第2【事業の状況】

  以下、「第2.事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しています。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、経営の基本方針として

 

 

わが社は信用と技術を基本として
お客さまに喜んでいただける安全で良質な

社会基盤を創造することを通じて

社会の繁栄に貢献するとともに

持続的に成長し家族に誇れる
働きがいのある企業をめざします。

 

 

を経営理念に掲げています。

 これは“株主・お客さま・取引先・従業員など関係あるすべてのステークホルダー”から「価値ある企業」として支持され、将来にわたりその存在を主張する基本理念です。

 

(2)経営戦略等

 当社は、平成30年3月に「中期経営計画2018~2020 変革に挑戦し、企業価値を高め、業績の飛躍的な向上をめざす」を策定いたしました。

 

 [中期経営計画の概要]

 ①計画期間  2018年度~2020年度(3ヵ年)

  ②経営目標  変革に挑戦し、企業価値を高め、業績の飛躍的な向上をめざす

  ③目標達成に向けた方針

     ・安全・安心の追求
     ・筋肉質な経営の推進
     ・技術力を核とした現場力・企業力の飛躍的向上
     ・人間尊重企業をめざして
     ・さらなる成長への挑戦

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社を取り巻く経営環境が大きく変化しても、経営課題をしっかりと認識し、力強くグループ全体が発展し、お客さまの満足度を高めていけるように、今後3年間の目標設定を以下の内容としました。

 

 中期経営計画最終年度(2020年度)連結売上高1,860億円、連結営業利益93億円

 

(4)経営環境

 わが国経済は、海外経済の不確実性や金融市場の変動の影響に留意する必要があるものの、企業収益や雇用・所得

環境の改善を背景に、設備投資、個人消費の持ち直しが見られるなど、景気は緩やかな回復基調が続きました。
 建設業界におきましては、公共投資は弱含んでおり、民間投資については、住宅建設がおおむね横ばいで推移して

いるものの、企業の設備投資は緩やかに増加しております。一方で、建設労働者の需給状況や資機材価格の動向など

については、引き続き留意する必要があります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

今後のわが国経済の見通しにつきましては、消費税率引き上げによる個人消費への影響に懸念があるものの、政

 府の経済対策の着実な実施や東京オリンピック・パラリンピック関連などによる需要喚起などから、経済の好循環

 が進展し、引き続き緩やかな回復が続く見通しですが、中国経済の先行き、金融市場の変動の影響など海外経済に

 おける動向について留意する必要があります。

建設業界におきましては、政府建設投資の増加を背景に建設投資額は平成30年度を上回る水準が予想されており

 ます。一方で、慢性的な労働力不足の懸念など予断を許さない状況が続いております。

 

2【事業等のリスク】

     有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可
  能性のある事項には、以下のようなものがあります。

    なお、文中における将来予測は、当連結会計年度末(平成31年3月31日)現在において判断したものです。

 

  (1)公共事業投資額の予想を上回る減少

当社グループの売上高のうち重要な部分を占める建設事業は、公共事業の投資額に大きな影響を受けます。公共投

 資は変動があるため、それをカバーするべく技術を中心とした体制の構築、建築部門の営業力・収益力の強化等の施

 策を講じています。しかし、予想を上回る減少となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり

 ます。

  (2)製品の欠陥による重大な瑕疵の発生

品質管理には万全を期していますが、重大な瑕疵による損害賠償が発生した場合には、当社グループの業績に影響

 を及ぼす可能性があります。

  (3)災害、事故の発生

施工中の防災及び事故防止には万全を期していますが、予期しない原因などにより工事事故や労働災害が発生する

 可能性があります。この場合、損害賠償や指名停止などによる受注機会の減少により、当社グループの業績に影響を

 及ぼす可能性があります。

   (4)自然災害によるリスク

   地震・洪水・台風等の自然災害により事業活動の停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等の直接的

  な影響を受ける可能性があります。さらに、電力・水道・燃料の使用制限をはじめとしたインフラ機能の低下、仕入

  先の被災による材料調達の停滞等の間接的な影響も受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性

  があります。

  (5)取引先の信用不安

当社グループの主たる事業である建設事業においては、工事一件あたりの取引金額が大きいため、お客さまや協力会社の業績が悪化し信用不安に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (6)資材・労務費等の高騰による工事原価の増加

請負契約後、原材料価格・労務費等が高騰した際、それを請負金額に反映できない場合は、当社グループの業績に

 影響を及ぼす可能性があります。

  (7)当社保有資産の価値下落

当社グループでは建設事業・不動産事業と関連して販売用不動産や有価証券等を保有しており、これらの資産価値

 が景気変動等により著しく下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (8)金利の上昇

当社グループは金利上昇を見込んだ経営を行っていますが、請負業という建設事業の特性により、立替金が少なか

 らず発生し、一定水準の有利子負債が必要となります。よって、金利が著しく上昇した場合には、当社グループの業

 績に影響を及ぼす可能性があります。

  (9)海外事業に伴うリスク

海外での工事においては、戦争・テロ・紛争の発生、その国の経済状況・政治状況の変動及び予期しない法律・規

 制の変更等が行われた場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場に大幅な変動

 等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (10)法的規制

当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法等により法的規制を受けていま

 す。これら法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更や万一これらの法令に抵触する事象が発生した場合には、

 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  (11)繰延税金資産

繰延税金資産については、今後の課税所得をもって全額回収可能と判断しておりますが、将来の課税所得見積額の

 変更等により一部回収が困難であると判断した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注)土木工事・建築工事を一括し、「建設事業」として記載しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

  ①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融市場の変動の影響に留意する必要があるも

のの、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、設備投資、個人消費の持ち直しが見られるなど、景気は緩や

かな回復基調が続きました。
 建設業界におきましては、公共投資は弱含んでおり、民間投資については、住宅建設がおおむね横ばいで推移

しているものの、企業の設備投資は緩やかに増加しております。一方で、建設労働者の需給状況や資機材価格の

動向などについては、引き続き留意する必要があります。
 このような状況の中、当社におきましては、「中期経営計画2018〜2020」の初年度として、様々な経営課題の

解決に取り組んだ結果、工事利益率の改善、社員及び協力会社に対する安全、品質などの研修の強化、働き方改

革の推進による労働時間の削減、海外工事の受注拡大など多くの成果をあげ、中期経営計画達成へ向けての基盤

を整えることができました。
 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態
 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,748百万円増加し193,676百万円となりまし

た。負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,859百万円減少し131,229百万円となりました。純資産合計は、前連

結会計年度末に比べ6,607百万円増加し62,447百万円となりました。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結

会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行ってい

ます。

 

b.経営成績
 当連結会計年度の経営成績は、売上高は174,670百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。利益につ

きましては、工事利益率改善の効果もあり営業利益は7,573百万円(前連結会計年度比14.5%増)、経常利益は

6,850百万円(前連結会計年度比0.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,587百万円(前連結会計年度比

0.9%減)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりです。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含

めて記載しています。)
 

(土木工事)

 土木工事については、売上高98,079百万円(前連結会計年度比2.9%増)、セグメント利益5,785百万円(前

連結会計年度比10.9%増)となりました。

(建築工事)

 建築工事については、売上高74,589百万円(前連結会計年度比4.5%増)、セグメント利益1,320百万円(前

連結会計年度比44.6%増)となりました。

(不動産事業)
 不動産事業については、売上高1,043百万円(前連結会計年度比3.0%減)、セグメント利益233百万円(前連

結会計年度比20.1%減)となりました。

(付帯事業)
 付帯事業については、売上高25,362百万円(前連結会計年度比2.2%増)、セグメント利益139百万円(前連

結会計年度比27.3%増)となりました。

(その他)
 その他については、売上高291百万円(前連結会計年度比4.8%増)、セグメント利益88百万円(前連結会計

年度比5.4%増)となりました。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が6,546百万円となったことに加え、売上債権

の減少9,833百万円、その他の負債の増加7,308百万円などの増加要因があり、24,055百万円の資金増加(前連結

会計年度は9,631百万円の資金減少)となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,989百万円、有価証券の売却及び償還

による収入1,096百万円などにより、1,917百万円の資金減少(前連結会計年度は279百万円の資金増加)となりま

した。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金(短期及び長期)の減少8,067百万円などにより、9,288百万円

の資金減少(前連結会計年度は10百万円の資金減少)となりました。
 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ12,866百万円

(146.8%)増加し21,633百万円となりました。

 

  ③生産、受注及び販売の実績

 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載していません。

 なお、参考に提出会社個別の事業の状況を「提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況」に記載しています。

 a.受注実績

セグメントの名称

 

当連結会計年度(百万円)

(自平成30年4月1日

至平成31年3月31日)

 

前年同期比(%)

  土木工事

129,045

33.2%

  建築工事

100,592

35.9%

合 計

229,637

34.4%

 (注) 当社グループにおいては土木工事・建築工事以外は受注生産を行っていません。

 

 b.売上実績

セグメントの名称

 

当連結会計年度(百万円)

(自平成30年4月1日

至平成31年3月31日)

 

前年同期比(%)

  土木工事

98,079

2.9%

  建築工事

74,589

4.5%

  不動産事業

732

△0.6%

  付帯事業

977

10.0%

報告セグメント計

174,379

3.6%

  その他

291

4.8%

合 計

174,670

3.6%

 (注) セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況

 ①受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

区 分

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

第77期

(自平成29年4月1日

至平成30年3月31日)

土木工事

137,391

94,985

232,376

93,250

139,126

建築工事

71,139

74,027

145,167

71,353

73,813

208,531

169,013

377,544

164,604

212,940

第78期

(自平成30年4月1日

至平成31年3月31日)

土木工事

139,126

127,210

266,336

95,940

170,396

建築工事

73,813

100,592

174,406

74,589

99,817

212,940

227,802

440,742

170,529

270,213

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当事業年度受

          注工事高にその増減額を含みます。したがって、当事業年度売上高にもかかる増減額が含まれます。また、

          前事業年度以前に外貨建で受注した工事で、当事業年度中の為替相場の変動により請負金額に増減のあるも

          のについても同様に処理しています。

2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。

 

②受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第77期

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

土木工事

48.0

52.0

100.0

建築工事

57.4

42.6

100.0

第78期

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

土木工事

25.9

74.1

100.0

建築工事

51.3

48.7

100.0

 (注) 百分比は請負金額比です。

③完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

第77期

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

土木工事

44,906

48,344

93,250

建築工事

7,572

63,781

71,353

52,478

112,125

164,604

第78期

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

土木工事

41,529

54,411

95,940

建築工事

8,770

65,818

74,589

50,299

120,229

170,529

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。

第77期

東日本旅客鉄道(株)

東海・大甕間大甕南こ線道路橋外1新設工事

東日本旅客鉄道(株)

(仮称)仙台駅東口ホテル新築他

東日本旅客鉄道(株)

いわき保線技術センター管内災害復旧(太平洋地震)2017その3工事

(株)ジェイアール東日本都市開発

船橋SCリニューアルⅡ期工事

国土交通省

大和御所道路新田東佐味トンネル工事

環境省

平成28年度楢葉町汚染廃棄物対策地域における被災建物等解体撤去等工事

東京都

第二田柄川幹線工事

ヒューリック(株)

(仮称)六本木3丁目PJ新築工事

NTT都市開発(株)

(仮称)町田市中町一丁目サービス付き高齢者向け住宅新築工事

(有)すぐる不動産

(仮称)秋田フォーラスリファイニング工事

 

第78期

東日本旅客鉄道(株)

品川車両基地整備他2

東日本旅客鉄道(株)

東北本線伊達・桑折間桑折こ線橋新設

東日本旅客鉄道(株)

川崎駅北口自由通路新設・駅改良他

東日本旅客鉄道(株)

鉄道博物館新館新築・本館改修他工事

国土交通省

横浜湘南道路引地川改良工事

東京都

第二田柄川幹線その2工事

東日本高速道路(株)

東北中央自動車道 にしごうトンネル工事

知立駅北地区市街地再開発組合

知立駅北地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事

ルートインジャパン(株)

(仮称)奈良倉庫跡地ルートイングランティア奈良和蔵の宿新築工事

東洋濾紙(株)

(仮称)東洋濾紙中条工場新築工事

 

 

    2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりです。

第77期

 東日本旅客鉄道(株) 57,849百万円 35.1%

第78期

 東日本旅客鉄道(株) 54,329百万円 31.9%

④ 手持工事高

平成31年3月31日現在

 

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木工事

79,540

90,855

170,396

建築工事

12,592

87,224

99,817

92,132

178,080

270,213

(注)手持工事のうち主なものは、次のとおりです。

東日本旅客鉄道(株)

新橋駅改良(Ⅰ期)その1

令和3年2月

完成予定

東日本旅客鉄道(株)

新橋駅改良(Ⅰ期)その2

令和3年1月

完成予定

東日本旅客鉄道(株)

東海道貨物線横浜羽沢駅構内改修工事他1

令和2年1月

完成予定

東日本旅客鉄道(株)

品川新駅(仮称)新設他

令和2年4月

完成予定

国土交通省

国道106号 松草トンネル工事

令和2年5月

完成予定

東京都

オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(27)新築工事

令和元年12月

完成予定

東京都

有明アリーナ(仮称)(27)新築工事

令和元年12月

完成予定

鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線、梯川橋りょう他

令和2年6月

完成予定

ミャンマー国有鉄道

ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業フェーズ1

(CP102)

令和4年10月

完成予定

ヒューリック(株)

(仮称)両国リバーセンター新築工事

令和2年6月

完成予定

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況による分析・検討内容

   経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

    なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて

います。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる見積りによっ

ている部分があり、見積り特有の不確実性のために、実際の結果が見積りと異なることがあります。

重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

    当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,748百万円増加(2.5%増)し193,676百万

   円となりました。主な要因は、現金預金の増加12,853百万円、投資有価証券の増加3,574百万円、受取手形・完

   成工事未収入金等の減少9,630百万円です。負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,859百万円減少(1.4%減)

   し131,229百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少6,082百万円、支払手形・工事未払金等の減少

   2,580百万円、未払金の増加5,079百万円です。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,607百万円増加(

   11.8%増)し62,447百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加4,823百万円、その他有価証券評価差

   額金の増加2,108百万円です。

   以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の29.3%に対して2.7%増加の32.0%となりました。

 

 

2)経営成績

    当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度と比較すると、売上高は6,119百万円増加(3.6%増)し174,670

   百万円となりました。売上高の増加は、主に完成工事高の増加によるもので、土木工事が2,786百万円(2.9%

   増)、建築工事が3,235百万円(4.5%増)、いずれも工事施工高の増加等に伴い増加しています。

    売上総利益は、前連結会計年度比1,687百万円増加(11.1%増)し16,915百万円となりました。これは、完成工

   事高の増加に加えて、原価管理の徹底、集中購買の拡大、生産性の向上に注力し完成工事総利益率が改善した

   ことが主な要因です。従業員給料手当の増加等により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比728百万円増

   加(8.5%増)し、営業利益は前連結会計年度比958百万円増加(14.5%増)の7,573百万円となりました。営業

   外収支は為替差損の増加等により前連結会計年度比995百万円悪化し、経常利益は前連結会計年度比36百万円減

   少(0.5%減)の6,850百万円となりました。

    固定資産撤去費用176百万円など合計303百万円の特別損失が計上され、税金等調整前当期純利益は前連結会

   計年度比423百万円減少(6.1%減)の6,546百万円となりました。

    有税償却済の債権の処分に伴う課税所得の低減等に伴い、税金費用が前連結会計年度比402百万円減少

   (30.6%減)の911百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比51百万円減少

   (0.9%減)の5,587百万円となりました。

 

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、労務費・資材費動向、事故・災害、生産能力の低下等があります。

また、今後、当社を取り巻く経営環境については、以下の内容について認識しています。

 

〔社会・経済の動向〕

・少子高齢化の進展

・第4次産業革命がもたらす産業構造の変化(IoT・AIの活用)

・働き方改革の実現(生産性向上、労働時間短縮、ダイバーシティ等)

 

〔建設業を取り巻く情勢〕

・建設投資から維持修繕投資へのシフトチェンジ

・世界的なインフラ需要の拡大

・建設就業者数の減少、高齢化に伴う担い手不足

・慢性的な長時間労働からの脱却

・経営の多角化(建設請負業以外の拡大)

 

このような状況の中、当社におきましては平成30年度を初年度とする「中期経営計画2018〜2020」を策定し、『変革に挑戦し、企業価値を高め、業績の飛躍的な向上をめざす』を経営目標に定めました。当社が、将来どのような環境に置かれても力強く成長していけるよう、現状及び予測される変化についてしっかりと認識し、当社の課題解決に向け全社一丸となって取り組んでまいります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 

資金需要

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、土木事業と建築事業により構成される建設事業に関わる資機材及び外注業者に支払われる工事代金、各事業の一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、不動産投資に加え、情報処理の為の無形固定資産があります。

 

財政施策

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っています。
 当社グループの主要な事業である建設事業の資金の調達に当たっては、担当部署が各部署からの報告に基づき適時資金計画を作成・更新し、適正に管理しています。

 また、顧客からの工事代金については、社内規程に従って、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を適宜把握する体制としています。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」をご参照ください。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析検討内容

 

(土木工事)

 売上高については、期首手持工事高が前年度より多く、また今年度の工事施工高が増加したことにより、前連結会計年度比2.9%増の98,079百万円となりました。

 セグメント利益については、完成工事高及び利益率の増加により、前連結会計年度比10.9%増の5,785百万円となりました。

(建築工事)

 売上高については、期首手持工事高が前年度より多く、また今年度の工事施工高が増加したことにより、前連結会計年度比4.5%増の74,589百万円となりました。

 セグメント利益については、完成工事高及び利益率の増加により、前連結会計年度比44.6%増の1,320百万円となりました。

(不動産事業)
 売上高については、連結会計年度比3.0%減の1,043百万円となりました。

 セグメント利益については、前連結会計年度比20.1%減の233百万円となりました。

(付帯事業)

 売上高については、連結会計年度比2.2%増の25,362百万円となりました。

 セグメント利益については、前連結会計年度比27.3%増139百万円となりました。

(その他)

 売上高については、連結会計年度比4.8%増の291百万円となりました。

 セグメント利益については、前連結会計年度比5.4%増の88百万円となりました。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

   経営上の重要な契約等はありません。

 

5【研究開発活動】

  研究開発活動においては、「市場性」を充分把握し、当社の付加価値を高める技術開発や環境ビジネスに積極的

な取組を行い、技術と営業が一体となったメンバー編成による活動を行っています。また、総合評価制度への対応

を主軸とする研究開発活動にも力を入れ、技術戦略を持って経営に貢献する研究開発を推進しています。

  当連結会計年度の研究開発費は559百万円(土木工事502百万円・建築工事57百万円)で、主な研究開発活動及びその成果は次のとおりです。なお、研究開発活動には、子会社である株式会社ジェイテックとの共同研究開発活動が含まれています。

 

 (1)土木工事

①効率的な立体交差工法の開発

   当社の代表的な保有工法であるHEP&JES工法、COMPASS工法は、鉄道・道路等の新しい立体交差

  工法として開発され、幅広く適用が図られています。今年度も引き続き、適用範囲の拡大、さらなるコストダウ

  ンをめざし、大断面および大深度の案件にも取り組めるよう、構造検討および構造実験を継続し、研究開発を推

  進しています。

 また、小断面のアンダーパス工法であるCOMPASS工法も、よりコストダウンが可能で施工延長の制約がな

い新たな工法として、工事への適用を図っていきます。

②大規模更新工事への技術開発

 社会資本の老朽化対策として、大規模な修繕・更新工事についての計画が発表され、実施されています。トンネ

ルの覆工コンクリートについては、老朽化したトンネルの覆工打ち替えや、補修補強技術の開発を進めています。

また、インバートの増設については、従来工法から大幅な工期短縮を図る新工法を開発し、実用化をめざします。

③i-Constructionへの取り組み

    建設業界で進められる現場作業の効率化を目的とした「ICTの全面的な活用」にもとづき、当社でも数々の施

   策を研究開発し、建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図っています。

    3Dスキャナーによる現地測量と3DCADモデルを組み合わせた施工計画を各種工事で試行し、管理業務の効

   率化や共通理解を図ります。また、トンネル工事や橋梁工事におけるICT機器や通信設備の装備、活用による帳

   票作成の省力化、施工データの一元化を推進しています。

 鉄道工事においても3DCADモデルの施工計画の活用による既設構造物との取り合い確認や、施工順序の事前

検討等、安全性のさらなる向上や現場職員の作業の軽減化、効率化を図り、生産性の向上に努めています。

  ④バイオマスガス発電システムの開発

   道路や鉄道では、沿線の雑木や草木を定期的に伐採していく必要があります。これらの中には、廃棄物として

  処理されるものも多く、処理費用や環境的側面から課題となっていました。一方、従来のバイオマスガス発電プ

  ラントは、その原料が木材ペレットや木材チップに限定され、多くを輸入に頼っている状況です。

   当社では、道路や鉄道沿線からの伐採草木を一括して材料として使用できるバイオマスガス発電システムの開

  発を進め、廃棄物の減少とエネルギーとしての有効利用を進めています。

 

 (2)建築工事

①施工BIM(Building Information Modeling)の展開

 BIM推進グループでは、「フロントローディング」の一環としてでBIMの活用を行いました。工事受注前

に、既存躯体から室内の様子を3Dレーザースキャナによる測量を採用することにより、取得した3次元データか

ら点群データ化して、BIMモデルを構築し、デジタルモデルで既存改修部の現状把握を正確にすることが可能と

なり、既存設備の撤去・移設等の計画を関係者へ事前に周知する事ができました。さらに、現地測量の作業量も従

来よりも大幅に低減でき、作成した既存部のBIMモデルに足場などの仮設材を合成することで施工計画検討を3

次元で詳細に行う事ができました。その他、作成したBIMモデルから仮設数量を算出し、事前に計画した工事量

も合わせて把握することができました。今後も設計施工案件等において早期にBIM運用を行い生産性の向上に寄

与していきます。

②新型小水力発電装置の開発と展開

 小水量・低流速という過酷な条件下でも発電可能な、新型の「小水力発電装置」の開発を行いました。狭隘な農

業用水路やトンネル湧水を排出する中央排水溝程度の水量で発電できることを目的としており、このような水流が

あれば、山間部や農村部でも電気を使用できるようになります。現在、自治体の協力を得て実施した試験運転で

は、イノシシやシカによる田んぼへの獣害対策として、侵入防止電気柵2.2kmを1台の発電装置で可能としていま

す。その他、防災のための河川の水位計測データや、監視カメラの動画の送信や山間部の雨量計測などに使用する

電力として、利用することが可能です。低炭素社会における環境負荷低減技術の技術開発のひとつとして、環境関

連技術に興味を持つ自治体、企業を中心に説明会や見学会を開催して、普及展開に努めています。

③超高層建築の受注に向けた地下外壁の合理化工法(RCS合成壁)の開発

 超高層建築の受注に向けて、大規模・大深度の掘削を伴う地下工事を想定した条件で、RCS合成壁の曲げせん

断実験を行い、所定の構造性能を有していることを確認しました。また、今回の実験結果に対して、第三者機関で

ある一般財団法人ベターリビングから一般評定も取得しました。これにより、ソイルセメント壁の芯材(H形鋼の

S造)と鉄筋コンクリート造(RC)の地下壁をシアコネクタで一体化したRCS合成壁は、構築後にその合成効

果により、地下工事の合理化および地下外壁の壁厚の低減が可能となります。今後も受注に向けて工法の適用を図

るとともに、引き続き研究開発を行います。

 

 (3)不動産事業、付帯事業及びその他

 研究開発活動は特段行われていません。