2【事業の内容】

 当社グループは、当社及び子会社123社、関連会社27社で構成され、その主な事業内容は、建設事業(国内建築事業、海外建築事業、国内土木事業及び海外土木事業)及び不動産事業であり、さらに各々に付帯する事業を行っている。
 当中間連結会計期間において、当社グループが営む事業の内容について、重要な変更はない。また、主要な関係会社に異動はない。

 

第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はない。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績

 当中間連結会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しや企業収益の改善を受け、緩やかな景気回復を続けた。先行きについては、雇用・所得環境の改善が緩やかな景気回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高い状態が継続している。加えて、原材料・エネルギー価格の高騰や金融・資本市場の変動等の影響にも引き続き注視が必要な状況にある。

 国内の建設市場においては、米国の通商政策の影響や建設物価の高騰、為替の変動等が企業の設備投資意欲を減退させる可能性はあるものの、堅調に推移している民間工事及び公共工事の発注を背景として、当面は底堅い受注環境が見込まれている。

 こうした情勢下にあって、当中間連結会計期間における当社グループの連結業績については、売上高は国内建築事業における前年同期の大型案件進捗の反動や施工キャパシティに見合った計画的な受注活動を行ったことなどにより、前年同期比615億円(5.0%)減の1兆1,612億円となった。損益の面では、国内建築事業における追加変更工事獲得や採算性の良い案件の寄与度の高まり、子会社の海外土木事業における手持ち工事の順調な進捗、不動産事業における開発物件の売却等により、営業利益は前年同期比350億円(78.0%)増の800億円、経常利益は前年同期比354億円(72.2%)増の845億円となった。また、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比233億円(42.9%)増の779億円となった。

 

  セグメント情報

  (国内建築事業)   売上高は前年同期比1,217億円(19.2%)減の5,133億円、営業利益は前年同期比

             250億円(185.3%)増の385億円となった。

  (海外建築事業)   売上高は前年同期比168億円(6.7%)減の2,344億円、営業利益は前年同期比

             3億円(6.1%)減の58億円となった。

  (国内土木事業)   売上高は前年同期比96億円(5.2%)増の1,942億円、営業利益は前年同期比

             0億円(0.0%)増の172億円となった。

  (海外土木事業)   売上高は前年同期比347億円(32.6%)増の1,412億円、営業利益は前年同期比

             48億円(325.6%)増の63億円となった。

  (不動産事業)    売上高は前年同期比233億円(104.1%)増の456億円、営業利益は前年同期比

             48億円(100.6%)増の97億円となった。

  (その他)      売上高は前年同期比93億円(40.8%)増の322億円、営業利益は前年同期比

             7億円(44.4%)増の23億円となった。

 

※ セグメント情報の詳細は、第4 経理の状況 を参照

 

(2)財政状態

 当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比1,593億円(5.2%)減の2兆8,834億円となった。これは、工事代金債権(「受取手形・完成工事未収入金等」及び「電子記録債権」の合計)が減少したことなどによるものである。

 当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末比1,747億円(9.5%)減の1兆6,578億円となった。これは、工事代金の支払に係る債務(「支払手形・工事未払金等」及び「電子記録債務」の合計)が減少したことなどによるものである。また、有利子負債残高は「長期借入金」や「ノンリコース借入金」が減少したことなどにより、前連結会計年度末比105億円(2.9%)減の3,522億円となった。

 当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末比153億円(1.3%)増の1兆2,255億円となった。これは、自己株式の取得により減少した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益の計上に伴い「利益剰余金」が増加したことなどによるものである。

 これらの結果、当中間連結会計期間末の自己資本比率は40.7%となり、前連結会計年度末より2.6ポイント上昇した。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に国内の建設事業収支が改善したことなどから204億円のプラス(前中間連結会計期間は565億円のマイナス)となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、事業用不動産の取得等による支出があったものの、政策保有株式の売却等により66億円のプラス(前中間連結会計期間は162億円のマイナス)となった。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払等により728億円のマイナス(前中間連結会計期間は42億円のマイナス)となった。

 これらの結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、前連結会計年度末に比べて520億円減少し、3,281億円となった。

 

(4)経営方針・経営戦略等

(政策保有株式の縮減について)

 当社は、顧客との取引関係の維持強化を目的として取引先の株式(以下「政策保有株式」という。)を保有しており、保有意義については、取締役会において当該株式評価損益を定期的に報告し、資本コストや取引関係の維持強化による事業上のリターン等の収益性評価の指標を総合的に勘案したうえで、中長期的な経済合理性を検証している。検証の結果、営業上の保有意義が希薄化した株式については適宜売却している。

 当社グループは、「大林グループ中期経営計画2022」において、政策保有株式の保有意義や投資効率の見直しを更に進め、2027年3月末までに連結純資産の20%以内とすることを目標とし、縮減を進めている。

 政策保有株式の保有残高が連結純資産に占める割合は、当中間連結会計期間末は22.2%となり、前連結会計年度末22.6%から0.4ポイント減少した。これは、保有株式の株価が大幅に上昇した一方で、政策保有株式の売却が進捗したことなどによるものである。また、2027年3月末までの売却について顧客と合意済の金額を差し引いた場合、政策保有株式の保有残高が連結純資産に占める割合は16.6%となる。目標とする20%以内の確実な達成に向け、引き続き縮減に努めていく。

 なお、当社は、企業価値の向上に向けて、人材・DX・技術への投資や生産力拡充のための投資及び競争優位を確立できる領域において機会を捉えた成長投資等を積極的に実行することとしている。また、資本効率性の向上の観点から、当社グループの成長に合わせて必要となる自己資本額を設定のうえ、戦略的な株主還元を実施することとしている。政策保有株式の売却で得られた資金は、これらの投資または株主還元に充当する。

 

<政策保有株式の残高及び純資産比率の推移(連結)>

0101020_001.png

 

   <2021年度以降の政策保有株式売却累計額推移(売却合意済額を含む。連結)>

0101020_002.png

 

 

   <政策保有株式保有残高の期中増減要因(連結)>

 

金額

2025年3月末残高

2,735億円

期中売却

△397億円

株価上昇による増

+390億円

その他(非上場株式の減損等)

△3億円

2025年9月末残高

2,724億円

(うち、売却合意済額)

(691億円)

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はない。

 

(6)研究開発活動

当社グループの当中間連結会計期間における研究開発に要した費用の総額は、75億円である。

 

3【重要な契約等】

 該当事項なし。