第2【事業の状況】

 「第2 事業の状況」における各事項の記載金額には、消費税等は含まれていない。

 

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。

なお、重要事象等は存在していない。

2【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成29年11月9日付で住友林業株式会社と以下の内容の資本業務提携契約を締結した。

 

(1)業務提携の内容

 両社は以下の事業領域において協働し、協力体制の構築を進めていく。

① 木化・緑化(もっか・りょくか)関連建設事業

② 再生可能エネルギー事業

③ 海外事業

④ 周辺事業領域(ヘルスケア・開発商品販売他)

⑤ 共同研究開発(新工法・部材・ロボティクス他)

(2)資本提携の内容

 住友林業株式会社は、当社が実施する第三者割当による新株式発行及び自己株式の処分により、当社の普通株式9,361,200株(増資後の発行済株式総数に対する所有割合20.00%)を取得する。当社は、同社が実施する第三者割当による新株式発行により、同社の普通株式5,197,500株(増資後の発行済株式総数に対する所有割合2.85%)を取得する。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。

 

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な内外需用により企業の収益やキャッシュ・フローが改善するなかで、設備投資は増加傾向を持続し、個人消費も雇用・所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移するなど、景気は緩やかな回復基調が続いている。

 建設業界においては、住宅建設は弱含んでいるものの、企業の建設投資は緩やかながら増加しているほか、公共投資も引き続き高水準にあり、事業環境は良好な状況にある。

 当社グループはこのような状況のもと、平成27年5月に策定した「中期経営計画(平成27~29年度)」に基づき、将来に向けた収益基盤の整備に総力を挙げて取り組んでいるところである。

 当社グループの当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高(完成工事高)は、前年同四半期に比べ214億円(8.7%)増の2,689億円となった。利益面については、売上総利益率(完成工事総利益率)の低下に伴う売上総利益(完成工事総利益)の減少並びに販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は、前年同四半期に比べ21億円(11.9%)減の156億円、経常利益は、前年同四半期に比べ24億円(13.5%)減の154億円となった。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税等46億円などを加減算し、前年同四半期に比べ14億円(12.1%)減の106億円となった。

 セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。

(土木事業)

 売上高は779億円(前年同四半期比18.9%増)、セグメント利益は41億円(同0.9%減)となった。受注高は824億円(同28.0%増)であった。

(建築事業)

 売上高は1,338億円(前年同四半期比0.8%増)、セグメント利益は78億円(同28.9%減)となった。受注高は1,600億円(同27.4%増)であった。

(子会社)

 売上高は675億円(前年同四半期比15.5%増)、セグメント利益は35億円(同44.8%増)となった。

 なお、当該セグメントにおいては、受注生産形態をとっていない子会社もあるため受注実績を示すことはできない。

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 今後のわが国経済は、北朝鮮情勢や欧米諸国における政治の混迷、中国経済の減速などがリスクとして存在するが、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり、景気は引き続き緩やかに回復していくことが期待される。

 建設業界においては、住宅投資は当面、弱含みで推移することが予想されるが、民間設備投資は企業収益の改善や成長分野への対応等を背景に増加を続け、公共投資も平成29年度補正予算案や来年度予算案に「防災・減災対策、インフラ老朽化への対応」などの公共事業関係費が多く盛り込まれるなど、受注環境は引き続き良好な状況が継続すると思われる。一方で建設技術者・技能者不足の進行やコスト高といったリスクには引き続き留意する必要がある。

 このような状況のもと当社グループは、「再生」から「成長」に向けて将来にわたり市場環境に影響されない安定した収益力の確保を目指した「中期経営計画(平成27~29年度)」を策定し、将来に向けた収益基盤の整備に取り組んでいる。

 現下の建設市場は、東北での震災復興工事、社会インフラの強靭化・老朽化対策に加え、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う関連投資及びリニア中央新幹線の新設など、中期的には一定の建設需要が見込まれる環境にある。しかし、2020年以降は、社会インフラ整備も「新規」から「維持・更新」へと質的に変化しながら、建設市場は全体として縮小していくことが予想される。当社グループとしては、将来にわたり市場環境に影響されない安定した収益基盤を確立すべく、グループの協働による相乗効果を取り込んだ成長戦略に取り組んでいく。

 建造物の外形的・機能的な品質はもちろんのこと、そこに集う人、そこを使う人が満足し続けられる「しあわせ品質」を実現すべく「全員参加の経営」をスローガンに、お客様に最高の“感動”をお届けする『建設サービス業』を目指していく。

 なお、平成26年に当社の施工不良が判明した横浜市所在のマンションに関して、前連結会計年度末まで多額の偶発損失引当金を計上している。工事にあたっては、安全で高い品質の住まいを早期にお引渡しできるよう、全社を挙げて誠心誠意、取り組んでいく。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当社グループは、これからも良質な建設サービスを市場に提供し続けるために、建設業に内在する構造的課題を克服し、建設市場の質的・量的変化に柔軟に対応できる企業体質へと更に変化していく。そして長期的な成長を実現し、かつ持続可能な社会の形成に貢献していくために、ESG(Environment : 環境への配慮、Social : 社会への貢献、Governance : 企業統治の強化)の視点を取り入れた経営を強化していくこととし、「中期経営計画(平成27~29年度)」の期間終了後に始まる新たな中期経営計画の策定に先立ち、以下の3つを戦略の柱とした中長期経営方針を定めた。

① 建設工事請負事業における技術力・提案力の強化と競争力の維持・拡大

   建設工事請負は当社グループの中核事業であり、将来において新設工事と維持更新工事、国内と海外の比率が変わることがあっても、その位置づけ・全体の規模が急激に変化することはない。その一方、質的・量的に変化する市場において、いずれ再び激しい競争の時代が来ると予想される。その時にもお客様の期待に応え、社会から必要とされる企業であり続けるために、ICT技術の活用、自動化・ロボット化、AI技術の導入を始めとした革新的技術開発・イノベーションを進め、お客様の課題解決を成し遂げることで競争力を維持・拡大し、収益を確保する。

② 新たな事業創出への取り組みを強化

   建設工事請負以外の新たな収益源となる事業の創出に向け、当社グループの技術・経験・ノウハウを活用し、優位性を発揮できる領域に対して出資・投資を含めて取り組みを強化する。

   具体的には、国内外での建設コンサルティング領域(企画・調査・設計)、PPP/PFI/コンセッション、インフラ維持管理事業、都市再開発事業、再生可能エネルギー事業、介護福祉関連事業、独自に開発した工法・機械・建設資材の販売・リース事業等の領域・事業である。

③ 他社との戦略的連携による事業領域の拡大

   当社グループは、これまでもグループ会社各社が持つ技術・経験・ノウハウを掛け合わせ、シナジーを実現することで熊谷組グループとしての成長に取り組んできた。今後はこれまでのグループ連携に加えて、グループの枠を超えた他社との戦略的連携を積極的に展開することで更なる成長を目指す。先般発表した住友林業株式会社との業務・資本提携は、この方針を実現する第一歩となる。今後も他社との連携を進め、シナジー創出による更なる成長を目指す。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、14億円である。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。