当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はない。
経営者による当社グループの経営成績等の状況の分析は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、また、様々な要素により異なる結果となる可能性がある。
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続しているものの、総じて回復の動きが見られた。しかしながら、東南アジアなど一部の国・地域における感染拡大が社会・経済活動を制限するなど、感染症は依然としてリスク要因であり、感染再拡大・長期化に警戒が必要な状況にある。
我が国においても、2021年9月末における緊急事態宣言等の解除以降、感染症は一時鎮静化し、景気持ち直しの動きが広く見られたが、2022年の年初から感染症が再拡大したことから、サービス消費を中心に個人消費が抑制されることが懸念される。
国内建設市場に関しては、民間設備投資が回復基調にあるとともに、公共投資が底堅さを維持していることから、建設需要は堅調であるものの、厳しい競争環境が続いている。また、資材価格を中心に建設コストが上昇している状況も継続している。
こうした中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、次のとおりとなった。
建設事業受注高については、国内、海外ともに増加し、前年同四半期連結累計期間比14.1%増の1兆2,970億円(前年同四半期連結累計期間は1兆1,369億円)となった。なお、当社の受注高は、開発事業等を含めて同8.4%増の8,457億円(同7,803億円)となった。
売上高は、当社建築事業及び海外関係会社の売上高が増加し、前年同四半期連結累計期間比6.7%増の1兆4,825億円(前年同四半期連結累計期間は1兆3,889億円)となった。
利益については、海外関係会社は増益となったものの、当社建設事業の売上総利益減少を主因に、営業利益は前年同四半期連結累計期間比11.7%減の886億円(前年同四半期連結累計期間は1,004億円)、経常利益は同4.2%減の1,068億円(同1,114億円)となった。一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益は、政策保有株式(上場株式)の売却(15銘柄99億円)を中心とした投資有価証券売却益の増加などから特別損益が大きく改善し、同6.4%増の814億円(同764億円)となった。
当第3四半期連結累計期間における当社建設事業は、例年と比較し竣工を迎える大型工事が少ないことに加え、資材価格等が上昇し、民間建築工事を中心に厳しい受注競争が継続する状況にあるが、主要資材の早期発注など建設コスト上昇への対策や生産性向上に向けた取組みの加速などにより、売上総利益率の維持・向上に努めている。当社開発事業等については、前年同四半期連結累計期間と比較し不動産販売案件が少ないものの、賃貸事業を中心に概ね業績予想どおりに進捗しており、中期経営計画に基づく将来の業績向上につながる新規優良案件創出に向けた取組みも着実に進めている。
国内関係会社においては、建設系関係会社の業績が前年同四半期連結累計期間を下回るものの、建物管理事業やリース事業を担う関係会社の業績が改善し、感染症の影響を受けたゴルフ場やホテルの運営会社の業績も回復基調であることから、総じて安定的な業績を維持している。なお、当期から「収益認識に関する会計基準」等を適用したことに伴い、建設資機材等の販売のうち、代理人取引に該当するものについて、純額で収益を認識する方法に変更していることから、売上高が前年同四半期連結累計期間に比べ減少している。ただし、損益に影響はなく、また当該取引は主にグループ内における取引であるため、連結業績への大きな影響はない。
海外関係会社に関しては、東南アジアにおける感染症の影響による業績低下を北米や欧州など他の地域が補い、前年同四半期連結累計期間と比較して業績は大幅に向上したが、これは、従前から取り組んできた事業基盤構築と戦略的投資の成果が現れたものと考えている。事業別では開発事業の貢献が著しく、特に成長分野と位置付け、北米や欧州で積極的に展開している流通倉庫開発事業においては、Eコマースの進展等から市場の活況が続き、北米12件、欧州2件の案件を売却し利益計上する一方、建設事業とも連携しつつ計画的な新規開発(北米18件、欧州5件)に着手し、今後の継続的な業績貢献を図っている。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。)
① 土木事業
(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業)
売上高は、前年同四半期連結累計期間と比較し大きく進捗する大型工事が少ないことなどから、前年同四半期連結累計期間比22.1%減の1,969億円(前年同四半期連結累計期間は2,529億円)となった。
営業利益は、売上高減少に加えて、売上総利益率も微減となったことなどから、前年同四半期連結累計期間比46.3%減の139億円(前年同四半期連結累計期間は260億円)となった。
② 建築事業
(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業)
売上高は、手持ちの大型工事の施工が着実に進捗し、前年同四半期連結累計期間比14.3%増の6,520億円(前年同四半期連結累計期間は5,704億円)となった。
営業利益は、売上総利益率が複数の大型竣工工事の損益改善により高水準であった前年同四半期連結累計期間から低下したことを主因に、前年同四半期連結累計期間比24.9%減の365億円(前年同四半期連結累計期間は486億円)となった。
③ 開発事業等
(当社における不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業)
前年同四半期連結累計期間は不動産販売事業における大型物件の引渡しがあり、売上高、営業利益ともに高い水準であったことから、売上高は前年同四半期連結累計期間比29.7%減の302億円(前年同四半期連結累計期間は430億円)、営業利益は同47.8%減の50億円(同96億円)となった。
④ 国内関係会社
(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸
事業等)
売上高は、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い一部の関係会社の建設資機材等の販売における代理人取引の売上高が減少したことを主因に、前年同四半期連結累計期間比16.5%減の2,278億円(前年同四半期連結累計期間は2,728億円)となった。
営業利益は、建設事業の売上総利益減少を主因に、前年同四半期連結累計期間比13.1%減の111億円(前年同四半期連結累計期間は128億円)となった。
⑤ 海外関係会社
(当社の海外関係会社が行っている事業であり、北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等)
売上高は、東南アジアでは減少したものの、北米や欧州を中心に他の地域は増加したため、前年同四半期連結累計期間比24.8%増の4,492億円(前年同四半期連結累計期間は3,598億円)となった。
営業利益は、北米における開発事業等売上総利益の大幅向上を主因に、前年同四半期連結累計期間比357.7%増の217億円(前年同四半期連結累計期間は47億円)となった。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比942億円増加し、2兆2,590億円(前連結会計年度末は2兆1,648億円)となった。これは、受取手形・完成工事未収入金等の増加1,025億円及び有形固定資産の増加285億円等があった一方で、現金預金の減少564億円があったこと等によるものである。
負債合計は、前連結会計年度末比493億円増加し、1兆3,293億円(前連結会計年度末は1兆2,800億円)となった。これは、有利子負債残高※の増加420億円があったこと等によるものである。なお、有利子負債残高は、3,590億円(前連結会計年度末は3,170億円)となった。
純資産合計は、株主資本7,970億円、その他の包括利益累計額1,206億円、非支配株主持分120億円を合わせて、前連結会計年度末比449億円増加の9,297億円(前連結会計年度末は8,848億円)となった。
また、自己資本比率は、前連結会計年度末比0.2ポイント好転し、40.6%(前連結会計年度末は40.4%)となった。
(注)※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用したことに伴う、期首の連結貸借対照表における主な影響額は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更等)」に記載している。
当第3四半期連結累計期間の業績動向と今後の経営環境を勘案し、2021年11月9日に公表した当連結会計年度業績予想を2022年2月10日に修正した。
当社事業に関しては、売上総利益を精査した結果、前回発表予想と比較して土木事業は微増、建築事業は微減を見込むものの、合計では変更はない。国内関係会社は、会社毎に増減はあるものの、全体としては前回発表予想を上回る見込みである。
海外関係会社においては、東南アジアでは新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、建設事業業績の低下を見込んでいる。また、開発事業についても、ミャンマーにおける「ヤンキン地区複合開発」において、同国における政変発生以降、感染症抑制に関わる移動制限等の諸規制の厳格化などもあり、建設中現場の維持管理作業のみを実施していたが、当社グループ社員や技能労働者の安全、品質の確保等の観点から工事を本格的に再開できる条件が整わないと判断し、これにより完成時期等が不確定となったことから、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、当連結会計年度中に減損損失を特別損失に計上することを見込んでいる。
一方、北米及び欧州においては、建設事業、開発事業ともに好調を維持しており、さらなる業績向上が見込めることから、減損損失を含む東南アジアにおける業績低下を補い、海外関係会社の売上高及び利益は前回発表予想を上回ると見通している。
こうした見通しに加え、政策保有株式(上場株式)の売却による特別利益の増加や、人件費、研究開発費等販管費の増加なども踏まえた結果、売上高は、前回発表予想比1.5%増の2兆800億円と見込み、利益についても、営業利益は同7.3%増の1,175億円、経常利益は同20.0%増の1,440億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同10.5%増の950億円となる見込みである。
連結業績予想 (単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についての重要な変更はない。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は108億円である。
(6) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間における当社グループの設備投資の総額は454億円であるが、その主な内容は国内関係会社における事業用土地建物の購入等(147億円)である。
前連結会計年度末に計画していた当社の横濱ゲートタワーの新築については、2021年10月に完了した。
特記事項なし。