第2 【事業の状況】

 

 (注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益・雇用・所得環境など総じて改善し、景気は緩やかな回復基調で推移した。

建設業界においては、公共投資・民間設備投資とも底堅い動きが続き、受注環境はおおむね堅調に推移した。

このような状況のもと、当社グループは、中期及び年度経営計画に掲げる①受注の確保・拡大、②利益の確保・拡大、③活力を生む“人づくり”、④品質の向上への諸施策に取り組んできた結果、当連結会計年度の業績は次のとおりとなった。

売上高については、太陽光発電設備工事が減少したものの、電柱建替等の配電線工事の増加や連結子会社が2社増加したことなどにより前年度を上回った。

営業利益については、継続して原価低減に努めたが、M&A関連費用などの販管費の増加により前年度を下回った。

経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については、営業利益の減少及び投資有価証券償還益がなかったことなどにより前年度を下回った。

 

(連結業績)

   売上高                     1,479億3千5百万円 (前連結会計年度比    0.1%増)

   営業利益                     96億7千5百万円 (前連結会計年度比   11.9%減)

   経常利益                    118億7千1百万円 (前連結会計年度比   19.8%減)

   親会社株主に帰属する当期純利益     92億7千3百万円 (前連結会計年度比   14.8%減)

 

(設備工事業)

当社グループの主たる事業である設備工事業は、配電線工事の増加や連結子会社が2社増加したことなどにより、完成工事高は1,373億3千4百万円(前連結会計年度比0.6%増)、完成工事総利益は202億5千3百万円(前連結会計年度比0.2%増)となった。

 

(その他の事業)

販売などのその他事業は、積極的な営業活動を推進したが、売上高は106億1百万円(前連結会計年度比5.2%減)、その他事業総利益は11億2千5百万円(前連結会計年度比7.5%減)となった。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動及び財務活動により資金を使用したが、営業活動による資金の獲得により、前連結会計年度末に比較し2億6千6百万円増加し、当連結会計年度末は585億8千万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、営業活動によって107億1千9百万円の資金を獲得した(前連結会計年度は104億6千万円の資金の獲得)。

これは主に、税金等調整前当期純利益132億4千6百万円などの資金増加要因が、法人税等の支払額34億3千5百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものである。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、投資活動によって12億3千1百万円の資金を使用した(前連結会計年度は93億3千9百万円の資金の獲得)。

これは主に、投資有価証券の売却及び償還により115億5千5百万円などの収入があったが、投資有価証券の取得により127億8千2百万円などの支出があったことによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、財務活動によって92億7百万円の資金を使用した(前連結会計年度は74億3千6百万円の資金の使用)。

これは主に、自己株式の取得により55億2千6百万円、配当金の支払により44億9千4百万円を支出したことなどによるものである。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

 (自  平成28年4月1日

  至  平成29年3月31日)

前年同期比

設備工事業

143,419百万円

146,027百万円

1.8%

 

 (注)当社グループでは、設備工事業以外は受注生産を行っていない。

 

(2)売上実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

 (自  平成28年4月1日

  至  平成29年3月31日)

前年同期比

設備工事業

136,563百万円

137,334百万円

0.6%

その他の事業

11,188

10,601

△5.2

合計

147,752

147,935

0.1

 

 (注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。

 2.主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりである。

 

相手先

前連結会計年度

  (自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

 (自  平成28年4月1日

  至  平成29年3月31日)

金額

割合

金額

割合

中国電力㈱

39,271百万円

26.6%

40,597百万円

27.4%

 

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況

第100期(自  平成27年4月1日  至  平成28年3月31日)

第101期(自  平成28年4月1日  至  平成29年3月31日)

 

①  受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 (単位:百万円)

 

工事別

前期繰越
工事高

当期受注
工事高

当期完成
工事高

次期繰越
工事高

第100期

屋内電気工事

42,685

76,570

119,255

71,601

47,653

空調管工事

12,661

20,412

33,074

21,629

11,444

情報通信工事

1,321

4,810

6,131

4,265

1,866

配電線工事

340

32,152

32,493

32,038

454

発送変電工事

2,190

5,751

7,941

4,810

3,131

59,198

139,697

198,896

134,345

64,551

第101期

屋内電気工事

47,653

73,995

121,648

67,210

54,438

空調管工事

11,444

25,623

37,068

21,883

15,184

情報通信工事

1,866

5,786

7,653

5,080

2,573

配電線工事

454

33,184

33,639

33,172

467

発送変電工事

3,131

4,739

7,871

5,165

2,705

64,551

143,329

207,880

132,512

75,368

 

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれる。

 2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

 

②  受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命、競争及び中国電力㈱との工事委託契約によるものとに大別される。

 (単位:%)

期別

区分

特命

競争

工事委託契約

第100期

配電線工事

3.6

4.4

92.0

100.0

その他

20.7

79.3

100.0

合計

16.8

62.0

21.2

100.0

第101期

配電線工事

3.7

5.3

91.0

100.0

その他

19.5

80.5

100.0

合計

15.8

63.1

21.1

100.0

 

 (注)百分比は、請負金額比である。

 

 

 

③  完成工事高

 

期別

得意先

完成工事高

第100期

中国電力㈱

39,243百万円

29.2%

官公庁

22,764

17.0

一般民間

72,336

53.8

134,345

100.0

第101期

中国電力㈱

40,567

30.6

官公庁

18,880

14.3

一般民間

73,063

55.1

132,512

100.0

 

 (注)1.完成工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。

第100期

出雲クリーン合同会社

出雲クリーン発電太陽光発電所建設工事(電気設備)

大成建設㈱

津名東太陽光発電所建設工事(電気設備)

笠岡放送㈱

笠岡放送平成22年度FTTH構築工事

OCソーラー㈱

東野崎太陽光発電所建設工事(電気設備)

中国電力㈱

220KV井原連絡線新設工事(第3工区)他工事

 

 

 

第101期

㈱竹中工務店

(仮称)エネコム広島ビル新築工事(電気設備)

㈱竹中工務店

川崎医科大学附属川崎病院新築工事(電気設備)

防衛省中国四国防衛局

岩国飛行場(H23)整備格納庫(B)新設工事(電気設備)

㈱出雲村田製作所

㈱出雲村田製作所 E2棟増築工事(電気設備)

㈱熊谷組

(仮称)イオン出雲ショッピングセンター新築工事(電気設備)

 

 

 

2.第100期及び第101期における完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、中国電力㈱のみである。

 

④  次期繰越工事高(平成29年3月31日現在)

 

区分

次期繰越工事高

中国電力㈱

3,844百万円

5.1%

官公庁

23,117

30.7

一般民間

48,406

64.2

75,368

100.0

 

 (注)次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。

防衛省中国四国防衛局

見島(27)局舎等新設電気その他工事(電気設備)

平成30年3月完成予定

東洋エンジニアリング㈱

瀬戸内Kirei太陽光発電所建設工事(電気設備)

平成30年6月完成予定

鳥取県 鳥取県営病院事業管理者

鳥取県立中央病院建替整備工事(電気設備)

平成30年9月完成予定

エフビットコミュニケーションズ㈱

仮)岡山美咲発電所建設工事(電気設備)

平成30年10月完成予定

㈱日立製作所

岡山県新見市太陽光発電所電気工事(電気設備)

平成31年9月完成予定

 

 

 

 

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、遵守すべき精神的なよりどころとして「眞心」を社是と定めている。

また、企業使命を「総合設備エンジニアリング企業として、お客様のために高度な価値を付加した生活・事業環境を創出することにより、社会の発展に貢献する」とし、次の5項目を経営姿勢としている。

    ① お客様・株主様の信頼を獲得し、選ばれる企業を目指す。
    ② 環境に優しく、品質に厳しい企業を目指す。
    ③ 総合技術力の強化・向上を目指す。
    ④ 人を大切にし、安全で活力ある職場作りを推進する。
    ⑤ 受注の確保と経営の効率化を推進し、強固な経営基盤を堅持する。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

今後の経済見通しについては、引き続き緩やかな回復を続けていくことが期待されるが、海外経済や金融市場の動向などにより景気が下押しされるリスクがある。

このような状況のもと、当社グループは、将来にわたり持続的な発展を遂げていくため、「経営基盤の強化と更なる成長」をテーマとした中期経営計画(2015~2017年度)において次の主要施策に取り組み、人材育成・M&A等への将来を見据えた投資を積極的に行っている。

 

① 受注の確保・拡大

・中国地域における営業基盤の強化
・都市圏の事業拡大
・成長戦略による事業拡大

② 利益の確保・拡大

・適正な原価管理の徹底
・中電工グループ全体での生産性の向上

③ 活力を生む“人づくり”

・中電工グループ全体での人材の確保
・次世代リーダーの育成
・「より高度な仕事をする」環境の構築

④ 品質の向上

・お客様満足度の向上

 

  

今後はこれらの施策に加え、時代の要請でもある働き方改革を推し進めるとともに、成長投資を着実に推進し、当社グループ一体となって以下の中長期ビジョンの実現を目指して行く所存である。 

 

 

中電工グループ 中長期ビジョン(創立80周年となる2024年度での目指す姿・目標)
 
【テーマ】

  変革と成長を遂げる 中電工グループ

【目指すグループ像】

  従業員一人ひとりが働きがいを持って活躍するグループ

  中国地域だけでなく都市圏・海外でも存在感を発揮できるグループ

【数値目標】

  2024年度  連結売上高2,000億円以上,連結営業利益130億円(6.5%)以上
 

 

 

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業に関して、投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには、以下のようなものがある。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであるが、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合に適切かつ迅速な対応に努める所存である。

 

(1)受注環境の悪化

経済状況の変動により、公共投資や民間設備投資が減少を続けた場合、受注競争がより一層激化し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2)取引先の信用リスク

当社グループは、取引先の与信管理を行い、不良債権の発生防止に努めている。しかしながら取引先の経営・財務状況が悪化し不良債権が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3)材料費及び外注費の高騰

材料価格や外注労務単価が著しく上昇し、これを請負金額に反映することが困難な場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4)保有債券等の時価の下落

営業政策として株式を、また資金運用目的として債券を保有している。このため、株式市況や債券市況の動向如何によっては、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(5)自然災害の発生

当社グループは、大規模な自然災害発生時における業務中断に伴うリスクを最低限に抑えるために、事業継続計画を策定しているが、大規模な自然災害に伴い工事の中断や大幅な遅延等の事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

5【経営上の重要な契約等】

特記事項なし

 

6【研究開発活動】

(設備工事業)

当社は、総合設備エンジニアリング企業として社内外の要求や技術課題を解決するとともに、安全・品質、エネルギー、システム、省力化等の技術分野を対象に「技術センター」を中心として事業領域の拡大やより優位な受注に繋がる研究開発を行っている。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、1億7千8百万円である。なお、各技術分野別の目的、重要課題、研究開発活動内容は、以下のとおりである。

 

(1)安全・品質

災害事故防止や施工品質向上のため、安全意識向上やヒューマンエラー防止を実現する研究開発を行っている。 

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、熱中症警報器やコンセント極性試験器の開発などが挙げられる。

 

(2)エネルギー

環境負荷低減に役立つ新エネルギー・省エネルギーシステム等の技術提案を推進するため、エネルギー関連技術の研究開発を行っている。

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、給湯蓄熱ハイブリッド技術提案ソフトの開発などが挙げられる。

 

 

(3)システム

地域ニーズを取り込んだ技術提案を行うためICT利活用技術やネットワーク構築技術などの研究開発を行っている。

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、災害時の通信を確保する簡易無線装置の開発、3DスキャニングデータのCAD出力機能の開発などが挙げられる。

 

(4)省力化

技術主管部を中心に、作業環境の改善、業務効率化を目的として新工法・新工具の開発・改良に取り組んでいる。

当連結会計年度の主な研究開発活動としては、配電線工事分野で防護管挿入機の開発、太陽電池モジュール運搬装置の開発などが挙げられる。

 

 

(その他の事業)

研究開発活動は特段行われていない。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績について、売上高は、太陽光発電設備工事が減少したものの、電柱建替等の配電線工事の増加や連結子会社が2社増加したことなどにより、前連結会計年度に比較して1億8千3百万円増加の1,479億3千5百万円となった。

営業利益は、継続して原価低減に努めたが、M&A関連費用などの販管費の増加により、前連結会計年度に比較して13億1百万円減少の96億7千5百万円となった。

経常利益は、営業利益の減少及び営業外収益として計上した投資有価証券償還益がなかったことなどにより、前連結会計年度に比較して29億3千2百万円減少の118億7千1百万円となった。

親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比較して16億1千5百万円減少の92億7千3百万円となった。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しているとおりである。

   

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

総資産は2,636億1千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億4千5百万円の増加となった。これは、有価証券の増加51億9千7百万円、未成工事支出金の増加19億9百万円、その他投資等の減少37億6千9百万円などによるものである。

負債は466億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億9千万円の増加となった。これは、長期借入金の増加6億8千万円、繰延税金負債の増加6億4千6百万円などによるものである。

純資産は2,170億1千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億5千4百万円の増加となった。これは、その他有価証券評価差額金の増加9億7千7百万円、退職給付に係る調整累計額の増加8億5千2百万円などによるものである。