第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)が判断したものです。

 

(1) 経営方針

当社グループは、道づくりのエキスパートとして歩んできた90余年にわたる建設技術をベースに、時代の変化や環境の変化に速やかに対応するため、「社是・社訓」に「スピードと徹底」を加え、「経営理念」のもと、「経営ビジョン」「経営基本方針」を掲げ、顧客満足度向上のための「道づくり」に誠実に取り組んでまいります。

 

《社是》

「創意研鑽」「協調親和」「信用高揚」

『論語と算盤』(清水建設㈱社是)

 

《社訓》

一、

創意を活かし、

技術の向上と業務の改善に努めよう

一、

責任を自覚し、

緻密な計画と果断な実行に徹しよう

一、

誠意を尽くし、

相互の協調と秩序の確立に努めよう

一、

身心を健全にし、

明朗な職場と幸福な家庭を築こう

一、

社業に専念し、

会社の繁栄を通じて社会に貢献しよう

 

 

《経営理念》

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ESG経営を推進することによって、社会から信頼され、存続を望まれる企業になるとともに、持続可能な社会づくりに貢献する

 

《経営ビジョン》

「従業員を大切にする会社」

「道路建設を通じて社会に貢献する」

「コーポレートガバナンスの充実」

 

《経営基本方針》

スピードと徹底を合言葉に、揺るぎない技術力で

「道づくり」「街づくり」に貢献するSDGs企業を目指す

 

 

 

 

 

 

(2) 経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

①目標とする経営指標

当社グループは2019年5月に、当面5年間の基本方針と重点戦略を取り纏めた「中期経営計画2019(2019~2023年度)」を策定しました。

 

《日本道路グループを取り巻く事業環境》

 

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1)経営戦略

当社グループは、収益の確保を確実なものにして、事業効率向上と株主価値の最大化を図るため、営業利益率を向上させることが企業価値を高めるものと考えております。

そのために、IT施工活用拡大による徹底した効率化、施工体制強化、技術系職員に対する技術・施工管理教育の強化により、工事利益率を向上させるとともに、組織のスリム化、機構改革、既存業務見直し、基幹システム更新等の業務効率化により、人材を管理部門から生産部門へシフトすることで販管費を削減し、営業利益率を向上してまいります。

 

2)事業環境

大阪・関西万博の開催もあり、維持補修工事は一定量あるものの、官庁工事の発注量が右肩上がりに伸びていく時代ではなく、今後、建設事業案件が集中する都市部を中心に、民間受注を拡大していく計画としております。

 

3)顧客動向

中央官庁の主要得意先となる国土交通省については、自然災害に対する国土強靭化の推進、また老朽・消耗によるインフラ機能維持投資により、今後も道路事業に対し一定量が発注されると考えております。

高速道路各社については、災害時の代替道路としての高速道路車線拡幅事業、また高速道路としての乗り心地維持のための舗装補修工事が今後も一定量が発注されると考えております。

民間市場については、今後も都市部の再開発、大阪・関西万博、IR関連の大型投資、また物流ネットワーク強化を目的とした拠点開発事業等があり、都市部を中心に成長が望めると考えております。

 

4)競合他社の状況

道路舗装業界は、中小事業者を含め市場には多くの競合が存在します。その中で、当社グループは大手道路舗装会社として、揺るぎない「技術力」で「道づくり」「街づくり」を通して「サステナブルな社会づくりに貢献するSDGs企業」を目指してまいります。

 

5)中期経営計画2019における重要課題

①民間受注の拡大

②営業利益率の向上

③働き方改革の推進

④安全衛生目標の設定

⑤環境目標の設定

⑥コンプライアンスの徹底

 

6)中期経営計画2019における成長投資方針

手元資金をベースに、安定的な経営基盤構築のため、成長分野に対し優先順位をつけ、スピード感を持って設備投資を実行してまいります。

2019~2023年(5ヵ年累計) 400億円

(内訳)

建設事業投資           100億円

製造・販売事業拠点整備投資    240億円

営業拠点環境整備投資        40億円

システム等情報投資         20億円

 

7)中期経営計画2019の目標(連結)

(単位:億円)

 

2021年度

2022年度

2023年度

実績

予想

目標

建設事業受注高

1,203

1,300

1,370

・ROE

    6.7%

・配当性向

   30.0%

建設事業売上高

1,295

1,290

1,330

製造・販売事業売上高

202

230

235

賃貸事業等売上高

66

60

75

総売上高

1,563

1,580

1,640

営業利益

82

77

100

親会社株主に帰属する当期純利益

56

51

65

 

②設備投資計画

「中期経営計画2019」の成長投資方針に則り、建設事業投資、製造・販売事業拠点整備投資、営業拠点環境整備投資、システム等情報投資を実行してまいります。(2022年度実施ベースでは連結77億円を投資予定)

 

③技術研究開発

技術研究開発は、膨大な舗装ストックに対応した調査診断技術、低コストな維持メンテナンス技術とライフサイクルコスト低減に資する高耐久舗装技術の充実を推進してまいります。また、SDGs達成につながる技術開発、モビリティーイノベーションへの対応技術、ICT、IoTの活用による工事品質・生産性の向上、工事の安全対策、労働環境改善等の技術開発を中心に、幅広いニーズに的確に対応した研究開発を進めてまいります。

 

(3) 経営環境

当社グループは、2022年3月29日をもって清水建設㈱の連結子会社となり、シミズグループの一員として新たな体制でスタートしました。創業以来、90余年にわたって培った「技術の日本道路」というDNAを継承しながら、これまで以上に同社との連携強化を図り、両社で事業領域の拡大に繋がるシナジー効果を発揮しながら、社会の発展に寄与してまいります。

当社グループの主要事業は舗装工事を中心とした建設事業であり、経営環境の変化が激しい中、揺るぎない技術力をもって、都市型・地方型等各地域の実状に即したエリア戦略を策定し、市場競争力の強化を図っていくことが重要課題であると認識しております。また、当社グループである地域舗装会社の体制をさらに強化することで相乗効果を発揮するとともに、成長戦略としてのM&Aにも積極的に取り組んでおります。

親会社である清水建設㈱との連携強化については、大型の造成工事や橋梁の床版取替工事、洋上風力発電の陸上部工事、海外プロジェクトへの協働での取り組みをこれまで以上に増やしていくことによって、新たな領域に挑戦することが可能となり、事業規模の拡大と技術者のさらなるスキルアップに繋がると考えております。同社の民間営業網を活用した民間顧客への営業強化は、質の良い直接受注を増やすことで、当社の受注・売上・利益に貢献すると考えております。DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応は、同社の最新のICT技術やノウハウと人財といったリソースを活用することにより、当社グループの新技術の開発・導入、新工法開発、業務効率化、基幹システム・情報セキュリティの強化に繋がると考えております。これらへの取り組みは、2050年のカーボンニュートラル(脱炭素)達成に向けた環境負荷低減及びコスト削減に繋がるとともに、人財確保や両社の技術研究所、機械部門、管理部門での人財交流や連携を通じて、働き方改革による職場環境改善、ESG経営の推進及びコンプライアンス・ガバナンス強化に繋がるものと考えております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①ESG経営

当社グループは、企業が中長期的な成長を遂げるために必要である3つの要素、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の観点からESG経営を実践しております。ESG経営の推進にあたっては社長を委員長とするESG委員会を設置しており、気候変動対応や従業員の健康・労働環境への配慮をはじめとするサステナビリティに関する課題の審議検討及び定期的な取締役会への報告を実施することで、取締役会による指示監督体制及び全社横断的に検討・議論していく体制を整えております。

中期経営計画2019(2019~2023年度)では気候変動リスクへの対応として、脱炭素社会の実現に向け温室効果ガス(CO)の排出量削減の目標値を設定しており、環境負荷の少ない環境対策型のアスファルトプラント、建設機械、車両を導入し、地球環境に配慮した経営を進めております。また、2021年8月に環境ビジョン「Nichido Blue & Green Vision 2050」を策定し、カーボンニュートラル(脱炭素)の実現、循環型社会の形成、生物多様性への配慮に向けた2050年までの長期的な目標を掲げました。同年10月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同を表明しました。今後はシナリオ分析を通じて経営の強靭化を図り、事業活動を通じた持続可能な社会の実現への貢献と新しい価値の提供を引き続き進めてまいります。なお、分析結果についてはコーポレートサイトにおいて開示しております。さらに2022年2月には環境省が企業の環境活動を推進する「エコ・ファースト制度」において、「エコ・ファースト企業」として認定されました。引き続き2050年のカーボンニュートラル(脱炭素)達成に向け研究・技術開発を進めてまいります。

また、コンプライアンスの徹底やリスクマネジメントには当社グループ一丸となって継続して取り組み、グループガバナンス体制を確立してまいります。

様々なESG課題に『スピードと徹底』の姿勢で取り組み、「ESG経営を推進することによって、社会から信頼され、存続を望まれる企業になるとともに、持続可能な社会づくりに貢献する」ことを経営理念として掲げ、企業価値を高めてまいります。

 

②新型コロナウイルス感染症について

相次ぐ変異株の発生により新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、経済情勢の悪化による建設市場の縮小等、受注環境の変化を注視するとともに、必要に応じた資金調達方法の確保や下請協力業者の経営状況にも配慮してまいります。

また、当社グループでは全事業所の従業員を対象にテレワーク・時差出勤・直行直帰等の施策を推進し、「安否確認システム」を利用した週1回の健康状態の確認により、従業員の安全・健康の確保と感染防止に努めております。

 

③働き方改革の取り組み

当社は、「従業員を大切にする会社」を経営ビジョンとして掲げ、従業員一人ひとりが「自身の人生を豊かに楽しく!」を実感できるよう、ワークライフバランスの充実を図る取り組みを続けております。持続可能な発展のために、年度毎に休日取得目標を定め、目標達成に向け、課題を洗い出し、継続的に取り組んでおります。また、女性活躍、外国人の受入及び障がい者雇用の推進を含めた人財確保・育成に引き続き取り組むとともに、情報化施工等ICTを有効活用した工事現場での生産性向上や、業務改善、基幹システムの更新による業務効率化等の施策と併せて、当社グループ一丸となって働き方改革をさらに推進してまいります。

 

④建設事業

人命尊重を最優先に安全第一主義のもと、「質の高い仕事」をすることに徹して、企業価値を高める施策を確実に推進してまいります。大規模工事はもとより、中・小規模工事においても情報化施工、ICTの活用度を高め、災害や事故の発生を抑止するとともに品質向上、コストダウンによる収益率の向上を目指しております。

また、当社グループの重点実施事項として掲げております「エリア環境に適合した戦略的営業を実行し、質の高い受注を拡大する」という目標達成に向け、スピードと攻めの姿勢に徹した提案型営業を強化し、民間営業を展開してまいります。

そして、人財育成については特に力を入れ若手技術者のスキルアップのための教育指導を強化し、技術の伝承に取り組んでまいります。さらに、業務改善による“働き方改革”を加速し、従業員に対し技術面、管理面の意識を高める指導を行うことにより次世代の担い手づくりも進めてまいります。

 

⑤製造・販売事業

原材料価格の高騰が続いている中、利益の確保に向け、コストに見合う価格改定を実施するとともに、引き続きコスト削減に取り組んでまいります。

営業力の強化と製造・販売拠点の効率化のための拠点再配置を進めることにより、シェアの拡大を図ります。

安全環境対策についても、効果的な技術開発と環境に配慮した設備投資を実施するとともに、グリーン電力への切り替えや、化石燃料に代わる代替燃料の導入も進めてまいります。

 

⑥海外事業

2021年は新型コロナウイルス感染拡大によりアジア全域において官民投資が停滞した状態が続いていましたが、今後緩やかに回復していくと予測しております。海外現地法人を設置しているタイ・マレーシアにおいては、引き続き現地優良企業並びに日系企業からの工事受注を目指してまいります。

なお、新たな収益源となる事業として、特殊アスファルト合材の製造販売や薄層舗装等のアジア地域への販売促進に取り組んでまいります。また、今後の海外事業展開のための人財育成強化、現地雇用職員のスキルアップ、海外現地法人の現地化を継続して推進し、収益体制を強固なものにしてまいります。

 

⑦グループ事業

日本道路本体との連携強化やM&Aを含め、グループ会社の経営環境に応じたエリア戦略の実行による事業領域拡大、収益力強化と成長力底上げを実現するため、営業所・合材センター・地域舗装会社の連携をさらに強化するとともに、内部統制体制とICT環境の整備による効率化を進め、グループ支援体制の強化を図ってまいります。

 

⑧企業倫理・法令順守の徹底について

当社グループは、中期経営計画の重要課題の1つに「コンプライアンスの徹底」を掲げ、「コンプライアンス基本理念」及び「コンプライアンス指針」を制定し、役職員の行動規範としております。また、法令を順守した公正な取引活動を徹底するために「自由な競争及び公正な取引順守基本方針」を定め、独占禁止法に関する社外専門家による監査や社員教育を継続的に行っております。また、毎年7月30日を当社グループの「コンプライアンスの日」と定め、経営幹部を対象にした研修や職場での啓蒙活動を実施することにより、企業倫理に対する意識の向上に努めております。

 

(業務リスク管理体制の整備)

内部統制システム及びコンプライアンスを主管する業務リスク管理部を置き、各事業所を網羅した業務リスク管理体制を整備し、コンプライアンスの維持管理状況をモニタリングしています。各支店に「支店業務リスク管理委員会」、各事業所に「業務リスク連絡会」を設け、法令順守をさらに徹底する体制を構築しています。

 

(内部通報窓口の整備)

社内窓口である「コンプライアンス相談窓口」、社外の専門会社による「日本道路企業倫理の窓口」、監査役が直接通報を受ける「監査役直通窓口」を設け、社内外から広く情報を募ることとしています。

 

(適正な受注活動のための業務運用方法の改善)

以下の通り、恒常的に受注活動の検証を行っています。

・同業者との接触における禁止事項の明示、同業者との打ち合わせなどの事前審査・結果確認

・営業職員の行動記録の報告書の確認

・公共入札に関する社内協議記録の整備・監査

・公共入札に関するモニタリングシステムの導入

 

(意識改革の徹底と研修の強化)

「コンプライアンス基本理念」及び「コンプライアンス指針」の改訂と「自由な競争及び公正な取引順守基本方針」の制定に伴い、これらを周知徹底するために、携帯用リーフレットの作成・配布とe-ラーニングを実施しています。2020年7月に「コンプライアンス啓蒙週間」を設けてコンプライアンス意識調査等を行い、7月30日の「コンプライアンスの日」に経営トップの訓示と外部講師の講演からなる特別研修を行いました。また、「独占禁止法・下請法順守の手引」を作成して役職員に配布するなど、コンプライアンス意識の更なる向上を図っています。

 

(社内監査・第三者監査の実施)

当社では、独占禁止法順守のための法務監査を毎年実施しており、業務リスク管理部が、各支店の支店長、営業部長及び製販部長へのヒアリング並びに営業担当者の営業記録、同業者との打ち合わせ報告書、受注検討会資料及び教育訓練記録などの閲覧を行い、他の事業者と共同することなく自主的に営業活動を行っていることを確認しています。また、独占禁止法の順守状況を監視するために、第三者による定期的な監査も併せて実施しています。

 

(適切な組織・人事管理)

所属長、事業所長の定期的な人事異動を実施している他、独占禁止法違反を懲戒該当事項として就業規則に明記し、処分の厳格化を周知しています。

 

(社長巡回会議の実施)

当社グループでは、従来から社長が年2回各支店を回り、「社長巡回会議」を開催し、独占禁止法違反に関して法令順守やコンプライアンスの徹底、労働環境改善など全社で取り組むべき課題について説明を行ってきました。

2021年度は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、集合での参加は支店幹部に限定し、管内事業所長はWebで参加するハイブリッド方式にて実施しました。各支店内で水平展開を図ることにより、従業員一人ひとりが求められている課題を理解し、毎日の業務の中で今年度の取り組みが組織の最前線まで浸透、促進できるようにしています。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(特に重要なリスク)

(1) 自然災害によるリスク(事業継続計画の観点)

当社グループの事業所及び製造・販売拠点周辺で自然災害(地震、津波、洪水、暴風雨等)が発生し、人的被害や生産設備等に物的被害が生じた場合、業績に影響を与える可能性があります。

そのため、当社グループでは、自然災害のリスクに対応したBCP(事業継続計画)を地域や事業に応じて策定し、工事現場、事業所及び製造・販売拠点における非常時の初動対応、安否確認方法、対策本部の設置基準と役割等を定め、自然災害の発生時に適切な対応が取れる仕組みを構築しております。また、人的、物的被害の発生を防ぎ、万一被害が発生した場合も被害を最小限に抑えるために、計画的な設備投資の実施や定期的な防災訓練の実施等の対策をとっております。

 

(2) 新型コロナウイルス感染症によるリスク

新型コロナウイルス感染症に関しては、その収束時期を予測することは困難ではありますが、同感染症のさらなる拡大及び長期化により、経済情勢が悪化することで建設市場の縮小による受注機会の減少並びに従業員や協力業者が感染し、事業所及び製造・販売拠点の閉鎖や工事が中断した場合は、業績に影響を与える可能性があります。

そのため、当社グループでは、政府・自治体の方針及びパンデミック対応版BCPを踏まえ、感染防止対策として、時差出勤・テレワーク・直行直帰等の対策を実施しております。今後についても、引き続き同感染症に関する最新の動向を注視し、適宜必要な対策を講じております。

 

(3) 新型コロナウイルス感染症による民間受注が減少するリスク

当社グループは、中期経営計画2019の重要課題として民間受注の拡大を挙げております。一昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大による日本経済の先行き不透明感は、依然民間設備投資意欲の低下に繋がり、設備投資の延期又は中止、そして民間受注の減少となり、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、国土交通省・NEXCOなど主要得意先の案件に対し、技術力を発揮して、技術提案等の技術評価点の向上を行いながら、官庁工事受注の確保に取り組み、業績に与える影響を最小限に留めるよう努めております。

 

(4) 情報セキュリティリスク

当社グループが、標的型攻撃メールやマルウェアによるウイルス感染、不正アクセス等のサイバー攻撃の被害にあった場合、また、従業員の過失等によって顧客に関する情報、経営・技術・知的資産に関する情報、個人情報等の情報が漏洩又は消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や復旧費用等の発生により、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、サーバー等情報関連機器は最新のデータセンターで管理・保全を図っております。また、情報セキュリティポリシーを定め、社内に周知するとともに、定期的にe-ラーニングを用いた情報セキュリティ教育や従業員対象の標的型攻撃メール訓練の実施等の対策を取っております。

 

(5) 法的規制のリスク

当社グループは、事業の遂行にあたって、建設業法、独占禁止法、下請法、労働安全衛生法、廃棄物処理法、建設リサイクル法等の法的規制の適用を受けており、また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けております。これらの法的規制に違反する行為や社会的要請に反する行為があった場合には、刑事罰、行政処分、損害賠償請求、社会的信用の低下等により、業績に影響を与える可能性があります。また、法的規制の変更等があった場合には、その内容次第では対応費用の増加等により、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、業務リスク管理体制を構築し、「コンプライアンス基本理念・指針」に基づく従業員の教育研修、社内規程や内部通報制度の整備等を通じたコンプライアンスの推進、企業倫理の向上を図り、法令違反の顕在化リスクの低減に努めております。

 

(重要なリスク)

(6) 官公庁工事減少のリスク

当社グループの建設事業及びこれに関連する建設用資材の製造・販売事業は、公共投資の動向に大きく影響を受けます。官公庁発注建設工事の事業量が予想以上に縮減された場合や、官庁工事の入札地域要件がさらに強化された場合、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、民間受注を確保するために、自動車産業・スポーツ・物流の3部門を強化し、スピードと攻めの姿勢に徹した提案型営業を実施し、公共投資削減による官庁工事受注の減少を最小限に留めるよう努めております。

 

(7) 会計上の見積り前提変動のリスク

当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたって、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を計上する方法の適用、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度等に関して見積りを行っております。これらの見積りは、将来に関する一定の前提に基づいて作成しており、国内外の経済活動に多大な影響を与える可能性のある自然災害、感染症の感染拡大等予期せぬ事象の発生により、その前提と大きく異なった場合、業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクへの対応については、会計上見積り時に、入手可能な情報に基づき合理的な金額を算出するよう努めております。

 

(8) 資金調達環境変動のリスク

製造・販売事業において拠点の増設・再設置を推進するとともに、賃貸事業も広く展開しております。今後、製造・販売事業の設備の増強及び賃貸事業拡大に伴い、キャッシュ・フローの範囲に収まらず、有利子負債による追加的資金調達が必要になった場合、また、市場金利が大幅に変動した場合、業績に影響を与える可能性があります。

運転資金の調達については、金融機関より経常運転資金の確保を実施する他、従来から取引銀行2行と43億円の貸出コミットメント契約(借入実行残高なし)の締結及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達の方法を確保しております。

 

(9) 資材価格変動のリスク

当社グループの建設事業及び製造・販売事業において、アスファルト合材の主要材料であるアスファルト及びその製造燃料である重油等の価格変動を、製品販売価格、請負代金に転嫁させることができない場合、業績に影響を与える可能性があります。

資材価格変動の理由は、ウクライナ情勢等の地政学的要因の他、需給バランス、投機的要因、パンデミック等要因は様々で想定が困難ですが、調達専門部署による購買対策の推進や早期の製品販売価格への転嫁等により影響を最小限に留めるよう努めております。

 

(10) 取引先の信用リスク

当社グループでは経営の多角化を推進しており、その取引先は多岐にわたっております。急激な事業環境の変化により取引先に信用不安が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。取引に際しての与信・債権管理を徹底し、信用リスクの軽減に努めております。

 

(11) カントリーリスク

当社グループは、東南アジア地域を中心に海外事業を展開していますが、当該国の政治・経済・社会状況の不安定化や混乱及び予期しない法律・規制の変更等、また自然災害、感染症の感染拡大等により、事業投資における資金回収が困難になった場合、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、顧客との契約条件において、不可抗力条項等を設定するなどの対策を講じ、また、情報収集等によりリスクの低減に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

なお、当連結会計年度から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出、原材料価格の高騰、また、ウクライナ情勢等の地政学的な要因により、先行き不透明な状況で推移しました。

当社グループの主要事業である建設業界においては、政府建設投資が引き続き20兆円を上回る水準を維持し、民間建設投資も製造業を中心に一部回復傾向が見られたものの、企業の設備投資マインドは慎重化しました。

このような状況下、当社グループは、官庁工事は総合評価・積算精度の向上による受注確保、民間工事は安定成長実現に向けグループ一体となったエリア戦略による受注拡大に注力しましたが、工事受注高は120,340百万円(前連結会計年度比12.0%減)、工事売上高は129,532百万円(同0.4%増)、製品等を含めた総売上高については156,379百万円(同0.9%減)となりました。

利益については、製造・販売事業において原油価格の高騰で利益が減少したこと等により、売上総利益は16,968百万円(同12.1%減)、営業利益は8,202百万円(同23.9%減)、経常利益は8,582百万円(同24.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,667百万円(同25.4%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。(セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。)

(建設事業)

当社グループの主要部門であり、売上高は129,537百万円(同0.4%増)、営業利益は8,939百万円(同0.2%減)となりました。

(製造・販売事業)

売上高は29,256百万円(同1.2%減)、営業利益は1,914百万円(同57.4%減)となりました。

(賃貸事業)

売上高は6,354百万円(同4.8%減)、営業利益は417百万円(同3.4%増)となりました。

(その他)

売上高は1,428百万円(同42.1%減)、営業利益は302百万円(同209.2%増)となりました。

 

また、当連結会計年度の財政状態は、次のとおりです。

(資産の部)

当連結会計年度の資産合計は、152,194百万円(同723百万円減、0.5%減)、流動資産は110,142百万円(同876百万円減、0.8%減)、固定資産は42,051百万円(同152百万円増、0.4%増)となりました。

主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が6,511百万円及び土地が1,205百万円増加し、現金預金が6,533百万円減少したことによります。

(負債の部)

当連結会計年度の負債合計は、57,187百万円(同3,496百万円減、5.8%減)、流動負債は51,102百万円(同4,380百万円減、7.9%減)、固定負債は6,084百万円(同883百万円増、17.0%増)となりました。

主な要因は、借入金を1,500百万円返済し、未払費用が569百万円及び未払法人税等が512百万円減少したことによります。

(純資産の部)

当連結会計年度の純資産合計は、95,006百万円(同2,773百万円増、3.0%増)となりました。

主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を5,667百万円計上し、株主配当金を2,285百万円支払ったことによります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況については、営業活動により2,360百万円資金が増加し、投資活動により5,140百万円、財務活動により3,788百万円それぞれ資金が減少しました。

その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ6,533百万円減少し30,158百万円(前連結会計年度末は36,691百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益を8,532百万円計上し、売上債権の増加により6,514百万円資金が減少したこと等により2,360百万円の資金増加(前連結会計年度は8,155百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

製造・販売拠点の拡充更新及び技術研究施設等を集約した建設用地の購入に伴う有形固定資産の取得等により5,140百万円の資金減少(同4,904百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払等により3,788百万円の資金減少(同1,584百万円の減少)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a) 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

建設事業(百万円)

136,764

(8.3%増)

120,340

(12.0%減)

(b) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

建設事業(百万円)

128,997

(7.3%増)

129,532

(0.4%増)

製造・販売事業(百万円)

21,209

(1.2%増)

20,217

(4.7%減)

賃貸事業(百万円)

5,647

(2.8%増)

5,311

(6.0%減)

その他(百万円)

1,941

(2.9%減)

1,319

(32.1%減)

合計(百万円)

157,796

(6.1%増)

156,379

(0.9%減)

(注)1.当社グループでは建設事業以外の受注実績はグループ各社の受注概念が異なるため記載しておりません。

2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

4.(  )内は、前連結会計年度比です。

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工種別

前期繰越

 工事高

(百万円)

当期受注

 工事高

(百万円)


(百万円)

当期完成

 工事高

(百万円)

次期繰越

 工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

舗装工事

44,645

81,379

126,024

78,805

47,218

土木工事

19,396

35,567

54,964

31,982

22,981

建築工事

289

1,655

1,944

1,290

654

64,331

118,602

182,933

112,078

70,854

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

舗装工事

47,081

72,106

119,188

76,352

42,836

土木工事

22,880

32,999

55,879

36,042

19,836

建築工事

654

485

1,140

800

339

70,616

105,591

176,208

113,195

63,012

 (注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。

3.当事業年度の前期繰越工事高は、当事業年度から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用し、収益認識基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従ったことにより、前事業年度の次期繰越工事高より調整を行っております。

 

受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

工種別

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

舗装工事

59.5

40.5

100

土木工事

61.5

38.5

100

建築工事

100.0

100

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

舗装工事

71.5

28.5

100

土木工事

70.2

29.8

100

建築工事

100.0

100

 (注)百分率は請負金額比です。

完成工事高

期別

工種別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

舗装工事

38,491

40,314

78,805

土木工事

4,971

27,010

31,982

建築工事

1,290

1,290

43,463

68,615

112,078

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

舗装工事

34,959

41,393

76,352

土木工事

7,348

28,694

36,042

建築工事

800

800

42,307

70,888

113,195

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。

前事業年度

発注者

工事名

国土交通省 関東地方整備局

東京港臨港道路南北線舗装等工事

中日本高速道路㈱

東名阪自動車道 桑名管内舗装補修工事(2019年度)

西日本高速道路㈱

平成30年度 九州自動車道 北九州高速道路事務所管内舗装補修工事

学校法人浪速学院

(仮称)学校法人浪速学院 高天原スポーツキャンパス(2期工事)計画

大和エネルギー㈱

浪江町谷津田地区メガソーラー発電所設置工事

 

当事業年度

発注者

工事名

国土交通省 北海道開発局

新千歳空港 誘導路新設外工事

東日本高速道路㈱

北陸自動車道 R2長岡管内舗装補修工事

松山市

坊っちゃんスタジアム内野グラウンド改修工事

学校法人順天堂

順天堂大学さくらキャンパステニスコート新設工事

学校法人花巻学院

花巻東高等学校グラウンド改修工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。

期別

相手先

金額(百万円)

完成工事高総額に対する割合(%)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

国土交通省

12,878

11.5

清水建設㈱

13,223

11.8

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

清水建設㈱

13,144

11.6

 

次期繰越工事高(2022年3月31日現在)

工種別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

舗装工事

23,446

19,390

42,836

土木工事

4,077

15,759

19,836

建築工事

339

339

27,523

35,488

63,012

 (注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。

発注者

工事名

完成予定年月

国土交通省 関東地方整備局

令和3年度 東京国際空港B滑走路舗装改良工事

2022年12月

中日本高速道路㈱

東海北陸自動車道 一宮木曽川IC~岐阜各務原IC間舗装補修工事

2023年4月

防衛省 九州防衛局

馬毛島(R3)仮設プラント製作・設置工事(その5)

2024年4月

㈱三菱UFJ銀行

(仮称)MUFG PARK ランドスケープ工事

2023年6月

積水化学工業㈱

群馬工場 駐車場整備工事

2023年12月

 

製造・販売事業におけるアスファルト合材等製品の販売状況

期別

アスファルト合材

その他売上高

(百万円)

売上高合計

(百万円)

売上数量

(千t)

売上高

(百万円)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

2,107

19,283

3,447

22,731

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

1,996

18,527

3,313

21,841

 (注)その他売上高は、砕石等の販売、機械の賃貸等の売上高です。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、総売上高は156,379百万円(前連結会計年度比0.9%減)、営業利益は8,202百万円(同23.9%減)、経常利益は8,582百万円(同24.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,667百万円(同25.4%減)となりました。

(単位:百万円)

 

2020年度

実績

2021年度

実績

増減率

建設事業受注高

136,764

120,340

12.0%減

建設事業売上高

128,997

129,532

0.4%増

製造・販売事業売上高

21,209

20,217

4.7%減

賃貸事業等売上高

7,589

6,630

12.6%減

総売上高

157,796

156,379

0.9%減

営業利益

10,776

8,202

23.9%減

経常利益

11,293

8,582

24.0%減

親会社株主に帰属する当期純利益

7,598

5,667

25.4%減

 

(建設事業)

「エリア環境に適合した積極的かつ戦略的営業を実行し、質の高い受注を拡大する」を重点実施事項とし、スピードと攻めの姿勢に徹した民間営業、民間の得意先への提案型営業強化等を展開し、特に、自動車関連、スポーツ施設、物流関連を重点3分野と位置付けて営業強化を行い、新型コロナウイルス感染症の影響による得意先の設備投資の延期又は中止等もありましたが、当社での民間受注高は71,999百万円(前事業年度比4.6%増)となりました。期首計画時には民間の建設設備投資が減少することを予想し、官庁受注を確保するため総合評価・積算精度の向上に注力しましたが、官庁受注高は33,592百万円(同32.5%減)となりました。その結果、連結での工事受注高は120,340百万円(前連結会計年度比12.0%減)、工事売上高は129,532百万円(同0.4%増)となりました。

利益については、「現場力(施工体制面+管理面)向上による収益力のアップ」を重点的に展開し、中・小規模工事におけるIT施工活用拡大により民間工事でのコストダウンに努めましたが、セグメント利益は8,939百万円(同0.2%減)となりました。

(製造・販売事業)

エリアごとに得意先分類別戦略の展開でシェアアップを図り、また、拠点の再構築(新設、増設、移設、JV化、計画的な設備更新等)を行い、コスト意識の徹底による収益の向上に注力しましたが、製品売上高は20,217百万円(同4.7%減)となりました。

利益については、原油価格の高騰により、主要材料であるアスファルト価格が高価格で推移したことにより、セグメント利益は1,914百万円(同57.4%減)となりました。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2019年5月に「中期経営計画2019(2019~2023年度)」を策定しており、当社グループを取り巻く事業環境を認識し、重要課題とその施策を具体的に打ち出した企業価値向上に向けた取り組みとして、民間受注の拡大、営業利益率の向上等を挙げ、働き方改革にも対応し、「成長よりも安定的な経営基盤の構築」を重視した計画としております。

2年目である2020年度までの経営指針の進捗については概ね順調に推移しておりました。

3年目となった2021年度は、製造・販売事業において原油価格の高騰と価格転嫁の遅れにより、利益が大幅に計画を下回りました。

4年目の2022年度は、引き続き原油価格の高騰が見込まれ、2021年度比減益を見込んでおりますが、2023年度の主要資材の価格動向は不透明なため、現時点では「中期経営計画2019(2019~2023年度)」は変更しておりません。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要の主なものとして、工事施工に係る工事原価、合材製造に係る製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用、設備投資等があります。設備投資については、建設事業における施工用機械、製造・販売事業におけるアスファルトプラント設備更新、拠点増設による土地購入、賃貸事業における賃貸資産の購入等があります。

運転資金については、自己資金、金融機関からの借入による資金調達の他、取引銀行2行と43億円の貸出コミットメント契約(借入実行残高なし)及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達方法を確保しております。

また、資金の流動性を確保するために、グループ資金を当社に集中させ、当社の運転資金及び資金需要のある子会社に短期貸付を行っております。

当連結会計年度末の当社グループの借入金は8,200百万円、現金及び現金同等物は30,158百万円です。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を計上する方法の適用、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度等、会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、財務諸表等に反映されております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

これらの見積りについては、継続して評価、見直しを行っていますが、自然災害、感染症の感染拡大等予期せぬ事態が発生し、国内外において経済活動に多大な影響を与える等の環境の変化により、実際の結果は見積りと異なることがあります。

新型コロナウイルス感染拡大の影響については、民間の得意先からの工事受注時期に懸念はあるものの、具体的な対応策により、現時点では当社グループの経営成績等に与える影響は軽微と判断しており、それに基づき見積りをしております。

また、新型コロナウイルス感染症が長期間に及び国内外における経済活動に多大な影響が出て、当社グループの経営環境にも大きな変化が出る場合には、必要に応じて見積りを見直します。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社は、技術部、技術研究所を主体として、高度化、多様化する社会的ニーズに応えるべく技術開発活動を行っております。

 また、国立研究開発法人土木研究所等の公的機関や民間企業及び大学などの教育機関との共同研究開発にも積極的に取り組んでおります。

 当連結会計年度における研究開発費は478百万円ですが、当社における研究開発は建設事業及び製造・販売事業が密接に関連しており、セグメント毎には管理しておりません。

 なお、連結子会社においては、研究開発活動は行っておりません。

 当連結会計年度における研究開発活動の概要は次のとおりです。

 

(1)舗装の長寿命化に資する技術開発

 ライフサイクルコスト低減に寄与する技術開発として、長寿命化舗装の開発を進めております。その成果として花王㈱と共同開発した高耐流動性舗装「ス-パーポリアスコン」、コンクリート舗装に匹敵する耐久性をもつ「ウルトラペーブH」を開発しました。従来のエポキシ系高強度舗装の「スーパーEpoアスコン」と共に高耐久舗装シリーズとして展開してまいります。今後も素材メーカーと連携し、長寿命舗装技術の開発に注力してまいります。

 

(2)施工の省力化・高度化・安全に資する技術開発

 i-Construction(アイ-コンストラクション)に対応した3Dスキャナ等の測量技術の活用及び舗装施工機械をコントロールする情報化施工について、より一層の省力化、省人化、高度化を図っております。また、アスファルト舗装及び切削作業においてGNSSアンテナを用いた厚さ制御マシンコントロール技術を開発し実用化しました。

 高度な技術が必要な各種テストコースの設計技術、施工機械、施工技術の開発を行い、民間工事受注の拡大に寄与しております。

 

(3)道路ストックの効率的補修に資する技術開発

 安価で効率的な舗装延命工法であるリフレッシュシールMix-Hの派生技術として、ひび割れ抑制工法、コンクリート舗装の延命工法を開発し実績を拡大しております。

 3D路面測定による高性能路面形状測定車を導入し、測定が難しいコンクリート舗装の診断ができるシステムを開発し舗装点検技術の高度化、効率化に寄与しております。

 

(4)環境に優しい技術開発

 環境に優しい技術として、廃ペットボトルを原料とする「スーパーPETアスコン」及び再生アスファルト混合物をベースとした「PETアスコン」を開発し、ペットボトルの再生利用に貢献しております。

 

(5)労働環境、施工環境の改善に資する技術開発

 人財不足、熟練技術者不足、作業員の高齢化に対応するため、新たな分野として異業種との連携による作業効率の改善技術、作業環境改善技術、AI、IoT技術を活用した自動施工技術、VR技術による社員教育技術の開発にも取り組んでおります。

 

 今後も、中期経営計画に基づきSDGsを基調とした中長期開発分野として5つの開発目標を掲げ、多様化する社会的ニーズに応えるべく技術開発活動を行ってまいります。

・カーボンニュートラルの実現へ向けた技術開発

・アスファルト代替バインダ、再利用、再生利用技術開発

・DX技術の更なる活用と働き方改革へ向けた技術開発

・既存建設ストックの老朽化対策技術開発

・スマートシティ戦略技術開発