第2【事業の状況】

  以下、「第2.事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しています。

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済財政政策の推進による雇用・所得環境の改善、原油価格低下による企業収益の改善や設備投資の持ち直しがみられる中、緩やかな回復基調が続きました。

 建設業界におきましては、公共投資は微減傾向にあるものの依然高水準を維持しており、民間投資については前年度の消費増税による駆け込み需要の反動減から持ち直しの傾向にあります。一方で建設労働者不足や資機材価格の高騰が継続しており、不透明な経営環境が続いています。

 このような状況の中、当社におきましては、「中期経営計画2015〜2017」の初年度として、経営目標である「信用と技術を基本に、業績の飛躍的な向上を目指す」の実現に向けた様々な取組をスタートさせ、達成への基礎固めに取り組み、安全・品質などにおいて一定の成果をあげました。

 当連結会計年度の業績につきましては、受注高は、151,756百万円(前連結会計年度比21.5%減)、売上高は171,243百万円(前連結会計年度比13.7%増)となりました。利益につきましては、一部の大型工事の採算悪化の影響により営業利益は1,785百万円(前連結会計年度比35.5%減)、経常利益は2,627百万円(前連結会計年度比27.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,271百万円(前連結会計年度比13.3%減)となりました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

 セグメントの業績は次のとおりです。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しています。)

 

(土木工事)

 土木工事については、売上高87,918百万円(前連結会計年度比8.0%増)、セグメント利益694百万円(前連結会計年度比66.5%減)となりました

(建築工事)

 建築工事については、売上高81,021百万円(前連結会計年度比21.1%増)、セグメント利益595百万円(前連結会計年度比83.2%増)となりました。

(不動産事業)

 不動産事業については、売上高1,151百万円(前連結会計年度比20.3%減)、セグメント利益355百万円(前連結会計年度比35.1%増)となりました。

(その他)

  その他については、売上高19,426百万円(前連結会計年度比12.2%増)、セグメント利益134百万円(前連結会計年度比23.7%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、未成工事支出金の減少11,400百万円などの増加要因があったものの、売上債権の増加8,630百万円、その他の資産の増加5,124百万円などの減少要因があり、3,112百万円の資金減少(前連結会計年度は1,648百万円の資金減少)となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入631百万円、有形固定資産の取得による支出582百万円などにより、16百万円の資金増加(前連結会計年度は3,503百万円の資金減少)となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加3,447百万円などにより、3,265百万円の資金増加(前連結会計年度は1,394百万円の資金増加)となりました。
 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ120百万円(1.1%)増加し10,795百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していません。

 なお、参考に提出会社個別の事業の状況を「提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況」に記載しています。

(1)受注実績

セグメントの名称

 

当連結会計年度(百万円)

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

 

前年同期比(%)

  土木工事

80,134

△37.5%

  建築工事

71,622

10.1%

合 計

151,756

△21.5%

 (注) 当社グループにおいては土木工事・建築工事以外は受注生産を行っていません。

 

(2)売上実績

セグメントの名称

 

当連結会計年度(百万円)

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

 

前年同期比(%)

  土木工事

87,918

8.0%

  建築工事

81,021

21.1%

  不動産事業

805

△26.3%

報告セグメント計

169,746

13.6%

  その他

1,496

18.6%

合 計

171,243

13.7%

 (注) セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況

 ① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 

期別

区 分

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

第74期

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

土木工事

87,762

126,528

214,290

79,287

135,003

建築工事

81,246

65,040

146,287

66,913

79,373

169,009

191,569

360,578

146,201

214,376

第75期

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

土木工事

135,003

78,633

213,636

86,108

127,528

建築工事

79,373

71,622

150,996

81,021

69,974

214,376

150,256

364,633

167,130

197,502

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当事業年度受

          注工事高にその増減額を含みます。したがって、当事業年度売上高にもかかる増減額が含まれます。また、

          前事業年度以前に外貨建で受注した工事で、当事業年度中の為替相場の変動により請負金額に増減のあるも

          のについても同様に処理しています。

2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第74期

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

土木工事

29.3

70.7

100.0

建築工事

48.0

52.0

100.0

第75期

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

土木工事

39.0

61.0

100.0

建築工事

39.0

61.0

100.0

 (注) 百分比は請負金額比です。

③ 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

第74期

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

土木工事

32,257

47,030

79,287

建築工事

9,938

56,975

66,913

42,196

104,005

146,201

第75期

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

土木工事

38,249

47,858

86,108

建築工事

7,717

73,304

81,021

45,966

121,163

167,130

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。

第74期

東日本旅客鉄道(株)

東北本線浦和駅付近高架化(駅部工区)工事他3

東日本旅客鉄道(株)

東京駅八重洲開発中央部他新築

東日本旅客鉄道(株)

長野駅新駅ビル(仮称)新築他

西日本旅客鉄道(株)

広島・横川間新駅新設他工事

国土交通省

能越道 城山高架橋上部その2工事

(独)鉄道建設・運輸施設

整備支援機構

山梨リニア実験線、御坂トンネル(中)

東日本高速道路(株)

常磐自動車道 新地工事

(独)国立病院機構あきた病院

独立行政法人国立病院機構あきた病院 病棟・外来管理治療棟等新築整備工事(建築)

(学)大乗淑徳学園

淑徳与野高校 校舎建設工事

日本エスリード(株)

(仮称)エスリード淀川区塚本3丁目新築工事

 

第75期

東日本旅客鉄道(株)

東北縦貫線(北部)秋葉原・上野間改良1

東日本旅客鉄道(株)

茅ヶ崎駅改良及び駅ビル増築他

北海道旅客鉄道(株)

北海道新幹線限界支障報知装置竜飛工区

東日本高速道路(株)

首都圏中央連絡自動車道桶川北本インターチェンジ工事

東京都

谷田川幹線再構築その3工事

東京都千代田区

国指定史跡常盤橋門跡常磐橋復旧工事Ⅰ期(第506号)

(学)近畿大学弘徳学園

近大姫路大学新2号棟新築工事

(学)大乗淑徳学園

淑徳大学看護栄養学部増築工事

ルートインジャパン(株)

(仮称)ホテルルートイン上田駅前新築工事

トヨタホーム(株)

(仮称)瑞穂区緑ヶ岡計画新築工事

 

 2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりです。

第74期

 東日本旅客鉄道(株) 56,111百万円 38.4%

第75期

 東日本旅客鉄道(株) 59,381百万円 35.5%

④ 手持工事高

平成28年3月31日現在

 

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木工事

80,655

46,872

127,528

建築工事

19,839

50,135

69,974

100,495

97,007

197,502

(注)手持工事のうち主なものは、次のとおりです。

東日本旅客鉄道(株)

東海道貨物線横浜羽沢駅構内改修工事他1

平成30年5月

完成予定

東日本旅客鉄道(株)

川崎駅北口自由通路新設・駅改良他

平成30年3月

完成予定

東日本旅客鉄道(株)

(仮称)仙台駅東口ホテル新築他

平成29年7月

完成予定

(独)鉄道建設・運輸施設

整備支援機構

北海道新幹線、渡島トンネル(天狗)他

平成34年8月

完成予定

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構

九州新幹線(西九州)、経ヶ岳トンネル他

平成30年8月

完成予定

東日本高速道路(株)

東北中央自動車道 にしごうトンネル工事

平成30年5月

完成予定

中日本高速道路(株)

中部横断自動車道 新清水ジャンクションHランプ橋他4橋(PC上部工)工事

平成31年8月

完成予定

岩手県大船渡市

赤崎中学校移転改築工事

平成28年12月

完成予定

日本梱包運輸倉庫(株)

(仮称)日本梱包運輸倉庫株式会社苫小牧営業所輪厚物流センター新築工事

平成29年2月

完成予定

NTT都市開発(株)

(仮称)鎌倉市岩瀬サービス付き高齢者向け住宅新築工事

平成29年1月

完成予定

 

3【対処すべき課題】

 今後のわが国経済の見通しにつきましては、政府の経済財政政策の推進により、雇用・所得環境が引き続き改善し、堅調な民需に支えられた景気回復が期待されています。しかし、中国及び新興国等の景気が下振れし、わが国の景気を下押しするリスクとなっています。
 建設業界におきましては、震災復興事業や東京オリンピック等の公共投資、民間投資の増加により、全体的には追い風の状況でありますが、慢性的な建設労働者不足や資機材価格の高騰など引き続き懸念要因が潜在しており、予断を許さない状況が継続しています。
 このような状況の中、当社におきましては「中期経営計画2015〜2017」の2年目として、昨年度の取組実績を踏まえつつ新たな課題に取り組み、成果を上げていく年として次の重点施策に取り組んでまいります。

 ・「基礎体力」の向上に向けた、安全マネジメント体制の強化、確かな品質の確保、工事利益率を着実に向上さ

   せる施策の展開

 ・「技術力を核とした企業力」の強化に向けた、現場の生産性と業務推進力の向上、エンジニアリング力と技術

   開発力の強化、営業施策の新たな展開、海外工事の体制強化

 ・「人材力」の強化に向けた、人材育成の充実と社員の活躍のバックアップ、誰もが働きやすい職場環境づくり

 

 これらの施策を確実に実行することにより、平成28年度は目に見える成果を収められるよう全力をあげてまいります。

 

4【事業等のリスク】

     有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可
  能性のある事項には、以下のようなものがあります。

    なお、文中における将来予測は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において判断したものです。

  (1)公共事業投資額の予想を上回る減少

当社グループの売上高のうち重要な部分を占める建設事業は、公共事業の投資額に大きな影響を受けます。公共投資は変動があるため、それをカバーするべく技術を中心とした体制の構築、建築部門の営業力・収益力の強化等の施策を講じています。しかし、予想を上回る減少となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (2)製品の欠陥による重大な瑕疵の発生

品質管理には万全を期していますが、重大な瑕疵による損害賠償が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (3)災害、事故の発生

施工中の防災及び事故防止には万全を期していますが、予期しない原因などにより工事事故や労働災害が発生する可能性があります。この場合、損害賠償や指名停止などによる受注機会の減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

   (4)自然災害によるリスク

   地震・洪水・台風等の自然災害により事業活動の停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等の直接的

  な影響を受ける可能性があります。さらに、電力・水道・燃料の使用制限をはじめとしたインフラ機能の低下、仕入

  先の被災による材料調達の停滞等の間接的な影響も受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性

  があります。

  (5)取引先の信用不安

当社グループの主たる事業である建設事業においては、工事一件あたりの取引金額が大きいため、お客さまや協力会社の業績が悪化し信用不安に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (6)資材・労務費等の高騰による工事原価の増加

請負契約後、原材料価格・労務費等が高騰した際、それを請負金額に反映できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (7)当社保有資産の価値下落

当社グループでは建設事業・不動産事業と関連して販売用不動産や有価証券等を保有しており、これらの資産価値が景気変動等により著しく下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (8)金利の上昇

当社グループは金利上昇を見込んだ経営を行っていますが、請負業という建設事業の特性により、立替金が少なからず発生し、一定水準の有利子負債が必要となります。よって、金利が著しく上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (9)海外事業に伴うリスク

海外での工事においては、戦争・テロ・紛争の発生、その国の経済状況・政治状況の変動及び予期しない法律・規制の変更等が行われた場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場に大幅な変動等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (10)法的規制

当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法等により法的規制を受けています。これら法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更や万一これらの法令に抵触する事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (11)繰延税金資産

繰延税金資産については、今後の課税所得をもって全額回収可能と判断しておりますが、将来の課税所得見積額の変更等により一部回収が困難であると判断した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注)土木工事・建築工事を一括し、「建設事業」として記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

   経営上の重要な契約等はありません。

6【研究開発活動】

  研究開発活動においては、「市場性」を充分把握し、当社の付加価値を高める技術開発や環境ビジネスに積極的

な取り組みを行い、技術と営業が一体となったメンバー編成による活動を行っています。また、総合評価制度への

対応を主軸とする研究開発活動にも力を入れ技術戦略を持って経営に貢献する研究開発を推進しています。

  当連結会計年度の研究開発費は319百万円(土木工事300百万円・建築工事19百万円)で、主な研究開発活動及びその成果は次のとおりです。なお、研究開発活動には、子会社である株式会社ジェイテックとの共同研究開発活動が含まれています。

 

 (1)土木工事

①効率的な立体交差工法

 HEP&JES工法は、鉄道・道路等の新しい立体交差工法として開発されました。施工実績を重ね、コストダウンとともに、地盤切削JES工法の確立をはじめ、多様な施工条件でも対応できるよう取り組んでいます。

 今年度も市場調査を行うとともに、基礎実験等を行い、これまでに対応出来なかった施工条件の工事にも取り組めるよう研究開発を進めてまいります。

 また、小断面のアンダーパス工法であるCOMPASS工法についても、コストダウンと工期の短縮が図れるよう構造の見直しを含め、研究開発を実施しています。

②メンテナンス分野

 社会資本の老朽化対策として、今後、大規模な鉄道・道路等の修繕・更新工事が見込まれます。施工実績の多い鋼板圧入耐震補強工法については、適用可能な地盤の拡大に向け改良を行う計画です。また、当社が共同開発を行った超低空頭場所打ち杭工法については、都心部の耐震補強は狭隘な場所での杭工事が多く適用の拡大が見込まれます。

 これまでの研究成果を生かし、多くの地層に対応出来る工法を開発し、現場の効率化・高品質の構造物の構築を目指します。また、今後、各研究機関とも連携し共同研究を進めていく予定です。

③ICTを用いた現場効率化への取り組み

 現場技術者不足等により現場作業の効率化は喫緊の課題となっており、当社も、ICT(Information and Communication Technology)を活用し、現場の生産性向上を図る取り組みを進めています。

 今期より総合的な施工管理支援ツールを本格的に現場へ導入し、写真撮影・測量をはじめとする現場業務の他、施工計画書や各帳票作成などの管理業務についても効率化を進めています。
 また、土工事現場においてはマシンガイダンスによる施工、CIM(Construction Information Modeling)

の試験運用を行い、現場管理の効率化・品質向上を図ります。

④バイオマスガス発電

 地方創生が求められている昨今、その切り札として分散型エネルギーが注目されています。当社は、分散型エネルギーとして有力視されているバイオマスガス発電の実証実験を東北自動車道那須高原SA(上り線)で東日本高速道路株式会社などと継続的に共同研究を実施しています。前年度は、実験プラントの設備改良を行い、昼夜連続試運転で成果を挙げることができました。

 今年度は、那須高原SA(上り線)の送電が開始される予定であり、さらに合理的、経済的な2号機の設計に向けた共同研究を進めてまいります。

 (2)建築工事

①あと施工部分スリット工法(AWAT(あわっと)工法)

 従来、腰壁やたれ壁に取り付くサッシ部に、あと施工耐震スリットを設ける場合、サッシの詰めモルタル等を取り除くことが必要でした。そのためサッシ全体の取り外しが必要となり、居住しながら、あと施工耐震スリットを設置することが困難でした。
 そこでサッシの詰めモルタル等を残すことが可能な設計法を確立し、また構造実験でも有効性を確認し、2016年2月に(一財)ベターリビングより追加評定を取得しました。サッシの取外しを行わずに構造スリットの施工を実施することが可能となり、より汎用性が高い施工法となりました。
 今後は、「AWAT工法研究会」加盟各社において、官公庁や民間などの耐震改修工事への展開を図ります。

②レンズ型制震ダンパーの採用

 当社設計施工の「東京精密八王子工場第六工場新築工事」において、エネルギー吸収能力に優れた弾塑性ダンパー「レンズ型制震ダンパー」を採用しました。
 今後、レンズ型せん断パネルダンパーを適用して、制震構造とした場合の設計法の開発も行い、更なる適用拡大を目指します。

BIM(Building Information Modeling)への取組み

 BIMは、コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データの情報を追加し、建物の設計、施工から維持管理まで情報の活用を行うソリューションです。

 現在、意匠BIMについては実施をしていますが、今後、施工BIMを構築し、生産性を向上させます

 

 (3)不動産事業及びその他

 研究開発活動は特段行われていません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて

います。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる見積りによっ

ている部分があり、見積り特有の不確実性のために、実際の結果が見積りと異なることがあります。

重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度と比較すると、売上高は20,571百万円増加(13.7%増)し171,243百万円となりました。売上高の増加は、完成工事高の増加によるもので、土木工事が6,517百万円(8.0%増)、建築工事が14,107百万円(21.1%増)、いずれも工事施工高の増加等に伴い増加しています。
 売上総利益は、前連結会計年度比453百万円減少(5.3%減)し8,065百万円となりました。これは、一部の大型工事の採算悪化の影響に伴う土木工事の完成工事総利益率の低下(前連結会計年度6.5%に対して当連結会計年度4.7%)が主な要因です。従業員給料手当の増加等により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比531百万円増加(9.2%増)し、営業利益は前連結会計年度比984百万円減少(35.5%減)の1,785百万円となりました。営業外収支は前連結会計年度比8百万円黒字が減少(1.0%減)し、経常利益は前連結会計年度比992百万円減少(27.4%減)の2,627百万円となりました。
 固定資産売却益114百万円など合計116百万円の特別利益が計上された一方で、投資有価証券売却損234百万円など合計278百万円の特別損失が計上され、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比1,038百万円減少(29.6%減)の2,464百万円となりました。
 課税所得が前連結会計年度を上回り、法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度比943百万円増加した一方で、法人税等調整額は前連結会計年度比1,761百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比195百万円減少(13.3%減)の1,271百万円となりました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フローの状況)についての分析

 「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(4)当連結会計年度末の財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,305百万円増加し183,672百万円となりました。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等の増加8,630百万円、流動資産のその他の増加5,153百万円、未成工事支出金の減少11,400百万円です。負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,363百万円増加し138,224百万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加3,372百万円、預り金の増加2,395百万円、未成工事受入金の減少3,795百万円です。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ942百万円増加し45,448百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加1,037百万円です。
 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の24.3%に対して0.2ポイント増加の24.5%となりました。