第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更があった事項は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の項目番号に対応するものであります。)

 

4 特定地域及び鉱区への依存度について

 (2) 主要事業地域における契約期限等

当社グループの海外における事業活動の前提となる鉱区権益にかかる契約においては、鉱区期限が定められているのが通例であります。鉱区期限が定められている契約が延長、再延長又は更新等されない場合や延長、再延長又は更新等に際し現状よりも不利な契約条件(権益比率の減少を含みます。)となった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社グループの主要事業地域であるインドネシア共和国マハカム沖鉱区におけるプロジェクトの生産分与契約の期限は、当初は平成9年3月30日でしたが、平成3年に延長が認められ、現在では平成29年12月31日となっております。また、ADMA鉱区におけるコンセッション契約に基づく鉱区権益の期限は、平成30年3月8日(ただし、上部ザクム油田は平成53年12月31日まで延長されています。)となっております。当社グループでは、これらの契約の延長、再延長又は更新等に向けてパートナーとともに努力する方針であり、マハカム沖鉱区については平成27年12月、当社は、平成30年以降の同鉱区への参画に向けた基本的な考え方等に関して、同鉱区のプロジェクトのオペレーターであるTOTAL E&P Indonesie及びインドネシア国営石油会社であるPT Pertaminaと基本合意書に仮調印致しました(平成28年1月に当該基本合意書を正式に締結しております。)が、当該基本合意書に基づく契約交渉の結果、既存の契約が延長、再延長又は更新等されない場合や延長、再延長又は更新等に際し現状よりも不利な契約条件(権益比率の減少を含みます。)となった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、鉱区期限が定められている契約が延長、再延長又は更新等された場合でも、その時点における残存可採埋蔵量は、生産の進展により減少することが見込まれます。当社グループでは、これに代替し得る鉱区権益の取得を図っておりますが、代替し得る油・ガス田の鉱区権益を十分取得できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、現在探鉱中の鉱区においても契約に探鉱期間が設定されており、鉱区内において商業化の可能性がある原油・天然ガスの存在を確認している場合であっても、当該期間終了までに開発移行の決定ができない場合などにおいては、産油国政府との協議により当該期間の延長、猶予期間の設定などに向けて努力する方針ですが、かかる協議が不調に終わった場合には、当該鉱区からの撤退を余儀なくされる可能性があります。また、一般に、契約につき、一方当事者に重大な違反があるときには、契約期限の到来前に他方当事者から契約解除をすることができるのが通例ですが、これら主要事業地域における契約においても同様の規定が設けられております。当社グループにおいては、そのような事態はこれまで発生したことはなく、今後についても想定しておりませんが、もし契約当事者に重大な契約違反があった場合には、期限の到来前に契約が解除される可能性があります。

また、海外における天然ガス開発・生産事業においては、多くの場合、長期の販売契約・供給契約に基づいて天然ガスを販売・供給しており、それぞれ契約期限が定められております。これらの契約における期限の到来までに、延長、再延長又は更新等に向けてパートナーとともに努力する方針ですが、延長又は再延長されない場合や延長された場合でも販売・供給数量の減少などがあった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和を背景に企業収益や雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調が続いていますが、中国をはじめとするアジア新興国等の海外景気の下振れリスク等から先行きは依然として不透明な状況となっております。

当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格について、4月はブレント原油(国際的な原油指標)期近物の終値ベースで57.10米ドルから始まり、サウジアラビア主導の有志連合軍によるイエメンの反政府勢力への空爆やIEAによる世界石油需要見通しの上方修正等を材料に、5月6日には67.77米ドルまで値を上げました。その後は、イラン核開発に関する協議が合意に至り、同国産原油の輸出再開観測が広まったことに加え、中国の景気減速により原油需要が低迷するという見方や、米国におけるシェールオイル増産に伴う供給過剰懸念も広がり、8月24日には42.69米ドルまで下落しました。その後、安値買戻しの動きから反発し、9月中は46米ドル台から50米ドル台の間で推移しました。その後、10月8日にはロシアのシリアへの軍事介入による地政学的リスクの高まりを受け、53.05米ドルまで反発しましたが、IEAによる石油需要の下方修正や、中国の景気減速懸念を弱材料に10月27日には46.81米ドルまで下落しました。その後、リビアで武装勢力が原油出荷港の封鎖を行ったことを足掛かりに11月3日には50.54米ドルまで上昇しましたが、世界的な原油在庫の増加が続いていることや、12月に開催されたOPEC総会で減産の決定がなされなかったことを受け、当面は需給の緩和状態が解消されないとの見通しから大きく値を下げ、最終的に37.28米ドルで第3四半期を終えました。なお、当第3四半期の原油の当社グループ販売平均価格は、52.49米ドルとなりました。

一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当期は1米ドル120円近辺で始まりました。期初は、不冴えな米経済指標から米国の利上げ後ずれ観測が高まり、円は対米ドルで概ね118円~120円台で保ち合い推移となりましたが、5月後半に、欧州中央銀行理事が夏場の閑散期を前に量的緩和を前倒しで進めると発言したことやイエレン米FRB議長が年内の利上げを示唆したことから、ドルが全面高の展開となり、一時125円台後半まで円安が進みました。その後、8月には、上海株式相場の急落や中国人民元の基準値下落などをきっかけに中国の景気先行きへの不安が強まり、市場でのリスク回避の動きから、一時116円台前半まで円高が進む局面が見られました。しかし、円の上値は限られ、米FRBは9月の利上げこそ見送ったものの、12月に25ベーシスポイントの利上げを決定する中、123円台までドルが買い戻された後、期末公示仲値(TTM)は前期末から27銭円安の120円54銭となりました。なお、当社グループ売上の期中平均レートは、前年同期に比べ、15円81銭円安の1米ドル121円38銭となりました。

このような事業環境の中、当第3四半期連結累計期間は油価及びガス価が下落したことにより、売上高は前年同期比1,175億円、12.7%減の8,090億円となりました。このうち原油売上高は前年同期比393億円、6.7%減の5,516億円、天然ガス売上高は前年同期比741億円、23.1%減の2,474億円となりました。当第3四半期連結累計期間の販売数量は、原油が前年同期比27,861千バレル、47.6%増加の86,423千バレルとなりました。天然ガスは、前年同期比23,505百万立方フィート、10.4%増加の250,110百万立方フィートとなりました。このうち、海外天然ガスは、前年同期比25,281百万立方フィート、14.1%増加の205,121百万立方フィートとなり、国内天然ガスは、前年同期比48百万立方メートル、3.8%減少の1,206百万立方メートル、立方フィート換算では44,989百万立方フィートとなっております。販売価格は、海外原油売上の平均価格が1バレル当たり52.49米ドルとなり、前年同期比42.78米ドル、44.9%の下落となりました。海外天然ガス売上の平均価格は千立方フィート当たり7.02米ドルとなり、前年同期比5.22米ドル、42.6%の下落となりました。また、国内天然ガスの平均価格は立方メートル当たり53円19銭となり、前年同期比4円、7.0%の下落となっております。売上高の平均為替レートは1米ドル121円38銭となり、前年同期比15円81銭、15.0%の円安となりました。
 売上高の減少額1,175億円を要因別に分析しますと、原油及び天然ガスの売上高に関し、販売数量の増加により3,080億円の増収要因、販売単価の下落により5,169億円の減収要因、為替は売上の平均為替レートが円安になったことにより953億円の増収要因、その他の売上高は40億円の減収要因となりました。
 一方、売上原価は、主に平均為替が円安に推移したことにより、前年同期比134億円、3.5%増の4,022億円となりました。探鉱費は主に米州地域での探鉱活動が減少したことにより、前年同期比173億円、81.2%減の39億円となりました。販売費及び一般管理費は前年同期比6億円、1.1%増の644億円となりました。以上の結果、営業利益は前年同期比1,143億円、25.3%減の3,383億円となりました。
 営業外収益は、有価証券売却益や為替差益が増加したものの、権益譲渡益が減少したこと等により、前年同期比143億円、22.5%減の495億円となりました。営業外費用は生産物回収勘定引当金繰入額が増加したこと等により、前年同期比92億円、38.1%増の335億円となりました。この結果、経常利益及び税金等調整前四半期純利益は前年同期比1,380億円、28.0%減の3,543億円となりました。
 法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は前年同期比866億円、22.2%減の3,033億円となり、四半期純利益は前年同期比513億円、50.2%減の510億円となりました。非支配株主に帰属する四半期純損失は164億円となり、以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比343億円、33.7%減の674億円となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

①日本

販売数量の減少及び油価・ガス価の下落により、売上高は前年同期比142億円、15.5%減の775億円となり、営業利益は前年同期比35億円、44.0%減の45億円となりました。

 

②アジア・オセアニア

販売数量の増加及び為替が円安に推移したものの、油価・ガス価の下落により、売上高は前年同期比710億円、22.2%減の2,491億円となり、営業利益は前年同期比662億円、42.4%減の899億円となりました。

 

③ユーラシア(欧州・NIS諸国)

販売数量の増加及び為替が円安に推移したものの、油価の下落により、売上高は前年同期比255億円、33.2%減の515億円となり、営業利益は前年同期比154億円、55.6%減の122億円となりました。

 

④中東・アフリカ

販売数量の増加及び為替が円安に推移したものの、油価の下落により、売上高は前年同期比82億円、1.9%減の4,203億円となり、営業利益は前年同期比342億円、12.2%減の2,460億円となりました。

 

⑤米州

油価・ガス価は下落したものの、原油販売数量の増加及び為替が円安に推移したことにより、売上高は前年同期比15億円、17.4%増の104億円となり、営業損失は探鉱費の減少等により、前年同期比52億円、44.0%減の67億円となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は4兆6,110億円となり、前連結会計年度末の4兆4,991億円と比較して、1,119億円の増加となりました。流動資産は1兆213億円で、現金及び預金の減少等により前連結会計年度末と比較して3,211億円の減少となりました。固定資産は3兆5,897億円で、有形固定資産及び無形固定資産の増加等により前連結会計年度末と比較して4,330億円の増加となりました。
 一方、負債は1兆2,770億円で、前連結会計年度末の1兆2,104億円と比較して665億円の増加となりました。このうち流動負債は3,619億円で、前連結会計年度末比33億円の減少、固定負債は9,151億円で、前連結会計年度末比698億円の増加となりました。
 純資産は3兆3,340億円となり、前連結会計年度末比453億円の増加となりました。このうち、株主資本は2兆5,876億円で、前連結会計年度末比381億円の増加となりました。その他の包括利益累計額は4,775億円で、前連結会計年度末比396億円の減少、非支配株主持分は2,688億円で、前連結会計年度末比468億円の増加となりました。

 

(3)連結キャッシュフローの状況

当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、期首の2,609億円から当第3四半期中に減少した資金1,284億円を差し引いた1,325億円となりました。

当第3四半期連結累計期間における営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前年同期比210億円増1,514億円となりました。これは主に、油価及びガス価の下落により税金等調整前四半期純利益が減少したものの、法人税等の支払額が減少したことや未収入金が減少したこと等によるものであります。

  

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4,254億円(前年同期は408億円の収入)となりました。これは主に、長期預金の預入による支出や権益取得による支出が増加したことによるものであります。

  

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は1,480億円(前年同期は44億円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入や非支配株主からの払込みによる収入が増加したことによるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(旧会社法施行規則第127条各号に掲げる事項)は次のとおりです。

①基本方針の内容

当社グループは、バランスの取れた資産ポートフォリオ、国際的な有力中堅企業としてのプレゼンス及び高い水準のオペレーターとしての技術力等を最大限に活かし、既発見の大規模油ガス田の早期商業生産を達成するとともに、今後とも優良な油ガス田を積極的に獲得するための投資強化を通じ、国際競争力のある我が国の中核的企業として、我が国向けエネルギーの安定供給の効率的な実現及び企業価値のさらなる向上を目指して積極的な事業展開に努めてまいります。

 

②財産の有効な活用及び不適切な支配の防止のための取り組み

当社グループは、健全な財務体質のさらなる強化を図りつつ、石油・天然ガス資源の安定的かつ効率的な供給を可能とするために事業基盤の拡大を目指し、探鉱・開発活動及び供給インフラの整備・拡充等に積極的な投資を行います。当社は、これらの活動を通じた石油・天然ガスの保有埋蔵量及び生産量の維持・拡大による持続的な企業価値の向上と配当による株主の皆様への直接的な利益還元との調和を、中長期的な視点を踏まえつつ図ってまいります。

また、当社は、上記①の基本方針に基づき、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、経済産業大臣に対し甲種類株式を発行しております。

その内容としては、ⅰ)取締役の選解任、ⅱ)重要な資産の全部又は一部の処分等、ⅲ)当社の目的及び当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更、ⅳ)統合、ⅴ)資本金の額の減少、ⅵ)解散、に際し、当社の株主総会又は取締役会の決議に加え、甲種類株式の株主による種類株主総会(以下、「甲種類株主総会」という)の決議が必要とされております。ただし、ⅰ)取締役の選解任及びⅳ)統合については、定款に定める一定の要件を充たす場合に限り、甲種類株主総会の決議が必要とされております。

甲種類株主総会における議決権の行使に関しては、甲種類株主が平成20年経済産業省告示第220号に定める甲種類株式の議決権行使の基準に則り、議決権を行使できるものとしております。

当該基準では、上記ⅰ)及びⅳ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われていく蓋然性が高いと判断される場合」、上記ⅲ)の当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更の決議については、「甲種類株式の議決権行使に影響を与える可能性のある場合」、上記ⅱ)、ⅲ)当社の目的に係る定款変更、ⅴ)及びⅵ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に否定的な影響が及ぶ蓋然性が高いと判断される場合」のみ否決するものとされております。

さらに、当社の子会社定款においても子会社が重要な資産処分等を行う際に、上記ⅱ)の重要な資産の全部又は一部の処分等に該当する場合には、当該子会社の株主総会決議を要する旨を定めており、この場合も当社取締役会の決議に加え、甲種類株主総会の決議を必要としています。なお、当社の取締役会は、甲種類株主による甲種類株式の議決権行使を通じた拒否権の行使に関して機能を有しておらず、したがって甲種類株式は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

③上記②の取り組みについての取締役会の判断

上記②の取り組みは、我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現及び持続的な企業価値の向上を目指すものであり、上記①の基本方針に沿うものであります。

また、上記②の甲種類株式は、拒否権の対象が限定され、その議決権行使も平成20年経済産業省告示第220号に定める経済産業大臣による甲種類株式の議決権行使の基準に則り行われることから、経営の効率性・柔軟性を不当に阻害しないよう透明性を高くし、また、その影響が必要最小限にとどまるよう設計されておりますので、上記①の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えております。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は510百万円であります。