第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、基本方針として「社是」「経営理念」を掲げ、全役員並びに全社員が職務の執行にあたっております。

社是

一.信用第一

一.堅実経営

一.積極的精神

一.和親協同

経営理念

一.社会から認められ社会から求められる企業として永遠に発展する

一.進取の精神を発揮し地球規模企業として世界に躍進する

一.人材を育成し自己の向上をすすめ活力ある企業として繁栄する

また、当社グループとして、顧客満足の獲得と組織力の強化、財務体質の強化により「企業価値」を継続的に向上させ、すべてのステークホルダーからの信頼と期待に応えられる企業を目指しております。

(2) 経営戦略等

当社グループは、経営の基本方針に則り、以下の経営戦略に基づく経営を実践しております。

[国内外マーケット解析の徹底による受注の拡大]

国内外の建設市場の多様な変化を予測し、顧客や市場、社会の動向を注視した営業情報の収集・共有・活用を強化するとともに国内外のマーケット解析・リスク解析を徹底することにより、重点地域・有望分野における受注の拡大を目指しております。

また、技術提案力、価格競争力の向上のためのデータベースの充実、設計・積算力の強化、工業化工法・省力化工法等、生産性の向上に繋がる工法の積極的な導入、産・学・官の共同開発、異業種との協働による技術開発と実用化等に取り組んでおります。

[顧客満足に応え収益力を高める生産システムの確立]

国内外の市場や顧客が求める価格・品質・工期短縮に応えるため、営業・設計・工務・調達・施工・アフターフォローに至る総力を結集した生産システムの構築に取り組んでおります。

また、海外スタッフを含めたグローバルな人員の確保・育成に努めております。

[内部統制システムの構築]

当社は、リスクの未然防止や事前対応をはかるべく、「内部統制に関する基本方針」を定め、リスクマネジメントを強化し企業の信用・信頼の確保に努めております。また、2008年4月より施行された財務報告に係る内部統制報告制度への対応を含め、当社グループの内部統制の強化に向け「すべてを予測可能とし、危機・リスクに対する感知能力の向上を目指した」組織体制の構築並びに社内風土の醸成に努めております。

[企業の社会的責任を果たす経営の実践]

法令順守に関する教育、指導、社内チェックシステム制度を確立し、あらゆる事業活動において、高い倫理観の下、企業としての社会的責任を果たす経営の実践に努めております。また、コンプライアンス研修を定期的に実施し、役職員の意識向上に取り組んでおります。労働災害防止については、建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)を実行し、労働災害の絶滅に取り組んでおります。環境保全については「環境保全行動指針」に基づき、建設活動を通じてゼロエミッション等積極的な取り組みを行っております。

(3) 経営環境

今後の経済環境としましては、世界経済は米国の通商政策の影響により、経済成長の鈍化が懸念されます。また、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢等の動向により、景気の悪化が懸念されます。日本経済は、不確実性の高い世界情勢の中、企業業績や雇用・所得環境の回復を維持できるか、先行き不透明な状況で推移すると思われます。

建設市場におきましては、引き続き民間設備投資は堅調に推移すると思われるものの、資材価格や人件費の上昇トレンドの継続が想定され、厳しい経営環境が続く見通しであります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループとしては、多様化する国内外の市場や顧客ニーズを先取りした企画提案、技術提案並びに環境への取り組みを進めるとともに、営業・設計・工務・調達・施工・アフターフォローに至る各分野の能力を一層高め、総力を結集した生産システムの構築に取り組んでおります。また、人財育成、財務体質の強化・健全化、コンプライアンスの徹底並びに内部統制システムの継続的改善等を重視した経営の実践により企業価値の向上に努める所存であります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.サステナビリティに関する考え方

 当社は、1705年に創業し「社会から認められ社会から求められる企業として永遠に発展する」を経営理念に掲げ、当社の重要課題に対して企業の社会的責任を果たし、社会の発展に貢献することを目指しております。

 また、持続可能な開発目標(SDGs)として、「持続可能な社会基盤の構築」、「お客様の期待に応える品質管理」、「安全で働きやすい職場づくり」、「優秀な人材の育成・確保」、「生産性向上の進化・深化」、「強固で柔軟な組織の形成」、「環境保全への貢献」を取り組むべき課題としています。その課題解決の進捗は、経営会議等の機会を通じて検証しております。

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 なお、「CSR報告書2024 7頁~8頁 中期経営計画とSDGs」にも詳細を記載しております。

 

(1) 環境保全への貢献

 2030年度にCO2排出量原単位を基準値の40%削減の目標達成に向け、代表取締役社長銭高久善を委員長とした環境経営委員会を中心に、当社事業活動におけるCO2フリー電力や軽油代替燃料の活用及びお客様の事業活動におけるZEBや木造技術の推進の二本柱によるCO2排出量削減で環境負荷低減に取り組んでおります。

 また、同業・異業種との協業による脱炭素、生物多様性に関する技術や製品、ツールの開発等の環境関連技術の開発と実用化に向けて現場適用を推進すると共に、お客様ニーズを着実に把握し、環境負荷への取り組みを加速させカーボンニュートラルの実現に貢献いたします。

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 なお、「CSR報告書2024 20頁~22頁 環境への配慮」にも詳細を記載しております。参照先に記載の実績数値については2023年度の数値となっております。

 

(2) 健康経営に関する取り組み

 当社は経済産業省と日本健康会議が共同選定する「健康経営優良法人2024」(大規模法人部門)に認定されました。健康経営に取り組むことは「ヘルスマネジメント」だけでなく、生産性をどう向上させるかという「プロダクティビティマネジメント」も含めた人的資本を守る視点で取り組んでおります。

 なお、「CSR報告書2024 35頁~36頁 対談:健康経営の「本質」と「未来」」にも詳細を記載しております。

 

(3) コンプライアンス体制の構築

 各支社店のコンプライアンスの実施体制に加えてコンプライアンスの強化を目的として設置した「業務監察部コンプライアンス推進課」が、コンプライアンスの教育計画を取り纏め、実施状況の管理と効果の確認を行っております。

 なお、「CSR報告書2024 23頁~24頁 コンプライアンス ~法令を順守した事業活動~」にも詳細を記載しております。

 

(4) ガバナンス及びリスク管理

 当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続き等の体制を、その他のコーポレート・ガバナンスの体制と同様に行っております。

 「脱炭素化」に向けた環境関連分野においては、社長を委員長とする「環境経営委員会」を設置し、傘下の各ワーキンググループにて脱炭素化に向けた取り組みを組織横断で進めております。委員会では各部門の目標達成に向けた進捗状況の報告や課題の洗い出し、関連するリスクの識別・評価を行うと共に、脱炭素化に関連した技術開発の具体策の検討、関連法令・認証制度などの情報共有を行っております。また、工事ごとには、作業所と店内の関連部門で構成する「作業所プロジェクト」を通じて行っております。個別のリスクを識別・評価し、特定した影響をもとにリスク及び機会の検討をおこないます。識別されたリスクについては影響度を評価し、重要度に応じて対応策を検討・協議のうえ、報告しております。

 当社の環境経営委員会及び傘下の各ワーキンググループの体制は、下記のとおりであります。

 なお、コーポレート・ガバナンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

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2.人的資本に関する取組

(1) 人材育成の方針

 人材育成の方針については、「企業は人であり、構成する一人ひとりの人物こそが企業存続発展の原動力である」ことを認識し、中長期的な企業価値の向上に向けた人材育成として、次代の主力である中堅・若年層を対象とした教育や組織運営におけるマネジメント力の強化に注力し、取り組んでおります。

 なお、「CSR報告書2024 33~34頁 「人材育成とキャリア開発、多様な人材の活用」にも詳細を記載しております。

 

(2) 社内環境整備の方針

 社員が日々安心して働けるよう、女性活躍推進法に関する取り組み、ワークライフバランス等の取り組みに注力しております。

 行動計画に掲げた「女性技術者採用の積極的展開」「育児休業取得促進」の推進を通じて、「育児休業制度」を活用する社員は増加傾向にあり、2023年度も対象者が取得しています。

 なお、「CSR報告書2024 37頁 多様な人材の活用・働きやすい職場づくり」にも詳細を記載しております。

 

「CSR報告書2024」は、当社ウェブサイト(https://www.zenitaka.co.jp/pdf/csr/24_all.pdf)にも掲載しております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 建設市場の動向

 建設市場におきましては、国内外の景気後退等の影響により建設市場が急激に縮小した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 建設資材価格・労務費の高騰

 建設資材価格や技能労働者不足による労務費の急激な上昇により、工事利益の減少並びに工期延伸のリスクがあります。当社グループにおいては早期購買等で対応しておりますが、予想を上回る高騰を請負金に反映できない場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 取引先の信用

 発注者、協力企業、共同施工会社の信用不安などが顕在化した場合、資金の回収不能や施工遅延などの事態が発生し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 施工等の瑕疵

 当社グループでは、品質確保のための生産システムを確立し、品質管理には万全を期しておりますが、万一、品質に不具合があった場合、その対応に要する費用が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 資産の保有

 当社グループでは、有価証券・不動産等の資産を保有しており、時価が著しく下落した場合や収益性が著しく低下した場合に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 金利の変動

 金利が上昇した場合に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 海外事業に伴うリスク

海外での工事においては、為替レートの大きな変動、法令諸規制・税制の予期せぬ変更、テロ・紛争の発生等による政治・経済状況の急激な変動等が生じた場合に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 建設活動に伴う事故

 当社グループでは、品質マネジメントシステム(ISO9001)、環境マネジメントシステム(ISO14001)、及び建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)をシステム運用し、事故・災害を撲滅するための施工計画を立案し、作業環境整備等に努めておりますが、万一、重大事故が発生した場合、社会からの信用を失墜するとともに、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 自然災害

地震、津波、風水害等の自然災害により、当社グループの従業員と家族並びに保有資産に被害が及ぶ可能性があります。また、建設投資の見直し、工期遅延、建設資材の高騰等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)法的規制

当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法等、多くの法的規制を受けております。また、水質汚染、大気汚染、廃棄物処理等、自然環境に与える影響も大きく、そのため環境保全・建設副産物処理・CO2(二酸化炭素)削減等の法的規制も受けております。これらの法令等の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等や、法令等に違反した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)情報の漏洩

当社グループでは、事業活動で得た顧客の機密情報や個人情報等の取扱いについて細心の注意を払っておりますが、万一、これらの情報が漏洩した場合には、顧客や社会からの信用を失墜するとともに、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)サイバーリスク

当社グループでは、情報セキュリティ管理体制の整備を行い、社内教育を実施しておりますが、標的型攻撃メール、ウイルス感染、不正アクセス等のサイバー攻撃の被害にあった場合、顧客や社会からの信用を失墜するとともに、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の世界経済は、欧米の政策金利が利下げに転じている中、地政学的要因による経済状況の変動が懸念されましたが、総じてみれば緩やかに回復しております。また、わが国経済は、企業収益は改善しているものの、物価上昇を受けて個人消費は伸び悩んでおり、先行き不透明な状況であります。

 建設市場においては、民間設備投資は増加傾向にあり、公共投資は横ばいの動きをしているものの、資材価格や人件費の上昇により、設備投資計画の見直しや、収益の下押しが懸念され、依然として厳しい経営環境下にあります。

 

1.経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末比3,149百万円増(1.5%増)の206,761百万円、負債の部は、前連結会計年度末比788百万円減(0.7%減)の109,893百万円、純資産の部は、前連結会計年度末比3,938百万円増(4.2%増)の96,867百万円であります。

(2) 経営成績の状況

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比317百万円減(0.3%減)の120,660百万円、営業利益は前連結会計年度比390百万円増(11.8%増)の3,712百万円、経常利益は前連結会計年度比112百万円増(2.2%増)の5,098百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比767百万円増(28.0%増)の3,504百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加等により7,727百万円の支出超過(前連結会計年度は22,389百万円の支出超過)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出等により26百万円の支出超過(前連結会計年度は2,667百万円の収入超過)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加等により2,657百万円の収入超過(前連結会計年度は19,302百万円の収入超過)となりました。

これにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末より4,952百万円減少し12,538百万円となりました。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

①受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

(百万円)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

(百万円)

 

建設事業

118,773

159,985(34.7%増)

 (注)当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っておりません。

 

 

②売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

(百万円)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

(百万円)

 

建設事業

118,285

118,204(0.1%減)

不動産事業

2,691

2,455(8.8%減)

合計

120,977

120,660(0.3%減)

 (注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

前連結会計年度  京セラ株式会社     14,072百万円  11.6%

         三井不動産株式会社   13,710百万円  11.3%

当連結会計年度  京セラ株式会社     19,076百万円  15.8%

         三井不動産株式会社   13,273百万円  11.0%

         株式会社シーアールイー 12,987百万円  10.8%

 

なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績

(イ)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

建築工事

100,298

82,270

182,569

90,774

91,794

土木工事

71,984

36,503

108,487

27,511

80,976

172,283

118,773

291,056

118,285

172,771

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

建築工事

91,794

120,167

211,962

82,386

129,576

土木工事

80,976

39,818

120,795

35,818

84,976

172,771

159,985

332,757

118,204

214,553

 (注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

(ロ)受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

合計(%)

前事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

建築工事

72.8

27.2

100

土木工事

15.4

84.6

100

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

建築工事

43.1

56.9

100

土木工事

2.9

97.1

100

 (注)百分比は請負金額比であります。

 

 

(ハ)完成工事高

期別

区分

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

合計

(百万円)

前事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

建築工事

15,919

74,854

90,774

土木工事

14,232

13,278

27,511

30,152

88,133

118,285

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

建築工事

5,037

77,348

82,386

土木工事

22,104

13,714

35,818

27,141

91,062

118,204

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度

国立大学法人九州大学

 

九州大学・別府病院病棟・診療棟等新営工事

大分県

野村不動産株式会社

 

Landport横浜福浦新築工事

神奈川県

レイズネクスト株式会社

 

JX金属日立RCFC工場建設工事

茨城県

国土交通省東北地方整備局

 

国道6号勿来トンネル工事

福島県

西日本高速道路株式会社

 

新名神高速道路高槻高架橋東(下部工)工事

大阪府

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

 

北陸新幹線動橋川橋りょう工事

石川県

当事業年度

内閣府沖縄総合事務局

 

那覇第2合同3号館建築工事

沖縄県

富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社

 

富士フイルム株式会社 B1棟工事

熊本県

日本郵便株式会社

西日本旅客鉄道株式会社

大阪ターミナルビル株式会社

株式会社JTB

 

梅田3丁目計画建設工事

大阪府

国土交通省中部地方整備局

 

153号新伊勢神トンネル工事

愛知県

横浜市

 

中部水再生センター高速ろ過施設築造工事

神奈川県

京セラ株式会社

 

高城京セラ橋架設工事

鹿児島県

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

前事業年度  京セラ株式会社     14,072百万円 11.9%

       三井不動産株式会社   13,710百万円 11.6%

       株式会社シーアールイー 11,949百万円 10.1%

当事業年度  京セラ株式会社     19,076百万円 16.1%

       三井不動産株式会社   13,273百万円 11.2%

       株式会社シーアールイー 12,987百万円 11.0%

(ニ)次期繰越工事高(2025年3月31日現在)

区分

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

合計

 (百万円)

建築工事

5,297

124,278

129,576

土木工事

60,286

24,690

84,976

65,584

148,968

214,553

次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。

三井不動産株式会社

岡崎商業施設新築計画新築工事

愛知県

2025年9月完成予定

東レ建設株式会社

東レ新研究棟建設工事

愛知県

2025年12月  〃

学校法人北里研究所

北里大学相模原キャンパス大学図書館新築工事

神奈川県

2025年8月  〃

国土交通省関東地方整備局

霞ヶ浦導水石岡トンネル(第4工区)新設工事

茨城県

2025年12月  〃

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北海道新幹線遊楽部高架橋工事

北海道

2027年7月  〃

関西高速鉄道株式会社

なにわ筋線西本町駅部土木工事

大阪府

2028年3月  〃

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

①財政状態の分析

当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末比3,149百万円増(1.5%増)の206,761百万円であります。

その内訳は、流動資産については、前連結会計年度末比1,111百万円増(1.0%増)の112,486百万円であります。これは、主なものとして受取手形・完成工事未収入金等の前連結会計年度末比12,862百万円(15.5%増)などによるものであります。

また、固定資産については、前連結会計年度末比2,037百万円増(2.2%増)の94,274百万円であります。これは、主なものとして投資有価証券の前連結会計年度末比2,337百万円増(3.6%増)などによるものであります。

当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末比788百万円減(0.7%減)の109,893百万円であります。これは、主なものとして電子記録債務の前連結会計年度末比6,936百万円減(40.7%減)などによるものであります。

当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末比3,938百万円増(4.2%増)の96,867百万円であります。これは、親会社株主に帰属する当期純利益3,504百万円、その他有価証券評価差額金の増加974百万円などによるものであります。

②経営成績の分析

当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度比41,212百万円増(34.7%増)の159,985百万円であります。建設事業の内訳は、建築工事は前連結会計年度比37,897百万円増(46.1%増)の120,167百万円、土木工事は前連結会計年度比3,315百万円増(9.1%増)の39,818百万円であります。

 また、当連結会計年度の完成工事高は、前連結会計年度比80百万円減(0.1%減)の118,204百万円であります。建設事業の内訳は、建築工事は前連結会計年度比8,388百万円減(9.2%減)の82,386百万円、土木工事は前連結会計年度比8,307百万円増(30.2%増)の35,818百万円であります。これに不動産事業等売上高、前連結会計年度比236百万円減(8.8%減)の2,455百万円を合わせた当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比317百万円減(0.3%減)の120,660百万円であります。当連結会計年度の完成工事総利益は、前連結会計年度比1,016百万円増(13.0%増)の8,840百万円となりました。これに不動産事業等総利益、前連結会計年度比384百万円減(21.9%減)の1,369百万円を合わせた当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度比632百万円増(6.6%増)の10,210百万円となりました。販売費及び一般管理費は、経費の増加により前連結会計年度比241百万円増(3.9%増)の6,498百万円となり、営業利益は前連結会計年度比390百万円増(11.8%増)の3,712百万円となりました。営業外損益は、営業外収益が為替差益の減少等により前連結会計年度比91百万円減(4.9%減)の1,776百万円となり、営業外費用は支払利息の増加等により前連結会計年度比186百万円増(91.9%増)の390百万円となりました。これにより、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度比112百万円増(2.2%増)の5,098百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比767百万円増(28.0%増)の3,504百万円となりました。

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

(建設事業)

受注高については、建築工事120,167百万円(前連結会計年度比46.1%増)、土木工事39,818百万円(前連結会計年度比9.1%増)の合計159,985百万円(前連結会計年度比34.7%増)となり、完成工事高は、建築工事82,386百万円(前連結会計年度比9.2%減)、土木工事35,818百万円(前連結会計年度比30.2%増)の合計118,204百万円(前連結会計年度比0.1%減)、営業利益は3,343百万円(前連結会計年度比26.4%増)であります。

(不動産事業)

売上高は2,455百万円(前連結会計年度比8.8%減)、営業利益は1,274百万円(前連結会計年度比19.1%減)であります。

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容については、「1.経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、建設事業に係る工事費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。

当社グループは、建設事業において獲得した資金及び金融機関からの借入金を主な資本の源泉とし、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、12,538百万円となりました。また、当連結会計年度末における借入金の残高は、短期借入金22,050百万円、1年内返済予定の長期借入金100百万円及び長期借入金14,700百万円の計36,850百万円であります。

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 特記事項はありません。

6【研究開発活動】

(建設事業)

 当社グループは、多様化する顧客のニーズ、生産性の向上、品質の向上、安全で環境にやさしい工事施工に対応すべく建築・土木・環境の分野において技術研究所を中心にソフト・ハードの研究開発を幅広く実施しております。

 当連結会計年度における研究開発費は194百万円でありました。また、当社グループの研究開発体制及び主な研究開発成果は以下のとおりであります。

[建築・土木共通技術]

(1) コンクリート構造物の調査・品質向上技術

コンクリート構造物にやさしい調査技術として、構造体を傷めることのない調査方法である小径コア(直径20mm~25mm程度)による簡便で精度の良いコンクリート強度の調査法「ソフトコアリングⓇ」(建築用)、「ソフトコアリングC+」(土木用)を開発し、一般財団法人日本建築センターと一般財団法人土木研究センターの技術審査証明を取得し定期的に更新しております。また、毎年ソフトコアリング協会員(115社)の技術向上を目的に技術講習会を開催しております。調査対象となる小径コアの2024年度末の累計施工本数は建築用・土木用あわせて約7.0万本となっています。

(2) ICTを活用した工事の生産性向上・品質向上への取組み

工事の生産性向上、品質向上に対応すべく、2024年度も引き続きICTを活用する作業所での試行や研究開発に取り組んでおります。生産性向上としては、現場巡回ドローンや四足歩行ロボットによる施工管理の省力化や墨出し作業のロボットによる代替、作業の安全確認の技術指導、CFT(コンクリート充填鋼管構造)圧入施工管理に対して技術研究所からの遠隔支援の実施、ドローンによるPC橋梁の出来形計測の省力化、施工支援ロボットとの協業による生産性向上に関する研究等に取り組みました。また、建設RXコンソーシアム(建設施工に活用するロボット及びIoTアプリ等の開発と利用に係るロボティクストランスフォーメーションの推進を実施する建設会社、協力会社及び支援企業で形成する共同事業体)に参加し、建設施工ロボット・IoT分野での技術連携を通して建設業界全体の生産性向上を推進しています。品質向上としては、コンクリート品質の向上を目的にMR(複合現実)を用いたコンクリート締固め管理システムを現場適用しました。

(3) 脱炭素への取組み

建築物の脱炭素化に向けて、運用時だけでなく建設時のCO2(二酸化炭素)排出量を削減する動きが加速しています。脱炭素設計のために、CO2排出量算定ソフトを用いて建設時のCO2排出量を算出しています。また、カーボンストックの観点から、中高層木造ハイブリッド建物に関して技術情報の収集と解析を行い設計・施工技術を確立しました。商標登録「ZS WoodⓇ」を行い、錢高組のブランドとして展開していきます。工事施工中のCO2排出量を削減する技術として、大気中に含まれるCO2を直接回収し、回収したCO2を現場内で炭素源として再利用することでCO2を地産地消する「CO2オンサイトDACS(Direct Air Capture & Storage)」の実用化に向けて開発を進めています。

 

[建築関連技術]

(1) 柱RC梁S造混合構造

物流倉庫や商業施設を対象に、鉄筋コンクリートの高剛性と鉄骨造の軽量大スパン化の特長を活かしコストダウンにつながる柱RC梁S造混合構法について、RC柱とS梁の接合形式を2形式5パターン開発しています。これらの技術を用いてこれまでに15件の物流倉庫に適用しました。

(2) YZ補剛工法Ⓡ

鋼構造、柱RC梁S造混合構造などの梁が鉄骨造である物流倉庫や商業施設等で、床スラブと梁の合成効果を考慮して補剛材を削減する「YZ補剛工法Ⓡ」を開発し、2019年度に一般財団法人日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得しました。取得後から積極的な展開を行い、2023年度にはそれまでの施工実績を踏まえて施工性と経済性を向上させて適用範囲を拡大するブラッシュアップを行い、建築技術性能証明を改定取得しました。当社の標準仕様として、2024年度末で累計19件の工事に適用しています。

 

(3) 基礎梁の開孔補強工法

設備配管用開孔と人通孔の間隔を従来の開孔直径平均の3倍以上から2倍以上に緩和して設備設計を簡素化する「近接開孔基礎梁工法」を2015年度に開発しました。また、基礎梁の開孔を梁せいの現行基準1/3以下を1/2.5以下に緩和して基礎梁掘削土量削減や既製の補強金物の使用でコストダウンする「大開孔基礎梁工法」を2017年度に開発し、2022年度には高強度補強金物を用いた「EXダイヤレン工法」に改良しました。いずれも一般財団法人日本建築総合試験所より建築技術性能証明を取得しております。引き続き、設備設計の自由度拡大や大型物流倉庫での基礎のコストダウンに有効な技術として展開していきます。

(4) 物流1階床コンクリートの品質向上

物流施設等の1階床コンクリートは、上層階の施工前の露天状態で施工される場合、特に暑中期でひび割れの抑制が難しい状況にあります。そこで、膨張材と混和剤の添加量を調整することで暑中期においても十分な膨張量を確保し、ひび割れを抑制する方法を確立しました。今後、現場への普及に努めます。

 

[土木関連技術]

(1) SEWを用いたシールド直接発進到達工法

SEWを用いたシールド直接発進到達工法は、シールド発進到達用立坑のシールド機通過部分に硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した新素材(FFU部材)を組込み、シールド機を直接発進到達させることで工期短縮、コストダウンを可能にする技術であります。RC地中連続壁、柱列式連続壁、ライナープレート、ケーソンなど多様な立坑形式への対応、大断面や大深度を可能とするなど改良を加えて建設技術審査証明を更新取得してきました。2021年度には工場製作時に実施する品質確認試験方法を改定して審査証明を更新し顧客のニーズに対応しています。今後も技術提案や施工のコストダウンに活用していきます。

(2) FFUセグメント

新素材FFUで製作されたシールド用セグメント「FFUセグメント」は、シールド機のカッターで容易に切削できることから上下水道等の分岐・合流を非開削で行う場合に有効なセグメントで、2023年度末までに累計16件の実績が有ります。2019年度からは、接合部の大口径化に伴ってFFUセグメントに継手を用いて分割施工に対応できるよう研究開発を進めました。また、近年はシールド発進・到達用にアーバンリング工法の円形立坑で多く採用されています。2024年度末までに累計50件の工事で活用されました。セグメント構造の合理化及び大深度への対応に向け、更に改良を加えた開発を実施しております。

(3) シールド泥水管理システム

泥水シールド工法における切羽前方地盤の土質の変化をリアルタイムで捉え、掘削泥水の品質(比重、粘性等)を適正管理するアシストシステムを開発し、2022年度に岡山県のシールド工事で試行を完了しその有効性を確認しました。このシステムにより泥水シールド工法において重要な施工管理項目である泥水品質の土質の変化への迅速な対応が可能となり、掘進停止や地盤隆起・陥没等のトラブル防止、更には施工効率の向上に繋がります。2024年度末までに累計3件の工事で活用されました。今後は、施工実績を蓄積するとともにAIによるアシスト能力の向上などシステムの改善を図り、安全なシールド工事の施工に積極的に活用します。

(4) PC橋梁の施工管理システム(橋面自動測量システム、PC緊張管理システム)

PC橋梁の張出し施工における現場測量や上げ越し管理の省人・省力化を図る「橋面自動測量システム」及びPC鋼材の緊張力をセンサで自動計測して安全・適切に施工管理する「PC緊張管理システム」を2020年度に開発し、2018年に開発した「PCグラウト一元管理システム」と併せて「PC橋梁施工管理システム」が完成しました。長野県のPC橋梁工事に導入しその効果を実証しました。今後は、ICTを活用した施工管理省力化手法の一環として、PC橋梁における施工管理の省力化、品質向上に繋げる管理システムとして全現場に活用していきます。

(5) TUNNEL EYE

山岳トンネル工事において、坑内で稼働する換気設備を自動制御することで省電力化を図るエネルギーマネジメントシステム「TUNNEL EYE」を開発し、積極的に現場で活用することで、消費電力量の削減に努めています。2022年から2023年にかけて施工した愛知県のトンネル工事では、導入効果として工事全体で約24%、換気設備では約44%の消費電力量削減が図れました。今後も積極的に現場で活用し、環境負荷低減を図っていきます。

 

 

[環境関連技術]

(1) 環境配慮型コンクリート製造技術

製造時にCO2排出量の少ない高炉スラグ微粉末をセメントに混合した環境配慮型コンクリートCELBICを開発(2021年性能証明取得)し、そのノウハウを土木コンクリート構造物の脱炭素化にも活用(1件)しています。今後、性能証明を改定取得し、脱炭素化を推進します。

(2) 室内環境(温熱・換気)解析システム

室内環境解析システムは、事務所や体育館など大空間や、自然エネルギー利用など快適な室内環境の提案に活用しています。2024年度も引き続き、BIMと連携した建物の環境性能の見える化に取り組み、温熱・湿度、換気など建物の環境性能を動画で確認できる機能を活用し、物流倉庫、工場、事務所ビルなどの設備設計や室内環境を向上させました。また、このシステムを活用し、最適な省エネ技術を組み合わせて、室内温熱環境の快適性についても評価できるよう充実を図りました。今後も、快適な室内環境の解り易い提案にこれら室内環境解析システムを活用します。

 

なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

(不動産事業)

研究開発活動は特段行われておりません。