第一部 【企業情報】

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移

 

回次

第116期

第117期

第118期

第119期

第120期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(百万円)

1,519,435

1,664,960

1,698,292

1,456,473

1,482,961

経常利益

(百万円)

124,130

133,957

137,986

105,465

50,419

親会社株主に帰属する

当期純利益

(百万円)

84,978

99,668

98,977

77,176

47,761

包括利益

(百万円)

103,802

101,732

53,200

109,354

49,336

純資産

(百万円)

656,330

735,242

736,412

821,446

875,172

総資産

(百万円)

1,780,943

1,860,794

1,904,934

1,908,674

2,128,356

1株当たり純資産

(円)

829.58

929.72

957.56

1,068.74

1,116.89

1株当たり当期純利益

(円)

108.31

127.04

128.31

101.17

64.09

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

108.26

127.04

128.30

101.17

自己資本比率

(%)

36.5

39.2

38.3

42.7

38.7

自己資本利益率

(%)

13.9

14.4

13.6

10.0

5.8

株価収益率

(倍)

8.8

7.6

6.6

8.9

11.5

営業活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

82,879

14,933

170,557

80,674

77,772

投資活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

30,938

52,652

115,745

113,954

89,308

財務活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

26,124

42,404

68,732

42,710

19,634

現金及び現金同等物

の期末残高

(百万円)

341,158

229,978

352,722

276,321

287,134

従業員数

(人)

16,024

16,184

16,297

16,586

19,661

(うち、契約社員数)

2,708

2,315

2,178

2,308

2,625

(注) 1 第120期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

    2 契約社員数には、再雇用社員数、嘱託社員数を含めております。

    3 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第117期の期首から適用しており、第116期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

    4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移

 

回次

第116期

第117期

第118期

第119期

第120期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(百万円)

1,262,554

1,406,730

1,417,604

1,249,985

1,287,352

経常利益

(百万円)

113,116

121,742

122,686

98,613

43,926

当期純利益

(百万円)

83,004

92,733

89,365

72,370

45,735

資本金

(百万円)

74,365

74,365

74,365

74,365

74,365

発行済株式総数

(株)

788,514,613

788,514,613

788,514,613

788,514,613

788,514,613

純資産

(百万円)

556,455

627,910

620,143

697,042

699,210

総資産

(百万円)

1,524,948

1,597,475

1,604,429

1,632,972

1,749,528

1株当たり純資産

(円)

708.06

798.98

811.50

912.13

943.72

1株当たり配当額

(円)

26.00

36.00

38.00

30.00

23.00

(うち1株当たり中間配当額)

(10.00)

(13.00)

(18.00)

(12.00)

(11.50)

1株当たり当期純利益

(円)

105.62

118.00

115.65

94.70

61.26

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

36.5

39.3

38.7

42.7

40.0

自己資本利益率

(%)

16.0

15.7

14.3

11.0

6.6

株価収益率

(倍)

9.0

8.2

7.3

9.5

12.0

配当性向

(%)

24.6

30.5

32.9

31.7

37.5

従業員数

(人)

10,348

10,336

10,384

10,494

10,688

(うち、契約社員数)

1,343

880

788

842

748

株主総利回り

(%)

97.9

102.6

94.7

102.8

89.0

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(115.9)

(110.0)

(99.6)

(141.5)

(144.3)

最高株価

(円)

1,396

1,200

1,176

965

953

最低株価

(円)

895

834

718

711

707

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式がないため記載しておりません。

2 契約社員数には、再雇用社員数、嘱託社員数を含めております。

3 最高株価及び最低株価は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。

4 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第117期の期首から適用しており、第116期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

 1804年(文化元年)、清水喜助が江戸神田鍛冶町に大工業を開業したのが、当社の起源であります。

以来、個人営業の時代が続きましたが、明治中期には近代建設業者としての基礎を確立しました。

 その後の当社グループの主な変遷は次のとおりであります。

 

1915年10月

資本金100万円をもって合資会社清水組を設立し、会社組織に変更した。

1928年2月

本店芝浦鐵工所を、合資会社東京鐵骨橋梁製作所として設立

1937年8月

株式会社清水組設立

1937年11月

合資会社清水組を合併

名古屋支店・大阪支店(現 関西支店)・九州支店開設

1939年5月

北海道支店開設

1945年5月

広島支店開設

1946年4月

仙台支店開設(現 東北支店)

1946年7月

北陸支店・四国支店開設

1946年8月

建設資材等の販売会社の丸喜産業株式会社(現 株式会社ミルックス)を設立

1947年3月

総合設備会社の第一設備工業株式会社を設立

1948年2月

清水建設株式会社と社名変更

1948年9月

合資会社東京鐵骨橋梁製作所を株式会社に変更

1949年6月

橋梁・鉄骨製作請負会社の株式会社片山鉄工所(2016年10月に株式会社東京鐵骨橋梁と経営統合)が、当社の関係会社となる。

1961年4月

当社株式を東京店頭市場に公開

1961年10月

当社株式を東京証券取引所市場第二部に上場

1962年2月

当社株式を東京証券取引所市場第一部に上場

1962年10月

当社株式を名古屋・大阪両証券取引所市場第一部に上場

1971年5月

不動産取引に関する業務を事業目的に追加した。

1980年4月

横浜支店開設

1982年6月

EC(エンジニアリング・コンストラクター)化に備えるため、定款の事業目的を追加した。

1986年4月

当社リフォームセンターを株式会社シミズリフォーム(現 株式会社シミズ・ビルライフケア)として設立

1987年4月

千葉支店開設

1988年4月

当社機械事業部を株式会社エスシー・リース・マシーナリ(現 株式会社エスシー・マシーナリ)として設立

1990年6月

資源エネルギー開発、環境整備等への業容拡大と、情報通信システム分野、医療用機械器具の販売、損害保険代理業等新規事業分野への展開に備えるため、定款の事業目的を追加した。

1991年4月

本店を東京都中央区から港区に移転

1992年4月

東京支店・土木東京支店開設

2000年6月

エネルギー供給事業、公共施設の企画・建設・保有などPFI事業等の展開に備えるため、定款の事業目的を追加した。

2000年11月

不動産会社の清水総合開発株式会社を設立

2006年6月

土壌浄化事業、温室効果ガス排出権の取引に関する事業等の展開に備えるため、定款の事業目的を追加するとともに、当面事業展開を予定しない事業目的を削除した。

 

2009年4月

国際支店開設

2012年8月

本店を東京都港区から中央区に移転

2014年6月

自然共生事業の拡大を目指し、農林水産関連分野の事業展開に備えるため、定款の事業目的を追加した。

2015年7月

BSP(Building Service Provider)事業の強化・収益拡大を図るため、株式会社シミズ・ビルライフケアが、地域会社(東海・関西・九州)の3社を統合した。

2016年10月

橋梁事業と鉄骨事業の事業競争力・収益力の強化を目的に、株式会社東京鐵骨橋梁と片山ストラテック株式会社が、株式会社東京鐵骨橋梁(現 日本ファブテック株式会社)を分割承継会社、片山ストラテック株式会社を分割会社として経営統合した。

2020年3月

北米における事業拡大を目的に、北米事業の事業統括法人であるシミズ・アメリカ社を設立

2021年4月

土木国際支店開設

2022年3月

日本道路株式会社を株式公開買付けにより連結子会社化

2022年4月

市場区分の見直しにより、東京証券取引所プライム市場、名古屋証券取引所プレミア市場に移行

 

 

3 【事業の内容】

 当社グループは、当社、子会社117社及び関連会社22社で構成され、建設事業、開発事業及び各事業に附帯関連する事業を営んでおります。

建設事業……… 当社及び日本道路㈱、日本ファブテック㈱、第一設備工業㈱、㈱シミズ・ビルライフケア等が営んでおり、当社は工事の一部を関係会社に発注しております。

開発事業……… 当社及び清水総合開発㈱等が営んでおり、当社は一部の関係会社と土地・建物の賃貸借を行い、また建設工事を受注しております。

その他の事業… 建設資機材の販売及びリース事業を㈱ミルックスが営んでおり、当社は建設資機材の一部を購入・賃借しております。建設機械のレンタル事業を㈱エスシー・マシーナリが営んでおり、当社は一部の建設機械を賃借しております。当社及び関係会社等への資金貸付事業をシミズ・ファイナンス㈱等が営んでおります。公共施設等の建設・維持管理・運営等のPFI事業を多摩医療PFⅠ㈱等が営んでおります。
 このほか、北米における当社グループの事業活動の統括をシミズ・アメリカ社が行っております。

 

 各事業と報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。

 当社グループは、当社における建設事業及び投資開発事業を主要な事業としており、報告セグメントは、当社の建設事業を「当社建設事業」、当社の投資開発事業を「当社投資開発事業」としております。また、当社が営んでいるエンジニアリング事業、LCV事業及び子会社が営んでいる各種事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、「セグメント情報」において「その他」に含めております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。なお、関係会社の一部は、複数の事業を行っております。

 

0101010_001.png

 

4 【関係会社の状況】

(1)連結子会社

(2022年3月31日現在)

 

名称

住所

資本金
又は出資金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の
所有割合

(%)

関係内容

日本道路㈱ ※

東京都港区

12,290

建設事業

50.3

当社施工工事の一部を受注しております。

清水総合開発㈱

東京都中央区

3,000

開発事業

100

当社に工事を発注しております。

当社から施設の管理を受託しております。

当社に建物を賃貸しております。

役員の兼任5人

日本ファブテック㈱

東京都中央区

2,437

建設事業

84.6

当社施工工事の一部を受注しております。

役員の兼任4人

第一設備工業㈱

東京都港区

400

建設事業

94.3

当社施工工事の一部を受注しております。

役員の兼任6人

㈱ミルックス

東京都中央区

372

建設資機材販売・リース及び保険代理業

100

当社施工工事の一部を受注しております。

当社に建設資機材の販売・リース等を行っております。

当社から建物・構築物等を賃借しております。

役員の兼任1人

㈱エスシー・マシーナリ

横浜市瀬谷区

200

建設機械の

レンタル

100

当社に建設機械のレンタルを行っております。

当社から建物・構築物等を賃借しております。

役員の兼任5人

㈱シミズ・ビルライフケア

東京都中央区

100

ビルマネジメント事業

100

当社施工工事の一部を受注しております。
役員の兼任7人

日本建設㈱

東京都千代田区

100

建設事業

95.0

当社施工工事の一部を受注しております。

役員の兼任5人

㈱エスシー・プレコン

千葉県流山市

100

建設事業

100

当社にPC板等を製造・納入しております。

当社から建物・構築物等を賃借しております。

役員の兼任5人

シミズ・ファイナンス㈱

東京都中央区

2,000

当社関係会社

への融資

100

当社と資金の貸借等の取引を行っております。

役員の兼任4人

多摩医療PFI㈱

東京都中央区

500

医療センターの運営

95.0

当社に工事を発注しております。

役員の兼任6人

MM21-46特定目的会社 ※

東京都千代田区

33,001

開発事業

100

当社に工事を発注しております。

つくば営農型太陽光発電㈱

東京都中央区

450

売電事業

100

役員の兼任3人

シミズ・USA・

ホールディングス社 ※

アメリカ合衆国

デラウェア州

千US$

95,000

北米における

持株会社

100

役員の兼任3人

シミズ・アメリカ社

アメリカ合衆国

デラウェア州

US$

1

 

北米における

事業の統括

100

 (100)

役員の兼任6人

シミズ・ノースアメリカLLC

アメリカ合衆国

デラウェア州

千US$

3,000

 

建設事業

100

 (100)

役員の兼任3人

シミズ・リアルティ・デベロップメント(U.S.A.)社

アメリカ合衆国

デラウェア州

US$

1

 

開発事業

100

 (100)

役員の兼任4人

シミズ・インターナショナル・ファイナンス(U.S.A.)社

アメリカ合衆国

デラウェア州

千US$

30,000

 

当社関係会社

への融資

100

 (100)

役員の兼任3人

清水建設(中国)有限公司

中華人民共和国

上海市

千元

80,000

建設事業

100

役員の兼任4人

シミズ・インベストメント(アジア)社

シンガポール

共和国

千シンガ
ポールドル

84,000

開発事業

100

役員の兼任4人

シミズ・インターナショナル・キャピタル(シンガポール)社

シンガポール

共和国

千シンガ
ポールドル

10,000

当社関係会社

への融資

100

役員の兼任4人

その他96社

 (注)1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

   2 日本道路㈱は、有価証券報告書を提出している会社であります。

   3 ※ 特定子会社であります。

 

(2)持分法適用関連会社

(2022年3月31日現在)

 

名称

住所

資本金
又は出資金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の
所有割合

(%)

関係内容

東京コンクリート㈱

東京都江東区

150

建設事業

33.3

役員の兼任2人

㈱幕張テクノガーデン

千葉市美浜区

1,500

開発事業

26.7

役員の兼任1人

プロパティデータバンク㈱

東京都港区

332

不動産関連情報の運用管理

24.4

その他8社

 (注) プロパティデータバンク㈱は、有価証券報告書を提出している会社であります。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

(2022年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

当社建設

9,248

(604)

当社投資開発

91

(3)

その他

10,322

(2,018)

合計

19,661

(2,625)

  (注) 1 従業員数は、( )内に内書きで記載した期末の契約社員数を含む合計人数を記載しております。

      なお、契約社員数には再雇用社員数、嘱託社員数を含めて記載しております。

    2 従業員数が前連結会計年度末に比べ3,075名増加しておりますが、その主な理由は、2022年3月29日付で

      日本道路㈱を連結子会社化したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

(2022年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

10,688

43.1

15.6

9,779

(748)

 

セグメントの名称

従業員数(人)

当社建設

9,248

(604)

当社投資開発

91

(3)

その他

1,349

(141)

合計

10,688

(748)

 (注) 1 従業員数は、( )内に内書きで記載した期末の契約社員数を含む合計人数を記載しております。

      なお、契約社員数には再雇用社員数、嘱託社員数を含めて記載しております。

       2  平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、契約社員748人を除く従業員9,940人の状況を記載しており

           ます。

       3  平均年間給与は、期末手当及び諸手当を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

 特記事項はありません。

 

 

第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) シミズグループの中長期的な経営方針

当社は、1887年に相談役としてお迎えした渋沢栄一翁の教えである道徳と経済の合一を旨とする「論語と算盤」を「社是」とし、この考え方を基に、「真摯な姿勢と絶えざる革新志向により、社会の期待を超える価値を創造し、持続可能な未来づくりに貢献する」ことを「経営理念」として定めています。

2019年5月、当社は、2030年を見据えたシミズグループの長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」と、当面5年間の基本方針と重点戦略を取りまとめた「中期経営計画〈2019‐2023〉」を策定しました。

 

「SHIMZ VISION 2030」

■目指す姿『スマート イノベーション カンパニー』

建設事業の枠を超えた不断の自己変革と挑戦、多様なパートナーとの共創を通じて、時代を先取りする価値を創造(スマート イノベーション)し、人々が豊かさと幸福を実感できる、持続可能な未来社会の実現に貢献します。

 

■シミズグループが社会に提供する価値

イノベーションを通じた価値の提供により、SDGsの達成に貢献します。

①安全・安心でレジリエント※1な社会の実現

地震や巨大台風、豪雨などの自然災害リスクが高まる中、生活と事業を災害から守ることが求められています。強靭な建物・インフラの構築を通じて、安全・安心でレジリエントな社会の実現に貢献していきます。

・強靭な社会インフラの構築

・建物・インフラの長寿命化

・防災・減災技術の普及

・ecoBCP※2の普及

※1 レジリエント:強くしなやかで復元力がある

※2 ecoBCP:平常時の節電・省エネ(eco)対策と非常時の事業継続(BCP)

          対策を両立する施設・まちづくり

 

②健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会の実現

高齢化や人口減少、都市化などの急速な社会変化が進む中、誰もが安心して快適に暮らせる社会が求められています。人に優しい施設やまちづくりを通じて、健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会の実現に貢献していきます。

・ICTを活用したまちづくり

・ユニバーサルデザインの普及

・well-beingの提供

・人類の活躍フィールドの拡大(海洋、宇宙へ)

※ インクルーシブ:すべての人が社会の一員として参加できる

 

③地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現

地球温暖化や森林破壊、海洋汚染などが深刻化する中、次世代に豊かな地球を残すことが求められています。環境負荷低減を目指す企業活動を通じて、地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現に貢献していきます。

・再生可能エネルギーの普及

・省エネ・創エネ、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化の推進

・事業活動におけるCO排出量削減

・自然環境と生物多様性の保全

※ サステナブル:地球環境を保全しつつ持続的発展が可能な

 

■ビジョンの達成に向けて

3つのイノベーションの融合により、新たな価値を創造するスマート イノベーション カンパニーを目指します。

①事業構造のイノベーション

ビジネスモデルの多様化とグローバル展開の加速、及び、グループ経営力の向上

 

②技術のイノベーション

建設事業の一層の強化に向けた生産技術の革新と未来社会のメガトレンドに応える先端技術の開発

 

③人財のイノベーション

多様な人財が活躍できる“働き方改革”の推進と社外人財との“共創”による「知」の集積

 

■目指す収益構造

スマート イノベーション カンパニーへの進化により、2030年度に連結経常利益2,000億円以上を目指します。

連結売上利益の構成は、事業別では、建設65%、非建設35%、地域別では、国内75%、海外25%を想定しています。

 

「中期経営計画〈2019‐2023〉」

■中期経営計画の位置付け

企業価値の持続的成長を目指し、外部環境の変化に機敏に対応しつつ、利益水準を維持するとともに、2019年度から2023年度までの5年間を新たな収益基盤の確立に向けた先行投資期間として位置付けています。

 

■基本方針

建設事業の深耕・進化と、非建設事業の収益基盤確立及び成長を支える経営基盤の強化を図り、グローバル展開の加速とESG経営の推進により、シミズグループの企業価値向上を実現し、SDGsの達成に貢献します。

 

■経営数値目標(連結ベース)

建設事業での安定的な収益基盤を維持しつつ、非建設事業の着実な収益力向上により中長期的に収益構造を強化し、グループの持続的成長を実現します。

非建設事業の成長に資する投資を着実に実施しつつ、財務体質の健全性を維持します。

 

(単位:億円)

 

中期経営計画〈2019‐2023〉

 

2023年度 目標

財務KPI

総売上高

18,800

ROE    10%以上

自己資本比率 40%以上

負債資本倍率 0.7倍以下

(D/Eレシオ)

配当性向   30%程度

 建設事業

15,500

 非建設事業

3,300

売上利益

2,350

 建設事業

1,850

 非建設事業

500

経常利益

1,400

 

■資本政策

①政策保有株式の縮減

・政策保有株式の縮減を段階的に進め、資本の有効活用を図ります。

・売却代金の一部を原資として自己株式を取得し、成長戦略の実現に向けた機動的な資本政策を実施します。

 

②株主還元の拡充

・長期的発展の礎となる財務体質の強化と安定配当を基本方針とし、1株当たり配当金の下限を年間20円としたうえで、成長により稼得した利益を連結配当性向30%を目安に還元します。

 

■投資計画

 長期ビジョン達成に向けた新たな収益基盤確立のため、5年間で7,500億円の投資を実施します。

項目

投資額(5ヶ年)

生産性向上・研究開発投資

1,000億円

・建設生産システムの進化(ロボット等)

・研究開発拠点の拡充

・デジタル関連投資 他

不動産開発事業

5,000億円

・国内開発事業・賃貸資産の拡充

・海外事業の拡大(ASEAN・北米等)他

  新規投資額    5,000億円

  売却による回収 ▲1,000億円

  NET投資額   4,000億円

インフラ・再生可能エネルギー

新規事業(フロンティア事業他)

1,300億円

・インフラ運営・BSP事業

・再生可能エネルギー関連事業

・宇宙・海洋・自然共生事業

・次世代ベンチャー投資 他

人財関連

200億円

・高度プロフェッショナル人財

・グローバル化・制度改革 他

5ヶ年投資額 合計

7,500億円

 

 

■非財務KPI

 建設事業における労働生産性を向上させるとともに、ESGの観点から企業価値の向上を図り、SDGsの達成に貢献します。

主要KPI

2023年度目標

生産性向上

建設事業における生産性(2016年度比)

向上率

20%以上

環境(E)

建設事業におけるCO排出量(2017年度比)削減率※1

10%以上

社会(S)

働きがい指標※2

4.0以上

ガバナンス(G)

重大な法令違反件数

0件

※1 当社エコロジー・ミッション2030‐2050活動に対応する目標

※2 当社従業員に対する「働きがい意識調査」による指標(5段階評価の平均

 

 

■ESG経営の推進

シミズグループは、ESG経営を推進し、事業活動を通じて社会的責任を果たすことで、ステークホルダーからの信頼を高めるとともに、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を実現します。

 

具体的な取組み

シミズのマテリアリティ

 当社は、社会や環境の持続可能性(サステナビリティ)を強く意識した事業活動を推進しています。このたび最近の社会動向の変化も踏まえて、当社として取り組むべき重要課題を「マテリアリティ」として改めて整理しました。マテリアリティの特定にあたっては、SDGsをはじめとする様々な社会課題や、当社の社是や経営理念、長期ビジョン等を勘案し、「社会への影響度」と「自社にとっての影響度」の2つの側面から重要度を検討しました。

 マテリアリティ毎に進捗状況を管理する指標も定めており、今後、取組みを着実に進め、持続可能な未来づくりに貢献していきます。

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 「マテリアリティ」の詳細については下記URLよりご参照ください。

 https://www.shimz.co.jp/company/csr/materiality/

 

TCFD提言に基づく情報開示

 当社は、気候変動を重要な経営課題の1つと捉え、気候変動が当社事業に及ぼす「リスク」と「機会」及びその影響時期を分析し、その結果を経営戦略に活かしています。気候変動に対して必要な当社の対応は、長期ビジョンと中期経営計画で策定した事業戦略の方向性と整合していることを確認しました。またその結果を、コーポレートサイトやコーポレートレポートにおいて開示しています。

 「TCFD提言に基づく情報開示」の詳細については下記URLよりご参照ください。

 https://www.shimz.co.jp/company/csr/environment/tcfd/

※ TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース):

  2015年に金融安定理事会により設置されたイニシアチブ

 

サステナブル・リノベーションによる「ZEB」を実現

 2050年のカーボンニュートラル達成には、新築だけでなく改修工事による建物のZEB化が重要です。改修によるZEB化は技術的難易度が高い中、当社は国立研究開発法人産業技術総合研究所つくば西事業所内のゼロエミッション国際共同研究センター改修・更新工事において「西-4A棟」のZEB化を達成しました。

 この技術を活かして、今後もカーボンニュートラルの達成に貢献する取組みを進めていきます。

※ ZEB(Net Zero Energy Building):

  エネルギー消費量を極力小さくするとともに、エネルギーを自給し、建物のエネルギー消費量の収支を正味ゼロとする建物

 

建築物の木質化で新しい価値を創造

 地球温暖化への対応が喫緊の課題となっている中、CO削減やSDGsの目標達成という観点から、「木材」に大きな注目が集まっています。

 当社は、高い耐震性、耐火性を満たすとともに、意匠性、施工性、経済性に優れた建築を実現する「シミズハイウッド」シリーズを開発し、建築に木を取り入れることで、環境と人にやさしい木質建築を目指しています。

※ 「シミズハイウッド」は日本における当社の登録商標です。

 

アフリカ・ジブチ共和国の小中学校建設プロジェクトを受注

 ジブチ共和国は、アフリカ大陸北東部に位置する国で、就学率の向上を目的に教育施設の拡充に取り組んでいます。本プロジェクトでは、日本国政府の無償資金協力により、基礎教育へのアクセス拡大と学習環境の改善を目的に、9年間の一貫した義務教育を提供する小中併設校を建設。アフリカの持続的な発展に寄与していきます。

 

(2) 対処すべき課題

■労働環境改善に向けた取組み

2024年4月からの建設業に対する時間外労働の上限規制の適用に向け、法令順守のもとで、適正かつ生産性の高い事業運営を可能とする体制を構築することが急務となっています。当社は本年4月に社長を委員長とする「労働環境改善委員会」を設置し、従業員が心身共に健康で、働きがいを感じることのできる職場の実現に向け、過重労働の防止や従業員のメンタルヘルスのサポート体制の拡充を推進するとともに、各部門における労働環境改善に向けた推進責任者を選任し、全社一体の取組みを展開しています。

 

■コンプライアンスの徹底に向けた取組み

当社グループの役員・従業員が、社是である「論語と算盤」の精神に則って具体的な行動ができるよう、倫理意識の涵養とコンプライアンスの徹底に資する諸施策を継続して推進しています。

 

①経営トップが率先して倫理意識の涵養とコンプライアンスの徹底を図る

a. 経営幹部向け企業倫理研修(当社役員が受講後に、当社従業員及び子会社の役職員にイントラネットで公開)

  ・安岡定子氏「論語を実践に活かす」、渋沢資料館 井上潤氏「論語と算盤の実践」

b. コンプライアンスeラーニング研修(「独占禁止法の順守」を含む)

 

②工事の入札に係る行動規準の周知徹底(当社及び建設事業系子会社を中心に推進)

・役員・従業員に対して研修・ヒアリングを実施し行動規準を周知徹底するとともに、個別案件について必要に応じ外部弁護士などによるヒアリング等を実施

 

 

2 【事業等のリスク】

 当社グループは、事業活動の遂行において直面し、あるいは事業活動の中で発生し得るさまざまなリスクを認識し、的確な管理を行うことによって、その発生の可能性を低下させるとともに、発生した場合の損失を最小限にとどめることにより、事業の継続的・安定的発展の確保に努めております。中期経営計画〈2019‐2023〉においても、基本方針において「ESG経営の推進」を掲げ、「コンプライアンスの徹底とリスクマネジメントの強化」を重要施策の一つとしております。

 なお、リスクとは、以下の観点から、当社グループの経営において経営目標の達成を阻害する要因すべてを指します。

・当社グループに直接又は間接に経済的損失をもたらす可能性のあるもの

・当社グループ事業の継続を中断・停止させる可能性のあるもの

・当社グループの信用を毀損し、ブランドイメージを失墜させる可能性のあるもの

 当社は、リスク管理規程に基づき、社長が委員長を務めるリスク管理委員会において、毎年度、全社の「重点リスク管理項目」を定めて各部門の運営計画に反映させており、当該項目には、法令違反リスクや安全・環境・品質に関するリスク等のESG要素も含まれております。同委員会は、本社部門、各事業部門及びグループ会社における機能別のリスク管理状況を定期的(年2回)にモニタリングし、必要に応じて是正・改善措置を指示するとともに、新たなリスクへの対応を図り、その対応状況を取締役会に定期的(年2回)に報告しております。

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 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクには、次のようなものがあります。ただし、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点で予見しがたいリスクが顕在化し、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、こうしたリスク管理体制のもと、下記に掲げる対応策を適宜実施することにより、リスクの回避又は軽減を図ることで、経営への影響の低減に努めております。

 

(1)主に外部環境の変化に伴うリスク

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

建設市場の縮小リスク

国内外の景気後退等により民間設備投資が縮小した場合や、財政健全化等を目的として公共投資が減少した場合には、今後の受注動向に影響を及ぼす可能性があります。

 

取締役会で建設事業の受注見通し、案件量を毎月フォローし、執行役員会議・事業部門長会議等において適宜必要な対策を指示しております。

2030年を見据えた長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」において非建設事業の拡充による収益構造の転換を掲げ、中期経営計画〈2019‐2023〉によって事業推進しております。

建設資材価格及び労務単価の変動リスク

建設資材価格や労務単価等が、請負契約締結後に予想を超えて大幅に上昇し、それを請負金額に反映することが困難な場合には、建設コストの増加につながり、損益が悪化する可能性があります。

 

工事請負契約の締結にあたって、原則として労務賃金・建設物価の変動に基づく請負代金の変更に関する規定(スライド条項等)を採用するよう、発注者との協議に努めております。

取引先の信用リスク

発注者、協力会社、共同施工会社などの取引先が信用不安に陥った場合には、資金の回収不能や施工遅延などの事態が発生する可能性があります。

 

取引先に対する与信審査の徹底と継続的なモニタリングを行うとともに、当社グループの債権保全が可能な契約の締結に努めております。

海外事業リスク

海外での事業を展開するうえで、進出国での政治・経済情勢、為替、租税制度や法的規制等に著しい変化が生じた場合や、テロ・戦争・暴動等の発生、資材価格の高騰及び労務単価の著しい上昇や労務需給のひっ迫があった場合には、工事の進捗や工事損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

海外事業展開にあたって、事業機会とともにカントリーリスク等も踏まえて地域や国を絞り込み、必要な対策を図っております。

(主な取り組み)

・海外大型案件取り組み時の審査体制の強化

・契約リスク管理部署の設置

・コンサルの活用等によるテロ対策の実施

・腐敗防止の取り組み

投資開発事業リスク

景気の減速による不動産市況の低迷や不動産ファンド等の破綻など、投資開発分野の事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

企業体力に見合ったリスクの範囲内で事業を行うよう毎年度投資枠を設定するとともに、個別案件の取り組みにおいては、投資取組基準に基づき、出口戦略(投資の回収計画)も含めて計画的に投資を行っております。

取締役会で投資開発事業の進捗状況、投資残高、事業ポートフォリオ、時価評価を定期的にフォローし、必要な対策を図っております。

 

 

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

長期にわたる事業におけるリスク

PFI事業、再生可能エネルギー事業等の長期にわたる事業において、諸物価や人件費、金利等の上昇、取引先の信用不安など、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

取締役会でPFI事業、再生可能エネルギー事業等の進捗状況を定期的にフォローし、必要な対策を図っております。

 

投資有価証券の価格変動リスク

投資有価証券の時価が著しく下落した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

毎年、個別銘柄ごとに、株式保有に伴うコストやリスク、営業上の便益等の経済合理性を総合的に勘案のうえ、保有意義を見直し、取締役会にて、保有の必要性を検証したうえで、保有意義の低下した銘柄は、原則として売却しております。

金利水準・為替相場の変動リスク

金利水準の急激な上昇、為替相場の大幅な変動等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

金融相場変動リスク管理規程に従い、リスク管理を行っております。

(主な取り組み)

・固定金利による資金調達、金利スワップによる金利固定化による金利変動リスクの低減

・為替予約、通貨スワップ、現地通貨による資金調達、外貨持高の調整による為替相場変動リスクの低減

 

 

 

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

自然災害・感染症リスク

地震、津波、風水害等の自然災害や、感染症の世界的流行が発生した場合は、当社グループが保有する資産や従業員に直接被害が及び、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

災害規模が大きな場合には、受注動向の変化・建設資材価格の高騰・電力エネルギー供給能力の低下等で事業環境が変化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

BCP推進委員会を設置し、BCPの継続的見直しや訓練計画の決定及び実施状況のフォローを行っております。

(主な取り組み)

・首都直下地震、南海トラフ地震等の巨大地震を想定した震災訓練の定期的な実施

・風水害発生時の行動基準の策定、風水害に関する従業員向け研修(eラーニング)の実施及び風水害を想定した訓練の実施

・災害時情報共有システムの整備

・非常用電源の確保及び備蓄品の拡充

・データセンターのバックアップ体制の構築

・新型コロナウイルス感染拡大防止策として、テレワーク・スライド勤務の励行やワクチンの職域接種を実施するとともに、感染状況に応じて出張やイベントへの参加、会食等に関する社内ルールを適宜見直し、事業の継続に努めております。

サイバーリスク

標的型メールやマルウェアによるウイルス感染、不正アクセス等のサイバー攻撃の被害にあった場合、事業活動や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

デジタル戦略推進委員会を設置し、情報セキュリティに関する事項を審議し、必要な対策を図っております。

(主な取り組み)

・従業員対象の標的型メール訓練の実施

・社外公開サーバーの脆弱性診断

・外部委託によるウイルスの常時監視

・未知のマルウェア対策の実施

法令の新設・改廃等に係るリスク

社会や時代の変化により、新たな法規制の制定や法令の改廃等があった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

事業活動に影響を及ぼす法令の新設・改廃等について適切に対応するため、関連規程・規則を整備し、各種会議体・イントラネット等を用いた社内周知、社内教育・研修(eラーニングを含む)を実施しております。

 

 

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

気候変動リスク

脱炭素社会への移行に向けて、建築物の新築時の各種規制の強化や炭素価格付けの導入等がなされた場合、また気候変動の物理的影響として、平均気温の上昇や気象災害が頻発・激甚化した場合、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

2019年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、2020年から毎年、気候変動に関するリスクと機会を分析・開示するとともに、気候変動への対策を図っております。

(主な取り組み)

・気候変動関連のリスクと機会について、取締役会で事業戦略との整合性を確認

・SDGs・ESG推進委員会(委員長:社長)を設置し、気候変動を含む地球環境問題に関する基本的な方針・施策を審議・決定

・環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」、CO2排出量削減の中長期目標「エコロジー・ミッション2030‐2050」を掲げ、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、活動を推進

・気象災害の頻発・激甚化に対し、グループ会社や協力会社を中心にサプライヤーとの連携を強化

退職給付債務に関わるリスク

年金資産の時価の下落及び割引率など退職給付債務の数理計算上の前提を変更する必要が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

年金資産運用委員会を設置し、資産運用実績や財政決算シミュレーション等について審議を行い、年金資産運用に関する基本方針並びに政策的資産構成割合の見直し・改定を実施するとともに、委託先の運用機関による運用状況について適切なモニタリングを行い、毎年、取締役会に報告しております。

 

(2)主に業界特性・組織内部に起因するリスク

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

重大事故や契約不適合等のリスク

設計、施工段階における技術・品質面での重大事故・不具合や人身事故、環境事故が発生し、その修復に多大な費用負担や施工遅延が生じたり、重大な契約不適合となった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

「安全第一」「人命尊重」「顧客第一」「品質確保」「環境保全」の事業姿勢を社内で共有し、安全と品質への意識向上を図っております。

(主な取り組み)

・技術・品質委員会、安全・環境委員会の設置

・建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)の運用、安全衛生管理基本方針の制定、全社安全衛生計画の策定

・QMS(品質マネジメントシステム)の実施、品質方針の策定、CS(顧客満足)推進活動の実施

・EMS(環境マネジメントシステム)の実施、環境基本方針の策定

・事故・不具合事例のフィードバック、全社水平展開、PDCAの実施

個人情報・機密情報漏洩リスク

事業活動において取得した個人情報、機密情報が漏洩した場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

「プライバシー・ポリシー」の制定や個人情報保護規程等の整備、全社個人情報保護管理者の設置により、個人情報の適切な管理を実施するとともに、情報セキュリティリスクに対応するため、各種取り組みを実施しております。

(主な取り組み)

・「情報セキュリティガイドライン」の適宜見直し

・「情報セキュリティハンドブック」の配布、デジタルサイネージを利用した啓発

・情報セキュリティeラーニング、情報セキュリティ監査の定期的実施

・日本シーサート協議会への加盟とCSIRT体制によるインシデント対応

 

 

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

法令違反リスク

当社グループの主な事業分野である建設業界は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法、さらには安全・環境、労働、ハラスメント関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、当社グループにおいて違法な行為があった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

社是「論語と算盤」を拳拳服膺し、グループ全体で倫理意識の涵養とコンプライアンスの徹底を図っております。

(主な取り組み)

・「企業倫理行動規範」の制定

・各種法令等に適切に対応するための関連規程類・社内体制の整備

・企業倫理委員会(委員長:社長)、企業倫理室の設置、内部通報制度(相談連絡先:企業倫理相談室、ハラスメント相談窓口、外部相談窓口)、内部監査体制の整備等、コンプライアンス推進体制の構築

・経営幹部向け企業倫理研修の定期的実施

 (グループ会社幹部含む)

・全従業員へのコンプライアンス研修(eラーニング含む)を毎年実施

・独占禁止法順守プログラムや行動規準等の整備、独占禁止法違反行為に対する再発防止策の継続実施

・社内媒体(社内報・法務ニュース等)を通じた啓発

・グループ会社も当社に準じてこれらの取り組みを実施

中長期的な担い手不足リスク

建設業の担い手である技能労働者の高齢化が進んでおり、団塊世代が大量離職するまでに、新規入職者の増加による世代交代が進まない場合、生産体制に支障をきたし、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

官民連携のうえ、担い手の確保・育成、処遇改善、建設業界の魅力向上等に取り組んでおります。

(主な取り組み)

・適正な請負代金と工期の確保

・協力会社を通じた技能労働者の賃金水準の向上、社会保険加入促進

・週休二日推進

・協力会社への入職支援、優良技能者の表彰・手当支給、多能工化支援

・女性の活躍推進

・建設業の魅力をPRする広報活動

・建設キャリアアップシステムの普及・推進

・省人化工法・建設ロボットの開発・採用、ICTの活用を含む生産性向上の取り組み

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

  当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%増加し1兆4,829億円となりました。

  利益については、営業利益は前連結会計年度に比べ54.9%減少し451億円、経常利益は52.2%減少し504億円、親会社株主に帰属する当期純利益は38.1%減少し477億円となりました

 

  セグメントの業績は、以下のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。また、報告セグメントの利益は、連結財務諸表の作成にあたって計上した引当金の繰入額及び取崩額を含んでおりません。なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)

 

(当社建設事業)

  売上高は、前連結会計年度に比べ2.2%減少し1兆1,861億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ47.2%減少し567億円となりました。

 

(当社投資開発事業)

  売上高は、前連結会計年度に比べ82.7%増加し833億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ328億円増加し478億円となりました。

 

(その他)

  当社が営んでいるエンジニアリング事業、LCV事業及び子会社が営んでいる各種事業の売上高は、前連結会計年度に比べ13.6%減少し3,569億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ6.7%減少し139億円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況については、投資活動により893億円資金が減少しましたが(前連結会計年度は1,139億円の資金減少)、営業活動により777億円資金が増加し(前連結会計年度は806億円の資金増加)、財務活動により196億円資金が増加した結果(前連結会計年度は427億円の資金減少)、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末に比べ108億円増加し、2,871億円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

  当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業及び開発事業では、「生産」を定義することが困難であり、また、子会社が営んでいる事業には、「受注」生産形態をとっていない事業もあるため、当該事業においては生産実績及び受注実績を示すことはできません。

  また、当社グループの主な事業である建設事業では、請負形態をとっているので、「販売」という概念には適合しないため、販売実績を示すことはできません。

  このため、「生産、受注及び販売の状況」については、記載可能な項目を「① 経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。

  なお、参考のため当社単体の事業の状況は次のとおりであります。

 a. 受注(契約)高、売上高、及び次期繰越高

期別

種類別

前期

繰越高

(百万円)

当期

受注(契約)高

(百万円)

(百万円)

当期

売上高

(百万円)

次期

繰越高

(百万円)

 

第119期

 

 

2020

 

 

2021

31

 

建設事業

 

 

 

 

 

建築工事

1,415,866

817,718

2,233,584

917,145

1,316,439

土木工事

482,753

312,996

795,750

259,980

535,770

1,898,620

1,130,715

3,029,335

1,177,125

1,852,210

開発事業等

96,651

70,254

166,906

72,860

94,045

合計

1,995,272

1,200,969

3,196,241

1,249,985

1,946,255

 

第120期

 

 

2021

 

 

2022

31

 

建設事業

 

 

 

 

 

建築工事

1,310,317

1,146,342

2,456,660

936,043

1,520,616

土木工事

532,692

273,719

806,411

227,446

578,965

1,843,009

1,420,062

3,263,072

1,163,489

2,099,582

開発事業等

93,685

123,399

217,084

123,863

93,221

合計

1,936,695

1,543,461

3,480,156

1,287,352

2,192,803

 (注) 1 前期以前に受注したもので、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注(契約)

      高にその増減額を含んでおります。したがって当期売上高にもかかる増減額が含まれております。

    2 開発事業等は、投資開発事業、エンジニアリング事業及びLCV事業等であります。

    3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当期首から適用してお

      り、第119期の次期繰越高に当該会計基準等の適用による影響額を加減して、第120期の前期繰越高を

      算出しております。

 

 b. 受注工事高の受注方法別比率

  工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第119期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

建築工事

37.1

62.9

100

土木工事

12.9

87.1

100

第120期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

建築工事

29.0

71.0

100

土木工事

7.7

92.3

100

 (注) 百分比は請負金額比であります。

 c. 売上高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

第119期

 

2020

 

 

2021

31

 

建設事業

 

 

 

建築工事

93,541

823,603

917,145

土木工事

166,983

92,997

259,980

260,524

916,601

1,177,125

開発事業等

340

72,519

72,860

合計

260,864

989,120

1,249,985

第120期

 

2021

 

 

2022

31

 

建設事業

 

 

 

建築工事

103,397

832,646

936,043

土木工事

130,061

97,385

227,446

233,458

930,031

1,163,489

開発事業等

1,228

122,634

123,863

合計

234,686

1,052,665

1,287,352

 (注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

 

    第119期

東京ガス不動産(株)

(仮称)TGMM芝浦プロジェクトB棟Ⅱ期新築工事

 

 

(株)みずほフィナンシャルグループ

(仮称)丸の内1-3計画新築工事 フィットアウト

工事タワー部分 専有

 

 

武蔵小金井駅南口第2地区市街地

再開発組合

武蔵小金井駅南口第2地区第一種市街地再開発事業

施設建築物新築工事

 

 

国土交通省

東京国際空港際内トンネル他築造等工事

 

 

シンガポール共和国政府

シンガポールMRTトムソン-イーストコースト

ラインT207工区建設工事

 

    第120期

新橋田村町地区市街地再開発組合

新橋田村町地区市街地再開発事業 新築工事

 

 

春日・後楽園駅前地区市街地

再開発組合

春日・後楽園駅前地区第一種市街地再開発事業

施設建築物等新築工事(北街区)

 

 

プロロジス

プロロジスパーク猪名川1プロジェクト

 

 

石巻市

石巻半島部・河北・北上・雄勝・牡鹿地域漁業集落

防災機能強化事業他整備工事

 

 

中日本高速道路(株)

新東名高速道路 高取山トンネル西工事

 

 d. 次期繰越高(2022年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

建設事業

 

 

 

建築工事

223,704

1,296,912

1,520,616

土木工事

381,245

197,720

578,965

604,949

1,494,632

2,099,582

開発事業等

1,079

92,141

93,221

合計

606,029

1,586,774

2,192,803

 (注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。

虎ノ門・麻布台地区市街地

再開発組合

虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業に係る

A街区・B-2街区施設建築物等新築建築工事

 

 

勝どき東地区市街地再開発組合

勝どき東地区第一種市街地再開発事業施設建築物

A2地区新築工事

 

 

東急(株)

(株)東急レクリエーション

(仮称)歌舞伎町一丁目地区開発計画 新築工事

 

 

フィリピン共和国政府

マニラ地下鉄 CP101工区建設工事

 

 

東日本高速道路(株)

東京外かく環状道路本線トンネル(南行)大泉南工事

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 経営成績の分析

  2021年度の日本経済は、新型コロナウイルスの感染状況が引き続き改善と悪化を繰り返す中、社会経済活動が一定の制約を受け、個人消費に弱さや足踏みが見られましたが、企業収益は総じて改善に向けた動きが見られました。

  建設業界においては、設備投資の持ち直しにより民間工事の受注が増加し、業界全体の受注高は前年度を上回る結果となりました。

  このような状況のもと、当社グループの売上高は、開発事業等売上高が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1.8%増加し1兆4,829億円となりました。

  利益については、大型開発物件を売却したことにより、開発事業等総利益が増加したものの、国内建築及び海外建築工事の工事採算の低下などにより完成工事総利益が減少したことなどから、営業利益は前連結会計年度に比べ54.9%減少し451億円、経常利益は前連結会計年度に比べ52.2%減少し504億円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益や日本道路株式会社の子会社化に伴う負ののれん発生益などを計上したことなどから、前連結会計年度に比べ38.1%減少し477億円となりました。

 

  セグメントの業績は、以下のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。また、報告セグメントの利益は、連結財務諸表の作成にあたって計上した引当金の繰入額及び取崩額を含んでおりません。なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)

 

(当社建設事業)

  売上高は、前連結会計年度に比べ2.2%減少し1兆1,861億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ47.2%減少し567億円となりました。

 

(当社投資開発事業)

  大型開発物件を売却したことなどにより、売上高は、前連結会計年度に比べ82.7%増加し833億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ328億円増加し478億円となりました。

 

(その他)

  当社が営んでいるエンジニアリング事業、LCV事業及び子会社が営んでいる各種事業の売上高は、前連結会計年度に比べ13.6%減少し3,569億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ6.7%減少し139億円となりました。

 

② 財政状態の分析

  当連結会計年度末の資産の部は、受取手形・完成工事未収入金等の増加及び賃貸事業用固定資産の取得などにより、前連結会計年度末に比べ2,196億円増加し2兆1,283億円となりました。

  当連結会計年度末の負債の部は、支払手形・工事未払金等及び連結有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,659億円増加し1兆2,531億円となりました。

  連結有利子負債の残高は4,951億円となり、前連結会計年度末に比べ724億円増加しました。

  当連結会計年度末の純資産の部は、自己株式の取得を実施したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加に加え、日本道路株式会社の子会社化に伴う非支配株主持分の増加などにより、前連結会計年度末に比べ537億円増加し8,751億円となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.0ポイント低下し38.7%となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

  当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況については、投資活動により893億円資金が減少しましたが、営業活動により777億円、財務活動により196億円それぞれ資金が増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末に比べ108億円増加し2,871億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益647億円の計上などにより777億円の資金増加となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、賃貸事業をはじめとする事業用固定資産の取得などにより893億円の資金減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの発行などにより196億円の資金増加となりました。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当社グループの資金需要の主なものは、建設事業における工事代金の立替金や販売費及び一般管理費などの営業活動に伴う支出、不動産開発事業における賃貸事業用資産の取得などの設備投資に伴う支出であります。また、当社グループは、2019年5月に策定した「中期経営計画〈2019‐2023〉」において、建設事業での安定的な収益基盤を維持しつつ、非建設事業の着実な収益力向上を図ることを目的とし、2019年度から5年間で生産性向上・研究開発、不動産開発事業、新規事業などに7,500億円の投資を計画しております。

  これらの資金需要に対し、自己資金に加え、金融機関からの借入金やノンリコース借入金などの有利子負債を活用することにより、必要資金の調達を行う方針であります。

  なお、財務体質の健全性を維持するため、自己資本比率を40%以上、負債資本倍率(D/Eレシオ)を0.7倍以下とすることを財務上のKPIとして設定しております。2021年度の実績については、「⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。

 

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日時点の状況をもとに種々の見積りを行っておりますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがあります。

当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に係る会計上の見積りの前提は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (追加情報)」に記載しております。

 

(工事契約における収益認識)

当社グループは、工事契約について、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度の見積りは、工事原価総額に対する発生原価の割合に基づき算定しております。

収益の認識にあたり、工事原価総額の変動は、履行義務の充足に係る進捗度の算定に影響を与えるため、期末日における工事原価総額を合理的に見積る必要がありますが、工事は一般に長期にわたることから、建設資材単価や労務単価等が請負契約締結後に想定を超えて大幅に上昇する場合など、工事原価総額の見積りには不確実性を伴うため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。

固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しておりますが、市況の変動などにより前提条件に変更があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  2019年5月に策定した「中期経営計画〈2019‐2023〉」の3年目である2021年度の実績は以下のとおりであります。

 

 a.経営数値目標(連結ベース)

(単位:億円)

中期経営計画〈2019‐2023〉

 

2021年度実績

2023年度目標

 

財務KPI

2021年度実績

2023年度目標

総売上高

14,829

18,800

 

RОE

5.8%

10%以上

 建設事業

12,959

15,500

 

自己資本比率

38.7%

40%以上

 非建設事業

1,869

3,300

 

負債資本倍率

(D/Eレシオ)

0.60倍

0.7倍以下

売上利益

1,396

2,350

 

 建設事業

811

1,850

 

配当性向

35.9%

30%程度

 非建設事業

584

500

 

 

 

 

経常利益

504

1,400

 

 

 

 

 

 b.投資計画

(単位:億円)

 

投資額(計画)

(5ヶ年)

投資額(実績)

(2019~2021)

生産性向上・研究開発投資

1,000

523

不動産開発事業

5,000

2,550

インフラ・再生可能エネルギー・

新規事業(フロンティア事業他)

1,300

640

人財関連

200

79

 

 

 

投資額合計

7,500

3,792

 

 c.非財務KPI

 

非財務KPI

2021年度実績

2023年度目標

 

建設事業における生産性(2016年度比)向上率

4.3%

20%以上

 

建設事業におけるCO排出量(2017年度比)削減率

10.2%※1

10%以上

 

働きがい指標※2

3.72

4.0以上

 

重大な法令違反件数

0件

0件

 

※1 第三者保証取得前の2022年4月時点暫定値

※2 当社従業員に対する「働きがい意識調査」による指標(5段階評価の平均

 

4 【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

5 【研究開発活動】

 当社グループの当連結会計年度における研究開発費は162億円であり、うち当社の研究開発費は159億円であります。研究開発活動は当社の技術研究所と建築総本部、土木総本部等の技術開発部署で行われており、その内容は主に当社建設事業に係るものであります。

 当社は、建築・土木分野の生産性向上や品質確保のための新工法・新技術の研究開発はもとより、多様化する社会ニーズに対応するための新分野・先端技術分野や、さらに地球環境問題に寄与するための研究開発にも、幅広く積極的に取り組んでおります。技術研究所を中心とした研究開発活動は、基礎・応用研究から商品開発まで多岐にわたっており、異業種企業、公的研究機関、国内外の大学との技術交流、共同開発も積極的に推進しております。

 これら研究開発の成果として、今年度も建築学会賞、土木学会賞、電気設備学会賞、日本オープンイノベーション大賞をはじめさまざまな学協会からの賞を受賞しました。また、カーボンニュートラルの実現に向けては、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のムーンショット型研究開発事業に2件参画し、産学連携の取り組みを積極的に推進しております。

 当連結会計年度における研究開発活動の主な成果は次のとおりであります。

 

(1)建物・街区のDXによる付加価値向上

①建物設備・ロボット・自動運転車の統合制御システムを技術研究所に構築

 建物設備と各種サービスロボット・自動運転車を統合制御する「Mobility-Core」を開発し当社技術研究所(東京都江東区)に導入しました。今後、自律型モビリティを活用した施設・街区内サービスの社会実装に向け、日常的に人が活動する実用環境下で、複数のモビリティが連携して提供する各種サービスの技術検証を進めていきます。自律型モビリティの開発メーカーやサービス事業者とのアライアンスの場として当施設を活用し、各種サービスの新規開発につなげていきます。

 

②建物設備と連携しながらビル内を自律走行し、荷物を届ける配送ロボットを開発

 館内配送プロセスを無人化できる自律配送ロボットを開発しました。ユーザビリティの高い荷受け・荷降ろし機構、自動配送ルーティング機能、建物設備との連携機能等を備えた自律走行ロボットで、走行経路上のエレベータや自動ドアを制御しながら荷物を配送します。今後、実施設での試験運用を通じて、ユーザーインターフェースや走行性能のブラッシュアップを図り、館内配送サービスへの適用を目指します。

 

③建物設備とモビリティ・ロボット連携サービス開発に向け、豊洲スマートシティで実証開始

 ブルーイノベーション㈱、オムロン ソーシアルソリューションズ㈱と3社で、建物設備と複数モビリティ・ロボットを連携させたサービス開発に向けた実証を2022年4月より開始しました。豊洲スマートシティの大規模オフィスビル「メブクス豊洲」において、建物OS「DX-Core」と複数のロボットプラットフォームを組み合わせたロボット連携基盤を実証運用します。当社開発の各種モビリティを連携・統合制御するプラットフォーム「Mobility-Core」による「ロボット案内サービス」と、ブルーイノベーション㈱とオムロン ソーシアルソリューションズ㈱が提供する「ロボット清掃サービス」との連携について実証を進めていきます。

 

④建物運用のDX(デジタルトランスフォーメーション)で協働

 「DX-Core」を東日本電信電話㈱のネットワークと接続・連携させ、建物群に建物運用ソリューションをセキュアかつ低遅延で提供する共同実証を行うことで合意しました。同一地域の建物群を運用する事業者・自治体などの導入コストとランニングコストの削減のために、建物運用ソリューションとコンピューティング基盤をパッケージで提供します。協業に先駆け、このソリューションを当社が開発した東京都江東区豊洲の大規模オフィスビル「メブクス豊洲」に適用し、その実証結果を携え全国展開していきます。

 

 

 

 

 

 

(2)生産技術・ロボット

①虎ノ門・麻布台プロジェクトA街区でDXを推進

 建築工事現場のデジタル化コンセプト「Shimz Smart Site」の実践として、東京都港区で施工中の虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(虎ノ門・麻布台プロジェクト)A街区新築工事における開発を進めております。施工管理のデジタル化を担う新開発のデバイス「SmartStation」の配備を進めるとともに、近未来の現場事務所を想定した統合監視室「Smart Control Center」からデジタル化した施工管理情報の集中監視を始めております。今後、虎ノ門・麻布台プロジェクトの経験を国内外の現場に水平展開し、生産性の向上、現場の働き方改革に結び付けていきます。

 

②建設施工ロボット・IoT分野における技術連携に関するコンソーシアムを設立

 2021年9月22日付で当社、鹿島建設㈱及び㈱竹中工務店を幹事企業とした、建設施工ロボット・IoT分野での技術連携に関するコンソーシアム「建設RXコンソーシアム」が発足し、当該分野における技術連携を図っております。当初正会員16社でスタートしたコンソーシアムは、2022年4月20日現在、会員数73社(正会員23社、協力会員50社)に拡大しております。

 

※ RX:ロボティクス トランスフォーメーション。デジタル変革(DX)になぞらえ、

     ロボット変革(Robotics Transformation)の意。

 

③双腕多機能ロボット「Robo-Buddy」が±1㎜の高精度でOAフロアを施工

 双腕多機能ロボット「Robo-Buddy」と職人との協調によるOAフロアの施工を進めております。大手建設各社でOAフロア施工ロボットの開発は今回が初となり、OAフロアの施工は、1枚10数㎏のパネルを中腰で取り扱う身体負荷の大きい繰り返し作業であることから、「Robo-Buddy」のOAフロア施工機能を開発し支援を図ります。これに併せて建材メーカーのニチアス㈱と共同で、「Robo-Buddy」に最適化した簡素な施工法のOAフロアを開発し、今後、広く建築工事に適用していきます。

 

④フォークリフト型の自動搬送ロボットでトラックからの荷降ろし作業を自動化

 建設現場における資材搬送作業の省人化・省力化を目的に、フォークリフト型の自動搬送ロボット「Robo-Carrier Fork」を開発しました。当社は、パレット積みの資材を水平搬送する「Robo-Carrier」と垂直搬送エレベータ「Autonomous-ELV」を組み合わせた自動搬送システムを既に実用化しており、搬入トラックからの荷降ろし等に対応できる「Robo-Carrier Fork」がラインナップに加わることで、ロボットによる一貫した資材搬送作業が可能となります。今後、建設現場への展開と併せて、物流事業者へのレンタルや外販にも取り組み、社会実装を進めていきます。

 

⑤建設現場の巡回・監視ロボットの実用化に向けた共同実証実験をスタート

 ソニーグループ㈱と共同で、建設現場における巡回・監視などの施工管理業務の効率化を目的としたロボットの、実用化のための実証実験を開始しました。実際の建設現場で検証機を動作させ、ハードウェア、ソフトウェア双方の検証を行い、建設現場で実用可能な移動ロボットの技術開発の推進につなげます。

 

⑥高剛性の地中連続壁を簡便に施工できる高性能継手工法を開発

 地震時の構造耐力を備えた地中連続壁を簡便に施工できる場所打ち地下構築工法「SSS-N工法」を開発し、(一財)日本建築センターによる評定を取得しました。地中連続壁工事において単位壁体の接合方法を改良し、剛性の高い連続壁を効率的に施工できます。今後、大深度の地下掘削を伴う再開発プロジェクトや超高層建築物の地下構造体等への適用を目指します。

 

 

 

 

 

 

⑦環境負荷を最小限に抑制する基礎躯体解体工法を開発・実用化

 マットスラブや地中梁などのコンクリート基礎躯体を、近隣への環境負荷を最小限に抑えながら解体できる「シミズ・基礎躯体クールカット工法」を開発しました。押し切り・引き切りの双方に対応できるワイヤーソー切断装置を用いて解体部材をブロック状に切り出し、クレーンで揚重・搬出するブロック切断解体工法で、粉塵の発生量はジャイアントブレーカーによる破砕解体と比べて90%減少、騒音は周辺の交通騒音と同等レベル、振動は無感知レベルに抑制できます。さらに従来の切断解体工法と比べ、作業時間を約40%縮減できることを確認しました。

 

⑧構造用接着シートを用いた天井下地接着工法を開発

 天井改修工事の生産性向上を目的に、構造用接着シートを用いた天井下地接着工法を開発し、当社技術研究所本館に初適用しました。鉄骨梁と天井下地の接合に、スポンジ状の接着シートを利用する工法で、天井下地の設置工程の簡素化が図れ、作業に必要な人工数を従来工法の半分に抑制できることを確認しました。また、作業時に粉塵や騒音が発生せず、火気も不要なため、作業員の労働環境の改善にも寄与します。

 

(3)i-Construction

①「コンクリート締固め管理システム」を開発

 コンクリート打設時のバイブレータによる締固め状況を可視化する「コンクリート締固め管理システム」を開発しました。作業員のヘルメットに装着したウェアラブルカメラから送られてくる映像をAIが解析し、締固めの進行状況をモニター上の3次元モデルに投影します。本システムは法政大学、東京都市大学、東急建設㈱と共同で特許出願したコンクリート締固め状況の可視化技術をベースに当社が開発したものであります。経験の少ない作業員でも締固め完了のタイミングを適切に判断できるようになり、コンクリートの品質を安定的に確保できます。今後、コンクリート品質総合管理システム「Concrete Station」に統合し、現場に広く展開していきます。

 

②3次元鉄筋モデルを活用した構造細目の照査・配筋施工図の作図を自動化

 土木工事におけるBIM/CIMを活用した設計プロセスの合理化を目的に、3次元鉄筋モデルの構造細目に対する照査や配筋施工図の作図を自動化できるアドインプログラムを開発しました。3次元配筋モデルが設計仕様に合致しているかを確認する機能や、照査を終えたモデルから出力した平面図に配筋施工図として必要な情報を半自動で付加する機能等により、多大な手間と時間を要していた照査・作図業務の省力化が可能となります。海外の鉄道駅舎工事での実証適用に着手しており、順次、適用対象を拡大していきます。

 

③建設機械の位置情報や法面等の地盤変位を高精度でリアルタイムに検出

 i-Constructionの推進に向け、建設機械の位置情報や法面等の地盤変位を高精度でリアルタイムに検出できる新たなGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球測位衛星システム)測位システムを開発しました。既存の衛星測位手法をベースに新たなアルゴリズムを構築し、周囲の障害物により観測できる測位衛星が少ないような精度確保が困難な状況下においても高精度測位を継続することができます。今後、このシステムを商品化し建設現場に広く展開させていきます。

 

④出来形計測データをブロックチェーンに格納し、改ざんリスクを排除

 国立大学法人東京大学と共同で「ブロックチェーンを活用した出来形情報管理システム」の実用化に向けた研究開発に着手しました。保存情報に耐改ざん性を付与できるブロックチェーンを用いて、土工事の出来形確認に使用する点群計測データの信憑性を担保するシステムの構築に取り組みます。また、点群情報と設計情報から施工誤差を判定するための解析・閲覧技術も新たに開発し、建設生産プロセスの生産性向上につなげていきます。

 

 

 

 

 

⑤切羽前方の湧水リスクを事前予報する「地山予報システム」を開発

 山岳トンネル工事の生産性向上を目的に、工事の進捗に応じて変化する切羽湧水量を定量的かつ高精度に予測する「地山予報システム」を開発し、当社JV現場における実証試験によりシステムの有効性を確認しました。現場で日々取得される施工データを蓄積・反映した仮想空間上で切羽の地下水環境の経時変化を把握し、湧水に起因するリスク情報を工事関係者にタイムリーに通知します。将来を常に予測しながら施工することで想定外のリスクを大幅に減らすことができます。今後、地下水環境のみならず、切羽前方の地山性状を予測・予報できるシステムに発展させ、山岳トンネル工事の安全性と生産性のさらなる向上につなげていきます。

 

⑥自律型建機の開発に着手 ~完全無人化施工の実現を目指しDXを加速~

 土木工事現場のデジタル化コンセプト「Shimz Smart Site Civil」の実践に向け、BOSCH㈱、山﨑建設㈱と共同で、ブルドーザーによる盛土工事の自律施工システムの開発に着手しました。AIによる環境認識機能・自律制御機能を備えた建機側のシステムと、施工管理や安全管理のモニタリング等を担う管理側のシステムとを核に構成します。今後、他の建機にも段階的に拡張するとともに、他社が開発した自動化・自律化建機との連携も含め、建機群による土木工事の完全無人化施工の実現を目指します。

 

⑦建設発生土の運搬計画を最適化するシミュレーション技術を構築

 量子コンピューティング技術を活用し、建設発生土の運搬計画を最適化するシミュレーション技術を構築しました。道路の混雑具合や他車両の走行状況を制約条件として量子コンピュータで最適化計算することで、タイムロスの最も少ない経路をリアルタイムに導出できます。実現場の約40台のダンプトラックの走行データを用いて検証し、走行台数を変えずに1日当たりの運搬量を約10%増加できることを確認しました。今後、ドライバーへのルート通知方法などについて検討し、本技術の実用化を目指します。

 

(4)設計技術・BCP・ニューノーマル

①「Shimz DDE」の構造検討機能を強化

 コンピュテーショナルデザインの社内プラットフォーム「Shimz DDE」と国内で広く活用されている構造解析ソフト「SNAP」のデータ連携プログラムを開発しました。異なる複数のソフト間で双方向データ連携を媒介するクラウドツール「KONSTRU」の検証を進め、「Shimz DDE」の3Dモデルと解析条件を「SNAP」に反映させ、また「SNAP」の解析データを「Shimz DDE」の

3Dモデルへ反映することを可能としました。設計の上流段階からコンピュテーショナルデザインと構造解析とのシームレスなデータ連携が可能になり、構造品質と設計提案力の一層の向上が期待されます。

 

②「3次元曲面ガラススクリーン構法」を開発

 デザイン性の高いガラスファサードを高精度に構築できる「3次元曲面ガラススクリーン構法」を開発しました。従来技術では困難だった複雑な曲面形状をガラスファサードに付与することが可能になり、建築ファサードの設計自由度が飛躍的に高まります。化学強化合わせガラスで成形した曲面ガラス部材を、金属プリンタによって成形した支持部材を用いた点支持構法により接着接合します。支持部材はジェネレーティブデザイン手法を用いてガラス部材の曲面形状に最適化することで、施工性と施工品質を確保します。本構法の開発にあたり、当社技術研究所内に実大モックアップを構築し、施工性を確認しました。

 

③大規模地震直後に建物群の被災可能性を瞬時にシミュレーション

 プロパティデータバンク㈱と共同で、大規模地震発生直後の震災対策活動の支援を目的に、BCP対応を迅速化・効率化するシミュレーションシステム「BCP-Map」を開発しました。東日本大震災後に当社が調査を行った1千棟余にも及ぶ建物の被害と構造・階数・設計年との関係から確立した評価式に基づき、地震発生後10分程度で地域ごとに建物群の被災可能性を評価し可視化します。早期に被災状況を把握できるので、応援要員や支援物資、資機材等の割り当ての検討・指示などを震災直後から実施できます。プロパティデータバンク㈱は今後、提供する不動産クラウド「@プロパティ」に「BCP-Map」をオプションサービスとして組み込み提供していきます。

 

④防災対策をタイムリーにピンポイント提案し、防災タイムラインの実践を支援

 被害が甚大化する風水害への備えとして、国土交通省が推奨するタイムライン(防災行動計画)の策定・実践を支援するシステム「ピンポイント・タイムライン」を開発しました。気象情報と施設情報をもとに、その時、その場で必要な防災対策をシステム利用者に自動的にSNS等で通知できます。システムの基本性能については、2021年8月豪雨の際に当社九州支店の工事現場への試験導入により確認しました。引き続き現場での実証運用を通じて使い勝手等の改善を図り早期の実用化を目指します。

 

⑤CO₂濃度分布と在室者の位置情報を基に室内の感染リスク分布を可視化

 順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学の堀 賢教授と共同で、新型コロナウイルスの室内における感染リスクを評価し可視化するシステムを開発しました。日常生活や執務場面に感染対策が予め織り込まれた建築「Pandemic Ready」の実現に向けた研究開発の一環として、室内のCO₂濃度分布及び在室者の位置情報から感染リスクを評価し、リスクレベルを色分けします。両者は共同でマイクロ飛沫の挙動解明にも取り組んでおり、リスク評価のさらなる精度向上につなげていきます。

 

⑥ニューノーマル時代のオフィス「SHIMZ CREATIVE FIELD」を提案

 ニューノーマル時代の新たなオフィスの在り方として「SHIMZ CREATIVE FIELD」を提案し、本社の一部フロアを改修しました。社内外との多様なコミュニケーションに対応できるハブとしての機能を持たせるとともに、多様な仕事の在り方に対応するゾーニングを施しました。また、位置情報システムと当社が開発した建物OS「DX-Core」を連動させた館内の設備制御による省エネや、順天堂大学と共同開発した建物内感染リスクの評価手法「感染リスクアセスメントツール」による適切なリスク低減策も織り込みました。

 

⑦オープンエリアの音環境制御システム「オトノカサ」を開発

 TOA㈱と共同でオープンなオフィス空間で交わされる会話音声が周囲に拡散するのを抑制する音環境制御システム「オトノカサ」を開発しました。打ち合わせ場所の上部を放物面状のカサで覆い、放物面の焦点に設置したスピーカーからカサ内の会話音声を上向きに放射することで、カサ内のみ会話を拡声させます。打ち合わせ時の声量を抑えてもスムーズな会話のやり取りが可能となります。実オフィスでの実証実験では、カサの外(カサ端部から1mの距離)での音圧レベルはカサの下(中央部)での測定値より約10dB低く、物理的な音のエネルギーとしては約1/10に抑制できることを確認しました。

 

⑧超指向性スピーカーと音響調整板でアナウンス音声をピンポイント放射

 立命館大学、順天堂大学と共同で、必要な人に必要な音声情報を選択的に提供できる「局所音場制御システム」を開発しました。超指向性スピーカーと特殊な音響調整板で構成され、利用者は音響調整板の設置方向等を調整することで、特定の場所を狙ってピンポイントで音声情報を伝達できます。順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都文京区)の新型コロナウイルスワクチン職域接種会場内への試験適用により、効果を確認しました。

 

⑨プロジェクション型VR技術を活用した体感型共同学習システムを開発

 教育施設向けのシステムインテグレーション事業の一環として、プロジェクション型VR技術を活用した体感型共同学習システム「VR-Commons」を開発しました。室内の壁面と床面に疑似立体投影した映像コンテンツにより、利用者はVRゴーグル等のデバイスを装着せずに臨場感あふれる仮想現実の学習空間を体感することができ、関連資料や教材を投影面に重ね合わせた表示や、複数のVR-Commons拠点をつないだ映像コンテンツの共有もできます。東海大学高輪キャンパス内に試験導入し、実際の授業でも活用しております。今後、教育施設に加え、オフィスビルや工場、ホテル、病院等の施設への導入も進めていきます。

 

 

 

 

 

 

(5)カーボンニュートラル

①低コスト・グリーン水素製造実証プラントの建設に着手

~地熱とバイオマス資源を活用した世界初の製造技術を適用~

 大分県玖珠郡九重町において、世界初の低コスト・グリーン水素製造技術の実証プラント建設に着手しました。低コスト・グリーン水素製造技術は、地熱とバイオマス資源を活用することで製造時のCO₂排出量を市販水素の1/10以下に、かつ製造コストを太陽光などの再生可能エネルギーを活用した水電解水素の1/3以下に低減できます。今後、2025年までに大分県をはじめ、九州を中心に中小地熱発電所に併設する水素製造実用プラントを複数建設する計画であり、実用機の水素製造能力は250~1,000Nm³/hを想定しています。

 

②水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」のCO₂削減効果を実証

 当社と国立研究開発法人産業技術総合研究所は、郡山市総合地方卸売市場(福島県郡山市)内での実証運用を通し、建物附帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」のCO₂削減効果について、2019年7月から2年間の連続運用の結果、電力由来のCO₂排出量が、未導入時と比べて約53%、太陽光発電のみを導入した場合と比べて約21%削減できることを確認しました。「Hydro Q-BiC」はすでに、2021年5月に竣工した当社北陸支店(石川県金沢市)に実装され、実用化のステージに進んでおります。今後、メーカー等とのアライアンスの拡充を通じて導入コストの縮減を図り、適用案件の拡大につなげていきます。

 

 

 

第3 【設備の状況】

1 【設備投資等の概要】

 当社グループの当連結会計年度の設備投資額は1,094億円であり、うち当社の設備投資額は925億円であります。

 なお、当社グループでは資産を事業セグメントに配分していないため、セグメント別の記載を省略しております。

 当連結会計年度の設備投資の主なものは、当社及び開発事業を営む子会社における賃貸事業用固定資産の取得、当社におけるイノベーションセンターの建設や自航式SEP船の建造、当社及びLCV事業を営む子会社における再生可能エネルギー事業用固定資産の取得、㈱エスシー・マシーナリにおけるレンタル事業用の建設機械の取得であります。

 

 ※SEP船:洋上風力発電施設建設のための自己昇降式作業台船(Self-Elevating Platform)

 

2 【主要な設備の状況】

 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。

(1) 提出会社

(2022年3月31日現在)

 

事業所名

(所在地)

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

建物・構築物

機械、運搬具及び

工具器具備品

土地

合計

面積(㎡)

金額

本社

(東京都中央区)

15,888

3,729

(244)

303,788

54,698

74,317

640

技術研究所

(東京都江東区)

4,000

720

(-)

20,976

4,214

8,936

231

建築総本部

(東京都中央区)

928

1,119

(1,875)

10,257

1,931

3,980

1,098

名古屋支店

(名古屋市中区)

2,402

101

(1,630)

101,811

4,278

6,782

761

関西支店

(大阪市中央区)

590

114

(-)

19,735

1,773

2,478

794

九州支店

(福岡市中央区)

685

33

(-)

42,234

4,885

5,604

501

投資開発本部

(東京都中央区)

148,298

1,280

(78,682)

405,202

134,488

284,068

91

LCV事業本部

(東京都中央区)

971

5,142

(213,212)

791,428

1,030

7,145

102

 

(2) 国内子会社

(2022年3月31日現在)

 

会社名

事業所名

(所在地)

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

建物・

構築物

機械、運搬具

及び工具器具

備品

土地

合計

面積(㎡)

金額

日本道路㈱

本社他

(東京都港区他)

8,542

4,483

(565,847)

660,489

17,866

30,892

2,079

日本ファブテック㈱

取手工場他

(茨城県取手市他)

3,135

1,871

(41,096)

416,376

5,896

10,903

643

㈱ミルックス

本店他

(東京都中央区他)

2,531

353

(-)

217,298

8,645

11,530

428

 

(3) 在外子会社

 記載すべき主要な設備はありません。

 (注) 1 帳簿価額に建設仮勘定は含めておりません。

2 提出会社は、資産を事業セグメントに配分していないため、主要な事業所ごとに一括して記載しております。

3 土地の面積の( )内は、賃借中のものを外書きで記載しております。

4 当社グループの設備の内容は、主として研究所、事務所ビル及び工場等であります。

5 土地、建物のうち賃貸中の主なもの

名称

土地(㎡)

建物(㎡)

 

投資開発本部

 

241,623

909,617

6 従業員数は、期末の契約社員数を含む合計人数を記載しております。

3 【設備の新設、除却等の計画】

 当社グループの当連結会計年度後1年間の設備投資計画額は950億円であり、うち当社の設備投資計画額は600億円であります。

 設備投資計画の主なものは、当社及び開発事業を営む子会社における賃貸事業用固定資産の取得、当社における潮見イノベーションセンター(仮称)の建設や自航式SEP船の建造、日本道路㈱におけるアスファルトプラント設備の拡充更新、㈱エスシー・マシーナリにおけるレンタル事業用の建設機械の取得であります。

 

 なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設の計画は次のとおりであります。

会社名

内容

(建設予定地)

投資予定金額

資金調達方法

着手年月

完了予定年月

総額

(百万円)

既支払額

(百万円)

提出会社

潮見イノベーションセンター(仮称)

(東京都江東区)

50,000

29,834

自己資金及び

銀行借入

2019年9月

2023年3月

提出会社

自航式SEP船

50,000

30,229

自己資金及び

銀行借入

2019年8月

2022年10月