第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績の状況に関する分析

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響により依然として厳しい状況にあります。政府や各行政庁による各種支援策や、新型コロナワクチン接種の開始等により緩やかながら回復基調にありますが、本格的な成長回復過程には時間を要すものと見込まれます。世界経済においても国・地域による感染状況や経済対策の違いから回復状況のばらつきが大きくなっており、新型コロナウイルス感染症(変異株)の流行による経済活動抑制の継続リスクなど、先行きの不透明な状態が続いております。

住宅市場においては、新設住宅着工戸数で持家、貸家とも前年比プラスに転じ、第1四半期としては4年ぶりに全体でもプラスとなり持ち直しの動きが見られており、住宅取得支援策の実施や生活様式の変化を背景に住宅取得への関心が高まり新たなニーズも生じております。一般建築市場においては、建築着工床面積で事務所、店舗、工場、倉庫の使途が前年比プラスとなり、全体でも前年比プラスとなりました。

そのような事業環境の中で当社グループは、2019年度より開始した3ヶ年計画「大和ハウスグループ第6次中期経営計画」の最終年度を迎え、新たな成長ステージに向けた基盤の強化のため、事業本部制を本格稼働させ「攻めと守りのバランス経営」の実現に向け各施策を実行してまいりました。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は920,658百万円(前年同四半期連結累計期間比3.1%増)、営業利益は58,440百万円(前年同四半期連結累計期間比4.9%減)、経常利益は59,338百万円(前年同四半期連結累計期間比3.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は38,585百万円(前年同四半期連結累計期間比17.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

① 戸建住宅事業

戸建住宅事業では、お客様の住まいづくりに真摯に向き合い地域に密着した事業展開を推進し、販売拡大に努めてまいりました。

国内においては、事業本部制の本格稼働にあたり、当社の創業者精神である「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」を基本姿勢に、戸建住宅事業のビジョンを『LiveStyle Design(リブスタイルデザイン)~家を、帰る場所から「生きる」場所へ~』とし、お客様の人生に寄り添い、実現したいライフスタイルを「生き方」からデザインしてまいります。新たな体制とビジョンのもとで、木造とRC造を組み合わせた混構造により大空間や地階の提案を実現する、都市部の富裕層向け当社最高級戸建住宅商品「Wood Residence MARE -希-(マレ)」を発売するとともに、当社オリジナルのテレワークスタイル提案等、社会や生活の変化をとらえた多彩な商品ラインアップと多様な住まい方の提案で、お客様の課題の解決と新たな価値の提供に積極的に取組んでまいりました。さらに、グループ会社を加えた事業本部体制でバリューチェーンの改革に取組み、「大和ハウスの住まい」という基盤を用いて、新築住宅だけでなく家具の提案・ご家族の住まい探し・リフォーム・自宅の住み替え・売却等、変化するお客様の人生にいち早く対応した価値の提案に取組んでまいります。

 

海外においては、豪州シドニー近郊にて開発・分譲中の「ボックス・ヒル・プロジェクト(Box Hill Project)」が、2020年度末以降、好調なペースで販売が継続しております。米国では、コロナ禍の影響によるライフスタイルの変化に伴い、郊外での住宅需要の拡大が追い風となり、Stanley Martin Holdings, LLC、Trumark Companies, LLCが計画を上回る受注を獲得しております。また、ウッドショック等の資材高騰や、活況な市況に伴う労働者不足等の影響を緩和すべく、週次で販売価格の改定を行っております。

以上の結果、当事業の売上高は113,805百万円(前年同四半期連結累計期間比25.2%増)となり、営業利益は3,567百万円(前年同四半期連結累計期間は1,027百万円の営業損失)となりました。

 

② 賃貸住宅事業

賃貸住宅事業では、ご入居者様に選ばれ、長く住み続けたいと思っていただける住まいを提供し、オーナー様の資産価値の最大化に繋がる賃貸住宅経営をご提案・サポートをしてまいりました。

当社においては、コロナ禍において直接面談が困難な社会状況の中、定期的にWebセミナーを開催し、最新の土地活用・賃貸住宅市場等の情報提供・理解を深めていただく機会を増やしてまいりました。また、「グリーン住宅ポイント制度」の活用や、都市部や市街地中心部での非住宅や中高層建物の販売を推進いたしました。

大和リビングマネジメント株式会社においては、コロナ禍において人の移動が少ない状況から、ご入居者様のニーズの高いインターネットを標準導入した物件を中心に、高い入居率を維持いたしました。
  以上の結果、当事業の売上高は232,007百万円(前年同四半期連結累計期間比7.2%増)となり、営業利益は19,587百万円(前年同四半期連結累計期間比19.0%増)となりました。

 

③ マンション事業

マンション事業では、社会やお客様にとっての資産価値に加え、SDGsにも配慮し、社会貢献や環境負荷低減を考慮した付加価値の高いマンションづくりに努めてまいりました。また、一貫体制による安心・安全・快適な暮らしを支える管理サービスの提供に取組んでまいりました。

当社においては、「エネルギーセンター(天然ガスコージェネレーションシステム)」とAIを連携することで、街区全体の省エネ・低炭素化を推進し、またパネルヒーターや熱交換形換気機器等を採用した「プレミストタワー新さっぽろ」(北海道)が、経済産業省より「超高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」に採択されました。駅直結という利便性の高さに加え、大規模複合開発による充実した都市機能を評価いただき、販売が順調に進捗しております。

また、「プレミスト湘南辻堂」(神奈川県)は、テレワークをはじめ、ニューノーマル時代の多様なライフスタイルに応えられる16ヶ所の多彩な共用施設と、自然環境と調和した、豊かな街づくりが評価されております。

株式会社コスモスイニシアでは、都心の優良不動産を低予算で取得可能にする共同出資型の投資用不動産「セレサージュ豊洲」(東京都)の販売が好調に推移し、販売開始から3ヶ月(2021年3月~5月)で全460口を申込完売いたしました。

大和ライフネクスト株式会社では、2021年6月にコロナ禍での天災発生時に備え、3密回避に有効なマンションにおける在宅避難を実現するため、マンション一つひとつに合わせたオンリーワンの防災マニュアルを制作するサービスを発売開始いたしました。
 以上の結果、当事業の売上高は68,711百万円(前年同四半期連結累計期間比48.6%増)となり、営業損失は137百万円(前年同四半期連結累計期間は1,928百万円の営業損失)となりました。

 

④ 住宅ストック事業

住宅ストック事業では、当社施工の戸建・賃貸住宅を所有されているオーナー様に対し、インスペクション(点検・診断)を通じたリレーションの強化や保証期間延長のためのリフォーム提案を強化してまいりました。併せて法人のお客様の事業用資産に向けたメンテナンス提案に注力し、受注拡大を図ってまいりました。

また、より良質な既存住宅の流通の活性化に向けた「Livness(リブネス)」事業においては、コロナ禍における営業活動としてオンラインセミナーを実施してまいりました。また、オーナー様を中心としたあらゆるニーズにお応えするため、住宅事業部門に設置したリブネス課を61拠点まで拡大してまいりました。

 

さらに、2021年4月より大和ハウス賃貸リフォーム株式会社を立ち上げ、賃貸住宅に特化した建築・管理、建物の維持管理、バリューアップをご提案できる体制を構築いたしました。
  以上の結果、当事業の売上高は27,568百万円(前年同四半期連結累計期間比35.8%増)となり、営業利益は932百万円(前年同四半期連結累計期間は83百万円の営業損失)となりました。

 

⑤ 商業施設事業

商業施設部門では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況・影響を考慮しながら、テナント企業様の事業戦略に対応した適切な出店計画の提案や、エリアの特性を活かし、様々なニーズに応じたバリエーション豊富な企画提案を行ってまいりました。特に、商業・オフィスビル等の大型物件への取組みの強化や、投資用不動産の購入を検討されているお客様に向けて当社で土地取得・建物建築・テナントリーシングまで行った物件を販売するなど業容の拡大を図り、事業を推進してまいりました。2021年4月には広島県広島市において大和情報サービス株式会社が運営するショッピングセンター「ALPARK(アルパーク)」の大規模リニューアル(2023年春に全面リニューアルオープン、総店舗数160店舗予定)に着手するなど、当社グループが保有する経営資源を組み合わせ、お客様のニーズに合わせた複合施設開発に取組んでおります。

しかしながら、開発物件売却の減少により、当事業の売上高は165,551百万円(前年同四半期連結累計期間比16.4%減)となり、営業利益は21,810百万円(前年同四半期連結累計期間比28.3%減)となりました。

 

⑥ 事業施設事業

事業施設部門では、法人のお客様の様々なニーズに応じた施設建設のプロデュースや資産の有効活用をトータルサポートすることで業容の拡大を図ってまいりました。

物流施設関連では、沖縄県豊見城市のマルチテナント型物流施設「DPL沖縄豊見城」に続く「DPL沖縄豊見城Ⅱ」(2021年4月着工)をはじめ、全国6ヶ所のマルチテナント型物流施設を着工し、豊富な経験とノウハウでお客様の物流戦略をバックアップしてまいりました。

医療介護施設関連では、老朽化し、耐震基準を満たしていない建物を持つ病院をターゲットにした建替えや移転の提案、また高齢者住宅・複合介護施設等医療法人の経営課題を解決するソリューション提案を強化してまいりました。

事務所・工場等の拠点サポート関連では、広島西飛行場跡地の再開発事業第二弾として、約7.9万㎡の事業面積を誇る「広島イノベーション・テクノ・ポートⅡ」の開発に着手(2021年4月)するなど、当社開発の工業団地の事業化促進、企業誘致を強化してまいりました。また食品工場においても、静岡県駿東郡小山町にある当社所有の工業団地「D-Project Industry 富士小山Ⅰ」にてプロキシマーシーフード社のアトランティックサーモン閉鎖型陸上養殖施設を着工(2021年4月)いたしました。今後もSDGsを視野に、食料自給率の向上等に寄与するため、陸上養殖施設を含む食品関連施設の誘致を積極的に提案してまいります。

株式会社フジタでは、自動車専用道路の4車線化工事や医療・福祉施設の建設工事を受注した結果、建設受注高は前期から大幅に増加いたしました。また、工事が順調に推移したことにより前年同期比増収増益となりました。

大和ハウスプロパティマネジメント株式会社では、主に物流施設を管理・運営しており、今期においては11棟、約35万㎡の施設についてマスターリース・プロパティマネジメント(MLPM)契約を締結し累計180棟、約626万㎡となりました。

しかしながら、開発物件売却の減少により、当事業の売上高は231,143百万円(前年同四半期連結累計期間比1.5%減)となり、営業利益は23,216百万円(前年同四半期連結累計期間比5.6%減)となりました。

 

⑦ その他事業

物流事業では、大和物流株式会社において、「鳥栖物流センター」(佐賀県)等2ヶ所を新たに開設し、事業基盤を強化するとともに、デジタル活用によるオペレーションの効率化や生産性向上の取組みを推進しております。

しかしながら、環境エネルギー事業における請負工事の減少等により、当事業の売上高は115,725百万円(前年同四半期連結累計期間比0.6%減)となり、営業利益は2,488百万円(前年同四半期連結累計期間比31.5%減)となりました。

 

 

(注) 各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものです。(「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照。)

 

(2) 財政状態の状況に関する分析

当第1四半期連結会計期間末における資産合計は5,178,292百万円となり、前連結会計年度末の5,053,052百万円と比べ125,239百万円の増加となりました。その主な要因は、戸建住宅事業及びマンション事業における販売用不動産の仕入により、棚卸資産が増加したことによるものです。
 

当第1四半期連結会計期間末における負債合計は3,259,929百万円となり、前連結会計年度末の3,159,548百万円と比べ100,381百万円の増加となりました。その主な要因は、法人税等の支払いにより未払法人税等が減少したものの、棚卸資産の取得等のために借入金やコマーシャル・ペーパー、社債の発行による資金調達を行ったことによるものです。

 
 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は1,918,362百万円となり、前連結会計年度末の1,893,504百万円と比べ24,858百万円の増加となりました。その主な要因は、前連結会計年度に係る株主配当金43,185百万円の支払いを行った一方、38,585百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことや、為替換算調整勘定が増加したことによるものです。これらの結果、当第1四半期連結会計期間末におけるリース債務等を除く有利子負債は、1,430,667百万円となり、D/Eレシオは0.77倍となりました。なお、ハイブリッドファイナンスの資本性考慮後のD/Eレシオは0.66倍(※)となりました。

※ 2019年9月に発行した公募ハイブリッド社債(劣後特約付社債)1,500億円、及び2020年10月に調達したハイブリッドローン(劣後特約付ローン)1,000億円について、格付上の資本性50%を考慮して算出しております。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

今後の社会経済環境の見通しについては、感染力が強いといわれる新型コロナウイルス感染症(変異株)の影響等により、楽観視できない状況が続くものと思われます。経済協力開発機構(OECD)は2021年5月に先進国を中心に新型コロナワクチンの接種が進んでいることなどから、2021年の成長率の予測を前回の5.6%から5.8%に引き上げました。一方、わが国は接種の遅れなどから0.1ポイントの下方修正となっており、引き続き人々の行動が制約され、個人消費や雇用環境の悪化等が長期化し、本格的な経済活動の回復に時間を要すことが想定されます。

当業界においては、先行指標となる新設住宅着工戸数総計は増加に転じ、やや明るい回復の兆しが見られました。一方で米国での住宅需要の高まりに端を発したウッドショックや鋼材の高騰等、楽観視できない状況が当面続くことが想定されます。中長期でみると世帯数の減少による新設住宅着工戸数の減少、高齢化等による人手不足には継続して対処していく必要があります。

このような事業環境の中で、予期せぬ事態の中でどのような難局であっても未来を切り拓く姿勢を持ち続け、前へ進もうとする積極精神を持った当社グループの人財の強みを活かし、新たな成長ステージに向けた基盤の強化のため、2021年4月より事業本部制を本格稼働いたしました。各事業本部長の権限を強化し、業績に対してだけでなくリスクマネジメントを含めた経営全般に対して責任を負う体制といたしました。また、各事業本部に関連するグループ会社を傘下に置き、これまで以上にグループ会社との連携を強化し、お客様に価値あるサービスを提供できる体制といたしました。引き続き「世の中の役に立つ事業の推進」を原点に、「人・街・暮らしの価値共創グループ」としてすべての人が心豊かに生きる暮らしの実現に注力してまいります。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は2,298百万円となりました。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。