省エネルギー、CO₂削減への寄与も、当社グループにとっての社会課題と考えています。機械3部門では、「中期経営方針2022」の対象期間を通じ、整備新幹線、リニア中央新幹線、国土強靭化、地方創生、更には大阪・関西万博等に関連した国内需要が堅調に推移することが見込まれるため、これらを着実に取り込むことに加え、インフラ整備・資源関連開発を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化を図っていきます。

産業機械部門では、「中期経営計画2019」の期間中取り組んできた「セクションプラント工事案件の取り込みおよび官民の大型工事プロジェクト案件などのコントラクタ事業の拡大を図る等、単なる機器メーカーからの脱却を目指してエンジニアリング力*2を強化し、国内市場における事業基盤の拡充」の継承と、成長軌道の確立を基本戦略とし、セクションプラント工事案件やプロジェクト案件への技術提案による受注獲得、密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の需要創出、ポンプ、マテリアル機械の更新需要の取り込みによる収益基盤の強化を図っていきます。コントラクタ事業については、不測の事態の想定やリスク管理、プロジェクト管理を徹底し、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案で、引き続き継続的な大型工事プロジェクト案件の受注獲得に努め、様々な「社会課題」の解決に取り組んでいきます。エンジニアリング力の強化については、2018年4月の組織再編により、結果として、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案が複数の大型プロジェクトに採用され、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案により破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等を受注するなど、産業機械部門の業績向上に大きく貢献し進むべき方向が見えてきましたが、今後は、大型プロジェクト案件の受注精度・確率を上げていくことが課題です。

ロックドリル部門では、ライフサイクルサポート*3機能の強化によるフロービジネス・ストックビジネス*4両輪での収益拡大、ドリル製品群(ブラストホールドリル、ドリルジャンボ)の収益基盤の強化を進め、新規市場の開拓と新製品の投入による収益の拡大を基本戦略としています。トンネルドリルジャンボは、山岳トンネル工事向けに好調である国内需要はいずれ減少していくため、海外ドリルジャンボの事業基盤づくりを強化するとともに、海外ブラストホールドリルの事業基盤の深化を通じて、重要な課題である海外マーケティング力の強化・再構築を図っていきます。また、喫緊の課題の一つがライフサイクルサポートを活用したビジネスモデルの構築で、顧客のビジネスに寄与する各種サービス(延長保証、フルメンテナンス、ICTを導入した稼働サポートシステムによる作業効率改善等)の提供によるストックビジネスの強化を推進していきます。更に、技術統括本部との共同開発により全自動ドリルジャンボ、自動ロックボルタなど、トンネル掘削現場での安全性と効率性向上に資する製品ラインナップの展開強化を図っていきます。重点課題として掲げてきた海外マーケティング力の強化については、市場変化対応力、自己分析力、営業戦略立案力等、マーケティングの原点に立ち返った意識と体制の再構築が喫緊の課題です。なお、2020年6月に販売を開始した全自動ドリルジャンボ『J32RX-Hi ROBOROCK®』は、山岳トンネル施工現場において、作業員の安全性を確保するための掘削作業の自動化、せん孔作業の効率化・高精度化による生産性向上、熟練作業員確保の困窮等の課題の解決を図るとともに市場の要望に応えるべく、技術統括本部とドリルジャンボの全自動化を目的とし、共同開発したものです。今後も、山岳トンネル施工現場でのICT化や無人化等の課題解決に取り組んでいきます。

ユニック部門では、国内販売での安定的な収益確保と海外販売での収益拡大を目指し、製品の高機能化・高付加価値化などによる競争力強化、ストックビジネスの推進、海外における製品力・営業力・サービス技術力の強化を基本戦略としています。このため、佐倉工場の設備投資効果の追求と更なる自動化を進めるとともに、ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、ユニックキャリアの高機能化・高付加価値化による競争力強化と多様化する用途に応じた新機能・オプションの開発を行っていきます。また、海外販売網の拡充、販売店の販売力強化を推進していきます。更に、サービス体制の強化にも取り組んでいきます。佐倉工場を三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場として、機能強化することを目的に2016年4月から開始した設備投資については、一部機械設備の完成が2022年3月期となりますが、計画していたほとんどの工事が完了しました。今後は、新設した油圧機器工場に加工機械を集約することで生産効率の向上を図った油圧機器製造工程改革、カチオン電着塗装などの塗装設備を新設し、塗装品質の向上を図った塗装工程改革、クレーン架装能力を倍増し、外注架装費の削減、納期短縮等による収益性の向上を図った架装工程改革など設備投資効果の追求と最大化が課題です。

 

②素材事業

金属部門では、国際市況動向の影響や鉱石買鉱条件の影響を受け、収益の変動が大きく、委託製錬事業の採算性と将来性の見極めが重点課題であり、委託製錬事業の抜本的な見直しを図っていきます。

電子部門では、戦略製品と位置づける窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルの成長促進と市場投入を基本戦略としています。窒化アルミについては、高付加価値焼成技術を活かした事業拡大、高熱伝導・高靭性窒化アルミの開発、DOEについては、微細加工技術を活かした販路拡大、ハイブリッドコイルについては、高い設計自由度を活かしたサンプル展開を図っていきます。

化成品部門では、既存製品である硫酸の収益拡大と新規開発製品である金属銅粉の事業化の開始・育成を基本戦略としています。硫酸については、高品質硫酸による差別化展開強化、金属銅粉については、品質、量産・販売体制を整え、サンプル展開から販路の拡大を図っていきます。

 

③不動産事業

室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益を確保し、古河大阪ビルをはじめ、当社グループが保有する不動産の有効活用を図っていくことを基本戦略としています。2019年12月末をもって閉館した古河大阪ビルの将来構想の決定が重点課題です。なお、古河大阪ビルについては、2020年度から解体工事に着手しています。

 

*1 当社では、イノベーションを広く捉え、全ての企業活動において企業価値や社会価値を生み出す改革・改善を実現する力やビジネスモデルを構築・改革する力をイノベーション力と定義しています。

 

*2 営業活動として、経験、技術、知識をツールに、お客さまに対し、機能、コスト、使用環境、安全性などトータルバランスを考慮した最適提案を実行できる力のことです。

 

*3 機械のライフサイクル全体の期間(機械の選択と納入、オペレーションとメンテナンス、大規模な修理や再生、廃棄や交換)を通じて機械の所有コストおよびオペレーティングコストを可能な限り低減するために最適な管理サービスを提供し支援することでLCS(Life Cycle Support)とも表記されます。

 

*4 景気の影響を受けやすい製品販売(フロービジネス)に対し、製品販売後のアフターマーケットを対象とした事業(補用部品販売、保守サービス、中古下取り・販売等)やレンタルのことをストックビジネスと呼び、比較的収益が安定していることから、「新たな成長の礎」の1つと位置づけ、継続的な拡充・強化に取り組んでいきます。

 

(注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であることから記載しておりません。また、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。そのため、記載されていないリスク要因によっても、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 

(1) 為替の変動について

当社グループは、国内外において生産、調達および販売活動を行っており、製品の輸出、銅精鉱を中心とする原材料の輸入および製錬加工料収入について為替変動の影響を受けます。そのため、為替予約取引等を利用してリスクの軽減を図っておりますが、為替が大きく変動した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(2) 非鉄金属市況の変動について

当社グループの主製品の一つである電気銅等非鉄金属の価格は、国際市況を反映したLME(London Metal Exchange:ロンドン金属取引所)で決定されたUSドル建ての国際価格であり、国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢などにより変動します。そのため、先物取引を利用したヘッジ等によりLME価格の変動による影響の最小化を図っておりますが、LME価格が大きく変動した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、銅精鉱調達のため海外鉱山に出資を行っておりますが、LME価格の変動は出資先の銅鉱山の経営成績等に影響を与え、その影響が当社グループにも及ぶ可能性があります。

 

(3) 金利について

当連結会計年度末における当社グループの借入金の連結貸借対照表計上額は696億83百万円と、総資産の31.9%を占めております。そのため、金利の上昇により負債コストが増加した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、市場金利が上昇した場合には資金調達コストが増加する可能性がありますが、当社グループでは、固定金利等の種々の借入条件を適宜組み合わせることで、急激な金利変動に備えております。

 

(4) 投資有価証券および土地、その他の固定資産について

当社グループは、歴史上の経緯から、その他有価証券で時価のあるもの、および土地を保有しております。その当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は、その他有価証券で時価のあるものが291億36百万円、土地が534億36百万円となっております。そのため、株価や地価が大きく下落した場合には、減損損失、評価損または売却損が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

なお、有価証券については、毎年、取締役会において個別の銘柄ごとに、保有に伴う便益やリスク等を定性面と定量面の両面から総合的に勘案のうえ、その保有の継続の適否を検証しております。検証の結果、保有の意義が認められないと判断したものについては、売却を進めることとしております。

また、当社グループが保有するその他の固定資産については、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。ロックドリル部門については、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を主因として、営業損失を計上しておりますが、今後、事業環境の変化に伴い、収益性の低下により、投資額の回収が見込まれなくなった場合には、減損損失を計上する可能性があります。

 

(5) 需要の変動について

当社グループの製品は、日本国内だけでなく海外でも販売されているため、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場において大きな景気変動があった場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

また、当社グループには、製品の特性上、売上高に占める国内の公共事業関連の割合が高い事業があるため、公共投資額に大きな変動があった場合も、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) カントリーリスクについて

当社グループは、販売網の拡大やコスト競争力の強化、為替リスク低減等のために、グローバルに生産、調達および販売活動を行っております。そのため、現地における政情不安、急激な経済の減速、治安の悪化、貿易上の制裁措置、文化や法制度の相違、特殊な労使関係、テロ等の要因により問題が発生し、事業の円滑な遂行に支障が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(7) 自然災害、感染症のまん延等の不可抗力について

地震、津波、洪水、台風等の自然災害や大規模火災等の事故により当社グループの生産拠点や調達先が重大な被害を受け、生産設備が損壊し、もしくは物流網に障害が発生する等の事態が生じた場合、または、新型ウイルス等の感染症の世界的なまん延により、当社グループの事業所や保有施設、調達先が操業・運営を行うことができない事態が生じた場合、製品およびサービスの安定的な供給・提供を行うことができなくなり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

なお、2020年初頭に顕在化した新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大について、一部の国や地域を除いて、依然として新型コロナウイルス感染症の感染拡大が継続しており、新型コロナウイルス禍が収束する時期のめどが立っておりません。当社グループは、従業員の感染を防止するために、衛生管理の徹底や在宅勤務等の措置を講じておりますが、このまん延が長期間にわたり継続した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞、顧客の事業活動の停止や縮小等による売上高の減少により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、従業員の安全を確保し、各事業の持続可能性を担保するため、以下の措置を講じております。

 

(新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた対応)

新型コロナウイルスの感染を最大限防止するため、自治体からの在宅勤務等の緊急要請があった該当地域の従業員に対し、2020年2月27日から時差出勤、3月27日から在宅勤務とし、政府の緊急事態宣言が発出された4月7日以降、都度、当社グループ従業員の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた対応について、周知徹底するとともに、関連情報については、当社グループのウェブサイトにて公表しております。

感染防止のため講じている主な対策

在宅勤務や時間短縮勤務、輪番制勤務などによる感染リスクの抑制

事務所内のデスクや会議室のパーテーション設置による飛沫感染の防止

生産工場と最寄り駅を結ぶ送迎バスの増便、社員食堂の入替制

感染防止のため定めている主な対応

会議、各種イベント、会食、出張、勤務時間外の対応

健康確保への対応

風邪症状発症時、濃厚接触時の対応

 

 

(新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応)

当社グループでは、平素より運転資金の効率的な調達を行うため、取引金融機関との間で当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するため、手元流動性を確保すべく長期運転資金の調達および投資有価証券の売却を行いました。

長期運転資金の調達

2020年5月に取引金融機関から長期運転資金100億円を調達(調達した運転資金のうち、80億円を2021年2月に返済)

投資有価証券の売却

2020年8月に投資有価証券の売却により54億円の収入

 

当社グループは、産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品、不動産、その他の8つのセグメントで構成されていますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は、セグメントごとに濃淡があり、その影響が及ぶ期間の見通しも不確実な状況です。そのため、感染拡大が当社グループの経営環境に及ぼす影響額を合理的に算定することは困難であります。なお、現段階で想定している当社グループの各セグメントへの主な影響は、以下のとおりです。

 

 

(新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスク)

産 業 機 械

産業機械部門の製品の多くは、受注生産を基本とし、主に国内市場を対象としています。国土強靭化、防災、減災のための投資や老朽化した設備の更新、補修などの対策工事に関する需要は安定的であり、工事の中断や延期など新型コロナウイルスの感染拡大による影響も懸念されますが、限定的なものと想定しています。

ロックドリル

国内では、ドリルジャンボの需要については、影響はないものの、機械の稼働率の低下や経済の先行き不透明感から新たな機械購入の一時的な見送りなどの影響があった油圧ブレーカ、油圧クローラドリルなどの需要は、2022年3月期半ば以降、徐々に回復することを想定しています。

海外では、中国など一部の国や地域を除いて、依然として経済活動のレベルが低く、機械の稼働率も低い状況が続いています。新型コロナウイルス感染症の収束の時期や回復のレベルに地域差はありますが、2022年3月期は若干の回復にとどまり、本格的な回復は、2023年3月期となることを想定しています。

ユニック

国内では、2021年3月期半ば以降、ユニッククレーンの受注は回復傾向にあり、2022年3月期も新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であるものの、広域レンタル会社による投資や業者間取引における需要の本格的な回復には時間を要すると想定しています。

海外では、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった東南アジアや欧米においては回復傾向にあるものの、2022年3月期は若干の回復にとどまり、本格的な回復は、2023年3月期となることを想定しています。

金  属

国内の電線需要は、設備投資の抑制による影響で軟調となり、伸銅需要は、自動車生産の拡大に伴う回復により、堅調となることを想定しています。また、原料は、ほぼ予定どおりに調達ができているものの、鉱石買鉱条件については、新型コロナウイルス感染症の影響で新規銅鉱山プロジェクトが遅延し、供給が不足する一方、中国銅製錬メーカーの旺盛な需要を主因として、需給がひっ迫し、悪化しています。

電  子

電子部門の製品の多くは、スマートフォンや各種電気機器、自動車、航空機などの原材料や部品であり、2021年3月期第2四半期以降、需要は回復傾向にあります。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、再びこれらの産業の生産活動に影響を及ぼす場合には、主力製品である高純度金属ヒ素や結晶製品、コイルなどの需要の減少につながる懸念はありますが、回復の傾向は継続するものと想定しています。

化 成 品

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が硫酸などの需要に影響を及ぼしたものの、化成品部門の製品の多くは、下水処理や排水処理用の薬剤などライフラインに関連するものであり、2022年3月期には、顧客の在庫調整も終了し、需要が回復するものと想定しています。なお、亜酸化銅や酸化銅などの一部の原料の調達面での影響は、2022年3月期前半まで継続するものと想定しています。

不 動 産

主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の商業テナントに対し、賃料の一部減免を実施するなど、新型コロナウイルス感染症の影響下においても営業を継続するための支援を講じております。しかしながら、来館者が平常時の状況に戻るまでは時間を要し、また、契約が終了した店舗の後継テナントの入居には時間を要するものと想定しています。

 

(8) 品質について

当社グループは、世界的に認められている品質管理基準に従って製品を製造するとともに、その管理体制の確立および維持向上に努めております。しかしながら、全ての製品について、将来にわたって欠陥が発生しないという保証はありません。そのため、生産物賠償責任保険やリコール保険等に加入することでリスクに備えておりますが、想定を超える大規模な製造物責任やリコールにつながる製品の欠陥が発生した場合、または当社グループおよびその製品への信頼が失われた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 

(9) 新製品開発について

当社グループは、顧客のニーズを満たす新技術、新機能を備えた製品を市場投入すべく、積極的に新製品の開発に取り組んでおります。しかしながら、一部の事業においては、製品ライフサイクル上の成熟期に位置する取扱製品があり、そのような製品は、競合他社製品との差別化を図ることが困難であることから、利益率が低下する可能性があります。そのため、そのような事業において、将来の柱となるような新製品を開発・市場投入できない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(10) 人材確保について

当社グループは、将来に向けて成長していくため、新卒、中途を問わず優秀な人材を採用し、戦力化するための育成を行っております。しかしながら、事業に必要とされる人材の確保等を十分に行うことができなかった場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(11) 環境保全について

当社グループは、国内外の各事業所において、関係法令に基づき環境保全および環境安全対策ならびに公害防止に努めており、特に、国内休鉱山における坑廃水による水質汚濁防止や集積場(堆積場)の保安等の鉱害防止については、必要な措置を講じております。しかしながら、関係法令の改正等により規制が強化された場合、また、各事業所において不測の事態が発生した場合、その対応に要するコストが増加し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(12) 公的規制について

当社グループは、国内外において事業を展開していることから、許認可、租税、環境、労務、独占禁止、輸出管理等に関する各国の法規制を受けております。当社グループは、これらの公的規制の遵守に努めておりますが、法令の改正等により規制が強化され、または新たな規制が制定された場合は、対応コストの増加や事業の継続への影響など、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(13) 退職給付債務について

当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産に基づき退職給付に係る負債を計上しております。しかしながら、退職給付債務等の計算の基礎として採用した割引率や長期期待運用収益率等の前提条件と実際の結果との間に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

なお、上記中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月29日)現在において当社グループが判断したものです。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①経営成績の状況

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

165,215

159,702

△5,513

営業利益(百万円)

8,693

5,592

△3,100

経常利益(百万円)

8,135

6,773

△1,361

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

4,431

7,468

3,036

 

当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大する中で、4月には全都道府県を対象に緊急事態宣言が発出され、個人消費の減少や企業の設備投資計画の見直しなど、国内需要の下振れの影響は大きく、4月から6月期は、リーマン・ショック以来の大幅なマイナス成長となりました。緊急事態宣言解除後の7月から9月期には、4四半期ぶりにプラス成長に転じ、海外経済の改善や先送りとなっていた設備投資計画が再開されるなどして10月から12月期も緩やかな景気回復が続きましたが、年明けに一部都府県に対して緊急事態宣言が再発出されるなど、国内経済は、一進一退の状況が続いており、新型コロナウイルス感染症が収束し、感染拡大以前の経済活動の水準まで回復するには時間を要するものと見込まれています。

このような経済環境の下、当社グループの当期の連結業績は、売上高は、1,597億2百万円(対前期比55億13百万円減)、営業利益は、55億92百万円(対前期比31億円減)となりました。各報告セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、濃淡がありましたが、主として、産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業ならびに化成品部門は、減収減益となり、金属部門および電子部門は、増収増益となりました。なお、不動産事業については、古河大阪ビルの閉館に伴い、減収となりましたが、営業利益は、前期並みとなりました。経常利益は、主として、為替差損益および持分法投資損益の好転により、67億73百万円(対前期比13億61百万円減)となりました。特別利益に投資有価証券売却益40億78百万円を計上し、また、特別損失に古河大阪ビルの解体工事の進捗に対応した費用7億30百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、74億68百万円(対前期比30億36百万円増)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりです。

 

〔産業機械〕

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

23,237

16,682

△6,555

営業利益(百万円)

3,208

2,113

△1,094

 

新型コロナウイルス感染症拡大の影響としては、一部工事の中断や延期等があったものの限定的で、山城総合運動公園城陽線(城陽橋)橋りょう新設改良工事(京都府京田辺市)や、中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の受注など、当期末の受注残高は、対前期末増となりました。しかしながら、当期の売上高については、マテリアル機械では、中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備の売上の計上があった前期と比べて減収となり、また、大型プロジェクト案件では、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、東京外かく環状道路工事向けベルトコンベヤ、境川金森調節池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)等について出来高に対応した売上を計上しましたが、前年度に大部分の工事が進捗したため、減収となりました。産業機械部門の売上高は、166億82百万円(対前期比65億55百万円減)、営業利益は、21億13百万円(対前期比10億94百万円減)となりました。

 

〔ロックドリル〕

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

27,663

24,149

△3,513

営業利益(百万円)

142

△1,324

△1,467

 

国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、減収となりました。国内では、全般的な機械の稼働率の低下や経済の先行き不透明感に起因する新たな機械の購入の一時的な見送りなどにより、油圧クローラドリル、油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の出荷の減少が大きく、減収となりました。一方、トンネルドリルジャンボについては、需要に影響はなく、2020年6月に販売を開始した全自動ドリルジャンボ『J32RX-Hi ROBOROCK®』の売上高への寄与もあり、増収となりました。海外では、中国や一部の国・地域を除いて、行動制限などにより依然として経済活動のレベルが低く、一年を通じて、全般的に機械の購入に消極的な状況が続き、特に、東南アジアにおいては油圧クローラドリルの出荷が減少し、北米においてはレンタル会社向けの油圧ブレーカの出荷が減少するなどして、減収となりました。ロックドリル部門の売上高は、241億49百万円(対前期比35億13百万円減)、営業損失は、13億24百万円(前期は1億42百万円の利益)となりました。

 

〔ユニック〕

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

31,791

27,804

△3,987

営業利益(百万円)

3,992

3,180

△812

 

国内では、トラックの納入延期や工事の中断・延期、レンタル会社の投資の見送りなど、特に首都圏において新型コロナウイルス感染症拡大の影響が顕著で、ユニッククレーンの受注は低調でしたが、第2四半期以降は、トラック需要が徐々に回復傾向となり、ユニッククレーンの受注も前年度並みとなっています。しかしながら、主として、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正前の駆け込み需要による受注機の出荷や、小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、減収となりました。海外では、主として、東南アジアでの新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、ユニッククレーンの出荷が減少し、また、欧米におけるミニ・クローラクレーンについても、都市部の建設現場の工事中断などによる影響で出荷が減少し、減収となりました。ユニック部門の売上高は、278億4百万円(対前期比39億87百万円減)、営業利益は、31億80百万円(対前期比8億12百万円減)となりました。

 

≪機械事業合計≫

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

82,691

68,635

△14,056

営業利益(百万円)

7,343

3,968

△3,374

 

産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、686億35百万円(対前期比140億56百万円減)、営業利益は、39億68百万円(対前期比33億74百万円減)となりました。

 

 

〔金 属〕

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

67,149

76,094

8,945

営業利益(百万円)

301

499

197

 

電気銅の海外相場は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済成長の減速見通しから前期末に急落し、4月に4,772米ドル/トンで始まりましたが、中国や欧米諸国で経済活動が再開された後、景気回復の期待感などを背景に上昇傾向となり、米国大統領選挙の決着や追加経済対策の成立、また、新型コロナワクチンの供給、接種の開始等を好感し、期末には8,850米ドル/トンで取引を終えました。電気銅の国内建値は、57万円で始まり、期末には103万円となりました。電線、伸銅需要は、自動車産業の生産回復に伴い、第3四半期以降は前年同月並みとなっているものの、電気銅の国内需要は、大きく減少しました。電気銅の販売数量は、委託製錬比率の見直しにより段階的に生産量を減らしており、81,998トン(対前期比1,866トン減)となりましたが、海外相場の上昇により、増収となりました。金属部門の売上高は、760億94百万円(対前期比89億45百万円増)、営業利益は、4億99百万円(対前期比1億97百万円増)となりました。

 

〔電 子〕

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

5,506

5,741

235

営業利益(百万円)

△35

161

196

 

主力製品である結晶製品やコイルの需要は、自動車産業などの生産活動への新型コロナウイルス感染症拡大の影響を主因として、大きく減少していましたが、第2四半期以降は回復傾向となり、一年を通じて、結晶製品は減収となったものの、コイルは前期並みの売上高となりました。高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などの需要が比較的安定しており、また、窒化アルミも、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要増加により、増収となりました。電子部門の売上高は、57億41百万円(対前期比2億35百万円増)、営業利益は、1億61百万円(前期は35百万円の損失)となりました。

 

化成品

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

6,710

6,367

△343

営業利益(百万円)

510

380

△130

 

酸化銅は、基準銅価の上昇を主因として販売単価が上昇したことに加え、基板用向けの需要が旺盛であったことから、増収となりました。一方、亜酸化銅は、主要用途である船底塗料の需要が全般的に低調で、主要顧客向けの販売数量が減少したことにより、減収となりました。硫酸は、高付加価値品の増販などにより、販売単価は上昇しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、顧客の在庫調整による需要減を主因として、減収となりました。化成品部門の売上高は、63億67百万円(対前期比3億43百万円減)、営業利益は、3億80百万円(対前期比1億30百万円減)となりました。

 

 

≪素材事業合計≫

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

79,366

88,203

8,836

営業利益(百万円)

776

1,040

264

 

金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、882億3百万円(対前期比88億36百万円増)、営業利益は、10億40百万円(対前期比2億64百万円増)となりました。

 

〔不動産〕

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

2,386

2,107

△278

営業利益(百万円)

735

736

0

 

主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、商業施設については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年3月頃から来館者が減少傾向となり、4月に発出された緊急事態宣言を受けて、臨時休館となりました。営業再開後も来館者が通常時に比べ減少しており、商業テナントに対して一部賃料の減免を実施したため減収となりましたが、賃料収入全体としては、前期の大口事務所テナントの減床による減収が、後継事務所テナントの入居により、増収となったため、前期並みの売上高となりました。また、2019年12月をもって古河大阪ビルが閉館したため、不動産事業の売上高は、減収となりました。不動産事業の売上高は、21億7百万円(対前期比2億78百万円減)、営業利益は、7億36百万円(対前期比0百万円増)となりました。

 

〔その他〕

 

前期

当期

対前期増△減

売上高(百万円)

771

755

△15

営業利益(百万円)

△94

△82

12

 

運輸業等を行っています。売上高は、7億55百万円(対前期比15百万円減)、営業損失は、82百万円(対前期比12百万円の損失減)となりました。

 

②財政状態の状況

 

前期

当期

対前期増△減

総資産(百万円)

209,697

218,275

8,578

負債(百万円)

131,730

123,910

△7,819

純資産(百万円)

77,966

94,364

16,397

自己資本比率(%)

36.0

42.0

6.0

 

当期末の総資産は、対前期末比85億78百万円増の2,182億75百万円となりました。これは、主として、現金及び預金、上場株式の株価上昇による投資有価証券の増加、また、受取手形及び売掛金の減少によるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比7億29百万円減の696億83百万円となり、負債合計は、電子記録債務、未払金の減少のほか、退職給付に係る負債の減少により、対前期末比78億19百万円減の1,239億10百万円となりました。純資産は、対前期末比163億97百万円増の943億64百万円となり、自己資本比率は、対前期末比6.0ポイント増加し、42.0%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 

前期

当期

対前期増△減

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

8,400

6,042

△2,358

投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△5,073

2,245

7,319

財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△4,843

△3,123

1,719

現金及び現金同等物(百万円)

12,646

17,748

5,101

 

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上などにより60億42百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得により34億3百万円の支出をしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するため、手元流動性を確保すべく2020年8月に売却した、投資有価証券の売却による収入54億22百万円ほかの収入があり、22億45百万円の純収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却同様、2020年5月に取引金融機関から長期運転資金100億円を調達しましたが、調達した運転資金のうち80億円を返済したほか、その他借入金の返済による支出や配当金の支払額等の支出により31億23百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比51億1百万円増177億48百万円となりました。

 

当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、60億42百万円の純収入で、対前期比23億58百万円の収入減となりました。主として、営業利益の減益に伴う非資金損益項目等の調整後収入が減少したことによります。

 

(参考)

 

2019年度

(百万円)

2020年度

(百万円)

増△減

(百万円)

税金等調整前当期純利益

7,280

9,907

2,626

非資金損益項目等の調整※

3,826

△967

△4,793

 非資金損益項目等の調整後収入

11,107

8,940

△2,167

 

 

 

 

営業活動に係る資産・負債の増減

△1,329

△2,240

△910

純支払利息および配当金の受取額

523

542

18

法人税等の純支払額

△1,900

△1,199

701

 

 

 

 

 営業活動によるキャッシュ・フロー

8,400

6,042

△2,358

※減価償却費や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、22億45百万円の純収入(前期は50億73百万円の純支出)で、対前期比73億19百万円増となりました。主として、投資有価証券の売却による収入55億51百万円(対前期比52億1百万円の収入増)、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出34億73百万円(対前期比26億97百万円の支出減)によるものです。投資有価証券の売却による収入の増加は、政策保有株式について、毎年、保有継続の適否を検証するとともに、資産の有効活用および財務体質の健全化を図るべく適宜売却を進めていることに加え、当期は新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するための手元流動性を確保する目的で、投資有価証券の売却を行ったことによるものです。また、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出の減少は、前期は、主として、高崎吉井工場の生産能力増強を目的とした設備投資などの支出が多額であったことによります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、31億23百万円の純支出で、対前期比17億19百万円の支出減となりました。主として、有利子負債(借入金)削減による支出(借入れによる収入および返済による支出の純減)7億41百万円(対前期比14億32百万円の支出減)によるものです。なお、このうち、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応として、取引金融機関から調達した長期運転資金による有利子負債(借入金)の増加は20億円(調達した100億円のうち、80億円を返済)です。

 

④生産、受注および販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

産業機械

15,748

△29.0

ロックドリル

18,623

△29.5

ユニック

27,233

△13.0

金属

70,939

13.9

電子

5,553

1.7

化成品

5,172

△1.1

その他

326

3.3

合計

143,597

△6.2

  (注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 産業機械およびユニックの一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前期比

(%)

受注残高

(百万円)

前期比

(%)

産業機械

11,534

△6.9

9,841

11.9

ユニック

2,578

△18.2

877

△18.3

合計

14,112

△9.2

10,718

8.6

  (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

産業機械

16,682

△28.2

ロックドリル

24,149

△12.7

ユニック

27,804

△12.5

金属

76,094

13.3

電子

5,741

4.3

化成品

6,367

△5.1

不動産

2,107

△11.7

その他

755

△2.0

合計

159,702

△3.3

  (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

古河電気工業(株)

24,409

14.8

24,230

15.2

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容

(当社グループの当連結会計年度の経営成績)

当連結会計年度の売上高は、対前期比55億13百万円△3.3%)減少し、1,597億2百万円となりました。セグメント別の売上高の状況につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載のとおりですが、減収の要因は、主に、以下のとおりです。

産業機械部門の売上高は、大型プロジェクト案件のうち、前年度に小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や中間貯蔵設備(福島県双葉郡大熊町)など、工事の大部分が進捗したことにより65億55百万円△28.2%)の減収となりました。

ロックドリル部門の売上高は、国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、国内では油圧クローラドリル、油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の出荷の減少が大きく、海外では、特に、東南アジアにおいては油圧クローラドリルの出荷が減少し、北米においてはレンタル会社向けの油圧ブレーカの出荷が減少するなどして、35億13百万円(△12.7%)の減収(国内で10億60百万円の減収、海外で24億53百万円の減収)となりました。

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ユニック部門の売上高は、国内では、主として、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正や、小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、海外では、主として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きい東南アジアでユニッククレーンの出荷が減少し、欧米においては、都市部の建設現場の工事中断などによる影響でミニ・クローラクレーンの出荷が減少し、39億87百万円△12.5%)の減収(国内で29億16百万円の減収、海外で10億70百万円の減収)となりました。

金属部門の売上高は、前期末に急落した電気銅の海外相場が、4月以降、大幅に上昇したことを主因として、89億45百万円13.3%)の増収(電気銅は65億82百万円の増収、電気金は24億24百万円の増収)となりました。

 

当連結会計年度の売上原価は、対前期比14億31百万円△1.0%)減少し、1,375億8百万円となりました。売上原価率は2.0ポイント増加し、86.1%となりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による行動制限などにより、全般的に営業活動経費が減少したため、販売費及び一般管理費は、対前期比9億80百万円△5.6%)減少し、166億1百万円となりました。

 

当連結会計年度の営業利益は、対前期比31億円△35.7%)減少し、55億92百万円となりました。営業利益率は1.8ポイント減少し、3.5%となりました。減益の要因は、主に以下のとおりです。

産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業は、減収による減益を主因として、産業機械部門は、10億94百万円(△34.1%)の減益となり、ロックドリル部門は、14億67百万円の減益で、営業損失の計上(前期は利益計上)となりました。また、ユニック部門は、8億12百万円(△20.4%)の減益となりました。

金属部門は、鉱石買鉱条件の悪化など、委託製錬損益は減益となりましたが、金属価格の大幅な上昇により、10億11百万円の増益(電気銅は9億43百万円の増益、電気金は46百万円の減益)となったことから、1億97百万円(65.6%)の増益となりました。電子部門は、高純度金属ヒ素や窒化アルミなどの増収により、1億96百万円の増益で、営業利益の計上(前期は損失計上)となりました。化成品部門は、硫酸や亜酸化銅の減収により、1億30百万円(△25.5%)の減益となりました。

0102010_005.png

 

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益3億55百万円、為替差益7億2百万円を計上したことなどにより、対前期比11億54百万円増加し、27億49百万円となりました。営業外費用は、当期は為替差益の計上(前期は5億53百万円の為替差損)となったことなどにより、対前期比5億84百万円減少し、15億68百万円となりました。

 

当連結会計年度の特別利益は、政策保有株式2銘柄の売却により、投資有価証券売却益40億78百万円(対前期比40億58百万円増)を計上したほか、固定資産売却益は25百万円(対前期比6億29百万円減、前期は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)売却に伴う固定資産売却益5億83百万円ほかを計上)を計上したことなどにより、対前期比34億3百万円増加し、41億5百万円となりました。特別損失は、古河大阪ビルの解体工事の進捗に対応した費用7億30百万円を計上しましたが、前期は、上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円の計上があったことなどにより、対前期比5億84百万円減少し、9億71百万円となりました。

 

当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、4億2百万円減少し、22億37百万円となりました。法人税等の負担率は、政策保有株式売却に伴う評価性引当額の減少などにより、13.7ポイント減少し、22.6%となりました。なお、法定実効税率30.6%と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載しております。

非支配株主に帰属する当期純利益は、8百万円減少し、2億1百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比30億36百万円68.5%)増加し、74億68百万円となりました。

 

(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)

当連結会計年度末の流動資産は、対前期末比29億円3.4%)増加し、886億25百万円となりました。増加の要因は、主に現金及び預金が51億1百万円40.3%)増加し、受取手形及び売掛金が26億22百万円(△8.6%)減少したことによります。なお、現金及び預金の増加の要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当連結会計年度末の固定資産は、対前期末比56億78百万円4.6%)増加し、1,296億49百万円となりました。増加の要因は、主に投資有価証券が、政策保有株式の売却により14億73百万円減少し、

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保有する上場株式の時価評価額が83億25百万円増加するなど、71億12百万円(26.0%)増加したことによります。なお、上場株式の保有状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載しております。

以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比85億78百万円4.1%)増加し、2,182億75百万円となりました。

 

当連結会計年度末の流動負債は、対前期末比47億16百万円△9.0%)減少し、478億39百万円となりました。減少の要因は、主に仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)および未払金の合計額が35億円(△10.8%)減少したほか、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含みます。)が、10億6百万円(△8.7%)減少したことによります。

当連結会計年度末の固定負債は、対前期末比31億3百万円△3.9%)減少し、760億71百万円となりました。減少の要因は、主に繰延税金負債が34億3百万円(53.5%)増加し、退職給付に係る負債

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が68億1百万円(△71.5%)減少したことによります。繰延税金負債の増加は、その他有価証券評価差額金および退職給付に係る調整累計額の増加によるものなどです。また、退職給付に係る負債の減少は、退職金制度の改定により退職給付債務が34億63百万円減少し、株価の上昇などにより年金資産が31億87百万円増加したことによるものです。なお、退職給付債務および年金資産の対前期末との増減の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」に記載しております。

以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前期末比78億19百万円△5.9%)減少し、1,239億10百万円となりました。

 

当連結会計年度末の純資産は、対前期末比163億97百万円21.0%)増加し、943億64百万円となりました。増加の要因は、主に保有する上場株式の時価評価額の増加に伴い、その他有価証券評価差額金が増加し、退職金制度の改定により費用(減額)処理されていない未認識過去勤務費用の増加および株価の上昇などにより費用処理されていない未認識数理差異の減少により、退職給付に係る調整累計額が増加したため、その他の包括利益累計額合計額が108億71百万円(240.2%)増加したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益74億68百万円を計上し、剰余金の配当19億60百万円を実施したことなどにより、株主資本合計が53億55百万円(7.5%)増加したことによります。なお、退職給付に係る調整額および退職給付に係る調整累計額の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」に記載しております。

 

 

(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニッククレーンは、トラックの国内需要動向の影響を受けます。

銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子部門は、半導体市場の動向の影響を受けます。

なお、新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスクを含む事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(当社グループの資本の財源および資金の流動性)

a)キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

b)契約債務

2021年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。

 

年度別要支払額(百万円)

合計

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

短期借入金

8,436

8,436

長期借入金

61,246

2,138

5,171

9,075

6,015

3,426

35,418

リース債務

613

219

163

100

74

43

12

上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2021年3月31日現在の債務保証額は、22億14百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2021年3月31日現在の契約総額は、393億43百万円(借入実行額84億36百万円)です。

 

c)連結キャッシュ・フロー配分と資本政策

2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を見送ることとしたため、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズを担う2020年度から2022年度における、当社グループの連結キャッシュ・フロー配分の公表はしておりませんが、引き続き、堅固な財務基盤の確立を目指しつつ、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」を行うとともに、株主還元を配慮した連結キャッシュ・フローの適正配分に努めていきます。

なお、第1フェーズ(2017年度から2019年度の3年間)および2020年度の連結キャッシュ・フロー配分の概要は、以下のとおりです。

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設備投資ヘの資金配分については、コア事業と位置づける機械事業を中心に、第1フェーズの3年間の設備投資実績累計額は164億3百万円(設備投資等の支払額は163億94百万円)、2020年度は41億44百万円(設備投資等の支払額は34億73百万円)となりました。なお、2020年度の設備投資の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。また、当連結会計年度末現在における翌年度以降の設備投資予定額は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり80億円で、このうち2021年度は、小山工場の新事務所棟建築など機械事業合計で38億円、当社グループ全体では、53億円を予定しております。今後も「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」に取り組むべく、機械事業を中心に「モノづくり力の強化」を支える設備投資を実施していきます。

 

有利子負債(借入金)の削減については、2016年度末の有利子負債(借入金)残高735億7百万円から第1フェーズの3年間で30億94百万円、2020年度は、7億29百万円削減(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の有利子負債の増△減には、為替換算差額による増△減額を含んでおりません。)し、696億83百万円となりました。当社グループは、今後も財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組み、2020年5月に公表した「中期経営方針2022」で掲げた「2025年ビジョン」の最終年度である2025年度の財務水準(イメージ)を達成すべく、財務の健全性向上に努めていきます。

 

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資本政策については、株主還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部留保を念頭に、今後の事業展開、その他諸般の事情を総合的に勘案して、成果の配分を実施することを基本方針としており、株主還元としての利益剰余金からの配当は、連結による損益を基礎とし、特別な損益状態である場合を除き、原則として1株当たり50円の年間配当金および連結配当性向30%以上をめどに、安定的・継続的な利益還元に努めていきます。第1フェーズの3年間の剰余金の処分累計額は59億58百万円で、連結配当性向は43.3%でした。2020年度の剰余金の処分額は19億53百万円(1株当たり配当金50円の年間配当金)としましたが、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するための手元流動性を確保する目的で、政策保有株式の売却を行い、特別利益に投資有価証券売却益を計上した結果として1株当たり当期純利益が増加したこともあり、連結配当性向は26.2%となりました。なお、2021年5月13日に公表した2021年度の剰余金の配当予想は、1株当たり年間配当金50円00銭(連結配当性向54.3%)としました。

なお、自己株式の取得につきましては、第1フェーズの3年間で取得した株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億28百万円、2020年度は、2020年11月に自己株式140,500株を取得し、取得価額の総額は1億64百万円(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の自己株式の取得額には、単元未満株式の買取請求による自己株式の取得を含みます。)でした。自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ、適宜検討していきます。

 

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(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円超の常態化、二桁台のROEを掲げ、「2025年ビジョン」を具現化していくための第1フェーズとして2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6~7%程度とする経営指標を設定いたしました。連結営業利益につきましては、2018年度89億円、2019年度86億円と2期連続で目標を達成しましたが、ROEにつきましては、3年間を通じて、5%台後半にとどまり、目標未達でした。

 

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2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を見送ることとしたため、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズ(2020年度から2022年度)の最終年度となる2022年度のマイルストーンについては公表しておりませんが、2021年度および2022年度は単年度の連結業績予想を、それぞれ2020年度(2021年5月13日)および2021年度(2022年5月予定)の本決算時に公表することとしました。

 

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当連結会計年度の売上高は、1,597億2百万円で、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は103%、素材事業は112%、不動産事業は69%となりました。連結全体の売上高に対する構成比は、機械事業は43%(前期は50%)、素材事業全体では、55%(前期は48%)、不動産事業は1%(前期は1%)となりました。

 

なお、2021年5月13日に公表した、2021年度の連結売上高予想は、2020年度に比し、246億97百万円増収の1,844億円としました。機械事業については、産業機械では、橋梁や大型プロジェクト案件の増収を見込み、ロックドリルおよびユニック部門では、国内外ともに新型コロナウイルス感染症の影響からの緩やかな需要回復を想定し、増収を見込んでいます。素材事業については、金属部門では、銅価格の前提により電気銅が増収、電気金は生産量の増加による増収を見込み、電子部門では、結晶製品やコイルの需要増加を想定し、増収を見込んでいます。化成品部門は2020年度並みとなる見込みです。また、不動産事業については、2020年度並みとなる見込みです。

 

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当連結会計年度の営業利益は、55億92百万円で、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は111%、素材事業は56%、不動産事業は58%となりました。連結全体の営業利益に対する構成比は、コア事業と位置づける機械事業は、比較基準年である2016年度の53%から69%(前期は83%)となり、素材事業全体では、28%から18%(前期は9%)、不動産事業は19%から13%(前期は8%)となりました。

なお、2021年5月13日に公表した、2021年度の連結営業利益予想は、2020年度に比し、10億7百万円増益の66億円としました。機械事業については、産業機械、ロックドリルおよびユニック部門ともに自粛を余儀なくされていた営業活動の再開による経費の増加などがあるものの、増収による増益を見込んでいます。産業機械部門は、橋梁で好採算の案件が寄与した2020年度並みとなることを見込み、ロックドリル部門は、当期に大きく減少した需要の緩やかな回復を見込み、営業損失を計上した当期から営業利益に転じることを見込んでいます。ユニック部門は、若干の増益を見込んでいます。素材事業については、電子部門および化成品部門は当期並みとなる見込みですが、金属部門については、当期に1年を通じて上昇基調にあったことにより、営業利益計上の要因となった金属価格の変動を見込んでいないため、営業損失となる見込みです。また、不動産事業については、修繕費などの経費の増加により、若干の減益となることを見込んでいます。

 

 

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ROE向上に向けた取り組みの強化・浸透については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)中期的な経営戦略 ①ROE向上に向けた取り組み」に記載のとおり、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善に最優先で取り組むこととしております。また、資本コストを的確に把握するとともに、設備投資等を含む経営資源の配分等に際し、資本コストを考慮した事業ポートフォリオマネジメントの運用を通じ、最適事業ポートフォリオの構築、経営資源配分における全体最適の追求をしていきます。

ROEの構成要素について2016年度(比較基準年)との比較で、第1フェーズの最終年度である2019年度は、投資有価証券評価損10億29百万円を特別損失に計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性が低下し、ROEは5.8%(2017年度5.9%、2018年度5.7%)でした。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を主因とする機械事業の減収などにより、連結売上高は55億13百万円の減収となった一方で、投資有価証券売却益40億78百万円を特別利益に計上したことによる当期純利益率の改善を主因として、収益性が改善し、ROEは8.9%となりました。

 

 

(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)

ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んでいます。2016年度(比較基準年)および2019年度(第1フェーズの最終年度)ならびに2020年度の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載のとおりです。

 

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産業機械部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.5%から第1フェーズの最終年度である2019年度には12.9ポイント改善し13.4%となりましたが、2020年度は4.6ポイント悪化し8.8%(2016年度からは8.3ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、2018年4月に組織再編を実施し、エンジニアリング力強化を図ってきた結果として、コントラクタ事業の拡大を図ることができたこと、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案による破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等の受注など、業績向上に大きく貢献したことで、産業機械部門の2020年度の営業利益は、直近15年間で、2019年度の最高益に次ぐ業績となるなど、2016年度から収益性(営業利益率)は改善しました。2020年度については、大型プロジェクト案件のうち、前年度に小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や中間貯蔵設備(福島県双葉郡大熊町)など、工事の大部分が進捗したことにより65億55百万円(△28.2%)の減収となったことを主因として、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しました。産業機械部門では、大型プロジェクト案件の受注精度・確率の向上を図るとともに、密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の需要創出、ポンプ、マテリアル機械の更新需要の取り込みによる収益基盤の強化を図っていきます。

 

ロックドリル部門のROAは、2016年度(比較基準年)の2.9%から第1フェーズの最終年度である2019年度には2.5ポイント悪化し0.4%となり、2020年度は営業損失の計上となったことで、4.2ポイント悪化し△3.8%(2016年度からは6.7ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2017年度および2018年度は、国内においてはトンネルドリルジャンボや都市再開発・建設投資などの底堅い需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルの出荷が好調であったこと、また、海外においては欧米を中心に油圧クローラドリルの出荷が好調であったことなどによる収益性(営業利益率)の改善を主因として、ROAは2017年度5.7%、2018年度5.0%となりましたが、2019年度には、油圧クローラドリルの先進国での排ガス規制対応に伴うコストアップおよび2017年度から開始した高崎吉井工場の設備投資による減価償却費などの負担増加による収益性(営業利益率)の悪化に加え、固定資産投資のほか在庫投資の増加などによる効率性(総資産回転率)も悪化し、ROAは0.4%となりました。2020年度については、国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、35億13百万円(△12.7%)の減収となったことを主因として営業損失の計上となり、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しましたが、高崎吉井工場の第2期工事以降の設備投資の計画延期・見直しをするとともに在庫水準の適正化を図るなど、効率性(総資産回転率)の改善に努めました。ロックドリル部門では、在庫水準の適正化に向けた取り組みを継続するとともに、重点課題としている海外マーケティング力の強化・再構築の実行のほか、ライフサイクルサポートを活用したビジネスモデルの構築など体質の強化に取り組み、業績の回復に注力していきます。

 

ユニック部門のROAは、2016年度(比較基準年)の11.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には1.8ポイント改善し13.0%となりましたが、2020年度は2.6ポイント悪化し10.4%(2016年度からは0.8ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2016年度から開始した佐倉工場の設備投資に伴う総資産の増加、また、鋼材価格の上昇や製造しながらの設備投資の実施による減価償却費負担の増加など生産コストが上昇する中で、国内においてはユニッククレーンの高機能化・高付加価値化による競争力強化を更に図るため、操作性・安全性を各段に高めたフルモデルチェンジ機(G-FORCEシリーズ)の安全強化モデルの販売や、海外においては販売店網の再整備・販売力の強化に加え、海外輸出機の生産拠点の拡張、整備を行ってきたこと、また、佐倉工場の設備投資による投資効果についても生産効率の向上など、収益性の向上(営業利益率)に寄与し始めたことからROAは13.0%となりました。2020年度については、国内では、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正などの駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、海外では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響の大きい地域の出荷減少を主因として、39億87百万円(△12.5%)の減収となったことから効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しましたが、機械事業の安定的なけん引に貢献しています。ユニック部門では、佐倉工場を三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場として機能強化する目的で、2016年度から開始した設備投資は、計画していたほとんどの工事が完了し、更なる設備投資効果の追求と最大化を図っていきます。

 

 

金属部門のROAは、2016年度(比較基準年)の6.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には5.1ポイント悪化し1.1%となりましたが、2020年度は0.6ポイント改善し1.7%(2016年度からは4.5ポイントの悪化)となりました。金属部門では、原料銅鉱石、地金製品ともに国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢など国際市況の動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、収益の変動は大きくなります。このため、為替予約取引や、先物取引を利用したヘッジ等によりこれらの影響の軽減を図るとともに、収益体質の向上のため、採算重視の最適生産・販売体制の確立に努めておりますが、鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算は年々厳しいものとなっています。第1フェーズにおいて、収益性(営業利益率)は2016年度の2.6%から2017年度1.1%、2018年度0.7%、2019年度0.5%と悪化しましたが、2020年度については、委託製錬損益の減益を、金属価格の大幅な上昇により吸収し、増収増益となったことから効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から改善しました。金属部門では、2016年度から委託製錬損益は悪化していますが、この間、金属価格はおおむね上昇基調であったことから利益計上となりましたが、委託製錬の事業性は厳しいものと認識しており、電気銅の委託製錬比率の見直しにより、段階的に生産数量の削減を図るとともに、重点課題としている委託製錬事業の抜本的見直しを行っていきます。

 

電子部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には営業損失の計上となったことで、0.7ポイント悪化し△0.5%となりましたが、2020年度は2.8ポイント改善し2.3%(2016年度からは2.1ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、2017年度および2018年度は、成熟製品と位置づける高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などが好調で、結晶製品も個別半導体用の結晶が好調であったことなどによる収益性(営業利益率)の改善を主因として、ROAは2017年度4.5%、2018年度5.7%となりましたが、2019年度には、半導体市況の悪化による成熟製品の減収減益を主因として営業損失の計上となり、ROAは△0.5%となりました。2020年度については、第3四半期までは、前期に続いて損失計上となっていましたが、第2四半期以降、結晶製品やコイルの需要が回復傾向となり、高純度金属ヒ素は、化合物半導体用などの需要が安定し堅調であったこと、また、窒化アルミは、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要が増加し、増収となったことにより営業損失を解消し、利益計上となったことから、収益性(営業利益率)は、2019年度から改善しました。電子部門では、成熟製品から窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルなど戦略製品への移行に取り組んでいきます。

 

化成品部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.7%から第1フェーズの最終年度である2019年度には2.4ポイント改善し3.1%となりましたが、2020年度は0.8ポイント悪化し2.3%(2016年度からは1.6ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、硫酸、亜酸化銅、酸化銅などの既存製品や高品質硫酸の増販などによる安定的な収益計上により、収益性(営業利益率)は2016年度の2.1%から2017年度7.1%、2018年度6.6%、2019年度7.6%と改善しました。2020年度については、酸化銅は、基板用向けの需要が旺盛であったことなどから増収となりましたが、亜酸化銅は、船底塗料の需要が全般的に低調であったこと、また、硫酸は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、顧客の在庫調整を主因として減収となったことから、収益性(営業利益率)は、2019年度から悪化しました。化成品部門では、既存製品の収益拡大と高品質硫酸の差別化展開強化、金属銅粉の事業化・育成に取り組んでいきます。

 

不動産事業のROAは、2016年度(比較基準年)の4.0%から第1フェーズの最終年度である2019年度には1.3ポイント悪化し2.7%となりましたが、2020年度は0.1ポイント改善し2.8%(2016年度からは1.2ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2019年12月末をもって古河大阪ビルを閉館、この間、テナントの退出により賃貸収入が減少したこと、また、主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、順調な稼働を続けていましたが、2018年度第4四半期から大口事務所テナントの減床の影響による賃貸収入の減少で、収益性(営業利益率)は2016年度の39.4%から2017年度39.9%、2018年度38.5%、2019年度30.7%と悪化しました。一方で、経営資源の有効活用を図ることを目的として、遊休資産や2019年4月に売却した古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)など収益貢献が見込まれなくなった資産の売却を進めるなど、効率性(総資産回転率)の維持に努めました。2020年度については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による臨時休館や来館者の影響を受けた室町古河三井ビルディングの商業テナントに対して一部賃料の減免を実施しましたが、前期の大口事務所テナント減床後の後継事務所テナントの入居などにより、収益性(営業利益率)は、2019年度から改善しました。不動産事業では、室町古河三井ビルディングの安定収益の確保を図るとともに、重点課題としている古河大阪ビルの将来構想の具現化に取り組んでいきます。

 

 

 

②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、多岐にわたる市場ニーズにかなった高付加価値製品、新素材の研究開発を積極的に推進しております。

 当連結会計年度における研究開発は、産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品部門を中心に行っております。

 当連結会計年度における研究開発費は、以下のとおりです。

部門の名称

金額(百万円)

産業機械部門

7

ロックドリル部門

117

ユニック部門

195

金属部門

24

電子部門

104

化成品部門

183

コーポレート研究

531

合計

1,164

 

 当連結会計年度における研究開発活動の主なものは、以下のとおりです。

(1) 産業機械部門

 産業機械部門では、センシング機能を取り入れたマテリアル機械の開発を行っております。

 

(2) ロックドリル部門

 ロックドリル部門では,排ガス規制に対応した油圧クローラドリル、全自動ドリルジャンボ等のトンネル工事・鉱山用機械の開発を行っております。

 

(3) ユニック部門

 ユニック部門では、ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーンおよびユニックキャリア等の開発を行っております。

 

(4) 金属部門

 金属部門では、重金属処理技術の研究を行っております。

 

(5) 電子部門

 電子部門では、高機能な窒化アルミ(AIN)およびコイルの開発を行っております。

 

(6) 化成品部門

 化成品部門では、金属銅粉等の電子材料用銅系素材の製造・量産化技術等の開発を行っております。

 

(7) コーポレート研究

 当社が中心となって、機械製品の制御システムや素材開発等の各セグメントの基盤技術開発のほか、全固体電池用の固定電解質の材料および量産化技術の開発推進等の新事業創出のための研究開発を行っています。コーポレート研究に係る研究開発費は全報告セグメントに配賦しています。