文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、資源事業を社業の柱とし、社会のニーズに応じた良質な資源の安定供給を図ることにより、発展・拡大してまいりました。今後とも、資源の開発・安定供給に努めてまいります。
機械・環境事業につきましては、社会のニーズに応じた良質な商品を提供するとともに、事業フィールドの拡大を図ってまいります。さらに、不動産事業や再生可能エネルギー事業につきましても、総合資源会社としてグループの総合力を発揮し、持続的成長を実現することにより、株主、取引先及び地域社会に貢献してまいります。
(2) 第3次中期経営計画の概要と実現に向けた取り組み
当社グループは、2024年度から2026年度の3ヵ年を対象とする第3次中期経営計画を策定し、2024年5月に公表しております。当該計画の概要は、以下のとおりであります。
① 長期ビジョン(2033年度のありたい姿)
資源の開発・安定供給を通じて社会に貢献するとともに、「総合資源会社」としてグループの総合力を発揮し、持続的成長を実現する。
≪2033年度の経営管理目標≫
ROIC(投下資本利益率) 7%以上
当該計画期間では、第1次中期経営計画より掲げてきた長期ビジョン『資源の開発・安定供給を通じて社会に貢献するとともに、「総合資源会社」としてグループの総合力を発揮し、持続的成長を実現する。』を2033年度のありたい姿として明示し、2033年度の経営管理目標をROIC7%以上に設定しております。
ありたい姿とは、当社事業の基軸である資源事業では、資源の安定供給に努めるとともに、長年培った技術力を最大限に活かして、新規資源の確保・開発並びに鉱物資源の価値向上を図っていくこと、さらに地質コンサルティングなど鉱山周辺技術の開発に取り組み、「総合資源会社」としての事業基盤の更なる強化を目指しつつ、機械・環境事業、不動産事業、再生可能エネルギー事業など当社グループの総合力を発揮して、企業の持続的成長を実現するというものです。
その実現に向けた定量目標として、今回新たに定めたものがROIC7%以上の達成であり、これは当社が想定する資本コストであるWACC6%を上回る水準となります。
当該計画期間においては、2033年度のありたい姿からバックキャストすることで策定した成長戦略のもと、具体的な取り組みを実行してまいります。
② 基本方針
・ROIC経営を導入し管理にあたるとともに、全社から各セグメント、各セグメントから各事業所単位への浸透・定着と資本効率の向上を図る
・アルケロス鉱山の開発を着実に進め、操業開始を実現する
・鳥形山を中心とする石灰石供給体制の最適化に取り組む
・新市場開拓(石灰石・ポリテツ)に向けた取り組みを推進する
・権益(Major/Minor)やアプローチ(Green Field/Brown Field)にこだわらず、新規資源の確保と開発に取り組む
③ 各セグメントの戦略
イ.資源事業(鉱石部門)の取り組み
鉱物資源の価値向上に継続して取り組むだけでなく、高品位の石灰石を生産し、かつ生産量は国内最大規模を誇る鳥形山鉱山の強みをさらに活用し、国内石灰石鉱山の生産・販売体制の最適化に取り組み、鳥形山における生産量及び販売量13,500千トン/年の確保、生産効率の向上、さらにはBCPの強化を図ってまいります。
また、太平洋に面し、6万トンクラスの大型船舶への対応が可能な船積施設を有している鳥形山の強みを活かし、石灰石の海外市場開拓にも注力するなど、国内の供給体制はより堅固にしつつ、海外向け販売の拡大と新市場の開拓に柔軟に対応してまいります。
ロ.資源事業(金属部門)の取り組み
引き続きアタカマ鉱山周辺地域の探鉱を進めることで新規鉱量の獲得と収益向上を図るとともに、アルケロス鉱山の開発を着実に進め、当該計画期間の最終年度となる2026年度の操業開始と収益貢献の実現を目指してまいります。
また、今後は従来のGreen Field案件だけでなく、有望な案件にマイナーで参入することで初期段階の探鉱リスクを軽減し、かつ開発までのリードタイムが比較的短いBrown Field案件もターゲットに加え、銅をはじめとする新規鉱物資源の確保と開発に取り組んでまいります。
ハ.機械・環境事業の取り組み
環境部門の主力製品であるポリテツは、新規顧客の獲得に加え、原料の多様化に注力し、安定供給体制の構築を図ってまいります。また、台湾及びベトナムをターゲットにして現地に工場を建設し、東アジア、東南アジアから海外市場の開拓を図ってまいります。
機械部門においては、シンターラメラーフィルタの競争力強化による国内バグフィルタ市場への参入及び輸出拡大、プラズマ脱臭機の販路拡大、1人用BOX型喫煙ブース「COCOPA」の拡販に注力してまいります。
(3) 第3次中期経営計画の進捗について
第3次中期経営計画では長期ビジョンである2033年度ROIC7%以上の達成に向けて、現状と目標とのギャップを解消するための各施策の着実な実行と達成を目標としております。
第3次中期経営計画の2年目にあたる2025年度のROICは6.7%となり、計画に対して3.5%の改善となりました。主な要因は、有利子負債はアルケロス鉱山の開発資金の借入により計画なみであったものの、金属部門における銅価格の上昇や生産コストの減少等及び不動産事業の増収等により、営業利益が大幅な増益となったことによるものであります。
また、2025年度の主な取り組みとしては、鳥形山の輸出対応力の強化のため、貯鉱設備の増強に向けた計画の具体化や台湾でのポリテツの製造・販売を目的とする現地企業との合弁会社の設立、米国のOracle Ridge銅探鉱プロジェクトへの参入、鹿児島県霧島市白水越地区において電源開発株式会社と共同し、地熱発電事業の調査・検討などを推進してまいりました。
アルケロス鉱山の開発では、当初の計画に対して開発費用の増加や操業開始時期の遅れが生じておりますが、2011年の初期探鉱から始まった本プロジェクトは、2026年夏頃の操業開始を見込む最終ステージまで進展しております。
これら将来の収益確保・向上に繋がる取り組みを着実に進めつつ、ROIC経営を意識した資本効率の改善・向上のため、政策保有株式の縮減方針の見直しや自己株式の取得を実施しております。
2026年度は、アルケロス鉱山の操業開始に伴う減価償却費が増加する一方で、期中での操業開始、かつ試操業から本格操業までに一定の時間を要することから、本格操業に伴う収益への貢献は2027年度以降を見込んでおります。
アルケロス鉱山の操業開始の実現を優先的に対処しつつ、第3次中期経営計画の最終年度でもあることから、基本方針及び各セグメントの取り組みを着実に進めるとともに、第3次中期経営計画で掲げているROICなどの経営目標に対する改善・向上に引き続き取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① ガバナンス
当社グループは、「日鉄鉱業グループは、豊かな未来社会づくりに貢献するとともに、社員一人一人が生き生きと誇りを持って働ける企業を目指します」を経営理念としております。この理念のもと、資源の開発と安定供給を通じて社会・経済の持続的発展に貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を図ることをサステナビリティに関する基本的な考え方としております。
当社グループは、気候変動、人的資本を含むサステナビリティ関連事項に関する取り組みを全社横断的に推進するため、取締役社長を委員長とし、社内取締役と執行役員を委員とするサステナビリティ委員会を設置しております。同委員会は、当社グループのサステナビリティに関する方針、目標及び実行計画の策定、目標に対する進捗管理及び評価、対応施策の審議を行っております。
サステナビリティ委員会は、原則として年2回の定例開催及び必要に応じた臨時開催により運営しております。当連結会計年度においては、定例委員会を2回、臨時委員会を1回開催し、サステナビリティ関連方針、CO2排出量削減、人権デューデリジェンス、従業員エンゲージメント等について審議又は報告を行っております。
サステナビリティ委員会での審議事項及び重要な報告事項は、取締役会に報告又は提言しております。取締役会は、サステナビリティ関連事項に関する方針、目標、施策及び進捗状況を把握し、各取締役の専門的知識に基づいた指示・助言を各施策に反映することにより、サステナビリティ関連事項への取り組みを監督しております。

② リスク管理
当社グループは、サステナビリティ委員会を中心として、気候変動、人的資本を含むサステナビリティ関連事項のリスク及び機会を識別、評価及び管理する体制を整備しております。
リスク及び機会の識別にあたっては、関係部門からの報告、各部署における業務遂行上のリスクの洗い出し、経営会議等における重要案件の検討、法規制・市場環境・社会的要請の変化等を踏まえております。
識別したリスク及び機会については、当社グループの経営方針、事業活動、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響度、発生可能性、影響が生じると見込まれる時間軸、既存の対応状況等を総合的に勘案し、重要性を評価しております。
上記の評価を通じて重要性が高いと識別した事項については、サステナビリティ委員会において対応方針、目標及び実行計画並びに関係部門における取り組み状況を審議又は確認し、必要に応じて対応方針及び施策の見直しを行っております。
気候変動については、IEA「NZEシナリオ」を参照した1.5℃シナリオ及びIPCC「RCP8.5シナリオ」を参照した4℃シナリオを用いて、政策・法規制、技術、市場の変化に伴う移行リスク、異常気象や平均気温上昇等に伴う物理的リスク、並びに電化需要及び再生可能エネルギー需要の拡大等による機会を抽出しております。また、抽出したリスク及び機会については、影響度及び時間軸を踏まえて対応策を検討しております。
人的資本に関するリスク及び機会の把握にあたっては、人材の確保・育成・定着、多様性の確保、従業員エンゲージメント及び労働安全衛生等の状況を踏まえております。また、従業員エンゲージメントサーベイの結果等を通じて、組織風土、働きがい、成長機会、心理的安全性等に関する課題の把握にも取り組んでおります。
なお、労働安全衛生、品質保証、BCP、情報セキュリティ、内部統制等の個別領域については、関連する会議体又は組織を通じて、リスクの把握、対応状況の確認及び必要な改善に取り組んでおります。
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された、当社グループにおける重要なサステナビリティ項目に関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
① 気候変動に関する取り組み
イ.戦略
当社グループでは、資源の開発・採掘・加工・安定供給を通じて社会基盤を支える一方、操業過程におけるエネルギー使用及び一部製造工程に伴うCO2排出を伴うことから、気候変動への対応は重要な経営課題の一つであると認識しております。この認識のもと、脱炭素社会の実現へ向けた取り組みを推進し、持続的な事業活動と中長期的な企業価値の向上を目指しております。
気候変動が当社グループの各事業に与える影響については、「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」に記載のシナリオ分析を通じて、移行リスク、物理的リスク及び機会を抽出し、影響度及び時間軸を踏まえて対応策を検討しております。今後も、政策・規制、技術、市場環境等の変化を踏まえ、必要に応じてシナリオ分析の見直しを行い、リスク低減及び機会獲得に向けた取り組みを進めてまいります。
<抽出したリスク及び機会と関連する取り組み>

ロ.指標と目標
当社グループは、気候変動に対する取り組みとして、日本国内におけるグループ会社の直接排出量(Scope1)と他社から購入する電気等のエネルギー使用に伴う間接排出量(Scope2)を合わせた国内CO2総排出量のうち、化石燃料や電気の消費に伴うエネルギー起源のCO2排出量について、2030年度までに日本政府のCO2排出区分別の目標※1である2013年度比38%以上の削減※2を目指してまいります。なお、生石灰製造に伴い発生する非エネルギー起源CO2については、社有林のCO2吸収によるカーボンオフセットの取り組みや、CCUS等の新技術が社会実装可能となった際に導入を推進することで、より一層のCO2排出削減に取り組んでまいります。
また、長期目標として2050年度における当社グループの非エネルギー起源CO2も含めた直接、間接排出量(Scope1+Scope2)について、新技術の導入やカーボンオフセット等の対策も取り入れ、カーボンニュートラルの実現を目指してまいります。
上記の目標に対し、エネルギー使用量の削減、自家消費用再エネ発電設備の新規稼働、非化石証書による購入電力の実質再エネ化などの取り組みなどにより、2025年度の国内エネルギー起源CO2排出量実績は136千t-CO2(2013年度比約27%削減)でありました。
目標達成に向けた取り組みを一層推進するため、当社グループの設備投資を対象に、社内炭素価格を20,000円/t-CO2とするインターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)制度を導入しております。この制度の適用により、自家消費用の再生可能エネルギー発電設備や省エネ設備などの導入を積極的に実行し、CO2排出量削減に取り組んでまいります。
当社国内グループにおけるCO2排出量削減目標と実績

※1 2030年度までの日本政府のCO2排出区分別の目標
地球温暖化対策計画における「地球温暖化対策推進法に基づく政府の総合計画」(2025年2月18日閣議決定)において示されたCO2排出区分ごとの削減率
※2 2013年度比38%以上の削減
※1の排出区分のうち「産業部門」である工場、事業所で消費する燃料や電力由来のCO2の削減率
なお、当社グループの海外を含む連結範囲におけるScope 1・2排出量の実績は下表のとおりであります。上記の2030年度削減目標及び実績は、国内グループ会社におけるエネルギー起源CO2排出量を対象としております。一方、下表のScope1・2排出量は、海外を含む連結範囲を対象としており、集計範囲及び対象排出区分が異なります。
Scope1・2の実績(海外含む連結範囲)(単位:千t-CO2)
※ 2025年度のCO2排出量につきましては、信頼性、正確性、透明性等を確保するため、第三者保証機関による検証作業を行う予定であります。そのため2025年度のCO2排出量は、検証結果により今後変更となる可能性がございます。なお、最新のCO2排出量は
https://www.nittetsukou.co.jp/sustainability/library/esgdata.pdf
② 人的資本・多様性に関する取り組み
人的資本・多様性に関するガバナンス及びリスク管理については、上記「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」に記載の体制に基づき実施しております。また、当社グループの人材戦略に関する基本方針等については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。
イ.戦略
当社グループの持続的成長を実現するためには、人材の多様性の確保を含む人材育成及び社員一人一人が能力を発揮できる社内環境の整備が重要であると認識しております。この認識のもと、当社グループは、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を次のとおり定め、人的資本・多様性に関する取り組みを推進しております。
人材育成に関する方針として、当社グループが求める人材像は、「自ら考え主体的に行動する人材」です。事業環境の変化に向き合い、課題解決に向けて自律的に取り組むことができる人材を、持続的成長に不可欠な基盤として位置付けております。
このような人材の育成を計画的に進めるため、当社グループは、以下の人材育成方針を定めております。
<日鉄鉱業グループ人材育成方針>
日鉄鉱業グループは、総合資源会社として持続的成長を実現していくために、人材育成制度に基づく専門人材の開発と、個々の能力を発揮できる職場環境づくりを通じて、社員一人一人が自ら考え主体的に行動する人材の育成に取り組みます。
1.自主的な学びを通じて、社員一人一人の成長を促します。
2.学びの多様化を実現し、意欲ある社員が学びたいときに学べる環境をつくります。
3.世界で活躍できるグローバルな人材を育成します。
<人材育成に関する主な取り組み>
当社グループは、求める人材像である「自ら考え主体的に行動する人材」の育成に向け、日常業務を通じた経験とそこからの学び、上司・同僚との協働、自己啓発・自己学習、階層別研修等の会社主催研修を有機的に連動させた育成体系を整備しております。
この育成体系のもと、事業の安定運営及び持続的成長に必要な人材を継続的に育成するため、専門人材の育成、グローバル人材の育成及び自律的学びの環境整備に取り組んでおります。
専門人材の育成については、地質・採鉱・選鉱・プラントエンジニアリング等の鉱山開発に係る専門技術の体系的な継承を進めるとともに、新たな事業課題に対応できるプロジェクト型人材の育成プログラムの整備を進めております。
グローバル人材の育成については、海外拠点での経営・操業統括を担う人材を計画的に育成するため、語学研修、海外赴任前教育、異文化理解研修等の支援体制を整備しております。
自律的学びの環境整備については、eラーニング、資格取得支援、通信教育補助、社会人博士課程派遣等の制度を整備し、意欲ある社員が学びたいときに学べる環境づくりを進めております。
<社内環境整備方針>
社内環境整備に関する方針として、当社グループは多様性確保を経営上の重要課題と位置づけ、多様な人材が互いを尊重し、それぞれの能力を最大限に発揮できる組織風土の醸成と、社員一人一人が仕事と生活の調和のとれた働き方ができる環境整備に取り組んでおります。
これまでテレワーク勤務制度の制定や時差出勤制度、フレックスタイム制度などの柔軟な働き方を実現する各種制度の導入、退職した社員の再雇用のためのジョブリターン制度、配偶者の転勤に伴う休職制度等を導入してまいりました。
女性活躍推進については従来から課題意識を持ち、2014年より女性総合職を積極的に採用し始め、総合職社員の採用者数に占める女性比率を30%以上とする目標を掲げ採用活動を継続しているものの、総合職における女性の各種指標は男性に比べて低い状況となっております。今後も入社後のミスマッチがないように、慎重に選考を行いながら、女性社員の採用を強化したうえで、特に女性社員の定着を促進するための育成や長期的に働ける環境の整備推進、管理職への登用にも積極的に取り組んでまいります。
外国人社員については、当社事業のグローバル化に対応するため、必要な人材の採用に取り組んでおります。現時点では、外国人の管理職はいませんが、非管理職社員は増加しており、当社事業に必要な外国人の採用を継続することにより、管理職に占める外国人比率に関する目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。
障がい者雇用については、障がいによるハンディキャップを個性と捉えて多様な才能を開花させ、長期的に就業できる環境を整備し、高い定着率を実現できる組織づくりを推進してまいります。
なお、2026年度は社長・人事担当役員のメッセージを盛り込んだDE&I推進パンフレットを全社員に配布し、経営トップのコミットメントを明示するとともに、職場の心理的安全性に関するセミナーをはじめとする多様性推進プログラムの実施を予定しております。これらの取り組みを通じて、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織風土の醸成を図ってまいります。
ロ.指標と目標
当社グループでは、上記「イ.戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(注) 当社グループでは、グループ各社の事業特性を踏まえた各々の取り組みを実施しており、当社グループとしての目標設定を実施していないことから、上記指標における目標及び実績は、提出会社単体の記載としております。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主要事業拠点に関するリスク
① 鳥形山鉱業所(高知県)
当社グループの売上高の17.1%(当連結会計年度実績)を占める石灰石の約半量は、鳥形山鉱業所で生産されております。
鳥形山鉱業所からの出荷の大部分は海上輸送によっているため、台風の襲来等に伴う荷役作業の滞留により、生産・販売に支障を来すことがあります。また、鳥形山鉱山は、直近10年間の年間平均降水量が約4,000mmと多雨地域に位置することから、集中豪雨による生産設備への浸水等により、生産・販売に支障を来す可能性があります。
また、南海トラフ巨大地震が発生した場合、大きな揺れや津波の影響により、甚大な被害が生じることが予測されており、その被害規模によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
これらのリスクが顕在化することにより、当社グループの経営方針に掲げる「社会のニーズに応じた良質な資源の安定供給を図る」ことが困難となるため、最も重大なリスクの一つであると認識しております。
このようなリスクに対し、当社グループではBCM推進室主導のもと、年間複数回、関係部署を交えた定期的な会議を実施しております。会議では主要設備の見直しを含むリスク対策に係る意見交換及び情報の共有化を図るとともに、適宜BCP(事業継続計画)を改正するなどの対策を講じております。
鳥形山鉱山から海岸選鉱場へ石灰石を輸送する長距離ベルトコンベア(全長23.3㎞)などの主要設備において重大な事故が発生した場合、事故の規模によっては長期間にわたり石灰石の生産・輸送・出荷が停止することから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは設備点検や監視体制の強化などのインシデント対策を図るとともに、難燃性コンベアベルトへの変更といった事故発生による被害軽減対策などを進めております。さらに、石灰石出荷基地である袖ヶ浦物流センター(千葉県)をはじめ、各事業拠点からの応援出荷などの安定供給体制の強化・見直しに努めております。
② 操業及び開発中の銅鉱山(チリ共和国)
当社グループの主要品目の一つである銅精鉱(生産品)は、アタカマ鉱山で生産・販売されております。
アタカマ鉱山は、チリ共和国北部のアタカマ州に位置しておりますが、当該地域は乾燥帯であり、年間平均降水量が10mm未満と極めて少ないことから降雨対策用のインフラ整備が遅れております。そのため、まとまった降雨が発生すると大規模な洪水となりやすく、洪水被害により生産・販売に支障を来す可能性があります。
このようなリスクに対し、アタカマ鉱山では土盛設置による溢水の浸入防止、バリケード設置によるプラント敷地周辺への流入水防止、変電所用地の嵩上げ、事務所等の従業員区域の高台化などの対策を講じております。
2023年8月にチリ共和国において、銅のロイヤルティ課税を引き上げる新鉱業ロイヤルティ法が施行され、2024年1月から適用が開始されておりますが、アタカマ鉱山及び開発中のアルケロス鉱山は主な増税対象から外れていることから、現時点での影響は軽微であります。しかしながら、法改正の内容によっては、チリ共和国での銅鉱山の操業・開発計画等に変更が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは最新情報を把握するよう努めるとともに、本邦の関係省庁と緊密に連携し対応を協議することや連絡体制を構築するなどの対策を講じております。
一般的に、金属鉱山では採掘及び開発対象の奥地化、深部化、鉱石品位の低下、不純物の増加などの問題が生じ、生産コストや初期開発費用が上昇しております。チリ共和国における銅鉱山においても、生産コストや初期開発費用が上昇していることから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、操業体制の最適化、銅精鉱の実収率改善や選鉱プロセスの最適化を進めることで、生産コストを抑制し収益性の向上を目指しております。さらに、戦略的パートナーシップにより、資金調達コストを削減し、リスクを分散するなどの対策を講じております。
(2) 災害等に関するリスク
① 休廃止鉱山の管理に関するリスク
当社グループは、長年の事業活動の結果、全国各地に多数の休廃止鉱山を所有しております。集中豪雨や地震等の自然災害の影響等により、当社グループの休廃止鉱山において鉱害が発生した場合、鉱業法により最終鉱業権者が賠償義務を負うことから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは鉱山保安法に基づく定期的な巡視や点検を実施し、また、堆積場の保全や坑廃水による水質汚濁を防止するため、必要に応じて休廃止鉱山施設の維持保全工事を実施しております。
② 労働災害・事故に関するリスク
当社グループにおいて重篤な労働災害や設備トラブルなどの不測の事態が発生し、生産活動が停止した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは当社保安環境部による当社及び関係会社の事業所や生産設備等の保安巡視に加え、全国各地で保安研修会を開催するなど、全社的な労働安全衛生管理活動の展開により、労働災害・事故の発生防止に努めるなどの対策を講じております。
(3) 銅価・為替・金利水準等の変動に関するリスク
① 銅価の変動に関するリスク
当社グループでは、国内において電気銅を生産しているほか、チリ共和国のアタカマ鉱山において銅精鉱を生産しており、銅の国際市況により業績が大きく変動します。今後の銅価の状況によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
銅価の変動が当社グループの経営成績に与える影響額は、翌連結会計年度において1ポンド当たりの価格が10セント変動(上昇)すると、連結売上高で年間20.8億円、連結営業利益で年間4.5億円の変動(増加)をもたらすと試算しております。
当社金属部門の事業に係る銅価等の価格変動リスクに対しては、商品先渡取引によるリスクヘッジを実施するなどの対策を講じております。
② 為替の変動に関するリスク
当社グループは、電気銅の生産にあたり外貨建の銅鉱石の仕入取引があるほか、連結財務諸表を作成するにあたり海外連結子会社の財務諸表を円換算していることなどから、為替相場の変動により業績が大きく変動します。今後の為替相場の推移によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
為替の変動が当社グループの経営成績に与える影響額は、翌連結会計年度において1米ドル当たりの価格が5円変動(円安方向へ推移)すると、連結売上高で年間38.8億円、連結営業利益で年間1.9億円の変動(増加)をもたらすと試算しております。
当社金属部門の事業に係る為替変動リスクに対しては、通貨オプション取引によるリスクヘッジを実施するなどの対策を講じております。
③ 金利水準等の変動に関するリスク
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債残高は640億円であり、今後の市中金利の動向次第では収益を圧迫する可能性があります。また、チリ共和国でのアルケロス鉱山開発のための資金調達により、開発期間においては有利子負債残高が大幅に増加していることから、金利水準の変動によるリスクは従来以上に大きくなります。
このようなリスクに対し、当社グループでは金利動向を注視し、柔軟に資金調達手段を検討するとともに、長期借入金において、固定金利又は金利スワップ契約の締結により金利変動リスクを回避するなどの対策を講じております。
(4) 経営環境に関するリスク
① 鉄鋼・セメント需要への依存に関するリスク
当社グループの主力生産品である石灰石は、主に国内の鉄鋼メーカーやセメントメーカーに向けて販売しており、今後、公共投資や民間設備投資の減少、自動車などの工業製品の減産、得意先の生産設備におけるトラブル、製鉄所の組織再編や製造方法における技術革新により、主要取引先の鉄鋼・セメント等の生産量が減少した場合や製鉄の原材料が変更された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは随時業界全体や個別の取引先などの動向について情報収集に努めるとともに、国内外において新規顧客の開拓を検討するなどの対策を講じております。
② 資源開発に関するリスク
当社グループが取り組んでいる銅などの非鉄金属の探鉱や鉱山開発並びに地熱資源の調査・開発には、多額の調査費や開発費(坑道掘削、坑井掘削、生産設備建設等)を要します。そのため、鉱物の価格水準や資源量が想定を下回った場合をはじめ、政府及び行政機関からの許認可取得や金融機関からの資金調達などが難航した場合における計画の大幅な見直しにより投資回収が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは定期的に鉱物の価格水準や資源量を確認のうえ適宜計画を見直し、政府及び行政機関と適切な関係を維持し許認可取得手続を円滑に進めるほか、政府系金融機関及び主要な借入先であるメガバンクへの緊密な情報提供を通じてコミュニケーションを強化し、柔軟な資金調達を図るなどの対策を講じております。
③ 事業の国際展開に関するリスク
当社グループは、チリ共和国で銅鉱山を運営しているほか、世界の国・地域においても事業活動を展開しております。現地において、テロや紛争などの政情悪化、感染症の流行、災害やストライキなどの事象が発生し、事業活動に波及した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは事業活動を行っている国・地域の最新情報を把握するよう努めるとともに、本邦の関係省庁と緊密に連携し対応を協議することや緊急連絡体制を構築するなどの対策を講じております。
なお、ウクライナ情勢につきましては、経済制裁、各国規制等の影響や物流の混乱及びエネルギー価格の高騰等に伴い、世界経済が不安定となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 環境規制に関するリスク
今後の関連法令の改正によっては、当社グループにおいて新たな環境対策費用や設備投資等の負担が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、国内外における環境規制の強化やSDGsなどの社会的要請の高まりにより、当社グループの本業である鉱山業の稼行や鉱山開発が制限された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは環境に関わる規制や社会の動向を注視するとともに、国際環境管理規格ISO14001の認証取得、社有林の森林認証取得、鉱山跡地や堆積場の緑化等を行い、国内外の各拠点で環境保全に努めております。
他方、環境規制の強化等は、当社グループの機械・環境事業における主力商品である集じん機や水処理剤の需要拡大に繋がる機会であり、規制強化が見込まれる国・地域や産業において、新規顧客の開拓に注力してまいります。
なお、当社は2022年6月にTCFDの提言への賛同を表明し、気候変動の影響評価及びその情報開示に取り組んでおります。TCFDの提言を踏まえた取り組みにつきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取り組み」に記載のとおりであります。
⑤ 原材料調達に関するリスク
原材料等の調達が長期化することで、設備投資プロジェクトや設備修繕計画に遅延が生じる場合、また、調達価格の高騰や原料供給先の事業縮小・撤退に伴う代替原料調達などにより生産コストが上昇する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、原材料の調達先の多様化や在庫管理の強化、代替原料の研究・開発などの対策を講じております。
なお、中東情勢につきましては、原油の価格高騰及び調達の困難化が長期に及ぶ場合、鉱山重機等に使用する軽油等の燃料費や生産設備稼働のための電力料の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 企業統治に関するリスク
① コンプライアンス・内部統制に関するリスク
役員又は従業員が、事業に関連する法令や規制、様々な利害関係者との関係において、社会的な要請や期待に応えられなかった場合、事業活動の制限や信用の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは業務執行部門から独立した当社内部監査部が中心となり、国内の当社本社・事業所・支店及び関係会社並びに海外の関係会社の内部監査を実施しております。また、継続的に開催している階層別コンプライアンス研修の実施、財務報告に係る内部統制の整備・運用などにより、コンプライアンス・内部統制の強化・拡充に努めております。
② 品質保証・管理に関するリスク
契約不適合や欠陥等のある製商品・サービスを顧客に提供した結果、顧客の生命や身体に危害を与えることやクレーム等が発生することにより、製商品の回収費用をはじめ、顧客に対する補償や訴訟関連費用等が発生した場合、また、当社グループに対する信用が低下した場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループでは契約不適合や欠陥等のある製商品・サービスを顧客に提供することのないよう品質保証・管理に努めております。
当社では、品質保証委員会を定期的に開催し、当社グループにおいて顧客へ提供する製商品・サービスの品質に関するリスクを把握・評価し、当該リスクに対応した取り組みの検討を行っております。
当連結会計年度における具体的な取り組みとして、品質保証委員会を2回開催し、各事業所における品質管理状況の調査報告などを行っております。
③ 情報セキュリティに関するリスク
インターネットを利用する業務などの情報セキュリティには、悪質なメールの受信や不正なアクセス、また、パソコンや電子記憶媒体の盗難等により、重要な企業情報が漏洩、改ざんされることやパソコン等を踏み台にマルウェアを拡散される脅威が存在します。
当社グループは、基幹システムの運用や電子データの管理・伝達において、IT機器やそれらを含む社内外のネットワークを利用して業務を行っているため、前述の脅威によりセキュリティリスクが顕在化する可能性があります。また、テレワーク勤務制度の導入に伴い、マルウェアの感染リスクや端末の紛失・盗難リスク等の情報セキュリティに関するリスクが増大しております。
仮に重大インシデントが発生した場合、当社グループだけでなく、ネットワークやシステム等で通信・接続されるサプライチェーンを含むステークホルダーの業務に支障が生じ、復旧費用の発生や当社グループの信用低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、情報セキュリティ方針のもと、当社情報システム部が中心となり、当社グループで利用しているソフトウェア等の更新管理やマルウェア対策ソフトウェアの導入、ネットワーク内の多層防御の構築、社外で使用するパソコンに保存するデータや通信データの暗号化設定に加え、情報セキュリティリテラシーを高め、標的型サイバー攻撃のリスク低減を目的に、eラーニング等によるセキュリティアウェアネストレーニングを実施しております。また、内部監査において監査対象部署に対し、情報セキュリティの重要性やIT管理に関する規程の周知徹底を行うなどの対策を講じております。
(6) 感染症に関するリスク
未知なる病原体による感染症の拡大は、国内外の政治経済や企業活動に多大な影響を与える事象であり、感染の広がり方や収束時期を予想することは困難であります。
当社グループは、全国各地に鉱山をはじめとする事業拠点や関係会社を有しており、海外に営業拠点を置くほか、チリ共和国では銅鉱山を操業・開発しております。これら国内外の各拠点で集団感染が発生した場合、営業活動や操業の中断による生産・販売、製商品サービスの提供に支障を来す可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行時のように、緊急事態宣言の発出や各国政府による都市封鎖や国境封鎖、外出禁止令等の措置がなされた場合には、各拠点の活動そのものが制限され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対し、当社グループではテレワーク勤務や時差出勤等の柔軟な勤務体制の導入といった各拠点において最良と思われる防疫環境を整備しながら、国・地域の感染状況や防疫措置等の最新情報を把握するなど、事業活動への影響を最小限にとどめる対策に努めております。
(7) 訴訟に関するリスク
当社の連結子会社である日鉄鉱コンサルタント㈱(以下、「コンサル社」という。)は、2023年6月、北海道磯谷郡蘭越町において発生した蒸気噴出事故(以下、「本件事故」という。)に関し、工事発注者である三井石油開発㈱(現・三井エネルギー資源開発㈱、以下、「MOECO社」という。)に対し、本件事故発生までコンサル社が実施した工事の出来高、本件事故発生に伴いコンサル社が実施した現場作業費及びコンサル社が被った損害等21億2千9百万円の支払いを求めて、2024年9月に訴訟を提起いたしました。一方、MOECO社においても本件事故発生はコンサル社の安全施工義務違反に起因するものとして、コンサル社に対し、本件事故発生に伴いMOECO社が被ったとされる損害等34億6千4百万円の支払いを求める訴訟を2024年10月に提起し、2024年11月に訴状を受領しました。
両訴訟は、東京地方裁判所において併合審理されることとなり、現在も係争中であります。
これらの訴訟等において、当社グループに不利な結果が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、食料品をはじめとする物価上昇の継続や、米国の通商政策を巡る不確実性の高まり、中東情勢の緊迫化に伴う景気の下振れ懸念が拡大したものの、賃金水準の上昇等を背景とした雇用・所得環境の改善に加え、株高等による資産効果や堅調な民間設備投資により下支えられ、景気は力強さを欠きながらも、緩やかな回復基調をたどりました。
このような経済情勢のもと、当社グループにおきましては、資源事業及び不動産事業等における増収により、売上高は2,097億1千7百万円(前連結会計年度比6.6%増)と前期に比べ増加いたしました。
損益につきましては、資源事業及び不動産事業等における増益により、営業利益は188億2千6百万円(前連結会計年度比83.5%増)、経常利益は202億2千1百万円(前連結会計年度比76.8%増)と前期に比べ大幅に増加いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用が増加しましたものの、経常利益の増加により、140億3千3百万円(前連結会計年度比55.6%増)と前期に比べ大幅に増加いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[資源事業]
(鉱石部門)
主力生産品である石灰石の販売価格上昇及び一部子会社の増収により、売上高は669億7百万円と前連結会計年度に比べ35億4千1百万円(5.6%)増加し、営業利益は80億7百万円と前連結会計年度に比べ7億5千1百万円(10.4%)増加いたしました。
(金属部門)
アタカマ鉱山の増収及び電気銅の国内販売価格の上昇により、売上高は1,202億8千9百万円と前連結会計年度に比べ62億9千5百万円(5.5%)増加いたしました。営業利益は、アタカマ鉱山の増収及び生産コスト等の減少により、67億4千4百万円と前連結会計年度に比べ57億9千9百万円(613.3%)増加いたしました。
[機械・環境事業]
機械部門の販売は前期なみに推移し、環境部門の販売が好調でありましたことから、売上高は159億5百万円と前連結会計年度に比べ11億3千7百万円(7.7%)増加いたしました。営業利益は、環境部門の主力商品である水処理剤の原材料価格の高騰等の影響があり、20億8千1百万円と前連結会計年度に比べ1千5百万円(0.7%)の増加にとどまりました。
[不動産事業]
販売用不動産の売却により、売上高は47億4千6百万円と前連結会計年度に比べ18億7千1百万円(65.1%)増加し、営業利益は33億1千8百万円と前連結会計年度に比べ16億4千万円(97.7%)増加いたしました。
[再生可能エネルギー事業]
太陽光発電部門は前期なみに推移しましたものの、地熱部門における増収により、売上高は18億6千8百万円と前連結会計年度に比べ1億4百万円(6.0%)増加いたしました。営業利益は、地熱部門の増収及び修繕費の減少により、6億4千5百万円と前連結会計年度に比べ1億6千8百万円(35.3%)増加いたしました。
当連結会計年度末における資産の部の合計は、前連結会計年度末に比べ702億3千2百万円(29.2%)増加し、3,104億1千2百万円となりました。
流動資産につきましては、売掛金及び仕掛品の増加等により、前連結会計年度末に比べ289億円(28.3%)増加し、1,308億7千1百万円となりました。
固定資産につきましては、設備投資による有形固定資産及び保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ413億3千1百万円(29.9%)増加し、1,795億4千万円となりました。
[負債の部]
当連結会計年度末における負債の部の合計は、前連結会計年度末に比べ545億8千2百万円(61.9%)増加し、1,427億8千9百万円となりました。
流動負債につきましては、買掛金及び短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ155億5千6百万円(28.0%)増加し、711億6千3百万円となりました。
固定負債につきましては、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ390億2千5百万円(119.7%)増加し、716億2千6百万円となりました。
[純資産の部]
当連結会計年度末における純資産の部の合計は、為替換算調整勘定が減少しましたものの、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ156億5千万円(10.3%)増加し、1,676億2千2百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ54億4千6百万円(14.4%)増加し、432億3千6百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益226億8千8百万円、減価償却費74億5千3百万円の計上等により、75億8千万円の収入(前連結会計年度に比べ101億3千3百万円(57.2%)の収入減少)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出等により、328億3千4百万円の支出(前連結会計年度に比べ205億7千5百万円(167.8%)の支出増加)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度においては、配当金の支払による支出がありましたものの、長期借入れによる収入等により、317億2千6百万円の収入(前連結会計年度に比べ382億3百万円の収入増加)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額は、生産品銘柄(委託分を含む)に限定し、役務工事等の金額は除いております。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額以外の生産は、見込生産を行っております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、その割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当連結会計年度の経営成績等の分析
当連結会計年度の経営成績等の分析については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 第3次中期経営計画の概要と実現に向けた取り組み」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
ロ.当連結会計年度の経営成績等に重要な影響を与える要因
当連結会計年度の経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、生産事業所等における操業費、仕入商品の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、法人税等の支払いによるものであります。また、設備資金需要の主なものは、資源事業を中心とした老朽設備の更新工事に加え、アルケロス鉱山開発工事の設備投資等を目的としたものであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金及び借入金により調達しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は640億円であります。
今後、アルケロス鉱山開発工事等の設備投資の実施により、設備資金の需要が増加してまいりますが、投資内容を精査し、投資額を抑制することに加え、運転資金の必要額を見直すことで、借入額の圧縮に努めてまいります。
また、手許資金については、各部署からの報告に基づき当社経理部が随時、資金繰計画を作成・更新しております。そのうえで、複数の金融機関における短期借入金(当座貸越)の信用枠の設定やコミットメントライン契約の維持により借入余力を確保するとともに、公募普通社債の発行登録を維持し、臨機応変な資金調達に対応できる準備を行っております。それらの施策により大型投資を着実に実行しつつ、万が一営業キャッシュ・フローが悪化した場合にも対応できる十分な流動性を確保しております。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
2026年3月31日現在
① 政府系金融機関からの借入については、提出会社が債務保証を行っており、債務保証契約の締結日は2024年4月25日です。
② アルケロス鉱山㈱は、Avenida Juan Cisternas 2497, Local 101-B, La Serena, Región de Coquimbo,Chileに所在しており、代表者は津嘉山 良治です。
③ 政府系金融機関の期末債務残高は2025年12月31日現在の金額を記載しております。
④ 借入契約については、下記のとおり財務制限条項が付されております。
イ.借入期間中、各年度の決算期の末日及び半期の末日における提出会社単体の貸借対照表における株主資本合計の金額を778億円以上に維持すること。
ロ.借入期間中、各年度の決算期における提出会社単体の損益計算書に示される経常損益が、2024年3月期以降の決算期につき2期連続して損失とならないようにすること。
ハ.借入期間中、担保を提供する場合は貸主の了承を事前に得ること。
当社は、2026年1月30日開催の取締役会において、当社の連結子会社である四浦珪石株式会社の仁宅地区けい石事業を会社分割により承継する決議を行い、同日に四浦珪石株式会社と吸収分割に関する契約を締結いたしました。
会社分割の概要は以下のとおりであります。
① 会社分割の目的
当社が四浦珪石株式会社の仁宅地区けい石事業を承継し、四浦珪石株式会社は同社の本山地区の終山管理を担う会社とすることにより、経営の効率化を図ることといたしました。
② 会社分割の方法
当社を承継会社とし、四浦珪石株式会社を分割会社とする吸収分割です。
③ 会社分割の期日
2026年4月1日
④ 分割に際して発行する株式及び割当
承継会社である当社は、分割会社である四浦珪石株式会社の発行済株式の全株式を所有しているため、株式の発行及び割当は行いません。
⑤ 割当株式数の算定根拠
該当する事項はございません。
⑥ 承継する仁宅地区けい石事業の経営成績
⑦ 承継する資産・負債の状況(2026年3月31日現在)
⑧ 四浦珪石株式会社の概要
代 表 者:代表取締役社長 鵜池 貴司
住 所:大分県津久見市小園町7番6号
資 本 金:10百万円
事業内容:けい石の採掘・販売
業 績 等:2026年3月期
売上高 :371百万円 資 産:316百万円
経常利益 :215百万円 負 債: 45百万円
当期純利益: 78百万円 純資産:270百万円
当社グループは、開発テーマを選別することにより、これまで以上に独自技術の優位な分野に資源を集中して研究・商品開発を行い、市場ニーズに合致した商品の早期市場投入を推進してまいりました。また、新テーマの発掘及び戦略的特許管理も重点課題と位置付けており、当社研究開発部を中心に資源事業関連商品、新規素材商品の開発、各種機械装置及び水処理剤の改良や開発に加え、SDGs関係としてカーボンニュートラル技術の研究を行っております。
これらの業務に携わる人員は66名であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
(1) 資源事業
新たな金属鉱山開発プロジェクトにおける鉱石評価や選鉱試験を実施しているほか、選鉱プラントのプロセス設計や既存プラントにおける操業改善などもテーマとして取り組んでおります。直近では、アルケロス鉱山の立ち上げに向けた浮選関連の現場サポートや、プキオスプロジェクトにおけるリーチング技術検討を行っており、新たな金属鉱山の立ち上げに向けて貢献してまいります。
また、資源事業に関する先進研究にも取り組んでおり、カーボンニュートラル技術として、ストラティファイド光触媒による硫化水素からの水素回収や、鉄鉱スラグなどの石灰質材料への炭酸ガスの固定化についてのプロセス開発を行っております。新素材技術としては、粉体への薄膜被膜による機能性材料の開発を進めております。これら検討を通して、カーボンニュートラルも見据えつつ、新規事業の創成を目指します。
当該研究開発の費用は、
(2) 機械・環境事業
機械部門の主力であります樹脂焼結フィルタ「シンターラメラーフィルタ」に関して、高性能なフィルターエレメントの開発や現行装置の更なる高性能化に取り組んでおります。
環境部門の主力であります無機系水処理剤「ポリテツ」の技術開発として、原料の多様化、製法の効率化を目的としたプロセス開発や、競合他社製品と性能面で差別化するための高機能化の研究を推進しております。
このほか、デジタル技術についても開発を進めており、鉱山事業における鉱石評価や操業最適化に向けて、スペクトル解析や機械学習の活用を検討しております。デジタル技術の適用を通じて、効率的かつ高度な鉱山操業へと貢献してまいります。
当該研究開発の費用は、
(3) 管理部門
管理部門では、上記研究開発業務の運営サポート、管理、方針の総括及び産業財産権の管理等を行っております。
管理部門の費用は、
(注) 「資源事業」につきましては、研究開発の内容及び費用を「鉱石部門」と「金属部門」の各セグメントに区分することができないため、事業全体として記載しております。