当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はない。
経営者による当社グループの経営成績等の状況の分析は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、また、様々な要素により異なる結果となる可能性がある。
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により悪化し、その影響が長期化している。感染者数の一時的な減少と各国・地域における経済対策効果により、一部に回復の動きがみられたものの、2020年10月以降の欧米を中心とした感染再拡大とともに停滞感が強まっている。
我が国経済においても、感染再拡大により、企業業績や雇用・所得環境の先行きに対する不透明感は払拭されず、持ち直しのペースは鈍化している。また、2021年1月に首都圏など一部の地域を対象として再発令された緊急事態宣言の影響に注視が必要な状況にある。
国内建設市場については、労務、資機材ともに調達コストは総じて安定的に推移した。建設需要に関しては、企業の慎重な投資姿勢が継続し民間設備投資が減少傾向にあるものの、堅調な公共投資が下支えとなり底堅さを維持している。
こうした中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、次のとおりとなった。
売上高は、当社建築事業売上高が減少したものの、前年同四半期連結累計期間と概ね同水準を維持し、前年同四半期連結累計期間比3.4%減の1兆3,889億円(前年同四半期連結累計期間は1兆4,374億円)となった。
利益については、当社土木事業及び開発事業等の売上総利益増加を主因に、営業利益は前年同四半期連結累計期間比18.4%増の1,004億円(前年同四半期連結累計期間は847億円)、経常利益は同18.5%増の1,114億円(同941億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は同10.4%増の764億円(同693億円)となった。
当第3四半期連結累計期間は、国内外において新型コロナウイルス感染症防止対策を徹底しつつ、事業活動の継続に努めた。その結果、国内建設事業(土木事業、建築事業)及び開発事業等における感染症の業績への影響は限定的なものにとどまった。国内関係会社に関しては、運営するホテルの稼働率が低下するなどの影響が継続しているものの、建設事業への影響は軽微であり、引き続き堅調な業績を維持している。
海外関係会社においては、地域ごとに感染症の影響が異なり、北米や欧州の建設事業への影響は限定的である一方、東南アジアについては、複数の国において公的規制に伴う工事中断や再開後の生産性低下等の影響があった。また、開発事業等に関しても、欧米の流通倉庫開発事業は堅調であるものの、東南アジアにおいてはホテル等運営施設の稼働率低下の影響が長期化している。
建設事業受注高については、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、国内、海外ともに減少し、前年同四半期連結累計期間比4.7%減の1兆1,369億円(前年同四半期連結累計期間は1兆1,925億円)となった。なお、当社の受注高は、開発事業等を含めて同2.6%減の7,803億円(同8,015億円)となった。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。)
① 土木事業
(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業)
売上高は、当期首における豊富な繰越工事の施工が着実に進捗し、前年同四半期連結累計期間比20.6%増の2,529億円(前年同四半期連結累計期間は2,097億円)となった。
営業利益は、売上高増加に加え、売上総利益率が向上したことから、前年同四半期連結累計期間比120.6%増の260億円(前年同四半期連結累計期間は118億円)となった。
② 建築事業
(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業)
売上高は、大型工事の施工量が少ない時期に当たることなどから、前年同四半期連結累計期間比19.7%減の5,704億円(前年同四半期連結累計期間は7,099億円)となった。
営業利益は、売上高総利益率は改善したものの売上高減少の影響が大きく、前年同四半期連結累計期間比13.1%減の486億円(前年同四半期連結累計期間は560億円)となった。
③ 開発事業等
(当社における不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業)
不動産販売事業における大型物件の引渡しに加えて賃貸事業も堅調であることから、売上高は前年同四半期連結累計期間比37.6%増の430億円(前年同四半期連結累計期間は312億円)、営業利益は同113.8%増の96億円(同45億円)となった。
④ 国内関係会社
(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸
事業等)
売上高は、前年同四半期連結累計期間比2.4%減の2,728億円(前年同四半期連結累計期間は2,796億円)となったものの、建設事業の売上総利益率が改善し、営業利益は同3.5%増の128億円(同123億円)となった。
⑤ 海外関係会社
(当社の海外関係会社が行っている事業であり、北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等)
売上高は、北米地域の増加を主因に、前年同四半期連結累計期間比12.5%増の3,598億円(前年同四半期連結累計期間は3,200億円)となった。
営業利益は、売上高増加を主因に、前年同四半期連結累計期間比226.2%増の47億円(前年同四半期連結累計期間は14億円)となった。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比811億円減少し、2兆909億円(前連結会計年度末は2兆1,721億円)となった。これは、受取手形・完成工事未収入金等の減少1,620億円があった一方で、現金預金の増加360億円、保有株式等の時価上昇による含み益の増加を主因とする投資有価証券の増加265億円及びたな卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他のたな卸資産)の増加261億円があったこと等によるものである。
負債合計は、前連結会計年度末比1,404億円減少し、1兆2,356億円(前連結会計年度末は1兆3,760億円)となった。これは、支払手形・工事未払金等の減少842億円、未成工事受入金の減少130億円及び有利子負債残高※の減少113億円があったこと等によるものである。なお、有利子負債残高は、3,155億円(前連結会計年度末は3,268億円)となった。
純資産合計は、株主資本7,308億円、その他の包括利益累計額1,159億円、非支配株主持分86億円を合わせて、前連結会計年度末比593億円増加の8,553億円(前連結会計年度末は7,960億円)となった。
また、自己資本比率は、前連結会計年度末比4.0ポイント好転し、40.5%(前連結会計年度末は36.5%)となった。
(注)※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は、全体としては想定よりもやや軽微なものにとどまっているが、世界各地域における感染症再拡大や国内の緊急事態宣言再発令などにより、当社グループの経営環境は不確実性が高い状況が続いているため、当連結会計年度の業績予想(2020年11月10日発表)は下記のとおり変更していない。
なお、当社の完成工事総利益率予想は13.1%(土木15.0%、建築12.4%)である。
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題についての重要な変更はない。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は92億円である。
特記事項なし。