(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「古河機械金属グループは、鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を経営理念としています。
この経営理念を実現するために、「運・鈍・根」の創業者精神を心に刻み、「変革・創造・共存」を行動指針として実践します。
「 変 革 」… 未来に向けた意識改革により絶えざる自己革新を行う。
「 創 造 」… 市場のニーズに対応し、信頼され、魅力あるモノづくりを目指す。
「 共 存 」… 経営の透明性を高め、環境と調和した社会の発展に貢献する。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた古河機械金属グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において掲げた、連結営業利益150億円超の常態化を目指します。
(3) 経営環境および中長期的な経営戦略
創業以来145年に及ぶ長い歴史の中で、創業当時の鉱山業から様々な事業転換・多角化等の変革を図り、トンネル掘削現場や土木・建築現場、鉱山、工場、下水処理場等、国内外のインフラ整備を支える機械製品、また、銅をはじめ、高度情報化社会の発展に欠かせない電子材料や高品質な化成品などの製品・技術・サービスを提供できることが、当社グループの強みです。
「2025年ビジョン」については、第2フェーズを迎えるに当たり一部改正を実施し、グループを挙げて推進してきている「マーケティング経営」*1にCSVの視点を織り込み再定義するとともに、「経営基盤の整備」の一つとして「当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上」を明記することを、2020年5月8日開催の取締役会で決議し、「2025年ビジョン『FURUKAWA Power & Passion 150』の一部改正に関するお知らせ」を公表しました。
当社グループは、マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」の解決に役立つインフラ整備、製品・技術・サービスなどを提供します。これにより、「企業価値」を創造すると同時に、「社会インフラ整備」、「安全で環境に優しい豊かな社会の実現」という「社会価値」の創造に寄与し続け、「持続可能な社会の実現」に貢献してまいります。
当社グループは、これまでに培った経験・技術を活かし、「Power」(力強さ・スピード)と「Passion」(熱意・情熱)をもって、2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」の達成にまい進し、全てのステークホルダーの皆様の期待に応え一層の信頼を獲得してまいります。
*1 「マーケティング経営」という言葉に、マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供するとともに、顧客が抱えている課題や問題を見つけ出し解決することにより、顧客とのきずなを深めながら、持続的に成長し企業価値を高めていきたいとの意を込めました。
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2020年5月8日一部改正(下線部)
1.2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」 「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」 ―創業150周年を迎える2025年度に向けて、連結営業利益150億円超の常態化を目指します―
2.2025年ビジョン達成のための方針 (1) CSV*の視点を織り込んだ「マーケティング経営」による古河ブランドの価値向上 マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」を解決し「持続可能な社会の実現」に貢献していく。 ①顧客ニーズを捉えた技術営業力(提案型・ソリューション型)の強化 ②市場ニーズに合致した製品・技術・サービスの開発 ③強みを活かせるニッチ製品への集中と差別化戦略によるカテゴリートップ化の推進 ④新たな市場・カテゴリーの開拓・創造と新たなビジネスモデルの構築 ⑤社会基盤を支えてきた製品・技術・サービスを進化させ、「社会課題」の解決に貢献
* CSV(Creating Shared Value:共通価値/共有価値の創造):企業が社会問題や環境問題などに関わる社会課題に取り組み、社会価値と企業価値を両立させようとする経営フレームワークです。
(2) 機械事業の持続的拡大 ①インフラ関連・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化 ②ストックビジネスの拡充・強化 ③グループ総合力の発揮、エンジニアリング力の強化によるビジネスチャンスの拡大
(3) 人材基盤の拡充・強化 ①新しい古河の活力あふれる人づくり・風土づくり ②国内外の多様な人材の確保・活用・育成 ③営業・サービス人材の重点強化
(4) 企業価値向上に資する投資等の積極的推進 ①成長に必要な設備投資の積極的実施 ②戦略的なM&A、アライアンスによる事業拡大
(5) 経営基盤の整備 ①二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上 ②堅固な財務基盤の確立 ③成長投資と株主還元へのバランスのとれた配分 ④当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上
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(4) 中期的な経営戦略
①ROE向上に向けた取り組み
当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定しております。
「2025年ビジョン」に掲げる「連結営業利益150億円超の常態化」を達成するためには、「二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上」が不可欠です。当社グループは、投資に伴うリスクおよび資本コストを勘案した採算性に留意して個別の投資判断を行うとともに、財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組むこととしております。
更に、資本コストを的確に把握するともに、新規事業の立ち上げ・育成、既存事業の拡充強化や縮小・撤退・売却・アライアンス等を含む多岐にわたる選択肢をゼロベースの発想で検討し、これまでの事業の歴史や思い入れに過度に引きずられない合理的な経営判断を実施することにより、経営資源配分の全体最適の追求を目的とした事業ポートフォリオマネジメントの運用に取り組んでいきます。
②「中期経営計画2019」の振り返り
「2025年ビジョン」を具現化していくための第1フェーズとして、当社グループは、2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、推進してきました。「中期経営計画2019」で掲げた経営指標の目標(連結営業利益85億円程度、ROE6%~7%程度)のうち、連結営業利益は、2018年度89億円、2019年度86億円と2期連続して目標を達成しました。一方、ROEは、目標達成にグループを挙げて取り組んだ2019年度においても5.8%にとどまり、第1フェーズを通じ目標未達となりました。
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[経営指標] |
2019年度 マイルストーン |
2017年度実績 |
2018年度実績 |
2019年度実績 |
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営業利益 |
85億円程度 |
78億円 |
89億円 |
86億円 |
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ROE |
6%~7%程度 |
5.9% |
5.7% |
5.8% |
「2025年ビジョン」では、金属部門の業績に過度に左右されない堅固な収益基盤を築き、新しい古河機械金属グループへの「変身」を成し遂げることを目的に「機械事業の持続的拡大」を掲げ、更に、第1フェーズの「中期経営計画2019」で大きく経営の舵を切り、「機械事業をコア事業と位置づけ」ました。
第1フェーズでは、部門業績に濃淡はありましたが、コア事業と位置づけた機械事業が中心となり、「中期経営計画2019」で掲げた連結営業利益の目標水準を達成し、目指すべき事業ポートフォリオの方向性が見え始め、事業構造改革の過渡期に突入したと認識しています。
産業機械部門では、単なる機器メーカーからの脱却を目指し、顧客の戦略的パートナーとなるべく組織再編を実施、エンジニアリング力*2の強化を図っており、大きな成果が現れてきました。特に、大型プロジェクト案件においては、特定廃棄物セメント固型化処理設備(福島県双葉郡楢葉町)のほか、東京外環自動車道工事向けベルトコンベヤ、小名浜港湾国際バルクターミナル向け荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤなど、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案が、複数の大型工事プロジェクト案件に採用され、コントラクタ事業の拡大を図ることができました。また、マテリアル機械においては、セクションプラント工事案件として中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等を受注することができました。
ロックドリル部門では、重点課題としているストックビジネス*3の強化を図るため、単なる製品販売だけでなく、製品のライフサイクル全体で価値を認めていただけるようライフサイクルサポート*4を推進してきました。2018年5月には東北と関西地区において自社整備体制を整え、ライフサイクルサポートの仕組みづくりの本格的な取り組みの一つとして、2019年5月より主力製品である油圧クローラドリルに稼働サポートシステムの標準搭載を開始しました。ICTによる稼働データの収集と分析を通じ顧客の生産性の向上に資する提案等を強化しております。また、着実に需要の伸びが期待されるトンネル事業では、ロックボルタ、コンクリート吹付機、支保工エレクタ等の国内ドリルジャンボの周辺作業機械など、また、都市再開発やインフラ整備に伴う解体工事需要に対応した超大型油圧ブレーカや大割・小割用油圧圧砕機などの製品ラインナップの拡充・強化を図りました。なお、2017年10月から開始した高崎吉井工場の生産能力増強などの設備投資は、第1期設備増強を完了しましたが、第2期以降の設備投資について、ロックドリル部門の業績などを勘案し、延期・見直しをすることといたしました。
ユニック部門では、安定した収益の確保に努め、ユニッククレーンの高機能化・高付加価値化などによる競争力強化を更に図るため、厚生労働省による移動式クレーン構造規格の一部改正に対応した安全強化モデルとして、2018年10月に小型から大型まで最新モデル(G-FORCEシリーズ)の販売を開始し、2019年1月に超大型ユニッククレーン、2月にミニ・クローラクレーンの本規格改正への対応を進め、3月に小型トラック荷台内架装用ユニッククレーンの対応を終え、対象となるユニック製品の安全強化モデルのフルラインナップ化を完了しました。また、佐倉工場を三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場として機能強化することを目的に2016年4月から開始した設備投資についても完了のめどが立ちました。油圧機器製造工程改革においては、新設した油圧機器工場に加工機械を集約することにより生産効率の向上を図るとともに、塗装工程改革においては、カチオン電着塗装などの塗装設備を新設し、塗装品質を向上させています。また、架装工程改革においては、クレーン架装能力を倍増し、外注架装費の削減、納期短縮等による収益性の向上を図っていきます。
なお、開発推進体制については、組織再編後の技術統括本部に新たに技術戦略部を創設し、各事業会社と緊密な連携をとり、機械、素材の分野を超えた柔軟な発想で、グループ全体の総合技術力の強化に取り組んできました。ロックドリル部門において、全自動ドリルジャンボの制御システムの構築やブラストホールドリル用シミュレータの共同開発などの成果があり、組織再編の効果が出てきていると認識しています。
また、資本効率の向上を図り、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、2018年11月に続き、2020年2月にも自己株式の取得を実施しました。
*2 営業活動として、経験、技術、知識をツールに、お客さまに対し、機能、コスト、使用環境、安全性などトータルバランスを考慮した最適提案を実行できる力のことです。
*3 景気の影響を受けやすい製品販売(フロービジネス)に対し、製品販売後のアフターマーケットを対象とした事業(補用部品販売、保守サービス、中古下取り・販売等)やレンタルのことをストックビジネスと呼び、比較的収益が安定していることから、「新たな成長の礎」の1つと位置づけ、継続的な拡充・強化に取り組んでいきます。
*4 機械のライフサイクル全体の期間(機械の選択と納入、オペレーションとメンテナンス、大規模な修理や再生、廃棄や交換)を通じて機械の所有コストおよびオペレーティングコストを可能な限り低減するために最適な管理サービスを提供し支援することでLCS(Life Cycle Support)とも表記されます。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズを担う「中期経営計画2022」については、新型コロナウイルス感染症の世界的流行と収束時期の見通しが不透明であることに加え、政府から緊急事態宣言が発出されるなど、「中期経営計画2022」策定に当たり前提および想定していた経営環境、事業環境が大きく変わっていると判断し、2020年5月8日開催の取締役会において公表を延期する決定を行いましたが、第2フェーズにて取り組むべき経営戦略、重点課題等を明確にすべく「中期経営方針2022」を策定いたしました。
「中期経営方針2022」では、「2025年ビジョン」達成に向け、CSVの視点を織り込み再定義した「マーケティング経営」の推進により古河ブランドの価値向上を図っていくことに加え、現場力とイノベーション力*5を強化し、持続的な成長に向け「人材基盤の拡充強化」、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」、「経営基盤の整備」に取り組んでいくとともに、「中期経営計画2019」にて構築した「新たな成長の礎」の盤石化に全力で取り組むことで、「成長の加速と更なる収益性向上」を実現していきます。
特に、「中期経営計画2019」にてコア事業と位置づけた機械事業については重点投資・成長事業の位置づけを確たるものとすべく、引き続き「機械事業の持続的拡大」を推進していくとともに、非連続な成長を実現するために、アライアンスやM&Aへの取り組みを強化していきます。
また、新たに「2025年ビジョン」に明記した「当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上」についても、鋭意取り組んでいきます。
①機械事業
機械3部門では、「中期経営方針2022」の対象期間を通じ、整備新幹線、リニア中央新幹線、国土強靭化、地方創生、更には大阪・関西万博等に関連した国内需要が堅調に推移することが見込まれるため、これらを着実に取り込むことに加え、インフラ整備・資源関連開発を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化を図っていきます。
産業機械部門では、「中期経営計画2019」の期間中取り組んできた「セクションプラント工事案件の取り込みおよび官民の大型工事プロジェクト案件などのコントラクタ事業の拡大を図る等、単なる機器メーカーからの脱却を目指してエンジニアリング力を強化し、国内市場における事業基盤の拡充」の継承と、成長軌道の確立を基本戦略とし、セクションプラント工事案件やプロジェクト案件への技術提案による受注獲得、密閉式吊下げ型コンベヤSICON®の需要創出、ポンプ、マテリアル機械の更新需要の取り込みによる収益基盤の強化を図っていきます。コントラクタ事業については、不測の事態の想定やリスク管理、プロジェクト管理を徹底し、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案で、引き続き継続的な大型工事プロジェクト案件の受注獲得に努め、様々な「社会課題」の解決に取り組んでいきます。
ロックドリル部門では、ライフサイクルサポート機能の強化によるフロービジネス・ストックビジネス両輪での収益拡大、ドリル製品群(ブラストホールドリル、ドリルジャンボ)の収益基盤の強化を進め、新規市場の開拓と新製品の投入による収益の拡大を基本戦略としています。トンネルドリルジャンボは、山岳トンネル工事向けに好調である国内需要はいずれ減少していくため、海外ドリルジャンボの事業基盤づくりを強化するとともに、海外ブラストホールドリルの事業基盤の深化を通じて、重要な課題である海外マーケティング力の強化・再構築を図っていきます。また、喫緊の課題の一つがライフサイクルサポートを活用したビジネスモデルの構築で、顧客のビジネスに寄与する各種サービス(延長保証、フルメンテナンス、ICTを導入した稼働サポートシステムによる作業効率改善等)の提供によるストックビジネスの強化を推進していきます。更に、技術統括本部との共同開発により全自動ドリルジャンボ、自動ロックボルタなど、トンネル掘削現場での安全性と効率性向上に資する製品ラインナップの展開強化を図っていきます。
ユニック部門では、国内販売での安定的な収益確保と海外販売での収益拡大を目指し、製品の高機能化・高付加価値化などによる競争力強化、ストックビジネスの推進、海外における製品力・営業力・サービス技術力の強化を基本戦略としています。このため、佐倉工場の設備投資効果の追求と更なる自動化を進めるとともに、ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、ユニックキャリアの高機能化・高付加価値化による競争力強化と多様化する用途に応じた新機能・オプションの開発を行っていきます。また、海外販売網の拡充、販売店の販売力強化を推進していきます。更に、サービス体制の強化にも取り組んでいきます。
②素材事業
金属部門では、国際市況動向の影響や鉱石買鉱条件の影響を受け、収益の変動が大きく、委託製錬事業の採算性と将来性の見極めが課題となっており、委託製錬事業の抜本的な見直しを図っていきます。
電子部門では、戦略製品と位置づける窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルの成長促進と市場投入を基本戦略としています。窒化アルミについては、高付加価値焼成技術を活かした事業拡大、高熱伝導・高靭性窒化アルミの開発、DOEについては、微細加工技術を活かした販路拡大、ハイブリッドコイルについては、高い設計自由度を活かしたサンプル展開を図っていきます。
化成品部門では、既存製品である硫酸の収益拡大と新規開発製品である金属銅粉の事業化の開始・育成を基本戦略としています。硫酸については、高品質硫酸による差別化展開強化、金属銅粉については、品質、量産・販売体制を整え、サンプル展開から販路の拡大を図っていきます。
③不動産事業
室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益を確保し、古河大阪ビルをはじめ、当社グループが保有する不動産の有効活用を図っていくことを基本戦略としています。2019年12月末をもって閉館した古河大阪ビルの将来構想の決定が課題となっています。
*5 当社では、イノベーションを広く捉え、全ての企業活動において企業価値や社会価値を生み出す改革・改善を実現する力やビジネスモデルを構築・改革する力をイノベーション力と定義しています。
(注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であることから記載しておりません。また、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。そのため、記載されていないリスク要因によっても、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 為替の変動について
当社グループは、国内外において生産、調達および販売活動を行っており、製品の輸出、銅精鉱を中心とする原材料の輸入および製錬加工料収入について為替変動の影響を受けます。そのため、為替予約取引等を利用してリスクの軽減を図っておりますが、為替が大きく変動した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(2) 非鉄金属市況の変動について
当社グループの主製品の一つである電気銅等非鉄金属の価格は、国際市況を反映したLME(London Metal Exchange:ロンドン金属取引所)で決定されたUSドル建ての国際価格であり、国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢などにより変動します。そのため、先物取引を利用したヘッジ等によりLME価格の変動による影響の最小化を図っておりますが、LME価格が大きく変動した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、銅精鉱調達のため海外鉱山に出資を行っておりますが、LME価格の変動は出資先の銅鉱山の経営成績等に影響を与え、その影響が当社グループにも及ぶ可能性があります。
(3) 金利について
当連結会計年度末における当社グループの借入金の連結貸借対照表計上額は704億12百万円と、総資産の33.6%を占めております。そのため、金利の上昇により負債コストが増加した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、市場金利が上昇した場合には資金調達コストが増加する可能性がありますが、当社グループでは、固定金利等の種々の借入条件を適宜組み合わせることで、急激な金利変動に備えております。
(4) 投資有価証券および土地、その他の固定資産について
当社グループは、歴史上の経緯から、その他有価証券で時価のあるもの、および土地を保有しております。その当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は、その他有価証券で時価のあるものが222億78百万円、土地が534億97百万円となっております。そのため、株価や地価が大きく下落した場合には、減損損失、評価損または売却損が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
なお、有価証券については、毎年、取締役会において個別の銘柄ごとに、保有に伴う便益やリスク等を定性面と定量面の両面から総合的に勘案のうえ、その保有の継続の適否を検証しております。検証の結果、保有の意義が認められないと判断したものについては、売却を進めることとしております。
また、当社グループが保有するその他の固定資産については、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や、市場価格の下落等により減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(5) 需要の変動について
当社グループの製品は、日本国内だけでなく海外でも販売されているため、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場において大きな景気変動があった場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループには、製品の特性上、売上に占める国内の公共事業関連の割合が高い事業があるため、公共投資額に大きな変動があった場合も、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(6) カントリーリスクについて
当社グループは、販売網の拡大やコスト競争力の強化、為替リスク低減等のために、グローバルに生産、調達および販売活動を行っております。そのため、現地における政情不安、急激な経済の減速、治安の悪化、貿易上の制裁措置、文化や法制度の相違、特殊な労使関係、テロ等の要因により問題が発生し、事業の円滑な遂行に支障が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(7) 自然災害、感染症のまん延等の不可抗力について
地震、津波、洪水、台風等の自然災害や大規模火災等の事故により当社グループの生産拠点や調達先が重大な被害を受け、生産設備が損壊し、もしくは物流網に障害が発生する等の事態が生じた場合、または、新型ウイルス等の感染症の世界的なまん延により、当社グループの事業所や保有施設、調達先が操業・運営を行うことができない事態が生じた場合、製品およびサービスの安定的な供給・提供を行うことができなくなり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
なお、2020年初頭に顕在化した新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大について、当社グループは、従業員の感染を防止するために、衛生管理の徹底や在宅勤務等の措置を講じておりますが、このまん延が長期間にわたり継続した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞、顧客の事業活動の停止や縮小等による売上の減少により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。その影響について合理的に算定することが困難であることから2021年3月期の業績予想につきましては未定としており、今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表します。
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応およびセグメントごとの経営成績等の状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクについては、それぞれ「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 (当社グループの資本の財源および資金の流動性)b)契約債務、(新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスク)」をご参照ください。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、在宅勤務や時間短縮勤務などによる感染リスクの抑制やデスクごとにパーテーションで区切っての飛沫感染の防止を実施したほか、部署ごとの輪番制を取り入れて社員の密集を避けるなどの対策を講じ、また、工場においても、工場と最寄り駅を結ぶ送迎バスの増便、社員食堂の入替制、事務所におけるパーテーションの設置、交替勤務現場において3交替勤務を2交替勤務とするなどの対策を講じております。
(8) 品質について
当社グループは、世界的に認められている品質管理基準に従って製品を製造するとともに、その管理体制の確立および維持向上に努めております。しかしながら、全ての製品について、将来にわたって欠陥が発生しないという保証はありません。そのため、生産物賠償責任保険やリコール保険等に加入することでリスクに備えておりますが、想定を超える大規模な製造物責任やリコールにつながる製品の欠陥が発生した場合、または当社グループおよびその製品への信頼が失われた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(9) 新製品開発について
当社グループは、顧客のニーズを満たす新技術、新機能を備えた製品を上市すべく、積極的に新製品の開発に取り組んでおります。しかしながら、一部の事業においては、製品ライフサイクル上の成熟期に位置する取扱製品があり、そのような製品は、競合他社製品との差別化を図ることが困難であることから、利益率が低下する可能性があります。そのため、そのような事業において、将来の柱となるような新製品を開発・上市できない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(10) 人材確保について
当社グループは、将来に向けて成長していくため、新卒、中途を問わず優秀な人材を採用し、戦力化するための育成を行っております。しかしながら、事業に必要とされる人材の確保等を十分に行うことができなかった場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(11) 環境保全について
当社グループは、国内外の各事業所において、関係法令に基づき環境保全および環境安全対策ならびに公害防止に努めており、特に、国内休鉱山における坑廃水による水質汚濁防止や集積場(堆積場)の保安等の鉱害防止については、必要な措置を講じております。しかしながら、関係法令の改正等により規制が強化された場合、また、各事業所において不測の事態が発生した場合、その対応に要するコストが増加し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(12) 公的規制について
当社グループは、国内外において事業を展開していることから、許認可、租税、環境、労務、独占禁止、輸出管理等に関する各国の法規制を受けております。当社グループは、これらの公的規制の遵守に努めておりますが、法令の改正等により規制が強化され、または新たな規制が制定された場合は、対応コストの増加や事業の継続への影響など、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(13) 退職給付債務について
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産に基づき退職給付に係る負債を計上しております。しかしながら、退職給付債務等の計算の基礎として採用した割引率や期待運用収益率等の前提条件と実際の結果との間に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
なお、上記中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)においては、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速など、海外情勢の先行き不透明感を背景とする海外需要の低迷に加え、相次ぐ大規模自然災害や消費税率引上げの影響が懸念されましたが、人手不足や働き方改革対応のための省力化・情報化投資、老朽化設備の維持更新投資のほか、公共投資も堅調で、我が国経済は、総じて緩やかな回復が続きました。一方で、景気の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大の影響が世界経済に与える影響など、不透明感が高まる状況となりました。
このような経済環境の下、当社グループの当期の連結業績は、売上高は、1,652億15百万円(対前期比89億1百万円減)、営業利益は、86億93百万円(対前期比2億22百万円減)となりました。機械事業では、ロックドリル部門は、減収減益となりましたが、産業機械、ユニック部門の増収増益により、全体では増収増益となりました。素材事業では、化成品部門は、増収増益となりましたが、金属、電子部門の減収減益により、全体では減収減益となりました。また、不動産事業は、減収減益となりました。経常利益は、81億35百万円(対前期比1億円減)、特別利益に古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)の売却益5億83百万円ほかを計上し、また、特別損失に投資有価証券評価損10億29百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、44億31百万円(対前期比2億22百万円減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
〔産業機械〕
マテリアル機械では、中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備の売上を計上し、増収となりました。また、大型プロジェクト案件では、東京外環自動車道工事向けベルトコンベヤ、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ等について出来高に対応した売上を計上し、増収となりました。産業機械部門の売上高は、232億37百万円(対前期比52億65百万円増)、営業利益は、32億8百万円(対前期比11億19百万円増)となりました。
〔ロックドリル〕
国内では、都市再開発や建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルなどの出荷は好調を維持しました。トンネルドリルジャンボについては、リニア中央新幹線工事や北海道整備新幹線工事、中部横断自動車道工事向けの出荷がありましたが、熊本地震復旧・復興工事向けなどの出荷があった前期と比べ減少し、減収となりました。海外では、油圧クローラドリルの出荷が、特に北米において、排ガス3次規制機の出荷が好調であった前期と比べ減少し、また、その他の地域は、市況悪化により総じて振るわず、減収となりました。ロックドリル部門の売上高は、276億63百万円(対前期比27億9百万円減)、営業利益は、1億42百万円(対前期比15億47百万円減)となりました。
〔ユニック〕
国内では、主力製品であるユニッククレーンは、昨年3月の移動式クレーン構造規格の一部改正前に駆け込み需要があった受注機の出荷増、昨年9月の小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要のほか、大手レンタル向けの出荷も好調で、増収となりました。海外では、ユニッククレーンは、主として東南アジア諸国での景気減速傾向が強まっており、出荷は減少し、減収となりました。ユニック部門の売上高は、317億91百万円(対前期比25億53百万円増)、営業利益は、39億92百万円(対前期比12億3百万円増)となりました。
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、826億91百万円(対前期比51億10百万円増)、営業利益は、73億43百万円(対前期比7億75百万円増)となりました。
〔金 属〕
電気銅の海外相場は、米中貿易摩擦の長期化懸念や中東情勢の緊迫化などから、昨年内は5,500米ドル/トンから6,000米ドル/トンの間で推移しました。米中貿易交渉合意への期待感から1月には6,300米ドル/トンまで回復したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界経済成長の減速見通しから急落し、期末には4,797米ドル/トンで取引を終えました。電気銅の国内建値は、4月に76万円/トンで始まり、期末には58万円/トンとなりました。伸銅需要は、電子機器向けが回復傾向にありましたが、第4四半期には軟化、一方、電線需要は、建設工事向けなどの需要が堅調に推移しました。電気銅の販売数量は、83,864トン(対前期比1,282トン減)で、海外相場の下落もあり減収となりました。電気金は、生産数量の減少に伴い減収となりました。金属部門の売上高は、671億49百万円(対前期比129億18百万円減)、営業利益は、3億1百万円(対前期比2億80百万円減)となりました。
〔電 子〕
高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などの需要が、2019年初から国内、海外向けともにユーザーの在庫調整により低迷しており、減収となりました。また、結晶製品は、個別半導体用などで需要が軟化しており、減収となりました。電子部門の売上高は、55億6百万円(対前期比10億21百万円減)、営業損失は、35百万円(前期は4億7百万円の利益)となりました。
〔化成品〕
硫酸は、販売数量は減少しましたが、2018年下期以降実施した価格改定による販売単価の上昇や低鉄硫酸など高付加価値品の販売数量増加により、増収となりました。また、亜酸化銅、めっき用酸化銅は、販売数量が増加し、増収となりました。化成品部門の売上高は、67億10百万円(対前期比5億83百万円増)、営業利益は、5億10百万円(対前期比1億3百万円増)となりました。
金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、793億66百万円(対前期比133億55百万円減)、営業利益は、7億76百万円(対前期比6億19百万円減)となりました。
〔不動産〕
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)における大口テナント減床の影響や、古河大阪ビルのテナントの退出により、減収となりました。なお、古河大阪ビルは、昨年12月末をもって閉館しました。不動産事業の売上高は、23億86百万円(対前期比6億13百万円減)、営業利益は、7億35百万円(対前期比4億27百万円減)となりました。
〔その他〕
運輸業等を行っています。売上高は、7億71百万円(対前期比42百万円減)、営業損失は、94百万円(対前期比52百万円の損失減)となりました。
当期末の総資産は、対前期末比56億70百万円減の2,096億97百万円となりました。これは、主として上場株式の株価下落による投資有価証券の減少によるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比21億84百万円減の704億12百万円となり、負債合計は、対前期末比31億90百万円減の1,317億30百万円となりました。純資産は、対前期末比24億80百万円減の779億66百万円となり、自己資本比率は、対前期末比0.3ポイント減少し、36.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上などにより84億円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得による支出により50億73百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済による支出や配当金の支払額のほか、資本効率の向上を図り、機動的な資本政策を遂行するため実行した自己株式の取得による支出等により48億43百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比15億70百万円減の126億46百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、84億円の純収入で、対前期比33億84百万円の収入減となりました。主として、仕入債務の減少ほかの営業活動に係る資産・負債の増減により収入が減少したこと、また、法人税等の純支払額が増加したことによるものです。
(参考)
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2018年度 (百万円) |
2019年度 (百万円) |
増△減 (百万円) |
|
税金等調整前当期純利益 |
7,003 |
7,280 |
277 |
|
非資金損益項目等の調整※ |
4,418 |
3,826 |
△591 |
|
非資金損益項目等の調整後収入 |
11,421 |
11,107 |
△314 |
|
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|
|
|
営業活動に係る資産・負債の増減 |
1,171 |
△1,329 |
△2,500 |
|
純支払利息及び配当金の受取額 |
377 |
523 |
146 |
|
法人税等の純支払額 |
△1,185 |
△1,900 |
△715 |
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|
|
|
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
11,785 |
8,400 |
△3,384 |
※減価償却や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、50億73百万円の純支出で、対前期比16億87百万円の支出増となりました。主として、「中期経営計画2019」で計画した「モノづくり力の強化」を支える設備投資計画として、高崎吉井工場の生産能力増強や佐倉工場の三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場機能強化を目的とした設備投資など、当期の有形固定資産および無形固定資産の取得による支出61億70百万円(対前期比13億43百万円の支出増)によるものです。また、有形固定資産の売却による収入は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)の売却など10億58百万円(対前期比1億87百万円の収入減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、48億43百万円の純支出で、対前期比6億37百万円の支出増となりました。主として、有利子負債(借入れによる収入および返済による支出の純増減)削減による支出21億74百万円(対前期比14億95百万円の支出増)のほか、自己株式の取得による支出4億20百万円(対前期比7億87百万円の支出減)によるものです。
③生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
産業機械 |
22,179 |
25.2 |
|
ロックドリル |
26,400 |
△6.4 |
|
ユニック |
31,304 |
2.8 |
|
金属 |
62,274 |
△19.2 |
|
電子 |
5,462 |
△13.5 |
|
化成品 |
5,232 |
10.8 |
|
その他 |
315 |
△31.2 |
|
合計 |
153,170 |
△7.1 |
(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
産業機械 |
12,394 |
△16.2 |
8,793 |
△37.1 |
|
ロックドリル |
0 |
△96.2 |
- |
- |
|
ユニック |
3,150 |
0.8 |
1,074 |
12.0 |
|
合計 |
15,545 |
△13.3 |
9,867 |
△34.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
産業機械 |
23,237 |
29.3 |
|
ロックドリル |
27,663 |
△8.9 |
|
ユニック |
31,791 |
8.7 |
|
金属 |
67,149 |
△16.1 |
|
電子 |
5,506 |
△15.6 |
|
化成品 |
6,710 |
9.5 |
|
不動産 |
2,386 |
△20.4 |
|
その他 |
771 |
△5.3 |
|
合計 |
165,215 |
△5.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
古河電気工業(株) |
28,310 |
16.3 |
24,409 |
14.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績)
当連結会計年度の売上高は、対前期比89億1百万円(△5.1%)減少し、1,652億15百万円となりました。減収の要因は、主に以下のとおりです。
産業機械部門では、マテリアル機械で、セクションプラント案件として中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備が増収となり、また、大型プロジェクト案件で、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、また、新たに受注した境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤについて出来高に対応した売上高を計上したことなどにより、52億65百万円(29.3%)の増収となりました。
ロックドリル部門の売上高は、27億9百万円(△8.9%)の減収となりました。国内売上高は、都市再開発や建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルなどの出荷は好調を維持しましたが、トンネルドリルジャンボについては、リニア中央新幹線工事や北海道整備新幹線工事向けの出荷があったものの、前期と比べ減収となったことなどにより7億55百万円の減収となりました。また、海外売上高は、油圧クローラドリルの出荷が、主として、特に北米において、排ガス3次規制機の出荷が好調であった前期と比べ減少したことにより、19億53百万円の減収となりました。
ユニック部門の売上高については、25億53百万円(8.7%)の増収となりました。国内売上高は、主力製品であるユニッククレーンについては、昨年3月の移動式クレーン構造規格の一部改正前に駆け込み需要があった受注機の出荷増などにより好調で、27億8百万円の増収となりました。また、海外売上高は、主として、東南アジア諸国での景気減速傾向の強まりによる出荷減少で、1億54百万円の減収となりました。
金属部門の売上高は、129億18百万円(△16.1%)の減収となりました。電気銅の販売数量は、83,864トン(対前期比1,282トン減)で、海外相場の下落により66億20百万円の減収となりました。また、電気金は、生産数量の減少により63億20百万円の減収となりました。
当連結会計年度の売上原価は、対前期比87億34百万円(△5.9%)減少し、1,389億40百万円となりました。売上原価率は0.7ポイント減少し、84.1%となりました。また、販売費及び一般管理費は、55百万円(0.3%)増加し、175億82百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、対前期比2億22百万円(△2.5%)減少し、86億93百万円となりました。営業利益率は0.2ポイント増加し、5.3%となりました。減益の要因は、主に以下のとおりです。
産業機械およびユニック部門は、増収による増益を主因として、産業機械部門は、32億8百万円(対前期比11億19百万円増)、ユニック部門は、39億92百万円(対前期比12億3百万円増)となりました。
一方、ロックドリル部門は、減収による減益を主因として1億42百万円(対前期比15億47百万円減)、電子部門は、半導体市況の悪化による高純度金属ヒ素や結晶製品の減収により35百万円の営業損失(前期は4億7百万円の利益)となりました。金属部門は、電気金は海外相場の価格上昇により増益となりましたが、電気銅は鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算の悪化により3億1百万円(対前期比2億80百万円減)となりました。不動産事業は、室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)における大口テナント減床の影響や、古河大阪ビルのテナント退出による減収により7億35百万円(対前期比4億27百万円減)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、古河大阪ビルのテナント退去交渉が終了したことに伴うテナント退去補償関連費用引当金戻入額2億64百万円を計上したことなどにより、対前期比2億79百万円増加し、15億95百万円となりました。営業外費用は、前期にシンジケートローン組成に伴う費用を計上した金融諸費は、1億4百万円(対前期比1億75百万円減)、持分法投資損失は50百万円(対前期比99百万円減)の計上となりましたが、為替差損を5億53百万円(対前期比4億98百万円増)計上したことなどにより、対前期比1億57百万円増加し、21億53百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)売却に伴う固定資産売却益5億83百万円のほか、資産の効率性改善のため遊休資産や投資有価証券の売却を行い、固定資産売却益6億54百万円(対前期比4億31百万円増)、投資有価証券売却益20百万円(対前期比1億94百万円減)ほかを計上したことから、対前期比2億19百万円増加し、7億1百万円となりました。特別損失は、上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円(前期は計上なし)を計上しましたが、前期は古河大阪ビルについて、競争力のある賃貸テナントビルとして継続していくことが困難であると判断し計上した減損損失15億61百万円のほか16億9百万円(当期は2億40百万円)の減損損失計上があり、対前期比1億58百万円減少し、15億55百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、対前期比4億89百万円増加し、26億39百万円となりました。法人税等の負担率は、投資有価証券評価損計上に伴う評価性引当額の増加などにより5.6ポイント増加し、36.3%となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は、11百万円増加し、2億9百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比2億22百万円(△4.8%)減少し、44億31百万円となりました。
(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)
当連結会計年度末の流動資産は、対前期末比17億15百万円(△2.0%)減少し、857億25百万円となりました。減少の要因は、主に現金及び預金が16億81百万円(△11.7%)減少したことによります。現金及び預金の減少については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。
当連結会計年度末の固定資産は、対前期末比39億55百万円(△3.1%)減少し、1,239億71百万円となりました。減少の要因は、主に有形固定資産および無形固定資産が16億53百万円(1.9%)増加した一方で、投資有価証券が57億30百万円(△17.3%)減少したことによります。有形固定資産および無形固定資産の増加については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおり、当連結会計年度は、主に、59億38百万円の設備投資を実施したことによります。また、当連結会計年度の減価償却費は、35億89百万円の計上となりました。投資有価証券の減少については、上場株式の株価下落により時価評価額が減少したことによります。なお、上場株式の保有状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」をご参照願います。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比56億70百万円(△2.6%)減少し、2,096億97百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、対前期末比78億21百万円(△13.0%)減少し、525億55百万円となりました。減少の要因は、主に短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含みます。)が56億22百万円(△32.7%)減少したほか、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)および未払金を合計した負債が23億4百万円(△6.6%)減少したことによります。
当連結会計年度末の固定負債は、対前期末比46億30百万円(6.2%)増加し、791億75百万円となりました。増加の要因は、主に長期借入金が34億38百万円(6.2%)増加したことによります。なお、長期借入金の年度別要支払額については、以下(当社グループの資本の財源および資金の流動性)b)契約債務に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前期末比31億90百万円(△2.4%)減少し、1,317億30百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、対前期末比24億80百万円(△3.1%)減少し、779億66百万円となりました。減少の要因は、主に利益剰余金が26億15百万円(6.2%)増加した一方で、上場株式の株価下落による時価評価額の減少で、その他有価証券評価差額金が39億75百万円(△42.6%)減少したことによります。なお、利益剰余金の増加については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により44億31百万円増加し、剰余金の配当を実施したことにより19億77百万円減少したことなどによります。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニッククレーンは、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子部門は、半導体市場の動向の影響を受けます。なお、事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照願います。
(当社グループの資本の財源および資金の流動性)
a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||||
|
合計 |
1年以内 |
1年超 2年以内 |
2年超 3年以内 |
3年超 4年以内 |
4年超 5年以内 |
5年超 |
|
|
短期借入金 |
8,570 |
8,570 |
- |
- |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
61,842 |
3,011 |
2,087 |
5,158 |
8,970 |
5,987 |
36,626 |
|
リース債務 |
664 |
221 |
189 |
132 |
62 |
26 |
32 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2020年3月31日現在の債務保証額は、2,847百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2020年3月31日現在の契約総額は、38,102百万円(借入実行額7,662百万円)です。また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応として、手元現預金を通常より厚くしておくことが必要と判断し、上記の当座貸越契約および貸出コミットメント契約とは別に、2020年5月29日に取引金融機関から長期運転資金100億円を調達いたしました。
c)連結キャッシュ・フロー配分と資本政策
当社グループは、2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、推進してきました。連結営業キャッシュ・フローの配分については、堅固な財務基盤の確立を目指しつつ、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」を行うとともに、株主還元に配慮した連結営業キャッシュ・フローの適正配分に努めていくこととしております。更に、5月8日開催の取締役会において策定、公表した「中期経営方針2022」において、「2025年ビジョン」の最終年度である2025年度の財務水準を以下のとおり、日系格付機関による発行体格付で現行比ワンノッチアップとなるBBB+以上の取得が可能となる財務水準をイメージし、今後とも継続して財務の健全性向上に努め、最適資本構成の追求をしていくこととしました。
2017年度から2019年度の3年間の連結営業キャッシュ・フローの実績累計額は、255億37百万円で、3年間の累計額(イメージ)を250億円程度としていた「中期経営計画2019」の達成率は102%で、イメージどおりの資金獲得となりました。また、獲得した資金の配分についての実績累計額および「中期経営計画2019」の達成率は以下のとおりです。
なお、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズを担う「中期経営計画2022」については、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により公表を延期したため、2020年度から2022年度の3年間を対象とした連結キャッシュ・フローの配分については、新中期経営計画の策定が可能となった段階で速やかに公表します。
有利子負債の削減については、2016年度末の有利子負債残高735億7百万円から3年間で30億94百万円削減([連結キャッシュ・フロー配分の概要]の有利子負債の増△減には為替換算差額による増△減額を含んでおりません。)し、704億12百万円となりました。「中期経営計画2019」でイメージした有利子負債の削減30億円に対する達成率は103%となりました。当社グループは、今後も財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組み、「中期経営方針2022」で掲げた2025年度の財務水準(イメージ)を達成すべく、財務の健全性向上に努めていきます。
設備投資への資金配分については、コア事業と位置づける機械事業を中心に、「中期経営計画2019」では3年間の設備投資額を160億円程度としました。2017年度から2019年度の実績累計額は164億3百万円、達成率は103%となりました。なお、設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」を、また重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照願います。今後も「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」に取り組むべく、機械事業を中心に「モノづくり力の強化」を支える設備投資を実施していきます。
資本政策については、株主還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部留保の確保を念頭に、今後の事業展開、その他諸般の事情を総合的に勘案して、成果の配分を実施することを基本方針としており、原則として、連結による損益を基礎とし、特別な損益状態である場合を除き、1株当たり50円の年間配当金および連結配当性向30%以上をめどに、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。「中期経営計画2019」では3年間の配当総額(イメージ)を60億円としました。2017年度から2019年度の各年度の年間配当金は、1株当たり50円、連結配当性向は40%以上で、実績累計額は60億17百万円、達成率は100%となりました。
なお、2018年11月に続き、2020年2月にも自己株式の取得を実施し、2017年度から2019年度に取得した株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億31百万円となりました。自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ、適宜検討していきます。
(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円の常態化、二桁台のROEを掲げ、「2025年ビジョン」を具現化していくための第1フェーズとして、2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6%~7%程度とする経営指標を設定いたしました。
「中期経営計画2019」の対象期間である2017年度から2019年度の連結業績の推移、最終年度である2019年度実績の2019年度(イメージ)の達成率および「中期経営計画2019」スタート前年の2016年度(比較基準年)に対する比率は、以下のとおりです。
当連結会計年度の売上高は、1,652億15百万円で、「中期経営計画2019」の最終年度である2019年度(イメージ)に対する達成率は99%となりました。
セグメント別では、コア事業と位置づける機械事業の達成率は98%、素材事業は100%、不動産事業は95%となりました。また、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は124%、素材事業は101%、不動産事業は78%となりました。
当連結会計年度の営業利益は、86億93百万円で、経営指標として掲げた営業利益85億円に対する達成率は102%となり、2018年度実績の89億15百万円に続き、2期連続して目標を達成しました。
セグメント別では、ロックドリル部門は2019年度の海外売上高の減収により対前期比で大幅な減益となり、達成率は9%となりましたが、「中期経営計画2019」の最終年度である2019年度(イメージ)の営業利益を大幅に超える利益計上となった産業機械部門の達成率は257%となり、また、ユニック部門は国内の安定的な収益を確保し、達成率は117%となりました。以上の結果、機械事業の達成率は117%となりました。
金属部門は製錬採算の悪化などにより、達成率は43%となりました。電子部門は半導体市況の悪化による減収により対前期比で減益、営業損失の計上となりました。また、化成品部門は「中期経営計画2019」の3年間を通じ安定的な利益計上となり、達成率は128%となりました。以上の結果、素材事業の達成率は55%となりました。
不動産事業は2019年度の賃貸収入の減少により対前期比で減益となり、達成率は74%となりました。
「中期経営計画2019」では機械事業をコア事業と位置づけ、「新たな成長の礎を構築」する期間とし、2019年度(イメージ)の営業利益を62億円、構成比を72%としました(機械事業の2016年度実績(比較基準年)の営業利益は35億円、構成比は53%。)。2019年度実績の営業利益は73億円、構成比は83%で2019年度(イメージ)比1.2倍、2016年度(比較基準年)比2.1倍となりました。
ROE向上に向けた取り組みの強化・浸透については、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善に最優先で取り組むこととしております。更に2018年度から資本コストを的確に把握するとともに、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資等を含む経営資源の配分等に際し、資本コストを考慮した事業ポートフォリオマネジメントの運用を開始しました。
ROEの構成要素について2016年度(比較基準年)との比較で、2019年度は上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円を特別損失に計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性は低下しました。また、効率性は改善、レバレッジは低下し、ROEは5.8%となりました。2018年度についても古河大阪ビルの減損損失15億61百万円を計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性は低下し、ROEは5.7%にとどまり、「中期経営計画2019」で掲げた経営指標の目標のうちROE(6%~7%程度)については、第1フェーズ(2017年度から2019年度)3年間を通じ目標未達となりました。
(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)
ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んできました。2016年度(比較基準年)および2019年度の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの第1フェーズ(2017年度から2019年度)の取り組みおよび今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 中期的な経営戦略」をご参照願います。
産業機械部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は116%、営業利益は257%となりました。ROAは2016年度の0.5%から12.9ポイント改善し13.4%となりました。特に収益性(営業利益率)の改善は、単なる機器メーカーからの脱却を目指し、顧客の戦略的パートナーとなるべく2018年4月1日付で、それぞれ別の本部下にあった営業部門と設計部門を事業本部ごとに統合する組織再編を実施、エンジニアリング力の強化を図ってきた成果として、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案が、複数の大型プロジェクト案件に採用され、コントラクタ事業の拡大を図ることができたこと、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案により破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等を受注し、売上高は2016年度比で165%、営業利益は3,071%と伸ばすことができたことによると認識しています。
ロックドリル部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は83%、営業利益は9%となりました。ROAは2016年度の2.9%から2.5ポイント悪化し0.4%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度および2018年度は、国内においてはトンネルドリルジャンボや都市再開発・建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルの出荷が好調であったことに加え、海外においては欧米を中心に油圧クローラドリルの出荷が好調であったことなどにより、収益性(営業利益率)は、2016年度の3.3%から2017年度5.9%、2018年度5.6%と改善していましたが、2019年度は0.5%となりました。これは、売上高は2016年度比で103%であった一方、油圧クローラドリルの先進国での排ガス規制対応に伴うコストアップおよび2017年度から開始した高崎吉井工場の設備投資による減価償却費等の負担増加などにより営業利益は2016年度比16%にとどまったことによります。また、ロックドリル部門については、固定資産投資のほか在庫投資も増加しておりますので、効率性(総資産回転率)の改善に努めていきます。なお、ロックドリル部門の業績などを勘案し、高崎吉井工場の第2期以降の設備投資について、延期・見直しをすることといたしました。
ユニック部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は104%、営業利益は117%となりました。ROAは2016年度の11.2%から1.8ポイント改善し13.0%となりました。2016年度から開始した佐倉工場の設備投資に伴う総資産の増加、また、鋼材価格の上昇に加え、製造しながらの設備投資の実施による生産コストの上昇で2017年度および2018年度の効率性(総資産回転率)、収益性(営業利益率)の両指標とも2016年度から悪化し、ROAも2017年度8.9%、2018年度9.7%となっていました。一方、2019年度の売上高は、2016年度比で123%となり、営業利益は2016年度比155%になったことにより、収益性(営業利益率)は2016年度の9.9%から2.6ポイント改善し12.5%となりました。これは、国内においてはユニッククレーンの高機能化・高付加価値化による競争力強化を更に図るため、操作性・安全性を各段に高めたフルモデルチェンジ機(G-FORCEシリーズ)の安全強化モデルの販売や、海外においては販売店網の再整備・販売力の強化に加え、海外輸出機の生産拠点の拡張、整備を行ってきたこと、また、佐倉工場の設備投資による投資効果についても生産効率の向上など、収益性の向上に寄与し始めたことによると認識しています。
金属部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は100%、営業利益は43%となりました。ROAは2016年度の6.2%から5.1ポイント悪化し1.1%となりました。当部門では、原料銅鉱石、地金製品ともに国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢など国際市況の動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、収益の変動は大きくなります。このため、為替予約取引や、先物取引を利用したヘッジ等によりこれらの影響の軽減を図るとともに、収益体質の向上のため、採算重視の最適生産・販売体制の確立に努めておりますが、鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算は厳しいものとなってきており、収益性(営業利益率)は2016年度の2.6%から0.5%へ悪化しています(2017年度は1.1%、2018年度は0.7%。)。金属部門については、委託製錬事業の採算性と将来性の見極めを行っていきます。
電子部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は86%、営業利益は損失の計上となりました。ROAは2016年度の0.2%から0.7ポイント悪化し△0.5%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度および2018年度は、成熟製品と位置づける高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体が好調で、また、結晶製品も個別半導体用の結晶が好調であったため、収益性(営業利益率)は2017年度5.2%、2018年度6.2%で、ROAも2017年度は4.5%、2018年度は6.2%と順調に改善していましたが、2019年度は半導体市況の悪化による成熟製品の減収減益を主因として営業損失の計上となりました。これら成熟製品から窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルなど戦略製品への移行に全力で取り組んでいきます。
化成品部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は112%、営業利益は128%となりました。ROAは2016年度の0.7%から2.4ポイント改善し3.1%となりました。収益性(営業利益率)は、売上高は2016年度比127%、営業利益は2016年度比445%と伸ばすことができたことにより、2016年度の2.1%から5.5ポイント改善し7.6%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、硫酸、亜酸化銅、めっき用酸化銅など既存製品や低鉄硫酸などの高付加価値製品による収益拡大が寄与したと認識しています。
不動産事業は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は95%、営業利益は74%となりました。ROAは2016年度の4.0%から1.3ポイント悪化し2.7%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度から古河大阪ビルのテナント退去交渉を開始し、2019年12月末をもって同ビルを閉館しましたが、この間、テナントの退出により賃貸収入が減少したこと、また、主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、順調な稼働を続けていましたが、2018年度第4四半期から大口テナントの減床の影響による賃貸収入の減少で、収益性(営業利益率)は2016年度の39.4%から30.7%へ悪化しています(2017年度は39.9%、2018年度38.5%。)。一方で、経営資源の有効活用を図ることを目的として、遊休資産や2019年4月に売却した古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)など収益貢献が見込まれなくなった資産の売却を進め、効率性(総資産回転率)の維持に努めており、また、室町古河三井ビルディングの安定収益の確保を図るとともに、古河大阪ビルの将来構想の決定をし、収益性の改善を図っていきます。
(新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスク)
当社グループは、産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品、不動産、その他の各セグメントで構成され、各セグメントの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響やその影響が及ぶ期間については濃淡があります。
当社グループの経営環境に及ぼす影響については不確実性が高いこと、また、合理的に算定することが困難であることから、2021年3月期の業績予想については未定としておりますが、現段階における当社グループの各セグメントへの主な影響は以下のとおりです。
〔産業機械〕
産業機械部門の製品の多くは、受注生産を基本とし、主に国内市場を対象としています。受注済みの案件では、政府の緊急事態宣言の発出を受けて、工事の中断や延期等がありますが、その影響は軽微で、新規の受注活動についても6月以降、徐々に再開しております。今後、設備投資意欲の減退も懸念されるところですが、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
〔ロックドリル〕
国内においては、政府の緊急事態宣言発出後の工事の中断や延期などにより、機械の稼働率は低下しており、新たな機械購入を一時的に見送るなど、新規需要に影響が出始めております。海外においては、一部の国や地域を除いて、依然として外出は制限されるなど、経済活動は再開されていない状況が続いており、需要は低迷し製品納入の延期要請を受けるなど、出荷や新規の受注活動に影響が出ております。
〔ユニック〕
国内においては、トラックメーカーの操業一時停止による受注済み製品の納入の延期などの影響や、政府の緊急事態宣言発出を受けた工事の中断や延期など、先行き不透明感からクレーンの需要に影響が出ています。海外においては、国や地域により濃淡はありますが、依然として外出は制限されるなど、経済活動は再開されていない状況が続いており、顧客の購入意欲の減退もあって、新規の受注活動に影響が出ています。
〔金 属〕
国内における電気銅の需要は、政府の緊急事態宣言発出を受けた工事の中断や、自動車メーカーの生産調整などによる影響を受けていますが、一方で、他国に先駆け経済活動を再開した中国向けの需要は増加しています。また、原料調達については、鉱石買鉱条件は年間契約であり、ほぼ予定どおりの原料調達ができており、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
〔電 子〕
電子部門の製品の多くは、スマートフォンや各種電気機器、自動車、航空機などの原材料や部品であり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がこれらの生産活動に影響を及ぼし、主力製品である高純度金属ヒ素や結晶製品、コイルなどの需要への影響が出ています。
〔化成品〕
化成品部門の製品の多くは、下水処理や排水処理用の薬剤などライフラインに関連するものであり、一部、亜酸化銅やめっき用酸化銅などの原料調達面での影響はあるものの、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
〔不動産〕
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の商業施設は、4月4日以降、臨時休館となり、5月25日の政府および東京都の緊急事態宣言解除を受け、商業施設の営業は順次再開していますが、来館者も平常時の状況に戻るまでは時間を要し、賃料収入の減少などの影響を想定しています。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
a)退職給付債務および年金資産の算定
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産に基づき退職給付に係る負債を計上しております。退職給付債務および年金資産は、割引率や期待運用収益率等の数理計算上の仮定に基づいて算出されております。
当社グループの割引率の決定には、主としてイールドカーブ等価アプローチを採用しています。具体的には、予想支払年度に該当する国債イールドカーブ上の利回りを各年度の退職給付見込額(過去期間分)にそれぞれ割り当て、割引現在価値を計算した結果を合計することにより算定した退職給付債務と、単一の割引率により割引現在価値計算をした退職給付債務が等しい結果となる単一の割引率を加重平均割引率として決定しています。当連結会計年度末における割引率は主として0.2%です。
当社グループは、年金資産の過去の運用実績と将来収益に対する予測を評価することにより長期期待運用収益率を設定しております。当連結会計年度末における長期期待運用収益率は主として2.0%です。
したがって、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (13) 退職給付債務について」に記載したとおり、退職給付債務等の計算の基礎として採用した割引率や期待運用収益率等の前提条件と実際の結果との間に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合には、退職給付債務および退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。割引率および長期期待運用収益率が低下した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりです。
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退職給付債務への影響額 |
退職給付費用への影響額 |
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割引率:0.1%低下 |
163百万円の増加 |
11百万円の増加 |
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長期期待運用収益率:1.0%低下 |
- |
40百万円の増加 |
また、当社は2020年4月1日付で退職金制度を改定しており、改定内容および2021年3月期の連結財務諸表に与える予定の影響額を「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、多岐にわたる市場ニーズにかなった高付加価値製品、新素材の研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度における研究開発は、産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品部門を中心に行っております。
当連結会計年度の研究開発費は、
(1) 産業機械部門
産業機械部門では、砕石市場向け高効率スクリーン等の開発を行っております。
産業機械部門の当連結会計年度の研究開発費は、
(2) ロックドリル部門
ロックドリル部門では,油圧ブレーカ、油圧圧砕機の開発のほか、排ガス規制に対応した油圧クローラドリルや土木・鉱山向けのドリルジャンボ等の開発を行っております。
ロックドリル部門の当連結会計年度の研究開発費は、
(3) ユニック部門
ユニック部門では、ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーンおよびユニックキャリア等の開発を行っております。
ユニック部門の当連結会計年度の研究開発費は、
(4) 金属部門
金属部門では、重金属処理技術の研究を行っております。
金属部門の当連結会計年度の研究開発費は、
(5) 電子部門
電子部門では、窒化アルミ製品およびレーザー加工用光学部品等の開発を行っております。
電子部門の当連結会計年度の研究開発費は、
(6) 化成品部門
化成品部門では、導電性ペースト用銅粉末や電子材料用銅酸化物等の開発を行っております。
化成品部門の当連結会計年度の研究開発費は、
(7) コーポレート研究
当社が中心となって、各セグメント製品群の基盤技術開発、新事業創出のための研究開発等を行っています。コーポレート研究に係る研究開発費は、716百万円であり、全報告セグメントに配賦しています。
また、窒化ガリウム基板の開発を行っておりましたが、ターゲットとしていた市場の拡大が見込めないため開発を中止いたしました。