第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

 

回次

第81期

第82期

第83期

第84期

第85期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(百万円)

374,019

389,058

436,151

450,232

425,216

経常利益

(百万円)

22,682

26,553

25,718

28,400

23,732

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

15,783

13,312

19,447

17,925

15,850

包括利益

(百万円)

14,098

12,956

17,851

21,414

15,267

純資産額

(百万円)

126,374

134,883

148,034

163,835

169,302

総資産額

(百万円)

333,665

353,718

374,841

379,573

371,096

1株当たり純資産額

(円)

2,707.51

2,894.41

3,177.22

3,516.06

3,751.08

1株当たり当期純利益

(円)

389.63

285.48

417.34

384.68

342.13

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

37.9

38.1

39.5

43.2

45.6

自己資本利益率

(%)

15.3

10.2

13.7

11.5

9.5

株価収益率

(倍)

8.8

12.1

6.0

7.8

7.9

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

17,641

12,398

345

6,572

8,258

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

14,010

7,379

2,298

4,306

3,395

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

30,856

6,126

5,361

6,112

9,686

現金及び現金同等物の期末

残高

(百万円)

108,532

82,446

75,155

71,335

67,404

従業員数

(人)

3,892

4,032

4,154

4,259

4,338

(注) 1 2017年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施している。第81期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定している。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していない。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。

 

(2)提出会社の経営指標等

 

回次

第81期

第82期

第83期

第84期

第85期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(百万円)

294,579

307,090

352,224

360,240

331,021

経常利益

(百万円)

18,212

21,782

20,690

23,543

19,960

当期純利益

(百万円)

12,864

14,156

14,823

15,047

13,730

資本金

(百万円)

30,108

30,108

30,108

30,108

30,108

発行済株式総数

(千株)

46,805

46,805

46,805

46,805

45,411

純資産額

(百万円)

100,439

109,973

118,438

131,287

133,749

総資産額

(百万円)

280,092

294,950

315,780

316,659

303,997

1株当たり純資産額

(円)

2,146.90

2,354.39

2,536.07

2,811.31

2,956.55

1株当たり配当額

(円)

90.00

100.00

120.00

120.00

120.00

(うち1株当たり中間配当額)

 

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

316.72

302.88

317.37

322.20

295.71

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

35.9

37.3

37.5

41.5

44.0

自己資本利益率

(%)

16.3

13.5

13.0

12.1

10.4

株価収益率

(倍)

10.8

11.4

7.9

9.3

9.2

配当性向

(%)

28.4

33.0

37.8

37.2

40.6

従業員数

(人)

2,382

2,497

2,578

2,620

2,626

株主総利回り

(%)

121.0

125.9

96.9

118.4

112.4

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(115.9)

(110.0)

(99.6)

(141.5)

(144.3)

最高株価

(円)

3,780

3,995

3,535

3,295

3,230

 

 

(396)

 

 

 

 

最低株価

(円)

2,799

2,765

2,122

2,156

2,628

 

 

(276)

 

 

 

 

(注) 1 2017年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施している。第81期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定している。

2 第81期の1株当たり配当額90円は、創業120周年記念配当20円を含んでいる。

3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していない。

4 最高株価及び最低株価は東京証券取引所(市場第一部)におけるものである。なお、第81期の株価については、株式併合後の最高株価及び最低株価を記載し、( )内に株式併合前の最高株価及び最低株価を記載している。

5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。

 

2【沿革】

 当社は1898年1月熊谷三太郎が個人経営の土木建築請負業を開業したことに始まる。以来、各地の鉄道工事、水力発電所工事等に従事し、1938年1月資本金40万円の株式会社に組織を改め、近代経営の第一歩を踏み出した。

 設立後の主な変遷は次のとおりである。

 

1945年10月

建築部を発足、建築部門に進出

1948年2月

札幌、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡支店を開設

1949年3月

東京支店を開設

1949年10月

建設業法により、建設大臣登録(イ)第118号の登録完了

1958年10月

豊川工場を設置

1962年12月

仙台支店を開設

1963年11月

当社道路部を分離独立させ熊谷道路㈱(現 連結子会社)を設立

1964年1月

東京営業所を東京本社に改称

1964年12月

北関東支店を開設

1966年12月

四国支店を開設

1970年4月

東京、大阪証券取引所市場第二部に上場

1971年2月

東京、大阪証券取引所市場第一部に上場

1973年6月

建設業法の改正に伴い、建設大臣許可(特-48)第1200号を取得(以後3年毎に免許更新)

1973年12月

北陸支店を開設

1974年3月

東京本社新社屋完成

1974年6月

宅地建物取引業法により、宅地建物取引業者として建設大臣免許(1)第1842号を取得(以後3年毎に免許更新)

1988年3月

筑波技術研究所(現 技術研究所)を開設

1990年4月

仙台支店を東北支店、福岡支店を九州支店に改称

1991年4月

北関東支店と新潟営業所を統合し、関越支店に改称

1994年4月

関越支店を北関東支店に改称

 

熊谷道路㈱が㈱ガイアートクマガイに商号を変更

1995年10月

東関東支店を開設

1996年4月

豊川工場を分社化、熊谷テクノス㈱(現 連結子会社)を設立

1997年4月

札幌支店を北海道支店に改称

1997年6月

建設業法の改正に伴い、建設大臣許可(特-9)第1200号を取得(以後5年毎に免許更新)

2001年2月

東京、横浜、北関東、東関東支店を統括する首都圏支社及び大阪、神戸、四国支店を統括する関西支社を設立

2002年3月

熊谷テクノス㈱が、連結子会社の三豊テクノコンストラクション㈱を吸収合併し、テクノス㈱に商号を変更

2003年7月

首都圏支社を首都圏支店及び関西支社を関西支店に改称

2003年10月

不動産事業、海外PFI等に係る投融資事業及び債権の回収事業を新設会社のニューリアルプロパティ㈱に承継させる会社分割を実施

2003年12月

大阪証券取引所上場廃止

2004年4月

㈱ガイアートクマガイが飛島道路㈱と合併し、㈱ガイアートT・Kに商号を変更

2009年4月

広島支店と四国支店を統合し、中四国支店に改称

2016年10月

㈱ガイアートT・Kが㈱ガイアートに商号を変更

 

3【事業の内容】

 当社グループは、建設事業及びその周辺関連事業を主たる事業としている。事業の内容及び当該事業に係わる位置づけは次のとおりである。

  なお、以下は主要な事業の内容により区分しており、セグメント情報におけるセグメント区分と同一ではない。

 建設事業     当社及び連結子会社である㈱ガイアート、関連会社である笹島建設㈱他が建設事業を営んでいる。

  また、連結子会社であるテクノス㈱は建設事業のほか、建設用資機材の製造販売等を行っている。

 その他の事業   連結子会社である㈱テクニカルサポートは保険事業及び事務代行事業を営んでおり、当社は事務業務の一部を委託している。

  また、連結子会社である㈱ファテックは建設技術商品の提供事業を営んでおり、当社はその一部の提供を受けている。

 

 事業の系統図は次のとおりである。

 

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4【関係会社の状況】

名称

 

住所

資本金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有割合又は被所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

㈱ガイアート

(注)2

東京都新宿区

1,000

建設事業

100

当社の建設事業において施工協力している。また、当社より建物を賃借し、当社に建物を賃貸している。

役員の兼務   1名

テクノス㈱

 

愛知県豊川市

470

建設事業

100

当社の建設事業において施工協力している。また、当社より土地を賃借している。

役員の兼務   3名

ケーアンドイー㈱

 

東京都千代田区

300

建設事業

100

当社の建設事業において施工協力している。また、当社より建物を賃借し、当社に建物を賃貸している。

役員の兼務   5名

㈱テクニカルサポート

 

東京都新宿区

70

その他の事業

100

当社へのサービスを行っている。また、当社より建物を賃借している。

役員の兼務   2名

テクノスペース・
クリエイツ㈱

 

東京都豊島区

30

建設事業

100

当社の建設事業において施工協力している。また、当社より建物を賃借している。

役員の兼務   3名

㈱ファテック

 

東京都新宿区

20

その他の事業

100

(10.0)

当社と協力して技術商品の提供を行っている。また、当社より建物を賃借している。

役員の兼務   4名

華熊営造(股)

 

台湾
台北市

百万NT$

800

建設事業

100

当社の建設事業において施工協力している。また、当社に建物を賃貸している。

役員の兼務   2名

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

笹島建設㈱

 

東京都港区

150

建設事業

35.0

当社の建設事業において施工協力している。

役員の兼務   1名

㈱前田工務店

 

東京都江東区

98

建設事業

40.0

当社の建設事業において施工協力している。

役員の兼務   1名

共栄機械工事㈱

 

神奈川県鎌倉市

50

建設事業

40.0

当社の建設事業において施工協力している。役員の兼務   1名

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

 

住友林業㈱

(注)3

東京都千代田区

50,064

住宅事業

被所有

20.9

当社と資本業務提携契約を締結している。

役員の兼務   1名

(注) 1 議決権の所有割合の( )内は間接所有割合を内数で示している。

2 売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えている。

主要な損益情報等

(1)売上高

49,773

百万円

 

(2)経常利益

2,520

 

 

(3)当期純利益

1,637

 

 

(4)純資産額

21,936

 

 

(5)総資産額

38,984

 

3 有価証券報告書を提出している。

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2022年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

土木事業

898

建築事業

1,268

子会社

1,712

全社(共通)

460

合計

4,338

(注) 従業員数は就業人員数である。

(2)提出会社の状況

 

 

 

2022年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

2,626

44.1

19.2

8,409,499

 

セグメントの名称

従業員数(人)

土木事業

898

建築事業

1,268

全社(共通)

460

合計

2,626

(注) 1 従業員数は就業人員数である。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。

(3)労働組合の状況

 労使関係について特に記載すべき事項はない。

第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) 経営方針

 熊谷組グループビジョンのもと持続的成長と企業価値向上を目指し、2021年5月に長期構想“2030年以降を見据えた経営方針”を定めたうえで、3年間の方針・戦略・目標を掲げた『熊谷組グループ 中期経営計画(2021~2023年度)~持続的成長への弛まぬ挑戦~』を策定した。社会から求められる建設サービス業の担い手として、いつの時代も社会課題と真摯に向き合い、目指す社会の実現に貢献していく。

 

■熊谷組グループビジョン〈熊谷組グループが目指す企業像〉

 「高める、つくる、そして、支える。」

 独自の現場力(優れた技術力を豊かな人間力で活かす現場力)を高め、独自の価値であるしあわせ品質(建造物の外形的・機能的な品質に加え、そこに集う人、そこを使う人が満足し続けられる品質)をつくり、時代を超えてお客様と社会を支え続ける。

 

■長期構想〈2030年以降を見据えた経営方針〉

 社会から求められる建設サービ業の担い手として、限りある資源が循環し、ひと・社会・自然が豊かであり続ける社会の実現に貢献する。

 

■中期経営計画〈2021~2023年度の方針・戦略・目標〉

 長期構想を起点に課題認識し、盤石な経営基盤のもと、コア事業である建設請負事業を深化させ、成長領域と位置づける建設周辺事業を進化させるとともに、新たな事業領域の開拓にも挑戦し、貢献の幅を拡げる。

 

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(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 現下の建設市場は、自然災害が激甚化・頻発化し、また、高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化が進行するなど、人々の暮らしや産業の発展を支える基盤に大きな影響を及ぼしている。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大は人々の価値観や行動様式を変化させるなど、まさに将来の不確実性が高まっている。

 

(3) 経営戦略

 当社グループは時代の変遷とともに顕在化している社会課題と真摯に向き合い、「持続可能な社会」「快適に暮らせる社会」「経済が成長する社会」の形成を通して、“限りある資源が循環し、ひと・社会・自然が豊かであり続ける社会”の実現に貢献することが当社グループの担う役割であると認識し、2021年5月に『熊谷組グループ 中期経営計画(2021~2023年度)~持続的成長への弛まぬ挑戦~』を策定した。本計画では2017年に定めた中長期経営方針の考え方を踏襲しつつ、新たに定めた長期構想“2030年以降を見据えた経営方針”のもと、3年間の方針・戦略・目標を掲げている。

 

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0101010_004.png

 

0101010_005.png

 

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(4) ESG課題への取組み

 熊谷組グループビジョンのもと事業活動を通じて社会課題解決に貢献するとともに持続的成長による企業価値向上を目指していくため、2019年4月に「ESG取組方針」を策定し、CO2排出抑制、再生可能エネルギー事業、都市再生事業、人財育成、ステークホルダーとの関係強化などに全社を挙げて取り組んでいる。

 

「ESG取組方針」

 ■当社は、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の視点から解決すべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、持続可能な事業活動を追求していく。

 

 ■当社は、グループが保有する技術・経験・ノウハウを活用して新たな価値を創造し、SDGsに代表される社会課題の解決に貢献する事業活動を展開していく。

 

 ■当社は、事業活動を通じてステークホルダーとのコミュニケーションによる信頼関係の構築に努め、企業価値の向上を目指していく。

 

ESG課題

 

0101010_010.png

 

 「ESG取組方針」のもと、持続可能な社会の形成と自らの持続的な成長のため、ステークホルダーにとって重要と考えられる課題をESG視点で特定し、事業活動を通して社会課題の解決(社会価値)と事業収益の拡大(経済価値)の双方を追求する。

 

0101010_011.png

 

(5) 新型コロナウイルス感染症の影響について

① 経営環境について

 政府の各種政策の効果や感染症の収束により経済社会活動が正常化に向かうことが期待されるが、新たな変異ウイルスの出現やロシアのウクライナ侵攻に伴う資源価格の上昇等により経済が再び減速する可能性があり、景気は依然として先行き不透明な状況にある。

 建設業界においては、民間企業の建設投資は企業収益の改善等を背景に持ち直しの動きが続くと思われ、また、公共投資は2022年度予算において前年度とほぼ同水準が確保されるなど引き続き防災・減災、国土強靭化への計画的な投資が見込まれている。また、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えたインフラ整備の動きは、今後の官民の設備投資を一定程度下支えすると考えられる。

 このような状況下において、新型コロナウイルス感染症拡大が当社グループに与える影響について以下のとおり認識している。

 

0101010_012.png

 

② 感染防止対策について

 迅速な意思決定と施策の実行を目的として、社長を本部長とする新型コロナウイルス対策本部を設置し、社員及び家族並びに協力会社など、関係者の健康と生命の安全確保の観点から新型コロナウイルス感染症に対する対応指針(感染対策・行動制限・業務継続等)を従業員へ示し、感染状況・政府方針を踏まえ、テレワークや時差通勤などの促進、協力会社への指導などの感染防止対策を講じている。

 

③ 今後の業績への影響及びその前提となる仮定

 新たな変異株の出現により新型コロナウイルスの感染が拡大することで経済が停滞するおそれがあり、景気は依然として先行き不透明な状況にあるが、当社グループの今後の業績を予想するにあたっては、「国内外の経済活動の持ち直しにより、企業の設備投資意欲は回復してきており、今後も回復基調の継続が見込まれる。」と仮定している。
 受注高については、公共投資は堅調に推移することが予測され、民間投資において特定の成長分野に注力することにより受注量の確保を見込んでおり、売上高・利益面については、追加設計変更の交渉に時間を要する場合もあるが特段大きな影響はないとしている。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりである。ただし、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、現時点では重要性が高くないと判断したリスクもあり、予見し難いリスクも存在し得る。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) 建設投資の動向

 当社グループの建設事業は、官公庁及び民間企業が主な顧客であるが、官公庁は財政状況や施策等、民間企業は経済環境や消費動向等により中長期的に建設投資の動向が変動する。我が国の建設投資は2011年度以降、増加傾向で推移しているが、縮小に向かった場合は、状況により競合他社との受注競争が激化し、受注高が減少するほか工事採算が低下する可能性がある。

 当社グループは、建設市場の質的・量的変化に柔軟に対応できる企業体質を確立すべく、長期構想“2030年以降を見据えた経営方針”を定めるとともに、本方針に基づき策定した中期経営計画における各種施策に取り組んでいる。なお、長期構想及び中期経営計画については、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりである。

 

(2) 建設資材市況及び労務単価の変動

 建設工事請負契約にあたり、建設資材及び労務単価等について適正価格での契約に努めているが、契約締結後に建設資材市況や労務単価が高騰する場合がある。当該コスト増加分について、公共工事においては契約条項により一定の工事代金の変更を請求できるが、民間工事においては発注者との協議となり、状況によりコスト増加に見合う工事代金の追加を獲得できない可能性がある。このため市況等の上昇局面では、予め単価上昇を織り込んで工事価格を見積もることや資材の調達を早期に行うなどの対応が必要となる。

 

(3) 建設技能労働者の不足

 建設業界における技能労働者は、高齢化が進むとともに若年層の入職率・定着率が伸びず、減少傾向にある。中長期的に高齢者の大量離職が見込まれるなか、技術継承へ向けた将来の担い手の確保・育成が喫緊の課題となっている。今後、技能労働者の減少がさらに進んだ場合、他社との人財獲得競争が激化し労務費が高騰するとともに、人員を確保できないことに伴う施工能力の縮小により、受注高が減少する可能性がある。

 当社グループは、専門工事会社を中心とした施工協力業者で組織された「熊栄協力会」と連携し、安定した施工体制を確立するとともに、技能労働者不足の解消及び優秀な人財の確保に向けた取組みを行っている。現在の建設業界の命題である「技能労働者給与水準の全産業労働者平均までの向上」を目指した労務単価の引上げを軸に、手当の支給を含む優良技能労務者認定制度の運用、能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備するための建設キャリアアップシステムの導入などを進めているほか、施工現場における完全週休二日への移行といった処遇改善施策を推進している。

 

(4) 人財の確保

 建設業界では、建設投資が増加基調となっている一方で、建設技術者の減少が課題となっており、当社グループにおいても、収益及び品質の向上のために優れた人財の確保と育成が急務であると認識している。その対応として、新卒者に加え施工管理経験がある人財の中途採用をジョブ・リターン制度の整備等により拡大するとともに、ダイバーシティ推進の取組みもあり、高齢者、女性及び外国人等を積極的に活用している。

 また、建設工事の入札や施工管理においては、担当技術者に工種毎の施工経験や特定資格の保有を求められることがあり、適任者が不足した場合は受注機会を逸し、受注高の減少につながる可能性がある。すでに一部の工種についてその発注時期によっては担当者を確保出来ず、入札参加を断念するケースも発生している。このため将来的な案件を見据え、技術者に計画的に多様な施工経験を積ませているほか、分野別や階層別に社内研修を実施し、専門知識を修得させている。また、技術士や一級建築士等の公的資格について受験者を対象に社内講習や模試を実施するなど資格取得の支援、促進に努めている。

 

(5) 海外における事業展開

 当社グループの海外事業は、現在アジア諸国において建設事業を中心に展開している。海外における事業は、進出国において著しい政治、経済、社会情勢の混乱が生じた場合や法規制が強化された場合等は、事業が遅延する又は遂行不能に陥る可能性がある。また、未成熟な法制度、社会制度、文化や商慣習の違い等により正当な工事代金の請求及び回収が困難となる場合や想定外のコストを負担するリスクが内在している。このため、当社グループは、各々の情勢等に精通した国・地域にのみ進出することとし、当社が請け負う建設工事については、原則として我が国ODA(政府開発援助)や日系企業による事業に限定している。

 なお、海外事業においては、事業拠点の現地通貨や米ドル等による外貨建取引のほか、外貨建の資産、負債、収益、費用を一定の基準により円換算する。現在の当社グループの海外事業の規模では為替レートの変動による影響は小さいが、取引の収入と支出の通貨構成や入出金のタイミングを概ね一致させることにより為替リスクを軽減している。

 

(6) 建設事業における自然条件及び自然災害の影響

 工事施工において、地質や地盤、天候等の自然条件に特殊性がある場合、事前にそれを把握できなかったことにより工法の変更や手戻りなどが生じ工事コストが増加する可能性がある。また、事業の特性として施工現場が地震や台風・豪雨等の自然災害に見舞われた場合、工事が中断するほか復旧に多大なコストと時間を要するなど著しい損害を被るおそれがある。

 当社グループは、事前調査、工法検討等を徹底し、自然条件面における予期せぬ事象等により工事の採算が低下しないよう努めるとともに、自然災害に対しては、各種保険に加入するなど損失を極小化するよう対策を講じている。

 

(7) パンデミック

 感染症が世界的に大流行した場合、工事中断や資機材の納入が滞ること等に伴う工程遅延や感染症対策に係るコストの発生などにより採算が低下することが見込まれ、また、民間企業を中心に設備投資が停滞することにより受注高が減少する可能性がある。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりである。

 

(8) 工事の施工不良

 工事施工にあたっては、建設物の仕様や施工条件が多岐にわたり、また、想定を超えて外的要素から影響を受けることがある。このような状況のもと、施工不良の発生可能性を完全に排除することは困難であるため、是正費用に充てるべく一定金額を引当計上している。しかし、万が一、施工した建設物に重大な施工不良があった場合、引当額を上回る多大な修復費用や損害賠償責任が生じる可能性がある。また、当社グループの社会的信用が低下し、受注高の減少につながるおそれがある。

 当社グループは、建設物の設計・施工にあたり、品質マネジメントシステムの適切な運用及び継続的な改善により、高品質な製品・サービスの提供に努めている。

 

(9) 建設事業における労働災害及び事故

 建設事業は、作業内容や作業環境などの特性により、他の産業と比較して重篤度の高い労働災害が発生するおそれがあり、また、第三者に対し損害を与える事故が発生する可能性が高い。万が一、重大な労働災害もしくは事故が発生した場合、多大な補償費等の負担が生じるとともに、社会的信用が低下し、関係諸官庁等の工事入札において指名停止になるなど、受注高の減少につながる可能性がある。

 当社グループは、労働災害及び事故への対策を最優先課題と位置付け、安全教育の実施、日常的な安全点検、施工部門と安全部門との連携強化、入念な施工計画の策定といった安全衛生マネジメントシステムの厳格な運用により労働災害及び事故の撲滅に努めている。

 

(10) 固定資産及び投資有価証券の減損

 当社グループは、都市再生・再開発事業といった新事業創出への取組みの一環として不動産の取得を進めているが、経営環境の著しい悪化などにより保有資産の収益性が低下又は市場価格が下落した場合、固定資産の減損損失が発生するおそれがある。また、収益機会の獲得や関係強化を図るため顧客や提携先等の有価証券を保有しているが、投資先の業績が悪化又は市場価格が下落した場合も同様に減損損失が発生する可能性がある。

 当社は、各種資産の評価方法と投融資活動に係るリスクを定量的に管理するための投融資基準を定め、財政的影響が大きい案件については、経営会議及び取締役会において経営指標の見通しや財務規律の維持の観点を踏まえて取得の検討を行っている。取得後は、採算性検証のためのモニタリングによって採算悪化が見込まれ、将来的な収益率等が目標とする基準値を上回る可能性が極めて低いと判断された場合、また有価証券については、保有が当社グループの事業遂行上有用ではないと判断された場合は売却等を検討するなど、損失の最小化に努めている。

 

(11) 顧客及び取引先の信用

 建設事業において、工事着工後に発注者が信用不安や経営破綻などに陥った場合、売掛金や受取手形などの債権が回収不能となるおそれがある。また、施工協力業者等の取引先が同様な状況となった場合、工程が遅延し工事コストが増加する可能性がある。

 当社グループは、顧客の信用については、会議体及び専門部署により、顧客の与信判定、契約内容の審査、債権保全方法の検討等を実施している。また、債権管理規程、工事契約締結に向けた与信限度額設定基準等の社内規程を整備し、与信管理の徹底に努めている。取引先の信用については、新規に取引を開始する場合、直近の財務諸表をもとに審査を実施している。また、取引高が一定の規模以上の施工協力業者に対しては、財務面の評価に加え、ヒアリング等による経営全般の評価を年1回実施している。

 

(12) コンプライアンス違反

 建設事業の運営に際しては、建設業法、独占禁止法等、様々な法律により規制を受けている。これらの法的規制に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令等による刑事罰、行政処分、損害賠償責任等が課せられるほか、顧客、株主、取引先等の会社を取り巻くステークホルダーからの信用失墜につながる。

 当社グループではこれらのリスクを払拭するため、「行動指針」「コンプライアンス行動ルール」をはじめとする各種規程を定め、内部機能を中心にコンプライアンス体制を構築するとともに、経営から独立した組織として「法遵守監査委員会」を設け、外部有識者による評価・勧告体制を執っている。また、このほかコンプライアンス研修等の教育を通じ、全役職員に対するコンプライアンス意識の向上、周知徹底を図っている。

 

(13) 環境問題

 世界的な人口増加と産業活動の急拡大によって生じる資源の枯渇や地球温暖化等の環境問題は、世界共通の解決すべき社会課題として認識されている。社会資本の整備を担う建設業においては、工事施工時等に排出されるCO2をはじめ建設廃棄物や建設発生土などによる環境への負荷を社会的責務として積極的に削減する必要があり、そのためには継続的に一定の対策費用が発生する。また、工事施工にあたっては様々な環境関連法令等の規制を受けているが、土壌汚染や水質汚染等の環境事故が発生した場合は、復旧費用や損害賠償金、補償金等の負担が生じるほか、当社グループの社会的信用が低下し、受注高の減少につながるおそれがある。

 当社では、環境マネジメントシステムの適切な運用及び継続的な改善により、環境負荷の低減及びより良い環境の創出を図っている。また、「エコファーストの約束」においてCO2排出量の削減や、工事現場における混合廃棄物排出量の削減、グリーン購入対象資機材の購入など低炭素社会の構築や循環型社会の形成を推進するとともに、環境基準遵守のもと、環境事故の防止に努めている。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用している。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりである。

① 財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度における我が国経済は、企業収益は新型コロナウイルス感染症の影響が残る中で海外経済の改善や供給制約の緩和を背景に持ち直しの動きが続いたが、ウイルス変異株による感染症流行の断続的な発生から個人消費や生産が足踏み状態となり、景気の回復は緩やかなものにとどまった。

  建設業界においては、住宅建設は横ばい圏内で推移したが、企業の建設投資は事務所や店舗等が牽引するかたちで増加基調となり、公共投資も東日本大震災の復旧・復興需要の減少等により弱含みながらも関連予算の執行により高水準を保つなど、総じて事業環境は良好な状況にあった。

  このような経営環境のもと、当社グループは2021年5月に策定した①建設請負事業の深化、②建設周辺事業の進化、③新たな事業領域の開拓、④経営基盤の強化を基本方針とする『熊谷組グループ 中期経営計画(2021~2023年度)~持続的成長への弛まぬ挑戦~』にグループ一丸となって取り組み、持続的成長への挑戦を続けているところである。また、株主還元の拡充並びに資本効率の向上を図るため総額100億円規模の自己株式を取得する方針を決定するとともに、当該方針に基づき、当連結会計年度において、約40億円の自己株式の取得を実施した。

  この結果、当社グループの当連結会計年度における財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。

a 財政状態

・資産

 総資産は、前連結会計年度末に比べ84億円(2.2%)減少し、3,710億円となった。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ98億円(3.2%)減少し、3,018億円となった。JV構成員に対する債権の減少や還付見込みの消費税の回収等により未収入金が124億円、大型工事における支出先行等により現金預金が39億円減少している。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ14億円(2.1%)増加し、692億円となった。保有株式の時価下落等により投資有価証券が17億円減少している。

・負債

 負債は、前連結会計年度末に比べ139億円(6.5%)減少し、2,017億円となった。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ152億円(8.0%)減少し、1,753億円となった。支払手形・工事未払金等に電子記録債務を加えた仕入債務が110億円、JV構成員に対する債務等の減少により預り金が82億円減少している。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ12億円(5.0%)増加し、263億円となった。長期借入金が12億円増加している。

・純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べ54億円(3.3%)増加し、1,693億円となった。資本剰余金が期中に取得した自己株式の消却により40億円減少し、また、利益剰余金は、剰余金の配当により56億円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益158億円の計上により102億円増加している。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.4ポイント向上し、45.6%となった。

 

b 経営成績

・売上高(完成工事高)

 売上高は、手持工事の減少等により、前連結会計年度に比べ250億円(5.6%)減少し、4,252億円となった。

 なお、当社グループの事業内容は、建設事業とその他の事業に大別されるが、その他の事業に重要性がないため、連結損益計算書上は区分していない。

・売上総利益(完成工事総利益)

 売上総利益は、売上高の減少並びに売上総利益率(完成工事総利益率)の低下により、前連結会計年度に比べ46億円(9.6%)減少し、434億円となった。

・販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、処遇改善等による人件費の増加や新型コロナウイルス感染症の影響により抑制されていた営業活動や役職員の移動が回復したこと等により、前連結会計年度に比べ7億円(3.5%)増加し、207億円となった。

・営業利益

 営業利益は、売上総利益の減少並びに販売費及び一般管理費の増加等により、前連結会計年度に比べ53億円(19.0%)減少し、227億円となった。

・営業外損益

 営業外収益は、受取配当金の増加や円安により主にドル建資産における為替差益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ3億円増加し、12億円となった。

 営業外費用は、シンジケートローン手数料の減少等により、前連結会計年度に比べ2億円減少し、3億円となった。

・経常利益

 これにより、経常利益は、前連結会計年度に比べ46億円(16.4%)減少し、237億円となった。

・特別損益

 特別利益は、補助金収入6千万円など合計1億円を計上した。

 特別損失は、損害賠償金3億円のほか、感染症関連費用2億円など合計9億円を計上した。

・法人税等

 法人税、住民税及び事業税72億円、将来減算一時差異の増加等により法人税等調整額2億円のマイナスを計上した。

・親会社株主に帰属する当期純利益

 以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ20億円(11.6%)減少し、158億円となった。

 

セグメントごとの経営成績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。

a 土木事業

受注高は、前連結会計年度比10.7%増の1,108億円であった。
売上高は、同22.5%減の940億円、営業利益は、同68.2%減の24億円となった。

 

b 建築事業

受注高は、前連結会計年度比30.6%増の2,394億円であった。
売上高は、同0.8%減の2,369億円、営業利益は、同4.0%増の153億円となった。

 

c 子会社

 売上高は、前連結会計年度比3.3%減の1,023億円、営業利益は、同10.7%減の49億円となった。
 なお、当該セグメントにおいては、受注生産形態をとっていない子会社もあるため受注実績を示すことはできない。

 

② キャッシュ・フローの状況

  営業活動によるキャッシュ・フローは、82億円のプラス(前連結会計年度は65億円のプラス)となった。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、33億円のマイナス(前連結会計年度は43億円のマイナス)となった。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、96億円のマイナス(前連結会計年度は61億円のマイナス)となった。
 為替換算による増加を含め、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ39億円(5.5%)減少し、674億円となった。

③ 生産、受注及び販売の実績

  当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業では「生産」を定義することが困難であり、子会社が営んでいる事業には「受注」生産形態をとっていない事業もあるため、グループとしての生産実績及び受注実績を示すことはできない。また、建設事業では請負形態を取っているため「販売」という定義は実態にそぐわない。このため、生産、受注及び販売の実績については、可能な限り「① 財政状態及び経営成績の状況」において報告セグメントの種類に関連付けて記載している。

   なお、参考のため、提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

第84期

 

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

188,487

100,106

288,593

121,446

(167,147)

167,147

建築工事

354,626

183,255

537,881

238,794

(299,087)

299,098

543,113

283,361

826,474

360,240

(466,234)

466,245

第85期

 

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

土木工事

167,023

110,826

277,850

94,077

(183,772)

183,772

建築工事

299,098

239,409

538,507

236,943

(301,564)

301,684

466,122

350,236

816,358

331,021

(485,336)

485,457

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。

2 次期繰越工事高の下段表示額は、当事業年度末の外国為替相場に基づき海外工事の繰越工事高を修正したものであり、上段( )内は修正前である。

3 収益認識に関する会計基準等の適用により、第85期の土木工事の前期繰越工事高を当事業年度の期首において修正しており、これによる減少額は123百万円である。

b 受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別される。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第84期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

20.6

79.4

100

建築工事

45.6

54.4

100

第85期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

土木工事

14.0

86.0

100

建築工事

33.0

67.0

100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

c 完成工事高

期別

区分

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

合計

(百万円)

第84期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

57,847

63,598

121,446

建築工事

32,389

206,405

238,794

90,237

270,003

360,240

第85期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

土木工事

44,742

49,335

94,077

建築工事

20,790

216,152

236,943

65,532

265,488

331,021

(注) 1 完成工事のうち主なものは次のとおりである。

第84期

国土交通省

水海川導水トンネルⅠ期工事

中日本高速道路株式会社

新東名高速道路 羽根トンネル工事

三井不動産レジデンシャル株式会社・野村不動産株式会社・三菱地所レジデンス株式会社・伊藤忠都市開発株式会社・東方地所株式会社・株式会社富士見地所・袖ヶ浦興業株式会社

(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画(B-2 街区)

地方独立行政法人くまもと県北病院機構

地方独立行政法人くまもと県北病院機構新病院整備事業に係る設計及び施工業務

アパ株式会社・アパホーム株式会社

(仮称)アパホテル&リゾート<両国駅タワー>新築工事

第85期

西日本高速道路株式会社

中国自動車道(特定更新等)北房IC~大佐スマートIC間(上り線)

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線坂井高架橋

東急不動産株式会社・株式会社

NIPPO・大成有楽不動産株式会社・JR西日本プロパティーズ株式会社

(仮称)江東区豊洲五丁目計画新築工事

住友商事株式会社・レンゴー株式会社

(仮称)レンゴー淀川工場跡地開発計画新築工事

森永製菓株式会社

森永製菓 高崎第3工場建設計画

2 第84期及び第85期ともに、完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。

d 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)

区分

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

合計

(百万円)

土木工事

58,207

125,564

183,772

建築工事

40,987

260,696

301,684

99,195

386,261

485,457

(注) 次期繰越工事のうち主なものは次のとおりである。

環境省

平成29年度中間貯蔵(大熊3工区)土壌貯蔵施設等工事

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北海道新幹線羊蹄トンネル(有島)他

医療法人徳洲会

湘南鎌倉総合病院外傷・救命救急センター先端医療センター増築工事

三井不動産レジデンシャル株式会社・野村不動産株式会社・三菱地所レジデンス株式会社・伊藤忠都市開発株式会社・東方地所株式会社・株式会社富士見地所・袖ヶ浦興業株式会社

(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画(B-3 街区)

日本電産株式会社

日本電産株式会社 向日町プロジェクトC棟建築工事(仮称)

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 経営成績の分析

 当社グループの売上高については、期首繰越工事高の減少や一部土木工事の中断等の影響により前連結会計年度実績、期首計画値をともに下回った。

 利益については、売上高の減少や追加設計変更交渉が不調に終わるケースが多かったこと等により、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度実績、期首計画値をともに下回る結果となった。

 親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げや、仕入債務の減少等による総資本の圧縮により自己資本比率は45.6%と前連結会計年度を上回る水準となったが、ROEは親会社株主に帰属する当期純利益の減少、自己資本の増加により9.5%と前連結会計年度の水準を下回った。

 受注高は、企業の設備投資意欲の回復もあり、前連結会計年度、期首計画値を上回った。

 新型コロナウイルス感染症の影響について、当連結会計年度における金額的影響の算定は困難であるが、感染症拡大により追加設計変更交渉が進展せず工事価格を上積みできなかったなどの事象があったものの、当連結会計年度の業績への影響は限定的であった。

 

b セグメントごとの経営成績の分析

・土木事業

 受注高は、高速道路大規模更新関連で大型案件を複数受注したことにより前連結会計年度比10.7%増の1,108億円となった。

 売上高は、東京外環道など一部大型工事の中断の他、発注者指示による工法の変更等に伴う工事遅延や工事中断が重なり、同22.5%減の940億円となった。営業利益は、売上高の減少に加え、追加設計変更交渉が不調となった案件等の影響もあり、同68.2%減の24億円となった。

・建築事業

 受注高は、大型のサービス付き高齢者住宅や官庁工事の落札で医療・福祉分野が受注を伸ばし、同30.6%増の2,394億円となった。

 売上高は、期首繰越工事高が前連結会計年度期首より大きく下回っていたものの、当連結会計年度に受注した工事の売上高が大きく寄与したことで、同0.8%減に留まり2,369億円となった。営業利益は、完成もしくは完成間際の好採算の大型案件が出来高を伸ばしたことなどにより、同4.0%増の153億円となった。

・子会社

 売上高は、華熊営造が好調な受注を背景に売上を大きく伸ばしたものの、国内子会社は期首繰越工事高の減少等により売上が減少し、全体として同3.3%減の1,023億円となった。営業利益は、売上高の減少及び原油価格高騰等の影響による売上総利益の減少により、同10.7%減の49億円となった。

 

c 中期経営計画の達成状況

 『熊谷組グループ 中期経営計画(2021~2023年度)~持続的成長への弛まぬ挑戦~』で掲げた指標の計画値と実績値との比較及び経営戦略の達成状況は次のとおりである。

指標

2021年度(計画値)

2021年度(実績値)

差異

連結売上高   (百万円)

451,000

425,216

△25,783

連結経常利益  (百万円)

27,400

23,732

△3,667

ROE      (%)

10.9

9.5

△1.4

配当性向     (%)

30.1

35.1

5.0

 

 事業戦略①:建設請負事業の深化

■国内土木事業

 「インフラ大更新分野」では、2021年9月に完成した「東北道十和田リニューアル工事」において、コッター床版工法による橋梁床版の取替を4橋施工し、現場打ちコンクリートが不要な「フルプレキャスト施工」にも成功した。2021年に受注した「酒匂川橋床版取替工事」では基本契約方式による13橋の床版取替が予定されており、今後も床版取替工事の需要拡大が期待される。コッター床版に関しては、関連会社との連携による周辺技術を含めたパッケージ商品化も計画しており、事業体制の構築(目地材料販売:株式会社ファテック、工法技術開発:テクノス株式会社)を検討している。また、道路を供用しながら主桁から床版を切り離す工法として開発された「切り方じょうず」は、従来工法と比較し、床版取替期間を50%短縮し、騒音が小さく泥水が発生しないため、周辺環境への影響を低減でき、コッター床版工法と並んで普及が期待される。

 「防災・減災、国土強靭化分野」では、熊本地震後の防災対策工事への導入効果が高く評価された「無人化施工技術」を高めるため、継続して研究開発を進めているほか、高機能遠隔操作室と建設機械をパッケージ商品化するなど、新たなビジネスモデルの確立を目指している。2022年3月にはローカル5Gを技術研究所に導入し、その高速性と低遅延性を活かして建機と操作室間の映像伝送の高度化を進めている。また、元施工ダム数の優位性を活かすべく、「国土強靭化」「インフラ長寿命化(ダム再生)」案件受注のためのリニューアル工事に関する技術開発に注力している。

 

■国内建築事業

 「中大規模木造建築分野」では、2021年3月、「環境と健康をともにかなえる建築」をコンセプトとして、住友林業株式会社と立ち上げた中大規模木造建築ブランド「with TREE」で、中大規模建築の木造化・木質化を推進している。また、オリジナル木材「断熱耐火λ-WOOD(ラムダ・ウッド)」はすべての主要構造部(柱/梁/床/壁)で耐火認定を取得し、純木造建築を階数制限なく建築できることになった。これらの技術を応用し、野村不動産のオフィスビルブランド「H1O外苑前」を施工中のほか、木造/S造ハイブリッド構造で当社福井本店を建て替えた。

 「市街地再開発分野」では、2021年9月、三田駅前Cブロック地区再開発の事業協力者に決定した。

 

 事業戦略②:建設周辺事業の進化

■再生可能エネルギー事業

 「住友林業株式会社との協業を含む木質バイオマス発電事業」では、福島県飯舘村において木質バイオマス事業を計画しており、2024年の稼働開始を目指して準備を進めている。

 風力・太陽光発電事業では当社で最初の売電事業となる静岡県浜松市での太陽光発電事業2021年2月に参入したベトナムの太陽光発電事業CatHiep メガソーラー事業がそれぞれ順調に稼働して当社の収益に貢献しているほか国内外のセカンダリー案件への事業参画事業承継についても積極的に検討している

 

■不動産開発事業

 都市再生・まちづくり事業では飯田橋駅東口再開発事業について東京都は2020年9月飯田橋駅周辺基盤再整備構想を策定新宿区も2022年1月に都市計画を決定した2022年度は(仮称)飯田橋駅前地区基盤整備ビジョンや具体的な整備方針の策定が予定されるなど再開発計画は徐に形になりつつあり当社も一地権者として積極的に参画していく

 住友林業株式会社との協業にて2020年1月に事業参画したインドネシア・ジャカルタの高層コンドミニアム及び商業複合施設開発事業はコロナ禍の影響を受けて施設計画を変更しながらも検討が進む一方2022年2月住友林業株式会社と同社100%子会社の米クレセント社が運用を開始した米国不動産私募ファンドに参画した成長著しい米国の都市圏でLEED等の環境認証を取得するESG配慮型の賃貸集合住宅4件(総戸数約1,000戸資産規模約700億円運用期間5年)を開発する住友林業株式会社との協業を本ファンドへの投資を通じてさらに発展させ海外事業での中長期的な収益拡大を目指す

 また将来は再開発区域となることが見込まれる国内の優良な収益物件を購入したほか台湾で不動産開発を担当する現地法人(華熊建設)が現地デベロッパーとの連携による老朽化住宅の建替えの提案活動等を行っている

 

■インフラ運営事業

 PPP・コンセッション事業では2021年10月、「福井市新学校給食センター整備運営事業」、「周南地区衛生施設組合新斎場整備運営事業をそれぞれ当社が所属する企業グループが落札した引き続き国内では当社が得意とする給食センターや庁舎体育館などのPFI事業に参画することを目指していく

 また香港のMOM事業(有料道路の管理・運営・保守事業)については受託済みの案件(イースタン・ハーバー・クロッシングテーツケントンネル)も併せた管理効率を考慮した受注活動を継続し利益を確保していく

 

■技術商品販売事業

 バイオマス燃料開発・販売事業では清本鐵工株式会社とともに高品質なバイオマス燃料ブラックバークペレットを共同開発した廃棄物であるバーク材(木の皮)を原料として林業の活性化石炭火力発電の混焼材としてカーボンニュートラルへの貢献を目指すバーク材調達は住友林業フォレストサービス株式会社が担い国産地域材を原料とする環境にやさしい地産地消のエネルギー循環システムとして2022年度愛媛県に生産設備の建設を開始する

 

 事業戦略③:新たな事業領域の開拓

 2021年12月、新事業を創出するためのプロジェクトを始動し、初弾として行った全社員対象の新事業に関するアイデア募集では100件を超える応募があった。今後、受領したアイデアを参考に検討を進め、建設請負事業のほか既存事業に続く収益源となり、目指す社会の実現に貢献する新事業の創出を目指していく。

 

 経営基盤の強化

■デジタル化

 基幹システムの刷新により業務プロセスの効率化・自動化を進め、また、社員のITリテラシー向上、DX人財の確保を通じてビジネスの変革を目指して、2021年度よりDX推進の専任部署として「DX推進部」を設置した。2021年度は導入済みシステムの定着化に加え、新基幹システムの開発、作業所業務の効率化のための各種ツール導入を進める一方、社員に対して動画・メルマガ配信による教育を行った。今後も、2021年9月に策定された「DX方針」に基づいて活動していく。

 

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■技術開発

 低炭素コンクリートに代表される低炭素技術、中大規模木造建築に代表される木化・緑化技術、エネルギー関連技術など、脱炭素・環境型社会に資する研究開発、AI、ロボティクス技術に代表されるデジタル社会に対応する技術開発、さらに建設高度化に資する技術開発を、技術開発における3本の柱として開発を進め、技術開発による先進性、優位性を追求していく。

 ロボティクス分野では、2021年9月、建設会社16社による「建設施工ロボット・loT分野における技術連携に関するコンソーシアム」に参加、業界を挙げて技術革新にも取り組んでいく。

 

d 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「2 事業等のリスク」に記載のとおりである。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a キャッシュ・フローの状況の分析

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益229億円の計上や未収入金の回収等により、82億円のプラス(前連結会計年度は65億円のプラス)となった。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、設備の取得更新等により、33億円のマイナス(前連結会計年度は43億円のマイナス)となった。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式の取得等により、96億円のマイナス(前連結会計年度は61億円のマイナス)となった。
 為替換算による増加を含め、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ39億円(5.5%)減少し、674億円となった。

 

b 資本の財源及び資金の流動性

・資本政策の基本方針

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保し、財務健全性を保つことを基本方針としている。当連結会計年度末において現金預金は674億円保有しており、自己資本比率も45.6%と一定水準を保っていることから、現状では新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しても財務健全性に懸念はない。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資に係る資金や長期運転資金は自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としている。当連結会計年度末における流動比率は172.1%、固定長期適合率は35.4%と高い安全性を保っている。

・資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、建設事業に係る外注費や資機材費等の工事費、人件費を中心とした販売費及び一般管理費の営業費用である。大型工事における支出先行及び人員数の増加により営業費用に対する資金需要は増加傾向にある。また、中期経営計画に掲げている4つの基本方針に基づき、競争力強化と収益源多様化による安定収益確保のために、400億円規模の投資を計画している。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は121億円となっている。

 

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・株主還元

 現中期経営計画において、連結配当性向30%目途を財務目標に掲げている。しかし、さらなる株主還元の拡充並びに資本効率の向上を図るために2021年11月11日開催の取締役会において、現中期経営計画期間(2021~2023年度)に総額100億円規模の自己株式を取得する方針を決定した。当該方針に基づき、2021年度において、約40億円の自己株式の取得を実施し、2022年3月29日開催の取締役会決議に基づき取得した自己株式1,394,000株の消却を実施した。

 

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・資金調達

 当社グループは、金融機関からの借入を主な資金調達の手段としている。資金調達のより一層の安定化並びに効率化を図るため、シンジケートローン契約を締結しており、そのうち長期のターム・ローンの当連結会計年度末の契約総額は70億円、コミットメントラインの当連結会計年度末の契約総額は300億円(借入実行残高0円)である。

 安定的な資金調達手段を確保できており、新型コロナウイルス感染症の影響を含めた突発的な資金需要の発生にも十分対処可能な状況である。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における資産、負債並びに収益、費用の金額に影響する見積り、判断及び仮定が必要となり、これらは継続した評価、過去の実績、経済等の事象、状況及びその他の要因に基づき算定を行っているが、本質的に不確実性を内包しており、実際の結果とは異なる場合がある。

  当社グループの重要な会計方針のうち見積り、判断及び仮定による算定が含まれる主な項目は、貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金、偶発損失引当金、賞与引当金、株式給付引当金、退職給付費用、一定の期間にわたり収益を認識する方法(いわゆる旧工事進行基準)による収益認識、繰延税金資産の回収可能性等があり、当該見積り、判断及び仮定と実際の結果に重要な差異が生じた場合は、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある。

  連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

  なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに及ぼす重要な影響はないとしているが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合、工事中断や資機材の納入遅れに伴う工程遅延や対策コストの増大などにより、一定の期間にわたり収益を認識する方法による収益認識に影響を及ぼす可能性がある。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項なし。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、企業業績に対して即効性のある技術、商品の開発、各種技術提案に直結した技術の開発、中長期的市場の変化を先取りした将来技術の研究、開発技術の現業展開と技術部門の特性を生かした技術営業、総合的技術力向上のための各種施策からなっており、社会経済状況の変化に対し機動的に対応できる体制をとっている。
 当連結会計年度は、研究開発費として2,725百万円投入した。
  当連結会計年度における主な研究開発活動は次のとおりである。

(1) 土木事業

 ① 高速道路リニューアルプロジェクトの主力商品 橋梁用「コッター床版工法」

  NEXCO各社が進める高速道路リニューアルプロジェクト(総事業費約3兆円)は、2015年度から2030年度までの16ヵ年の長期計画であり、橋梁床版取替工事は、その50%強(事業費約1兆6,500億円)を占め、同プロジェクトの主要工事である。これまで7年余の工事発注は計画の約43%(橋梁床版取替工事、当社集計)となっており、事業開始当初は伸び悩んでいた発注も、直近2年間では年間2,000億円を超えるほどに増加している。今後も同プロジェクトをさらに加速させるために、積極的な工事発注が行われると考えられる。

  当社は、この橋梁床版取替工事において、急速施工、省人化、取替性の改善など生産性の向上を目的に、コッター式継手を用いた橋梁用プレキャストPC床版(コッター床版)を開発した。本工法は、単純作業のため熟練工が不要であり、床版の99%がプレキャスト化されるため、品質向上にも大きく寄与するものである。

  当連結会計年度はNEXCO東日本発注の東北自動車道十和田管内高速道路リニューアル工事を竣工、コッター床版の優れた施工性を実証するとともに、取り替える部材すべてをプレキャスト製品とするフルプレキャスト施工を完成させた。コッター床版工法の施工実績は2021年末には約8,000㎡となり、確実に施工実績を積み重ねている。

  2022年度は新たにNEXCO中日本より受注した東名高速道路酒匂川橋他2橋床版取替工事を通してさらなる展開を行うとともに、他社にもコッター式継手を販売する新事業を軌道に乗せる予定である。

 ② ローカル5Gを用いた無人化施工技術の高度化

  自然災害現場での無人化施工は二次災害を防ぐために極めて有効な手段であり、施工の高度化を実現するためには、建機に取り付けられた4Kカメラの映像や、加速度センサーで取得された動きの情報を遠隔操作室へリアルタイムに伝送する必要がある。

  この課題に対して、大容量かつ低遅延を可能とするローカル5G(第5世代移動通信)システムをつくば市にある技術研究所に構築し、自然災害現場におけるネットワーク対応型無人化施工の実証実験を想定した屋外実験を行った。遠隔操作が可能な不整地運搬車に対してローカル5G端末を取り付け、研究所内に設置されたローカル5G基地局に対する車載カメラや360度カメラの映像信号等の上りリンク通信、建設機械に対する制御信号の下りリンク通信を行った。基地局と有線で接続された操作室において車載カメラの高品質な映像を確認しつつ、建設機械の遠隔操作を実現できた。加えて、360度カメラの4K映像をVRヘッドマウントディスプレイに表示すると同時に、VRコクピット(仮想現実操縦席)で建設機械の傾きや振動などの動きを再現した。ローカル5Gを活用して高品質かつリアルタイムに大容量の情報を伝送することにより、傾斜地などで建設機械を運用する場合でも、実際の搭乗操作に近い感覚で遠隔操作が可能となる。

  今後は経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety5.0の実現に向け、ローカル5Gを活用した高度な無人化施工の実運用を目指す。

 ③ 橋梁更新工法「KPYダブルユースガーダー工法Ⓡ」の開発

  橋梁の架け替え工事は、河川内での施工となる場合が多く、通常、流量の少ない渇水期に行われ、流量の多い出水期は工事休止となる。また、既設橋梁の下部工撤去や新設橋梁構築には、河川内に仮桟橋を用いて行うのが一般的であるが、仮桟橋は計画高水位(以下「HWL」という)や河積阻害率を考慮して設置されないため、出水期には仮桟橋を撤去する必要があり、工期と工事費の増加要因となっている。

  当社は株式会社横河ブリッジと共同で、河川内工事でのこれらの問題点を解決すべく、「KPYダブルユースガーダー工法Ⓡ」を開発した。本工法は、既設橋梁撤去に用いた架設桁(ガーダー)を、更新する橋梁の上部工や下部工に再利用する工法である。架設桁を桟橋のように渇水期と出水期ごとに設置と撤去を繰り返すのではなく、河積阻害率を考慮して新設橋もしくは既設橋と同様の支間割で、かつHWL以上の位置に設置する。これにより、架設桁を出水期に撤去する必要がなくなり、工期短縮や工事費縮減が可能となる。また、従来工法では仮桟橋の他にも流水域にて築島や瀬替えをすることで、橋梁の撤去や構築が行われることもある。この場合は河川に生息する動植物への影響が大きな課題となっていたが、本工法は流水域への影響を最小限に留めることで、周辺環境への影響を低減することができる。

  今後は、橋梁更新工事に加え、豪雨等により流出した橋梁の早期復旧事業等への適用を目指す。

 ④ トンネル切羽評価方法およびコンピュータドリルジャンボの開発

  インフラの社会的効果を向上させる上で重要な役割を果たす山岳トンネル工事は、土木工事の中でも不確定要素が強く、施工が難しい工事である。その中心となる地山に対する適正な支保構造を決定するには、専門家の正確な判断が必要である。しかし、定性評価から数値化への対応、数少ない専門家の判断迅速化などの課題がある。

  今般、トンネル掘削時の切羽写真や機械データ等をAIにより学習させ、切羽評価を行う「トンネル切羽AI診断システム」を開発し、日下川新規放水路(吐口側)工事、湯野上3号トンネル工事にて導入し検証を行った。

  今後は、大学との共同開発でスペクトルカメラによる画像解析も取り入れ、正答率を向上させるとともに、他のトンネル工事でもデータ採取・分析を行い、本格的な実用化を目指す。

  また、従来行われている発破等の穿孔作業は、熟練工によるマニュアル操作であるが、更なる省力化・効率化を目指し、穿孔作業を全自動で行えるコンピュータドリルジャンボを開発・製作し、山岳トンネル工事に投入する予定である。

  これらは施工が特に困難な山岳トンネル工事における、Society5.0に基づいたi-Constructionを実現するための先進的かつ実現化した技術例となる。

 ⑤ 泥土圧シールドのチャンバー内可視化技術の開発

  泥土圧シールド工法では、掘削土砂に掘削添加材を添加してチャンバー内土砂を塑性流動化(流動性を有する土砂状態)させて加圧することで、切羽の安定を確保しトンネルを掘削する。

  施工管理においてはチャンバー内の性状を把握することが重要であるが、隔壁奥のチャンバー内にある掘削土砂は目視できない。そのため土圧分布状態やシールドマシン作動状況、およびスクリュウコンベヤからの排土状況をもとにシールド技術者の経験によって判断することが一般的であり、個人の技量に依存せざるを得ない状況にある。また、高齢化や熟練工不足が進む昨今の状況において、チャンバー内の状況を客観的かつ定量的に把握できるような可視化が求められている。

  本システムは、隔壁に設置した多数の土圧計の値に連動して、リアルタイムにグラデーション表示を行うことで土圧の分布を視覚的に捉え、適正な掘進管理の指標となるシステムの構築と実用化を目指すものである。

 

(2) 建築事業

 ① 「断熱耐火λ-WOOD®」柱・梁・床・壁の耐火構造の国土交通大臣認定を取得

  中大規模木造建築への導入に向けて、当社が開発した木質耐火部材「断熱耐火λ-WOOD(ラムダ・ウッド)」は、主要構造部(柱・梁・床・壁)における1~3時間の耐火構造の国土交通大臣認定を取得した。これまでに床・壁(1~2時間)、柱(1~3時間)の耐火認定を取得しており、今回ですべての主要構造部の耐火認定を取得したことにより、15階以上の木造建築を純木造で建築できるようになった。

  「断熱耐火λ-WOOD」の特徴として、荷重支持部(柱・梁・床・壁)の周囲に設置する「燃え止まり層(注)」を硬質せっこうボードと断熱耐火パネルの積層により薄くした。このことは、木質感を演出しつつ居室内の有効利用面積を広く取れる利点がある。更に表面仕上げ材を自由に選択することが可能となったため、お客様および設計者の多様なニーズに対応することができる。昨年完成した当社福井本店の建替え工事では、「断熱耐火λ-WOOD」が採用されている。

  当社では、環境重視の観点から需要が高まると想定される、中大規模木造建築の実現に向けて技術開発を進めている。建築物に木造を適用するための課題として、建築基準法に規定される耐火性能があり、建築物の階数に応じた耐火性能を有する部材を使う必要がある。そのため主要構造部(柱・梁・床・壁)における耐火性能を満足するよう、「断熱耐火λ-WOOD」の開発を進めてきた。今回、1~3時間までの梁の耐火認定を取得したことにより、「断熱耐火λ-WOOD」は耐火要件上の階数による制限がなくなり、15階以上の高層建築物にも使用することができる。

  今後は、「断熱耐火λ-WOOD」を広く採用いただけるよう、事業化を含め検討を進めていく。

  (注) 燃え止まり層とは、荷重支持部材の外側にある燃焼を停止させる層である。

 ② 解体分離を可能とする木質耐火部材「環境配慮型λ-WOOD」の開発~中大規模木造建築における持続可能な資源開発を視野~

  木造建築の解体に際して、主要構造部の分離を可能とする「環境配慮型λ-WOOD」を開発した。建築物への木材の活用は、ESGやSDGsの観点から注目されており、特に長期間にわたりCO2の固定化が可能となる中大規模木造建築は、脱炭素社会への大きな貢献が期待されている。

  当社が開発の方向性を確認した「環境配慮型λ-WOOD」は、芯材である木材とその周囲を耐火被覆する石膏ボードとの間に接着剤を一切使用しない仕様とすることにより、建設時と同様の状況で木材と石膏ボードの解体分離を容易にする耐火部材である。本開発により、中大規模木造建築における持続可能な資源活用を視野に入れ、将来の解体・廃棄時に木材を再利用することが可能となる。

  当社が既に開発し、耐火構造の国土交通大臣認定を取得している「断熱耐火λ-WOOD」は、芯材(木材)と耐火被覆材(石膏ボード)の接合に接着剤等を利用することから、木材と石膏ボードを再利用可能な状態で解体分離することが困難であった。近年建設が拡大傾向にある中大規模木造建築において、数十年後の建物解体時の木材活用方法は、これからの課題となる。他方、使用済みの石膏ボードは、国土交通省より再資源化が促進されている。これらのことから、当社では主要構造部を容易に再利用可能な状態で分離できる「環境配慮型λ-WOOD」の開発を進めてきた。今回の開発は、既に大臣認定を取得している「断熱耐火λ-WOOD(柱2時間仕様)」と比較して、①解体分離が可能な仕様②耐火被覆層のスリム化③耐火被覆層のコスト低減という特徴を有している。

  今後は実用化に向けた更なる実験を進めるとともに、大臣認定取得を進めていく予定である。

 ③ 優れた床衝撃音遮断性能を実現した波型中空合成スラブ「サイレントLFR」を開発

  共同住宅において優れた床衝撃音遮断性能を実現する波型中空合成スラブ「サイレントLFR」をフジモリ産業株式会社と共同開発した。共同住宅における音環境は重要性の高い項目の一つであり、特に、上階での歩行音や物を床に落とした時の音に関連する床衝撃音遮断性能は、建物の内装材だけでなく、構造体である床スラブから十分に対策を行う必要がある。当社等がこれまでに開発したサイレントボイドスラブは、ボイド型枠を「波型」とすることでそれ以前に広く用いられていた矩形ボイド型枠を用いた中空合成スラブで発生するボイド型枠上面での共振現象を抑えることができ、優れた床衝撃音遮断性能を確保することに成功していた。一方で、より厚さの薄いスラブへの適用やスラブ重量をより軽減するなどの課題があった。

  今回開発したサイレントLFRは波型を多重に組み合わせた、これまでにない独自の形状を持つボイド型枠を採用している。実物大の試験体を用いた実験により、サイレントボイドスラブ同様、矩形ボイド型枠を用いた中空合成スラブと比較して優れた床衝撃音遮断性能であることを確認している。加えて、ボイド型枠部分の体積がサイレントボイドスラブよりも増えたことによりコンクリート量が少なくなり、スラブ重量の軽減化にも成功した(等価重量スラブ厚に換算して約5mm減)。また、サイレントボイドスラブの適用範囲はスラブ厚さ250mm以上だったが、本スラブでは230mmから対応可能となり、適用範囲を広げた。

  今後は、共同住宅における音環境の静謐性能を確保するための重要なツールとして位置付け、デベロッパーや設計事務所などに対して積極的に提案していく予定である。

  なお、本スラブは日本建築センター評定(注1)、2時間耐火認定(国土交通大臣認定)(注2)を取得している。

  (注) 1 評定番号:RC0062/RC0130

     2 認定番号:FP120FL-0025-1

 ④ 耐震性の高い木質座屈拘束ブレースを共同開発 ~中大規模木造建築へも積極導入~

  当社は住友林業株式会社と共同で、木質材料によって座屈(注1)を拘束した鋼製ブレース「KS木質座屈拘束ブレース」を開発し、2022年3月に日本ERI株式会社の構造性能評価(注2)をブレースとしては最高のBAランクで取得した。今後はこの部材を、オフィス、商業施設、集合住宅、宿泊施設や生産・物流施設など様々な鉄骨造に加え、中大規模木造建築へも積極的に導入してゆく。

  両社は脱炭素社会の実現に向けた建物の木造化・木質化に注力しており、特に中大規模木造建築の受注拡大のため、木質部材に関連する研究や技術開発に力を入れてきた。KS木質座屈拘束ブレースは、熊谷組の持つ中高層建物の耐震構造技術と住友林業の木質系材料に関する知見や技術を融合して開発した。建物に用いる鋼製の耐震ブレースは地震時に優れた性能を発揮するが、限度を超える圧縮力が作用すると座屈現象が起こり大きく変形する。この欠点を克服するため従来の技術ではコンクリート製や鋼製の座屈拘束材で座屈を抑止している。KS木質座屈拘束ブレースは、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)と合板を組み合わせた木質の座屈拘束材を用いて鋼製の芯材を補強している。このため圧縮時にも耐力を損なうことなく安定的な変形性能を発揮し、従来の座屈拘束ブレースと同等以上の耐震性能を実現することができた。

  今後も集合住宅・事務所など「中大規模木造建築」建設の受注施工に向けた木質部材の技術開発を継続し、都市と森がつながる低炭素な街づくりに貢献してゆく。

  (注) 1 座屈    :細長い部材が一定の圧縮力を受けた際に急に湾曲すること。

     2 構造性能評価:建築確認申請を円滑に進めるための第三者機関による構造性能評価。

 ⑤ 電子受容体を利用した油含有土壌の省力低コスト嫌気処理法の開発

  微生物機能を利用した油含有土壌の浄化技術(バイオレメディエーション)について、酸素を必要としない嫌気処理技術の開発に取り組み、現在主流の好気処理と比較して省力・低コストで環境調和型となる技術を開発した。バイオレメディエーションは、汚染サイトの土壌を低環境負荷で浄化できる方法であり、好気処理と嫌気処理に大別される。好気処理は現在主流の技術であるが、土壌に酸素を供給するための機械損料や人件費などのコスト面に難点がある。

  本開発工法は、好気処理と嫌気処理を組合せた方法であり、油分分解が活発である反応初期時に酸素を供給する好気処理を行い、続いて分解が停滞するタイミングで酸素供給をストップし、嫌気処理に切り替えるものである。また、嫌気処理以降の酸素供給回数の減少により、ランニングコストの削減が期待できる。

  嫌気条件下での油分分解は、生物の嫌気呼吸の主要プロセスである硝酸還元および鉄還元反応を利用した。油を電子供与体と想定し、嫌気呼吸の基質である電子受容体として硝酸塩および第2鉄イオンを投与し、油分の酸化分解を促進させる。この処理工法について中規模土層による実験を実施し、嫌気条件下において汚染土壌中の油分分解が促進されることを実証した。

  更にスケールアップした屋外実験を実施し効果を検証したところ、実験対象土壌中の微生物遺伝子解析により、硝酸還元微生物や鉄還元微生物の存在が確認され、これらの微生物群の反応によって油分の嫌気分解がなされていることが示された。

  また、本工法の適用により、好気処理の酸素供給回数が減少し、酸素供給に必要な機械損料や人件費(例えば、ショベルによる土壌攪拌、配管埋設による酸素供給)などのランニングコストは、従来工法(好気処理のみ)と比較して約60%削減できる見通しである。

  本工法は電子受容体の添加により、土壌中に生息する微生物群を活性化させて油分解を効率化する。すなわち自然が元来持つ浄化能力を引き出す技術であり、省力化による環境負荷低減や低コスト化だけでなく、環境調和型の浄化技術といえる。今後は本開発工法を実用化するために、実汚染現場での実証試験を行い、検証と改良を行っていく。

 

(3) 子会社

  株式会社ガイアート

 ① フォームドアスファルトによる再生中温化混合物の検討

  脱炭素技術の取り組みとして道路舗装業界においても、アスファルト混合温度を30℃程度低減することによって、使用燃料を減らしCO2削減に寄与する中温化技術が、大変注目されているが、この中温化技術としてフォームドアスファルトを用いる方法について検討を行い、60期には、フォームドアスファルト装置を野田合材工場へ導入し、その効果について検証を行った。今後、更に安定した製品化を図り、他プラントへの展開を行っていきたいと考えている。

 ② 全天候型常温合材の開発

  常温アスファルト補修材(以下,常温合材)は,常温施工が可能でポットホール等の補修材として使用される混合物であり、同社は、常温合材「ガイアートファルト」を新見合材工場で製造している。一方、他社においては、雨天時や水溜まり等水が介在する現場への適用についても、その強度が発現するタイプ(全天候型常温合材)が製品化されているが、同社においてもこれと同等以上の性能となるものの開発に成功し、新見合材工場で試験製造を行った。今後、さらに現場での実証試験を行い、検証と改良を行い製品化を図っていく。

 ③ 木質系アスファルト舗装の開発状況について

  住友林業㈱との共同研究として、杉の間伐で発生し廃棄焼却される間伐材を、木チップとして、アスファルト舗装に再利用する技術について検討を行い、アスファルト乳剤を用いた常温式木質系アスファルト舗装の開発に成功した。今後は、検証と改良を行い製品化を図っていく。

 

第3【設備の状況】

1【設備投資等の概要】

 当連結会計年度は、既存施設の保守、設備の取得及び更新等を行い、その総額は3,681百万円であった。

 なお、設備投資等の金額は、事業セグメントに配分していない。

2【主要な設備の状況】

(1)提出会社

2022年3月31日現在

 

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

帳簿価額(百万円)

 

建物・
構築物

機械、運搬具及び工具器具備品

土地

リース
資産

合計

従業員数

(人)

 

 

面積:㎡

金額

東京本社

(東京都新宿区)

土木事業

建築事業

1,853

1,274

53,635

(1,287)

5,072

22

8,221

578

首都圏支店

(東京都新宿区)

土木事業

建築事業

1

31

32

627

関西支店

(大阪市西区)

土木事業

建築事業

6

11

1

19

329

 

(2)国内子会社

2022年3月31日現在

 

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

帳簿価額(百万円)

 

建物・
構築物

機械、運搬具及び工具器具備品

土地

リース
資産

合計

従業員数

(人)

 

 

面積:㎡

金額

㈱ガイアート

本社及び支店

(東京都新宿区)

子会社

3,389

843

174,276

(107,311)

4,877

470

9,582

762

 

(3)在外子会社

2022年3月31日現在

 

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

帳簿価額(百万円)

 

建物・
構築物

機械、運搬具及び工具器具備品

土地

リース
資産

合計

従業員数

(人)

 

 

面積:㎡

金額

華熊営造(股)

本社

(台湾台北市)

子会社

20

42

12

33

321

(注) 1 帳簿価額には建設仮勘定を含まない。

2 上記主要な設備に係る土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借している。年間賃借料は525百万円であり、土地の面積については( )内に外書きで示している。

3【設備の新設、除却等の計画】

 継続的に既存施設の保守、工事用機械の更新等の投資を予定しているが、特記すべき設備の新設及び除却等の計画はない。