文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。なお、新型コロナウイルス感染症の当連結会計年度末現在における当社グループの経営環境への影響については、「第5 経理の状況」1「連結財務諸表等」〔注記事項〕(追加情報)に記載のとおりである。
当社グループは、「信用日本一」の社是のもと、「人・仕事・会社を磨き続け、建設事業を通じて、社会に貢献する。」を企業理念に据えている。質素で堅実な社風を守り、地道に本業に取組みながら長い歴史を繋いできた。今、新しい時代を迎え、様々な環境の変化が起こり、人々の生活も仕事も価値観も大きく変わりゆく中、基本を大切にして幾多の時代を乗り越えた経験を活かし、当社グループの強みを磨き続け、先進的手法への対応に注力し、会社の基盤を拡充させることによって、当社グループが更に成長し、社会貢献と安定した経営を持続していくことを目指す。
当社グループは、営業利益を重視し、更なる利益の向上と財務体質の強化を目指して経営努力していく。
建設業界においては、オリンピック需要の終了、新型コロナウイルス感染症の影響など、厳しい事業環境が予想される。また、女性技術者の躍進、ICT活用、作業所の週休二日体制の定着など、働き方改革を着実に推進していかなければならない。さらに、特定技能外国人の受け入れに伴うコミュニケーション・教育・安全面での対応も求められる。このような事業環境のなかで、安定した経営基盤をつくりあげるため、当社グループは以下のとおり中期的な経営戦略を掲げている。
①お客様に選ばれる品質と対応
技術力、安全、環境、営業力、社寺、品格など、お客様に選ばれるための品質と対応を当社の強みとなれるよう磨く。
②新たな建設産業システムへの対応
予想以上のスピードで変化する社会に対応すべく業務、工法、働き方などに先進的な手法を取り入れ、社会の変化に柔軟に対応できる会社の体質づくりを目指す。
③歴史を繋げる基盤拡充
コンプライアンス、人財、不動産収益、お客様との緻密なコミュニケーションをとるためのメンテナンスなど、環境に左右されない会社の基盤の充実を目指す。
(3)に記載の、中期経営計画を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりである。
①お客様に選ばれる品質と対応
(技術力及び営業力の強化)
1586年(天正14年)の創業以来、神社、仏閣の造営に携わってきた伝統を継承していくため、社寺建築部門の技術力及び営業力の強化にさらに注力していく。
(地球環境への配慮)
地球環境の保全に積極的に貢献していくため、産業廃棄物及び一般廃棄物の削減を図る。
②新たな建設産業システムへの対応
スマートデバイスの活用やBIMの推進等、建設ICTの活用をさらにスピードアップしていく。
③歴史を繋げる基盤拡充
当社グループが施工に携わった物件について、維持・保守・点検等のメンテナンスサービスを強化し、お客様との緻密なコミュニケーションを図っていく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。
(1)建設業に特有であり、当社グループが直面する可能性があるものについて
①受注価格競争リスク
建設業においては、建設工事を発注者から個別に受注し生産するという構造的な特徴から、過当競争による競合他社との受注価格競争が激化した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
②取引先の信用リスク
建設業においては、発注者との一契約当たりの金額が大きく、また、代金回収までに長期間を要するため、工事代金を受領する前に取引先が支払不能に陥った場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
③建設資材価格の高騰リスク
建設業においては、受注から完成引渡しまで長期間を要するため、建設資材の価格が高騰した際、契約を締結した工事の請負金額に反映することが困難な場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
④製品の欠陥リスク
品質管理には万全を期しているが、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
⑤工事施工中の事故のリスク
工事施工にあたり安全管理には万全を期しているが、予期せぬ事故が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
⑥法的規制等に係るリスク
当社グループの主要事業である建設事業においては、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、労働安全衛生法、独占禁止法等によるさまざまな法的規制を受けており、これらの法規の改廃や新たな規制等が行われた場合、又は当社グループにおいて法令に抵触した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
⑦大規模自然災害等に係るリスク
地震、津波、風水害等の自然災害や、感染症の大流行が発生した場合には、工事施工中の物件や、当社グループが保有する資産及び当社グループの役員、従業員に被害が及び、損害が発生する可能性がある。特に今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動への制限がさらに長期化した場合には、受注競争が厳しさを増し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(2)主に経済情勢の著しい変化に伴い顕在化する可能性があるものについて
①資産保有リスク
当社グループが保有している不動産及び市場性のある株式の株価が大幅に下落した場合、減損又は評価損が発生し、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
②退職給付債務
年金資産の時価が下落した場合、年金資産の運用利回りが低下した場合、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼす可能性がある。
③シンジケーション方式のコミットメントライン契約
当社は、シンジケーション方式のコミットメントライン契約を締結しているが、この契約には連結・単体共に株主資本の金額を、基準とする年度の決算期末日における株主資本の金額の80%以上を各年度の決算期末日において維持すること。連結、単体の経常損益が2期連続して損失とならないこととする財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には借入金の返済を求められる可能性がある。
④繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断して計上しているが、今後将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じ、繰延税金資産の取崩が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用の改善、個人消費の持ち直し、設備投資の緩やかな増加など、景気は緩やかな回復基調にあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、大幅に下押しされており、厳しい状況にある。
建設業界においては、公共投資は底堅く推移しているものの、技能労働者不足、資機材価格の高止まりなど、予断を許さない事業環境が続いている。
このような経済情勢の中で、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなった。
連結売上高については、前連結会計年度比2.1%増の944億22百万円となった。
利益については、営業利益は前連結会計年度比27.2%減の34億87百万円、経常利益は同25.8%減の38億21百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同30.8%減の25億59百万円となった。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりである。
完成工事高については、前連結会計年度比3.1%増の927億26百万円となった。利益については、完成工事総利益率の低下によりセグメント利益(営業利益)は同18.8%減の39億33百万円となった。
不動産事業等売上高は、連結子会社における開発型不動産売上の減少により、前連結会計年度比34.0%減の16億96百万円となった。利益については売上高の減少により、セグメント利益(営業利益)は同11.6%減の6億25百万円となった。
当連結会計年度末における資産合計は、受取手形・完成工事未収入金等が69億5百万円増加する一方、現金預金が68億21百万円、有価証券が34億93百万円及び投資有価証券が23億79百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ3.0%減の686億55百万円となった。
負債合計は、未成工事受入金が13億53百万円及び未払法人税等が5億10百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ9.0%減の295億30百万円となった。
純資産合計は、その他有価証券評価差額金が8億79百万円、利益剰余金が配当金の支払により7億93百万円減少する一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により25億59百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2.1%増の391億24百万円となった。
これにより当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.8ポイント向上し57.0%となった。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の主な増減状況については、営業活動による資金の減少が93億4百万円(前連結会計年度は19億53百万円の減少)、投資活動による資金の増加が7億43百万円(前連結会計年度は18億8百万円の減少)、財務活動による資金の減少が7億60百万円(前連結会計年度は7億76百万円の減少)となり、これにより資金は前連結会計年度末に比べ93億21百万円減少(前連結会計年度は45億38百万円の減少)し、137億52百万円(前連結会計年度末は230億73百万円)となった。
各活動における主な増減の内訳については、次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益37億18百万円を計上する一方、売上債権の増加、未成工事受入金の減少及び法人税等の支払いにより減少したこと等により97億6百万円減少し、営業活動による資金は93億4百万円の減少となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出により11億39百万円減少する一方、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入により20億34百万円増加し、7億43百万円の増加となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、配当金の支払による減少等により7億60百万円の減少となった。
(注) 1 建設事業以外の受注高については、当社グループ各社の受注概念が異なるため記載していない。
2 セグメント間の取引については相殺消去している。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度において、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(注) 1 前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により契約金額に増減のあるものについては、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)である。
工事受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度
当事業年度
2 前事業年度及び当事業年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
d. 次期繰越高(2020年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比2.1%増の944億22百万円となった。その内訳は建設事業は同3.1%増の927億26百万円、不動産事業等は連結子会社における開発型不動産売上の減少により同34.0%減の16億96百万円となり、売上高の98.2%を建設事業が占めている。
利益面については、完成工事総利益率の低下により完成工事総利益は前連結会計年度比15.0%減の67億80百万円となり、不動産事業等総利益は売上高の減少により同28.0%減の6億77百万円となったこと等により、営業利益は同27.2%減の34億87百万円となった。また、経常利益は同25.8%減の38億21百万円となった。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は同30.8%減の25億59百万円となった。また1株当たり当期純利益金額は83円85銭、自己資本利益率は6.6%となった。
建設事業における受注競争は、オリンピック需要の終了、新型コロナウイルス感染症の影響などにより厳しさを増している。また、少子高齢化による人手不足も顕著となっている。これらの課題に対し、当社グループはICTの積極的な活用のため、ICT推進室を中心に調査、研究、教育等を進めており、生産性を向上させ競争力を高めるよう対応している。また、このような事業環境であるからこそ、品質管理、安全衛生管理、与信管理を徹底し、営業利益の確保に努めていく。
当連結会計年度末における資産合計は、受取手形・完成工事未収入金等が69億5百万円増加する一方、現金預金が68億21百万円、有価証券が34億93百万円及び投資有価証券が23億79百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ3.0%減の686億55百万円となった。
負債合計は、未成工事受入金が13億53百万円及び未払法人税等が5億10百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ9.0%減の295億30百万円となった。
純資産合計は、その他有価証券評価差額金が8億79百万円、利益剰余金が配当金の支払により7億93百万円減少する一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により25億59百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2.1%増の391億24百万円となった。
これにより当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.8ポイント向上し57.0%となった。
セグメントのごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。
完成工事高については、前連結会計年度比3.1%増の927億26百万円となった。利益については、完成工事総利益率の低下によりセグメント利益(営業利益)は同18.8%減の39億33百万円となった。
資産については、受取手形・完成工事未収入金等の増加等によりセグメント資産は前連結会計年度末に比べ37.4%増の319億40百万円となった。
不動産事業等売上高は、連結子会社における開発型不動産売上の減少により、前連結会計年度比34.0%減の16億96百万円となった。利益については売上高の減少により、セグメント利益(営業利益)は同11.6%減の6億25百万円となった。
資産については、販売用不動産の増加及び土地の取得による増加等によりセグメント資産は前連結会計年度末に比べ10.9%増の138億4百万円となった。
当連結会計年度における資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、93億4百万円の減少となった。その主な要因としては、税金等調整前当期純利益37億18百万円を計上する一方、売上債権の増加、未成工事受入金の減少及び法人税等の支払いにより減少したこと等により97億6百万円減少したこと等による。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、7億43百万円の増加となった。その主な要因としては、有形固定資産の取得による支出により減少する一方、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入により増加したこと等による。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、7億60百万円の減少となった。その主な要因としては、配当金の支払による減少等による。
以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、93億21百万円減少し、137億52百万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につき、運転資金のうち主となるものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の営業費用であり、これらを主に手元のキャッシュ及び営業活動によるキャッシュ・フローにより賄っている。また、安定的かつ機動的な資金調達基盤を確保するため、取引銀行5行と総額60億円のコミットライン契約を結んでいる。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績や連結決算日現在の状況を踏まえた合理的な要因に基づき見積りを行っている。これらの見積りには特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なることがある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。また、新型コロナウイルス感染症の影響に係る会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況」1「連結財務諸表等」[注記事項](追加情報)に記載のとおりである。
a.完成工事高及び完成工事原価の計上基準
当社グループは、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用しているが、将来の不確実な経済条件の変動等により成果の確実性が認められなくなった場合、工事進行基準が適用できなくなり、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する完成工事高及び完成工事原価の金額に重要な影響を与える可能性がある。
b.工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末手持工事のうち、損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について損失見込額を計上しているが、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する完成工事高及び完成工事原価の金額に重要な影響を与える可能性がある。
(注)「第2 事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各項目の記載金額には、消費税等に相当する額は含まれていない。
特記事項なし。
特記事項なし。