文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本経営方針
当社グループは、1955年の創業以来、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売を中心事業とする企業として、埋蔵量の確保と生産の拡大を図ることを通じて我が国のエネルギーの供給に貢献することを使命に、石油・天然ガスの発見を重ねながら現在の経営基盤を確立してまいりました。
供給規模の拡大に伴い、安定供給に対する当社グループの社会的責任は益々増加するとともに、世界的な脱炭素化の進展による不可逆的なエネルギー需給構造等の変化を踏まえた新たなビジネスモデルの構築が極めて重要となることから、当社は、経営環境の変化に対応しながら市場競争力を持った企業として発展することを目指し、次のとおり当社企業グループの経営理念を掲げております。
「私たちは、エネルギーの安定供給を通じた社会貢献を使命とするとともに、持続可能な開発目標の実現に向けた社会的課題の解決に取り組みます。」
・国内外において、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売に取り組みます。
・当社国内インフラ基盤を活用したガスサプライチェーンを、電力供給を加えてさらに強化します。
・当社の技術と知見を活かした新技術開発とその事業化を通じて、特に、エネルギーや気候変動に係る持続可能な社会への課題解決に貢献します。
・すべてのステークホルダーとの信頼を最優先とし、企業としての持続的な発展と企業価値の最大化を図ります。
(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
当社は、2018年5月に策定した「長期ビジョン2030」と「中期事業計画2018-2022」に基づき、石油・天然ガスE&Pとその供給基盤を活かした総合エネルギー企業への成長に向けた取組みを進めてきました。石油・天然ガスE&Pについては、ポートフォリオの適正化を通じた収益性の向上等を目的として、2021年度においてカナダ・シェールガスプロジェクト及びカナダ・オイルサンドプロジェクトの事業を終結しました。また、株主還元拡充及び資本効率向上を目的として、2021年11月の取締役会決議に基づき自己株式を取得しています。(自己株式を取得する期間は2021年11月10日から2022年11月9日までとし、その全数を2022年11月30日付で消却する予定です。)
一方で、世界的な脱炭素化の進展による不可逆的なエネルギー需要構造等の変化を踏まえ、2021年5月には、カーボンニュートラル社会実現に向けて当社が果たすべき責務と今後の事業展開の方向性を整理した「JAPEX2050~カーボンニュートラル社会の実現に向けて~」(以下、「JAPEX2050」)を策定しました。
このように当社を取り巻く事業環境が大きく変化したことを踏まえ、当社は、収益力強化と「JAPEX2050」で示した事業構造への移行を目指す中長期の経営計画として「JAPEX経営計画2022-2030」を2022年3月に新たに策定しました。
「JAPEX2050」及び「JAPEX経営計画2022-2030」の要旨は以下のとおりです。
[JAPEX2050]
1) GHG排出削減目標
①自社操業の排出量(Scope1+Scope2)の「2050年ネットゼロ」実現
第1段階として、当社操業のCO2排出原単位を2030年度までに、2019年度比で40%削減します。
(注)Scope1:事業者又は家庭が所有又は管理する排出源から発生する温室効果ガスの直接排出
Scope2:電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出
②自社サプライチェーン排出量(Scope3)の削減に寄与する事業領域の強化
CO2実質排出量削減を目指し、新たな技術の確立や環境負荷の低いエネルギー供給で貢献します。
(注)Scope3:Scope2を除くサプライチェーンの間接排出
2) カーボンニュートラル社会実現に向け注力する取り組み
①CO2圧入・貯留技術を核としたネットゼロ達成へ貢献する分野の事業化
国内トップランナーとして、CCS/CCUSの早期の実用化と事業化を目指します。
・実施候補地点(深部塩水層)の調査・選定、圧入坑井の掘削、貯留したCO2のモニタリング等で、石油・天然ガスE&Pで培った当社の強みを最大限に活用
・分離・回収されたCO2の輸送に関しては、天然ガス・LNG(液化天然ガス)供給に関する経験や知見を活用し貢献
CCS/CCUSとの連携が期待できる、カーボンニュートラルに関する協業や参入を目指します。
・BECCS(Bio-energy with Carbon Capture and Storage:CCS付きバイオマス発電)、CCS付き天然ガス火力発電所等を想定
・ブルー水素や、メタネーション等のカーボンリサイクル分野への参入を視野
②再生可能エネルギープロジェクトの参画拡大
従来事業の知見や経験を活かしながら、当社が参画する再生可能エネルギープロジェクトの拡大を目指して
いきます。
・特にE&Pの知見・経験との親和性が高いバイオマスと洋上風力を中心に、候補案件の拡大を含む事業化検討を推進
③石油・天然ガスの安定供給
石油・天然ガスは今後も世界の主要なエネルギーの一つであるという認識のもと、当社はその需要に引き続
き応えていきます。
「石油・天然ガスからの完全な脱却」ではなく、CCS/CCUS等脱炭素技術の併用による「カーボンニュートラル社会」の実現を、総合エネルギー企業として目指していきます。
・天然ガス開発プロジェクトへの参画と、参画プロジェクトへのCCS/CCUS導入検討
・石炭や重油からの燃料転換需要に対応する、天然ガス・LNGの多様な供給方式の横展開
[JAPEX経営計画2022-2030]
1) 基本方針
収益力の強化と、2030年以降を見据えた事業基盤の構築
・E&P分野、インフラ・ユーティリティ分野、カーボンニュートラル分野における重点項目の推進を通じて、資本コストに見合う利益水準の達成と株主還元の強化を実現
2) 経営目標
①定量目標
・事業利益:2026年度に300億円、2030年度に500億円
・ROE:2026年度に5%、2030年度に8%
・利益構成(E&P分野:E&P以外の分野):2026年度に6:4、2030年度に5:5
(注)事業利益:各分野の営業利益および持分法投資利益等(投資事業有限責任組合契約や匿名組合契約にもとづき分配される利益を含む)の合計から、本社管理費等の約60億円を減じた値。原油価格想定はJCC50USD/bbl。
②カーボンニュートラル関連目標
・2030年度までに当社既存国内油ガス田等を活用したハブ&クラスター型CCS/CCUSモデル事業を立ち上げ
・2030年度までに自社操業におけるGHG排出原単位を2019年度比40%削減
3) 資金配分
・キャッシュイン5,000億円のうち、4,500億円を成長投資に、500億円を株主還元に配分
4)分野別事業利益目標と重点項目
①E&P分野
早期の収益規模拡大へ貢献しつつ、低炭素化へも対応
・事業利益目標:2026年度に230億円、2030年度に270億円
・重点項目
国内:既存油ガス田における石油・天然ガスの安定生産、既存油ガス田および周辺の追加開発、
油ガス生産操業拠点のGHG排出量削減対応
海外:既存プロジェクトの着実な遂行、新規権益取得
②インフラ・ユーティリティ分野
油価変動等の外部環境の変化に耐えうる事業構造への移行
・事業利益目標:2026年度に120億円、2030年度に270億円
・重点項目
国内:ガス供給量の維持・拡大、FGP発電所の安定運転継続、再生可能エネルギー開発中案件の
着実な進捗と参入案件追加
海外:LNG供給インフラ開発案件への参入、再生可能エネルギー参入検討
(注)FGP:福島天然ガス発電所を運営する、福島ガス発電株式会社(当社33%出資)の略
③カーボンニュートラル分野
2050年カーボンニュートラル社会への円滑な移行に貢献
・事業利益目標:2026年度に10億円、2030年度に20億円
・重点項目
国内:既存油ガス田等を活用したハブ&クラスター型CCS/CCUSモデル事業立ち上げ等
海外:CCS先進地域での案件参入、新興国におけるCCS/CCUS実現可能性調査への参加
5) 株主還元
2023年3月期中間・期末配当から、連結配当性向30%を目安に各期の業績に応じた配当を行うことを基本方針としつつ、事業環境の変化等により一時的に業績が悪化した場合でも、一株当たり年間50円配当の維持に努めます。(ただし、特別損益等の特殊要因により親会社株主に帰属する当期純利益が大きく変動する事業年度については、その影響を考慮し配当額を決定します。)
上記の取組みを通じて、2050年カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指しつつ、収益力の強化と中長期の事業基盤構築を図ってまいります。
以下には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。
当社では、経営リスク委員会をはじめとした各種社内委員会を用いてリスクの管理を行っていますが、詳細については後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項(リスク管理体制の整備の状況)」をご参照ください。
なお、以下のリスクは、経営リスク委員会及び取締役会での議論を経て、当社が主要なリスクとして判断したリスクであり、以下に記載していないリスクにより、当社グループの経営成績及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。
1 商品市況及び為替に関するリスク
(1) 原油・天然ガス価格の変動リスク
当社グループは、国内外でE&P事業と国内においてインフラ・ユーティリティ事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。
例えば、当社の2023年3月期の営業利益は、油価が1米ドル/バレル増減すると240百万円増減すると試算しております。この増減額には、原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減及びそれによる国内天然ガスと電力の販売価格の増減による影響等を含みます。但し、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。
さらに、原油、天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業用資産の帳簿価額を将来の収益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替の変動リスク
当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガス及び輸入LNGを燃料とした電力の国内販売価格にも影響を与えますが、仕入れ価格も同様の影響を受けます。
当社の2023年3月期の営業利益は、為替が1円/米ドル増減すると410百万円増減すると見込んでおります。
2 事業に関するリスク
1.E&P事業
(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク
当社によるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。
① 探鉱投資に関するリスク
探鉱活動においては、まずは対象地域の地質状況や地層の分析、物理探査などで地質構造を把握し、有望と評価された場合に試掘を行い油ガス層の広がりや資源量を確認します。しかし、近年の発達した探査技術によっても地質的な不確実性を排除することはできず、期待した規模の原油、天然ガスを必ずしも発見できるとは限らないため、探鉱活動の不成功によりそれまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。
② 開発投資に関するリスク
油・ガス田の開発移行にあたっては、探鉱活動により得られた資源量の見込みや、それを経済的に生産するための坑井、生産・輸送設備等の建設費及び操業費、生産物の販売価格等の見込みといったその時点で得られる様々な情報、想定に基づき合理的に最終投資決定を行うよう努めています。しかし、その後に行う詳細な技術検討による設備仕様の変更や、開発に必要な資機材やサービスの価格高騰、政府等による許認可手続きや掘削等の作業の遅延、生産段階における新たな地質的問題の発生や原油価格・天然ガス価格の下落といった様々な要因により、最終投資決定ができない、又は最終投資決定時の想定と比べて事業の収益性が低下することで、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。
③ 将来の廃鉱に関するリスク
当社グループが現在生産を行っている坑井及び鉱山等については、生産終了後に廃鉱作業を実施する必要があります。当社グループは、現在の見積りに基づく廃鉱に関連して発生する費用の現在価値を資産除去債務として計上しております。将来的に、廃鉱作業計画の変更や法令等の規制強化、又は資機材の高騰等により、当該見積り額が不足すると見込まれる場合には、資産除去債務額の積み増しが必要になり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、資産除去債務の詳細は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。
④ 投資回収期間の長さによるリスク
E&P事業では、初期の基礎的な調査から掘さく作業を経て資源の発見に至るまでの探鉱段階及び資源の発見に至った後に開発井の掘さく、生産設備や輸送設備の建設等を伴う開発段階において、長い期間と多額の投資が必要となります。従って、事業に着手してから投資額を回収し、利益に寄与するまでに長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境の変化により、投資額の増大(開発スケジュールの遅延に起因するものを含みます。)、需要の減少、販売単価の下落、操業費の増加、為替の変動等が発生し、事業の収益性が低下し、それまでに投じた支出の回収ができず、投資損失が発生する可能性があります。
⑤ 埋蔵量・生産量に関するリスク
E&P事業の維持発展には、継続的な鉱区権益の取得、探鉱、開発の取組みによって生産活動に伴い減少する埋蔵量・生産量を中長期的に補填・拡大していく必要がありますが、前記「① 探鉱投資に関するリスク」から「④ 投資回収期間の長さによるリスク」に掲げるリスクや後記の海外E&P事業に係るリスク及び気候変動に関するリスク等が存在するため、これらが成功しない場合には、将来的に埋蔵量・生産量が減少し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
埋蔵量は、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。詳細は後記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」をご参照ください。
(2) 海外E&P事業投資に特有のリスク
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海外E&P事業には、前記「(1) E&P事業投資(探鉱投資、開発投資等)に関するリスク」に加えて、一般的な傾向として以下のようなリスクがあります。 ① カントリーリスク 海外E&P事業の一部はカントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあり、これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含みます。)、法制や税制もしくは政策等の変更が、当社グループの海外事業の円滑な遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
② マーケットリスク
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海外E&P事業で生産された原油・天然ガスは、事業収益を最大化すべく、パイプライン等による輸送能力や生産販売コスト等を総合的に考慮した上でプロジェクトごとに最も有利なマーケットを選択し販売しますが、製品の性状や需給環境等の要因により、代表的な原油・天然ガス価格指標(WTIやHenry Hubなど)と比べて大幅なディスカウント販売を余儀なくされ、事業の収益性が悪化する可能性があります。
③ パートナーリスク
共同事業にかかわる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業において、当社は支配的権限を有しません。そのため、探鉱・開発計画の決定等の場面において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。 なお、相当規模の資金を要する主な生産中の海外E&P事業については、後記「(3)海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク」のとおりです。 |
(3) 海外E&P事業の主な個別プロジェクトに係るリスク
① イラク ガラフ油田開発プロジェクト
当社は、連結子会社㈱ジャペックスガラフへの出資を通じて(2022年3月期末の出資比率 55.00%)、イラク共和国南部におけるガラフ油田開発生産プロジェクトに参画し(同社参加比率30%、資金負担比率40%)、オペレーターであるPETRONAS Carigali Iraq Holding B.V.(ペトロナス社の子会社)と共同で開発事業を推進しております。
2013年8月に生産を開始し、現在、原油増産に向けて最終開発計画に基づき、引き取り原油の販売収入を設備投資に充当しながら追加開発作業を進めております。
同プロジェクトにおいては、同国の政治・社会・治安状況等の悪化や石油輸出国機構(OPEC)による協調減産の合意等により、生産量や販売量及び売上高や営業利益が減少する可能性があります。また、コストの増加や開発スケジュールの遅延又は生産量の減少が生じた場合等には、設備投資に充当する原油販売収入が不足し、同社に対する当社資金負担額が増加する可能性があります。
② ロシア サハリン1プロジェクト
当社は、サハリン石油ガス開発㈱への出資を通じて(2022年3月期末の出資比率 15.29%)、ロシア・サハリン島沖合における原油・天然ガス開発事業(サハリン1プロジェクト)に参画しております。
サハリン1プロジェクトにおける原油・ガスの生産販売にあたっては、上記「1 商品市況及び為替に関するリスク(1)原油・天然ガス価格の変動リスク」に記載のとおり、その営業利益は、原油価格や天然ガス価格の変動により大きな影響を受けます。サハリン石油ガス開発㈱は当社の重要な関連会社であり、当該要因により同社の営業利益が大きく減少した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ウクライナ情勢の緊迫化を受け、同事業のオペレーターである米ExxonMobilが、2022年3月1日、同事業から撤退する方針を表明しております。また、ロシアに対する経済制裁の影響により長期にわたる事業活動への制約が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.インフラ・ユーティリティ事業
(1) 天然ガス販売等に関するリスク
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当社は、E&P事業における諸リスクの影響を緩和する観点からインフラ・ユーティリティ事業の一部として天然ガス取扱量の拡大に取り組んでおります。既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓やパイプライン沿線外でのタンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に積極的に取り組んでいるものの、少子高齢化に伴う人口減や、需要家の設備稼働率の低下、他社との競合関係激化等を要因として、既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、新規需要開拓の不調、又は販売単価の下落等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、将来の販売量見込みに基づき必要となるLNGについて、長期契約及びスポット契約を組み合わせること等により、調達の安定性と需要変動への柔軟性を両立する調達に努めておりますが、想定外の需要減少等が発生した場合には、スポットによる調達量の調整のみで対応できず、長期契約に基づくLNG数量に係る未達補償料の支払いや安値での転売等が必要となる可能性があります。 |
当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、LNGの調達価格が短期的に上昇した場合には十分な転嫁が行えず、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 天然ガス火力発電事業に関するリスク
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当社は、福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の推進主体である福島ガス発電㈱に出資しており(2022年3月期末の出資比率33.30%)、出資比率相当の同社発電能力を利用した電力事業を行っております。 |
当社は、自社で引き取る電力の相当部分について小売電気事業者を中心とする複数の顧客と長期の販売契約を締結しておりますが、発電所設備トラブルによる代替電力の調達や、電源間の競合激化等により電力販売量の減少や販売単価の下落等が将来発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.事業全体
(1) 事故・災害等に関するリスク
当社グループでは、坑井の掘さく、原油や天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業に関して、設備(天然ガスパイプライン等)の健全性維持や、保安体制及びBCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策の整備等に努めておりますが、操業上の事故や災害(異常気象・地震等の自然災害を含みます。)、疫病の蔓延(パンデミック)、犯罪やテロリズム(サイバーセキュリティに関するものを含む)の発生によって、人的・物的損害が発生したり油・ガス田等の操業ができなくなったりするリスクを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、その損害の全てが保険によりカバーされるわけではなく、また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスク
依然として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束する見通しは不透明な状況にあり、同感染症の拡大及びそれに伴う各国での対応(都市封鎖、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等)により、石油・天然ガス・電力の需要が減少し、さらには、原油価格・天然ガス価格・電力価格が下落する可能性があります。また、当社従業員への感染や当社従業員又は事業活動に必要な資機材等の移動が制限されることにより、当社の事業活動が停滞し、遅延する可能性があります。
なお、当社では、感染予防・拡大防止策を継続しており、社内に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応に係る緊急対策本部を設置し、フレックスタイム制の拡大、在宅勤務の実施、不急の国内外の出張の規制、ワクチンの職域接種のほか、国内操業現場においては、中央監視制御室への入室制限等を実施しています。
(3) 気候変動に関するリスク
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パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取組みが世界的に進められており、低炭素社会実現に向けた動きが加速しております。 |
当社は、気候変動対応の重要性を認識し、TCFD提言に基づいてガバナンス、事業戦略、リスク管理、排出量管理等の分野で必要な取組みを進めております。気候変動に関するリスクのうち、社会の低炭素化・脱炭素化への移行に伴うリスク(政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク等)及び災害発生による物理的リスク(台風等の突発的な気象事象に伴う急性リスク及び海面上昇等の長期的な気候変化に伴う慢性リスク)が中長期的に顕在化することに伴い、各国において気候変動政策が強化され、炭素税を始めとする環境関連法規等が変更・新規導入された場合、国内外の石油・天然ガス需要の減少、販売価格の長期低迷及び追加的な費用負担等により事業価値が毀損される可能性があります。
(4) 新規案件獲得ならびに新規事業成立に関するリスク
当社では、「第2 事業の概況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2021年5月にカーボンニュートラル社会実現に向けて当社が果たすべき責務と取り組むべき課題、今後の自社対応及び事業展開の方向性を整理した「JAPEX2050」を公表し、2022年3月には、「JAPEX2050」で示した事業構造への移行を目指す中長期の経営計画として「JAPEX経営計画2022-2030」を公表しました。「JAPEX2050」及び「JAPEX経営計画2022-2030」では、事業基盤として、E&P分野、再生可能エネルギーの供給を中心としたインフラ・ユーティリティ分野、その他CCS(CO2の回収・貯留)/CCUS(CO2の回収・有効活用・貯留)に係るカーボンニュートラル分野に取組むことを掲げていますが、かかる取組みにおいて新規案件獲得ならびに新規事業成立が進まない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3 固有の法規について
(1) ガス事業、電気事業に係る法規
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我が国のガス事業においては、競争原理の導入を目指した様々な規制緩和の一環として、2017年4月1日に改正ガス事業法が施行され、従来第三者託送義務が課されている天然ガスパイプラインに加え、一定規模以上のLNG基地に対し、ガス事業法の規制下で新たに第三者開放が義務付けられることになりました。当社では、こうした規制緩和の流れが、我が国のガス市場全体の活性化と天然ガスの需要拡大をもたらすとともに、当社グループのマーケティングの自由度を高め、事業領域や顧客基盤の拡大につながるものと考えております。一方で、このような構造改革の進展は厳しい価格競争をもたらし、当社グループの天然ガス販売にも悪影響を及ぼす可能性があります。 |
また、電力事業についても、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、家庭をはじめとする需要家の選択肢や企業の事業機会の拡大を目指す電力システム改革が政府により進められており、電気事業に係る政策の見直しやこれに伴う市況の変化等により、将来における当社の電力販売に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) その他当社グループ事業に係る固有法規
当社グループの事業は、その特性上、操業の過程で環境に対して様々な負荷を与え、また与える可能性があります。このため当社グループでは、鉱山保安法、高圧ガス保安法等の関連法令に基づいて、監督官庁からの許認可取得、届出、販売先への製品情報の提供等、必要な手続きについて適法かつ適正な処理を行っており、これまで重大な問題が発生したことはありません。但し、世界的な環境意識の高まりにより現行の法規制が強化された場合には、追加の設備・操業対策に係る費用の増加等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
4 ㈱INPEXの株価変動に伴うリスクについて
当社は、2022年3月期末現在、㈱INPEX株式を3.85%保有しており、当社グループの当連結会計年度末の投資有価証券の残高108,910百万円のうち同社株式は76,963百万円となっております。同社株価が変動した場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5 国の保有する当社株式について
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当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しましたが、この結果、同公団の所有株式数の割合は、65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い、2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継されるとともに、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより、当該保有株式のうち15.94%相当分が売却された結果、2022年3月31日現在で、自己株式を控除して算出した同大臣の所有株式数の割合は34.88%であります。残る株式についても引き続き売却される可能性があり、その時期、方法、数量等によっては、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該株式の保有に関して、国と当社との間には、「定款の変更」「資本金の増減、または社債の発行」「決算および利益金の処分」「営業の一部もしくは全部の譲り渡し、または譲り受け」「役員候補者の決定」「資産または事業経営に重要な影響のある事項」に関して、国との間で協議を行う旨を定めた覚書が存在しております。当該覚書の運用は当社の経営の独立性を尊重する形で行われており、当該覚書の存在が、当社の事業の妨げとなったり、事業内容の制約となったりしたことはありません。 |
6 コンプライアンス等について
当社グループが国内外で事業を行う上では、以下のような社会的責任を果たす必要があります。
① 法令遵守
会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法や、鉱業法、ガス事業法等の各種業法を含む法令を遵守すること。
② 情報セキュリティ対策の実施
業務を遂行する上で収集される個人情報を含む秘密情報が漏洩したり目的外に利用したりすることのないよう適切に管理すること。
③ 不公正取引の遮断
贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引を行わないこと。
④ 人権の尊重
サプライチェーン全体において、差別やハラスメント、強制労働や児童労働、先住民の権利への不当な干渉といった人権侵害を行わない、またはこれらに加担しないこと。
当社グループは、これらの社会的責任を果たすために、社内研修等を通して役職員のコンプライアンス意識・人権意識の向上に努める他、社内規程、委員会(後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」参照)を整備するとともに、社内監査、財務報告に係る内部統制システム等の必要な制度を構築しているものの、当社役職員による違法または不正な行為があった場合には、油・ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった有形の損害に加え、社会的信用の失墜といった無形の損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあり、一時的に個人消費や鉱工業生産には持ち直しの動きがみられましたが、回復の動きは弱く不透明な状況にあります。
原油CIF価格は、年度当初の1バレル60ドル台後半から、経済活動の正常化の加速を背景に上昇基調で推移しました。2月以降、ウクライナ情勢の緊迫化に伴うロシアからの原油・天然ガスの供給不安等により騰勢を強め、年度末では90ドル台前半となっております。
為替相場は、年度当初は1米ドル100円台後半でしたが、年度後半にかけて円安傾向が強まり、年度末時点では110円台半ばとなっております。この結果、当社グループの原油販売価格は、前連結会計年度に比べ、年度平均では上昇しました。
一方、国内の天然ガス販売については、石油製品等の競合燃料との価格競争に加え、電力・ガス小売全面自由化のもとエネルギー業界全体で競争が継続し、市場環境は当社グループにとって引き続き厳しい状況にありました。
このような状況のもとで、当社グループは、2018年5月に公表した「長期ビジョン2030・中期事業計画2018-2022」に基づき、事業を推進してまいりました。一方で、世界的な脱炭素化の更なる加速等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、これらの変化に迅速かつ柔軟に対応する必要が生じております。そのため、当連結会計年度においては、世界的な2050年のCО2実質排出量ゼロ達成のために、当社が果たすべき責務と取り組む課題を整理し、今後の当社の対応方針及び事業展開の方向性を示した「JAPEX2050」を2021年5月に、また、収益力の強化と2030年以降を見据えた事業基盤の構築を基本方針とする「JAPEX経営計画2022-2030」を2022年3月に、それぞれ策定・公表しました。これらに基づき、今後も鋭意事業を推進してまいります。
当連結会計年度の売上高は249,140百万円と前連結会計年度に比べ9,062百万円の増収(+3.8%)となり、売上総利益は、49,903百万円と前連結会計年度に比べ13,368百万円の増益(+36.6%)となりました。前連結会計年度に比べ増収増益となった主な要因は、原油買入販売の大半が収益認識に関する会計基準の適用に伴う純額表示により減収となったものの、原油価格の上昇により、国内原油及び希釈ビチューメンの販売収支が改善したことなどによるものです。
探鉱費は、359百万円と前連結会計年度に比べ629百万円減少(△63.6%)し、販売費及び一般管理費は29,734百万円と前連結会計年度に比べ1,618百万円減少(△5.2%)した結果、営業利益は19,809百万円と前連結会計年度に比べ15,616百万円の増益(+372.5%)となりました。
経常利益は、主に為替差損が為替差益に転じたことや、持分法による投資利益が増加したことなどにより、43,674百万円と前連結会計年度に比べ33,672百万円の増益(+336.7%)となりました。
税金等調整前当期純損失は、政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却益を計上したものの、カナダ・オイルサンドプロジェクトを推進する連結子会社であるJapan Canada Oil Sands Limited(以下、「JACOS」)の全株式を譲渡したことによる子会社株式売却損や、JAPEX Montney Ltd.(以下、「JML」)が保有するカナダ国ブリティッシュ・コロンビア州ノースモントニー地域のシェールガス鉱区の権益譲渡による権益譲渡損を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ11,178百万円減益の18,501百万円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ28,262百万円減益の30,988百万円となりました。
なお、売上高の内訳は次のとおりであります。
(イ)E&P事業
E&P事業の売上高は、主に原油及び希釈ビチューメンの販売価格が上昇したものの、原油買入販売の大半が純額表示の影響を受けて減少した結果、73,422百万円と前連結会計年度に比べ24,059百万円の減収(△24.7%)となりました。
(ロ)インフラ・ユーティリティ事業
インフラ・ユーティリティ事業の売上高は、天然ガス(国内)の販売数量が減少したものの、天然ガス(国内)、液化天然ガス及び電力の販売価格上昇などにより、119,845百万円と前連結会計年度に比べ18,543百万円の増収(+18.3%)となりました。
(ハ)その他の事業
請負(掘さく工事及び地質調査の受注等)、液化石油ガス(LPG)・重油等の石油製品等の販売及びその他業務受託等の売上高は、55,872百万円と前連結会計年度に比べ14,578百万円の増収(+35.3%)となりました。
主なセグメントごとの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。
日本
日本セグメントの売上高は、主に原油及び天然ガス(LNG含む)、電力、請負及び石油製品等により構成され
ております。当連結会計年度における売上高は、原油、天然ガス及び電力などの販売価格が上昇したものの、収
益認識に関する会計基準の適用により、代理人取引について総額表示から純額表示に変更したことから、192,669百万円と前連結会計年度に比べ20,649百万円の減収(△9.7%)となりました。セグメント利益は、原油
及び天然ガス販売収支の改善などにより、前連結会計年度に比べ2,751百万円増益(+12.5%)の24,739百万円となりました。
北米
北米セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(希釈ビチューメン含む)により構成されております。当連
結会計年度における売上高は、主にJACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメンの販売価格が改善
したことなどにより、33,814百万円と前連結会計年度に比べ7,748百万円の増収(+29.7%)となりました。セグメント損益は、前連結会計年度に比べ11,163百万円増益の、1,789百万円のセグメント利益(前連結会計年度は9,374百万円のセグメント損失)となりました。
欧州
欧州セグメントにおいては、英領北海アバディーン沖合に位置する海上鉱区での開発作業を実施しております。当連結会計年度におけるセグメント損失は、151百万円(前連結会計年度は132百万円のセグメント損失)となりました。
中東
中東セグメントの売上高は、原油により構成されております。当連結会計年度における売上高は、主に販売価格が上昇したことなどにより、22,657百万円と前連結会計年度に比べ5,907百万円の増収(+35.3%)となりました。セグメント利益は、2,644百万円と前連結会計年度に比べ2,479百万円の増益となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ152,845百万円減少し、471,941百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ5,885百万円の増加となりました。これは、現金及び預金が減少した一方で、受取手形及び売掛金ならびにその他に含めている未収還付法人税等が増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ158,730百万円の減少となりました。これは、投資その他の資産のその他に含めている生産物回収勘定の増加の一方で、繰延税金資産の取崩しや、JACOS全株式の譲渡に伴い、同社を連結の範囲から除外したことによる有形固定資産の減少などによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ121,123百万円減少し、69,171百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ78,534百万円の減少となりました。これは、主に連結子会社であるJMLの借入金に係る保証債務の履行により、1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ42,588百万円の減少となりました。これは、JACOSの借入金に係る保証債務の履行により長期借入金が減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ31,721百万円減少し、402,770百万円となりました。
これは、主に利益剰余金が減少したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13,449百万円減少し、144,513百万円となりました。主な内訳は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,052百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失△18,501百万円、有価証券及び投資有価証券売却損益53,579百万円及び債務免除益△42,462百万円の計上などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は52,067百万円となりました。これは主に、生産物回収勘定の支出23,244百万円などの資金を使用しましたが、投資有価証券の売却及び償還による収入53,062百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入29,382百万円による資金を得たことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は70,939百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出59,703百万円などの資金を使用したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
|
|
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
E&P事業 |
原油(kl) |
280,997 |
△8.8 |
|
天然ガス(千㎥) |
542,563 |
△2.9 |
|
|
ビチューメン(kl) |
- |
- |
|
|
インフラ・ユーティリティ事業 |
液化天然ガス(t) |
2,136 |
△36.1 |
|
電力(千kWh) |
2,655,529 |
4.4 |
|
・北米
|
|
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
E&P事業 |
原油(kl) |
37,000 |
△48.6 |
|
天然ガス(千㎥) |
132,025 |
△72.1 |
|
|
ビチューメン(kl) |
656,377 |
△26.2 |
|
|
インフラ・ユーティリティ事業 |
液化天然ガス(t) |
- |
- |
|
電力(千kWh) |
- |
- |
|
・中東
|
|
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
E&P事業 |
原油(kl) |
488,391 |
3.9 |
|
天然ガス(千㎥) |
- |
- |
|
|
ビチューメン(kl) |
- |
- |
|
|
インフラ・ユーティリティ事業 |
液化天然ガス(t) |
- |
- |
|
電力(千kWh) |
- |
- |
|
(注)1.天然ガスの生産量の一部は、液化天然ガスの原料として使用しております。
2.ビチューメンとはオイルサンド層から採取される超重質油です。
b. 受注実績
当社及び連結子会社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
|
|
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|||
|
数量 |
金額 (百万円) |
数量 |
金額 |
||
|
E&P事業 |
原油(kl) |
312,181 |
16,951 |
△86.1 |
△76.0 |
|
希釈ビチューメン(kl) |
- |
- |
- |
- |
|
|
天然ガス(海外)(千㎥) |
- |
- |
- |
- |
|
|
|
小計 |
|
16,951 |
|
△76.0 |
|
インフラ・ユーティリティ事業 |
天然ガス(国内)(千㎥) |
1,061,244 |
58,024 |
△10.3 |
13.1 |
|
液化天然ガス(t) |
295,536 |
22,596 |
4.0 |
44.9 |
|
|
電力(千kWh) |
3,023,294 |
34,320 |
0.2 |
14.1 |
|
|
その他 |
|
4,903 |
|
13.2 |
|
|
|
小計 |
|
119,845 |
|
18.3 |
|
その他の事業 |
請負 |
|
6,395 |
|
△16.2 |
|
石油製品・商品 |
|
47,354 |
|
48.3 |
|
|
その他 |
|
2,122 |
|
22.7 |
|
|
|
小計 |
|
55,872 |
|
35.3 |
|
|
合計 |
|
192,669 |
|
△9.7 |
・北米
|
|
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|||
|
数量 |
金額 (百万円) |
数量 |
金額 |
||
|
E&P事業 |
原油(kl) |
39,112 |
1,448 |
△46.5 |
△3.5 |
|
希釈ビチューメン(kl) |
959,777 |
31,121 |
△27.3 |
43.5 |
|
|
天然ガス(海外)(千㎥) |
130,214 |
1,244 |
△72.3 |
△56.7 |
|
|
|
小計 |
|
33,814 |
|
29.7 |
|
インフラ・ユーティリティ事業 |
天然ガス(国内)(千㎥) |
- |
- |
- |
- |
|
液化天然ガス(t) |
- |
- |
- |
- |
|
|
電力(千kWh) |
- |
- |
- |
- |
|
|
その他 |
|
- |
|
- |
|
|
|
小計 |
|
- |
|
- |
|
その他の事業 |
請負 |
|
- |
|
- |
|
石油製品・商品 |
|
- |
|
- |
|
|
その他 |
|
- |
|
- |
|
|
|
小計 |
|
- |
|
- |
|
|
合計 |
|
33,814 |
|
29.7 |
・中東
|
|
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|||
|
数量 |
金額 (百万円) |
数量 |
金額 |
||
|
E&P事業 |
原油(kl) |
318,632 |
22,657 |
- |
- |
|
希釈ビチューメン(kl) |
- |
- |
- |
- |
|
|
天然ガス(海外)(千㎥) |
- |
- |
- |
- |
|
|
|
小計 |
|
22,657 |
|
- |
|
インフラ・ユーティリティ事業 |
天然ガス(国内)(千㎥) |
- |
- |
- |
- |
|
液化天然ガス(t) |
- |
- |
- |
- |
|
|
電力(千kWh) |
- |
- |
- |
- |
|
|
その他 |
|
- |
|
- |
|
|
|
小計 |
|
- |
|
- |
|
その他の事業 |
請負 |
|
- |
|
- |
|
石油製品・商品 |
|
- |
|
- |
|
|
その他 |
|
- |
|
- |
|
|
|
小計 |
|
- |
|
- |
|
|
合計 |
|
22,657 |
|
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「原油」には、当社グループが鉱山より産出した原油及び他社から購入した原油が含まれております。
3.希釈ビチューメンとはパイプライン輸送のために超軽質油で希釈したビチューメンです。
4.インフラ・ユーティリティ事業の「天然ガス(国内)」は、国内において導管により供給されるガスであり、国産天然ガスとLNG気化ガスの合計です。国産天然ガスの生産拠点と、気化ガスの製造拠点であるLNG基地とは当社パイプライン網で連結され、これらのガスは当社供給ネットワークで一体となって販売されることから、インフラ・ユーティリティ事業に区分しております。
5.インフラ・ユーティリティ事業の「その他」には天然ガスの受託輸送及び発電燃料用LNGの気化受託等が含まれております。
6.その他の事業の「石油製品・商品」には、液化石油ガス(LPG)、重油、軽油、灯油等が、「その他」にはその他業務受託等が含まれております。
7.当連結会計年度の期首において、収益認識に関する会計基準の適用により、代理人取引について純額表示となったため、日本セグメントの「原油」の販売実績が著しく減少しております。その内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
④ 当社グループの埋蔵量
2022年3月31日現在、提出会社及び連結子会社の保有する確認埋蔵量並びに持分法適用会社が保有する確認埋蔵量の当該会社に対する提出会社出資比率相当量は下表のとおりです。
|
確認埋蔵量 |
連結対象会社 |
持分法適用会社 |
合計 |
|||||||||||
|
国内 |
海外 |
小計 |
||||||||||||
|
原油 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ビチューメン 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ビチューメン 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ガス 百万㎥ |
原油 千kl |
ビチューメン 千kl |
ガス 百万㎥ |
||
|
2021年3月31日現在 |
1,647 |
6,722 |
13,484 |
13,237 |
10,252 |
15,131 |
13,237 |
16,975 |
4,254 |
1,451 |
19,385 |
13,237 |
18,426 |
|
|
|
拡張及び発見等による増加 |
66 |
691 |
- |
- |
- |
66 |
- |
691 |
- |
- |
66 |
- |
691 |
|
|
前期評価の修正による増減 |
184 |
344 |
△730 |
- |
△1 |
△546 |
- |
343 |
53 |
△50 |
△494 |
- |
294 |
|
|
買収・売却による増減 |
- |
- |
△551 |
△12,610 |
△9,605 |
△551 |
△12,610 |
△9,605 |
- |
- |
△551 |
△12,610 |
△9,605 |
|
|
生産による減少 |
△281 |
△571 |
△693 |
△627 |
△275 |
△974 |
△627 |
△847 |
△498 |
△407 |
△1,472 |
△627 |
△1,253 |
|
2022年3月31日現在 |
1,616 |
7,187 |
11,510 |
- |
371 |
13,127 |
- |
7,557 |
3,808 |
995 |
16,934 |
- |
8,552 |
|
(注)1.以下の連結子会社保有量には、非支配株主に帰属する数量を含んでおります。(括弧内は非支配株主比率)
国内:日本海洋石油資源開発㈱(29.39%)
海外:カナダオイルサンド㈱(5.42%)、JAPEX Montney Ltd.(45.00%)、㈱ジャペックスガラフ(45.00%)
2.連結子会社及び持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度における埋蔵量を計上しております。
3.当社は、JAPEX Montney Ltd.が保有する全鉱区権益を同鉱区のオペレーターであるPetronas Energy Canada Ltd.に譲渡し、また、カナダオイルサンド㈱が保有する連結子会社Japan Canada Oil Sands Limitedの全株式をHE Acquisition Corporationに譲渡し、それぞれ2021年7月5日、9月17日に手続きが完了しました。これらの譲渡にともない減少する数量は、JAPEX Montney Ltd.分が連結対象会社・海外原油△1,422千kl、ガス△9,749百万m3、カナダオイルサンド㈱分が連結対象会社・海外のビチューメン△12,610千klとなり、「買収・売却による増減」に含んでおります。
上表における確認埋蔵量とは、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、過去の生産量、未発見鉱床に係る資源量は含んでおりません。
埋蔵量の定義については、石油技術者協会(SPE)、世界石油会議(WPC)、米国石油地質技術者協会(AAPG)及び石油評価技術協会(SPEE)の4組織により2007年に策定されたPetroleum Resources Management System(PRMS)が国際的な基準として知られています。
上表の確認埋蔵量は、2018年に改定されたPRMSにおける「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠した当社自身による評価に基づく数値であり、PRMSにおいて確認埋蔵量よりも将来の採取可能性の不確実性が高いものとして区分されている「推定埋蔵量(Probable Reserves)」や「予想埋蔵量(Possible Reserves)」に該当する埋蔵量は含んでおりません。また、同定義においては、例えば、資源の賦存が確認されている鉱区であっても商業開発計画が未確定な段階のプロジェクト等については、埋蔵量(Reserves)とは区分して「条件付資源量(Contingent Resources)」に分類することとされており、当社グループにおいても、開発計画が未確定な地域の「条件付資源量」に該当する数量は、上表の数値に含めておりません。
なお、PRMS以外には、米国証券取引委員会(SEC)による確認埋蔵量の定義が米国の投資家を中心に広く知られており、SECによる確認埋蔵量の定義は、PRMSと基本的には類似しています。
当社は、PRMSによる「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠して当社自身の判断に基づく値を開示しております。また、海外プロジェクト会社の保有埋蔵量については、各プロジェクト会社の現地政府等との契約による経済的取分に基づく数量を示しております。
また、当社は、当社自身による埋蔵量評価・判断の妥当性を検証するため、上表に示した2022年3月31日現在の国内における当社及び連結対象会社の確認埋蔵量の約77%に相当する部分[1]について、Ryder Scott Company, L.P.へ第三者評価・鑑定を委託しております。また、海外については、Japex (U.S.) Corp.、JAPEX UK E&P Ltd.及びKangean Energy Indonesia Ltd.の埋蔵量について第三者評価を受けており、上表の2022年3月31日現在の確認埋蔵量総計のうち約37%に相当する部分[2]について第三者評価を受けております。当社自身による評価値と第三者評価の値は近似しており、当社は、上表の当社自身の評価による確認埋蔵量の値は妥当であると判断しております。
埋蔵量は、元来、不確実性を内包した将来の生産可能量の見通しであり、当社は、現時点において入手可能な地質的・工学的データ等の科学的根拠に基づき正確な評価の実施に努めておりますが、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。
[1] 原油・ビチューメン1kl=天然ガス1,033.1m3(1BOE=5.8Mscf)として計算しております。
[2] [1]と同様。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、下記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、前連結会計年度に比べ282億円減益の309億円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。この主たる増減要因を段階利益ごとに以下に分析します。
図表1:当期純損益の主な増減要因(前期比)
(営業利益+156億円)
営業利益の156億円増益の主な内訳は、主に、原油価格の高騰による原油・天然ガス販売価格の上昇の影響を受けた海外と国内のE&P事業がそれぞれ134億円及び117億円の増益となったこと、前連結会計年度における一過性の増収要因が無くなったインフラ・ユーティリティ事業の87億円の減益となったことによるものであります。
a.海外E&P事業
海外E&P事業は、主に北米セグメントに含まれるJACOS及びJML、中東セグメントに含まれる㈱ジャペックスガラフを対象としております。
海外E&P事業の134億円増益の主な要因は、JACOSにおける希釈ビチューメン販売価格の上昇による収支改善であります。
販売数量は2021年9月にJACOSの全株式を譲渡したことにより959千klと前連結会計年度に比べ360千kl減少(△27.3%)となりました。
希釈ビチューメンの販売価格は下記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、前連結会計年度の25.06米ドル/バレルから当連結会計年度は46.90米ドル/バレルと21.84米ドル/バレル(+87.2%)上昇いたしました。
また、㈱ジャペックスガラフにつきましては24億円の増益となりました。主な要因は、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の影響により開発生産操業を一時休止していた影響が無くなったことや、当連結会計年度より仮決算を行う方法に変更した結果、当連結会計年度において15ヵ月間の決算を取り込んだことなどによるものであります。
図表2:原油価格・為替等の前期比較
b.国内E&P事業
国内E&P事業は、日本セグメントに含まれる当社及び連結子会社である日本海洋石油資源開発㈱の原油・天然ガスの生産及び販売活動を主な対象としております。国産原油は外部顧客への販売を認識する一方、国産天然ガスはインフラ・ユーティリティ事業に供給する内部管理上の取引を販売として認識しております。
国内E&P事業の117億円増益の主な要因は、主に原油及び天然ガスの販売価格*の上昇によるものであります。上記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、原油CIF価格は前連結会計年度の42.91米ドル/バレルから当連結会計年度は73.28米ドル/バレルと30.37米ドル/バレル(+70.8%)上昇しており、増益要因となっております。
*国産天然ガスの販売価格は国内E&P事業からインフラ・ユーティリティ事業への内部管理上の取引価格
c.インフラ・ユーティリティ事業
インフラ・ユーティリティ事業は、主に当社のガスパイプライン網を通じて沿線地域の需要家への天然ガスの販売、パイプライン沿線以外の地域における天然ガスの需要に対応するためにタンクローリー及び鉄道タンクコンテナを利用したLNGサテライト供給や電力の販売を対象としております。
インフラ・ユーティリティ事業の87億円減益の主な要因は、前連結会計年度における日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格の高騰による一過性の増収が無くなったことや、LNG 調達先で発生した生産トラブルを受け、代替ソースをスポット市場で調達したことによる調達コストの増加により減益となりました。
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ336億円増益(+336.7%)の436億円となりました。上記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、336億円増益の要因は、上述の営業利益の増益に加えて、営業外損益の180億円増益からなります。
(営業外損益+180億円)
為替差損益106億円の増益は、主に、㈱ジャペックスガラフの外貨預金に係る為替差損が為替差益に転じたことや、当社の外貨建金銭債権及び外貨預金に係る為替差益が円安により増加したことなどによるものであります。
持分法による投資損益の84億円の増益は、主にサハリン石油ガス開発㈱において原油価格上昇に伴い売上高が増加したことによるものであります。
その他の営業外損益の10億円減益は、受取配当金の12億円増加や支払利息の13億円減少などの増益要因があったものの、遅延損害金を33億円計上したことによる減益要因が上回ったことなどによるものであります。
当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は前連結会計年度に比べ111億円減益の185億円の税金等調整前当期純損失となりました。上記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、111億円減益の要因は、上述の経常利益の増加と特別損益の448億円の減益からなります。
特別損益の減益は、政策保有株式の一部を売却したことにより398億円の投資有価証券売却益を計上した一方で、JMLが保有するシェールガス鉱区の権益譲渡による権益譲渡損447億円及びJACOSの全株式を譲渡したことによる子会社株式売却損943億円を計上したことによる減益要因が大幅に上回ったことなどによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ282億円減益の309億円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。上記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、282億円減益の要因は、上述の税金等調整前当期純損失の増加により減益していること、及び法人税等並びに非支配株主損益を合わせた170億円減益からなります。
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は96億円(前連結会計年度に比べ115億円の減益)となりました。これは、主に、当社の経営計画のもとで想定する中長期の原油価格やキャッシュ・フローの見通しに照らして、将来における繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を75億円取り崩して法人税等調整額に計上したことなどにより、法人税等調整額で136億円の増加によるものであります。また、当連結会計年度の非支配株主損益の金額は28億円(前連結会計年度に比べ55億円の減益)となりました。これは、主に当連結会計年度において㈱ジャペックスガラフにおける当期純利益の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(基本方針)
当社グループでは、事業継続及び新規投資等のために必要となる資金について、「有利子負債/EBITDA<2」を目安とした財務規律のもと、財務の健全性を維持しつつ確保することとしております。前連結会計年度と当連結会計年度の同倍率の推移は、下記の図表3「EBITDA有利子負債倍率の推移」に示す通りであります。
当連結会計年度において、JMLが保有するシェールガス鉱区の権益等の譲渡やJACOSの全株式の譲渡にともない、これらに係る長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高が前連結会計年度末に比べ1,115億円減少しております。
この結果、「有利子負債/EBITDA<2」は達成されておりますが、引き続き財務規律として維持をしていくこととしております。
図表3:EBITDA有利子負債倍率の推移
(調達手段)
当社グループでは、資金需要に応じて、内部資金及び銀行借入を有効に活用することにより、必要資金を確保しております。
運転資金は、主に内部資金により賄っており、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金の効率化及び流動性の確保を図っております。
なお、LNGの購入などに備え、外貨を調達する場合等には、為替変動リスクをヘッジすることを目的として適宜、先物為替予約等を締結しております。
また、機動的な資金調達を目的として、複数の取引銀行と円及び米ドルでの借入が可能な貸出コミットメント契約を締結しております。
(資金使途・配分方法)
a.連結財務状況及び資金配分方針
当社グループでは、下記の図表4「JAPEX経営計画2022-2030資金配分方針」に示した通り2022年度から2030年度までの9年間で、E&P、インフラ・ユーティリティ、カーボンニュートラルからなる各分野への成長投資に4,500億円、株主還元に500億円を配分することとしております。また、株主還元の基本方針に連結配当性向を導入し、30%を目安に各期業績に応じた配当を行います。
なお、資金配分の原資となる5,000億円は、営業キャッシュ・フローにより3,800億円、手元資金及び銀行借入により1,200億円を確保する想定としております。
図表4:JAPEX経営計画2022-2030資金配分方針
b.保有資金の考え方
主にE&P事業に関しては、多額の投資を要する一方、事業に着手してから投資額を回収するまで長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境が変化するリスクに晒されます。このような事業特性に照らし、円滑な事業運営に必要な水準の手元流動性を確保できるように月次にて資金計画を作成する等の方法により、資金管理を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。
当連結会計年度において、不確実性の高い会計上の見積りとして、繰延税金資産の回収可能性があります。この項目は、その判断において当社グループが主たる事業活動から将来にわたり稼得する収益や生み出すキャッシュ・フローの見積りに大きく依拠しており、特に原油価格や為替などの市況要因と埋蔵量の見積りの影響を直接的に受けることになります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、上記の重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)E&P事業
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契約当事者 |
契約の要旨 |
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石油資源開発㈱ (提出会社)
日本海洋石油資源開発㈱ (連結子会社)
三菱瓦斯化学㈱ |
契約年月日 |
1983年2月23日 |
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契約期間 |
1983年2月9日から共同開発終了まで |
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契約内容 |
新潟県岩船沖海域における石油、天然ガスの探鉱開発及び生産の共同事業に関する契約。 各社の持分比率は次のとおりです。 石油資源開発㈱ 46.667% 日本海洋石油資源開発㈱ 33.333% 三菱瓦斯化学㈱ 20.000% |
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㈱ジャペックスガラフ (連結子会社)
イラク ディカール石油公社 ペトロナス社 (マレーシア国営石油会社) イラク北部石油公社 |
契約年月日 |
2010年1月18日 (2010年3月31日付にて、提出会社より契約上の権利義務を譲受けた。) |
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契約期間 |
2010年2月より20年間 |
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契約内容 |
イラク南部のガラフ油田における開発生産サービス契約(*)。
(*)開発生産サービス契約:石油開発会社が必要な資金と技術を提供して開発を行い、生産される原油・天然ガスの一定割合から投下資金を回収し、予め定められた生産量あたりの報酬額に応じて、報酬を受け取ることができる形式の契約 コントラクター各社の参加比率は次のとおりです。 ペトロナス社 45% ㈱ジャペックスガラフ 30% イラク北部石油公社 25% |
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(2)インフラ・ユーティリティ事業
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契約当事者 |
契約の要旨 |
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石油資源開発㈱ (提出会社)
マレーシアLNGティガ社 |
契約年月日 |
2002年4月9日 |
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契約期間 |
2002年4月から20年間 |
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契約内容 |
マレーシアLNG第3プロジェクト(同国サラワク州)からのLNG 購入に係るマレーシアLNGティガ社との長期売買契約。 主な契約条件は次のとおりです。 (1)数量 最大48万t/年 各年度において、所定の数量を引取らなかった場合、価格相当額を支払う義務を負い(テイク・オア・ペイ)、後年度において当該引取未達相当量の引渡を請求する権利を有しております。 (2)引渡条件 Ex-Ship(着桟渡し) 日本海エル・エヌ・ジー㈱の新潟基地及び相馬LNG基地にて引渡を受けることとなっております。 |
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(注)契約期間は、最終カーゴの引取り期間とともに延長され、最大2022年12月末までとなっております。 |
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当社グループは、事業に直結する課題にとどまらず、次世代技術及び新規事業分野への進出をも見据えて、探鉱(地質)、物理探査、生産等の技術部門並びにこれらの技術が活用可能な環境事業分野において具体的テーマを選定し、研究開発及び調査等を実施しております。
当連結会計年度における研究課題、研究開発費等をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
①日本
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研究課題 |
目的 |
研究当事者 (研究体制) |
研究開発費 (百万円) |
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対象特化型探査手法の研究 |
既往の探査手法と新規要素技術の融合を通して、調査対象毎に最適化された独自技術を確立することを目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
28 |
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ジョイントインバージョン技術開発 |
反射法地震探査、電気・電磁探査、磁気探査、重力探査を統合して地下構造や地下物性を推定する技術及びデータ解析のワークフローを開発することを目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
19 |
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海底資源探査電磁探査手法確立 |
海域における安価な電磁探査パッケージを開発し、反射法データとの統合解析による海底熱水鉱床及び炭化水素貯留層の高精度な地下物性の把握を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
17 |
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震探調査法新技術適用性検討 |
顧客の多様なニーズに対応すべく震探調査の低コスト化・高効率化、技術力の向上を図ることを目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
17 |
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海域高分解能探査手法研究 |
海域における種々の高分解能探査手法の開発を進めるとともに、技術の実用化・高度化を図ることを目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
17 |
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海底S波速度構造探査手法の確立 |
海洋土木調査分野でのデータ取得事業へ対応すべく、海底下におけるS波速度構造探査手法を開発することを目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
13 |
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水理地質解析に資する地質特性モデル構築及びシミュレーション技術の確立 |
流体移動解析に資する地質特性モデル構築からシミュレーションの実施に至る一連の作業フローを確立し、事業範囲の拡大及び高度化を目的とする。 |
㈱地球科学総合研究所 |
10 |
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その他 |
- |
石油資源開発㈱ ㈱地球科学総合研究所 ㈱ジオシス |
40 |
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合計 |
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②北米
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研究課題 |
目的 |
研究当事者 (研究体制) |
研究開発費 (百万円) |
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オイルサンドに係る技術開発 |
油層評価手法及び生産プロセス改善手法の開発を行う。 |
Japan Canada Oil Sands Limited (カナダ アルバータ州等と共同で実施) |
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