第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「人と社会の役に立つ」という経営の基本理念のもと、2024年5月に策定した「経営戦略2024」を確実に遂行することを経営の基本方針としております。

(経営戦略2024〉

  PBR=1倍以上、ROE8%以上を意識し、今後3年間の経営戦略を以下とする。

     ①2027年3月期までに当期純利益50億円以上を継続的に計上できる収益構造をM&Aにより構築する

     ②2024年3月期末のネット現預金(216億円)は、今後3年間でM&A投資もしくは株主還元

       (自己株式取得・配当)に積極的に充当し、一株当たりの株式価値の最大化を図る

                                       ※リデル終掘に係る資産除去債務等に必要な資金約52億円を控除した金額

 

 

(2) 対処すべき課題

 当社グループは前中期経営計画期間(2024年3月期までの5年間)において新規事業への積極的なM&A投資により収益基盤を拡充し、既に終了した石炭事業に代わる安定的な事業ポートフォリオを構築してまいりました。

 

 当企業集団における各事業セグメントの課題は、次のとおりであります。

 

(生活消費財)

 日本ストロー株式会社やMOS株式会社などにおいて、受注拡大が見込まれており、生産能力拡大に必要なスペース、設備及び労働力を確保することが課題と認識しております。

 

(産業用製品)

 海外販売を行っている株式会社ジャパン・チェーン・ホールディングスやSaunders & Associates, LLCなどにおいて、米国の追加関税等による影響が不透明な状況であり、米国や中国を中心に各国の通商政策を注視してまいります。なお、当社グループの多くの会社が日本国内で製造及び販売を行っているため、連結グループ全体では関税による影響は限定的であります。

 

(金融その他)

 株式会社エム・アール・エフにおいて、金利動向に応じて、適正な利ざやを維持していくことが課題と認識しております。

 

当社グループは、「人と社会の役に立つ」を経営の基本理念として、より豊かな活気ある社会づくりに向けての事業展開を行い、常に社会から必要とされる企業を目指して邁進していく所存であります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

TCFD (Task Force on Climate‐related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)は、G20の要請を受け、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討することを目的に、2015年12月、金融安定理事会(FSB)により設立されました。TCFDは2017年6月に最終報告書(TCFD提言)を公表し、その中で、企業等に対し、気候変動関連リスク、及び機会に関する項目について開示することを推奨しています。

当社では、東京証券取引所の定めたコーポレートガバナンスコードの趣旨に則り、TCFD提言に沿った開示を進めてまいります。

 

(1) TCFD提言における推奨開示項目

  TCFD提言は、企業の開示において、以下の観点からの開示を推奨しております。

 

ガバナンス

戦略

リスク管理

指標および目標

気候関連のリスクと機会に関する組織のガバナンスを開示する。

気候関連のリスク及び機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への実際の及び潜在的な影響を、そのような情報が重要な場合は、開示する。

気候関連リスクについて、組織がどのように識別・評価・管理しているかについて開示する。

気候関連のリスク及び機会を評価・管理する際に使用する指標と目標を、そのような情報が重要な場合は、開示する

推奨される開示内容

a) 気候関連のリスク及び機会についての、取締役会による監視体制を説明する。

a)組織が識別した、短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会を説明する。

a)組織が気候関連リスクを識別・評価するプロセスを説明する。

a)組織が、自らの戦略とリスク管理プロセスに即して、気候関連のリスク及び機会を評価する際に指標を開示する。

b)気候関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割を説明する。

b)気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響を説明する。

b)組織が気候関連リスクを管理するプロセスを説明する。

b)Scope1Scope2及び当てはまる場合はScope3の温室効果ガス(GHG)排出量と、その関連するリスクについて開示する。

 

c) 2℃シナリオを含む、さまざまな気候関連シナリオに基づく検討を踏まえて、組織の戦略のレジリエンスについて説明する。

c)組織が気候関連のリスクを識別・評価・管理するプロセスが組織の総合的リスク管理にどのように統合されているかについて説明する。

c) 組織が気候関連リスク及び機会を管理するために用いる目標、及び目標に対する実績について説明する。

 

 

 

(2) TCFD開示推奨項目における当社の対応(下記の枠で囲んだ部分)

① ガバナンス(気候関連のリスクと機会に関する組織のガバナンスを開示する)

 当社では、リスク管理規程に従ってリスク管理委員会を年に2回(必要に応じて随時)開催しております。リスク管理委員会は、社長を委員長として取締役(社外取締役、監査等委員である取締役はオブザーバー参加。)、執行役員で構成され、本委員会における議論の内容については取締役会に報告されます。当社はリスク管理委員会において、TCFD提言に基づく気候変動に伴うリスクの抽出、対応方法などについて議論を行っております。

 

 

② 戦略(気候関連のリスク及び機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への実際の及び潜在的な影響を、そのような情報が重要な場合は、開示する。)

 当社では、戦略を次の4つのステップに区分して対応して参ります。

ステップ1:気候変動によって当社グループが直面するリスクや機会の特定

気候変動による影響を「移行リスク」と「物理リスク」に区分して特定を行います。「移行リスク」とは低炭素社会に移行するために生じる政策規制や市場変化などによる影響のことであり、炭素税の導入や石炭需要の逓減などがこれに該当致します。「物理リスク」とは気候変動による災害や海面上昇等の影響のことです。機会とは低炭素社会移行に伴って新たな収益機会が生まれることであり、例えば温室効果ガスの排出低減に役立つ製品を生産・販売することが新たな収益機会に繋がるというものです。

 当社では、2018年11月9日に開示した中期経営計画において、長期的な方針として、祖業である石炭生産事業から完全撤退するとし、M&Aを中心とした事業ポートフォリオの組替を行い、石炭関連事業に依存しない収益基盤の確立を図ってまいりました。そして、2024年3月期で石炭生産分野、石炭販売分野の石炭関連事業は全て終了し、完全撤退いたしました。

 当社はこの戦略によって中長期に亘って気候関連リスク(特に石炭需要が逓減することで生じる移行リスク)が当社グループに与える影響を低減させることができたと考えております。

 

 

ステップ2:シナリオ分析

TCFD提言では、地球全体の気温が何℃上昇する想定で影響を分析するかの「シナリオ」を複数選択し、地球温暖化や気候変動そのものの影響や、気候変動に関する長期的な政策動向による事業環境の変化等を予想することで、事業や経営状況にどのような影響を及ぼし得るかを検討することが推奨されています。

 当社グループは複数の異なる事業を保有し、国内外に10か所以上を有する製造拠点は何れも地域分散が図られております。従って気温上昇により生じる局地的な災害(水災等)に対しては現段階では十分なリスク分散が図られており、災害(水災等)がグループ全体に与える影響は限定的と考えております。尚、今後当社グループ全体に重要な影響を与えると判断される事業及び製造拠点の追加が生じた場合は速やかにシナリオの特定を行い、開示を行います。

 

 

ステップ3:事業インパクトの評価

ステップ1で特定したリスクや機会の項目がステップ2で想定したシナリオごとの異なる想定によってどのような影響を受けるのかを定量評価するものです。

 

ステップ4:対応策の策定

ステップ3にて定量評価した影響への対応策の策定を行います。

 

③ リスク管理(気候関連リスクについて、組織がどのように識別・評価・管理しているかについて開示する。)

  気候関連リスクについてはリスク管理委員会において管理して参ります。リスク管理委員会では、重要リスクへの対応方針審議と部門等への指示、並びに対応の進捗状況の確認など当社グループにおけるリスク管理の推進を行っております。

 

 

④ 指標及び目標 (気候関連のリスク及び機会を評価・管理する際に使用する指標と目標を、そのような情報が重要な場合は、開示する)

 TCFD提言では、排出量については以下の区分にて温室効果ガスの排出量を算定し、開示することが推奨されています。

Scope1: 燃料の燃焼

Scope2: 電気の使用

Scope3: Scope1・2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出。要するにサプライチェーンでの排出量)

 今後リスク管理委員会において気候関連リスクを検討した結果、重要なリスクと判断した場合には算出し開示致します。

 

 

 

(3) 人的資本の「戦略」並びに「指標及び目標」に関しましては次のとおりであります。

① 戦略

 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

 当社グループは経営戦略2024を策定の上、引き続きM&Aにより新規事業へ投資し、さらなるグループ全体収益の拡大を目指しておりますが、同戦略を確実に遂行するには、これまでと同様に以下の取組が必要であると考えております。


 

 上記の取組の確実な実行が、当社グループ全体の持続的な発展・成長につながると考えております。加えて、当社が発展・成長することは従業員が活躍するフィールドが更に広がることと同じであると捉えております。つまり、性別・年齢に囚われない多様な人材が活躍する環境と企業風土、従業員の心身両面の充実、および人生100年時代の自律的キャリアの形成と自己実現につながり、結果として従業員満足度が向上し、働きがいのある会社になると考えております。そのような働きがいのある会社になることで、中途採用市場においても当社の魅力度が増し、優秀なプロフェッショナル人材の採用にもつながっていくという好循環を実現できると考えており、今後もこのような取組みを着実に続けてまいります。

 

※ 尚、プロフェッショナル人材が活躍するために、当社は以下の人事戦略の方針を定め、実行してまいります。

● プロフェッショナル人材のポテンシャル、及び即戦力の厳選採用

● 採用後の自律的なキャリア形成支援(例:自己開発支援、副業・兼業 等)

● 成果を踏まえた公正な評価と処遇

● 多様なライフイベントを支える柔軟な働き方(例:フレックスタイム、在宅勤務 等)

 

② 指標及び目標

 ①で記載した方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

  当社としましては、①に記載のとおり、(ⅰ)M&Aプロフェッショナル集団(ⅱ)会計・税務・法務・人事・内部統制・システム各分野のプロフェッショナル(ⅲ)経営全般のプロフェッショナルといった人材を当社の業容や戦略の方向性に合わせて、適切に確保することが肝要と考えております。そのためには、年齢や性別等を問わず、実力本位で優秀な人材の獲得、育成に努めてまいります。

 直近1年間については、M&A、会計、システム、及び電子技術のプロフェッショナル各1名、計4名を採用しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 (1) 投資等のリスク

当社は、M&Aを実施し、収益基盤の安定化・多様化に取り組んでおります。しかしながら、新規案件への投資が遅れたり、買収した会社の業績が悪化するなどして、計画していた利益水準を確保できない場合、取得した資産やのれんの減損損失発生などにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (2) 人材の確保・育成に関するリスク

当社においては、M&A、会計、税務、法務、人事、内部統制、システムの各分野及び経営全般のプロフェッショナルといった人材を適切に確保することが肝要と考えております。加えて、グループ各社においては、専門知識、技術及び資格等を有する人材の確保・育成も重要な課題と認識しております。これらの人材の安定確保・育成が計画通り進まない場合、生産性や競争力の低下につながり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3) 情報漏洩リスク

当社グループはM&Aに関する機密情報や顧客情報、専門性の高い技術情報等を保有しております。これらの重要情報が人的ミスや外部からの攻撃等により漏洩すると、新規買収案件の失敗や、取引先・お客様からの信頼低下につながり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の業績につきましては、産業用製品セグメントの株式会社ジャパン・チェーン・ホールディングスや金融その他セグメントの株式会社エム・アール・エフの子会社化などによる増収があったものの、2024年3月期をもってエネルギーセグメントである石炭生産及び販売事業が終了したことなどにより、売上高は60,574百万円と前年同期比16,897百万円(21.8%)の減収となりました。

 営業利益は、上記と同様の理由により、7,615百万円と前年同期比17,554百万円(69.7%)の減益となりました。

 経常利益は、営業外収益に受取利息376百万円を計上したことなどにより、8,448百万円と前年同期比17,556百万円(67.5%)の減益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、豪州リデル炭鉱の権益譲渡完了に伴い特別利益に権益譲渡益2,720百万円を計上し、税金費用3,125百万円を計上したことなどにより、8,645百万円と前年同期比6,472百万円(42.8%)の減益となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、売上高については、セグメント間取引消去前の金額によっております。

また、当連結会計年度より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

(生活消費財)
 売上高は、MOS株式会社及び株式会社明光商会の売上の増加などにより、26,789百万円と前年同期比696百万円(2.7%)の増収となり、セグメント利益は2,373百万円と前年同期比845百万円(55.3%)の増益となりました。

 

(産業用製品)
 売上高は、株式会社ジャパン・チェーン・ホールディングスの子会社化などにより、29,640百万円と前年同期比14,564百万円(96.6%)の増収となり、セグメント利益は3,829百万円と前年同期比2,573百万円(204.9%)の増益となりました。

 

(金融その他)
 売上高は、株式会社エム・アール・エフの子会社化などにより、4,206百万円と前年同期比2,555百万円(154.7%)の増収となり、セグメント利益は1,412百万円と前年同期比1,237百万円(710.5%)の増益となりました。

 

(エネルギー)
 2024年3月期をもって石炭生産及び販売事業が終了したことに伴い、当連結会計年度において売上高及びセグメント利益は発生しておりません。

 

当社グループの財政状態は、次のとおりであります。

 

(資産)

 資産合計は117,627百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,886百万円(17.9%)の増加となりました。主な要因は、営業貸付金の増加などによる流動資産の増加8,400百万円(13.4%)、並びに連結子会社取得に伴うのれん及び投資有価証券の増加などによる固定資産の増加9,485百万円(25.7%)によるものであります。

 

(負債)

 負債合計は52,146百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,429百万円(46.0%)の増加となりました。主な要因は、短期借入金の増加などによる流動負債の増加22,175百万円(102.4%)によるものであります。

 

(純資産)

 純資産合計は65,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,457百万円(2.3%)の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによる株主資本の増加1,736百万円(2.9%)、並びに為替換算調整勘定の増加などによるその他の包括利益累計額の増加152百万円(4.9%)によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,973百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,010百万円(65.5%)減少しました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払4,176百万円、営業貸付金の増加2,328百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益11,837百万円などにより4,574百万円の収入となりました。この結果、前年同期比では16,714百万円の減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の減少8,633百万円、投資有価証券の売却による収入2,506百万円がありましたが、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出10,065百万円、投資有価証券の取得による支出9,125百万円、権益譲渡による支出2,203百万円などにより11,917百万円の支出となりました。この結果、前年同期比では225百万円の減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出3,254百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出3,128百万円、長期借入金の返済1,399百万円、配当金の支払1,305百万円などにより10,206百万円の支出となりました。この結果、前年同期比では12,541百万円の増加となりました。

 

以上の活動によるキャッシュ・フローに、現金及び現金同等物に係る換算差額797百万円を加算した結果、現金及び現金同等物の期末残高は8,973百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

生活消費財

12,778

△4.9

産業用製品

15,117

74.4

エネルギー

△100.0

合計

27,895

△18.8

 

(注)金額は、製造原価によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高(百万円)

前年同期比
(%)

生活消費財

16,935

0.7

709

△7.9

産業用製品

21,546

81.9

9,323

57.4

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

生活消費財

26,769

2.9

産業用製品

29,640

96.6

金融その他

4,165

160.4

エネルギー

△100.0

合計

60,574

△21.8

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本製鉄㈱

17,960

23.2

 

 

3 当連結会計年度は、販売実績及び総販売実績に対する割合が100分の10以上となる相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 当連結会計年度の経営成績についての分析

当連結会計年度の経営成績は、2024年3月期をもって石炭生産及び販売事業が終了したことに伴い、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比で減収減益となりました。一方で、2024年5月に公表した「経営戦略2024」につきましては早期の達成を見込んでおります。

 

<経営戦略2024の進捗>

 

経営戦略2024

進捗

    

2027年3月期までに当期純利益50億円以上を継続的に計上できる収益構造をM&Aにより構築する

2025年3月期に続き、2026年3月期の当期純利益50億円超を見込む

    

2024年3月期末のネット現預金(216億円)は、今後3年間でM&A投資もしくは株主還元(自己株式取得・配当)に積極的に充当し、一株当たりの株式価値の最大化を図る

2025年3月期は総額150億円をM&A投資と株主還元へ充当。加えて、2024年8月からはMM Investments㈱にて投資事業を開始(2025年3月末 既投資額:230億円)

 

 

b. 当連結会計年度の財政状態についての分析

当連結会計年度末の現金及び預金(長期預金含む)から借入金(金融事業の借入金26,356百万円を除く)の金額を控除したネット現預金は3,582百万円と、前年同期比23,215百万円の減少となりましたが、引き続き実質無借金を維持しております。加えて、自己資本比率も55.5%と高水準であることから、経営者として財務の健全性に問題はないと認識しております。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前述の「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度の経常利益に支払利息、減価償却費及びのれん償却額を足し戻したEBITDAは11,126百万円と確実にキャッシュを創出しており、現時点で資金流動性に対する懸念はないと認識しております。なお、銀行団と借入極度額を5,000百万円とするコミットメントライン契約等を締結しており、不測の事態にも対応できる態勢となっております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

なお、当社連結子会社であるMITSUI MATSUSHIMA AUSTRALIA PTY.LTD.は、2024年11月28日に豪州リデル炭鉱の権益を譲渡いたしました。当該譲渡により、従来まで重要であった石炭生産及び販売に関する契約(豪州NSW州との鉱区権リース契約、Glencore社とのJV契約、及びLiddell社との販売契約)は終了しております。

 

6 【研究開発活動】

記載すべき重要な研究開発活動はありません。