文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。なお、新型コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ情勢の当連結会計年度末現在における当社グループの経営環境への影響については、「第5 経理の状況」1「連結財務諸表等」〔注記事項〕(追加情報)に記載のとおりである。
当社グループは、「信用日本一」の社是のもと、「人・仕事・会社を磨き続け、建設事業を通じて、社会に貢献する。」を企業理念に据えている。質素で堅実な社風を守り、地道に本業に取組みながら長い歴史を繋いできた。今、新しい時代を迎え、様々な環境の変化が起こり、人々の生活も仕事も価値観も大きく変わりゆく中、基本を大切にして幾多の時代を乗り越えた経験を活かし、当社グループの強みを磨き続け、先進的手法への対応に注力し、会社の基盤を拡充させることによって、当社グループが更に成長し、社会貢献と安定した経営を持続していくことを目指す。
当社グループは、営業利益を重視し、更なる利益の向上と財務体質の強化を目指して経営努力していく。
世界的な新型コロナウィルスの流行は、世界経済を大きく、長く停滞させると同時に、私たちの意識と生活を大きく変えた。また、世界では人口が増え続け、気候変動など環境問題は喫緊の課題であり、持続可能な社会の実現へ向けた具体的な取り組みが必要とされている。一方で、日本の少子高齢化の傾向は今後も続き、労働人口の減少は避けることが出来ない。多様性と包摂性を理解し、働き方を変えていかなければならない。コロナ禍を契機に社会のデジタル化も一気に加速している。このような事業環境のなかで、強靭な企業体質と状況に応じ変化を遂げる柔軟な思考を身につけるため、当社グループは以下のとおり中期的な経営戦略を掲げている。
①持続的成長の実現
デジタル社会への対応、カーボンニュートラルへの取り組み、働き方改革の実行。持続可能な社会の実現に向けた具体的取り組みにより、時代の要請に応え、持続的成長を実現する。
②本業の磨きこみ
社寺技術の維持発展、受注力強化、安全対策の徹底、品質技術の向上を実践し、顧客満足度を上げることにより、競争力を高め、お客様に選ばれ続ける企業を目指す。
③450周年へ基盤拡充
コンプライアンス意識・品格・技術知識を備えた人材の育成。資産運用の効率性、合理性を高めたポートフォリオを形成し、事業基盤充実により、不動産収益の増強を図る。
(3)に記載の、中期経営計画を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりである。
①持続的成長の実現
・デジタル社会への対応
・カーボンニュートラルへの取り組み
・働き方改革
②本業の磨きこみ
・社寺を磨く
・業績向上へ向けた取り組み
・労働災害の撲滅
・施工品質の向上
③450周年へ基盤拡充
・コンプライアンスの徹底
・人材育成
・不動産有効活用と収益物件の購入
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。
(1)建設業に特有であり、当社グループが直面する可能性があるものについて
①受注価格競争リスク
建設業においては、建設工事を発注者から個別に受注し生産するという構造的な特徴から、過当競争による競合他社との受注価格競争が激化した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
②取引先の信用リスク
建設業においては、発注者との一契約当たりの金額が大きく、また、代金回収までに長期間を要するため、工事代金を受領する前に取引先が支払不能に陥った場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
③建設資材価格の高騰リスク
建設業においては、受注から完成引渡しまで長期間を要するため、建設資材の価格が高騰した際、契約を締結した工事の請負金額に反映することが困難な場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
④製品の欠陥リスク
品質管理には万全を期しているが、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
⑤工事施工中の事故のリスク
工事施工にあたり安全管理には万全を期しているが、予期せぬ事故が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
⑥法的規制等に係るリスク
当社グループの主要事業である建設事業においては、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、労働安全衛生法、独占禁止法等によるさまざまな法的規制を受けており、これらの法規の改廃や新たな規制等が行われた場合、又は当社グループにおいて法令に抵触した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
⑦大規模自然災害等に係るリスク
地震、津波、風水害等の自然災害や、感染症の大流行が発生した場合には、工事施工中の物件や、当社グループが保有する資産及び当社グループの役員、従業員に被害が及び、損害が発生する可能性がある。特に今般の新型コロナウイルス感染症による経済活動への制限がさらに長期化した場合には、受注競争が厳しさを増し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(2)主に経済情勢の著しい変化に伴い顕在化する可能性があるものについて
①資産保有リスク
当社グループが保有している不動産及び市場性のある株式の株価が大幅に下落した場合、減損又は評価損が発生し、経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
②退職給付債務
年金資産の時価が下落した場合、年金資産の運用利回りが低下した場合、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼす可能性がある。
③シンジケーション方式のコミットメントライン契約
当社は、シンジケーション方式のコミットメントライン契約を締結しているが、この契約には連結・単体共に株主資本の金額を、基準とする年度の決算期末日における株主資本の金額の80%以上を各年度の決算期末日において維持すること。連結、単体の経常損益が2期連続して損失とならないこととする財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には借入金の返済を求められる可能性がある。
④繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断して計上しているが、今後将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じ、繰延税金資産の取崩が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況が残る中、個人消費は持ち直しに足踏みがみられるものの、雇用情勢や設備投資は改善の傾向が見受けられる。
建設業界においては、公共投資は高水準にあるものの弱含みであり、資機材価格の高止まり、次世代を担う後継者不足など、予断を許さない事業環境が続いている。
このような経済情勢の中で、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなった。
連結売上高については、前連結会計年度比5.8%減の824億68百万円となった。
利益については、営業利益は前連結会計年度比17.9%減の24億15百万円、経常利益は同15.5%減の27億79百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.4%減の17億92百万円となった。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりである。
完成工事高については、前連結会計年度比4.6%減の799億99百万円となった。利益については、完成工事高の減少によりセグメント利益(営業利益)は同6.4%減の28億27百万円となった。
不動産事業等売上高は、連結子会社における開発型不動産売上の減少により、前連結会計年度比32.9%減の24億69百万円となった。利益については不動産事業等売上高の減少により、セグメント利益(営業利益)は同8.2%減の5億52百万円となった。
当連結会計年度末における資産合計は、有形固定資産が19億43百万円増加する一方、現金預金が33億19百万円、受取手形・完成工事未収入金等が45億71百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ8.1%減の684億28百万円となった。
負債合計は、未成工事受入金が23億85百万円、退職給付に係る負債が19億8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ19.9%減の255億48百万円となった。
純資産合計は、利益剰余金が配当金の支払により7億1百万円、自己株式の取得にて6億66百万円減少する一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により17億92百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ0.8%増の428億79百万円となった。
これにより当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ5.6ポイント向上し62.7%となった。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の主な増減状況については、営業活動による資金の減少が20百万円(前連結会計年度は70億80百万円の増加)、投資活動による資金の減少が23億39百万円(前連結会計年度は9億83百万円の減少)、財務活動による資金の減少が14億4百万円(前連結会計年度は7億97百万円の減少)となり、これにより資金は前連結会計年度末に比べ37億63百万円減少(前連結会計年度は52億98百万円の増加)し、152億87百万円(前連結会計年度末は190億51百万円)となった。
各活動における主な増減の内訳については、次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益27億46百万円を計上、売上債権の減少により43億9百万円増加する一方、仕入債務の減少、未成工事受入金の減少、退職給付に係る負債の減少、法人税等の支払額の減少により73億49百万円減少し、営業活動による資金は20百万円の減少となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出等により、23億39百万円の減少となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、配当金の支払、自己株式の取得による減少等により14億4百万円の減少となった。
(注) 1 建設事業以外の受注高については、当社グループ各社の受注概念が異なるため記載していない。
2 セグメント間の取引については相殺消去している。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度において、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(注) 1 前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により契約金額に増減のあるものについては、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)である。
工事受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度
当事業年度
2 前事業年度及び当事業年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
d. 次期繰越高(2022年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比5.8%減の824億68百万円となった。その内訳は建設事業は同4.6%減の799億99百万円、不動産事業等は連結子会社における開発型不動産売上の減少により同32.9%減の24億69百万円となり、売上高の97.0%を建設事業が占めている。
利益面については、完成工事高の減少により完成工事総利益は前連結会計年度比3.4%減の58億73百万円となり、不動産事業等総利益は売上高の減少により同25.3%減の7億22百万円となったこと等により、営業利益は同17.9%減の24億15百万円となった。また、経常利益は同15.5%減の27億79百万円となった。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.4%減の17億92百万円となった。また1株当たり当期純利益金額は58円93銭、自己資本利益率は4.2%となった。
当社グループは、2022年度(2023年3月期)を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画〈2022-2024〉」を策定している。
当社グループの中期経営計画は、企業理念である「人・仕事・会社を磨き続け、建設事業を通じて、社会に貢献する。」の実現に向けて、具体的かつ効率的に行動するための施策を次の通り掲げている。
Ⅰ.方針・施策
新たな中期経営計画では、経営方針を「会社を磨き、新たなステージへ」と位置づけ、具体的な経営施策は次の3つを柱に取り組んでいく。
①持続的成長の実現
②本業の磨きこみ
③450周年へ基盤拡充
Ⅱ.基本数値目標
当社グループの2024年度基本数値目標は次の通りである。
①業績
売上高 900億円
営業利益 30億円
②株主還元
配当性向 40%程度(下限10円)
③投資計画
2022-2024年度 80億円
当社グループは目標の達成に向け一丸となって取り組んでまいる所存である。
当連結会計年度末における資産合計は、有形固定資産が19億43百万円増加する一方、現金預金が33億19百万円、受取手形・完成工事未収入金等が45億71百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ8.1%減の684億28百万円となった。
負債合計は、未成工事受入金が23億85百万円、退職給付に係る負債が19億8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ19.9%減の255億48百万円となった。
純資産合計は、利益剰余金が配当金の支払により7億1百万円、自己株式の取得にて6億66百万円減少する一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により17億92百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ0.8%増の428億79百万円となった。
これにより当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ5.6ポイント向上し62.7%となった。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。
完成工事高については、前連結会計年度比4.6%減の799億99百万円となった。利益については、完成工事高の減少によりセグメント利益(営業利益)は同6.4%減の28億27百万円となった。
資産については、受取手形・完成工事未収入金等の減少等によりセグメント資産は前連結会計年度末に比べ12.5%減の269億20百万円となった。
不動産事業等売上高は、連結子会社における開発型不動産売上の減少により、前連結会計年度比32.9%減の24億69百万円となった。利益については不動産事業等売上高の減少により、セグメント利益(営業利益)は同8.2%減の5億52百万円となった。
資産については、土地・建物の取得による増加及び販売用不動産の増加等によりセグメント資産は前連結会計年度末に比べ15.9%増の154億80百万円となった。
当連結会計年度における資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、20百万円の減少となった。その主な要因としては、税金等調整前当期純利益27億46百万円を計上、売上債権の減少により43億9百万円増加する一方、仕入債務の減少、未成工事受入金の減少、退職給付に係る負債の減少、法人税等の支払額の減少により73億49百万円減少したこと等による。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、23億39百万円の減少となった。その主な要因としては、有形固定資産の取得による支出等による。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、14億4百万円の減少となった。その主な要因としては、配当金の支払、自己株式の取得による減少等による。
以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、37億63百万円減少し、152億87百万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につき、運転資金のうち主となるものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の営業費用であり、これらを主に手元のキャッシュ及び営業活動によるキャッシュ・フローにより賄っている。また、安定的かつ機動的な資金調達基盤を確保するため、取引銀行5行と総額60億円のコミットライン契約を結んでいる。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績や連結決算日現在の状況を踏まえた合理的な要因に基づき見積りを行っている。これらの見積りには特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なることがある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
また、新型コロナウイルス感染症及びロシア・ウクライナ情勢の影響に係る会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりである。
特記事項なし。
特記事項なし。