文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、昭和30年の創業以来、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売を中心事業とする企業として、埋蔵量の確保と生産の拡大を図ることを通じて我が国のエネルギーの供給に貢献することを使命に、石油・天然ガスの発見を重ねながら現在の経営基盤を確立してまいりました。
供給規模の拡大に伴い、安定供給に対する当社グループの社会的責任は益々増加するとともに、今後の事業展開においては、埋蔵量の拡大のみならず、天然ガスの輸送システムの拡充とその活用等、新たなビジネスモデルの構築が極めて重要となることから、当社は、経営環境の変化に対応しながら市場競争力を持った企業として発展することを目指し、次のとおり当社企業グループの経営理念を掲げております。
「私たちは、エネルギーの安定供給を通じた社会貢献を使命とするとともに、持続可能な開発目標の実現に向けた社会的課題の解決に取り組みます。」
・国内外において、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売に取り組みます。
・当社国内インフラ基盤を活用したガスサプライチェーンを、電力供給を加えてさらに強化します。
・当社の技術と知見を活かした新技術開発とその事業化を通じて、特に、エネルギーや気候変動に係る持続可能な社会への課題解決に貢献します。
・すべてのステークホルダーとの信頼を最優先とし、企業としての持続的な発展と企業価値の最大化を図ります。
(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
当社は、2015年5月に、「E&P(探鉱・開発・生産)事業を軸とする総合エネルギー企業への転換」を目指す長期経営ビジョンと、その実現のために2015年度から5年間を対象とした中期事業計画(以下「前中計」)を策定し、カナダ・オイルサンドプロジェクト拡張開発事業や、相馬港(福島県相馬郡新地町)における相馬LNG基地の建設など、大型投資による事業基盤の強化に加え、相馬港での天然ガス火力発電事業への参画や次世代資源開発に向けた政府の実証試験への貢献など、当社従来事業と親和性の高い周辺領域への事業の積極的な拡大に取り組んできました。
しかしながら、前中計の策定後、原油・天然ガス価格の下落と低迷にともなうE&P事業の収益悪化や、Pacific Northwest LNGプロジェクト(PNW事業)の取りやめなど、当社事業状況の変化を受け、中期目標の見直しが必要な状況となりました。また、気候変動対策に関する国際的な合意と脱炭素社会に向けたエネルギー情勢の変化、並びに、ESG(環境、社会、企業統治)への企業の取組みに対するステークホルダーの関心の高まりなどを受け、エネルギーの安定供給を使命とする当社として、持続可能な社会への貢献を含む長期的な視野で、経営ビジョンの再設定が必要であると判断し、本年5月、新たに「長期ビジョン2030・中期事業計画2018-2022」を策定しました。その要旨は以下のとおりです。
[長期ビジョン2030]
1) 2030年に目指す姿(ビジョン)
「E&Pとその供給事業基盤を活かした総合エネルギー企業への成長」
2) 長期基本方針
・石油・天然ガスは、中長期的に世界の一次エネルギーの中心的な役割を担うとの認識のもと、市場や顧客からのニーズの変化に対応しながら、エネルギーの安定供給に引き続き取り組みます。
・国連加盟国が達成を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」において、特に、低炭素化・脱炭素化に対する地球規模の課題解決に対して、当社として積極的な役割を果たすため、当社事業におけるCO2排出削減に努めるとともに、当社の知見を活かしたCO2排出量オフセット技術の実用化や再生可能エネルギーなど、環境配慮型の非E&P分野における新規事業の創出・拡大を目指します。
3) 長期目標
・E&P事業における新規案件の発掘や推進等により、RRR>1(注)を目指します。
(注)RRR: Reserve Replacement Ratio =(一定期間中の)「埋蔵量の増加分」÷「生産量」
・CO2排出量オフセットへの貢献が期待されるCCS(二酸化炭素回収・貯留)技術の実用化に向け、当社が培ってきたE&P地下技術を活用し、先導的な役割を果たします。
・有利子負債/EBITDA<2を目安とした財務規律のもとで新規投資原資を確保し、その2分の1程度を非E&P事業に配分することで、E&P事業と非E&P事業の収益貢献割合が6:4程度となるよう、事業構造を変革します。
[中期事業計画2018-2022]
1) 中期基本方針
・2030年に目指す姿を実現するために、油価60米ドル/バレルの前提のもとで、2022年度に自己資本利益率(ROE)≧5%の水準となることを目標に、収益改善を目指していきます。
・前半の2018~2019年度は、事業ポートフォリオの最適化と財務健全化を最優先課題として取り組んでいきます。
・後半の2020年度以降は、前半で得られる新規投資原資を活用し、持続的成長に向けたE&P事業における新規投資案件の具体化や、非E&P事業での新規事業創出に向けた取組みを本格化させていきます。
2) 個別事業計画・目標等
①E&P事業: 国内での操業効率化や既存油ガス田周辺エリアの追加開発、国の基礎調査を軸とした海域探鉱を推進していきます。また、海外においては、保有ポートフォリオ適正化や新規投資機会の発掘に重点的に取り組んでいきます。
②インフラ・ユーティリティ事業: 国内天然ガス販売量160万トン/年(LNG換算)と電力販売量28億kWh/年を目標に、国産ガスとLNG調達ソースの多様化による安定供給の確保と、天然ガス利用促進に向けた取組みを推進していきます。また、福島天然ガス発電所の安定操業確立と稼働率向上や、再生可能エネルギーの開発を追求していきます。
③新規事業: 当社が培ってきたE&P技術や国内天然ガス供給ネットワークでの知見など、「競争優位性の源泉」を活かした新たな事業機会を発掘する体制を強化するための専従組織を新設し、ビジネスモデルの構築と収益事業化に向けた取組みを加速していきます。
3) CSR経営
・持続的成長のためのESGの取組みを踏まえた、当社CSR重点課題「SHINE」(注)を実現するための取組みを推進します。
(注)S エネルギー安定供給 :Stable & Sustainable Energy Supply
H 企業文化としてのHSE :HSE as Our Culture
I 誠実性とガバナンス :Integrity & Governance
N 社会との良好な関係構築 :Being a Good Neighbor
E 選ばれる魅力ある職場 :The Employer of Choice
4) 株主還元
・長期安定配当の継続を基本方針とし、具体的な配当金の額は、当社財務基盤の強化及び持続的成長による企業価値の最大化の観点から、各期の利益状況や今後の資金需要等を総合的に勘案して決定します。
当社長期ビジョンおよび中期事業計画の内容につきましては、当社ホームページ内の以下のURLからご覧いただくことができます。
https://www.japex.co.jp/newsrelease/pdfdocs/JAPEX20180511_LongVision%26MidPlan_j.pdf
「当社長期ビジョンおよび中期事業計画の策定について(2018年5月11日公表)」
当社は、新しい長期ビジョンと中期事業計画の基本戦略のもと、低油価環境下でも持続的成長が可能な収益構造への改善と、変化する社会のニーズに対応できる事業構造への変革により、企業価値の向上を図ってまいります。
当社株式等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)について
一 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、下記二1.に述べるような当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を執ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
二 当社の企業価値の源泉及び基本方針の実現に資する特別な取組み
1.当社の企業価値の源泉について
当社は、昭和30年の創業以来、石油及び可燃性天然ガスの自給度の向上を主たる目的として事業を展開し、埋蔵量ゼロから出発し、順次新規油・ガス田の発見を重ねる中で現在の経営基盤を確立し、石油・天然ガス資源の探鉱、開発、販売事業を中心的事業として営んでおります。
当社の企業価値の源泉は、石油・天然ガス資源に係る鉱区権益を自ら取得し、探査、採掘、販売までを一貫して行うビジネスモデルにあります。また、産業活動あるいは市民生活における血流とも言えるエネルギーの供給に携わる企業として、当社は、安定供給・安全操業の維持、確保という点においてきわめて重い責務を担うとともに、高い公共性を有する事業を行っております。
こうしたビジネスモデルは、当社が保有する、①高度な石油・天然ガス探査技術、②国内及び海外における油・ガス田開発技術及び操業ノウハウ、並びに、③国内における天然ガス輸送パイプラインネットワークの構築とこれを利用した長期・安定的な供給実績の積み重ねに基づく顧客・株主・地域社会等のステークホルダーとの信頼関係、などに裏打ちされたものであります。
新たな油・ガス田の探鉱から生産に漕ぎつけるまでには、10年以上の期間を要することも稀ではなく、長期的な視点に立った事業展開とともに、地球環境保全への配慮を通じた社会貢献が必要とされています。また、エネルギー資源の確保に関する国際競争の激化が予想される昨今の国際エネルギー情勢に鑑みれば、当社の事業の持続的な発展と企業価値の向上には、こうした当社の保有技術・ノウハウの向上や人材の確保、各ステークホルダーとの信頼関係の更なる強化を目指した取組みが必要不可欠であり、これがこれまでと同様、将来の当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。
2.企業価値向上のための取組み
当社は、2015年5月、10年程度を見据えた長期ビジョンと、その達成に向けた2015年度から2019年度までの5年間を対象とした中期事業計画を策定し、E&P事業、国内天然ガス等供給事業、環境・新技術事業、CSR経営を柱にした事業展開を進めてきました。
しかしながら、今般、当社事業状況の変化等を受けて、エネルギーの安定供給を使命と認識する当社として、持続可能な社会への貢献を含む長期的な視野での経営ビジョンの再設定が必要であると判断し、新たに長期ビジョン2030並びに中期事業計画2018-2022を策定しました。
E&P事業、インフラ・ユーティリティ事業、新規事業を軸に、低油価環境下でも持続的成長が可能な収益構造の改善と、長期的な社会的ニーズの変化に対応した事業構造の変革により、企業価値の向上を図ってまいります。
3.コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、以上のような諸施策を実行し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図っていく所存であります。また、当社は、効率性と透明性の高い経営を行うとともに、株主をはじめとするステークホルダーへの説明責任を果たすことによる信頼関係の構築が長期安定的な成長への道筋と捉え、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。
まず、当社は、代表取締役及び取締役会において担当職務を定めて指名された取締役または執行役員が業務執行者となり、取締役会及び監査役(並びに全監査役で構成する監査役会)がその業務執行を監督する役割を負っております。
そして、取締役会の監督機能を強化するため、高い見識を有する独立性の高い社外取締役を3名選任しており、これらの社外取締役から議案、審議等につき積極的に発言がなされることにより、取締役会において活発な議論がなされております。また、社外取締役に十分に情報を提供し、その機能を適切に発揮していただくため、社長との定期的な意見交換会の開催、社外取締役共同執務室の設置及び秘書室による執務サポートなどを行うとともに、社外役員に対する取締役会議案の事前説明、社外役員間の情報や意見交換などを図る場として「社外役員連絡会」を設置しております。
監査役は、取締役会に出席するほか、常勤監査役がその他の重要会議に出席するとともに、業務を執行する各取締役または執行役員と随時意見交換を行うことにより、監督機能を果たしております。また、内部監査として、監査室が、社長直轄のもと各部署における内部統制の実効性の検証を含め、法令及び社内諸規程の遵守その他適正な業務執行がなされているかの監査にあたっております。
一方、内部統制につきましては、内部統制委員会が主体となって、業務の適正を確保するための体制の点検、整備を継続しております。
さらに、こうした経営機構上のコーポレート・ガバナンスに加えて、決算説明会の開催、ホームページの充実などのIR活動により、経営の透明性を高めることを通じて、時々の状況下で最適な業務執行の実現を期しております。
三 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(本プラン)
1.本プランの目的
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、上記一に記載した基本方針に沿って導入されたものです。
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株券等の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、当社株券等に対する大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としています。
2.本プランの概要
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めています。
買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。
買収者が本プランにおいて定められた手続に従わない場合や、当社株券等の大量買付が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プラン所定の発動要件を充たす場合には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が原則として買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権の無償割当ての方法により割り当てます。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使または当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断については、取締役会の恣意的判断を排するため、独立委員会規則に従い、当社経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会において、その客観的な判断を経ることとしています。
なお、独立委員会の委員は次のとおりです。
土屋恵一郎 明治大学長
小島 明 当社社外取締役
渡辺 裕泰 当社社外監査役
また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には、株主総会を招集し、新株予約権の無償割当ての実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。
こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしています。
本プランの有効期間は、平成29年6月28日開催の第47回定時株主総会の決議による、本プランに係る本新株予約権の無償割当てに関する事項の決定権限の委任期間と同じく、当定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。
但し、その有効期間の満了前であっても、①当社の株主総会において本新株予約権の無償割当てに関する事項の決定についての取締役会への上記委任を撤回する旨の決議が行われた場合、または、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。
なお、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイトに記載しております、平成29年5月12日付の当社ニュースリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご覧ください。
(アドレス https://www.japex.co.jp/newsrelease/pdfdocs/JAPEX20170512_TakeoverDefense_j.pdf)
四 本プランに対する当社取締役会の判断及びその理由
1.本プランが基本方針に沿うものであること
本プランは、当社株券等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
2.本プランが当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当社は、以下の理由により、本プランは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
① 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則(①企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性の原則)を充足しています。
② 株主意思を重視するものであること
本プランの導入に際しては、株主の皆様の意思を確認すべく、平成20年6月25日開催の第38回定時株主総会においてこれを付議し、承認可決され、その後、平成23年6月24日開催の第41回定時株主総会、平成26年6月25日開催の第44回定時株主総会及び平成29年6月28日開催の第47回定時株主総会においてその更新を付議し、承認可決されております。
また、当社取締役会は、本プランに定める一定の場合に、本プランの発動の是非について、株主総会において株主の皆様の意思を確認するとしています。
加えて、本プランには、有効期間を約3年間とするいわゆるサンセット条項が付されており、かつ、その有効期間の満了前であっても、当社株主総会において上記の委任決議を撤回する旨の決議が行われた場合または当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。その意味で、本プランの消長には、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。
③ 独立性の高い社外取締役等の判断の重視と情報開示
本プランの発動に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外取締役等のみから構成される独立委員会により行われることとされています。
また、その判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。
④ 合理的な客観的要件の設定
本プランは、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
⑤ 第三者専門家の意見の取得
本プランは、買付者等が出現すると、独立委員会は、当社の費用で、ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、税理士、コンサルタントその他の専門家の助言を受けることができるものとされています。これにより、独立委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとなっています。
⑥ デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株券等を大量に買い付けた者が、自己の指名する取締役を株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本プランを廃止することが可能です。
従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社においては取締役の期差任期制は採用されていないため、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
以下には、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。
1 法的規制について
(1) 原油・天然ガス事業に関する法的規制
当社の事業は、鉱業法、ガス事業法をはじめ、鉱山保安法、高圧ガス保安法、消防法等の規制を受けております。現時点においてこのような法的規制が存在することが、当社事業の妨げとなり、もしくは著しい費用の増加につながっている事実はありませんが、将来的にこれらの法令が改正され、もしくは新たな規制法令が制定されて当社の事業に適用された場合、当社はその制約を受けることになります。
(2) 当社グループ事業の環境に対する負荷と法的規制
当社グループの事業は、鉱業という事業の特性上、その操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、従来、重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりに連れて現行の法規制が強化された場合には、対策費用の増加等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2 経営成績の変動要因について
(1) 原油売上高の変動要因
当社が日本国内で販売する原油の販売価格は国際原油価格に連動して決定されるため、石油輸出国機構(OPEC)の生産動向や国際的な需給動向によって市況が変動し、また為替レートが変動した場合、当社の原油販売価格はその影響を受けます。当社はかかるリスクを軽減する目的で原油スワップ取引等を行うことがありますが、こうした取引によって全てのリスクが回避されるわけではありません。
(2) 天然ガス売上高の変動要因
当社が日本国内で販売する天然ガスの販売単価は、従来、販売先との契約に基づいて事業年度を通じて円建てで固定されているものが多数を占めていましたが、LNGの市場価格に基づき価格を決定する契約への移行をほぼ果たしており、国際市況や為替の変動によって売上高が影響を受ける可能性が高まっています。また、都市ガス会社向けのガス販売数量については、夏季に需要が減少し、冬季に増加するという季節変動があるほか、暖冬時には販売量が低下する傾向が見られます。また長期的に見た場合、我が国エネルギー市場の規制緩和等が、天然ガスの販売単価や販売数量に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 探鉱投資水準による損益の変動
生産・販売により減少する埋蔵量を維持・拡大し長期にわたり安定的な石油・天然ガスの供給体制の整備を図ることは、探鉱・開発・販売を事業の骨格とする当社グループにおいて重要な課題であり、当社グループでは国の内外における探鉱投資を継続的に行っております。探鉱投資額については、探鉱費用としてもしくは引当金の計上を通じて費用化しております。このため各事業年度における探鉱投資額の増減が、当社グループの利益に直接的な影響を及ぼすことになります。
3 事業に関するリスクについて
(1) 事業の特徴
当社グループの事業は、初期の基礎的な調査から、掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階において、多額の投資と長い期間を要する一方、資源の発見が保証されているわけではなく、元来リスクの高い事業です。また、資源の発見に至った後も、開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等に多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替変動などが発生し、所期の投資目的を達成できないリスクがあります。加えて、これらの投資には、埋蔵量や生産量の予期せぬ減少等の地質的な不確実性、不純物の混入など鉱業に特有の様々な技術的なリスクがあり、こうしたリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) エネルギー市場自由化の影響
我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、平成29年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来より第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えています。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、電気事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 販売に関するリスク
当社では、多くの販売先と長期にわたる取引関係を築いていますが、天然ガスの販売数量については年度ごとの取り決めも多く、販売先における需要減少、仕入先の変更等に伴う当社の販売数量の減少等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 仕入に関するリスク
当社は平成15年3月より輸入を開始したマレーシア産LNGに関して、テイク・オア・ペイ条項に基づく長期引取義務を負っており、契約で規定された年間最低引取数量について当社が何らかの事情により引取不能となった場合でも、未達数量について支払義務が発生します。このため、将来的に当社の天然ガス販売数量が減少した場合でも、LNG引取数量が固定化されるというリスクがあります。また、LNGの仕入価格は原油価格や為替レートの影響を受ける変動価格であり、仕入価格が高騰した場合、当社が販売価格に転嫁できなければ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 操業に関するリスク
当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送等の操業に関して、保安体制や緊急時対応策の整備に努めておりますが、操業上の事故や災害(自然災害を含みます。)の発生によって人的・物的損害が発生するリスクは常に存在しています。こうした事故や災害が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではありません。また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、販売先に対する損害賠償、環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。
(6) 将来の廃鉱に関するリスク
当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があり、当社グループは当該有形固定資産の除去に関して資産除去債務を計上しております。新たな法令や契約、市場変動等の外的環境の変化により、当社グループの資産除去債務の妥当性に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 将来の税制等の変更に関するリスク
鉱業に特有の税制優遇措置として、探鉱準備金制度、海外投資等損失準備金制度及び新鉱床探鉱費の特別控除制度(所得控除)があり、当社グループもその制度を利用しておりますが、将来、こうした優遇措置が変更された場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 海外事業に関するリスク
海外事業が探鉱、開発と段階を経ていく過程で、多額の投資(出資又は資金貸付)を行うこととなる場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が出資する海外プロジェクト会社が銀行融資等によって事業資金を調達する場合、当社は当該借入金の全部又は一部について債務保証を行うことがあります。この場合において、当該プロジェクト会社の財務状況が悪化して債務不履行となったとき、当社に当該保証額について債務を履行する義務が生じます。
さらに、石油開発の全般的な傾向として、海外事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治的もしくは経済的混乱、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、相当規模の資金を要する生産段階にある主要な海外事業は、次のとおりであります。
① サハリンプロジェクトの進捗状況
当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(平成30年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。同プロジェクトは平成13年10月に商業化宣言を行い、ロシア政府の承認を経て開発段階に移行した後、平成18年10月、チャイウォ油ガス田からの本格的な原油生産の開始に伴って本邦への輸出を開始し、現在も順調に生産販売を続けているほか、平成22年9月にはオドプト油ガス田から、平成27年1月にはアルクトン・ダギ油ガス田からも原油生産を開始しております。
当社は、同社が開発資金を調達するに際し、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構並びに他の民間株主とともに債務保証を行っております。平成30年3月期末時点で、当社の債務保証残高は4,871百万円ありましたが、平成30年5月22日に全額解除されています。
また、サハリン1プロジェクトでは、上記の生産中油ガス田で追加開発作業を進めており、また、現時点では具体的な計画は策定されていないものの、天然ガス生産を目的とした開発を行う可能性があり、将来、これらの作業や計画の進展次第では、当社において追加的な債務保証が発生する可能性があります。
② インドネシアカンゲアンプロジェクトの進捗状況
当社は、平成19年5月より、Energi Mega Pratama Inc.(EMPI)への出資(平成30年3月期末の出資比率 25%)を通じて、インドネシア・ジャワ島東方沖合のカンゲアン鉱区における原油・天然ガス開発事業に参入しております。同鉱区は、複数の油・ガス田及び構造を有し、参入時点で既に生産中であった一部油・ガス田において生産を続ける一方、平成24年5月、テランガス田の商業生産を開始するとともに、他の有望地域でも探鉱・開発作業を進めております。
当社は、同鉱区に直接権益を持つEMPIの100%子会社Kangean Energy Indonesia Ltd.(KEI)及びEMP Exploration (Kangean)Ltd.に対し、他のEMPIの株主と共同で開発資金の貸付を行っており、平成30年3月期末の当社の貸付残高は両社合わせて10,523百万円となっております。また、生産設備に関連する債務に対する保証を行っており、平成30年3月期末の当社の保証残高は3,429百万円となっております。
同鉱区においては、現在開発作業を進めている油・ガス田のほかにも探鉱ポテンシャルを持つ構造が複数存在することから、開発の進捗に応じて発生が見込まれる資金貸付、債務保証等に加えて、これら大規模構造の探鉱、開発が実施される場合、更なる多額の投資が必要となる可能性があります。
③ イラク共和国ガラフ油田開発生産プロジェクトの進捗状況
当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(平成30年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(マレーシア国営石油会社ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。
平成25年8月に生産を開始したことにより、今後は受取原油の販売収入を設備投資に充当していきます。現在、原油生産に向けた最終開発計画に基づく追加開発作業に向けて準備を進めています。
当社は、同国の政治状況、治安状況等には十分留意しつつ事業を進める所存ですが、これらの状況の悪化がプロジェクトに悪影響を及ぼす可能性があるほか、予期せぬコストの増加や開発スケジュールの遅延または生産量の減少が生じた場合等には、資金負担額が増加する可能性があります。
④ カナダ アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド開発事業の進捗状況
当社は、連結子会社カナダオイルサンド㈱への出資(平成30年3月期末の出資比率 93.60%。間接出資を含む場合の出資比率 94.58%)を通じて、カナダ アルバータ州におけるオイルサンド開発事業を推進しております。
同社完全子会社である現地操業会社 Japan Canada Oil Sands Limited(JACOS)が、同州Hangingstone鉱区の一部地域において日量約5,000バレルにてビチューメンの生産を行っておりましたが、昨今の油価の著しい下落に対応するため、平成28年5月より一時的に生産を休止し、その後の事業環境の厳しさや休止に伴う生産操業再開の技術リスクを踏まえ、平成29年8月に生産を終了しております。当該地域の鉱区権益については、平成30年4月にJACOSを通じてカナダ企業のGreenfire Hangingstone Operating Corp.と当該鉱区権益を譲り渡す契約を締結しました。平成24年12月、当社は、更なる生産量・埋蔵量の拡大を図るべく、同鉱区の拡張開発事業についての最終投資決定を行い、日量20,000バレル規模の開発作業を進めておりましたが、平成29年2月に中央処理施設の建設作業を完了し、平成29年8月より生産を開始しています。
なお、本拡張開発事業は、75%の権益を保有するJACOSと25%の権益を保有するNexen Energy ULCとの共同事業であります。
当社は、オペレーターであるJACOSを通じ、プロジェクト管理に万全を期す所存ですが、原油価格の下落等により当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるシェールガス開発・生産プロジェクト及びLNGプロジェクトの進捗状況
当社は、連結子会社JAPEX Montney Ltd.(JML)への出資(平成30年3月期末の出資比率45%)を通じて、マレーシア国営石油会社 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクト(上流事業)に加え、同州西海岸で検討中のLNGプロジェクト(PNW事業、量約1,200万t/年)に参画しておりましたが(参加比率10%)、LNGを取り巻く環境の変化から、平成29年7月25日(カナダ バンクーバー現地時間)に事業会社であるPacific Northwest LNGが事業化取りやめを決定いたしました。
上流事業に関しては、経済性の高いエリアを中心に、投資効率を重視、事業環境等を考慮しながら、競争力向上、並びに収益確保のための取り組みを継続してまいりますが、ガス価の長期低迷、予期せぬコストの増加、開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合には、資金負担額が増加する可能性があります。
4 国際石油開発帝石株式会社の株価変動に伴うリスクについて
当社は、平成30年3月期末現在、国際石油開発帝石㈱株式を7.31%保有しており、当社グループの平成30年3月期連結会計年度末の投資有価証券の残高は167,342百万円であり、このうち国際石油開発帝石㈱株式は140,671百万円となっております。同社の連結業績や株価は、当社グループと同様に、原油価格の動向等により変動する傾向があるほか、同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5 国の保有する当社株式について
当社は、平成15年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。
さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、平成17年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、平成19年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、同大臣の所有株式数の割合は34.00%まで低下し、現在に至っています。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったことはありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、年度当初より住宅建設が弱含むなど一部に改善の遅れが見られたものの、企業収益や雇用情勢は年度を通して改善基調が続き、景気も緩やかに回復を続けています。
原油CIF価格は、年度当初の1バレル 50 ドル台前半徐々に下落し、7月には 40 ドル台後半まで低迷していたものの、11月のOPECの減産延長合意等の影響により、年度末には60ドル台後半まで達しています。
為替相場は、前連結会計年度当初より概ね110円台前半で推移し、9月には 100 円台後半まで円高が進みました。その後は円安傾向に転じ、 110 円台前半で推移したものの、2月より再び円高傾向となり、年度末にかけて 100 円台後半の水準となっています。この結果、当社グループの原油販売価格は、年度平均では前連結会計年度に比べ上昇しました。
一方、天然ガスについては、原油価格の上昇及び円安による石油製品等の価格上昇によって、競合エネルギーに対する競争力を打ち出しつつも、当社マーケット近傍での他社によるLNG受入基地や関連パイプライン等の供給インフラ整備を巡る動きが進行し競争が激化していることから、市場環境は当社グループにとって厳しい状況にありました。
このような状況のもとで、当社グループは、平成27年度から10年程度を見据えた長期経営ビジョン及びその達成に向けた平成27年度から平成31年度までの5年間を対象とした中期事業計画に基づき、鋭意事業を推進してまいりました。
当連結会計年度の売上高は230,629百万円と前連結会計年度に比べ23,499百万円の増収(+11.3%)となり、売上総利益は、39,263百万円と前連結会計年度に比べ7,090百万円の増益(+22.0%)となりました。前連結会計年度に比べ増収増益となった要因は、主に、原油及び天然ガスの販売価格の上昇によるものであります。
探鉱費は、主に海外での支出が大きく減少したことにより、1,324百万円と前連結会計年度に比べ188百万円減少(△12.4%)し、販売費及び一般管理費は29,173百万円と前連結会計年度に比べ801百万円減少(△2.7%)した結果、営業利益は8,764百万円と前連結会計年度に比べ8,079百万円の増益(+1,179.5%)となりました。
経常利益は、営業利益の大幅な増益があるものの、Japan Canada Oil Sands Limited(JACOS)において、カナダ・アルバータ州ハンギングストーン鉱区3.75セクション地域(DEMOエリア)でのSAGD法(*)によるビチューメン生産操業を終了したことに伴い、同エリアに係る有形固定資産を生産高比例法により償却し休止固定資産減価償却費として計上したことなどにより、3,828百万円と前連結会計年度に比べ1,606百万円の増益(+72.3%)に留まりました。
税金等調整前当期純損益は、JAPEX Montney Limited(JML)において、Pacific NorthWest LNGプロジェクト(PNW事業)の事業化取りやめ決定を受け、PNW事業を前提としないシェールガス開発・生産プロジェクト(上流事業)として開発計画を見直した結果、上流事業に係る事業用資産の減損損失を計上したことや、PNW事業に関連するパイプライン建設計画の解約費用を特別損失その他に計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ72,596百万円減益の69,403百万円の税金等調整前当期純損失となり、親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ34,401百万円減益の30,958百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
(*)地層内に水蒸気を圧入して、超重質油の流動性を増し、重力の効果を利用して回収する方法の一つ。
なお、売上高の内訳は次のとおりであります。
(イ)原油・天然ガス
原油・天然ガス(液化天然ガス(LNG)、ビチューメン及び希釈ビチューメンを含む)の売上高は、主に、原油及び天然ガスの販売価格の上昇、並びに国内天然ガス及びJACOSにおける希釈ビチューメンの販売数量が増加したことなどにより、176,051百万円と前連結会計年度に比べ18,345百万円の増収(+11.6%)となりました。
(ロ)請負
請負(掘さく工事及び地質調査の受注等)の売上高は、8,484百万円と前連結会計年度に比べ1,869百万円の減収(△18.1%)となりました。
(ハ)その他
液化石油ガス(LPG)・重油等の石油製品等の販売、天然ガス等の受託輸送及びその他業務受託等の売上高は、46,093百万円と前連結会計年度に比べ7,023百万円の増収(+18.0%)となりました。
主なセグメントごとの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。
日本
日本セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(LNG含む)、請負、石油製品等により構成されております。当連結会計年度における売上高は、原油及び天然ガスの販売価格の上昇並びに天然ガスの販売数量が増加したことなどにより、219,566百万円と前連結会計年度に比べ20,060百万円の増収(+10.1%)となりました。セグメント利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの前述の売上高の増収を受け、前連結会計年度に比べ1,972百万円増益(+9.6%)の22,497百万円となりました。
北米
北米セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(ビチューメン及び希釈ビチューメン含む)により構成されております。当連結会計年度における売上高は、主にJACOSにおける希釈ビチューメンの販売数量の増加により、9,250百万円と前連結会計年度に比べ3,561百万円の増収(+62.6%)となりました。セグメント損失は、販売費及び一般管理費の減少並びに前述の売上高の増収を受けて前連結会計年度に比べて損失幅を狭め、6,615百万円(前連結会計年度は8,620百万円のセグメント損失)となりました。
欧州
欧州セグメントにおいては、英領北海アバディーン沖合に位置する海上鉱区での探鉱活動を実施しております。当連結会計年度におけるセグメント損失は、探鉱費の減少等により74百万円(前連結会計年度は268百万円のセグメント損失)となりました。
中東
中東セグメントの売上高は、主に原油により構成されております。当連結会計年度における売上高は、販売数量は減少したものの販売価格の上昇を受け、32,189百万円と前連結会計年度に比べ5,010百万円の増収(+18.4%)となりました。セグメント損益は、売上原価が増加したものの前述の売上高の増収を受け、1,366百万円のセグメント利益(前連結会計年度は1,120百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ47,200百万円減少し、699,539百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,943百万円の増加となりました。これは、現金及び預金や短期貸付金が増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ55,143百万円の減少となりました。これは、投資有価証券は時価の上昇などにより増加しましたが、有形固定資産において前述のJMLの事業用資産の減損損失計上、並びに投資その他の資産のその他に含めている生産物回収勘定において回収が進んだことにより減少したことなどによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,201百万円増加し、242,331百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ7,716百万円の増加となりました。これは、流動負債のその他に含めている短期借入金が増加したことなどによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,514百万円の減少となりました。これは、長期借入金において為替の影響や返済期限が1年以内の借入金を流動負債へ振替えたことなどにより減少しましたが、前述の投資有価証券の時価上昇により繰延税金負債が増加したことなどによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ53,402百万円減少し、457,207百万円となりました。
これは、その他有価証券評価差額金が増加したものの、非支配株主持分や利益剰余金が減少したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,737百万円減少し、99,892百万円となりました。主な内訳は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は52,881百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失△69,403百万円、減損損失67,721百万円、生産物回収勘定の回収額27,381百万円、減価償却費23,370百万円、相馬LNG基地建設事業に係る補助金の受取額5,000百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は54,218百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入18,228百万円、利息及び配当金の受取額8,873百万円、貸付金の回収による収入4,456百万円などの資金を得ましたが、有形固定資産の取得による支出42,534百万円、定期預金の預入による支出28,458百万円、生産物回収勘定の支出15,091百万円などの資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,196百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入5,455百万円などの資金を得ましたが、長期借入金の返済による支出4,760百万円、利息の支払額1,862百万円などの資金を使用したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
|
|
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
原油・天然ガス |
原油(kl) |
294,301 |
△3.9 |
|
天然ガス(千㎥) |
768,967 |
△1.4 |
|
|
液化天然ガス(t) |
8,391 |
△17.4 |
|
|
ビチューメン(kl) |
- |
- |
|
・北米
|
|
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
原油・天然ガス |
原油(kl) |
48,231 |
△25.1 |
|
天然ガス(千㎥) |
494,680 |
△17.7 |
|
|
液化天然ガス(t) |
- |
- |
|
|
ビチューメン(kl) |
143,152 |
57.7 |
|
・中東
|
|
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
原油・天然ガス |
原油(kl) |
929,655 |
△22.5 |
|
天然ガス(千㎥) |
- |
- |
|
|
液化天然ガス(t) |
- |
- |
|
|
ビチューメン(kl) |
- |
- |
|
(注)1.天然ガスの生産量の一部は、液化天然ガスの原料として使用しております。
2.ビチューメンとはオイルサンド層から採取される超重質油です。
b. 受注実績
当社及び連結子会社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
|
|
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|||
|
数量 |
金額 (百万円) |
数量 |
金額 |
||
|
原油・天然ガス |
原油(kl) |
2,296,150 |
85,837 |
△11.9 |
10.0 |
|
天然ガス(千㎥) |
1,284,366 |
57,215 |
1.5 |
10.6 |
|
|
液化天然ガス(t) |
380,955 |
21,935 |
△4.4 |
8.2 |
|
|
ビチューメン(kl) |
- |
- |
- |
- |
|
|
希釈ビチューメン(kl) |
- |
- |
- |
- |
|
|
|
小計 |
|
164,988 |
|
9.9 |
|
請負 |
|
8,484 |
|
△18.1 |
|
|
その他 |
石油製品・商品 |
|
40,162 |
|
20.4 |
|
その他 |
|
5,930 |
|
3.8 |
|
|
|
小計 |
|
46,093 |
|
18.0 |
|
|
合計 |
|
219,566 |
|
10.1 |
・北米
|
|
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|||
|
数量 |
金額 (百万円) |
数量 |
金額 |
||
|
原油・天然ガス |
原油(kl) |
50,107 |
1,522 |
△23.0 |
5.9 |
|
天然ガス(千㎥) |
488,669 |
3,215 |
△18.5 |
△10.2 |
|
|
液化天然ガス(t) |
- |
- |
- |
- |
|
|
ビチューメン(kl) |
- |
- |
△100.0 |
△100.0 |
|
|
希釈ビチューメン(kl) |
160,203 |
4,512 |
- |
- |
|
|
|
小計 |
|
9,250 |
|
62.6 |
|
請負 |
|
- |
|
- |
|
|
その他 |
石油製品・商品 |
|
- |
|
- |
|
その他 |
|
- |
|
- |
|
|
|
小計 |
|
- |
|
- |
|
|
合計 |
|
9,250 |
|
62.6 |
・中東
|
|
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|||
|
数量 |
金額 (百万円) |
数量 |
金額 |
||
|
原油・天然ガス |
原油(kl) |
- |
1,812 |
- |
△6.4 |
|
天然ガス(千㎥) |
- |
- |
- |
- |
|
|
液化天然ガス(t) |
- |
- |
- |
- |
|
|
ビチューメン(kl) |
- |
- |
- |
- |
|
|
希釈ビチューメン(kl) |
- |
- |
- |
- |
|
|
|
小計 |
|
1,812 |
|
△6.4 |
|
請負 |
|
- |
|
- |
|
|
その他 |
石油製品・商品 |
|
- |
|
- |
|
その他 |
|
- |
|
- |
|
|
|
小計 |
|
- |
|
- |
|
|
合計 |
|
1,812 |
|
△6.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「石油製品・商品」には、液化石油ガス(LPG)、重油、軽油、灯油等が、「その他」には天然ガス・石油製品の受託輸送及びその他業務受託等が含まれております。
3.希釈ビチューメンとはパイプライン輸送のために超軽質油で希釈したビチューメンです。
4.主要な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度においては総販売実績の100分の10を占める販売先がないため、記載を省略しております。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
||
|
BP Singapore Pte.Ltd. |
25,527 |
12.3 |
- |
- |
|
5.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 当社グループの埋蔵量
平成30年3月31日現在、提出会社及び連結子会社の保有する確認埋蔵量並びに持分法適用会社が保有する確認埋蔵量の当該会社に対する提出会社出資比率相当量は下表のとおりです。
|
確認埋蔵量 |
連結対象会社 |
持分法適用会社 |
合計 |
|||||||||||
|
国内 |
海外 |
小計 |
||||||||||||
|
原油 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ビチューメン 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ビチューメン 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ビチューメン 千kl |
ガス 百万㎥ |
||
|
平成29年3月31日現在 |
2,374 |
9,753 |
2,717 |
22,076 |
15,811 |
5,091 |
22,076 |
25,564 |
1,904 |
2,173 |
6,995 |
22,076 |
27,737 |
|
|
|
拡張及び発見等による増加 |
- |
- |
464 |
- |
- |
464 |
- |
- |
- |
- |
464 |
- |
- |
|
|
前期評価の修正による増減 |
720 |
167 |
△734 |
△992 |
△7,959 |
△14 |
△992 |
△7,793 |
2,902 |
886 |
2,888 |
△992 |
△6,907 |
|
|
買収・売却による増減 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
生産による減少 |
△291 |
△815 |
△835 |
△132 |
△495 |
△1,126 |
△132 |
△1,309 |
△456 |
△561 |
△1,583 |
△132 |
△1,871 |
|
平成30年3月31日現在 |
2,802 |
9,105 |
1,612 |
20,952 |
7,357 |
4,415 |
20,952 |
16,462 |
4,350 |
2,498 |
8,764 |
20,952 |
18,960 |
|
(注)1.以下の連結子会社保有量には、非支配株主に帰属する数量を含んでおります。(括弧内は非支配株主比率)
国内:日本海洋石油資源開発㈱(29.39%)
海外:カナダオイルサンド㈱(5.42%)、JAPEX Montney Ltd.(55.00%)、㈱ジャペックスガラフ(45.00%)
2.連結子会社及び持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度における埋蔵量を計上しております。
3.連結子会社である㈱ジャペックスガラフは、平成23年1月19日に承認されたPreliminary Development Planに基づき開発作業に着手し、平成25年8月31日より初期生産を開始するとともに、最終的な目標である日量23万バレルへの段階的な増産に向けたFinal Development Plan(FDP)に関するイラク政府との協議を継続しておりました。
同社決算日である平成29年12月31日現在においては、当該FDPが未承認であったことから、当連結会計年度末においては、平成30年度生産予定量の当該会社取分相当量を埋蔵量として計上しております。
その後、平成30年2月にFDPがイラク政府により承認さたことを受け、翌連結会計年度において、FDPに基づく埋蔵量(平成31年度以降の生産予定量の当該会社取分相当量、平成30年3月31日現在の評価値は原油13,837千kl)を追加計上予定です。
上表における確認埋蔵量とは、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、過去の生産量、未発見鉱床に係る資源量は含んでおりません。
埋蔵量の定義については、石油技術者協会(SPE)、世界石油会議(WPC)、米国石油地質技術者協会(AAPG)及び石油評価技術協会(SPEE)の4組織により策定されたPetroleum Resources Management System 2007(PRMS)が国際的な基準として知られています。
上表の確認埋蔵量は、PRMSにおける「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠した当社自身による評価に基づく数値であり、PRMSにおいて確認埋蔵量よりも将来の採取可能性の不確実性が高いものとして区分されている「推定埋蔵量(Probable Reserves)」や「予想埋蔵量(Possible Reserves)」に該当する埋蔵量は含んでおりません。また、同定義においては、例えば、資源の賦存が確認されている鉱区であっても商業開発計画が未確定な段階のプロジェクト等については、埋蔵量(Reserves)とは区分して「条件付資源量(Contingent Resources)」に分類することとされており、当社グループにおいても、開発計画が未確定な地域の「条件付資源量」に該当する数量は、上表の数値に含めておりません。
なお、PRMS以外には、米国証券取引委員会(SEC)による確認埋蔵量の定義が米国の投資家を中心に広く知られており、SECによる確認埋蔵量の定義は、PRMSと基本的には類似しています。
当社は、従来よりPRMSによる「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠して当社自身の判断に基づく値を開示しております。また、海外プロジェクト会社の保有埋蔵量については、各プロジェクト会社の現地政府等との契約による経済的取分に基づく数量を示しております。
また、当社は、当社自身による埋蔵量評価・判断の妥当性を検証するため、上表に示した平成30年3月31日現在の国内における当社及び連結対象会社の確認可採埋蔵量の約65%に相当する部分[1]について、Ryder Scott Company, L.P.へ第三者評価・鑑定を委託しております。また、海外については、JAPEX Montney Ltd.、Japex (U.S.) Corp.及びKangean Energy Indonesia Ltd.の埋蔵量について第三者評価を受けております。また、連結子会社であるJapan Canada Oil Sands Limitedが保有する鉱区エリアにおけるビチューメン埋蔵量について、当連結会計年度末においては、技術的回収可能量等の重要な要素に変更がないことから、前々連結会計年度に実施したGLJ Petroleum Consultants Ltd.による第三者評価[2]を踏まえた自社評価を行っており、これを含めると、上表の平成30年3月31日現在の確認埋蔵量総計のうち約79%に相当する部分[3]について第三者評価を受けております。当社自身による評価値と第三者評価の値は従来より近似しており、当社は、上表の当社自身の評価による確認埋蔵量の値は妥当であると判断しております。
埋蔵量は、元来、不確実性を内包した将来の生産可能量の見通しであり、当社は、現時点において入手可能な地質的・工学的データ等の科学的根拠に基づき正確な評価の実施に努めておりますが、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。
[1] 原油・ビチューメン1kl=天然ガス1,033.1m3(1BOE=5.8Mscf)として計算しております。
[2] 石油評価技術者協会(Society of Petroleum Evaluation Engineers (Calgary Chapter))他による評価基準(Canadian Oil and Gas Evaluation Handbook)に基づく第三者評価。
[3] [1]と同様。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、前連結会計年度に比べ売上高は23,499百万円増収(+11.3%)の230,629百万円、経常利益は1,606百万円増益(+72.3%)の3,828百万円となり、親会社株主に帰属する当期純損益は34,401百万円減益の親会社株主に帰属する当期純損失30,958百万円となりました。
(為替レートと油価)
当連結会計年度の1キロリットル当たりの原油販売価格につきまして、通年の平均販売価格では前連結会計年度に比べ7,515円上昇の38,007円/klとなりました。
国産原油の販売価格は、基本的に海外原油の本邦への円建輸入価格に連動して決定されます。
原油CIF価格に基づく油価は、1バレル当たり56.20米ドル(加重平均)と前連結会計年度に比べ10.59米ドルの上昇となりました。一方、為替レートは、111.67円/米ドル(加重平均)と前連結会計年度に比べ3.14円の円安となりました。
以上の米ドル建原油価格の上昇及び円安の影響により、原油販売価格は前連結会計年度に比べて上昇しております。
海外買入原油の販売につきましては仕入価格と連動するため、油価・為替の変動が損益に与える影響は軽微であります。
希釈ビチューメンの1バレル当たりの販売価格は、39.63米ドル(加重平均)であります。
(設備投資と減価償却費等)
当連結会計年度の設備投資額は41,802百万円(前連結会計年度比26,583百万円の減少)となりました。主なものは、カナダ国におけるオイルサンド開発に係る投資額等であります。減価償却費は23,370百万円(前連結会計年度比7,679百万円の増加)となりました。
また、当連結会計年度のイラク共和国ガラフ油田の開発等に係る生産物回収勘定への支出額は15,015百万円(前連結会計年度比6,441百万円の減少)となり、生産物回収勘定の回収額は27,381百万円(前連結会計年度比943百万円の増加)となりました。
(探鉱活動)
当連結会計年度の探鉱費は、前連結会計年度に比べ188百万円減少して1,324百万円となりました。
探鉱費の減少の主な要因は、海外において、主に英領北海における海上鉱区での探鉱作業の減少によるものであります。
(売上高の状況)
当連結会計年度の売上高の構成は、「原油・天然ガス」が176,051百万円(構成比76.3%)、「請負」が8,484百万円(構成比3.7%)、「その他」が46,093百万円(構成比20.0%)となっております。
以下、最も割合の大きい「原油・天然ガス」について分析いたします。
原油の販売数量は、主にイラク共和国ガラフ油田の販売数量が減少したことなどにより2,346千klと前連結会計年度に比べ324千kl減少(△12.1%)となった一方で、原油の販売価格が前述(為替レートと油価)の項目で述べましたとおり上昇したことにより、原油の売上高は89,173百万円と前連結会計年度に比べ7,744百万円増加(+9.5%)しております。
天然ガスの販売数量は、主にカナダ国ノースモントニー鉱区の天然ガス販売数量が減少したことなどにより、1,773百万㎥と前連結会計年度に比べ91百万㎥減少(△4.9%)しましたが、一方で天然ガスの販売価格は前連結会計年度に比べ4.41円/㎥上昇して34.08円/㎥となったことにより、天然ガスの売上高は60,431百万円と前連結会計年度に比べ5,101百万円増加(+9.2%)しております。
液化天然ガスは、前連結会計年度に比べ17千トン減少(△4.4%)の380千トンを販売し、売上高は21,935百万円と前連結会計年度に比べ1,656百万円増加(+8.2%)しました。
希釈ビチューメンは、JACOSハンギングストーン鉱区における拡張開発事業の生産操業開始に伴い、販売数量は160千klと前連結会計年度のDEMOエリアにおけるビチューメンと比べ68千kl増加(+74.8%)となり、売上高は4,512百万円と前連結会計年度に比べ3,842百万円増加(+573.8%)しております。
(営業費用)
売上原価は191,366百万円と前連結会計年度に比べ16,408百万円増加しております。これは主に、原油価格上昇の影響を受けたLNGのCIF価格上昇に伴うLNG仕入価格の上昇などによるものであります。
販売費及び一般管理費は29,173百万円と前連結会計年度に比べ801百万円減少しました。
探鉱費については、前述(探鉱活動)をご参照ください。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ8,079百万円増益の8,764百万円となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、為替差益が減少となる一方、主に有価証券売却益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ792百万円増加の8,806百万円となりました。
営業外費用は、主にJACOSにおいて、DEMOエリアでのSAGD法によるビチューメン生産操業を終了したことに伴いDEMOエリアに係る有形固定資産を生産高比例法により償却し休止固定資産減価償却費として計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ7,265百万円増加の13,743百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ1,606百万円増益の3,828百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、補助金収入の計上などにより、前連結会計年度に比べ3,701百万円増加の5,002百万円となりました。
特別損失は、JMLにおいてPNW事業の事業化取りやめ決定を受け、PNW事業を前提としない上流事業として開発計画を見直した結果、上流事業に係る事業用資産の減損損失を計上したことや、PNW事業に関連するパイプライン建設計画の解約費用を特別損失その他に計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ77,903百万円増加の78,234百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純損益は前連結会計年度に比べ72,596百万円減益の税金等調整前当期純損失69,403百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は239百万円(前連結会計年度に比べ1,402百万円減少)となり、非支配株主に帰属する当期純損失は38,683百万円(前連結会計年度は1,892百万円の非支配株主に帰属する当期純損失)となりました。
以上の結果、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した後の親会社株主に帰属する当期純損益は前連結会計年度に比べ34,401百万円減益の30,958百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主な内訳は、営業活動における運転資金と投資活動における設備投資や海外事業投資のための資金になります。
運転資金は、主に内部資金により調達しておりますが、資金効率の向上を図るためCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を用い当社グループ内で融通することで有利子負債を圧縮しており、また、効率的な資金調達を目的として当連結会計年度末において取引銀行7行と総額134,061百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
設備投資や海外事業投資のための資金は、投資金額が多額な場合、手元流動性とのバランスやその投資の性質を勘案し、長期の借入を行うことがあります。当連結会計年度末の長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は、140,769百万円となっており、主な内訳は、インドネシアのカンゲアン鉱区の開発資金宛て借入が8,499百万円、カナダ国におけるオイルサンド開発資金及びシェールガス開発資金宛て借入がそれぞれ67,407百万円、61,052百万円であります。
この他、当社グループは偶発債務として、海外のプロジェクト会社の事業資金宛て銀行借入及び当社従業員の住宅ローン等に対する保証債務が、当連結会計年度末において18,076百万円ありますが、これらに対する支払準備は、預金及び市場性のある有価証券により流動性を確保しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、前述のとおり当連結会計年度は大きな損失となりましたが、2030年に目指す姿を実現するために、油価60米ドル/バレルの前提のもとで、2022年度にROE≧5%の水準となることを目標に、収益改善を目指していきます。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
石油・天然ガス関連事業
|
契約当事者 |
契約の要旨 |
|
|
石油資源開発㈱ (提出会社)
日本海洋石油資源開発㈱ (連結子会社)
三菱瓦斯化学㈱ |
契約年月日 |
昭和58年2月23日 |
|
契約期間 |
昭和58年2月9日から共同開発終了まで |
|
|
契約内容 |
新潟県岩船沖海域における石油、天然ガスの探鉱開発及び生産の共同事業に関する契約。 各社の持分比率は次のとおりです。 石油資源開発㈱ 46.667% 日本海洋石油資源開発㈱ 33.333% 三菱瓦斯化学㈱ 20.000% |
|
|
石油資源開発㈱ (提出会社)
マレーシアLNGティガ社 |
契約年月日 |
平成14年4月9日 |
|
契約期間 |
平成14年4月から20年間 |
|
|
契約内容 |
マレーシアLNG第3プロジェクト(同国サラワク州)からのLNG購入に係るマレーシアLNGティガ社との長期売買契約。 |
|
|
|
主な契約条件は次のとおりです。 (1)数量 最大48万t/年 各年度において、所定の数量を引取らなかった場合、価格相当額を支払う義務を負い(テイク・オア・ペイ)、後年度において当該引取未達相当量の引渡を請求する権利を有しております。 |
|
|
|
(2)引渡条件 Ex-Ship(着桟渡し) 日本海エル・エヌ・ジー㈱の新潟基地にて引渡を受けることとなっております。 |
|
|
㈱ジャペックスガラフ (連結子会社)
イラク南部石油公社 ペトロナス社 (マレーシア国営石油会社) イラク北部石油公社 |
契約年月日 |
平成22年1月18日 (平成22年3月31日付にて、提出会社より契約上の権利義務を譲受けた。) |
|
契約期間 |
平成22年2月より20年間 |
|
|
契約内容 |
イラク南部のガラフ油田における開発生産サービス契約(*)。
(*)開発生産サービス契約:石油開発会社が必要な資金と技術を提供して開発を行い、生産される原油・天然ガスの一定割合から投下資金を回収し、予め定められた生産量あたりの報酬額に応じて、報酬を受け取ることができる形式の契約 コントラクター各社の参加比率は次のとおりです。 ペトロナス社 45% |
|
|
ジャペックス モントニー社 (連結子会社)
プログレス ベンチャーズ社 (のち、プログレス エナジー カナダ社) |
契約年月日 |
平成25年3月29日 |
|
契約内容 |
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州のシェールガス開発・生産プロジェクトに係る上流権益の売買契約。 ペトロナス社の推進するシェールガス開発・生産プロジェクト及び同州西海岸で検討中のLNGプロジェクトへの参画に関するペトロナス社との基本合意に基づき、同州ノースモントニー地域のシェールガス鉱区にプログレス ベンチャーズ社(のち、プログレス エナジー カナダ社)(ペトロナス社の子会社)が所有する当該権益の一部(権益全体の10%)を取得しております。 |
|
なお、当連結会計年度における、経営上の重要な契約等についての重要な変更等は、次のとおりであります。
契約当事者:石油資源開発㈱(提出会社)
パシフィック ノースウェスト エルエヌジー社(Pacific NorthWest LNG)
契約年月日:平成25年4月26日
契約内容 :カナダ ブリティッシュ・コロンビア州のシェールガス開発・生産プロジェクトからのLNG引き取
りに関する契約。
ペトロナス社が同州西海岸で検討中のLNGプロジェクト(Pacific NorthWest LNGプロジェクト、
生産量1,200万t/年)の10%相当のLNG(120万t/年)を引き取る権利を取得しております。
平成29年7月25日(カナダ バンクーバー現地時間)に事業会社であるPacific NorthWest LNGがLNGプロジェクトの事業化を進めないことを決定いたしましたので、本契約は失効しました。
当社グループは、事業に直結する課題にとどまらず、次世代技術及び新規事業分野への進出をも見据えて、探鉱(地質)、物理探査、生産等の技術部門並びにこれらの技術が活用可能な環境事業分野において具体的テーマを選定し、研究開発及び調査等を実施しております。
当連結会計年度における研究課題、研究開発費等をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
①日本
|
研究課題 |
目的 |
研究当事者 (研究体制) |
研究開発費 (百万円) |
|
海上データ取得技術の高精度化研究 |
海外データ取得技術に関し、ブロードバンドデータ取得についての検討並びに当社技術者の海上データ取得及び処理に対する技術向上を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
17 |
|
マイクロサイスミック技術開発 |
CCSにおけるCO2挙動モニタリング、油ガス層長期モニタリング、地熱開発に伴う微小地震観測、岩盤タンクモニタリング等のマイクロサイスミック技術に関する開発を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
17 |
|
低周波地震探査調査法研究 |
低周波地震探査に向けた震源及び受振システムに関するデータ取得技術の改良、及び基礎実証データの取得・検証を通じて、深部構造イメージングに関わる高度化手法の開発を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
16 |
|
フルウェーブインバージョン技術の研究 |
深部構造イメージングの高精度化の開発を進めるとともに、3次元化等の拡張を図ることを目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
14 |
|
重質油回収技術の開発 |
新しいSolvent Hybrid SAGDプロセスのシミュレーション方法を開発し、ビチューメンの回収率を最大化する手法の検討を行う。 |
石油資源開発㈱ (アルバータ大学と共同で実施) |
13 |
|
フラクチャーシステム評価法研究 |
シェールオイル・ガス並びに地熱におけるフラクチャー型貯留層の可視化を図り、フラクチャーシステムの評価技術の高精度化を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
11 |
|
海域における高分解能探査手法 |
海域における資源調査等に資するため、種々の高分解能物理探査技術の開発を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
10 |
|
衛星画像検索ツールの実利用研究 |
雲量情報及び統計量情報等を広域検索に効果的に利用できるインテリジェントな検索アルゴリズムを持つツールの開発を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
10 |
|
その他 |
- |
石油資源開発㈱ ㈱地球科学総合研究所 |
66 |
|
合計 |
|
|
178 |
②北米
|
研究課題 |
目的 |
研究当事者 (研究体制) |
研究開発費 (百万円) |
|
オイルサンドに係る技術開発 |
油層評価手法及び生産プロセス改善手法の開発を行う。 |
Japan Canada Oil Sands Limited (カナダ アルバータ州等と共同で実施) |
14 |