「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)が判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、道づくりのエキスパートとして歩んできた90余年にわたる建設技術をベースに、時代の変化や環境の変化に速やかに対応するため、「社是・社訓」に「スピードと徹底」を加え、「経営理念」のもと、「経営ビジョン」「経営基本方針」を掲げ、顧客満足度向上のための「道づくり」に誠実に取り組んでまいります。
《社是》
「創意研鑽」「協調親和」「信用高揚」
《社訓》
|
一、 |
創意を活かし |
技術の向上と業務の改善に努めよう |
|
一、 |
責任を自覚し |
緻密な計画と果断な実行に徹しよう |
|
一、 |
誠意を尽くし |
相互の協調と秩序の確立に努めよう |
|
一、 |
身心を健全にし |
明朗な職場と幸福な家庭を築こう |
|
一、 |
社業に専念し |
会社の繁栄を通じて社会に貢献しよう |
〔スピードと徹底〕
|
《経営理念》 |
|
|
CSR経営を推進することによって、社会から信頼され、存続を望まれる企業になるとともに、持続可能な社会づくりに貢献する |
|
|
|
|
|
《経営ビジョン》 |
|
|
「従業員を大切にする会社」 |
|
|
「道路建設を通じて社会に貢献する」 |
|
|
「コーポレートガバナンスの充実」 |
|
|
|
|
|
《経営基本方針》 |
|
|
スピードと徹底を合言葉に、揺るぎない技術力で |
|
|
「道づくり」「街づくり」に貢献するSDGs企業を目指す |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
(2) 経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①目標とする経営指標
当社グループは2019年5月に、当面5年間の基本方針と重点戦略を取り纏めた「中期経営計画2019(2019~2023年度)」を策定しました。
《日本道路グループを取り巻く事業環境》
1)経営戦略
当社グループの経営指標としては、収益の確保を確実なものにして、事業効率向上と株主価値の最大化を図るため、営業利益率を向上させることが企業価値の増大に繋がるものと考えております。
そのために、IT施工活用拡大による徹底した効率化、施工体制強化、技術系職員に対する技術・施工管理教育の強化により、工事利益率を向上させるとともに、組織のスリム化、機構改革、既存業務見直し、基幹システム更新により、人材を管理部門から生産部門へシフトすることで販管費を削減し、営業利益率を向上してまいります。
2)事業環境
東京オリンピック・パラリンピック、大阪・関西万博の開催もあり、維持補修工事は一定量あるものの、今後は官庁工事の発注量が右肩上がりに伸びていく時代ではなく、今後建設事業案件が集中する都市部を中心に、民間受注を拡大していく計画としております。
3)顧客動向
中央官庁の主要得意先となる国土交通省については、自然災害に対する国土強靭化の推進、また老朽・消耗によるインフラ機能維持投資により、今後も道路事業に対し一定量が発注されると考えております。
高速道路各社については、災害時の代替道路としての高速道路車線拡幅事業、また高速道路としての乗り心地維持のための舗装補修工事が今後も一定量が発注されると考えております。
民間市場については、2020年度迄は東京オリンピック・パラリンピック関連事業に牽引されてきましたが、今後も都市部の再開発、大阪・関西万博、IR関連の大型投資、また物流ネットワーク強化を目的とした拠点開発事業等があり、都市部を中心に成長が望めると考えております。
4)競合他社の状況
道路舗装業界は、中小事業者を含め市場には多くの競合が存在します。その中で、当社グループは大手道路舗装会社として、揺るぎない「技術力」で「道づくり」「街づくり」を通して「サステナブルな社会づくりに貢献するSDGs企業」を目指してまいります。
5)中期経営計画2019における重要課題
|
①民間受注の拡大 |
②営業利益率の向上 |
③働き方改革の推進 |
|
④安全衛生目標の設定 |
⑤環境目標の設定 |
⑥コンプライアンスの徹底 |
6)中期経営計画2019における成長投資方針
手元資金をベースに、安定的な経営基盤構築のため、成長分野に対し優先順位をつけ、スピード感を持って設備投資を実行してまいります。
2019~2023年(5ヵ年累計) 400億円
(内訳)
①建設事業投資 100億円
②製造・販売事業拠点整備投資 240億円
③営業拠点環境整備投資 40億円
④システム等情報投資 20億円
7)中期経営計画2019の目標(連結)
(単位:億円)
|
|
2019年度 |
2020年度 |
2023年度 |
|
|
実績 |
目標 |
目標 |
||
|
建設事業受注高 |
1,263 |
1,270 |
1,370 |
・ROE 6.7% ・配当性向 30.0% |
|
建設事業売上高 |
1,202 |
1,225 |
1,330 |
|
|
製造・販売事業売上高 |
209 |
215 |
235 |
|
|
その他売上高 |
74 |
70 |
75 |
|
|
総売上高 |
1,486 |
1,510 |
1,640 |
|
|
営業利益 |
75 |
80 |
100 |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
67 |
54 |
65 |
|
②設備投資計画
「中期経営計画2019」の成長投資方針に則り、建設事業投資、製造・販売事業拠点整備投資、営業拠点環境整備投資、システム等情報投資を実行してまいります。(2020年度実施ベースでは連結57億円を投資予定)
③技術研究開発
技術研究開発は、膨大な舗装ストックに対応した調査診断技術、低コストな維持メンテナンス技術とライフサイクルコスト低減に資する高耐久舗装技術の充実を推進してまいります。また、モビリティーイノベーションへの対応技術、ICT、IoTの活用による工事品質・生産性の向上、工事の安全対策、労働環境改善等の技術開発を中心に、幅広いニーズに的確に対応した研究開発を進めてまいります。
(3) 経営環境
当社グループの主要事業は舗装工事を中心とした建設事業であり、環境変化が激しい中、揺るぎない技術力をもって、都市型・地方型等各地域の実状に即したエリア戦略を策定し、市場競争力の強化を図っていくことが重要課題であると認識しております。また、当社グループである地域舗装会社との協働を通じて相乗効果を発揮し、さらには企業の成長戦略としてのM&Aにも前向きに取り組むべきであると考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は、2020年度第2四半期以降、地域及び業種の違いはあるものの、国内の経済活動は徐々に回復すると見込んでおります。
当社グループとしては、民間の得意先の設備投資実施時期の延期が想定され、工事受注時期が期首計画より遅れることが懸念されますが、期首から官庁工事を確実に受注し、手持工事量を確保するよう対応します。また、当社は期首時点で手持工事は64,331百万円(前事業年度比10.2%増)と例年に比べ多額であり、当社支店間及びグループ会社間で手持工事の工程等を調整することにより工事消化が順調に進むよう計画しております。
主要事業である舗装工事、土木工事の施工現場は概ね屋外で、「密閉空間」「密集場所」「密接場面」(3密)にはなりにくい状況であり、さらに感染防止策を徹底することにより、新型コロナウイルス感染拡大に対処してまいります。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が長期間に及んだ場合には、2021年度以降の経営計画、中期経営計画について見直しが必要となる場合があるので、動向には注視してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①企業倫理・法令順守の徹底について
当社は、全国において供給するアスファルト合材の販売価格に関する独占禁止法違反により、2019年7月30日に公正取引委員会から課徴金納付命令を受けました。このことを踏まえ、これまでの独占禁止法違反事件から得た教訓を風化させることなく確実に未来に繋げていくために、2019年8月9日開催の取締役会において、毎年7月30日を当社グループの「コンプライアンスの日」と定め、コンプライアンス活動の継続的徹底を図ることを決議しました。
(業務リスク管理体制の整備)
内部統制システム及びコンプライアンスを主管する業務リスク管理部を置き、各事業所を網羅した業務リスク管理体制を整備し、コンプライアンスの維持管理状況をモニタリングしています。2018年4月より、各支店に「支店業務リスク管理委員会」、各事業所に「業務リスク連絡会」を設け、法令順守をさらに徹底する体制を構築しています。
(内部通報窓口の整備)
社内窓口である「コンプライアンス相談窓口」、社外の専門会社による「日本道路企業倫理の窓口」、監査役が直接通報を受ける「監査役直通窓口」を設け、社内外から広く情報を募ることとしています。
(適正な受注活動のための業務運用方法の改善)
以下の通り、恒常的に受注活動の検証を行っています。
・同業者との接触における禁止事項の明示、同業者との打ち合わせなどの事前審査・結果確認
・営業職員の行動記録の報告書の確認
・公共入札に関する社内協議記録の整備・監査
・公共入札に関するモニタリングシステムの導入
(職員の意識改革の徹底と研修の強化)
2015年には、外部講師による独占禁止法の講習会を職域・階層別に実施した他、小冊子「独占禁止法順守の手引」を全役職員に配布し、独自に製作した映像教材を用いた勉強会を実施しました。2016年には、全職員が独占禁止法順守のe-ラーニング講座を受講しました。毎年定期的に開催する工事、製造・販売などの部門ごとの部長会議・所長会議では、コンプライアンス研修の時間を設けています。また、業務リスク管理担当者などを対象とした研修などを通じて、意識の啓発を図っています。
(社内監査・第三者監査の実施)
当社では、独占禁止法順守のための法務監査を毎年実施しており、業務リスク管理部が、各支店の支店長、営業部長、製販部長へのヒアリング並びに営業担当者の営業記録、同業者との打ち合わせ報告書、受注検討会資料、教育訓練記録などの閲覧を行い、他の事業者と共同することなく自主的に営業活動を行っていることを確認しています。また、2019年度からは、独占禁止法の順守状況を監視するために、第三者による定期的な監査も併せて実施しています。
(適切な組織・人事管理)
所属長、事業所長の定期的な人事異動を実施している他、独占禁止法違反を懲戒該当事項として就業規則に明記し、処分の厳格化を周知しています。
(役員事業所巡回会議の実施)
当社グループでは、従来より社長が年2回各支店を回り、「社長巡回会議」を開催し、独占禁止法違反に関して法令順守やコンプライアンスの徹底、労働環境改善など全社で取り組むべき課題について説明を行ってきました。
2019年度は、より多くの当社グループ職員を対象としたく、各取締役が手分けをして全国で43回「役員事業所巡回会議」を開催し、建設事業部門、製造・販売事業部門、地域舗装会社の多くの役職員が参加しました。従業員一人ひとりが求められている課題を理解し、毎日の業務の中で今年度の取り組みが組織の最前線まで浸透、促進できるようにしています。
②働き方改革の取り組み
当社は、従来より「従業員を大切にする会社」を経営ビジョンとして掲げ、従業員一人ひとりが「自身の人生を豊かに楽しく!」を実感できるよう、ワークライフバランスの充実を図る取り組みを続けております。持続可能な発展を目指すために、年間休日取得目標を定め、女性活躍推進、外国人の受入推進、障がい者雇用の推進を含めた人材確保・育成に取り組むとともに、情報化施工による工事現場での生産性の向上やモバイルパソコン、タブレット端末を導入し、業務の効率化等の施策と併せて、グループ一丸となって働き方改革をさらに推進してまいります。
③建設事業
重点実施事項としてエリア環境に適合した営業活動を実践し、受注を拡大します。得意先に対しての提案営業を強化し、スピードと攻めの姿勢に徹した民間営業を展開してまいります。人材育成については特に力を入れ若手技術者のスキルアップのための教育指導を強化し、技術の伝承に取り組んでまいります。
また、人命尊重を最優先に安全第一主義を徹底し、「質の高い仕事」をすることに徹して、企業価値を高める施策を確実に推進してまいります。中・小規模工事での情報化施工、ICTの活用度を高め、災害や事故の発生を抑止するとともに品質向上、コストダウンによる収益率の向上を目指します。業務改善による“働き方改革”を加速し、従業員に対し技術面、管理面の意識を高める指導を行うことにより次世代の担い手づくりを進めてまいります。
④製造・販売事業
製造・販売拠点のエリア戦略を展開し、エリア毎のシェア拡大を図ります。製品の品質保証ネットワークを構築し、合材センター・技術センター・支店・本社が一体となり、より良い品質の製品を提供することにより、顧客満足度の向上を図ってまいります。
また、都市部での拠点増設、地方部での効率化に繋がる統廃合・他社との共同企業体編成による拠点再配置を進めるとともに、コストダウン、省エネルギーや省資源化も進めてまいります。安全環境対策についても、効果的な技術開発と設備投資を引き続き実施してまいります。
⑤海外事業
成長拡大の余地があり、投資意欲も盛んな東南アジア地域において、当社は30余年の経験を有しており、現地法人を開設しているタイ・マレーシア並びに当社が拠点を有するミャンマーを中核拠点に、東南アジア地域へ進出している日系企業及び現地優良企業からの工事受注拡大を図ります。また、地域内で増大している交通インフラ需要(空港・道路・港湾・鉄道)に対する案件にも積極的に取り組んでまいります。
さらに、将来の収益源となる事業として、薄層・改質・排水性・再生等のアスファルト合材製造・販売事業に取り組むとともに、海外事業展開のための人材育成を強化します。現地法人においては、現地雇用職員のレベルアップに努め、ローカル化を一層推進し収益体制を強固なものにしてまいります。
⑥グループ事業
グループ会社の経営環境に応じたエリア戦略の実行による事業領域拡大、収益力強化と成長力底上げを実現するため、営業所・合材センター・地域舗装会社の連携を図るとともに、内部統制体制とICT環境の整備による効率化を進め、グループ支援体制の強化を図ってまいります。
⑦CSR経営
当社グループでは、「CSR」とは、経営理念を踏まえ誠実に経営を進め、本業を通じて社会に貢献し、企業の存在価値を高めていくプロセスであると考えております。社会や環境の変化に速やかに対応できるよう『スピードと徹底』を基本方針として、安全衛生・品質・環境の3つのマネジメントシステムの実行とその基盤となる内部統制の強化、コンプライアンスの徹底、情報セキュリティの確保によってCSR経営を推進しております。そして、「すべてのステークホルダーから『高い信頼を得る企業』」を目指し、社会の視点に立った、柔軟で創造的な企業風土を醸成し、SDGsの2030年のゴールに向けてサステナブルな社会づくりに貢献する企業として進化し続けることを当社グループ一丸となって目指してまいります。
⑧新型コロナウイルス感染拡大について
新型コロナウイルス感染症が世界的な流行となる中、当社グループでは全事業所の従業員を対象にテレワーク・時差出勤・直行直帰等を実行し、従業員の安全・健康の確保と感染の防止に努めております。
また、現在継続中の工事においては、緊急事態宣言発令後、政府・各自治体の方針を踏まえ、発注者と協議を行い、工事継続の可否を慎重に判断しております。
新型コロナウイルス感染拡大が日本経済に与える影響はリーマンショックを凌ぐと言われており、当社グループにおいても、企業の設備投資意欲の低下による影響を注視し、また下請協力会社の経営状況にも配慮していく必要があると考えております。資金繰りについては、自己資金、金融機関からの借入金の他、従来から金融機関とコミットメントライン契約の締結及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達方法を確保しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(特に重要なリスク)
(1) 自然災害、感染症の感染拡大によるリスク(事業継続計画の観点)
当社グループの事業所及び製造・販売拠点周辺で自然災害(地震、津波、洪水、暴風雨等)や感染症の感染拡大(新型コロナウイルス、新型インフルエンザ等)が発生し、人的被害や生産設備等に物的被害が生じた場合、業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、順守すべき事項をBCP(事業継続計画)に定め、工事現場及び製造拠点における非常時の初動対応、安否確認方法、対策本部の設置と役割等について明記し、自然災害や感染症の感染拡大時に適切な対応が取れる仕組みを構築しております。また、人的、物的被害の発生を防ぎ、万一被害が発生した場合も被害を最小限に抑えるために、計画的な設備投資の実施や定期的な防災訓練の実施等の対策をとっております。そして、地域や事業に応じたBCP(事業継続計画)を策定しており、自然災害や感染症の感染拡大時にも重要な事業を継続し、早期に事業再開が可能となる体制を構築しております。
(2) 新型コロナウイルス感染症による民間受注が減少するリスク
当社グループは、中期経営計画2019の重要課題として民間受注の拡大を挙げております。新型コロナウイルス感染拡大による日本経済の先行き不透明感は、民間設備投資意欲の低下による延期又は中止、そして民間受注の減少となり、業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、国土交通省・NEXCOなど主要得意先の案件に対し、技術提案等の技術評価点の向上を行いながら、官庁工事受注の確保に取り組み、業績に与える影響を最小限に留めるよう努めております。
(3) 法的規制のリスク
当社グループは、事業の遂行にあたって、建設業法、廃棄物処理法、建設リサイクル法、独占禁止法、環境諸法令等により法的規制の適用を受けており、また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けております。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反する行為があった場合には、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁により、ステークホルダーの皆様の信頼を失墜し、業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、業務リスク管理体制を整備すると共に、「コンプライアンス基本理念・指針」を制定し、これに基づく従業員の教育研修等を通じたコンプライアンスの推進により、従業員の法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めております。
(重要なリスク)
(4) 官公庁工事減少のリスク
当社グループの建設事業及びこれに関連する建設用資材の製造・販売事業は、公共投資の動向に大きく影響を受けます。厳しい経営環境の中、業績の確保に努めていますが、官公庁発注建設工事の事業量が予想以上に縮減された場合や、官庁工事の入札地域要件がさらに強化された場合、業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、民間受注を確保するために、民間の得意先に対する提案型営業をさらに強化し、公共投資削減による受注金額の減少を最小限に留めるよう努めております。
(5) 会計上の見積り前提変動のリスク
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたって、工事進行基準の適用、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度等に関して見積りを行っております。これらの見積りは、将来に関する一定の前提に基づいて作成しており、国内外の経済活動に多大な影響を与える可能性のある自然災害、感染症の感染拡大等予期せぬ事象の発生により、その前提と大きく異なった場合、業績に負の影響を与える可能性があります。
当該リスクへの対応については、会計上見積り時に、入手可能な情報に基づき合理的な金額を算出するよう努めております。
(6) 資金調達環境変動のリスク
製造・販売事業において拠点の増設・再設置を推進するとともに、賃貸事業も広く展開しております。今後、製造・販売事業の設備の増強及び賃貸事業拡大に伴い、キャッシュ・フローの範囲に収まらず、有利子負債による追加的資金調達が必要になった場合、また、市場金利が大幅に変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金の調達については、金融機関より経常運転資金の確保を実施する他、従来から取引銀行2行と43億円の貸出コミットメント契約(借入実行残高なし)の締結及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達の方法を確保しております。
(7) 資材価格変動のリスク
当社グループの建設事業及び製造・販売事業において、アスファルト合材の主要材料であるアスファルト及びその製造燃料である重油等の価格変動を、製品販売価格、請負代金に転嫁させることができない場合、業績に負の影響を与える可能性があります。
価格変動の理由は、需給バランスの他、投機的要因、地政学的要因、パンデミック等要因は様々で想定が困難ですが、調達専門部署による購買対策の推進、早期の製品販売価格への転嫁等により影響を最小限に留めるよう努めております。
(8) 取引先の信用リスク
当社グループ全体で経営の多角化を実施しており、その取引先は多岐にわたっております。急激な事業環境の変化により取引先に信用不安が発生した場合、業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、取引に際しての与信・債権管理を徹底し、信用リスクの軽減に努めております。
(9) カントリーリスク
当社グループは、東南アジア地域を中心に海外事業を展開していますが、当該国の政治・経済・社会状況の不安定化や混乱及び予期しない法律・規制の変更等によって事業投資における資金回収が困難になった場合、業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、顧客との契約条件において、不可抗力条項等を設定するなどの対策を講じ、また情報収集等によりリスクの低減に努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、雇用情勢・所得環境の改善傾向が持続したものの、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減や大型台風の襲来など相次ぐ自然災害の影響により、高水準を維持しつつも一進一退で推移しましたが、年明けから新型コロナウイルス感染拡大により先行き不透明な状況となりました。
当社グループの主要事業である建設業界においては、政府建設投資が引き続き20兆円を上回る水準を維持し、民間建設投資も人手不足や働き方改革への対応等を背景とした省力化投資等を中心に増加基調が持続しました。
このような状況下、当社グループは、官庁工事は総合評価向上による受注確保、民間工事は安定成長実現に向けグループ一体となったエリア戦略による受注拡大に注力し、工事受注高は前年同等の126,322百万円(前連結会計年度比0.6%減)、工事売上高は120,250百万円(同1.6%増)、製品等を含めた総売上高については148,699百万円(同1.6%増)となりました。
利益については、建設事業において工事売上高の増加に伴い利益が増加したものの、製造・販売事業において原材料価格の上昇等により利益が減少したこと等により、売上総利益は15,867百万円(同0.7%減)、営業利益は7,515百万円(同3.2%減)、経常利益は7,853百万円(同3.8%減)となりました。また、独占禁止法関連損失引当金戻入額1,661百万円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は6,792百万円(同49.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。(セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。)
(建設事業)
当社グループの主要部門であり、売上高は120,263百万円(同1.6%増)、営業利益は6,365百万円(同0.5%増)となりました。
(製造・販売事業)
売上高は29,107百万円(同2.2%増)、営業利益は3,361百万円(同8.6%減)となりました。
(賃貸事業)
売上高は6,511百万円(同1.1%増)、営業利益は364百万円(同3.9%増)となりました。
(その他)
売上高は2,828百万円(同21.9%増)、営業利益は389百万円(同10.8%増)となりました。
また、当連結会計年度の財政状態は、次のとおりです。
(資産の部)
当連結会計年度の資産合計は、145,974百万円(同5,367百万円減、3.5%減)、流動資産は104,690百万円(同6,914百万円減、6.2%減)、固定資産は41,284百万円(同1,547百万円増、3.9%増)となりました。
主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が5,652百万円減少し、新規合材プラントの建設等により有形固定資産が2,278百万円増加したことによります。
(負債の部)
当連結会計年度の負債合計は、60,487百万円(同9,851百万円減、14.0%減)、流動負債は49,538百万円(同10,640百万円減、17.7%減)、固定負債は10,949百万円(同788百万円増、7.8%増)となりました。
主な要因は、電子記録債務が3,962百万円及び独占禁止法関連損失引当金が5,162百万円減少したことによります。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産合計は、85,486百万円(同4,483百万円増、5.5%増)となりました。
主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を6,792百万円計上し、株主配当金1,758百万円を支払ったことによります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況については、営業活動により4,922百万円資金が増加し、投資活動により5,171百万円、財務活動により1,760百万円それぞれ資金が減少しました。
その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,008百万円減少し35,052百万円(前連結会計年度末は37,061百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益9,377百万円の計上及び独占禁止法関連損失引当金5,162百万円の減少等により4,922百万円の資金増加(前連結会計年度は4,393百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
製造・販売拠点の拡充更新に伴う有形固定資産の取得等により5,171百万円の資金減少(同4,619百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払等により1,760百万円の資金減少(同1,320百万円の減少)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(a) 受注実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
建設事業(百万円) |
127,024 |
(4.8%増) |
126,322 |
(0.6%減) |
(b) 売上実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
建設事業(百万円) |
118,307 |
(6.3%増) |
120,250 |
(1.6%増) |
|
製造・販売事業(百万円) |
20,719 |
(5.9%減) |
20,955 |
(1.1%増) |
|
賃貸事業(百万円) |
5,427 |
(7.0%減) |
5,493 |
(1.2%増) |
|
その他(百万円) |
1,840 |
(16.1%増) |
2,000 |
(8.7%増) |
|
合計(百万円) |
146,294 |
(4.0%増) |
148,699 |
(1.6%増) |
(注)1.当社グループでは建設事業以外の受注実績はグループ各社の受注概念が異なるため記載しておりません。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3.セグメント間の取引については相殺消去しております。
4.( )内は、前連結会計年度比です。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況
受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
工種別 |
前期繰越 工事高 (百万円) |
当期受注 工事高 (百万円) |
計 |
当期完成 工事高 (百万円) |
次期繰越 工事高 (百万円) |
|
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
舗装工事 |
37,578 |
78,840 |
116,419 |
71,632 |
44,786 |
|
土木工事 |
12,258 |
30,344 |
42,602 |
29,145 |
13,457 |
|
|
建築工事 |
185 |
796 |
982 |
831 |
150 |
|
|
計 |
50,022 |
109,981 |
160,004 |
101,609 |
58,395 |
|
|
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
舗装工事 |
44,786 |
74,123 |
118,910 |
74,264 |
44,645 |
|
土木工事 |
13,457 |
35,521 |
48,979 |
29,582 |
19,396 |
|
|
建築工事 |
150 |
1,029 |
1,180 |
891 |
289 |
|
|
計 |
58,395 |
110,674 |
169,070 |
104,738 |
64,331 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
工種別 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
舗装工事 |
68.1 |
31.9 |
100 |
|
土木工事 |
70.4 |
29.6 |
100 |
|
|
建築工事 |
100.0 |
- |
100 |
|
|
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
舗装工事 |
70.7 |
29.3 |
100 |
|
土木工事 |
82.3 |
17.7 |
100 |
|
|
建築工事 |
100.0 |
- |
100 |
(注)百分率は請負金額比です。
完成工事高
|
期別 |
工種別 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
舗装工事 |
32,028 |
39,603 |
71,632 |
|
土木工事 |
3,466 |
25,678 |
29,145 |
|
|
建築工事 |
0 |
830 |
831 |
|
|
計 |
35,496 |
66,112 |
101,609 |
|
|
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
舗装工事 |
29,865 |
44,399 |
74,264 |
|
土木工事 |
2,893 |
26,688 |
29,582 |
|
|
建築工事 |
0 |
891 |
891 |
|
|
計 |
32,759 |
71,979 |
104,738 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
|
発注者 |
工事名 |
|
国土交通省 東北地方整備局 |
国道45号外 甲子地区舗装工事 |
|
国土交通省 北海道開発局 |
新千歳空港 国際線エプロン外工事 |
|
佐世保市 |
佐世保競輪場走路改修工事 |
|
西日本高速道路㈱ |
高松自動車道 板野舗装工事 |
|
清水建設㈱ |
六甲バター神戸新工場 外構一式工事 |
当事業年度
|
発注者 |
工事名 |
|
国土交通省 関東地方整備局 |
東京国際空港B滑走路取付誘導路他舗装等工事 |
|
国土交通省 東北地方整備局 |
柏木平地区舗装工事 |
|
西日本高速道路㈱ |
長崎自動車道 長崎舗装工事 |
|
関西エアポート㈱ |
大阪国際空港C3C4W8誘導路改修工事 |
|
清水建設㈱ |
群馬県コンベンション施設整備事業 会議・展示施設建設 建築工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
|
期別 |
相手先 |
金額(百万円) |
完成工事高総額に対する割合(%) |
|
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
国土交通省 |
12,463 |
12.3 |
|
清水建設㈱ |
13,131 |
12.9 |
|
|
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
清水建設㈱ |
16,406 |
15.7 |
次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
|
工種別 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
舗装工事 |
28,022 |
16,622 |
44,645 |
|
土木工事 |
1,951 |
17,445 |
19,396 |
|
建築工事 |
- |
289 |
289 |
|
計 |
29,973 |
34,357 |
64,331 |
(注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
|
発注者 |
工事名 |
完成予定年月 |
|
国土交通省 関東地方整備局 |
交通安全環境研究所自動車試験場走行路(19)舗装改修工事 |
2021年3月 |
|
国土交通省 四国地方整備局 |
平成31-32年度 新猪ノ鼻トンネル舗装(香川工区)工事 |
2020年10月 |
|
西日本高速道路㈱ |
令和元年度 山陽自動車道 福山高速道路事務所管内舗装補修工事 |
2022年10月 |
|
首都高速道路㈱ |
(修)舗装改修工事2019-3-1 |
2021年2月 |
|
学校法人 東邦大学 |
(仮称)駒場東邦中学・高等学校グラウンド人工芝化工事 |
2020年9月 |
製造・販売事業におけるアスファルト合材等製品の販売状況
|
期別 |
アスファルト合材 |
アスファルト乳剤 |
その他売上高 (百万円) |
売上高合計 (百万円) |
||
|
売上数量(t) |
売上高 (百万円) |
売上数量(t) |
売上高 (百万円) |
|||
|
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
2,015,934 |
18,964 |
1,691 |
210 |
2,835 |
22,010 |
|
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
1,995,467 |
18,889 |
1,344 |
156 |
3,048 |
22,094 |
(注)その他売上高は、砕石等の販売、機械の賃貸等の売上高です。
不動産事業の状況
|
期別 |
宅地売上高 |
不動産賃貸収入 |
合計 |
|
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
72 |
87 |
159 |
|
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
4 |
84 |
89 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、総売上高148,699百万円(前連結会計年度比1.6%増)、営業利益は7,515百万円(同3.2%減)、経常利益は7,853百万円(同3.8%減)となりました。また、独占禁止法関連損失引当金戻入額1,661百万円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は6,792百万円(同49.3%増)となりました。
(単位:百万円)
|
|
2018年度 実績 |
2019年度 実績 |
増減率 |
|
建設事業受注高 |
127,024 |
126,322 |
0.6%減 |
|
建設事業売上高 |
118,307 |
120,250 |
1.6%増 |
|
製造・販売事業売上高 |
20,719 |
20,955 |
1.1%増 |
|
その他売上高 |
7,267 |
7,493 |
3.1%増 |
|
総売上高 |
146,294 |
148,699 |
1.6%増 |
|
営業利益 |
7,764 |
7,515 |
3.2%減 |
|
経常利益 |
8,160 |
7,853 |
3.8%減 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
4,550 |
6,792 |
49.3%増 |
(建設事業)
「エリア環境に適合した営業活動を実践し、受注を拡大する」を重点実施事項とし、スピードと攻めの姿勢に徹した民間営業、民間の得意先への提案営業強化等を展開し、特に、自動車関連、スポーツ施設、物流関連を重点3分野と位置付けて営業強化を行いました。また、再生可能エネルギー関連事業についても新たなチャンネルとして注力しました。その結果、当社では民間の得意先からの受注は79,151百万円(前事業年度比13.1%増)となり、官庁からの受注減をカバーでき、連結での工事受注高は126,322百万円(前連結会計年度比0.6%減)、工事売上高は120,250百万円(同1.6%増)となりました。
利益については、「現場力(施工体制面+管理面)向上による収益力のアップ」を重点的に展開し、中・小規模工事におけるIT施工活用拡大により民間工事でのコストダウン効果が上がり、セグメント利益は6,365百万円(同0.5%増)となりました。
(製造・販売事業)
エリアごとの特性を踏まえた得意先分類別戦略の展開でシェアアップを図り、また、拠点の再構築(新設、増設、移設、設備更新等による能力増強)を行い、製品売上高は20,955百万円(同1.1%増)となりました。
利益については、原油価格上昇の影響で、主要材料であるアスファルトの価格が高騰したことにより、セグメント利益は3,361百万円(同8.6%減)となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2019年5月に「中期経営計画2019(2019~2023年度)」を策定しており、当社グループを取り巻く事業環境を認識し、重要課題とその施策を具体的に打ち出した企業価値向上に向けた取り組みとして、民間受注の拡大、営業利益率の向上等を挙げ、働き方改革にも対応し、「成長よりも安定的な経営基盤の構築」を重視した計画としております。
初年度(2019年度)は、計画を若干下回った項目もありますが、受注高、売上高、利益とも概ね計画通りと判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要の主なものとして、工事施工に係る工事原価、合材製造に係る製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用、設備投資等があります。設備投資については、建設事業における施工用機械、製造・販売事業におけるプラント設備更新、拠点増設による土地購入、賃貸事業における賃貸資産の購入等があります。
運転資金については、自己資金、金融機関からの借入による資金調達の他、取引銀行2行と43億円の貸出コミットメント契約(借入実行残高なし)及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達方法を確保しており、新型コロナウイルス感染症の影響が長期間に及び資金繰りが悪化する場合にも、対応する準備を整えております。
また、資金の流動性を確保するために、グループ資金を当社に集中させ、当社の運転資金及び資金需要のある子会社に短期貸付を行っております。
当連結会計年度末の当社グループの借入金は9,700百万円、現金及び現金同等物は35,052百万円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、工事進行基準の適用、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度等、会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、財務諸表等に反映されております。
これらの見積りについては、継続して評価、見直しを行っていますが、自然災害、感染症の感染拡大等予期せぬ事態が発生し、国内外において経済活動に多大な影響を与える等の環境の変化により、実際の結果は見積りと異なることがあります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」に記載のとおり、民間の得意先からの工事受注時期に懸念はあるものの、具体的な対応策により、現時点では当社グループの経営成績等に与える影響は軽微と判断しており、それに基づき見積りをしています。
また、新型コロナウイルス感染症が長期間に及び、国内外における経済活動に多大な影響が出て、当社グループの経営環境にも大きな変化が出る場合には、必要に応じて見積りを見直します。
特記事項はありません。
当社は、技術部、技術研究所を主体として、高度化、多様化する社会的ニーズに応えるべく技術開発活動を行っております。
また、国立研究開発法人土木研究所等の公的機関や民間企業との共同研究開発にも積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費は
なお、連結子会社においては、研究開発活動は行っておりません。
当連結会計年度における研究開発活動の概要は次のとおりです。
(1)舗装の長寿命化に資する技術開発
ライフサイクルコスト低減に寄与する技術開発として、長寿命化舗装の開発を進めております。その成果として花王㈱と共同開発した高耐流動性舗装「ス-パーポリアスコン」、コンクリート舗装に匹敵する耐久性を持つ「ウルトラペーブH」を開発しました。これらの製品は、作業性の向上や寒冷期の施工対応など品質改善を適宜行っております。従来のエポキシ系高強度舗装の「スーパーEpoアスコン」と共に高耐久舗装シリーズとして展開してまいります。今後も素材メーカーと連携し、長寿命舗装技術の開発に注力してまいります。
(2)施工の省力化・高度化・安全に資する技術開発
i-Construction(アイ-コンストラクション)に対応した3Dスキャナ等の測量技術の活用及び舗装施工機械をコントロールする情報化施工について、より一層の省力化、高度化を図っております。また、AI技術を活用した施工機械の安全装置として自動停止装置「Eye Think」の廉価版を開発し一般販売を開始しました。
高度な技術が必要な各種テストコースの設計技術、施工機械、施工技術の開発を行い、民間工事受注の拡大に寄与しております。
(3)道路ストックの効率的補修に資する技術開発
安価で効率的な舗装延命工法であるリフレッシュシールMix-Hの派生技術として、ひび割れ抑制工法、コンクリート舗装の延命工法を開発し実績を拡大しております。
3D路面測定による高性能路面形状測定車を導入し、測定が難しいコンクリート舗装の診断ができるシステムを開発し舗装点検技術の高度化、効率化に寄与します。
(4)環境に優しい技術開発
ヒートアイランド現象の抑制技術である遮熱性舗装「シャットファルト」、保水性舗装「クールファルト」、保水性に優れると同時に景観形成にも寄与できる保水性ブロック舗装「レインボーエコロブロックBiz」についても施工実績を重ねており、また管理型海面廃棄物処理場建設技術等に取り組んでおります。
(5)労働環境、施工環境の改善に資する技術開発
人材不足、熟練技術者不足、作業員の高齢化に対応するため、新たな分野として異業種との連携による作業環境改善技術、AI、IoT技術を活用した自動施工技術、VR技術による社員教育技術の開発にも取り組んでおります。
今後も、中期経営計画に基づきSDGsを基調とした中長期開発分野として5つの開発目標を掲げ、多様化する社会的ニーズに応えるべく技術開発活動を行ってまいります。
・モビリティーイノベーションへ向けた技術開発
・IoT、AIの活用による舗装技術の高度化 (生産性の向上と品質向上に資する技術開発)
・維持メンテナンスの時代に対応した技術開発 (LCC低減に寄与する技術開発)
・環境保全に資する舗装技術開発
・安全・労働環境改善に資する技術開発