第2【事業の状況】

  「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の日本経済は、原油安や低金利など、良好な企業経営環境の持続や設備投資の持ち直しを背景に、緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の主要事業である建設業界の経営環境におきましては、政府建設投資が前年度から減少傾向にありますが、引き続き20兆円を上回る水準となる見通しで推移しました。

このような状況下、当社グループは受注機会の増大のため積算・提案等の総合力強化を図ってまいりました結果、工事受注高は1,203億1千6百万円(前連結会計年度比0.5%増)、工事売上高は1,112億8千3百万円(同12.6%減)となり、製品等を含めた総売上高につきましては1,417億8千3百万円(同10.9%減)となりました。

利益につきましては、建設事業における施工力の強化と、製造・販売事業における適正販売価格の維持と事業規模確保に努めるとともに、徹底したコストダウンと顧客満足度の向上に取り組んでまいりましたが、売上総利益は191億1千5百万円(同4.8%減)、営業利益は98億7千8百万円(同9.9%減)、経常利益は97億4千8百万円(同16.0%減)となりました。独占禁止法関連損失引当金繰入額14億2千万円を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は49億6百万円(同32.1%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。)

(建設事業)

当社グループの主要部門であり、完成工事高は1,113億6千3百万円(前連結会計年度比12.6%減)、営業利益は66億9千8百万円(同22.1%減)となりました。

(製造・販売事業)

売上高は308億9千8百万円(同11.2%減)、営業利益は61億6千万円(同17.0%増)となりました。

(賃貸事業)

売上高は57億8千万円(同0.4%減)、営業利益は2億6千万円(同24.7%増)となりました

(その他)

売上高は30億5千2百万円(同61.1%増)、営業損失は3百万円(前連結会計年度は1億5千5百万円の営業利益)となりました

 

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より10億5千7百万円資金が増加し、346億9千8百万円(前連結会計年度末は336億4千1百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、78億2千3百万円(前連結会計年度は72億5千8百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上等により118億7千8百万円の増加となったものの、法人税等の支払により40億6千万円の減少となったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、42億3千4百万円(同46億5千7百万円の減少)となりました。主な要因は、製造・販売拠点の拡充更新に伴う有形固定資産の取得等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、23億8千7百万円(同14億6千6百万円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 平成26年4月1日
 至 平成27年3月31日)

当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
 至 平成28年3月31日)

建設事業(百万円)

119,690

(1.4%減)

120,316

(0.5%増)

(2) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 平成26年4月1日
 至 平成27年3月31日)

当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
 至 平成28年3月31日)

建設事業(百万円)

127,362

(3.0%増)

111,283

(12.6%減)

製造・販売事業(百万円)

25,337

(9.7%減)

23,053

(9.0%減)

賃貸事業(百万円)

4,929

(11.1%増)

4,852

(1.6%減)

その他(百万円)

1,425

(13.3%増)

2,594

(82.0%増)

合計(百万円)

159,054

(1.0%増)

141,783

(10.9%減)

(注)1.当社グループでは建設事業以外の受注実績はグループ各社の受注概念が異なるため記載しておりません。

2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

4.(  )内は、前連結会計年度比であります。

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

①受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工種別

前期繰越

 工事高

(百万円)

当期受注

 工事高

(百万円)


(百万円)

当期完成

 工事高

(百万円)

次期繰越

 工事高

(百万円)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

アスファルト舗装工事

29,969

76,708

106,677

84,799

21,878

セメント・

コンクリート舗装工事

3,639

2,989

6,628

4,846

1,782

土木工事

7,941

24,502

32,444

23,079

9,364

建築工事

306

968

1,275

1,204

70

41,857

105,169

147,026

113,929

33,096

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

アスファルト舗装工事

21,878

74,782

96,661

68,164

28,497

セメント・

コンクリート舗装工事

1,782

2,212

3,994

3,146

848

土木工事

9,364

29,969

39,334

25,746

13,588

建築工事

70

529

600

498

102

33,096

107,493

140,590

97,554

43,036

 (注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

②受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

工種別

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

アスファルト舗装工事

72.0

28.0

100

セメント・コンクリート舗装工事

64.8

35.2

100

土木工事

67.1

32.9

100

建築工事

100.0

100

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

アスファルト舗装工事

71.2

28.8

100

セメント・コンクリート舗装工事

62.0

38.0

100

土木工事

74.8

25.2

100

建築工事

100.0

100

 (注)百分率は請負金額比であります。

③完成工事高

期別

工種別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

アスファルト舗装工事

42,009

42,790

84,799

セメント・コンクリート舗装工事

4,139

706

4,846

土木工事

4,353

18,725

23,079

建築工事

1,204

1,204

50,502

63,426

113,929

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

アスファルト舗装工事

24,580

43,583

68,164

セメント・コンクリート舗装工事

1,978

1,167

3,146

土木工事

5,099

20,646

25,746

建築工事

498

498

31,658

65,896

97,554

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度

発注者

工事名

国土交通省 北海道開発局

新千歳空港 A滑走路舗装改良工事

防衛省 中国四国防衛局

岩国飛行場(H23)駐機場(A)舗装工事

中日本高速道路㈱

舞鶴若狭自動車道 三方IC~敦賀JCT間舗装工事

学校法人 須賀学園

(仮称)須賀学園教育会館サッカー場人工芝工事

本田技研工業㈱

特殊路コースの新設工事

 

当事業年度

発注者

工事名

国土交通省 中部地方整備局

平成27年度 1号笹原山中BP西地区舗装工事

いわき市

いわき平競輪場競走路舗装改修工事

新関西国際空港㈱

大阪国際空港A誘導路等改良工事

中日本高速道路㈱

首都圏中央連絡自動車道 寒川北IC~海老名JCT間舗装工事

センコー㈱

(仮称)センコー株式会社千葉支店 新千葉バルクターミナル新築工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

期別

相手先

金額(百万円)

完成工事高総額に対する割合(%)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

国土交通省

14,274

12.5

清水建設㈱

13,873

12.2

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

国土交通省

10,880

11.2

清水建設㈱

15,960

16.4

 

④次期繰越工事高(平成28年3月31日現在)

工種別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

アスファルト舗装工事

14,504

13,992

28,497

セメント・コンクリート舗装工事

596

252

848

土木工事

1,828

11,759

13,588

建築工事

102

102

16,930

26,106

43,036

 (注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。

発注者

工事名

完成予定年月

国土交通省 関東地方整備局

百里飛行場エプロン舗装等工事

平成28年8月

岩手県

宮古港藤原地区野積場舗装復旧その6工事

平成29年3月

西日本高速道路㈱

中国自動車道(特定更新等)

高田IC~広島北JCT間舗装補修工事

平成30年2月

学校法人 桐蔭学園

学校法人桐蔭学園 多目的運動施設新設計画

平成29年7月

㈱ショーワ

塩谷PG第二期建設工事

平成29年9月

 

製造・販売事業におけるアスファルト合材等製品の販売状況

期別

アスファルト合材

アスファルト乳剤

その他売上高

(百万円)

売上高合計

(百万円)

売上数量(t)

売上高

(百万円)

売上数量(t)

売上高

(百万円)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

2,159,606

21,459

1,758

188

3,908

25,556

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

2,010,357

19,715

1,589

183

3,825

23,725

 (注)その他売上高は、砕石等の販売、機械の賃貸等の売上高であります。

不動産事業の状況

期別

宅地売上高
(百万円)

不動産賃貸収入
(百万円)

合計
(百万円)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

175

104

280

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

1,289

101

1,391

 

3【対処すべき課題】

当社グループの主要事業は舗装工事を中心とした建設事業であり、環境変化が激しい中、各地域の実状に即したエリア戦略を策定し、市場競争力の強化を図っていくことが重要課題であると認識しております。また、建設関連企業との技術・業務提携を通じて相乗効果を発揮し、さらには企業の成長戦略としての合併・統合にも前向きに取り組むべきであると考えております。

 

(1) 法令順守の徹底について

 当社は、平成27年1月に公正取引委員会の犯則調査を受け、東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札に関し、独占禁止法違反の容疑により、平成28年2月29日に東京地方検察庁から起訴され、同年3月に東日本高速道路株式会社はじめその他の発注機関より指名停止措置を受けております。

 また、平成28年3月24日に東日本高速道路株式会社関東支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札に関して独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けました。

 当社といたしましては、平成27年1月に公正取引委員会による調査を受けてからこれまでの間、関係当局による捜査等に全面的に協力するとともに、独占禁止法順守に係わる社内調査、社内体制の見直し、教育研修活動に努めてまいりました。また、平成28年4月26日開催の取締役会におきまして、談合と決別することを決議いたしました。今後につきましても、さらに独占禁止法その他の関係法令を順守した事業活動の推進に向け、全社をあげて取り組んでまいります。

(2) 国土強靭化に係る防災・減災対策活動

 国土強靭化に係る防災・減災対策活動について、被災地の復興支援と大規模災害等から国民の生命・身体及び財産を守り、国民生活及び国民経済に及ぼす影響の最小化を図る建設事業を通じて社会的な役割を果たし、CSR経営の名に恥じない企業活動を実践してまいります。

(3) 2020年東京五輪開催準備に向けた対応

 2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の施設整備に向けて、本社に「東京オリンピック対策部会」を設置し、工事消化体制を強化するため、施工拠点・宿舎整備等に着手しており、今後は協力会社との連携など施工体制の強化策を推進してまいります。

(4) 建設事業

 2016年度経営基本方針の重点実施事項として、一切の談合と決別し、他社と差別化をする新たな営業展開を図ります。そして、地域の特性に対応した営業戦略を立案、実行し民間営業を強化します。人材育成については特に力をいれ職員の教育指導を実施し技術の伝承に取り組んでまいります。

 また、人命尊重を最優先に安全第一主義を徹底し、「良い仕事」をすることに徹して、企業価値を高める施策を確実に推進してまいります。徹底した三現主義(現場・現物・現実を診る)による問題点の先取り、工事品質向上のための技術パトロール、国土交通省が展開するi-コンストラクションの推進、労働災害の撲滅、戦略的な施工機械の設備投資推進を重点課題として取り組んでまいります。

 さらに環境にやさしい社会の実現に寄与するよう継続的な改善を図ってまいります。

(5) 製造・販売事業

 製造・販売拠点のエリア戦略の展開と攻めの営業活動を推進し、エリア毎のシェア拡大を図ります。また、製品の品質保証ネットワークを構築し、プラント・技術センター・支店・本社が協力して、より良い品質の製品を提供することにより、顧客満足度の向上を図ります。

 また、都市部での拠点増設、地方部での拠点再配置を進めるとともに、省エネルギーや省資源・安全環境対策につながる技術開発と設備投資を実施してまいります。

(6) 海外事業

 日系企業の投資意欲が盛んな東南アジア地域を見据え、現地法人を設置しているタイ・マレーシアを中核拠点に、日系企業、現地優良企業からの工事受注に努めるとともに、新拠点のミャンマーをはじめとした周辺国のODAなどの国際入札案件にも積極的に取り組み、受注拡大を図っていきます。また、海外事業展開を見据えた人材育成の強化と、現地スタッフのレベルアップに努めながら、現地法人のローカル化を図り収益体制を強固なものにしてまいります。

(7) グループ事業

 グループ関係会社の収益力強化と成長力底上げを実現するため、営業所・合材センター・建設関連会社の連携を図るとともに、内部統制体制とIT整備による効率化を進めるなど、グループ支援体制の強化を図ってまいります。

(8) CSR経営

 当社グループでは、「CSR」とは、経営理念を踏まえ誠実に経営を進め、本業を通じて社会に貢献し、企業の存在価値を高めていくプロセスであると考えております。安全衛生・品質・環境の3つのマネジメントシステムの実行とその基盤となる内部統制の強化、コンプライアンスの徹底、情報セキュリティの順守によってCSR経営を推進しております。そして、「すべてのステークホルダーから『高い信頼を得る企業』」を目指し、社会の視点に立った、柔軟で創造的な企業風土を醸成し、当社グループの新たな成長を実現させてまいります。

 

4【事業等のリスク】

企業の事業遂行上においてはさまざまなリスクが存在しますが、当社グループは、これらリスクの発生防止、分散、あるいはリスクヘッジによりリスクの合理的な軽減を図っております。ただし、予想を超える以下のような事態が生じた場合には経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 官公庁工事減少のリスク

建設事業及びこれに関連する建設用資材の製造・販売事業は、公共投資の動向に大きく影響を受けます。厳しい経営環境の中、業績の確保に努めておりますが、官公庁発注建設工事の事業量が予想以上に縮減された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 資金調達環境変動のリスク

製造・販売事業において拠点の協業化を推進するとともに、賃貸事業も広く展開しております。運転資金の調達については、取引銀行2行と43億円の貸出コミットメント契約(借入実行残高なし)を締結し、また、当社グループの運転資金としてシンジケートローンの活用等、経常運転資金確保策を実施しております。しかし、今後、製造・販売事業のさらなる協業化に伴う設備の増強及び賃貸事業拡大に伴い、キャッシュ・フローの範囲に収まらず、有利子負債による追加的資金調達が必要になった場合、また、市場金利が大幅に変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 資材価格変動のリスク

建設事業及び製造・販売事業において、アスファルト合材の主要材料であるアスファルト及びその製造燃料である重油等の価格変動を、製品販売価格、請負代金に転嫁させることができない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 取引先の信用リスク

グループ全体で経営の多角化を実施しており、その取引先は多岐にわたっております。取引に際しては、与信・債権管理を徹底し、信用リスクの軽減に努めておりますが、急激な事業環境の変化により取引先に信用不安が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法的規制のリスク

事業を遂行するにあたり、建設業法、廃棄物処理法、建設リサイクル法、独占禁止法等により法的規制を受けており、順法を周知徹底、実行、管理しておりますが、法律の改廃、新設、適用基準の変更等によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、法令順守の徹底に努めておりますが、それにもかかわらず、なお、当社グループの役員または従業員による法令違反行為があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 自然災害のリスク

当社グループの事業所及び製造販売拠点周辺で地震や大規模な自然災害等が発生し、生産設備等に被害を受けた場合、設備復旧のための費用、生産停止による販売機会逸失等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) カントリーリスク

東南アジア地域を中心に海外事業を展開しておりますが、当該国の政治・経済・社会状況の不安定化や混乱及び予期しない法律・規制の変更等によって事業投資における資金回収が困難になった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社は、技術部、技術研究所を主体として、高度化、多様化する社会的ニーズに応えるべく技術開発活動を行っております。

 また、国土交通省等の官公庁や異業種等の民間企業との共同研究開発にも積極的に取り組んでおります。

 当連結会計年度における研究開発費は4億5千2百万円でありますが、当社における研究開発は建設事業及び製造・販売事業が密接に関連しており、セグメント別に区分することが困難であります。

 なお、連結子会社においては、研究開発活動は行っておりません。

 当連結会計年度における研究開発活動の概要は次のとおりであります。

 

(1)環境に優しい技術開発

 アスファルト混合物の再生骨材の使用量を増加させるために有効な添加剤の開発やアスファルト混合物の製造温度を低減させCO2排出量を削減する添加剤「セミホットサポート」の開発を行っております。また、ヒートアイランド現象の抑制対策舗装である遮熱性舗装「シャットファルト」、保水性舗装「クールファルト」、保水性に優れると同時に景観形成にも寄与できる保水性ブロック舗装「レインボーエコロブロックBiz」についても施工実績を重ねている他、管理型海面廃棄物処理場建設技術などに取り組んでおります。

 

(2)道路ストックの効率的補修に資する技術開発

 増加する道路ストックの効率的維持補修技術として、舗装のリフレッシュ、延命化を図る表面処理工法として、交通量の多い路線や駐車場などに適用できる「リフレッシュシールMix-H」を開発し、好評を得て施工量を増やしております。

 

(3)舗装の長寿命に資する技術開発

 長寿命化、ライフサイクルコスト低減に寄与する技術開発として、耐久性に優れ、バス停、物流拠点に適用できる「スーパーEpoアスコン」を開発し、施工実績を伸ばしております。この他、長寿命舗装として採用の増加が見込まれるコンクリート舗装の施工機械について施工効率・施工精度の向上に資する各種機械の開発、改良を進めております。

 

(4)施工の省力化・高度化に資する技術開発

 IT(情報技術)を利用して、舗装施工機械をコントロールする情報化施工についてより一層の省力化、高度化を図っております。路盤工、アスファルト舗装工、コンクリート舗装工への適用に加え斜面舗装工などの情報化施工にも取り組んでおります。

 

(5)共同研究開発による技術開発

 新たな分野として異業種との連携による発電舗装、オリンピック・パラリンピックオフィシャルスポンサー等と連携した沿道の猛暑対策技術の開発、化学メーカーと協力した高耐久舗装、アスファルトに代わる非石油系バインダによる舗装など長期的な視野に立った開発にも取り組んでおります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価、見直しを行っておりますが、急激な環境の変化等により、実際の結果は見積りと異なることがあります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

①資産の部

当連結会計年度の資産合計は、1,426億9千8百万円(前連結会計年度比25億3千3百万円減、1.7%減)、流動資産は1,056億2千3百万円(同36億8千万円減、3.4%減)、固定資産は370億7千4百万円(同11億4千7百万円増、3.2%増)となりました。

主な要因は、現金預金が30億5千7百万円、未成工事支出金が8億4千6百万円、事務所及び合材センター設備の更新等で有形固定資産が5億4千万円増加したものの、受取手形・完成工事未収入金等が46億6千2百万円減少したことによります。

②負債の部

当連結会計年度の負債合計は、680億8千8百万円(同54億3千2百万円減、7.4%減)、流動負債は614億7千1百万円(同1億7千4百万円減、0.3%減)、固定負債は66億1千7百万円(同52億5千8百万円減、44.3%減)となりました。

主な要因は、独占禁止法関連損失引当金14億2千万円を計上したものの、支払手形・工事未払金等が23億5千2百万円、未払金が29億7千3百万円減少したことによります。

③純資産の部

当連結会計年度の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が26億9千5百万円増加したこと等により、746億9百万円となりました。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

①受注高

当連結会計年度の工事受注高は1,203億1千6百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。主に当社工事受注高が23億2千4百万円増加し、1,074億9千3百万円(同2.2%増)となったことによります。

②売上高

当連結会計年度の総売上高は1,417億8千3百万円(同10.9%減)となりました。

建設事業は、主に当社完成工事高が163億7千5百万円減少し975億5千4百万円(同14.4%減)となったことにより、連結で1,112億8千3百万円(同12.6%減)となりました。

製造・販売事業は230億5千3百万円(同9.0%減)、賃貸事業は48億5千2百万円(同1.6%減)、その他は25億9千4百万円(同82.0%増)となりました。

③営業利益

当連結会計年度の営業利益は98億7千8百万円(同9.9%減)となりました。

建設事業における施工力の強化と、製造・販売事業において、適正販売価格の維持、事業規模確保、徹底したコストダウン及び顧客満足度向上に取り組んでまいりましたが、売上総利益は191億1千5百万円(同4.8%減)となりました。販売費及び一般管理費は92億3千7百万円(同1.3%増)となりました。

④経常利益

当連結会計年度の経常利益は97億4千8万円(同16.0%減)となりました。

営業外収益は、為替差益が3億6千2百万円減少したこと等により3億4千6百万円(同51.9%減)となりました。

営業外費用は、為替差損を4億1千8百万円計上したこと等により4億7千6百万円(同607.5%増)となりました。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は49億6百万円(同32.1%減)となりました。

特別利益は、固定資産売却益の計上により2千2百万円(同50.1%減)となりました。

特別損失は、独占禁止法関連損失引当金繰入額14億2千万円を計上したこと等により15億6千5百万円(同588.8%増)となりました。

税金費用は、課税所得の減少により32億6千7百万円(同21.5%減)となりました。

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

①新中期経営5ヶ年計画

各機関の長期予想により、我が国は2025年以降に急速な高齢化と人口減少が進み、生産労働不足や地方の衰退など、社会のひずみや長期的な課題が明らかになりました。他方、東南アジアを中心とする世界経済のダイナミックな変化も見えてまいりました。

そこで当社グループは、この社会の変革に対処すべく従来の経営計画NVPを改め、新たに期間を5年間として、中長期的視点を持った「新中期経営計画」を2015年8月に策定いたしました

「新中期経営計画」が目指すものとして

(1)従業員を大切にする会社

(2)道路建設を通じて社会に貢献する

(3)コーポレートガバナンスを充実させる

以上を掲げ、ゴールである2019年度の経営数値目標を以下のように策定しました。

総 売 上 高        1,760億円

経 常 利 益         110億円

親会社株主に帰属する当期純利益  70億円

ROE(自己資本利益率)8%、配当性向30%を目標数値とする。

また、当社グループは、具体的に下記の7項目の成長戦略を掲げました。

(1)工事事業戦略

(2)製販事業戦略

(3)海外事業戦略

(4)グループ事業戦略

(5)新規事業戦略(PPP/PFI事業・新規事業)

(6)IT投資戦略

(7)組織・人材開発投資戦略

この新中期経営5ヶ年計画の期間にこそ、生産性向上を通して収益力をアップさせ、利益を生み出す会社作りを目指します。また、積極的な設備投資、新規事業投資や研究開発を実施して、次の5ヶ年計画につながるよう市場変化に柔軟に対応すると共に、労働環境を整備し人材育成や施工体制の強化を図ってまいります

②設備投資計画

合材製造設備においては、協業化によるアスファルト合材製造拠点の全国展開・シェア拡大のため、中間処理(リサイクル)施設について環境に配慮した最新鋭設備への更新及び能力増強を中心とした設備投資を実施し、高品質、安価な製品を供給してまいります。また施工用機械関連については、マシンコントロールや出来形管理を中心にICT(情報通信技術)の一般化・実用化を推進し、さらなる充実を図ってまいります。

(平成28年度実施ベースでは個別37億円、連結50億円を投資予定)

③技術研究開発

重点的な技術研究開発の方向性としては、「低コスト技術」、「高耐久化技術」と「高付加価値技術」をテーマに推進してまいります。主として、社会資本ストックの更新時代に向けた舗装維持修繕技術の充実、ライフサイクルコストの低減技術の確立、低炭素社会に向けた環境対策技術の高度化への取り組み等を中心に、幅広いニーズに的確に対応してまいります。

④新規事業展開

当社グループでは新規事業として、環境、都市再生、防災、少子高齢化社会対応などの有望分野を中心に、展開してまいります。各分野での工事施工面を中心としたハード分野に限らず、インフラメンテナンスとしての道路等包括管理委託業務や国内外のPPP(官民連携)事業など、建設業におけるソフト分野の市場もターゲットにしてまいります