経営者による当社グループの経営成績等の状況の分析は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、また、様々な要素により異なる結果となる可能性がある。
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、全体として緩やかな回復基調が継続したが、保護主義的な通商政策や金融市場の不安定化等による先行きの不透明感が強まる状況となった。
我が国経済については、国内で発生した自然災害による影響を受けたほか、通商問題の影響が徐々に顕在化しつつあるが、期間全体としては堅調な企業収益を背景に設備投資の増加や雇用・所得環境の改善が進んだことから、国内需要を中心に景気回復が続いた。
国内建設市場を取り巻く環境は、製造業を中心とする機能更新・高度化に向けた設備投資等により建設投資は底堅さを維持し、国内景気が回復する中で、資材需給の逼迫や労務の不足が見られるようになった。
こうした中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、次のとおりとなった。
建設事業受注高は、国内受注高は減少したものの、海外関係会社におけるM&Aの効果等により海外受注高は増加したことから、全体では前年同四半期連結累計期間比1.8%増の1兆1,950億円(前年同四半期連結累計期間は1兆1,742億円)となった。なお、当社の受注高は、開発事業等を含めて同6.0%減の7,643億円(同8,127億円)となった。
売上高は、前年同四半期連結累計期間と概ね同水準で推移し、前年同四半期連結累計期間比5.5%増の1兆4,052億円(前年同四半期連結累計期間は1兆3,314億円)となった。
利益については、当社土木事業の売上総利益減少を主因として、営業利益は前年同四半期連結累計期間比17.8%減の962億円(前年同四半期連結累計期間は1,170億円)、経常利益は同14.2%減の1,121億円(同1,306億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は同15.5%減の819億円(同970億円)となった。
なお、当第3四半期連結累計期間の業績は前年同四半期連結累計期間比では減益となったが、当社グループの中核事業である当社土木事業、建築事業の完成工事総利益率(土木事業18.2%、建築事業12.7%)は、建設コストが想定よりも安定していたことに加え、原価低減に資する生産性向上や一部の工事の追加変更契約の獲得等により、通期利益率予想(土木事業15.7%、建築事業11.7%)を上回る水準を確保するなど、通期業績予想に対しては順調に推移していると考えている。
開発事業等、国内関係会社、海外関係会社の各セグメントついては、いずれも安定して連結業績に貢献している。これらのセグメントにおいては、国内・海外の不動産開発への積極的な投資や有望市場・成長分野への事業領域拡大等により、多様な収益源確保とさらなる収益力強化を図っている。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。)
① 土木事業
(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業)
完成工事高は、国内・海外ともに前年同四半期連結累計期間が高い水準であったことから、前年同四半期連結累計期間比26.4%減の2,117億円(前年同四半期連結累計期間は2,875億円)となった。
営業利益は、完成工事高の減少を主因に、前年同四半期連結累計期間比49.8%減の233億円(前年同四半期連結累計期間は465億円)となった。
② 建築事業
(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業)
完成工事高は、豊富な手持ち工事の施工が着実に進捗したことから、前年同四半期連結累計期間比19.9%増の6,448億円(前年同四半期連結累計期間は5,380億円)となった。
営業利益は、完成工事高の増加によりに、前年同四半期連結累計期間比13.7%増の556億円(前年同四半期連結累計期間は489億円)となった。
③ 開発事業等
(当社における都市開発、地域開発など不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業)
保有資産の売却を主因に、売上高は前年同四半期連結累計期間比20.3%増の339億円(前年同四半期連結累計期間は282億円)、営業利益は同9.0%増の37億円(同33億円)となった。
④ 国内関係会社
(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸
事業等)
売上高は、前年同四半期連結累計期間と概ね同水準で推移し、前年同四半期連結累計期間比5.6%増の2,693億円(前年同四半期連結累計期間は2,550億円)となった。
営業利益は、前年同四半期連結累計期間と同水準で推移し、前年同四半期連結累計期間比2.7%減の94億円(前年同四半期連結累計期間は97億円)となった。
⑤ 海外関係会社
(当社の海外関係会社が行っている事業であり、米国、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等)
売上高は、前年同四半期連結累計期間と概ね同水準で推移し、前年同四半期連結累計期間比9.6%増の3,497億円(前年同四半期連結累計期間は3,191億円)となった。
営業利益は、売上高の増加に、売上総利益率の向上も加わり、前年同四半期連結累計期間比41.1%増の47億円(前年同四半期連結累計期間は33億円)となった。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っている。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比1,056億円減少し、1兆9,455億円(前連結会計年度末は2兆512億円)となった。これは、現金預金の減少1,437億円があった一方で、たな卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他のたな卸資産)の増加372億円があったこと等によるものである。
負債合計は、前連結会計年度末比1,533億円減少し、1兆2,280億円(前連結会計年度末は1兆3,814億円)となった。これは、有利子負債残高※の減少758億円、未成工事受入金の減少339億円及び支払手形・工事未払金等の減少256億円等によるものである。なお、有利子負債残高は、2,689億円(前連結会計年度末は3,448億円)となった。
純資産合計は、株主資本5,989億円、その他の包括利益累計額1,149億円、非支配株主持分36億円を合わせて、前連結会計年度末比476億円増加の7,174億円(前連結会計年度末は6,697億円)となった。
また、自己資本比率は、前連結会計年度末比4.2ポイント好転し、36.7%(前連結会計年度末は32.5%)となった。
(注)※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
「鹿島グループ中期経営計画(2018~2020)」の初年度である当連結会計年度の業績予想(平成30年11月13日発表)は下記のとおりである。
なお、当社の完成工事総利益率予想は12.7%(土木15.7%、建築11.7%)である。
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題についての重要な変更はない。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は88億円である。
特記事項なし。