当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種政策の効果もあって、景気は全般的に緩やかな回復基調が続いたものの、一方で企業収益の改善に停滞感が見られ、また、新興国経済の景気減速に加えて海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響など、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの主要事業であります道路建設業界におきましては、民間設備投資に持ち直しの動きがみられるものの、材料価格、労務費等の上昇の影響もあり、経営環境は引続き厳しい状況のもと推移いたしました。
このような状況下におきまして、当社グループの当連結会計年度の受注高は92,807百万円(前連結会計年度比12.8%減少)、売上高は99,849百万円(同比3.4%増加)となりました。
損益につきましては、営業利益は5,325百万円(同比3.0%減少)となり、経常利益は5,260百万円(同比2.8%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,987百万円(同比4.8%減少)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
①建設事業
当連結会計年度の受注高は61,261百万円(前連結会計年度比16.4%減少)となりました。また、完成工事高は68,303百万円(同比7.6%増加)となり、次期繰越高は21,861百万円(同比24.4%減少)となりました。利益面におきましてはセグメント利益は2,937百万円(同比5.9%減少)となりました。
②建設材料等の製造販売・環境事業等
当連結会計年度の売上高は31,545百万円(前連結会計年度比4.7%減少)となりました。利益面におきましては、セグメント利益は4,037百万円(同比1.7%増加)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,639百万円減少し、13,027百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、得られた資金は1,297百万円の収入(前連結会計年度10,266百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益4,826百万円、減価償却費1,918百万円、未成工事支出金の減少額2,675百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額3,035百万円、未成工事受入金の減少額1,551百万円、法人税等の支払額2,418百万円などであります。
投資活動の結果、使用した資金は1,905百万円の支出(前連結会計年度2,579百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,835百万円などであります。
財務活動の結果、使用した資金は1,031百万円の支出(前連結会計年度2,435百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額507百万円、短期借入金の減少額196百万円などであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 (百万円) |
当連結会計年度 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 (百万円) |
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建設事業 |
73,305 |
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61,261 |
(16.4%減) |
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製造販売・環境事業等 |
33,084 |
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31,545 |
( 4.7%減) |
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計 |
106,389 |
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92,807 |
(12.8%減) |
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(注)1 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2 ( )内は前年同期比であります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 (百万円) |
当連結会計年度 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 (百万円) |
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建設事業 |
63,502 |
|
68,303 |
( 7.6%増) |
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製造販売・環境事業等 |
33,084 |
|
31,545 |
( 4.7%減) |
||
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計 |
96,586 |
|
99,849 |
( 3.4%増) |
||
(注)1 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2 ( )内は前年同期比であります。
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期別 |
工事別 |
前期繰越工事高 |
当期受注工事高 |
計 |
当期完成工事高 |
次期繰越工事高 |
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前連結会計年度 |
舗装工事 |
12,822 |
59,237 |
72,059 |
50,664 |
21,395 |
|
土木工事 |
6,278 |
14,068 |
20,346 |
12,837 |
7,508 |
|
|
計 |
19,100 |
73,305 |
92,406 |
63,502 |
28,904 |
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|
当連結会計年度 |
舗装工事 |
21,395 |
47,915 |
69,310 |
50,768 |
18,542 |
|
土木工事 |
7,508 |
13,345 |
20,854 |
17,535 |
3,318 |
|
|
計 |
28,904 |
61,261 |
90,165 |
68,303 |
21,861 |
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更に請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
工事の受注方法は、特命発注と競争入札に大別されます。
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期別 |
区分 |
特命 |
競争 |
計 |
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前連結会計年度 |
舗装工事 |
60.3 |
39.7 |
100.0 |
|
土木工事 |
68.5 |
31.5 |
100.0 |
|
|
計 |
61.8 |
38.2 |
100.0 |
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当連結会計年度 |
舗装工事 |
60.8 |
39.2 |
100.0 |
|
土木工事 |
85.2 |
14.8 |
100.0 |
|
|
計 |
66.2 |
33.8 |
100.0 |
(注) 百分比は受注金額比であります。
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期別 |
区分 |
官公庁 |
民間 |
計 |
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前連結会計年度 |
舗装工事 |
18,416 |
32,247 |
50,664 |
|
土木工事 |
4,556 |
8,281 |
12,837 |
|
|
計 |
22,972 |
40,529 |
63,502 |
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当連結会計年度 |
舗装工事 |
18,810 |
31,957 |
50,768 |
|
土木工事 |
5,338 |
12,197 |
17,535 |
|
|
計 |
24,149 |
44,154 |
68,303 |
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの
東日本高速道路㈱ 首都圏中央連絡自動車道 成田舗装工事(千葉県)
タイ王国運輸省道路局 タイ王国 東部外環状道路(国道9号線)改修計画(タイ王国)
東京港埠頭㈱ 平成26年度 中防外コンテナターミナルY2バースRTG走行版等製作工事
(東京都)
首都高速道路㈱ (修)舗装改修工事2-105(東京都)
国土交通省 小松地区舗装工事(宮城県)
国土交通省 総社一宮バイパス一宮舗装第2工事(岡山県)
国土交通省 大和御所道路天理地区舗装工事(奈良県)
当連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの
西日本高速道路㈱ 山陽自動車道笠岡-河内間舗装補修工事(広島県)
中部国際空港㈱ 南側地区エプロン整備工事(その3)(愛知県)
東日本高速道路㈱ 東北自動車道 福島管内舗装補修工事(福島県)
国土交通省 H27・28船橋維持工事(千葉県)
東京都 大田区西蒲田二丁目2番地先から同区西蒲田一丁目3番地先間
配水小間布設替工事(東京都)
塩釜市役所 27-復・交 新浜地区漁業集落防災機能強化(その1)工事(宮城県)
草津市役所 草津川跡地整備工事(区間5)(滋賀県)
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度
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国土交通省 6,678百万円 (10.5%) |
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当連結会計年度 |
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国土交通省 9,272百万円 (13.6%) |
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区分 |
官公庁 |
民間 |
計 |
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舗装工事 |
12,478 |
6,064 |
18,542 |
|
土木工事 |
68 |
3,250 |
3,318 |
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計 |
12,546 |
9,314 |
21,861 |
(注)手持工事のうち請負金額1億円以上の主なもの
西日本高速道路㈱ 九州自動車道 嘉島JCT-松橋IC間舗装震災復旧工事(熊本県)
西日本高速道路㈱ 高松自動車道 鳴門舗装工事(徳島県)
西日本高速道路㈱ 長崎自動車道 久留米高速道路事務所管内工事(福岡県)
中日本高速道路㈱ 東名高速道路 浜松管内舗装補修工事(平成28年度)(静岡県)
首都高速道路㈱ (高負)YK41工区他高架下舗装他工事(神奈川県)
国土交通省 堤下地区舗装工事(福島県)
国土交通省 庄司渕トンネル舗装工事(福島県)
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製品生産実績 |
製品販売実績 |
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||||||||
|
乳剤 |
合材 |
砕石 |
乳剤 |
合材 |
砕石 |
商品等 |
売上高 |
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(千t) |
(百万円) |
(千t) |
(百万円) |
(千㎥) |
(百万円) |
||||||
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前連結会計年度 |
104 |
1,213 |
359 |
105 |
9,370 |
1,083 |
10,506 |
370 |
746 |
12,461 |
33,084 |
|
当連結会計年度 |
106 |
1,206 |
285 |
108 |
8,695 |
1,151 |
10,973 |
372 |
690 |
11,185 |
31,545 |
(注) 1 製品生産実績には、各連結会社内の建設事業での使用数量及び連結会社間の販売数量を含んでおります。
2 製品販売実績は外部顧客に対するものであり、製造販売事業売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
今後の経済環境の見通しにつきましては、政府の各種経済対策の推進等により、雇用・所得環境が引き続き改善し、民需を中心とした穏やかな景気回復が期待されます。しかしながら海外政治・経済情勢の不透明感から、下振れリスクは依然大きく、また、国内事情におきましては、企業間の熾烈な受注競争、労務需要や原材料価格等の動向に注意を要するなど、当社グループを取り巻く環境は、先行きの不透明な状況が続くものと予想されます。
このような環境のなか、当社グループのもつ高い技術力、豊富な工法、高い製品開発力を駆使し、様々な施策を行い、また、異業種交流などを通じ、外部の技術、ノウハウを取り入れていくことで、組織力・技術開発力を高め、それら情報を共有化することで、受注確保につなげるべくグループ全体の総合力の向上に取り組みます。併せて、環境の変化に即応できる柔軟な経営体質の構築や適正な経営資源の配分、さらにリスク管理能力を高めることにより、持続的な収益力の強化に全力を尽くしていく所存でございます。
これらの方針に基づく諸施策の着実な実施により、次期の業績予想につきましては、売上高105,000百万円、営業利益5,600百万円、経常利益5,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,400百万円を見込んでおります。
当社は東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装復旧工事の入札に関する独占禁止法違反行為、および東日本高速道路株式会社関東支社が発注する東日本大震災に係る舗装復旧工事の入札に関する独占禁止法違反行為により、平成28年12月22日に国土交通省関東地方整備局より、平成29年1月6日から平成29年3月21日までの75日間、建設業法に基づく営業停止処分を受けております。
なお、平成28年8月2日には、東京都、東京港埠頭株式会社若しくは成田国際空港株式会社が発注する舗装工事又は国土交通省が発注する東京国際空港に係る舗装工事の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立ち入り検査を受けております。
平成29年2月28日には、全国におけるアスファルト合材の販売価格に関する独占禁止法違反の疑いで、公正取引委員会の立入検査をうけております。また、当社は、平成29年3月期第2四半期の決算手続きにおいて、不適切な会計処理が行われたと疑われる事象が判明したため、社外有識者を入れた調査委員会を設置いたしました。調査委員会の調査報告における指摘事項および提言を真摯に受け止め再発防止対策の策定を行い、内部管理体制の強化に鋭意取り組んでおります。
当社といたしましては、この度の事態を厳粛かつ真摯に受け止め関係当局による調査等について全面的な協力を継続するとともに、独占禁止法その他の関連法令および企業倫理を遵守した事業活動の推進に向け、全社をあげて取り組み、早期の信頼回復に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性に対し、発生の回避及び発生した場合は適切な対応に努めてまいります。
①官公庁工事の減少
当社グループは売上を建設市場に依存しており、建設事業は道路舗装工事を主体とし、建設材料等の製造販売においてもその需要先は公共事業関連が大半であるため、予想を上回る公共事業の削減が行われた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
②資材価格の変動(ストレートアスファルト)
当社グループの建設材料等の製造販売事業に係わる主要資材、特にストレートアスファルトの価格は、原油価格の変動に連動するため、為替の変動や世界情勢に影響されやすく、その価格の高騰を販売価格に転嫁できない場合、また建設事業において請負金額に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③取引先の信用リスク
得意先が建設事業関連業種であるため取引金額が大きく、また工事引渡し後の回収は手形によるものが多く、経営規模、経営内容も多種多様となっているため、取引に際しては事前に信用調査等により慎重かつ入念な検討を行っております。しかし経営環境の悪化により回収不能が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④資産保有リスク
全国各地に多数の事業用資産を保有しているため、営業活動の成果や不動産の時価の変動等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤借入金利の変動リスク
当社グループは、有利子負債の削減に向けて尽力しておりますが、今後金利の上昇による支払利息の増加により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥自然災害について
地震等の自然災害のような当社グループによる予測不可能な事由により、工事の中止や生産工場又は事務所等が壊滅的な損害を被った場合、売上高の低下や設備の復旧費用の発生により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦法的規制等によるリスク
建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等の関連法令による法的規制を受けており、当社グループはコンプライアンス態勢の充実に努めておりますが、法的規制による行政処分等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおきましては、役員および従業員一同、法令遵守の徹底に努めておりますが、平成28年8月2日に東京都、東京港埠頭株式会社若しくは成田国際空港株式会社が発注する舗装工事又は国土交通省が発注する東京国際空港に係る舗装工事について、平成29年2月28日には全国におけるアスファルト合材の販売価格に関する独占禁止法違反の疑いで、公正取引委員会の立入検査を受けており、今後行政処分等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの他にも様々なリスクが存在し、ここに記載されたリスクが全てのリスクではありません。
以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において判断したものであります。
該当事項はありません。
当社は、技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つとして認識し、社会に貢献する技術・社会のニーズに資する技術の研究開発に努めています。
道路舗装を中心とした新材料・新工法の開発に注力するほか、舗装の総合的な調査・評価システムを開発し、官公庁や民間会社などの顧客に対する技術提案を行っています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究を行い、その成果は新材料・新工法の開発や特許の取得などに反映するとともに内外の学術会議で発表するなど情報発信に努めています。
これら研究開発にあたっては、本社技術部・技術推進部と技術研究所からなる技術本部が中心になり、他の事業部や施工現場と連携をとりながら、環境負荷低減、耐久性の向上、コスト縮減、安全性の向上など社会の要請に応え、顧客に信頼を得ることを目標に取り組んでいます。
当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は304百万円でありますが、当社での研究開発は、建設事業と、建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて研究開発を行っているため、その内容をセグメント別に分類することは困難であります。
[主な研究開発]
(1)舗装材料の開発
①高耐久性・高安定性アスファルト混合物「HSアスコン」の開発
当社は、半たわみ性混合物やエポキシアスファルト混合物にも匹敵する高耐久性を有するアスファルト混合物「HSアスコン」を開発し、さらなる用途拡大に努めています。HS(High Stability)アスコンは、特殊熱可塑性樹脂(HS添加剤)とポリマーによるハイブリッド改質アスファルトをバインダーとする加熱アスファルト混合物で、通常の加熱アスファルト混合物と同様に舗設できます。荷重に対する抵抗性が極めて高いため、重交通路線や交差点付近に適用することで長寿命舗装となるほか、コンテナヤード舗装にも適しております。また耐油性にも優れるためオイル漏れによる舗装の破損を抑制できます。
使用している特殊添加剤は、植物油を主原料としており、舗装資材としては初めてのバイオマスマーク商品として一般社団法人日本有機資源協会(http://www.jora.jp/txt/katsudo/bm/)から認定を受けています。
②中温化改質アスファルト「ECOバインダー」の開発
当社は、わが国で初めてプレミックス中温化改質アスファルト「ECOバインダー」を開発しております。ECOバインダーは、アスファルト混合物の製造温度を30℃程度低減することで燃料消費量を十数%削減を可能にし、低炭素社会の実現に貢献しております。
③ポリマー改質アスファルトの開発
アスファルトの耐久性を格段に向上させ、多くの重交通道路に使用されているポリマー改質アスファルトのメーカーである当社は、ポーラスアスファルトの多様な選択を可能とするポリマー改質アスファルト「パーミバインダーシリーズ」の拡充に力を注いでおり、今後も、新たな用途に適用可能なバインダーの開発を進めてまいります。
このほか、舗装材料の多様な要求に対応して高耐久で低コストの材料の開発、予防的維持や補修工法に適用できる材料の開発を進めています。
④タイヤ付着抑制機能と急速分解性機能を併せ持つタックコートの開発
表層と基層などのアスファルト混合物の層間にはタックコートと呼ばれるアスファルト乳剤を散布します。上層の舗設は下層に散布したタックコートの水が蒸発するまで出来ないため、寒冷期などは養生に長時間を要すことや、養生中の降雨によりタックコートが流出するなどの問題がありました。
そこで、特殊ディストリビュータによりアスファルト乳剤と分解材を同時に散布し、アスファルト乳剤中のアスファルトと水を強制的に分離(分解)させ、早期に上層の施工を可能とするタックコート「タックファインSQ」を開発しました。タックファインSQは従来のタックコートの分解時間を1/10程度に短縮するとともに、タイヤ付着抑制機能を併せ持つことから、舗装工事の効率化に寄与します。
⑤常温混合物の開発
創業当初より生産販売しているアスファルト乳剤の蓄積した技術を生かして常温混合物の研究開発に取り組んでいます。この常温混合物は、アスファルトの代わりにアスファルト乳剤を使用するため加熱を必要としないので、燃料消費によるCO2の排出量が少なく、環境にやさしい舗装材料です。離島など加熱混合物の使用が困難な箇所や長期保存性から震災時の緊急補修にも有用であり、普及が期待されます。
この他、VOC(揮発性有機物質)の少ない溶剤タイプの袋詰め常温混合物「コールド・パーミックス」は舗装に空いた小穴の補修や小規模復旧工事など、少量のアスファルト混合物が必要な箇所に使用されており、その性能の良さからホームセンター店頭での販売実績を伸ばしています。
さらに、平成27年度には容易に施工可能で耐久性の高い常温硬化型の路面補修材「ファスト・アス」の販売を開始しました。ファスト・アスは特殊骨材とアスファルト乳剤が一つのビニール袋にパッケージされ、使用時には骨材と乳剤を袋の中で混合した材料を開封後流し込むだけで施工を可能とし、そのユニークな特性が評価され平成28年度に「グッドデザイン賞2016」を受賞しました。ファスト・アスは小さな段差やくぼみの修正に適した補修材料であり、使用方法が非常に簡単であることから、道路材料に不慣れな方々にも容易に扱える製品です。
⑥高耐久性道路橋床版防水工法の開発
道路橋には、雨水の浸透による床版の劣化や腐食を防止する目的で、一般的に橋面と舗装の間に防水層が施されます。当社はアスファルト防水システム「タフシャット工法」を有しており、材料の製造から防水層の施工まで一括した実施体制を整えています。近年、従来のアスファルト防水に比べ飛躍的に耐久性に優れた高機能防水工法「タフシャットS型工法」を開発し、第二東名高速道路のコンクリート橋などに適用されています。
⑦景観・体育施設用舗装の開発
歩道や自転車道のカラー舗装材として、耐摩耗性・耐久性と施工性に優れた薄層舗装材料「ニューカラーコート」を開発し、路面温度低減機能を付加した材料を開発するなどシリーズの拡充を行っています。また、車道に設置される自転車通行帯に用いる舗装材として、自動車のライトをドライバーに回帰反射し自転車の安全性を向上する「CSコート」を新たに開発しました。
平成28年度には、すべり止め効果を有する水性アクリル塗料「EGカラー」を開発し、販売を開始しました。
(2)舗装工法の開発
①遮水型排水性舗装(POSMAC:ポスマック)の開発
排水性舗装では、浸透した雨水の影響で下地となる基層面から舗装が早期に破壊することが指摘されています。その対応として、分解剤併用型のアスファルト乳剤散布装置付きアスファルトフィニッシャを用い、特別に自社開発した高濃度改質アスファルト乳剤を舗設と同時に分解し、厚みのあるゴムアスファルト層を排水性舗装の下部に形成することにより、排水機能を確保しつつ遮水機能を向上させた表層を低コストで構築する工法「POSMAC工法」を独自開発しました。本工法は、国道や高速道路をはじめ全国の道路の補修に採用され、平成28年度末で210万㎡に達しております。
②情報化施工技術の開発およびICTへの取り組み
近年、情報化技術(IT)が進展し、舗装の施工管理にも生かされるようになってきました。
当社では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)や通信技術を利用したトータルステーションなどを利用した3次元マシンコントロール(3D-MC)を導入して管理精度の向上に努めるとともに、顧客への技術提案を行っています。IT施工技術で、オートステアリング技術を活用し、曲率半径40m程度の陸上競技場施設の舗設で精度の高い仕上がりを確保しました。
さらに、情報通信技術を活用し生産性の向上を図るため、UAVやレーザスキャナによる3次元測量やICT建機といったi-constructionについても技術の習得・システムの開発を行い、舗装への適用を推進していきます。
(3)その他の研究開発
①鉄道軌道材料の開発
セメント・アスファルトモルタル(CAモルタル)は鉄道スラブ軌道の緩衝材料として新幹線の建設にも使用されており、現在建設中の北陸及び北海道新幹線の新設軌道工事においても採用されています。この技術は、台湾新幹線や一部の中国新幹線で適用されたほかアメリカ、ブラジル、インド、ベトナムなどでの高速鉄道での採用が期待されています。
②舗装管理システムの開発
公共工事の予算が減少するなかで、舗装を適切に維持管理することが重要な課題となっており、ライフサイクルコスト縮減など、経済的な管理手法が求められています。そのため、当社では路面の機能的破損状態を走行しながら自動測定できる路面性状測定車「CHASPA:キャスパ」と舗装の構造的耐久力を非破壊で測定する舗装たわみ測定装置(FWD)などで測定した舗装のデータをデータベースやマッピングシステムと組合わせることにより総合的な舗装の維持管理システム(TOA-PMMS:トーア-ピーエムエムエス)の開発を行っています。
平成24年度には、インターネットからクラウドによってTOA-PMMSの機能を利用できる「TOA-PMMS.web」をリリースしました。平成25年度には、ライフサイクルの算定システムを組み込み、長期の維持管理計画算定が可能なシステムとしました。平成26年度には、スマートフォンを活用した簡易な路面調査システムを開発し、「TOA-PMMS.web」との連動も確立しました。これらのソフトウエアは、舗装資産の効率的な維持管理に貢献するものと期待されます。
③走行中非接触給電舗装の開発
CO2ガスの発生がなく環境に優しい電気自動車は、車両に搭載したバッテリーの容量により1回の充電で最大200km程度しか走行出来ない現状にあります。このため、電気自動車の普及促進には充電スタンドの充実の他に、走行中に非接触で給電可能なインフラ整備が大きな鍵となります。
当社は過去日産自動車との共同開発の中で、電磁波を効率的に車載コイルに給電する舗装構造及び材料を開発し、試験舗装を構築して非接触給電走行の実験を行い、その可能性を確認しました。今後も、走行中非接触給電舗装の実用化を目指し、舗装材料の開発を進めてまいります。
④3次元地中探査レーダー(GeoScope)の開発
地下埋設管の老朽化を要因とする空洞陥没事故が社会問題化しています。地中探査レーダーは道路下にある地中の情報を非破壊で効率的に調査する技術です。電磁波の透過、反射、屈折現象を利用して、材質(誘電率)の異なる境界面を可視画像化します。GNSSによる位置情報と組み合わせることで、路面下の空洞、埋設管・ケーブルの位置、舗装構成などを画的に捉えることができます。また、当社の保有するFWDやボーリングマシンと併用することで、最適な舗装補修断面・補修工法を提案いたします。
地中探査レーダーを橋梁調査に用いることにより異常箇所を非破壊で発見することも可能です。さらに、当社の所有するFWDによる調査を併用することで評価の精度を向上します。わが国では大規模更新・補修の必要な橋梁が激増すると予測されており、本技術の広範な普及が期待されます。
橋梁やトンネル、道路などの社会資本の老朽化が顕在化してきている中、当社はわが国におけるFWD調査のパイオニアとして、今後も、舗装材料・工法・調査における技術開発を推進し、効率的な社会資本の維持管理に貢献できる技術を、迅速に提供してまいります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2.5%減少し、56,576百万円となりました。これは、主として受取手形・完成工事未収入金等が3,035百万円増加した一方、現金預金が1,639百万円、未成工事支出金が2,675百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1.2%増加し、23,422百万円となりました。これは、投資有価証券257百万円、退職給付に係る資産が109百万円増加したことなどによるものです。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1.5%減少し、79,998百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ10.3%減少し、35,151百万円となりました。これは主として支払手形・工事未払金が1,490百万円、未成工事受入金が1,551百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ0.8%減少し、6,948百万円となりました。これは主としてリース債務の減少などによるものです。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて8.8%減少し、42,100百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8.3%増加し、37,897百万円となりました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益の確保などにより利益剰余金が2,480百万円増加したことなどによるものです。
受注高は92,807百万円(前連結会計年度比12.8%減少)、売上高は99,849百万円(同比3.4%増加)となりました。受注高の減少の内容は、独占禁止法違反による行政処分の影響による建設事業の工事受注高の減少(同比16.4%減少)が大きく、製造販売・環境事業等の受注高も減少(同比4.7%減少)いたしました。売上高の増加の内容は、建設事業の完成工事高が前年度からの繰越工事が多かったため増加(同比7.6%増加)したことによります。製造販売・環境事業等の売上高は減少(同比4.7%減少)いたしました。
営業損益におきましては、売上高は増加いたしましたが、工事部門の利益率の低下により営業利益で5,325百万円(同比3.0%減少)になりました。その内容は建設事業のセグメント利益2,937百万円(同比5.9%減少)、製造販売・環境事業等のセグメント利益4,037百万円(同比1.7%増加)、配賦不能営業経費等1,649百万円(前連結会計年度、1,604百万円)であります。
経常損益におきましては、経常利益5,260百万円(同比2.8%減少)となりました。
税金等調整前当期純利益は、当社は、東京都、東京港埠頭株式会社若しくは成田国際空港株式会社が発注する舗装工事又は国土交通省が発注する東京国際空港舗装工事に関し、独占禁止法違反の疑いにより公正取引委員会の立入検査を受けており、かかる独占禁止法違反に関連して発生しうる課徴金等の損失について、独占禁止法関連損失引当金繰入額として396百万円を特別損失として計上していること等により、4,826百万円(同比2.8%減少)となり、法人税、住民税及び事業税は1,543百万円(同比12.5%減少)、法人税等調整額が143百万円(前連結会計年度△46百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,987百万円(同比4.8%減少)となりました。
これにより、1株当たり当期純利益は58.90円(前連結会計年度、61.89円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,639百万円減少し、13,027百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益、減価償却費、未成工事支出金の減少による収入が発生するなかで、売上債権の増加、未成工事受入金の減少、法人税等の支払が支出として発生し、1,297百万円の収入(前連結会計年度10,266百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得による支出等により、1,905百万円の支出(前連結会計年度2,579百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、短期・長期借入金の返済、配当金の支払もあり、1,031百万円の支出(前連結会計年度2,435百万円の支出)となりました。