第2 【事業の状況】

 

 (注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出・生産面において新興国経済の減速の影響もみられたものの、企業収益や雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復を続けてきた。

建設業界においては、公共投資は緩やかな減少傾向にあるものの、民間設備投資は緩やかな増加基調にあり、総じて好調な受注環境が続く一方、人手不足など厳しい状況も続いた。

このような状況のもと、当社グループにおいては、太陽光発電設備工事は買取価格の低下などにより減少したが、営業・工事の各部門が一体となってリニューアル工事の提案営業など積極的な営業活動を展開したことや、電柱建替等の配電線工事の増加に適切に対応したことなどにより、売上高については前年度を上回ることとなった。

営業利益については、売上高の増加及び原価低減の一層の徹底などにより前年度を上回ることとなった。

経常利益については、営業利益が増加したものの、営業外収益として計上した投資有価証券償還益が減少したことなどにより前年度を下回ることとなった。

親会社株主に帰属する当期純利益については、経常利益が減少したものの、投資有価証券売却益を特別利益として計上したことなどにより前年度を上回ることとなった。

 

当連結会計年度の業績は、次のとおりである。

(連結業績)

   売上高                     1,477億5千2百万円 (前連結会計年度比    1.5%増)

   営業利益                    109億7千7百万円 (前連結会計年度比   16.4%増)

   経常利益                      148億4百万円 (前連結会計年度比    8.2%減)

   親会社株主に帰属する当期純利益    108億8千9百万円 (前連結会計年度比    3.8%増)

 

(設備工事業)

当社グループの主たる事業である設備工事業は、リニューアル工事や配電線工事が増加したことなどにより、完成工事高は1,365億6千3百万円(前連結会計年度比0.5%増)、完成工事総利益は202億8百万円(前連結会計年度比10.3%増)となった。

 

(その他の事業)

販売などのその他の事業は、積極的な営業活動を推進した結果、売上高は111億8千8百万円(前連結会計年度比15.2%増)、その他の事業総利益は12億1千7百万円(前連結会計年度比4.1%増)となった。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、財務活動により資金を使用したが、営業活動及び投資活動による資金の獲得により、前連結会計年度末に比較し125億9千万円増加し、当連結会計年度末は583億1千4百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、営業活動によって104億6千万円の資金を獲得した(前連結会計年度は51億4千2百万円の資金の獲得)。

これは主に、税金等調整前当期純利益158億3千6百万円などの資金増加要因が、法人税等の支払額39億9千5百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものである。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、投資活動によって93億3千9百万円の資金を獲得した(前連結会計年度は127億6千1百万円の資金の使用)。

これは主に、投資有価証券の償還などにより168億8百万円の収入があったが、投資有価証券の取得により77億2千1百万円、有形固定資産の取得により34億2千4百万円の支出があったことによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、財務活動によって74億3千6百万円の資金を使用した(前連結会計年度は27億5千9百万円の資金の使用)。

これは主に、配当金の支払により47億6千1百万円、自己株式の取得により16億7千5百万円を支出したことによるものである。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  平成26年4月1日

  至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

 (自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

前年同期比

設備工事業

141,636百万円

143,419百万円

1.3%

 

 (注)当社グループでは、設備工事業以外は受注生産を行っていない。

 

(2)売上実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  平成26年4月1日

  至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

 (自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

前年同期比

設備工事業

135,831百万円

136,563百万円

0.5%

その他の事業

9,716

11,188

15.2

合計

145,547

147,752

1.5

 

 (注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。

 2.主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりである。

 

相手先

前連結会計年度

  (自  平成26年4月1日

  至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

 (自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

金額

割合

金額

割合

中国電力㈱

35,623百万円

24.5%

39,271百万円

26.6%

 

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況

第 99期(自  平成26年4月1日  至  平成27年3月31日)

第100期(自  平成27年4月1日  至  平成28年3月31日)

 

①  受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 (単位:百万円)

 

工事別

前期繰越
工事高

当期受注
工事高

当期完成
工事高

次期繰越
工事高

第99期

屋内電気工事

38,174

79,592

117,767

75,082

42,685

空調・管工事

10,951

22,005

32,956

20,295

12,661

情報通信工事

2,575

4,542

7,118

5,797

1,321

配電線工事

389

29,095

29,485

29,144

340

発送変電工事

1,323

4,491

5,815

3,625

2,190

53,414

139,727

193,142

133,944

59,198

第100期

屋内電気工事

42,685

76,570

119,255

71,601

47,653

空調・管工事

12,661

20,412

33,074

21,629

11,444

情報通信工事

1,321

4,810

6,131

4,265

1,866

配電線工事

340

32,152

32,493

32,038

454

発送変電工事

2,190

5,751

7,941

4,810

3,131

59,198

139,697

198,896

134,345

64,551

 

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれる。

 2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

 

②  受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命、競争及び中国電力㈱との工事委託契約によるものとに大別される。

 (単位:%)

期別

区分

特命

競争

工事委託契約

第99期

配電線工事

5.5

3.6

90.9

100.0

その他

23.7

76.3

100.0

合計

19.9

61.2

18.9

100.0

第100期

配電線工事

3.6

4.4

92.0

100.0

その他

20.7

79.3

100.0

合計

16.8

62.0

21.2

100.0

 

 (注)百分比は、請負金額比である。

 

 

 

③  完成工事高

 

期別

得意先

完成工事高

第99期

中国電力㈱

35,595百万円

26.6%

官公庁

19,809

14.8

一般民間

78,539

58.6

133,944

100.0

第100期

中国電力㈱

39,243

29.2

官公庁

22,764

17.0

一般民間

72,336

53.8

134,345

100.0

 

 (注)1.完成工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。

第99期

中日本高速道路㈱

首都圏中央連絡自動車道城山八王子トンネル他3トンネル照明設備工事

ヤマネ鉄工建設㈱

(仮称)中川賢一太陽光発電所建設工事(電気設備)

清水建設㈱

広島共立病院移転新築工事(電気空調給排水設備)

中日本高速道路㈱

舞鶴若狭自動車道小浜IC~三方IC間トンネル照明設備工事

アイサワ工業㈱

公益財団法人慈圭会慈圭病院病棟改修工事(電気空調給排水設備)

 

 

 

第100期

出雲クリーン合同会社

出雲クリーン発電太陽光発電所建設工事(電気設備)

大成建設㈱

津名東太陽光発電所建設工事(電気設備)

笠岡放送㈱

笠岡放送平成22年度FTTH構築工事

OCソーラー㈱

東野崎太陽光発電所建設工事(電気設備)

中国電力㈱

220KV井原連絡線新設工事(第3工区)他工事

 

 

 

2.第99期及び第100期における完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、中国電力㈱のみである。

 

④  次期繰越工事高(平成28年3月31日現在)

 

区分

次期繰越工事高

中国電力㈱

3,920百万円

6.1%

官公庁

18,395

28.5

一般民間

42,235

65.4

64,551

100.0

 

 (注)次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。

防衛省中四国防衛局

岩国飛行場(H23)整備格納庫(B)新設工事(電気設備)

平成28年6月完成予定

㈱竹中工務店

(仮称)エネコム広島ビル新築電気設備工事

平成28年7月完成予定

㈱竹中工務店

川崎医科大学附属川崎病院新築工事(電気設備)

平成28年8月完成予定

東洋エンジニアリング㈱

瀬戸内Kirei太陽光発電所建設工事(電気設備)

平成30年6月完成予定

戸田建設㈱

鳥取赤十字病院新病棟等増改築工事(電気空調設備)

平成31年3月完成予定

 

 

 

 

 

 

3【対処すべき課題】

今後の経済見通しについては、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が続く中で、各種政策の効果もあって、国内景気は緩やかな回復を続けていくことが期待される。一方、中国を始めとする新興国等の景気の下振れや、金融市場の変動の影響により景気が下押しされるリスクがある。

このような状況のもと、当社グループが、将来にわたり持続的な発展を遂げていくため、「経営基盤の強化と更なる成長」をテーマとした中期経営計画(2015~2017年度)を策定している。

この計画では、次の主要施策と数値目標を掲げ、コア事業の強化と将来を見据えた成長戦略による事業の拡大を目指している。

 

〔 主要施策 〕

① 受注の確保・拡大

・中国地域における営業基盤の強化
・都市圏の事業拡大
・成長戦略による事業拡大

② 利益の確保・拡大

・適正な原価管理の徹底
・中電工グループ全体での生産性の向上

③ 活力を生む“人づくり”

・中電工グループ全体での人材の確保
・次世代リーダーの育成
・「より高度な仕事をする」環境の構築

④ 品質の向上

・お客様満足度の向上

 

 

〔 数値目標(連結) 〕

 

2017年度

売 上 高

       1,500億円

営業利益

  (4.7%)   70億円

 

 

中期経営計画の初年度である当連結会計年度では、上記諸施策に順次取り組み、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」のとおり一定の成果が上がった。

引き続き、テーマの一つである「経営基盤の強化」については、更に確固たるものにするため、取り組みを進める所存である。

また、もう一方のテーマである「更なる成長」については、補強・スピードアップが必要な施策について重点的に取り組み、M&A、研究開発、人材育成等への将来を見据えた投資を積極的に実施する。

この計画期間ではその投資枠として300億円を設定しており、現段階では太陽光発電事業へ約34億円、農業関連事業へ約6億円の合計約40億円の出資を実施または予定している。

引き続き、持続的な成長のための投資を行う所存である。
 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業に関して、投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには、以下のようなものがある。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであるが、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合に適切かつ迅速な対応に努める所存である。

 

(1)受注環境の悪化

経済状況の変動により、公共投資や民間設備投資が減少を続けた場合、受注競争がより一層激化し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

(2)取引先の信用リスク

当社グループは、取引先の与信管理を行い、不良債権の発生防止に努めている。しかしながら取引先の経営・財務状況が悪化し不良債権が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3)材料費及び外注費の高騰

材料単価や外注労務単価が著しく上昇し、これを請負金額に反映することが困難な場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4)保有債券等の時価の下落

営業政策として株式を、また資金運用目的として債券を保有している。このため、株式市況や債券市況の動向如何によっては、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(5)自然災害の発生

当社グループは、大規模な自然災害発生時における業務中断に伴うリスクを最低限に抑えるために、事業継続計画を策定しているが、大規模な自然災害に伴い工事の中断や大幅な遅延等の事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

5【経営上の重要な契約等】

特記事項なし

 

6【研究開発活動】

(設備工事業)

当社は、総合設備エンジニアリング企業として社内外の要求や技術課題を解決するとともに、安全・品質、エネルギー、システム、省力化等の技術分野を対象に「技術センター」を中心として事業領域の拡大やより優位な受注に繋がる研究開発を行っている。

当連結会計年度における研究開発費は、1億7千万円である。なお、各技術分野別の目的、重要課題、研究開発活動内容は、以下のとおりである。

 

(1)安全・品質

災害事故防止や施工品質向上のため、安全意識向上やヒューマンエラー防止を実現する研究開発を行っている。 

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、バーチャル映像による安全意識向上システムやコンセント極性試験器の開発などが挙げられる。

 

(2)エネルギー

環境負荷低減に役立つ新エネルギー・省エネルギーシステム等の技術提案を推進するため、エネルギー関連技術の研究開発を行っている。

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、エネルギーマネジメントシステムの検証・研究などが挙げられる。

 

(3)システム

地域ニーズを取り込んだ技術提案を行うためICT利活用技術やネットワーク構築技術などの研究開発を行っている。

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、地域活性化を支援する地方自治体向け高齢者見守りシステムやデジタルサイネージシステムの開発などが挙げられる。

 

 

(4)省力化

技術主管部を中心に、作業環境の改善、業務効率化を目的として新工法・新工具の開発・改良に取り組んでいる。

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、配電線工事分野で垂直配線支持アームの開発、太陽光発電設備工事で手動式バーコード読取装置の開発などが挙げられる。

 

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。

 

(その他の事業)

研究開発活動は特段行われていない。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績について、売上高は、リニューアル工事や配電線工事が増加したことなどにより、前連結会計年度に比較して22億4百万円増加の1,477億5千2百万円となった。

営業利益は、売上高の増加及び原価低減の一層の徹底などにより、前連結会計年度に比較して15億4千6百万円増加の109億7千7百万円となった。

経常利益は、営業利益が増加したものの、営業外収益として計上した投資有価証券償還益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比較して13億2千5百万円減少の148億4百万円となった。

親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が減少したものの、投資有価証券売却益を特別利益として計上したことなどにより、前連結会計年度に比較して3億9千6百万円増加の108億8千9百万円となった。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しているとおりである。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

総資産は2,600億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億8千5百万円の減少となった。これは、有価証券の増加135億1千1百万円、投資有価証券の減少126億8千6百万円、その他投資等の減少35億2千万円などによるものである。

負債は450億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億9千6百万円の減少となった。これは、未払法人税等の減少7億3千1百万円などによるものである。

純資産は2,150億5千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億8千9百万円の減少となった。これは、利益剰余金の増加65億7千4百万円、その他有価証券評価差額金の減少42億7千3百万円、退職給付に係る調整累計額の減少20億2千2百万円、自己株式の取得に伴う減少15億1千2百万円などによるものである。

 

(4)経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループは、「総合設備エンジニアリング企業として、お客様のために高度な価値を付加した生活・事業環境を創出することにより、社会の発展に貢献する」ことを企業使命とする企業理念を掲げ、すべてのステークホルダーから高い信頼と評価を頂けるよう、グループ一体となって企業価値の向上を目指すこととしている。

中期経営計画〔2015~2017年度〕で「経営基盤の強化と更なる成長」をテーマに掲げ、主要施策である収益の確保・拡大と将来に向けた体制の強化に取り組んでいるところである。

永続的課題である「安全最優先」と「コンプライアンス徹底」が企業運営の基盤であることを再徹底するとともに、補強が必要なもの、強化・スピードアップが必要なものを施策に織り込み、中期経営計画の目標達成に向け取り組む所存である。