以下、「第2.事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しています。
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策などによる雇用・所得環境の改善を背景に、企業収益の拡大や設備投資の持ち直しの動きがみられる中、緩やかな回復基調が続きました。
建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移し、民間投資については、住宅建設は概ね横ばいで推移しているものの、企業の設備投資は持ち直しの動きが見られます。一方で、建設労働者の需給状況や資機材価格の動向等については、引き続き留意する必要があります。
このような状況の中、当社におきましては、「中期経営計画2015〜2017」の2年目にあたり、様々な経営課題の解決に取り組んだ結果、当連結会計年度の受注高は175,195百万円(前連結会計年度比15.4%増)、売上高は165,053百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。利益につきましては、工事利益率改善の効果もあり営業利益は6,107百万円(前連結会計年度比242.0%増)、経常利益は6,148百万円(前連結会計年度比134.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,998百万円(前連結会計年度比214.4%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しています。)
(土木工事)
土木工事については、売上高86,863百万円(前連結会計年度比1.2%減)、セグメント利益3,969百万円(前連結会計年度比471.1%増)となりました。
(建築工事)
建築工事については、売上高76,479百万円(前連結会計年度比5.6%減)、セグメント利益1,641百万円(前連結会計年度比175.6%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業については、売上高1,098百万円(前連結会計年度比4.7%減)、セグメント利益396百万円(前連結会計年度比11.6%増)となりました。
(その他)
その他については、売上高20,970百万円(前連結会計年度比8.0%増)、セグメント利益98百万円(前連結会計年度比26.7%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が5,794百万円となったことに加え、その他の資産の減少5,128百万円、仕入債務の増加4,594百万円などの増加要因があり、19,747百万円の資金増加(前連結会計年度は3,112百万円の資金減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出758百万円、有形固定資産の取得による支出221百万円などにより、1,164百万円の資金減少(前連結会計年度は16百万円の資金増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少10,300百万円などにより、11,218百万円の資金減少(前連結会計年度は3,265百万円の資金増加)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,377百万円(68.3%)増加し18,173百万円となりました。
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していません。
なお、参考に提出会社個別の事業の状況を「提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況」に記載しています。
(1)受注実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日)
|
前年同期比(%) |
||
|
土木工事 |
97,550 |
21.7% |
||
|
建築工事 |
77,644 |
8.4% |
||
|
合 計 |
175,195 |
15.4% |
||
(注) 当社グループにおいては土木工事・建築工事以外は受注生産を行っていません。
(2)売上実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日)
|
前年同期比(%) |
||
|
土木工事 |
86,863 |
△1.2% |
||
|
建築工事 |
76,479 |
△5.6% |
||
|
不動産事業 |
757 |
△6.0% |
||
|
報告セグメント計 |
164,100 |
△3.3% |
||
|
その他 |
953 |
△36.3% |
||
|
合 計 |
165,053 |
△3.6% |
||
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
区 分 |
前期繰越工事高 (百万円) |
当期受注工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成工事高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
|
第75期 (自平成27年4月1日 至平成28年3月31日) |
土木工事 |
135,003 |
78,633 |
213,636 |
86,108 |
127,528 |
|
建築工事 |
79,373 |
71,622 |
150,996 |
81,021 |
69,974 |
|
|
計 |
214,376 |
150,256 |
364,633 |
167,130 |
197,502 |
|
|
第76期 (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日) |
土木工事 |
127,528 |
94,940 |
222,469 |
85,077 |
137,391 |
|
建築工事 |
69,974 |
77,644 |
147,619 |
76,479 |
71,139 |
|
|
計 |
197,502 |
172,585 |
370,088 |
161,556 |
208,531 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当事業年度受
注工事高にその増減額を含みます。したがって、当事業年度売上高にもかかる増減額が含まれます。また、
前事業年度以前に外貨建で受注した工事で、当事業年度中の為替相場の変動により請負金額に増減のあるも
のについても同様に処理しています。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
第75期 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
土木工事 |
39.0 |
61.0 |
100.0 |
|
建築工事 |
39.0 |
61.0 |
100.0 |
|
|
第76期 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
土木工事 |
44.7 |
55.3 |
100.0 |
|
建築工事 |
61.1 |
38.9 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比です。
③ 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
第75期 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
土木工事 |
38,249 |
47,858 |
86,108 |
|
建築工事 |
7,717 |
73,304 |
81,021 |
|
|
計 |
45,966 |
121,163 |
167,130 |
|
|
第76期 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
土木工事 |
40,376 |
44,701 |
85,077 |
|
建築工事 |
7,594 |
68,884 |
76,479 |
|
|
計 |
47,970 |
113,586 |
161,556 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
第75期
|
東日本旅客鉄道(株) |
東北縦貫線(北部)秋葉原・上野間改良1 |
|
東日本旅客鉄道(株) |
茅ヶ崎駅改良及び駅ビル増築他 |
|
北海道旅客鉄道(株) |
北海道新幹線限界支障報知装置竜飛工区 |
|
東日本高速道路(株) |
首都圏中央連絡自動車道桶川北本インターチェンジ工事 |
|
東京都 |
谷田川幹線再構築その3工事 |
|
東京都千代田区 |
国指定史跡常盤橋門跡常磐橋復旧工事Ⅰ期(第506号) |
|
(学)近畿大学弘徳学園 |
近大姫路大学新2号棟新築工事 |
|
(学)大乗淑徳学園 |
淑徳大学看護栄養学部増築工事 |
|
ルートインジャパン(株) |
(仮称)ホテルルートイン上田駅前新築工事 |
|
トヨタホーム(株) |
(仮称)瑞穂区緑ヶ岡計画新築工事 |
第76期
|
東日本旅客鉄道(株) |
渋谷駅改良1 |
|
東日本旅客鉄道(株) |
新宿駅新南口ビル(仮称)他新築 |
|
東日本旅客鉄道(株) |
東北地方太平洋沖地震に伴う災害復旧(常磐山下工区1) |
|
国土交通省 |
国道45号 気仙トンネル工事 |
|
環境省 |
平成27年度川俣町除染等工事(その3) |
|
西日本高速道路(株) |
新名神高速道路道場生野工事 |
|
日本梱包運輸倉庫(株) |
(仮称)日本梱包運輸倉庫株式会社苫小牧営業所 輪厚物流センター新築工事 |
|
東京地下鉄(株) |
馬込新社宅(仮称)ほか新築工事 |
|
NTT都市開発(株) |
(仮称)鎌倉市岩瀬サービス付き高齢者向け住宅新築工事 |
|
ルートインジャパン(株) |
(仮称)ホテルルートイン東広島西条駅前新築工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりです。
第75期
東日本旅客鉄道(株) 59,381百万円 35.5%
第76期
東日本旅客鉄道(株) 56,409百万円 34.9%
④ 手持工事高
|
平成29年3月31日現在 |
|
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
土木工事 |
82,359 |
55,032 |
137,391 |
|
建築工事 |
16,476 |
54,663 |
71,139 |
|
計 |
98,835 |
109,695 |
208,531 |
(注)手持工事のうち主なものは、次のとおりです。
|
東日本旅客鉄道(株) |
東海道貨物線横浜羽沢駅構内改修工事他1 |
平成30年5月 |
完成予定 |
|
東日本旅客鉄道(株) |
新小岩駅南北自由通路整備 |
平成31年7月 |
完成予定 |
|
東日本旅客鉄道(株) |
川崎駅北口自由通路新設・駅改良他 |
平成30年9月 |
完成予定 |
|
東日本旅客鉄道(株) |
鉄道博物館新館新築・本館改修他工事 |
平成30年7月 |
完成予定 |
|
東京都 |
オリンピックアクアティクスセンター (仮称)(27)新築工事 |
平成31年12月 |
完成予定 |
|
鉄道建設・運輸施設整備支援機構 |
北海道新幹線、昆布トンネル(桂台)他 |
平成34年3月 |
完成予定 |
|
中日本高速道路(株) |
中部横断自動車道 新清水ジャンクション Hランプ橋他4橋(PC上部工)工事 |
平成31年8月 |
完成予定 |
|
知立駅北地区市街地再開発組合 |
知立駅北地区第一種市街地再開発事業施設 建築物新築工事 |
平成31年1月 |
完成予定 |
|
カンボジア国公共工事交通省 |
カンボジア国道5号線改修工事 (バッタンバン-シソポン間)CP1 |
平成32年1月 |
完成予定 |
|
ヒューリック株式会社 |
(仮称)六本木3丁目PJ新築工事 |
平成29年9月 |
完成予定 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、経営の基本方針として
|
わが社は信用と技術を基本として 社会基盤を創造することを通じて 社会の繁栄に貢献するとともに
持続的に成長し家族に誇れる
|
を経営理念に掲げています。
これは“株主・お客さま・取引先・従業員など関係あるすべてのステークホルダー”から「価値ある企業」として支持され、将来にわたりその存在を主張する基本理念です。
(2) 中長期的な会社の経営戦略・経営目標
当社は、平成27年3月に「中期経営計画2015~2017」を策定し、3年間で信用と技術を基本に業績の飛躍的な向上を目指すことを経営目標に掲げました。
[中期経営計画の概要]
①計画期間 2015年度~2017年度(3ヵ年)
②経営目標 信用と技術を基本に 業績の飛躍的な向上を目指す
③目標達成に向けた方針
・基礎体力の強化
・技術力を核とした企業力の強化
・人材力の強化
④目標指標(連結) 中期経営計画最終年度(2017年度): 受注額 1,660億 売上高1,680億 経常利益 55億
(3) 会社の対処すべき課題
今後のわが国経済の見通しにつきましては、政府の経済対策の推進等により、雇用・所得環境が引き続き改善し、民需を中心に緩やかな回復が続く見通しでありますが、海外経済の不確実性や金融市場の変動の影響に留意する必要があります。
建設業界におきましては、東京オリンピック・パラリンピックの開催による公共投資、民間投資の増加により、全体的には追い風の状況でありますが、建設労働者の需給状況や資機材価格の動向等については、引き続き留意する必要があります。
このような状況の中、当社におきましては「中期経営計画2015~2017」の最終年度として、本計画の3本柱である「基礎体力の強化」「技術力を核とした企業力の強化」「人材力の強化」の取組の総仕上げを行い目標を確実に達成していくために
・「基礎体力」向上の取組をさらに強化し、次代に向けた力強い企業体質をつくりあげる
・「技術力を核とした企業力」の強化に戦略的に取り組み、さらに成長するための土台を築く
・「人材力」の強化に向け、社員の成長と働き方改革を実現する
などの重点施策に取り組んでまいります。
これらの施策を確実に実行することにより、平成29年度の目標を達成できるよう全力をあげてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可
能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来予測は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において判断したものです。
(1)公共事業投資額の予想を上回る減少
当社グループの売上高のうち重要な部分を占める建設事業は、公共事業の投資額に大きな影響を受けます。公共投資は変動があるため、それをカバーするべく技術を中心とした体制の構築、建築部門の営業力・収益力の強化等の施策を講じています。しかし、予想を上回る減少となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製品の欠陥による重大な瑕疵の発生
品質管理には万全を期していますが、重大な瑕疵による損害賠償が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)災害、事故の発生
施工中の防災及び事故防止には万全を期していますが、予期しない原因などにより工事事故や労働災害が発生する可能性があります。この場合、損害賠償や指名停止などによる受注機会の減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害によるリスク
地震・洪水・台風等の自然災害により事業活動の停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等の直接的
な影響を受ける可能性があります。さらに、電力・水道・燃料の使用制限をはじめとしたインフラ機能の低下、仕入
先の被災による材料調達の停滞等の間接的な影響も受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性
があります。
(5)取引先の信用不安
当社グループの主たる事業である建設事業においては、工事一件あたりの取引金額が大きいため、お客さまや協力会社の業績が悪化し信用不安に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)資材・労務費等の高騰による工事原価の増加
請負契約後、原材料価格・労務費等が高騰した際、それを請負金額に反映できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)当社保有資産の価値下落
当社グループでは建設事業・不動産事業と関連して販売用不動産や有価証券等を保有しており、これらの資産価値が景気変動等により著しく下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)金利の上昇
当社グループは金利上昇を見込んだ経営を行っていますが、請負業という建設事業の特性により、立替金が少なからず発生し、一定水準の有利子負債が必要となります。よって、金利が著しく上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)海外事業に伴うリスク
海外での工事においては、戦争・テロ・紛争の発生、その国の経済状況・政治状況の変動及び予期しない法律・規制の変更等が行われた場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場に大幅な変動等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)法的規制
当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法等により法的規制を受けています。これら法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更や万一これらの法令に抵触する事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)繰延税金資産
繰延税金資産については、今後の課税所得をもって全額回収可能と判断しておりますが、将来の課税所得見積額の変更等により一部回収が困難であると判断した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)土木工事・建築工事を一括し、「建設事業」として記載しております。
経営上の重要な契約等はありません。
研究開発活動においては、「市場性」を充分把握し、当社の付加価値を高める技術開発や環境ビジネスに積極的
な取り組みを行い、技術と営業が一体となったメンバー編成による活動を行っています。また、総合評価制度への
対応を主軸とする研究開発活動にも力を入れ技術戦略を持って経営に貢献する研究開発を推進しています。
当連結会計年度の研究開発費は395百万円(土木工事368百万円・建築工事27百万円)で、主な研究開発活動及びその成果は次のとおりです。なお、研究開発活動には、子会社である株式会社ジェイテックとの共同研究開発活動が含まれています。
(1)土木工事
①効率的な立体交差工法
HEP&JES工法は、鉄道・道路等の新しい立体交差工法として開発されました。施工実績を重ね、コストダウンとともに地盤切削JES工法の確立をはじめ、多様な施工条件でも対応できるよう開発を進めてきました。
今年度は昨年より開発を検討してきた大断面および大深度の案件にも取り組めるよう、構造検討や基礎実験を継続し研究開発を進めています。
また、小断面のアンダーパス工法であるCOMPASS工法についても、よりコストダウンが可能で施工延長の制約がない新たな工法の実用化が完了し、鉄道関連だけではなく道路関連の案件にも積極的に取り組む予定です。
②更新改築工事
社会資本の老朽化対策として、今後、大規模な鉄道・道路等の修繕・更新工事が見込まれます。トンネルの覆工コンクリート補強やインバートの増設など大規模修繕工事等に対応しやすいよう、これまでに研究開発してきた成果をさらに効率化し、工期短縮を目指します。
また、駅改良工事等では狭隘な場所で耐震補強に伴う増し杭工事を行うなど、空頭の低い施工条件の工事が少なからずあり、このような場所では超低空頭場所打ち杭工法の適用が見込まれます。
③i-Constructionへの取り組み
現場技術者不足等により現場作業の効率化は喫緊の課題となっており、当社も、「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指すi-Constructionの取り組みを進めています。
当社は、今期中に総合的な施工管理支援ツールを土木全現場へ導入し、写真撮影・測量をはじめとする現場における業務のほか、施工計画書や各帳票作成などの机上業務についても効率化を進めてまいります。
そのほか土工事現場においてはマシンガイダンスによる施工のほか、3D測量、3Dデータを活用し出来形測量や管理の効率化に取り組んでいます。
④バイオマスガス発電
地方創生が求められている昨今、その切り札として分散型エネルギーが注目されています。那須バイオマスガス発電プラントは、東日本高速道路(株)と当社が道路の維持管理で発生する刈草、剪定枝の新たな利活用システムとして開発しました。実証実験を経て、平成28年3月に施設の維持管理は東日本高速道路(株)の子会社に移管され、隣接する那須高原SAと電気の系統連携も始まりました。また、平成28年2月から3月には、維持運転で必要な作業足場や一部機器の設備改良が行われました。
(2)建築工事
①BIM(Building Information Modeling)への取組み
BIMは、建物の3次元デジタルデータをコンピューター上でモデル化し、躯体から設備、仕上げ工事の管理情報などの属性データを追加して、建物の設計・施工から維持管理まで情報を一括して管理する手法です。今回、当社設計施工の岐阜工場部品加工工場建設工事(川崎重工業発注)で、意匠BIMとの連携を図り、施工BIMを試行しました。長大スパンのトラス梁の施工のほか、複雑な鉄骨架設の対応に施工BIMを積極活用しました。施工計画の立案から施主との合意形成に利用し、施工BIMが情報の伝達と共有に大変有効であることを確認しました。今後も施工BIMの水平展開を図り、生産性の向上に寄与して行きます。
②SWORD(ソード)工法による線路上空建物の施工
当社の得意とする線路上空への構造物の構築工法として、SWORD(ソード)工法があります。今回、ソード工法を川崎駅北口自由通路新設・駅改良他(JR東日本発注)で採用しました。平成18年にJR立川駅改良工事で、はじめて採用されて以来の実施工になります。ソード工法は、あらかじめ夜間作業で設けた発進構台上において、昼間作業で上部構造体(鉄骨)を組み立てた後、夜間作業にて線路上空をスライドさせることにより所定位置に設置します。夜間作業を最小限に減じ、安全性と施工能率を向上させる工法です。今後とも工期短縮、コストダウンを可能にする工法の確立を目指し、研究開発を行います。
③超高強度コンクリートの大臣認定取得
高層RC造建物で必要な超高強度コンクリート(設計基準強度80~120N/mm2)の国土交通大臣認定を2016年10月4日付けで取得しました。この大臣認定は高強度コンクリートにおける火災時の爆裂抑制工法(FPC工法)で使用されているポリプロピレン樹脂粉末を混入した超高強度コンクリートの強度発現性状とフレッシュコンクリート性状を確認し、(一財)日本建築総合試験所における性能評価を経て取得しました。さらに、関連技術の研究開発を継続して行きますしています。
(3)不動産事業及びその他
研究開発活動は特段行われていません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
います。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる見積りによっ
ている部分があり、見積り特有の不確実性のために、実際の結果が見積りと異なることがあります。
重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度と比較すると、売上高は6,189百万円減少(3.6%減)し165,053百万円となりました。売上高の減少は、主に完成工事高の減少によるもので、土木工事が1,055百万円(1.2%減)、建築工事が4,542百万円(5.6%減)、いずれも工事施工高の減少等に伴い減少しています。
売上総利益は、前連結会計年度比5,436百万円増加(67.4%増)し13,501百万円となりました。これは、完成工事総利益率の改善(前連結会計年度4.5%に対して当連結会計年度7.9%)が主な要因で、土木工事、建築工事でいずれも改善しています。従業員給料手当の増加等により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比1,115百万円増加(17.8%増)し、営業利益は前連結会計年度比4,321百万円増加(242.0%増)の6,107百万円となりました。営業外収支は為替差益の減少等により前連結会計年度比800百万円黒字が減少(95.2%減)し、経常利益は前連結会計年度比3,520百万円増加(134.0%増)の6,148百万円となりました。
支払補償金132百万円など合計354百万円の特別損失が計上され、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比3,329百万円増加(135.1%増)の5,794百万円となりました。
課税所得が前連結会計年度を上回り、税金費用が前連結会計年度比595百万円増加(50.1%増)の1,784百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比2,726百万円増加(214.4%増)の3,998百万円となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フローの状況)についての分析
「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(4)当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ57百万円増加し183,730百万円となりました。主な要因は、現金預金の増加7,377百万円、流動資産のその他の減少5,237百万円、受取手形・完成工事未収入金等の減少2,912百万円です。負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,715百万円減少し134,509百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少10,000百万円、支払手形・工事未払金等の増加4,594百万円です。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,772百万円増加し49,220百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加3,685百万円です。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の24.5%に対して2.1ポイント増加の26.6%となりました。