第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や金融政策により、企業業績の改善や雇用・所得環境に改善が見られるなど、国内景気は全体として緩やかな回復基調で推移しておりますが、新興国の成長の減速懸念等により、先行きの不透明な状況が続きました。

当社グループの主要事業であります道路建設業界におきましては、民間設備投資に持ち直しの動きがみられるものの、労務費や資機材価格の上昇の影響もあり、経営環境は引続き厳しい状況のもと推移いたしました。

このような状況下におきまして、当社グループの当連結会計年度の受注高は106,389百万円(前連結会計年度比2.1%減少)、売上高は96,586百万円(同比15.0%減少)となりました。

損益につきましては、営業利益は5,487百万円(同比0.9%減少)となり、経常利益は5,412百万円(同比10.0%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,139百万円(同比23.6%減少)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。

①建設事業

当連結会計年度の受注高は73,305百万円(前連結会計年度比5.4%増加)となりました。また、完成工事高は63,502百万円(同比14.8%減少)となり、次期繰越高は28,904百万円(同比51.3%増加)となりました。利益面におきましてはセグメント利益は3,121百万円(同比14.9%減少)となりました。

②建設材料等の製造販売・環境事業等

当連結会計年度の売上高は33,084百万円(前連結会計年度比15.4%減少)となりました。利益面におきましては、セグメント利益は3,969百万円(同比14.1%増加)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5,252百万円増加し、14,667百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益、売上債権の減少と未成工事受入金の増加による収入等が発生するなかで、未成工事支出金の増加と仕入債務の減少、法人税等の支払等が支出として発生し、10,266百万円の収入(前連結会計年度3,284百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得による支出等により、2,579百万円の支出(前連結会計年度1,294百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、短期・長期借入金の返済、社債の償還、配当金の支払額もあり、2,435百万円の支出(前連結会計年度1,912百万円の支出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日

(百万円)

当連結会計年度

自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日

(百万円)

建設事業

69,554

 

73,305

( 5.4%増)

製造販売・環境事業等

39,106

 

33,084

(15.4%減)

108,660

 

106,389

( 2.1%減)

 

(注)1 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

   2 ( )内は前年同期比であります。

 

(2) 売上実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日

(百万円)

当連結会計年度

自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日

(百万円)

建設事業

74,557

 

63,502

(14.8%減)

製造販売・環境事業等

39,106

 

33,084

(15.4%減)

113,663

 

96,586

(15.0%減)

 

(注)1 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

   2 ( )内は前年同期比であります。

 

(3) 当連結会計年度の建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

① 受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

 

期別

工事別

前期繰越工事高
(百万円)

当期受注工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成工事高
(百万円)

次期繰越工事高
(百万円)

前連結会計年度
自平成26年4月1日
至平成27年3月31日

舗装工事

17,588

59,192

76,780

63,958

12,822

土木工事

6,515

10,362

16,877

10,599

6,278

24,103

69,554

93,658

74,557

19,100

当連結会計年度
自平成27年4月1日
至平成28年3月31日

舗装工事

12,822

59,237

72,059

50,664

21,395

土木工事

6,278

14,068

20,346

12,837

7,508

19,100

73,305

92,406

63,502

28,904

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更に請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。

2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命発注と競争入札に大別されます。

 

期別

区分

特命
(%)

競争
(%)


(%)

前連結会計年度
自平成26年4月1日
至平成27年3月31日

舗装工事

63.8

36.2

100.0

土木工事

72.0

28.0

100.0

65.0

35.0

100.0

当連結会計年度
自平成27年4月1日
至平成28年3月31日

舗装工事

60.3

39.7

100.0

土木工事

68.5

31.5

100.0

61.8

38.2

100.0

 

(注) 百分比は受注金額比であります。

③ 完成工事高

 

期別

区分

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)


(百万円)

前連結会計年度
自平成26年4月1日
至平成27年3月31日

舗装工事

26,902

37,055

63,958

土木工事

2,360

8,239

10,599

29,262

45,294

74,557

当連結会計年度
自平成27年4月1日
至平成28年3月31日

舗装工事

18,416

32,247

50,664

土木工事

4,556

8,281

12,837

22,972

40,529

63,502

 

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの

    中日本高速道路㈱    新東名高速道路 秦梨トンネル他3トンネル舗装工事(愛知県) 

    本州四国連絡高速道路㈱ 平成25年度鳴門管内舗装補修他工事(兵庫県) 

    国土交通省       十日市地区道路舗装工事(青森県) 

    国土交通省       日本海沿岸東北自動車道 鶴岡地区舗装・維持補修工事(山形県)    

    国土交通省       岡南保守工事(岡山県) 

    東京都         補助313号線街路築造工事(25汐留-2)(東京都)

    国土交通省       H25・26船橋維持工事(千葉県)

当連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの

    東日本高速道路㈱     首都圏中央連絡自動車道 成田舗装工事(千葉県) 

    タイ王国運輸省道路局  タイ王国 東部外環状道路(国道9号線)改修計画(タイ王国)

      東京港埠頭㈱        平成26年度 中防外コンテナターミナルY2バースRTG走行版等製作工事

                (東京都)

       首都高速道路㈱      (修)舗装改修工事2-105(東京都)

       国土交通省       小松地区舗装工事(宮城県)

    国土交通省       総社一宮バイパス一宮舗装第2工事(岡山県)

    国土交通省        大和御所道路天理地区舗装工事(奈良県)

2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

前連結会計年度

 

 国土交通省    11,962百万円 (16.0%)

 

 

当連結会計年度

 

 国土交通省        6,678百万円 (10.5%)

 

 

④ 手持工事高(平成28年3月31日現在)

 

区分

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)


(百万円)

舗装工事

12,530

8,864

21,395

土木工事

3,431

4,077

7,508

15,962

12,941

28,904

 

(注)手持工事のうち請負金額1億円以上の主なもの

    中部国際空港㈱     南側地区エプロン整備工事(その3)(愛知県)

    西日本高速道路㈱    山陽自動車道 笠岡-河内間舗装補修工事(広島県)

    西日本高速道路㈱    松山自動車道 愛媛高速道路事務所管内舗装補修工事(愛媛県)

    東日本高速道路㈱    東北自動車道 福島管内舗装補修工事(福島県)

    国土交通省       H27・28船橋維持工事(千葉県)

    宮城県         五間堀川河川災害復旧工事(宮城県)

    東京都         大田区西蒲田二丁目2番地先から同区西蒲田一丁目3番地先間配水小管

                布設替工事(東京都)

 

(4) 当連結会計年度の製造販売事業における生産販売実績

 

 

製品生産実績

製品販売実績

 

乳剤
(千t)

合材
(千t)

砕石
(千㎥)

乳剤

合材

砕石

商品等
(百万円)

売上高

(百万円)

(千t)

(百万円)

(千t)

(百万円)

(千㎥)

(百万円)

前連結会計年度
自平成26年4月1日
至平成27年3月31日

117

1,372

382

114

11,489

1,213

11,965

424

883

14,767

39,106

当連結会計年度
自平成27年4月1日
至平成28年3月31日

104

1,213

359

105

9,370

1,083

10,506

370

746

12,461

33,084

 

(注) 1 製品生産実績には、各連結会社内の建設事業での使用数量及び連結会社間の販売数量を含んでおります。

2 製品販売実績は外部顧客に対するものであり、製造販売事業売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

3 【対処すべき課題】

今後の経済環境の見通しにつきましては、海外経済減速の影響などから企業の業況改善が一服するなかでも、政府による各種政策の推進により、個人消費やこれまで抑制してきた設備投資の顕在化が続くなど、堅調な民需に支えられた景気回復が期待されます。しかしながら、国際政治情勢、金融・商品市場の動向、又、国内事情においては、労務費、資機材価格の上昇圧力の高まり、あるいは物流費用の上昇等、当社グループを取り巻く環境は、今後も大きく変化していくことが予想されます。

このような環境のなか、当社グループのもつ高い技術力、豊富な工法、高い製品開発力を駆使し、受注確保のための技術提案力を高め、それら情報を共有化することで、グループ全体の総合力の向上に取り組みます。併せて、環境の変化に即応できる柔軟な経営体質の構築や適正な経営資源の配分により、持続的な収益力の強化に全力を尽くしていく所存であります。

なお、当社および当社関係者は、平成28年2月29日付けで、東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事に関する独占禁止法違反の容疑により、東京地方検察庁から起訴されております。

また、平成28年3月24日には、東日本高速道路株式会社関東支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立入調査を受けております。

当社は、法令遵守の徹底に努めてまいりましたが、このような事態に至りましたことは、誠に遺憾であり、株主の皆様やお取引先をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを心からお詫び申し上げます。

当社といたしましては、今回の事態を厳粛に受け止め、今後につきましても、役職員一同、法令を遵守した事業活動の実施に向けて、全力を挙げて信頼の回復に努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性に対し、発生の回避及び発生した場合は適切な対応に努めてまいります。

①官公庁工事の減少

当社グループは売上を建設市場に依存しており、建設事業は道路舗装工事を主体とし、建設材料等の製造販売においてもその需要先は公共事業関連が大半であるため、予想を上回る公共事業の削減が行われた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

②資材価格の変動(ストレートアスファルト)

当社グループの建設材料等の製造販売事業に係わる主要資材、特にストレートアスファルトの価格は、原油価格の変動に連動するため、為替の変動や世界情勢に影響されやすく、その価格の高騰を販売価格に転嫁できない場合、また建設事業において請負金額に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③取引先の信用リスク

得意先が建設事業関連業種であるため取引金額が大きく、また工事引渡し後の回収は手形によるものが多く、経営規模、経営内容も多種多様となっているため、取引に際しては事前に信用調査等により慎重かつ入念な検討を行っております。しかし経営環境の悪化により回収不能が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④資産保有リスク

全国各地に多数の事業用資産を保有しているため、営業活動の成果や不動産の時価の変動等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤借入金利の変動リスク

当社グループは、有利子負債の削減に向けて尽力しておりますが、今後金利の上昇による支払利息の増加により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥自然災害について

地震等の自然災害のような当社グループによる予測不可能な事由により、工事の中止や生産工場又は事務所等が壊滅的な損害を被った場合、売上高の低下や設備の復旧費用の発生により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦法的規制等によるリスク

建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等の関連法令による法的規制を受けており、当社グループはコンプライアンス態勢の充実に努めておりますが、法的規制による行政処分等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらの他にも様々なリスクが存在し、ここに記載されたリスクが全てのリスクではありません。

以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において判断したものであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、社会に貢献する技術・社会のニーズに資する技術の研究開発に努めています。

道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力するほか、舗装の総合的な調査・評価システムを開発し、官公庁や民間会社などの顧客に対する技術提案を行っています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。

これら研究開発にあたっては、本社技術部と技術研究所からなる技術本部が中心になり、他の事業部や施工現場と連携をとりながら、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会の要請に応え、顧客に信頼を得ることを目標に取り組んでいます。

当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は295百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難であります。

[主な研究開発]

(1)舗装材料の開発

①高耐久性・高安定性アスファルト混合物「HSアスコン」の開発

当社は、半たわみ性混合物やエポキシアスファルト混合物にも匹敵する高耐久性を有するアスファルト混合物「HSアスコン」を開発し、さらなる用途拡大に努めています。HS(High Stability)アスコンは、特殊熱可塑性樹脂とポリマーによるハイブリッド改質アスファルトをバインダーとする加熱アスファルト混合物で、通常の加熱アスファルト混合物と同様に舗設できます。荷重に対する抵抗性が極めて高いため、重交通路線や交差点付近に適用することで長寿命舗装となるほか、コンテナヤード舗装にも適しております。また耐油性にも優れるためオイル漏れによる舗装の破損を抑制できます。

使用している特殊添加剤(HS添加剤)は、植物油を主原料としており、舗装資材としては初めてのバイオマスマーク商品として(一般社団法人)日本有機資源協会(http://www.jora.jp/txt/katsudo/bm/)から認定を受けています。

②中温化改質アスファルト「ECOバインダー」の開発

当社は、わが国初めてとなるプレミックス中温化改質アスファルト「ECOバインダー」を開発しております。ECOバインダーは、アスファルト混合物の製造温度を30℃程度低減することで燃料消費量を十数%削減することを可能にし、低炭素社会の実現に貢献しております。

③ポリマー改質アスファルトの開発

アスファルトの耐久性を格段に向上させ、数多くの重交通道路に使用されているポリマー改質アスファルトのメーカーである当社は、ポーラスアスファルトの多様な選択を可能とするポリマー改質アスファルト「パーミバインダーシリーズ」の拡充に力を注いでいますが、今後も、新たな用途に適用可能なバインダーの開発を進めてまいります。

このほか、補修用材料の要求に対応して高耐久で低コストの材料の開発、予防的維持や補修工法に適用できる材料の開発を進めています。

 

④常温混合物の開発

創業当初より生産販売しているアスファルト乳剤の蓄積した技術を生かして常温混合物の研究開発に取り組んでいます。この常温混合物は、アスファルトの代わりにアスファルト乳剤を使用するため加熱を必要としないので、燃料消費によるCO2の排出量が少なく、環境にやさしい舗装材料です。離島など加熱混合物の使用が困難な箇所や長期保存性から震災時の緊急補修にも有用であり、普及が期待されます。

この他、VOC(揮発性有機物質)の少ない溶剤タイプの袋詰め常温混合物「コールド・パーミックス」も販売を開始しました。舗装に空いた小穴の補修や小規模復旧工事など、少量のアスファルト混合物が必要な箇所に使用されており、その性能の良さからホームセンター店頭での販売実績を伸ばしています。

さらに、平成27年度には容易に施工可能で耐久性の高い常温硬化型の路面補修材「ファスト・アス」の販売を開始しました。ファスト・アスは特殊骨材とアスファルト乳剤が一つのビニール袋にパッケージされ、使用時には袋の中で揉むように骨材と乳剤を混合し、袋を開封して混合材料を流し込むだけで施工が可能です。ファスト・アスは小さな段差やくぼみの修正に適した補修材料であり、使用方法が非常に簡単であることから、道路材料に不慣れな方々にも容易に扱える製品です。

⑤高耐久性道路橋床版防水工法の開発

道路橋には、雨水の浸透による床版の劣化や腐食を防止する目的で、一般的に橋面と舗装の間に防水層が施されます。当社はアスファルト防水システム「タフシャット工法」を有しており、材料の製造から防水層の施工まで一括した実施体制を整えています。近年、従来のアスファルト防水に比べ飛躍的に耐久性に優れた高機能防水工法「タフシャットS型工法」を開発し、第二東名高速道路のコンクリート橋などに適用されています。

⑥景観・体育施設用舗装の開発

歩道や自転車道のカラー舗装材として、耐摩耗性・耐久性と施工性に優れた薄層舗装材料「ニューカラーコート」を開発したほか、路面温度低減機能を付加した材料を開発するなどシリーズの拡充を行っています。また、車道に設置される自転車通行帯に用いる新しい機能を有する舗装材「CSコート」を新たに開発し、販売を開始しました。「CSコート」を施工した路面では自動車のライトをドライバーに回帰反射するので、夜間でも自転車通行帯の視認性を確保でき、自転車の安全走行に寄与できます。

(2)舗装工法の開発

①遮水型排水性舗装(POSMAC:ポスマック)の開発

排水性舗装では、浸透した雨水の影響で下地となる基層面から舗装が早期に破壊することが指摘されています。その対応として、分解剤併用型のアスファルト乳剤散布装置付きアスファルトフィニッシャを用い、特別に自社開発した高濃度改質アスファルト乳剤を舗設と同時に分解し、厚みのあるゴムアスファルト層を排水性舗装の下部に形成することにより、排水機能を確保しつつ遮水機能を向上させた表層を低コストで構築する工法「POSMAC工法」を独自開発しました。本工法は、国道や高速道路をはじめ全国の道路の補修に採用され、平成27年度末で200万㎡に達しております。

②情報化施工技術の開発

近年、情報化技術(IT)が進展し、舗装の施工管理にも生かされるようになってきました。

当社では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)や通信技術を利用したトータルステーションなどを利用した3次元マシンコントロール(3D-MC)を導入して管理精度の向上に努めるとともに、顧客への技術提案を行っています。IT施工技術で、オートステアリング技術を活用し、曲率半径40m程度の陸上競技場施設の舗設の仕上がり精度の確保が可能となっています。

 

(3)その他の研究開発

①鉄道軌道材料の開発

セメント・アスファルトモルタル(CAモルタル)は鉄道スラブ軌道の緩衝材料として新幹線の建設にも使用されており、現在建設中の北陸及び北海道新幹線の新設軌道工事においても採用されています。この技術は、台湾新幹線や一部の中国新幹線で適用されたほかアメリカ、ブラジル、インド、ベトナムなどでの高速鉄道での採用が期待されています。

②舗装管理システムの開発

公共工事の予算が減少するなかで、舗装を適切に維持管理することが重要な課題となっており、ライフサイクルコスト縮減など、経済的な管理手法が求められています。そのため、当社では路面の機能的破損状態を走行しながら自動測定できる路面性状測定車「CHASPA:キャスパ」と舗装の構造的耐久力を非破壊で測定する舗装たわみ測定装置(FWD)などで測定した舗装のデータをデータベースやマッピングシステムと組合わせることにより総合的な舗装の維持管理システム(TOA-PMMS:トーア-ピーエムエムエス)の開発を行っています。

平成23年度には、自治体道路の状況や工事履歴、苦情情報などをパソコンに登録し、舗装の効率的な維持管理に活用できるソフトウェア「TOA-PMMS-Basic」をリリースしました。また、平成24年度には、インターネットからクラウドによってTOA-PMMSの機能を利用できる「TOA-PMMS.web」をリリースしました。平成25年度には、ライフサイクルの算定システムを組み込み、長期の維持管理計画算定が可能なシステムとしました。平成26年度には、スマートフォンを活用した簡易な路面調査システムを開発し、「TOA-PMMS.web」との連動も確立しました。これらのソフトウエアは、舗装資産の効率的な維持管理に貢献するものと期待されます。

③走行中非接触給電舗装の開発

CO2ガスの発生がなく、環境に優しい電気自動車は、車両に搭載したバッテリーの容量の関係で、1回の充電で最大100km程度の走行しか出来ません。このため、電気自動車を普及促進するには充電スタンドの充実の他に、非接触で走行中に給電可能なインフラ整備が大きな鍵となります。

そこで、当社は日産自動車と共同開発の中で、電磁波を効率的に車載コイルに給電する舗装構造及び材料を開発し、試験舗装を構築して非接触給電走行の実験を実施しました。今後、実道に敷設するための技術の向上を進めてまいります。

④3次元地中探査レーダー(GeoScope)の開発

地下埋設管の老朽化を要因とする空洞陥没事故が社会問題化しています。地中探査レーダーは道路下にある地中の情報を非破壊で効率的に調査する技術です。電磁波の透過、反射、屈折現象を利用して、材質(誘電率)の異なる境界面を可視画像化します。GNSSによる位置情報と組み合わせることで、路面下の空洞、埋設管・ケーブルの位置、舗装構成などを画的に捉えることができます。また、当社の保有するFWDやボーリングマシンと併用することで、最適な舗装補修断面・補修工法を提案いたします。

さらに、橋梁においては異常箇所を非破壊で発見することも可能です。さらに、当社の所有するFWDによる調査を併用することで評価の精度を向上します。わが国では大規模更新・補修の必要な橋梁が激増すると予測されており、本技術の広範な普及が期待されます。

橋梁やトンネル、道路などの社会資本の老朽化が顕在化してきている中、日本におけるFWD調査技術のパイオニアとして当社は、今後も、舗装材料・工法・調査における技術開発を推進し、効率的な社会資本の維持管理に貢献できる技術を、迅速に提供してまいります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 資産、負債及び純資産の状況

①資産

流動資産は、現金預金及び未成工事支出金が増加したため、前連結会計年度末に比べて2.0%増加し、58,045百万円となりました。

固定資産は、有形固定資産は増加したが、退職給付に係る資産が減少したため、前連結会計年度末に比べて0.3%減少し、23,147百万円となりました。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて1.3%増加し、81,193百万円となりました。

②負債

流動負債は、支払手形・工事未払金等、短期借入金が減少したため、前連結会計年度末に比べて2.0%減少し、39,179百万円となりました。

固定負債は、繰延税金負債の減少により、前連結会計年度末に比べて6.0%減少し、7,005百万円となりました。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2.6%減少し、46,185百万円となりました。

③純資産

純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ6.9%増加し、35,008百万円となりました。

 

(2) 経営成績の分析

受注高は106,389百万円(前連結会計年度比2.1%減少)、売上高は96,586百万円(同比15.0%減少)となりました。受注高の減少の内容は、建設事業の工事受注高は増加(同比5.4%増加)したものの、製造販売・環境事業等の受注高の減少(同比15.4%減少)によるもので、売上高の減少の内容は、建設事業の完成工事高の減少(同比14.8%減少)と、製造販売・環境事業等の売上高の減少(同比15.4%減少)によるものであります。

営業損益におきましては、売上高の減少が影響して、コスト抑制に努めましたが営業利益で5,487百万円(同比0.9%減少)になりました。その内容は建設事業のセグメント利益3,121百万円(同比14.9%減少)、製造販売・環境事業等のセグメント利益3,969百万円(同比14.1%増加)、配賦不能営業経費等1,604百万円(前連結会計年度、1,610百万円)であります。

経常損益におきましては、経常利益5,412百万円(同比10.0%減少)となりました。

税金等調整前当期純利益は、東日本高速道路株式会社東北支社が発注する工事に関し、独占禁止法違反容疑により東京地方検察庁から起訴されており、かかる独占禁止法違反に関連して発生しうる課徴金等の損失について、独占禁止法関連損失引当金繰入額として382百万円を特別損失として計上していること等により、4,968百万円(同比17.5%減少)となり、法人税、住民税及び事業税は1,764百万円(同比8.8%減少)、法人税等調整額が△46百万円(同比55.1%減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,139百万円(同比23.6%減少)となりました。

これにより、1株当たり当期純利益は61.89円(前連結会計年度、81.00円)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5,252百万円増加し、14,667百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益、売上債権の減少と未成工事受入金の増加による収入が発生するなかで、未成工事支出金の増加と仕入債務の減少、法人税等の支払が支出として発生し、10,266百万円の収入(前連結会計年度3,284百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得による支出等により、2,579百万円の支出(前連結会計年度1,294百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、短期・長期借入金の返済、社債の償還、配当金の支払額もあり、2,435百万円の支出(前連結会計年度1,912百万円の支出)となりました。